掃除機ヘッド
【課題】効率の良いスレッドリフトストリップを有する掃除機ヘッドを提供する。
【解決手段】真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッドは、屑が掃除機ヘッドに入る下方に向いた開口部を有する吸引キャビティを含む。開口部の一部は、前縁及び該前縁と実質的に同一平面上にある後縁によって境界付けされる。スレッドリフトストリップは、吸引キャビティ内に配置されると共に吸引キャビティに対して移動可能な支持体に取り付けられる。バネは、支持体を開口部に向かって延びる方向に押し付ける。
【解決手段】真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッドは、屑が掃除機ヘッドに入る下方に向いた開口部を有する吸引キャビティを含む。開口部の一部は、前縁及び該前縁と実質的に同一平面上にある後縁によって境界付けされる。スレッドリフトストリップは、吸引キャビティ内に配置されると共に吸引キャビティに対して移動可能な支持体に取り付けられる。バネは、支持体を開口部に向かって延びる方向に押し付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除用電気器具のための掃除機ヘッドに関する。好ましい実施形態では、掃除機ヘッドは、真空掃除用電気器具と共に使用するのに適している。
【背景技術】
【0002】
真空掃除機は、典型的には、汚れ及びほこり分離装置を格納する主本体と、主本体に接続され、吸引開口部を有する掃除機ヘッドと、吸引開口部及び掃除機ヘッドを通して主本体に汚れ含有空気を吸い込むためのモータ駆動ファンユニットとを含む。吸引開口部は、掃除すべき床面と向かい合うように下方に向いている。汚れ含有空気は、空気が大気に排出される前に汚れ及びほこりを空気から分離することができるように分離装置に送られる。分離装置は、フィルタ、フィルタバッグ、又はサイクロン構成の形態を取ることができる。
【0003】
真空掃除機は、一般的に、円筒型又はキャニスタ型掃除機、直立型掃除機、及び携帯型掃除機を含む。円筒型真空掃除機は、主本体と掃除機ヘッドとの間に延びるホース及びワンド組立体によって床面を引きずられる1組のホイールによって支持される主本体を含む。掃除機ヘッドは、一般的に、主本体から離間したワンド端部に取り外し可能に取り付けられる。使用時には、ユーザは、ワンドを押し引きして、床面上で掃除機ヘッドを前進及び後退させる。直立型真空掃除機は、典型的には、主本体、掃除すべき床面上で真空掃除機を動かすために主本体上に取り付けられた転動組立体、及び主本体上に取り付けられた掃除機ヘッドを含む。使用時には、ユーザは、直立型真空掃除機の主本体を床面に向って傾けた後、真空掃除機を床面上で動かすために、主本体に取り付けられたハンドルを連続的に押し引きする。
【0004】
掃除機ヘッドには、掃除すべき表面から汚れ、ほこり、又は他の屑の除去を改善するために多数の特徴の1つ又はそれ以上を備えることができる。例えば、掃除機ヘッドには、硬質床面から屑を掃くためのブラシを備えることができる。別の例として、掃除機ヘッドには、コアから半径方向外向きに延びる剛毛を支える細長い円筒型コアを含む回転可能ブラシバーを備えることができる。ブラシバーの回転により、剛毛が掃除すべきカーペットの繊維の間を掃いて、カーペットの繊維と、カーペットの表面上及び/又はカーペットの繊維間にあるほこり粒子、繊維、及び毛髪等の屑の両方を激しく動かす。
【0005】
また、掃除機ヘッドがカーペット敷き床面表面上で操作されると、カーペット敷き床面の繊維を激しく動かすために、それぞれの作業縁部によって両側に境界付けられた吸引開口部を有する掃除機ヘッドを提供することが知られている。例えば、国際特許2002/026097号には、汚れ含有空気流が吸引キャビティに吸い込まれる吸引開口部を定める底面を有する掃除機ヘッドが開示されている。底面は、吸引開口部から前方に延びる傾斜した前方部分を有し、これは吸引キャビティの前壁との交差部において鋭利な前部作業縁部を定める。また、底面は、吸引開口部から後向きに延びる傾斜した後方部分を有し、これは、吸引キャビティの後壁との交差部において鋭利な後部作業縁部を定める。カーペット敷き床面上の掃除機ヘッドの前方及び後方行程の各々によって、大気から引き込まれた空気はヘッドの作業縁部の1つの下を通って吸引キャビティに入る。
【0006】
床面上で掃除機ヘッドを前方に押す動作により、底面の前方部分がカーペットの繊維の中に押し込まれ、カーペットに付与される下向きの力を前部作業縁部に集中させる。前方部分が繊維の上を移動すると、繊維の上端は、一時的に前方向に偏向され、その後、吸引キャビティ中に跳ね返る。繊維の急激な移動により、汚れ及びほこりは繊維の間から取り除かれて吸引キャビティの中に入るが、汚れ及びほこりは前部作業縁部の下方を通って吸引チャネルに入る空気流に同伴される。
【0007】
掃除機ヘッドを床面上で後方に引くと同様の動作が起こり、掃除機ヘッドを床面上で後方に引くことで、底面の後方部分がカーペット繊維の中に入り、下向きの力は後部作業縁部に集中する。後方部分が繊維の上を移動すると、繊維の上端は、一時的に後方方向に偏向されて、その後、吸引キャビティの中に跳ね返る。取り外された汚れ及びほこりは、吸引キャビティに入り、後部作業縁部の下を通って吸引チャネルに入る空気流に同伴される。
【0008】
これらの作業縁部の存在により、汚れ及びほこりがカーペットの繊維の間から除去される効率を非常に高くすることができる。一般的に「糸屑(lint)」と呼ばれるスレッド(thread、糸)や毛髪をカーペット表面から除去する効率を改善するために、スレッド収集ストリップ又は糸屑ピッカとも呼ばれるスレッドリフトストリップ(糸拾い上げストリップ)は、前方部分及び後方部分によって定められる作業縁部に隣接する、底面の前方部分及び後方部分の各部に配置される。各スレッドリフトストリップは、一般的に、掃除機ヘッドに接着されるか又は取り付けられる、繊維質下面を有するパッドの形態である。後部スレッドリフトストリップの繊維は、掃除機ヘッドがカーペット上を前方向に移動するとカーペットから糸屑を収集し、掃除機ヘッドがカーペット上で後方に引き戻される場合に収集した糸屑を解放するように同一方向に傾斜している。前部スレッドリフトストリップの繊維は、掃除機ヘッドをカーペット上で後方に引くと糸屑を収集し、掃除機ヘッドをカーペット上で前方に押す場合に収集した糸屑を解放するように、後部スレッドリフトストリップの繊維とは反対方向に整列している。
【0009】
収集された糸屑は、すぐにスレッドリフトストリップから解放される傾向があるわけでなく、代わりに、収集された糸屑は凝集して、収集された糸屑の表面積が吸引キャビティに向かう空気流によってスレッドリフトストリップからむしり取られるほど十分に大きい、最終的にスレッドリフトストリップから解放される塊を形成する傾向がある。凝集した糸屑の大きさ次第では、カーペットと掃除機ヘッドの底面との間で吸引キャビティにすぐに移行できない可能性があり床面上に残る場合がある。この場合、解放された糸屑を吸引キャビティに吸い込むことができるように、ユーザは、解放された糸屑上に掃除機ヘッドを再配置する必要がある。
【0010】
スレッドリフトストリップが、作業縁部を定めるように吸引開口部に向かって傾斜する表面に配置される場合、スレッドリフトストリップは、その全幅にわたってカーペットと密接に接触しない場合がある。これにより、隣接する作業縁部から離れて配置されるスレッドリフトストリップ部が、隣接する作業縁部に最も近いスレッドリフトストリップ部よりも糸屑の収集に関して効率が悪いという影響がある。同様に、ユーザが掃除機ヘッドを床面上で前進及び後退させると、掃除機ヘッドが前後に揺動する、もしくは、スレッドリフトストリップが床面に対して上昇及び下降する傾向がある。スレッドリフトストリップの上昇は、スレッドリフトストリップが糸屑を収集するように配置される行程中に起こる傾向があるので、上昇スレッドリフトストリップとカーペットとの間の接触の密接性の低下は、スレッドリフトストリップの効率を更に低下させる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際特許公開番号2002/026097号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の態様では、本発明は、真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッドを提供し、掃除機ヘッドは、屑が掃除機ヘッドに入る下方に向いた開口部を有する吸引キャビティと、開口部に対して移動可能なスレッドリフトストリップとを備える。
【0013】
掃除機ヘッドが、カーペット上で操作されると、力は、カーペットと接触状態にある掃除機ヘッドの各部分からカーペットに下向き方向に加えられる。掃除機ヘッドのこれらの部分は、掃除機ヘッドが床面上で操作される場合に掃除機ヘッドを支持する支持部材とすることができる。これらの支持部体は、ホイール又はキャスタの形態にすることができる。代替的に又は追加的に、これらの部分は、汚れ及び屑が掃除機ヘッドに入る開口部の少なくとも1つの縁部の形態にすることができる。
【0014】
スレッドリフトストリップとカーペットとの間の接触は、いかなる瞬間においてもカーペットと接触状態にある掃除機ヘッドの表面積を増加させるので、掃除機ヘッドの他の形態部によってカーペットの繊維に加えられる下向きの力は減少する。スレッドリフトストリップが開口部に対して定位置に配置される場合、スレッドリフトストリップからカーペットに加えられる下向きの力の比率は、これらの縁部から繊維に加えられる力の比率の低下により、例えば、開口部の縁部によるカーペット繊維の揺動を損なうほど十分に高くなる場合があるので、カーペット繊維の間に捕捉された汚れ及びほこりを除去するための掃除機ヘッドの性能が低下する。この点に照らして、スレッドリフトストリップは、開口部に対して移動可能に配置される。これにより、スレッドリフトストリップからカーペットに加えられる下向きの力の比率を低下させることができる。
【0015】
スレッドリフトストリップは、吸引キャビティから離間することができる。例えば、スレッドリフトストリップは、吸引キャビティの前方又は後方に配置することができる。吸引キャビティは、前方部分及び該前方部分に流体結合された後方部分から形成することができ、スレッドリフトストリップは、これらの部分の間に置くことができる。従って、吸引キャビティはスレッドリフトストリップの周りに延びることができるが、スレッドリフトストリップは吸引キャビティ内に配置されない。これらの場合には、スレッドリフトストリップは、開口部を含む平面に対して移動可能である。
【0016】
しかしながら、好ましい実施形態では、スレッドリフトストリップは、吸引キャビティ内に位置する。使用時、掃除機ヘッドがカーペット敷き床面上で操作されると、吸引キャビティ内の空気圧の低下により、カーペットの一部が吸引キャビティ内に持ち上がりカーペットの「丘状部」が生じる。吸引キャビティ内にスレッドリフトストリップを設けると、カーペット上の掃除機ヘッドの前方及び後方行程時に、スレッドリフトストリップをカーペット丘状部と密接接触状態に置くことができ、スレッドリフトストリップによる糸屑の収集及びその後のスレッドリフトストリップからの糸屑の解放の両方の効率が高くなる。収集した糸屑は、スレッドリフトストリップから解放されると、即座に、つまり掃除機ヘッドの下面の開口部又は縁部の他の形態部の下方を通ることなく吸引キャビティに吸引される。この場合、スレッドリフトストリップは、開口部に向かって及び開口部から離れるように移動可能である。
【0017】
掃除機ヘッドは、単一の吸引キャビティを含むことができる。吸引キャビティは、開口部から空気を受け取るように及び吸引キャビティから空気を吐出するように配置された単一部分を含むことができる。もしくは、吸引キャビティは、それぞれ開口部を有する前方部分及び後方部分を含むことができ、後方部分は、前方部分から空気を受け取ると共に吸引キャビティから空気を吐出するように配置される。この場合、スレッドリフトストリップは、吸引キャビティの前方部分又は後方部分のどちらかに配置できる。
【0018】
スレッドリフトストリップは、掃除機ヘッドの任意の表面に結合することができる。スレッドリフトストリップが吸引キャビティの外側に配置される場合、スレッドリフトストリップは、吸引キャビティを形成する本体の外部表面、又は吸引キャビティの出口から掃除機ヘッドの出口まで空気を送るためのホースの外部表面等の掃除機ヘッドの任意の外部表面に結合することができる。もしくは、掃除機ヘッドの下方であるが吸引キャビティの外部に配置される場合、スレッドリフトストリップは、掃除機ヘッドの内部表面に結合することができる。
【0019】
好ましくは、スレッドリフトストリップは、吸引キャビティ内に位置する表面に結合される。この表面は、少なくとも部分的に吸引キャビティを形成する壁の一部とすることができる。この表面は、吸引キャビティの側壁の表面、又は吸引キャビティの上壁の表面とすることができる。スレッドリフトストリップは、吸引キャビティの2つの側壁の間に延びることができるので、スレッドリフトストリップの一方の端部は、一方の側壁に結合され、スレッドリフトストリップの他方の端部は、他方の側壁に結合される。もしくは、スレッドリフトストリップは、吸引キャビティの全域に延びる表面に結合することができる。これは、吸引キャビティ内に配置される内壁の形態又は他の形態とすることができる。
【0020】
好ましくは、スレッドリフトストリップの少なくとも1つは、開口部を含む平面に向かって付勢される。これにより、掃除機ヘッドがカーペット上で操作されると、例えば、カーペットの上面と開口部を含む平面との間の距離がどのように変動しても、スレッドリフトストリップとカーペットとの間の密接接触状態を維持できる。
【0021】
スレッドリフトストリップは、床面上の掃除機ヘッドの一部の移動時に、開口部の平面に向かって付勢することができる。この場合、スレッドリフトストリップは、床面上の掃除機ヘッドの前方又は後方行程のうちの他方の間に開口部の平面から離れるように移動することができる。例えば、回転可能ホイールは、床面と係合するように掃除機ヘッドに設けることができる。ホイールは、掃除機ヘッドが床面上を操作されると、ホイールの回転方向に応じて開口部の平面に向かって又は平面から離れるようにスレッドリフトストリップを移動させる機構に連結できる。
【0022】
代替的に、スレッドリフトストリップは、床面上の掃除機ヘッドの前方及び後方行程の両方の間に開口部の平面に向かって付勢することができる。スレッドリフトストリップは、種々の方法で開口部の平面に向かって付勢することができる。前述のように、スレッドリフトストリップは、全体として裏打ち部材上に並べられた一方向繊維アレイ(列)を含む。裏打ち部材は、金属、プラスチック、又はゴム材料等の弾力材料から形成できる。この場合、掃除機ヘッドの表面又は掃除機ヘッドの2つの表面の間へのスレッドリフトストリップ端部の取り付けによって、繊維の少なくとも一部が開口部の平面に向かい合うように、スレッドリフトストリップの少なくともこれらの繊維を弾力性がある裏打ち部材によって開口部の平面に向かって押し付けることができる。もしくは、掃除機ヘッドは、裏打ち部材と係合してスレッドリフトストリップの繊維を開口部の平面に向かって押し付けるための、バネ又は他の弾性部材等の弾性部材を含むことができる。この弾性部材は、スレッドリフトストリップと、掃除機ヘッドの底面又は吸引キャビティの上面等の掃除機ヘッドの下方に向いた面との間に配置できる。別の代替形態として、スレッドリフトストリップは、複数の相対移動可能な部分を含むことができる。これらの部分は、少なくとも中央に配置された部分が開口部の平面に向かって押し付けられるように、端と端とをヒンジ結合できる。
【0023】
掃除機ヘッドは、スレッドリフトストリップを開口部に対して移動させる手段を含むことができる。移動手段は、スレッドリフトストリップが配置され、開口部に対して移動可能な支持体を含むことができる。スレッドリフトストリップは、例えば、接着剤を用いて支持体に取り付けることができ、スレッドリフトストリップの裏打ち部材を支持体に取り付けるようになっている。もしくは、スレッドリフトストリップの繊維は、例えば、接着剤を用いて直接支持体に配置することができる。この場合、接着剤は、スレッドリフトストリップの裏打ち部材を形成すると考えることができる。
【0024】
支持体は、開口部の平面に向かって付勢することができる。支持体は、自重によって開口部の平面に向かって押し付けることができる。もしくは、支持体は、金属、プラスチック、又はゴム材料等の弾性材料から形成することができる。
【0025】
好ましい実施形態では、弾性手段は、支持体を開口部の平面に向かって付勢するために設けられる。弾性手段は、支持体と係合してスレッドリフトストリップを開口部の平面に向かって押し付けるためのバネ又は他の弾性部材等の1つ又はそれ以上の弾性部材を含むことができる。これらの弾性部材は、支持体と、掃除機ヘッドの底面又は吸引キャビティの上面等の掃除機ヘッドの下方に向いた面との間に配置できる。弾性部材は、吸引キャビティの外側に配置できる。例えば、支持体は、吸引キャビティの上壁に形成された開口に広がるロッド、シャフト、又は他の細長い部材を含むことができ、引張バネ等の弾性部材は、支持体を開口部に向かって押し付けるように、細長い部材の端部と吸引キャビティの上壁との間に配置できる。
【0026】
代替的に、弾性手段は、吸引キャビティの内側に配置すること及び支持体と吸引キャビティの表面との間に配置することができる。弾性手段は、1つ又はそれ以上の弾性部材によってもたらすことができる。これらの弾性部材の各々は、開口部に向かって延びる方向に支持体を押し付けるためのねじりバネ又は圧縮バネ等のバネ、又は支持体を吸引キャビティに結合するための可撓性コネクタの形態とすることができる。可撓性コネクタは、支持体及び吸引キャビティの少なくとも1つと一体化することができる。
【0027】
好ましくは、支持体は、少なくとも一部が吸引キャビティを形成するキャビティ壁に結合される。キャビティ壁は、吸引キャビティの上壁又は側壁とすることができる。支持体は、キャビティ壁に対して又はこれに沿って摺動可能に吸引キャビティに結合することができる。もしくは、支持体は、キャビティ壁に向かって又はこれから離れるように移動可能に吸引キャビティに結合することができる。1つの実施形態では、支持体は、キャビティ壁に枢動可能に結合される。キャビティ壁は、開口部の前縁及び後縁の一方を形成する吸引キャビティの壁とすることができ、キャビティ壁は、吸引キャビティの側壁とすることができる。
【0028】
好ましくは、支持体は、開口部が位置する平面に実質的に平行に延びる軸線周りで枢動可能である。支持体は、外向きに延びて、キャビティ壁に対して移動可能に結合される少なくとも1つのアームを含むことができる。キャビティ壁及び支持体の少なくとも1つは、吸引キャビティが支持体を囲むように、キャビティ壁と支持体との間にチャネルを定めるように形作ることができる。例えば、支持体をキャビティ壁に結合するアームの長さは、支持体がキャビティ壁から離間するように選択できる。
【0029】
弾性手段の一端は、キャビティ壁に結合又は係合することができ、弾性手段の他端は、支持体に結合又は係合することができ、支持体を開口部に向かって押し付けるようになっている。
【0030】
好ましくは、掃除機ヘッドは、スレッドリフトストリップの周りにスレッドが巻き付くのを防止する手段を備える。好ましくは、スレッド巻き付き防止手段は、支持体とキャビティ壁との間に配置され、スレッド巻き付き防止手段は、支持体とキャビティ壁との間に配置されたチャネル内に少なくとも部分的に配置される。従って、スレッド巻き付き防止手段は、支持体とキャビティ壁との間にバリアをもたらすので、掃除機ヘッドのカーペット上の移動によってスレッドリフトストリップから解放される前に、収集されたスレッド又は毛髪の端部が支持体に巻き付くのを防止する。好ましくは、スレッド巻き付き防止手段は、支持体及びキャビティ壁の少なくとも1つに結合される。第1の実施例として、スレッド巻き付き防止手段は、支持体及びキャビティ壁の一方に結合されたグリル又はメッシュを含むことができる。第2の実施例として、スレッド巻き付き防止手段は、支持体及びキャビティ壁の一方に結合されると共に他方に向かって延びるリブのセット(組)を含むことができる。第3の実施例として、スレッド巻き付き防止手段は、支持体に結合された第1のセットのリブ及びキャビティ壁に接続された第2のセットのリブを含むことができる。好ましくは、第1のセットのリブの各リブは、第2のセットのリブの1つのリブに隣接して配置される。
【0031】
好ましくは、スレッドリフトストリップは、開口部の前縁及び後縁に実質的に平行に整列される。スレッドリフトストリップは、部分的に又は実質的に完全に吸引キャビティ上に延びることができる。
【0032】
好ましくは、支持体は、上昇位置と下降位置との間で開口部に対して移動可能である。好ましくは、停止部材は、下降位置を越えた支持体の移動を防止するために設けられる。停止部材は、支持体上に配置できる。停止部材は、少なくとも一部が吸引キャビティを形成する表面、又はキャビティ内又はキャビティ外側にある別の表面と当接するように配置できる。
【0033】
好ましくは、スレッドリフトストリップは、支持体の凹部に配置される。スレッドリフトストリップは、好ましくは、接着剤を用いて支持体のこの凹部に接続される。好ましくは、支持体の凹部は、各々が開口部に向かって延びる前縁及び後縁を含み、支持体のこれら縁部の一方は、縁部の他方を越えて下向きに延びる。好ましくは、スレッドリフトストリップは、縁部の一方に向かって傾いた繊維アレイを含む。これは、掃除機ヘッドがカーペット上を操作されると、スレッドリフトストリップの表面上に蓄積された糸屑が、この縁部とカーペットとの間で捕捉されるか又は「挟まれる」ようにすることができ、これは蓄積された糸屑をスレッドリフトストリップから取り除くことを助ける。
【0034】
好ましくは、支持体は、支持体の前記縁部の1つが開口部の前縁及び後縁と実質的に同一平面上にある位置に向かって付勢される。これは、支持体の表面が開口部を越えて下方に突出するのを防止するので、掃除機ヘッドが位置する硬い床面に対して縁部が押し付けられるのを防止する。この位置において、スレッドリフトストリップの下面は、好ましくは実質的に開口部と平行である。好ましくは、停止部材は、この位置を越えた支持体の移動を防止するために、吸引キャビティの壁と接触するように構成される。この壁は、支持体が結合されるキャビティ壁とすることができる。支持体の縁部は、開口部の前縁及び後縁と実質的に平行とすることができる。縁部は、比較的鋭利なことが好ましいので、縁部は、スレッドリフトストリップの下面に対して傾斜する支持体の下面の前方部分又は後方部分の形態で、表面の縁部によって形成されることが好ましい。
【0035】
複数のスレッドリフトストリップは、支持体上に配置することができる。スレッドリフトストリップは、支持体に沿って又は支持体上で端から端まで又は千鳥配置で配置することができ、ストリップの繊維は同一方向に整列している。もしくは、スレッドリフトストリップは並列配置で配置でき、スレッドリフトストリップの繊維は反対方向に配置される。この場合、一方のスレッドリフトストリップは、掃除機ヘッドのカーペット上の前方行程時に糸屑を収集でき、他方のスレッドリフトストリップは、掃除機ヘッドのカーペット上の後方行程時に糸屑を収集できる。空気チャネルは、各スレッドリフトストリップの間に設けることができる。更なる代替形態として、掃除機ヘッドは、それぞれスレッドリフトストリップを含む2つの支持体を備えることができる。
【0036】
好ましくは、掃除機ヘッドは、前述の開口部を形成する底面を含む。好ましくは、底面は、開口部の前縁から前方に延びる前方部分と、開口部の後縁から後方に延びる後方部分とを有する。好ましくは、これらの部分の各々は、開口部の比較的鋭利な前縁及び後縁を形成するように開口部を含む平面に対して傾斜している。底面の前方部分及び/又は底面の後方部分の少なくとも1つは、第2のスレッドリフトストリップを含むことができる。好ましくは、第2のスレッドリフトストリップは、実質的に掃除機ヘッドの全幅に延び、好ましくは、開口部の前縁及び後縁に対して実質的に平行である。
【0037】
第2の態様では、本発明は、真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッドを提供し、掃除機ヘッドは、
下方に向いた開口部を有する吸引キャビティであって、屑が開口部を通って吸引キャビティに入り、開口部の一部が前縁及び後縁によって境界付けされる吸引キャビティと、
吸引キャビティ内に配置され、吸引キャビティ対して移動可能な支持体と、
支持体上に取り付けられるスレッドリフトストリップと、
開口部に向かって延びる方向に支持体を押し付けるための弾性手段と、
を備える。
【0038】
本発明の第1の態様に関連して説明した特徴は、本発明の第2の態様にも同様に適用でき、逆もまた同じである。
【0039】
本発明の好ましい特徴は、例示目的の添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】掃除機ヘッドの第1の実施例の上から見た正面斜視図である。
【図2】図1の掃除機ヘッドの上から見た正面斜視図である。
【図3】図1の掃除機ヘッドの底面図である。
【図4】図3の線A−Aに沿った横断面の前方部である。
【図5】図3の線B−Bに沿った横断面図の前方部である。
【図6】掃除機ヘッドの第2の実施例の上から見た正面斜視図である。
【図7】図6の掃除機ヘッドの下から見た正面斜視図である。
【図8】図6の掃除機ヘッドの下から見た背面斜視図である。
【図9】図6の掃除機ヘッドの底面図である。
【図10】図9の線A−Aに沿った横断面図の前方部である。
【図11】図9の線B−Bに沿った横断面図の前方部である。
【図12】図9の線C−Cに沿った横断面図の前方部である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1から図3は、真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッド10の第1の実施例の外観図である。掃除機ヘッド10は、主本体12と、掃除機ヘッド10を床面上で操作することを可能にするように配置された1対のホイール14とを含む。各ホイール14は、主本体12から後方に延びるそれぞれのアーム16に回転可能に結合される。掃除機ヘッド10は、真空掃除機のワンド又はホースに接続可能な開放端を有するコネクタ18を更に含む。
【0042】
主本体12は、下側本体部分20、及び下側本体部分20上でこの周りに延びる上側本体部分22を含む。下側本体部分20は、掃除機ヘッド10の吸引キャビティを形成する。使用時には、吸引キャビティは、掃除すべき床面に向かい合い、汚れ含有空気を床面から掃除機ヘッド10に受け入れる。
【0043】
しかしながら、本実施例では、吸引キャビティは、前部吸引キャビティ部分24及び後部吸引キャビティ部分26を備える。各吸引キャビティ部分24、26は、下側本体部分20の実質的に全体に広がって延びる。前部吸引キャビティ部分24は、主本体12の前部に向かって配置され、後部吸引キャビティ部分26は、前部吸引キャビティ部分24の後方で主本体12の後部に向かって配置される。前部吸引キャビティ部分24は、第1の汚れ含有空気流が前部吸引キャビティ部分24に入る下方に向いた吸引開口部28を有し、後部吸引キャビティ部分26は、第2の汚れ含有空気流が後部吸引キャビティ部分26に入る下方に向いた吸引開口部30を有する。
【0044】
吸引開口部28、30の各々は、下側本体部分20の底面32によって形成される。吸引開口部28は、各々が下側本体部分20の底面32から立ち上がる、側壁34、36、比較的長い前壁38及び比較的長い後壁40によって境界が定められる。吸引開口部28の前部作業縁部42は、底面32と前壁38との間の交差部で定められ、吸引開口部28の後部作業縁部44は、底面32と後壁40との間の交差部で定められる。
【0045】
また、吸引開口部30は、各々が下側本体部分20の底面32から立ち上がる、側壁46、48、比較的長い前壁50及び比較的長い後壁52によって境界が定められる。主本体12を広がるチャネル54は、前部吸引キャビティ部分24の後壁40と、後部吸引キャビティ部分26の前壁50とを分離する。チャネル54は、2つの部分に分かれ、チャネル54の各部分の上端は大気開放である。吸引開口部30の前部作業縁部56は、底面32と前壁50との間の交差部で定められ、吸引開口部30の後部作業縁部58は、底面32と後壁52との間の交差部で定められる。
【0046】
作業縁部42、44、56、58は、吸引開口部28、30を含む図4に示す平面P1と実質的に同一平面上にあり、この内部に配置される。作業縁部42、44、56、58の各々は、好ましくは比較的鋭利であり、好ましくは0.5mm未満の曲率半径を有する。作業縁部42、44、56、58が硬い床面に傷を付けること又は跡を付けるのを防止するために、掃除機ヘッド10がこのような床面上で操作される場合、掃除機ヘッド10は、作業縁部42、44、56、58を硬い床面から離間する働きをする表面係合支持部材を備える。本実施形態では、掃除機ヘッド10は、下側本体部分20に形成された1対の凹部に回転可能に取り付けられた一対のホイール60を備える。図5に示すように、ホイール60は、ホイール60の最下端が、作業縁部42、44、56、58の下方に配置されるように、作業縁部42、44、56、58を越えて下方に突出する。
【0047】
使用時、掃除機ヘッド10を通過した空気と外部環境との間で差圧が発生する。この差圧により、掃除機ヘッド10に床面に向かって下向きに作用する力が生じる。掃除機ヘッド10をカーペット敷き床面上に置く場合、ホイール60は、掃除機ヘッド10の重量及び掃除機ヘッド10に下向きに作用する力を受けてカーペットの繊維中に押し込まれる。ホイール60の厚さは、ホイール60がカーペット内に簡単に沈み込み、主本体12の少なくとも作業縁部42、44、56、58がカーペット繊維と接触状態になるように選択される。ホイール60の厚さは、好ましくは5mm未満である。
【0048】
前部吸引キャビティ部分24は、第1の汚れ含有空気流を後部吸引キャビティ部分26に送る中間チャネル62によって後部吸引キャビティ部分26に結合される。各チャネル62は、主本体12のそれぞれの側面の方に配置され、下側本体部分20の底面32の一部の下方を通過する。後部吸引キャビティ部分26は、第1及び第2の汚れ含有空気流の両方が吸引キャビティから放出される空気出口64を含む。空気流は、ホイール14で支持された可撓性ホース66を通過してコネクタ18に向かう。ホース66の一方の端部は、空気出口64に適合して、これに対してシールされる広い口部を有する。内部ホース66の他方の端部は円形断面を有し、同様にコネクタ18の内側で適合するネック部68に対して適合して、これに対してシールされるように配置される。ネック部68は、掃除機ヘッド10の主本体12に向かって延びる第2のアーム対70に結合され、好ましくはこれらと一体化される。各アーム70は、一方の端部に向かって、第3のアーム対72のそれぞれの1つの第1の端部に枢動可能に結合される。これは、掃除機ヘッド10の第1の関節継手を提供する。各アーム72の第2の端部は、掃除機ヘッド10の主本体12のそれぞれのアーム16に枢動可能に結合される。これは、掃除機ヘッド10の第2の関節継手を提供する。第1及び第2の継手は、平面P1に平行な軸線周りで枢動する。コネクタ18は、第1及び第2の継手の軸線に対して垂直な軸線周りでネック68に対して回転するように配置される。コネクタ18とネック68の回転可能な結合は、掃除機ヘッド10が横方向に移動することを可能にする第3の継手を形成する。使用時に、3つの継手は、カーペットと作業縁部42、44、56、58との接触を維持しながら、掃除機ヘッド10を操作及び操向することを可能にする。
【0049】
ブリード弁74は、主本体12の下側本体部分20と上側本体部分22との間に位置するキャビティ76に設けられる。キャビティ76は大気に開放される上側開口78を有し、キャビティは弁座によって形成される。また、キャビティ76は、空気出口64と連通する複数の下側開口80を有する。ブリード弁74は、掃除機ヘッド10の通常の使用時にキャビティ76を空気が流れないように、バネ82によって付勢されて弁座が係合する。例えば、吸引キャビティ24、26の1つに吸い込まれた繊維によって吸引キャビティが塞がれた場合、空気出口64の圧力は低下することになる。吸引キャビティ内部の圧力が所定値を下回る場合、ブリード弁74に作用する大気圧は該ブリード弁をバネ82の力に抗して下向きに押し付けるので、大気中の空気が掃除機ヘッド10に入る流路をもたらす。閉塞物を取り除くと、空気出口64の空気圧は上昇することになり、大気中の空気からブリード弁74に作用する力が低減して、バネ82が弁座に対してブリード弁74を押し戻すことになる。
【0050】
スレッドリフトストリップ支持体84は、後部吸引キャビティ部分26に配置される。支持体84は、下側本体部分20に対して、結果的に後部吸引キャビティ部分26及びその吸引開口部30に対して移動可能なように、主本体12の下側本体部分20に結合される。本実施例では、支持体84は、後部吸引キャビティ部分26の前壁50に結合される。支持体84は、支持体84の主本体から外向きに延び、前壁50に形成された開口を通って延びる一対のアーム86を含む。アーム86は、前壁50に結合されるシャフト88を受け入れる凹部を備える。アーム86は、アーム86がシャフト88を長手方向に通過する軸線Aの周りで枢動することを可能にするスナップ嵌めで前壁50に結合される。アーム86の長さは、後部吸引キャビティ部分26が支持体84の主本体の周りに延びるように、支持体84を前壁50から離間できる長さに選択される。
【0051】
支持体84の主本体は、第1のスレッドリフトストリップ92が、例えば、接着剤を用いて取り付けられる凹部90を有する。スレッドリフトストリップ92は、比較的剛性のある剛毛又は繊維の短い房を含む下面を有する、細長いストリップ又はパッドの形態である。スレッドリフトストリップ92の繊維は、同一方向に整列しており、本実施例では、後部吸引キャビティ部分26の前壁50から下向きかつこれから離れるように傾斜している。支持体84の凹部90は、支持体84の下面94を形成すると共に、支持体84の前縁96及び後縁98を形成する。後縁98は、前縁96を越えて下方に突出している。図4及び図5に示す支持体の下降位置Lにおいて、後縁98は、実質的に吸引開口部28、30の作業縁部42、44、56、58を含む平面P1に配置される。支持体84は、下降位置Lを越えた支持体84の下方への移動を阻止する停止部材100を含む。停止部材100は、支持体84のアーム86の一方に配置され、後部吸引キャビティ部分26の前壁50に配置される当接面102と係合するように構成される。他方のアーム86には、同じ停止部材100を設けることができる。
【0052】
支持体84は、軸線Aの周りの支持体84の枢動運動により図4及び図5に点線で示す下降位置Lから上昇位置Rまで上向きに移動することができる。支持体84は、ねじりバネ104によって下降位置Lに付勢される。ねじりバネ104は、前壁50と係合する第1の端部と、支持体84の一部、好ましくは支持体84のアーム86の一方と係合する第2の端部とを有し、支持体84を下降位置に付勢するようになっている。第2のねじりバネ104は、支持体84の他方のアーム86と係合するように設けることができる。
【0053】
第2のスレッドリフトストリップ106は、主本体12の下側本体部分20の底面32に取り付けられる。本実施例では、第2のスレッドリフトストリップ106は、底面の後方部分108に取り付けられる。後方部分108は、吸引開口部30の後部作業縁部58から後方に延び、作業縁部42、44、56、58を含む平面P1に対して上向きに傾斜している。第2のスレッドリフトストリップ106は、実質的に主本体12の全幅に延びる。第2のスレッドリフトストリップ106の繊維は、吸引開口部30の後部作業縁部58に向かって傾斜するように整列している。
【0054】
使用時、掃除機ヘッド10は、吸引空気流を発生する真空掃除用電気器具に連結される。掃除すべきカーペット敷き床面上に置かれた掃除機ヘッド10を用いて、ユーザは、ワンドを連続的に押し引きして、カーペット上で掃除機ヘッド10を前方及び後方に移動する。掃除機ヘッド10の各前方行程時に、前部作業縁部42、56は、繊維が前部作業縁部42、56の下方を通過すると、繊維が吸引キャビティ部分24、26の一方に入るような方向にカーペットの繊維上を移動する。前部作業縁部42、56が繊維の上を移動すると、繊維の上端は、前部作業縁部42、56が加える下向きの力の作用を受けて前方向に偏向される。前部作業縁部42、56が、偏向された繊維を越えて移動すると、偏向された繊維は、吸引キャビティ部分24、26の一方の中に跳ね返る。この繊維の急激な移動により、汚れ及びほこりは繊維の間から取り除かれて吸引キャビティ部分24、26に入る。前部吸引キャビティ部分24に入った汚れ及びほこりは、前部作業縁部42の下部及び前部吸引キャビティ部分24に吸い込まれた第1の空気流に同伴されるが、後部吸引キャビティ部分26に入った汚れ及びほこりは、チャネル54及び前部作業縁部56の下方を通過して後部吸引キャビティ部分26に入る第2の空気流に同伴される。第1の汚れ含有空気流は、中間チャネル62を通過して、後部吸引キャビティ部分26の第2の汚れ含有空気流と一緒になる。空気流は、空気出口64を通って後部吸引キャビティ部分26から出る。
【0055】
掃除機ヘッド10の各後方行程時に、後部作業縁部44、58は、繊維が後部作業縁部44、58の下方を通過すると、繊維が吸引キャビティ部分24、26の一方に入るような方向にカーペットの繊維上を移動する。後部作業縁部44、58が繊維の上を移動すると、繊維の上端は、後部作業縁部44、58が加える下向きの力の作用受けて後方向に偏向される。後部作業縁部44、58が、偏向された繊維上を移動すると、偏向された繊維は、吸引キャビティ部分24、26の一方の中に跳ね返る。この繊維の急激な移動により、汚れ及びほこりは繊維の間から取り除かれて吸引キャビティ部分24、26に入る。前部吸引キャビティ部分24に入った汚れ及びほこりは、チャネル54及び後部作業縁部44の下方を通過して前部吸引キャビティ部分24に入る第1の空気流に同伴されるが、後部吸引キャビティ部分26に入った汚れ及びほこりは、後部作業縁部58の下方で引き込まれて後部吸引キャビティ部分26の中に入る第2の空気流に同伴される。第1の汚れ含有空気流は、中間チャネル62を通過して、後部吸引キャビティ部分26の第2の汚れ含有空気流と一緒になる。空気流は、空気出口64を通って後部吸引キャビティ部分26から出る。
【0056】
従って、掃除機ヘッド10のカーペット上の前方及び後方行程時の各々で、作業縁部42、44、56、58は、カーペットの繊維の間から汚れ及び屑を取り除くよう作用する。各行程時に、スレッドリフトストリップ92、106は、カーペットの表面からスレッド、毛髪等の形態の糸屑を除去するよう作用する。前述のように、第1のスレッドリフトストリップ92は、後部吸引キャビティ部分26に配置される支持体84に取り付けられる。掃除機ヘッド10がカーペット上で操作されると、カーペットの「丘状部」は、吸引キャビティ部分24、26の空気圧低下の結果として吸引キャビティ部分24、26の各々に引き込まれる。後部吸引キャビティ部分26に吸い込まれたカーペット丘状部は、第1のスレッドリフトストリップ92と係合して密接接触状態になる。支持体84は後部吸引キャビティ部分26に対して移動可能であり、掃除機ヘッド10がカーペット上を移動する際にカーペットと第1のスレッドリフトストリップ92との間に作用する力は、作業縁部42、44、56、58がカーペット繊維に加える力を著しく低減するほど大きくなく、一方で、ねじりバネ104の作用により、カーペットと第1のスレッドリフトストリップ92との間の密接接触が維持される。
【0057】
第1のスレッドリフトストリップ92の繊維は、掃除機ヘッド10の各後方行程によって、カーペット丘状部にある糸屑が第1のスレッドリフトストリップ92の表面に収集されるように整列している。蓄積された糸屑は、掃除機ヘッド10の前方行程によって第1のスレッドリフトストリップ92から解放され、後部吸引キャビティ部分26を通る空気流に同伴させることができる。収集された糸屑を第1のスレッドリフトストリップ92から解放することは後部支持縁部98によって助けることができ、掃除機ヘッド10が前方方向に移動すると、収集された糸屑を後部支持縁部98とカーペットとの間で捕捉又は挟むことができるので、後部吸引キャビティ部分26を通る空気流に同伴されるように、収集された糸屑を第1のスレッドリフトストリップからむしり取ることができる。
【0058】
第2のスレッドリフトストリップ106の繊維は、掃除機ヘッド10の各前方行程によって、後部吸引キャビティ部分26直後のカーペット上にある糸屑が、第2のスレッドリフトストリップ106の表面に収集されるように整列している。集積された糸屑は、掃除機ヘッド10の後方行程によって第2のスレッドリフトストリップ106から解放することができる。解放された糸屑は、後部吸引キャビティ部分26の後部作業縁部58の下方を通過する第2の空気流に同伴させることができる、或いは、その後、掃除機ヘッド10に吸い込まれるようにカーペットの表面に留まることができる。
【0059】
図6から図9は、真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッド110の第2の実施例の外観図である。第1の実施例と同様に、掃除機ヘッド110は、主本体112と、掃除機ヘッド110が床面上を操作できるように構成された一対のホイール114とを備える。主本体112は、上側本体部分に枢動可能に結合された下側本体部分116を備える。上側本体部分は、下側本体部分116に結合する前方部分118と、前方部分118に枢動結合された後方部分120とを備える。ホイール114は、主本体112の後方部分120に結合される。後方部分120は、真空掃除機のワンド又はホースに接続可能な開放端を有するコネクタ122を備える。
【0060】
第2の実施例では、下側本体部分116は、掃除機ヘッド110の単一吸引キャビティ124を形成する。使用時には、吸引キャビティは、掃除すべき床面に面し、汚れ含有空気を床面から掃除機ヘッド110の中に受け入れる。吸引キャビティ124は、下側本体部分116の実質的に全体に広がって延びる。吸引キャビティ124は、汚れ含有空気流が吸引キャビティ124に入る下方に向いた吸引開口部126を有する。吸引開口部126は、下側本体部分116の底面によって形成される。吸引開口部126は、比較的長い前壁128、比較的長い後壁130、及び比較的長い壁128、130の端部の間に延びる2つの比較的短い側壁132、134によって境界が定められる。吸引開口部126の前部作業縁部136は、下側本体部分116の底面と前壁128との間の交差部で定められ、吸引開口部126の後部作業縁部138は、底面と後壁130との間の交差部で定められる。作業縁部136、138は、吸引開口部126を含む平面と実質的に同一平面上にあり、吸引開口部126の内部に配置される。吸引キャビティ124は、中央に配置され、下側本体部分116に広がる空気通路142に汚れ含有空気流を送る空気出口140を備える。上側本体部分は、汚れ含有空気流を空気通路142からコネクタ122まで送る導管144を備える。
【0061】
第2の実施例では、掃除機ヘッド110は、下側本体部分116を取り囲むフレーム又はカバー146を備える。フレーム146は、下側本体部分116の下側周縁の周りで下方に延びる一連の剛毛148を支える。掃除機ヘッド110は、ユーザが、図6から図12に示す剛毛の下端が吸引開口部126を含む平面の下方に位置する下降位置と、剛毛の下端が平面の上方に位置する上昇位置との間でフレーム146を移動できる機構150を備える。フレーム146が下降位置にある場合、掃除機ヘッド110は硬い床面を掃除する構成になる。作業縁部136、138は硬い床面から離間して、縁部が硬い床面に傷を付けるか又は跡を付けるのを防ぐ。フレーム146が上昇位置にある場合、掃除機ヘッド110は、作業縁部136、138がカーペット繊維と接触状態になることができるので、カーペット敷き面を掃除する構成になる。
【0062】
スレッドリフトストリップ支持体152は、吸引キャビティ124に配置される。支持体152は、下側本体部分116に対して、結果的に吸引キャビティ124及び吸引開口部126に対して移動可能であるように、主本体112の下側本体部分116に結合される。第2の実施例では、支持体152は、吸引キャビティ124の前壁128に結合される。また、図10を参照すると、支持体152は、支持体152の主本体のそれぞれの端部から外向きに延びると共に、前壁128に形成された開口に広がる一対のアーム154を備える。アーム154は、前壁128に結合されるシャフト156を受け入れる凹部を備える。アーム154は、アーム154がシャフト156を長手方向に通過すると共に吸引開口部126の平面に平行な軸線の周りで枢動することを可能にするスナップ嵌めで前壁128に結合される。アーム154の長さは、後部吸引キャビティ124が、支持体152の主本体の周りに延びるように、支持体152を前壁128から離間できる長さに選択される。
【0063】
第1の実施例と同様に、支持体152の主本体は、第1のスレッドリフトストリップ160が、例えば、接着剤を用いて取り付けられる凹部158を有する。スレッドリフトストリップ160は、比較的剛性のある剛毛又は繊維の短い房を含む下面を有する、細長ストリップ又はパッドの形態である。スレッドリフトストリップ160の繊維は、同一方向に整列しており、本実施例では、吸引キャビティ124の前壁128から下向きかつこれから離れるように傾斜している。支持体152の凹部158は、支持体152の下面152を形成すると共に、支持体152の前縁162及び後縁164を形成する。後縁164は、前縁162を越えて下方に突出する。第2の実施例では、図10から図12に示すように、支持体152の下降位置において、後縁164は、吸引開口部126の平面の上方に位置する。支持体152は、支持体152の下降位置を越えて下方への移動を防止する停止部材166を含む。停止部材166は、支持体152の主本体上に配置され、吸引キャビティ124の前壁128と係合するように構成される。
【0064】
第1の実施例と同様に、支持体152は、吸引キャビティ124の前壁128に対して支持体152の枢動運動により下降位置から上昇位置まで上向きに移動することができる。支持体152は、ねじりバネ168によって下降位置に付勢される。ねじりバネ168は、前壁128と係合する第1の端部と、支持体152の一部、好ましくは支持体152のアーム154の一方と係合する第2の端部とを有し、支持体152を下降位置に付勢するようになっている。第2のねじりバネは、支持体152の他方のアーム154と係合するように設けることができる。
【0065】
第2の実施例では、掃除機ヘッド110は、支持体152の周りのスレッド又は毛髪、詳細には、全長がほぼスレッドリフトストリップ160に沿って延びる方向で収集されるスレッド又は毛髪の巻き付きを防止する手段を含む。支持体152の周りのスレッド又は毛髪の巻き付き防止手段は、前壁128と支持体152の主本体との間に延びるチャネル170内に配置される。本実施例では、支持体152の周りのスレッド又は毛髪の巻き付き防止手段は、支持体152に結合され、前壁128に向かってチャネル170内に延びる第1のセットのリブ172と、前壁150に結合され、支持体152に向かってチャネル170内を延びる第2のセットのリブ174とを備える。好ましくは、第1のセットのリブ172の各リブは、第2のセットのリブ174の1つのリブに隣接して配置される。各リブは、吸引キャビティ124の出口に向かってチャネル170を通る空気流を著しく妨げることなく、スレッドリフトストリップ160が捕捉したスレッドの端部が支持体152に巻き付くのを防止する、支持体152の片側に沿ったバリアをもたらす。
【0066】
第2のスレッドリフトストリップ176は、主本体112の下側本体部分116の底面に取り付けられる。本実施例では、第2のスレッドリフトストリップ176は、底面の後方部分に取り付けられる。後方部分は、吸引開口部126の後部作業縁部138から後方に延び、作業縁部136、138を含む平面に対して上向きに傾斜している。第2のスレッドリフトストリップ176は、実質的に主本体112の全幅に延びる。第2のスレッドリフトストリップ176の繊維は、後部作業縁部138に向かって傾斜するように整列している。
【0067】
使用時、カーペット敷き床面を掃除する、従って、フレーム146が上昇位置にある場合の掃除機ヘッド110の作動は、掃除機ヘッド10の作動と同じである。掃除機ヘッド110の各前方行程時に、前部作業縁部136は、カーペットの繊維を激しく動かして、汚れ及びほこりを繊維の間から取り除いて吸引キャビティ124に入れる。この汚れ及びほこりは、前部作業縁部136の下方で吸引キャビティ124に吸い込まれる空気流に同伴される。掃除機ヘッド110の各後方行程時に、後部作業縁部138は、カーペット繊維を激しく動かして、汚れ及びほこりをカーペット繊維の間から取り除いて吸引キャビティ124に入れる。この汚れ及びほこりは、後部作業縁部138の下方で吸引キャビティ124に吸い込まれる空気流に同伴される。汚れ含有空気流は、空気出口140を通って吸引キャビティ124から出て行き、掃除機ヘッド110を通ってコネクタ122に取り付けられた真空掃除機のワンド又はホースに移動する。
【0068】
各行程の各々の間に、スレッドリフトストリップ160、176は、カーペットの表面からスレッド、毛髪等の形態の糸屑を取り除くように作用する。前述のように、第1のスレッドリフトストリップ160は、吸引キャビティ124内に配置される支持体152に取り付けられる。掃除機ヘッド110がカーペット上で操作されると、カーペット「丘状部」は、吸引キャビティ124の空気圧低下の結果として吸引キャビティ124に引き込まれる。カーペット丘状部は、第1のスレッドリフトストリップ160と係合して密接接触状態になる。支持体152は吸引キャビティ124に対して移動可能であり、掃除機ヘッド110がカーペット上を移動する際にカーペットと第1のスレッドリフトストリップ160との間に作用する力は、作業縁部136、138がカーペット繊維に加える力を著しく低減するほど大きくなく、一方で、ねじりバネ168の作用によりカーペットと第1のスレッドリフトストリップ160との間の密接接触が維持される。
【0069】
第1のスレッドリフトストリップ160の繊維は、掃除機ヘッド110の各後方行程によって、カーペット丘状部にある糸屑が、第1のスレッドリフトストリップ160の表面に収集されるように整列している。蓄積された糸屑は、掃除機ヘッド10の前方行程によって第1のスレッドリフトストリップ160から解放され、吸引キャビティ124を通る空気流に同伴させることができる。収集された糸屑を第1のスレッドリフトストリップ160から解放することは後部支持縁部164によって助けることができ、掃除機ヘッド110が前方方向に移動すると、収集された糸屑は、後部支持縁部164とカーペットとの間で捕捉又は挟むことができるので、吸引キャビティ124を通る空気流に同伴されるように、収集された糸屑を第1のスレッドリフトストリップ160からむしり取ることができる。
【0070】
第2のスレッドリフトストリップ176の繊維は、掃除機ヘッド10の各前方行程によって、吸引キャビティ124直後のカーペット上にある糸屑が、第2のスレッドリフトストリップ106の表面に収集されるように整列している。集積された糸屑は、掃除機ヘッド110の後方行程によって第2のスレッドリフトストリップ176から解放することができる。解放された糸屑は、後部作業縁部138の下方を通過する空気流に同伴させることができる、或いは、その後、掃除機ヘッド110に吸い込まれるようにカーペットの表面に留まることができる。
【符号の説明】
【0071】
24 前部吸引キャビティ
26 後部吸引キャビティ
28 吸引開口部
30 吸引開口部
92 スレッドリフトストリップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除用電気器具のための掃除機ヘッドに関する。好ましい実施形態では、掃除機ヘッドは、真空掃除用電気器具と共に使用するのに適している。
【背景技術】
【0002】
真空掃除機は、典型的には、汚れ及びほこり分離装置を格納する主本体と、主本体に接続され、吸引開口部を有する掃除機ヘッドと、吸引開口部及び掃除機ヘッドを通して主本体に汚れ含有空気を吸い込むためのモータ駆動ファンユニットとを含む。吸引開口部は、掃除すべき床面と向かい合うように下方に向いている。汚れ含有空気は、空気が大気に排出される前に汚れ及びほこりを空気から分離することができるように分離装置に送られる。分離装置は、フィルタ、フィルタバッグ、又はサイクロン構成の形態を取ることができる。
【0003】
真空掃除機は、一般的に、円筒型又はキャニスタ型掃除機、直立型掃除機、及び携帯型掃除機を含む。円筒型真空掃除機は、主本体と掃除機ヘッドとの間に延びるホース及びワンド組立体によって床面を引きずられる1組のホイールによって支持される主本体を含む。掃除機ヘッドは、一般的に、主本体から離間したワンド端部に取り外し可能に取り付けられる。使用時には、ユーザは、ワンドを押し引きして、床面上で掃除機ヘッドを前進及び後退させる。直立型真空掃除機は、典型的には、主本体、掃除すべき床面上で真空掃除機を動かすために主本体上に取り付けられた転動組立体、及び主本体上に取り付けられた掃除機ヘッドを含む。使用時には、ユーザは、直立型真空掃除機の主本体を床面に向って傾けた後、真空掃除機を床面上で動かすために、主本体に取り付けられたハンドルを連続的に押し引きする。
【0004】
掃除機ヘッドには、掃除すべき表面から汚れ、ほこり、又は他の屑の除去を改善するために多数の特徴の1つ又はそれ以上を備えることができる。例えば、掃除機ヘッドには、硬質床面から屑を掃くためのブラシを備えることができる。別の例として、掃除機ヘッドには、コアから半径方向外向きに延びる剛毛を支える細長い円筒型コアを含む回転可能ブラシバーを備えることができる。ブラシバーの回転により、剛毛が掃除すべきカーペットの繊維の間を掃いて、カーペットの繊維と、カーペットの表面上及び/又はカーペットの繊維間にあるほこり粒子、繊維、及び毛髪等の屑の両方を激しく動かす。
【0005】
また、掃除機ヘッドがカーペット敷き床面表面上で操作されると、カーペット敷き床面の繊維を激しく動かすために、それぞれの作業縁部によって両側に境界付けられた吸引開口部を有する掃除機ヘッドを提供することが知られている。例えば、国際特許2002/026097号には、汚れ含有空気流が吸引キャビティに吸い込まれる吸引開口部を定める底面を有する掃除機ヘッドが開示されている。底面は、吸引開口部から前方に延びる傾斜した前方部分を有し、これは吸引キャビティの前壁との交差部において鋭利な前部作業縁部を定める。また、底面は、吸引開口部から後向きに延びる傾斜した後方部分を有し、これは、吸引キャビティの後壁との交差部において鋭利な後部作業縁部を定める。カーペット敷き床面上の掃除機ヘッドの前方及び後方行程の各々によって、大気から引き込まれた空気はヘッドの作業縁部の1つの下を通って吸引キャビティに入る。
【0006】
床面上で掃除機ヘッドを前方に押す動作により、底面の前方部分がカーペットの繊維の中に押し込まれ、カーペットに付与される下向きの力を前部作業縁部に集中させる。前方部分が繊維の上を移動すると、繊維の上端は、一時的に前方向に偏向され、その後、吸引キャビティ中に跳ね返る。繊維の急激な移動により、汚れ及びほこりは繊維の間から取り除かれて吸引キャビティの中に入るが、汚れ及びほこりは前部作業縁部の下方を通って吸引チャネルに入る空気流に同伴される。
【0007】
掃除機ヘッドを床面上で後方に引くと同様の動作が起こり、掃除機ヘッドを床面上で後方に引くことで、底面の後方部分がカーペット繊維の中に入り、下向きの力は後部作業縁部に集中する。後方部分が繊維の上を移動すると、繊維の上端は、一時的に後方方向に偏向されて、その後、吸引キャビティの中に跳ね返る。取り外された汚れ及びほこりは、吸引キャビティに入り、後部作業縁部の下を通って吸引チャネルに入る空気流に同伴される。
【0008】
これらの作業縁部の存在により、汚れ及びほこりがカーペットの繊維の間から除去される効率を非常に高くすることができる。一般的に「糸屑(lint)」と呼ばれるスレッド(thread、糸)や毛髪をカーペット表面から除去する効率を改善するために、スレッド収集ストリップ又は糸屑ピッカとも呼ばれるスレッドリフトストリップ(糸拾い上げストリップ)は、前方部分及び後方部分によって定められる作業縁部に隣接する、底面の前方部分及び後方部分の各部に配置される。各スレッドリフトストリップは、一般的に、掃除機ヘッドに接着されるか又は取り付けられる、繊維質下面を有するパッドの形態である。後部スレッドリフトストリップの繊維は、掃除機ヘッドがカーペット上を前方向に移動するとカーペットから糸屑を収集し、掃除機ヘッドがカーペット上で後方に引き戻される場合に収集した糸屑を解放するように同一方向に傾斜している。前部スレッドリフトストリップの繊維は、掃除機ヘッドをカーペット上で後方に引くと糸屑を収集し、掃除機ヘッドをカーペット上で前方に押す場合に収集した糸屑を解放するように、後部スレッドリフトストリップの繊維とは反対方向に整列している。
【0009】
収集された糸屑は、すぐにスレッドリフトストリップから解放される傾向があるわけでなく、代わりに、収集された糸屑は凝集して、収集された糸屑の表面積が吸引キャビティに向かう空気流によってスレッドリフトストリップからむしり取られるほど十分に大きい、最終的にスレッドリフトストリップから解放される塊を形成する傾向がある。凝集した糸屑の大きさ次第では、カーペットと掃除機ヘッドの底面との間で吸引キャビティにすぐに移行できない可能性があり床面上に残る場合がある。この場合、解放された糸屑を吸引キャビティに吸い込むことができるように、ユーザは、解放された糸屑上に掃除機ヘッドを再配置する必要がある。
【0010】
スレッドリフトストリップが、作業縁部を定めるように吸引開口部に向かって傾斜する表面に配置される場合、スレッドリフトストリップは、その全幅にわたってカーペットと密接に接触しない場合がある。これにより、隣接する作業縁部から離れて配置されるスレッドリフトストリップ部が、隣接する作業縁部に最も近いスレッドリフトストリップ部よりも糸屑の収集に関して効率が悪いという影響がある。同様に、ユーザが掃除機ヘッドを床面上で前進及び後退させると、掃除機ヘッドが前後に揺動する、もしくは、スレッドリフトストリップが床面に対して上昇及び下降する傾向がある。スレッドリフトストリップの上昇は、スレッドリフトストリップが糸屑を収集するように配置される行程中に起こる傾向があるので、上昇スレッドリフトストリップとカーペットとの間の接触の密接性の低下は、スレッドリフトストリップの効率を更に低下させる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際特許公開番号2002/026097号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の態様では、本発明は、真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッドを提供し、掃除機ヘッドは、屑が掃除機ヘッドに入る下方に向いた開口部を有する吸引キャビティと、開口部に対して移動可能なスレッドリフトストリップとを備える。
【0013】
掃除機ヘッドが、カーペット上で操作されると、力は、カーペットと接触状態にある掃除機ヘッドの各部分からカーペットに下向き方向に加えられる。掃除機ヘッドのこれらの部分は、掃除機ヘッドが床面上で操作される場合に掃除機ヘッドを支持する支持部材とすることができる。これらの支持部体は、ホイール又はキャスタの形態にすることができる。代替的に又は追加的に、これらの部分は、汚れ及び屑が掃除機ヘッドに入る開口部の少なくとも1つの縁部の形態にすることができる。
【0014】
スレッドリフトストリップとカーペットとの間の接触は、いかなる瞬間においてもカーペットと接触状態にある掃除機ヘッドの表面積を増加させるので、掃除機ヘッドの他の形態部によってカーペットの繊維に加えられる下向きの力は減少する。スレッドリフトストリップが開口部に対して定位置に配置される場合、スレッドリフトストリップからカーペットに加えられる下向きの力の比率は、これらの縁部から繊維に加えられる力の比率の低下により、例えば、開口部の縁部によるカーペット繊維の揺動を損なうほど十分に高くなる場合があるので、カーペット繊維の間に捕捉された汚れ及びほこりを除去するための掃除機ヘッドの性能が低下する。この点に照らして、スレッドリフトストリップは、開口部に対して移動可能に配置される。これにより、スレッドリフトストリップからカーペットに加えられる下向きの力の比率を低下させることができる。
【0015】
スレッドリフトストリップは、吸引キャビティから離間することができる。例えば、スレッドリフトストリップは、吸引キャビティの前方又は後方に配置することができる。吸引キャビティは、前方部分及び該前方部分に流体結合された後方部分から形成することができ、スレッドリフトストリップは、これらの部分の間に置くことができる。従って、吸引キャビティはスレッドリフトストリップの周りに延びることができるが、スレッドリフトストリップは吸引キャビティ内に配置されない。これらの場合には、スレッドリフトストリップは、開口部を含む平面に対して移動可能である。
【0016】
しかしながら、好ましい実施形態では、スレッドリフトストリップは、吸引キャビティ内に位置する。使用時、掃除機ヘッドがカーペット敷き床面上で操作されると、吸引キャビティ内の空気圧の低下により、カーペットの一部が吸引キャビティ内に持ち上がりカーペットの「丘状部」が生じる。吸引キャビティ内にスレッドリフトストリップを設けると、カーペット上の掃除機ヘッドの前方及び後方行程時に、スレッドリフトストリップをカーペット丘状部と密接接触状態に置くことができ、スレッドリフトストリップによる糸屑の収集及びその後のスレッドリフトストリップからの糸屑の解放の両方の効率が高くなる。収集した糸屑は、スレッドリフトストリップから解放されると、即座に、つまり掃除機ヘッドの下面の開口部又は縁部の他の形態部の下方を通ることなく吸引キャビティに吸引される。この場合、スレッドリフトストリップは、開口部に向かって及び開口部から離れるように移動可能である。
【0017】
掃除機ヘッドは、単一の吸引キャビティを含むことができる。吸引キャビティは、開口部から空気を受け取るように及び吸引キャビティから空気を吐出するように配置された単一部分を含むことができる。もしくは、吸引キャビティは、それぞれ開口部を有する前方部分及び後方部分を含むことができ、後方部分は、前方部分から空気を受け取ると共に吸引キャビティから空気を吐出するように配置される。この場合、スレッドリフトストリップは、吸引キャビティの前方部分又は後方部分のどちらかに配置できる。
【0018】
スレッドリフトストリップは、掃除機ヘッドの任意の表面に結合することができる。スレッドリフトストリップが吸引キャビティの外側に配置される場合、スレッドリフトストリップは、吸引キャビティを形成する本体の外部表面、又は吸引キャビティの出口から掃除機ヘッドの出口まで空気を送るためのホースの外部表面等の掃除機ヘッドの任意の外部表面に結合することができる。もしくは、掃除機ヘッドの下方であるが吸引キャビティの外部に配置される場合、スレッドリフトストリップは、掃除機ヘッドの内部表面に結合することができる。
【0019】
好ましくは、スレッドリフトストリップは、吸引キャビティ内に位置する表面に結合される。この表面は、少なくとも部分的に吸引キャビティを形成する壁の一部とすることができる。この表面は、吸引キャビティの側壁の表面、又は吸引キャビティの上壁の表面とすることができる。スレッドリフトストリップは、吸引キャビティの2つの側壁の間に延びることができるので、スレッドリフトストリップの一方の端部は、一方の側壁に結合され、スレッドリフトストリップの他方の端部は、他方の側壁に結合される。もしくは、スレッドリフトストリップは、吸引キャビティの全域に延びる表面に結合することができる。これは、吸引キャビティ内に配置される内壁の形態又は他の形態とすることができる。
【0020】
好ましくは、スレッドリフトストリップの少なくとも1つは、開口部を含む平面に向かって付勢される。これにより、掃除機ヘッドがカーペット上で操作されると、例えば、カーペットの上面と開口部を含む平面との間の距離がどのように変動しても、スレッドリフトストリップとカーペットとの間の密接接触状態を維持できる。
【0021】
スレッドリフトストリップは、床面上の掃除機ヘッドの一部の移動時に、開口部の平面に向かって付勢することができる。この場合、スレッドリフトストリップは、床面上の掃除機ヘッドの前方又は後方行程のうちの他方の間に開口部の平面から離れるように移動することができる。例えば、回転可能ホイールは、床面と係合するように掃除機ヘッドに設けることができる。ホイールは、掃除機ヘッドが床面上を操作されると、ホイールの回転方向に応じて開口部の平面に向かって又は平面から離れるようにスレッドリフトストリップを移動させる機構に連結できる。
【0022】
代替的に、スレッドリフトストリップは、床面上の掃除機ヘッドの前方及び後方行程の両方の間に開口部の平面に向かって付勢することができる。スレッドリフトストリップは、種々の方法で開口部の平面に向かって付勢することができる。前述のように、スレッドリフトストリップは、全体として裏打ち部材上に並べられた一方向繊維アレイ(列)を含む。裏打ち部材は、金属、プラスチック、又はゴム材料等の弾力材料から形成できる。この場合、掃除機ヘッドの表面又は掃除機ヘッドの2つの表面の間へのスレッドリフトストリップ端部の取り付けによって、繊維の少なくとも一部が開口部の平面に向かい合うように、スレッドリフトストリップの少なくともこれらの繊維を弾力性がある裏打ち部材によって開口部の平面に向かって押し付けることができる。もしくは、掃除機ヘッドは、裏打ち部材と係合してスレッドリフトストリップの繊維を開口部の平面に向かって押し付けるための、バネ又は他の弾性部材等の弾性部材を含むことができる。この弾性部材は、スレッドリフトストリップと、掃除機ヘッドの底面又は吸引キャビティの上面等の掃除機ヘッドの下方に向いた面との間に配置できる。別の代替形態として、スレッドリフトストリップは、複数の相対移動可能な部分を含むことができる。これらの部分は、少なくとも中央に配置された部分が開口部の平面に向かって押し付けられるように、端と端とをヒンジ結合できる。
【0023】
掃除機ヘッドは、スレッドリフトストリップを開口部に対して移動させる手段を含むことができる。移動手段は、スレッドリフトストリップが配置され、開口部に対して移動可能な支持体を含むことができる。スレッドリフトストリップは、例えば、接着剤を用いて支持体に取り付けることができ、スレッドリフトストリップの裏打ち部材を支持体に取り付けるようになっている。もしくは、スレッドリフトストリップの繊維は、例えば、接着剤を用いて直接支持体に配置することができる。この場合、接着剤は、スレッドリフトストリップの裏打ち部材を形成すると考えることができる。
【0024】
支持体は、開口部の平面に向かって付勢することができる。支持体は、自重によって開口部の平面に向かって押し付けることができる。もしくは、支持体は、金属、プラスチック、又はゴム材料等の弾性材料から形成することができる。
【0025】
好ましい実施形態では、弾性手段は、支持体を開口部の平面に向かって付勢するために設けられる。弾性手段は、支持体と係合してスレッドリフトストリップを開口部の平面に向かって押し付けるためのバネ又は他の弾性部材等の1つ又はそれ以上の弾性部材を含むことができる。これらの弾性部材は、支持体と、掃除機ヘッドの底面又は吸引キャビティの上面等の掃除機ヘッドの下方に向いた面との間に配置できる。弾性部材は、吸引キャビティの外側に配置できる。例えば、支持体は、吸引キャビティの上壁に形成された開口に広がるロッド、シャフト、又は他の細長い部材を含むことができ、引張バネ等の弾性部材は、支持体を開口部に向かって押し付けるように、細長い部材の端部と吸引キャビティの上壁との間に配置できる。
【0026】
代替的に、弾性手段は、吸引キャビティの内側に配置すること及び支持体と吸引キャビティの表面との間に配置することができる。弾性手段は、1つ又はそれ以上の弾性部材によってもたらすことができる。これらの弾性部材の各々は、開口部に向かって延びる方向に支持体を押し付けるためのねじりバネ又は圧縮バネ等のバネ、又は支持体を吸引キャビティに結合するための可撓性コネクタの形態とすることができる。可撓性コネクタは、支持体及び吸引キャビティの少なくとも1つと一体化することができる。
【0027】
好ましくは、支持体は、少なくとも一部が吸引キャビティを形成するキャビティ壁に結合される。キャビティ壁は、吸引キャビティの上壁又は側壁とすることができる。支持体は、キャビティ壁に対して又はこれに沿って摺動可能に吸引キャビティに結合することができる。もしくは、支持体は、キャビティ壁に向かって又はこれから離れるように移動可能に吸引キャビティに結合することができる。1つの実施形態では、支持体は、キャビティ壁に枢動可能に結合される。キャビティ壁は、開口部の前縁及び後縁の一方を形成する吸引キャビティの壁とすることができ、キャビティ壁は、吸引キャビティの側壁とすることができる。
【0028】
好ましくは、支持体は、開口部が位置する平面に実質的に平行に延びる軸線周りで枢動可能である。支持体は、外向きに延びて、キャビティ壁に対して移動可能に結合される少なくとも1つのアームを含むことができる。キャビティ壁及び支持体の少なくとも1つは、吸引キャビティが支持体を囲むように、キャビティ壁と支持体との間にチャネルを定めるように形作ることができる。例えば、支持体をキャビティ壁に結合するアームの長さは、支持体がキャビティ壁から離間するように選択できる。
【0029】
弾性手段の一端は、キャビティ壁に結合又は係合することができ、弾性手段の他端は、支持体に結合又は係合することができ、支持体を開口部に向かって押し付けるようになっている。
【0030】
好ましくは、掃除機ヘッドは、スレッドリフトストリップの周りにスレッドが巻き付くのを防止する手段を備える。好ましくは、スレッド巻き付き防止手段は、支持体とキャビティ壁との間に配置され、スレッド巻き付き防止手段は、支持体とキャビティ壁との間に配置されたチャネル内に少なくとも部分的に配置される。従って、スレッド巻き付き防止手段は、支持体とキャビティ壁との間にバリアをもたらすので、掃除機ヘッドのカーペット上の移動によってスレッドリフトストリップから解放される前に、収集されたスレッド又は毛髪の端部が支持体に巻き付くのを防止する。好ましくは、スレッド巻き付き防止手段は、支持体及びキャビティ壁の少なくとも1つに結合される。第1の実施例として、スレッド巻き付き防止手段は、支持体及びキャビティ壁の一方に結合されたグリル又はメッシュを含むことができる。第2の実施例として、スレッド巻き付き防止手段は、支持体及びキャビティ壁の一方に結合されると共に他方に向かって延びるリブのセット(組)を含むことができる。第3の実施例として、スレッド巻き付き防止手段は、支持体に結合された第1のセットのリブ及びキャビティ壁に接続された第2のセットのリブを含むことができる。好ましくは、第1のセットのリブの各リブは、第2のセットのリブの1つのリブに隣接して配置される。
【0031】
好ましくは、スレッドリフトストリップは、開口部の前縁及び後縁に実質的に平行に整列される。スレッドリフトストリップは、部分的に又は実質的に完全に吸引キャビティ上に延びることができる。
【0032】
好ましくは、支持体は、上昇位置と下降位置との間で開口部に対して移動可能である。好ましくは、停止部材は、下降位置を越えた支持体の移動を防止するために設けられる。停止部材は、支持体上に配置できる。停止部材は、少なくとも一部が吸引キャビティを形成する表面、又はキャビティ内又はキャビティ外側にある別の表面と当接するように配置できる。
【0033】
好ましくは、スレッドリフトストリップは、支持体の凹部に配置される。スレッドリフトストリップは、好ましくは、接着剤を用いて支持体のこの凹部に接続される。好ましくは、支持体の凹部は、各々が開口部に向かって延びる前縁及び後縁を含み、支持体のこれら縁部の一方は、縁部の他方を越えて下向きに延びる。好ましくは、スレッドリフトストリップは、縁部の一方に向かって傾いた繊維アレイを含む。これは、掃除機ヘッドがカーペット上を操作されると、スレッドリフトストリップの表面上に蓄積された糸屑が、この縁部とカーペットとの間で捕捉されるか又は「挟まれる」ようにすることができ、これは蓄積された糸屑をスレッドリフトストリップから取り除くことを助ける。
【0034】
好ましくは、支持体は、支持体の前記縁部の1つが開口部の前縁及び後縁と実質的に同一平面上にある位置に向かって付勢される。これは、支持体の表面が開口部を越えて下方に突出するのを防止するので、掃除機ヘッドが位置する硬い床面に対して縁部が押し付けられるのを防止する。この位置において、スレッドリフトストリップの下面は、好ましくは実質的に開口部と平行である。好ましくは、停止部材は、この位置を越えた支持体の移動を防止するために、吸引キャビティの壁と接触するように構成される。この壁は、支持体が結合されるキャビティ壁とすることができる。支持体の縁部は、開口部の前縁及び後縁と実質的に平行とすることができる。縁部は、比較的鋭利なことが好ましいので、縁部は、スレッドリフトストリップの下面に対して傾斜する支持体の下面の前方部分又は後方部分の形態で、表面の縁部によって形成されることが好ましい。
【0035】
複数のスレッドリフトストリップは、支持体上に配置することができる。スレッドリフトストリップは、支持体に沿って又は支持体上で端から端まで又は千鳥配置で配置することができ、ストリップの繊維は同一方向に整列している。もしくは、スレッドリフトストリップは並列配置で配置でき、スレッドリフトストリップの繊維は反対方向に配置される。この場合、一方のスレッドリフトストリップは、掃除機ヘッドのカーペット上の前方行程時に糸屑を収集でき、他方のスレッドリフトストリップは、掃除機ヘッドのカーペット上の後方行程時に糸屑を収集できる。空気チャネルは、各スレッドリフトストリップの間に設けることができる。更なる代替形態として、掃除機ヘッドは、それぞれスレッドリフトストリップを含む2つの支持体を備えることができる。
【0036】
好ましくは、掃除機ヘッドは、前述の開口部を形成する底面を含む。好ましくは、底面は、開口部の前縁から前方に延びる前方部分と、開口部の後縁から後方に延びる後方部分とを有する。好ましくは、これらの部分の各々は、開口部の比較的鋭利な前縁及び後縁を形成するように開口部を含む平面に対して傾斜している。底面の前方部分及び/又は底面の後方部分の少なくとも1つは、第2のスレッドリフトストリップを含むことができる。好ましくは、第2のスレッドリフトストリップは、実質的に掃除機ヘッドの全幅に延び、好ましくは、開口部の前縁及び後縁に対して実質的に平行である。
【0037】
第2の態様では、本発明は、真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッドを提供し、掃除機ヘッドは、
下方に向いた開口部を有する吸引キャビティであって、屑が開口部を通って吸引キャビティに入り、開口部の一部が前縁及び後縁によって境界付けされる吸引キャビティと、
吸引キャビティ内に配置され、吸引キャビティ対して移動可能な支持体と、
支持体上に取り付けられるスレッドリフトストリップと、
開口部に向かって延びる方向に支持体を押し付けるための弾性手段と、
を備える。
【0038】
本発明の第1の態様に関連して説明した特徴は、本発明の第2の態様にも同様に適用でき、逆もまた同じである。
【0039】
本発明の好ましい特徴は、例示目的の添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】掃除機ヘッドの第1の実施例の上から見た正面斜視図である。
【図2】図1の掃除機ヘッドの上から見た正面斜視図である。
【図3】図1の掃除機ヘッドの底面図である。
【図4】図3の線A−Aに沿った横断面の前方部である。
【図5】図3の線B−Bに沿った横断面図の前方部である。
【図6】掃除機ヘッドの第2の実施例の上から見た正面斜視図である。
【図7】図6の掃除機ヘッドの下から見た正面斜視図である。
【図8】図6の掃除機ヘッドの下から見た背面斜視図である。
【図9】図6の掃除機ヘッドの底面図である。
【図10】図9の線A−Aに沿った横断面図の前方部である。
【図11】図9の線B−Bに沿った横断面図の前方部である。
【図12】図9の線C−Cに沿った横断面図の前方部である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1から図3は、真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッド10の第1の実施例の外観図である。掃除機ヘッド10は、主本体12と、掃除機ヘッド10を床面上で操作することを可能にするように配置された1対のホイール14とを含む。各ホイール14は、主本体12から後方に延びるそれぞれのアーム16に回転可能に結合される。掃除機ヘッド10は、真空掃除機のワンド又はホースに接続可能な開放端を有するコネクタ18を更に含む。
【0042】
主本体12は、下側本体部分20、及び下側本体部分20上でこの周りに延びる上側本体部分22を含む。下側本体部分20は、掃除機ヘッド10の吸引キャビティを形成する。使用時には、吸引キャビティは、掃除すべき床面に向かい合い、汚れ含有空気を床面から掃除機ヘッド10に受け入れる。
【0043】
しかしながら、本実施例では、吸引キャビティは、前部吸引キャビティ部分24及び後部吸引キャビティ部分26を備える。各吸引キャビティ部分24、26は、下側本体部分20の実質的に全体に広がって延びる。前部吸引キャビティ部分24は、主本体12の前部に向かって配置され、後部吸引キャビティ部分26は、前部吸引キャビティ部分24の後方で主本体12の後部に向かって配置される。前部吸引キャビティ部分24は、第1の汚れ含有空気流が前部吸引キャビティ部分24に入る下方に向いた吸引開口部28を有し、後部吸引キャビティ部分26は、第2の汚れ含有空気流が後部吸引キャビティ部分26に入る下方に向いた吸引開口部30を有する。
【0044】
吸引開口部28、30の各々は、下側本体部分20の底面32によって形成される。吸引開口部28は、各々が下側本体部分20の底面32から立ち上がる、側壁34、36、比較的長い前壁38及び比較的長い後壁40によって境界が定められる。吸引開口部28の前部作業縁部42は、底面32と前壁38との間の交差部で定められ、吸引開口部28の後部作業縁部44は、底面32と後壁40との間の交差部で定められる。
【0045】
また、吸引開口部30は、各々が下側本体部分20の底面32から立ち上がる、側壁46、48、比較的長い前壁50及び比較的長い後壁52によって境界が定められる。主本体12を広がるチャネル54は、前部吸引キャビティ部分24の後壁40と、後部吸引キャビティ部分26の前壁50とを分離する。チャネル54は、2つの部分に分かれ、チャネル54の各部分の上端は大気開放である。吸引開口部30の前部作業縁部56は、底面32と前壁50との間の交差部で定められ、吸引開口部30の後部作業縁部58は、底面32と後壁52との間の交差部で定められる。
【0046】
作業縁部42、44、56、58は、吸引開口部28、30を含む図4に示す平面P1と実質的に同一平面上にあり、この内部に配置される。作業縁部42、44、56、58の各々は、好ましくは比較的鋭利であり、好ましくは0.5mm未満の曲率半径を有する。作業縁部42、44、56、58が硬い床面に傷を付けること又は跡を付けるのを防止するために、掃除機ヘッド10がこのような床面上で操作される場合、掃除機ヘッド10は、作業縁部42、44、56、58を硬い床面から離間する働きをする表面係合支持部材を備える。本実施形態では、掃除機ヘッド10は、下側本体部分20に形成された1対の凹部に回転可能に取り付けられた一対のホイール60を備える。図5に示すように、ホイール60は、ホイール60の最下端が、作業縁部42、44、56、58の下方に配置されるように、作業縁部42、44、56、58を越えて下方に突出する。
【0047】
使用時、掃除機ヘッド10を通過した空気と外部環境との間で差圧が発生する。この差圧により、掃除機ヘッド10に床面に向かって下向きに作用する力が生じる。掃除機ヘッド10をカーペット敷き床面上に置く場合、ホイール60は、掃除機ヘッド10の重量及び掃除機ヘッド10に下向きに作用する力を受けてカーペットの繊維中に押し込まれる。ホイール60の厚さは、ホイール60がカーペット内に簡単に沈み込み、主本体12の少なくとも作業縁部42、44、56、58がカーペット繊維と接触状態になるように選択される。ホイール60の厚さは、好ましくは5mm未満である。
【0048】
前部吸引キャビティ部分24は、第1の汚れ含有空気流を後部吸引キャビティ部分26に送る中間チャネル62によって後部吸引キャビティ部分26に結合される。各チャネル62は、主本体12のそれぞれの側面の方に配置され、下側本体部分20の底面32の一部の下方を通過する。後部吸引キャビティ部分26は、第1及び第2の汚れ含有空気流の両方が吸引キャビティから放出される空気出口64を含む。空気流は、ホイール14で支持された可撓性ホース66を通過してコネクタ18に向かう。ホース66の一方の端部は、空気出口64に適合して、これに対してシールされる広い口部を有する。内部ホース66の他方の端部は円形断面を有し、同様にコネクタ18の内側で適合するネック部68に対して適合して、これに対してシールされるように配置される。ネック部68は、掃除機ヘッド10の主本体12に向かって延びる第2のアーム対70に結合され、好ましくはこれらと一体化される。各アーム70は、一方の端部に向かって、第3のアーム対72のそれぞれの1つの第1の端部に枢動可能に結合される。これは、掃除機ヘッド10の第1の関節継手を提供する。各アーム72の第2の端部は、掃除機ヘッド10の主本体12のそれぞれのアーム16に枢動可能に結合される。これは、掃除機ヘッド10の第2の関節継手を提供する。第1及び第2の継手は、平面P1に平行な軸線周りで枢動する。コネクタ18は、第1及び第2の継手の軸線に対して垂直な軸線周りでネック68に対して回転するように配置される。コネクタ18とネック68の回転可能な結合は、掃除機ヘッド10が横方向に移動することを可能にする第3の継手を形成する。使用時に、3つの継手は、カーペットと作業縁部42、44、56、58との接触を維持しながら、掃除機ヘッド10を操作及び操向することを可能にする。
【0049】
ブリード弁74は、主本体12の下側本体部分20と上側本体部分22との間に位置するキャビティ76に設けられる。キャビティ76は大気に開放される上側開口78を有し、キャビティは弁座によって形成される。また、キャビティ76は、空気出口64と連通する複数の下側開口80を有する。ブリード弁74は、掃除機ヘッド10の通常の使用時にキャビティ76を空気が流れないように、バネ82によって付勢されて弁座が係合する。例えば、吸引キャビティ24、26の1つに吸い込まれた繊維によって吸引キャビティが塞がれた場合、空気出口64の圧力は低下することになる。吸引キャビティ内部の圧力が所定値を下回る場合、ブリード弁74に作用する大気圧は該ブリード弁をバネ82の力に抗して下向きに押し付けるので、大気中の空気が掃除機ヘッド10に入る流路をもたらす。閉塞物を取り除くと、空気出口64の空気圧は上昇することになり、大気中の空気からブリード弁74に作用する力が低減して、バネ82が弁座に対してブリード弁74を押し戻すことになる。
【0050】
スレッドリフトストリップ支持体84は、後部吸引キャビティ部分26に配置される。支持体84は、下側本体部分20に対して、結果的に後部吸引キャビティ部分26及びその吸引開口部30に対して移動可能なように、主本体12の下側本体部分20に結合される。本実施例では、支持体84は、後部吸引キャビティ部分26の前壁50に結合される。支持体84は、支持体84の主本体から外向きに延び、前壁50に形成された開口を通って延びる一対のアーム86を含む。アーム86は、前壁50に結合されるシャフト88を受け入れる凹部を備える。アーム86は、アーム86がシャフト88を長手方向に通過する軸線Aの周りで枢動することを可能にするスナップ嵌めで前壁50に結合される。アーム86の長さは、後部吸引キャビティ部分26が支持体84の主本体の周りに延びるように、支持体84を前壁50から離間できる長さに選択される。
【0051】
支持体84の主本体は、第1のスレッドリフトストリップ92が、例えば、接着剤を用いて取り付けられる凹部90を有する。スレッドリフトストリップ92は、比較的剛性のある剛毛又は繊維の短い房を含む下面を有する、細長いストリップ又はパッドの形態である。スレッドリフトストリップ92の繊維は、同一方向に整列しており、本実施例では、後部吸引キャビティ部分26の前壁50から下向きかつこれから離れるように傾斜している。支持体84の凹部90は、支持体84の下面94を形成すると共に、支持体84の前縁96及び後縁98を形成する。後縁98は、前縁96を越えて下方に突出している。図4及び図5に示す支持体の下降位置Lにおいて、後縁98は、実質的に吸引開口部28、30の作業縁部42、44、56、58を含む平面P1に配置される。支持体84は、下降位置Lを越えた支持体84の下方への移動を阻止する停止部材100を含む。停止部材100は、支持体84のアーム86の一方に配置され、後部吸引キャビティ部分26の前壁50に配置される当接面102と係合するように構成される。他方のアーム86には、同じ停止部材100を設けることができる。
【0052】
支持体84は、軸線Aの周りの支持体84の枢動運動により図4及び図5に点線で示す下降位置Lから上昇位置Rまで上向きに移動することができる。支持体84は、ねじりバネ104によって下降位置Lに付勢される。ねじりバネ104は、前壁50と係合する第1の端部と、支持体84の一部、好ましくは支持体84のアーム86の一方と係合する第2の端部とを有し、支持体84を下降位置に付勢するようになっている。第2のねじりバネ104は、支持体84の他方のアーム86と係合するように設けることができる。
【0053】
第2のスレッドリフトストリップ106は、主本体12の下側本体部分20の底面32に取り付けられる。本実施例では、第2のスレッドリフトストリップ106は、底面の後方部分108に取り付けられる。後方部分108は、吸引開口部30の後部作業縁部58から後方に延び、作業縁部42、44、56、58を含む平面P1に対して上向きに傾斜している。第2のスレッドリフトストリップ106は、実質的に主本体12の全幅に延びる。第2のスレッドリフトストリップ106の繊維は、吸引開口部30の後部作業縁部58に向かって傾斜するように整列している。
【0054】
使用時、掃除機ヘッド10は、吸引空気流を発生する真空掃除用電気器具に連結される。掃除すべきカーペット敷き床面上に置かれた掃除機ヘッド10を用いて、ユーザは、ワンドを連続的に押し引きして、カーペット上で掃除機ヘッド10を前方及び後方に移動する。掃除機ヘッド10の各前方行程時に、前部作業縁部42、56は、繊維が前部作業縁部42、56の下方を通過すると、繊維が吸引キャビティ部分24、26の一方に入るような方向にカーペットの繊維上を移動する。前部作業縁部42、56が繊維の上を移動すると、繊維の上端は、前部作業縁部42、56が加える下向きの力の作用を受けて前方向に偏向される。前部作業縁部42、56が、偏向された繊維を越えて移動すると、偏向された繊維は、吸引キャビティ部分24、26の一方の中に跳ね返る。この繊維の急激な移動により、汚れ及びほこりは繊維の間から取り除かれて吸引キャビティ部分24、26に入る。前部吸引キャビティ部分24に入った汚れ及びほこりは、前部作業縁部42の下部及び前部吸引キャビティ部分24に吸い込まれた第1の空気流に同伴されるが、後部吸引キャビティ部分26に入った汚れ及びほこりは、チャネル54及び前部作業縁部56の下方を通過して後部吸引キャビティ部分26に入る第2の空気流に同伴される。第1の汚れ含有空気流は、中間チャネル62を通過して、後部吸引キャビティ部分26の第2の汚れ含有空気流と一緒になる。空気流は、空気出口64を通って後部吸引キャビティ部分26から出る。
【0055】
掃除機ヘッド10の各後方行程時に、後部作業縁部44、58は、繊維が後部作業縁部44、58の下方を通過すると、繊維が吸引キャビティ部分24、26の一方に入るような方向にカーペットの繊維上を移動する。後部作業縁部44、58が繊維の上を移動すると、繊維の上端は、後部作業縁部44、58が加える下向きの力の作用受けて後方向に偏向される。後部作業縁部44、58が、偏向された繊維上を移動すると、偏向された繊維は、吸引キャビティ部分24、26の一方の中に跳ね返る。この繊維の急激な移動により、汚れ及びほこりは繊維の間から取り除かれて吸引キャビティ部分24、26に入る。前部吸引キャビティ部分24に入った汚れ及びほこりは、チャネル54及び後部作業縁部44の下方を通過して前部吸引キャビティ部分24に入る第1の空気流に同伴されるが、後部吸引キャビティ部分26に入った汚れ及びほこりは、後部作業縁部58の下方で引き込まれて後部吸引キャビティ部分26の中に入る第2の空気流に同伴される。第1の汚れ含有空気流は、中間チャネル62を通過して、後部吸引キャビティ部分26の第2の汚れ含有空気流と一緒になる。空気流は、空気出口64を通って後部吸引キャビティ部分26から出る。
【0056】
従って、掃除機ヘッド10のカーペット上の前方及び後方行程時の各々で、作業縁部42、44、56、58は、カーペットの繊維の間から汚れ及び屑を取り除くよう作用する。各行程時に、スレッドリフトストリップ92、106は、カーペットの表面からスレッド、毛髪等の形態の糸屑を除去するよう作用する。前述のように、第1のスレッドリフトストリップ92は、後部吸引キャビティ部分26に配置される支持体84に取り付けられる。掃除機ヘッド10がカーペット上で操作されると、カーペットの「丘状部」は、吸引キャビティ部分24、26の空気圧低下の結果として吸引キャビティ部分24、26の各々に引き込まれる。後部吸引キャビティ部分26に吸い込まれたカーペット丘状部は、第1のスレッドリフトストリップ92と係合して密接接触状態になる。支持体84は後部吸引キャビティ部分26に対して移動可能であり、掃除機ヘッド10がカーペット上を移動する際にカーペットと第1のスレッドリフトストリップ92との間に作用する力は、作業縁部42、44、56、58がカーペット繊維に加える力を著しく低減するほど大きくなく、一方で、ねじりバネ104の作用により、カーペットと第1のスレッドリフトストリップ92との間の密接接触が維持される。
【0057】
第1のスレッドリフトストリップ92の繊維は、掃除機ヘッド10の各後方行程によって、カーペット丘状部にある糸屑が第1のスレッドリフトストリップ92の表面に収集されるように整列している。蓄積された糸屑は、掃除機ヘッド10の前方行程によって第1のスレッドリフトストリップ92から解放され、後部吸引キャビティ部分26を通る空気流に同伴させることができる。収集された糸屑を第1のスレッドリフトストリップ92から解放することは後部支持縁部98によって助けることができ、掃除機ヘッド10が前方方向に移動すると、収集された糸屑を後部支持縁部98とカーペットとの間で捕捉又は挟むことができるので、後部吸引キャビティ部分26を通る空気流に同伴されるように、収集された糸屑を第1のスレッドリフトストリップからむしり取ることができる。
【0058】
第2のスレッドリフトストリップ106の繊維は、掃除機ヘッド10の各前方行程によって、後部吸引キャビティ部分26直後のカーペット上にある糸屑が、第2のスレッドリフトストリップ106の表面に収集されるように整列している。集積された糸屑は、掃除機ヘッド10の後方行程によって第2のスレッドリフトストリップ106から解放することができる。解放された糸屑は、後部吸引キャビティ部分26の後部作業縁部58の下方を通過する第2の空気流に同伴させることができる、或いは、その後、掃除機ヘッド10に吸い込まれるようにカーペットの表面に留まることができる。
【0059】
図6から図9は、真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッド110の第2の実施例の外観図である。第1の実施例と同様に、掃除機ヘッド110は、主本体112と、掃除機ヘッド110が床面上を操作できるように構成された一対のホイール114とを備える。主本体112は、上側本体部分に枢動可能に結合された下側本体部分116を備える。上側本体部分は、下側本体部分116に結合する前方部分118と、前方部分118に枢動結合された後方部分120とを備える。ホイール114は、主本体112の後方部分120に結合される。後方部分120は、真空掃除機のワンド又はホースに接続可能な開放端を有するコネクタ122を備える。
【0060】
第2の実施例では、下側本体部分116は、掃除機ヘッド110の単一吸引キャビティ124を形成する。使用時には、吸引キャビティは、掃除すべき床面に面し、汚れ含有空気を床面から掃除機ヘッド110の中に受け入れる。吸引キャビティ124は、下側本体部分116の実質的に全体に広がって延びる。吸引キャビティ124は、汚れ含有空気流が吸引キャビティ124に入る下方に向いた吸引開口部126を有する。吸引開口部126は、下側本体部分116の底面によって形成される。吸引開口部126は、比較的長い前壁128、比較的長い後壁130、及び比較的長い壁128、130の端部の間に延びる2つの比較的短い側壁132、134によって境界が定められる。吸引開口部126の前部作業縁部136は、下側本体部分116の底面と前壁128との間の交差部で定められ、吸引開口部126の後部作業縁部138は、底面と後壁130との間の交差部で定められる。作業縁部136、138は、吸引開口部126を含む平面と実質的に同一平面上にあり、吸引開口部126の内部に配置される。吸引キャビティ124は、中央に配置され、下側本体部分116に広がる空気通路142に汚れ含有空気流を送る空気出口140を備える。上側本体部分は、汚れ含有空気流を空気通路142からコネクタ122まで送る導管144を備える。
【0061】
第2の実施例では、掃除機ヘッド110は、下側本体部分116を取り囲むフレーム又はカバー146を備える。フレーム146は、下側本体部分116の下側周縁の周りで下方に延びる一連の剛毛148を支える。掃除機ヘッド110は、ユーザが、図6から図12に示す剛毛の下端が吸引開口部126を含む平面の下方に位置する下降位置と、剛毛の下端が平面の上方に位置する上昇位置との間でフレーム146を移動できる機構150を備える。フレーム146が下降位置にある場合、掃除機ヘッド110は硬い床面を掃除する構成になる。作業縁部136、138は硬い床面から離間して、縁部が硬い床面に傷を付けるか又は跡を付けるのを防ぐ。フレーム146が上昇位置にある場合、掃除機ヘッド110は、作業縁部136、138がカーペット繊維と接触状態になることができるので、カーペット敷き面を掃除する構成になる。
【0062】
スレッドリフトストリップ支持体152は、吸引キャビティ124に配置される。支持体152は、下側本体部分116に対して、結果的に吸引キャビティ124及び吸引開口部126に対して移動可能であるように、主本体112の下側本体部分116に結合される。第2の実施例では、支持体152は、吸引キャビティ124の前壁128に結合される。また、図10を参照すると、支持体152は、支持体152の主本体のそれぞれの端部から外向きに延びると共に、前壁128に形成された開口に広がる一対のアーム154を備える。アーム154は、前壁128に結合されるシャフト156を受け入れる凹部を備える。アーム154は、アーム154がシャフト156を長手方向に通過すると共に吸引開口部126の平面に平行な軸線の周りで枢動することを可能にするスナップ嵌めで前壁128に結合される。アーム154の長さは、後部吸引キャビティ124が、支持体152の主本体の周りに延びるように、支持体152を前壁128から離間できる長さに選択される。
【0063】
第1の実施例と同様に、支持体152の主本体は、第1のスレッドリフトストリップ160が、例えば、接着剤を用いて取り付けられる凹部158を有する。スレッドリフトストリップ160は、比較的剛性のある剛毛又は繊維の短い房を含む下面を有する、細長ストリップ又はパッドの形態である。スレッドリフトストリップ160の繊維は、同一方向に整列しており、本実施例では、吸引キャビティ124の前壁128から下向きかつこれから離れるように傾斜している。支持体152の凹部158は、支持体152の下面152を形成すると共に、支持体152の前縁162及び後縁164を形成する。後縁164は、前縁162を越えて下方に突出する。第2の実施例では、図10から図12に示すように、支持体152の下降位置において、後縁164は、吸引開口部126の平面の上方に位置する。支持体152は、支持体152の下降位置を越えて下方への移動を防止する停止部材166を含む。停止部材166は、支持体152の主本体上に配置され、吸引キャビティ124の前壁128と係合するように構成される。
【0064】
第1の実施例と同様に、支持体152は、吸引キャビティ124の前壁128に対して支持体152の枢動運動により下降位置から上昇位置まで上向きに移動することができる。支持体152は、ねじりバネ168によって下降位置に付勢される。ねじりバネ168は、前壁128と係合する第1の端部と、支持体152の一部、好ましくは支持体152のアーム154の一方と係合する第2の端部とを有し、支持体152を下降位置に付勢するようになっている。第2のねじりバネは、支持体152の他方のアーム154と係合するように設けることができる。
【0065】
第2の実施例では、掃除機ヘッド110は、支持体152の周りのスレッド又は毛髪、詳細には、全長がほぼスレッドリフトストリップ160に沿って延びる方向で収集されるスレッド又は毛髪の巻き付きを防止する手段を含む。支持体152の周りのスレッド又は毛髪の巻き付き防止手段は、前壁128と支持体152の主本体との間に延びるチャネル170内に配置される。本実施例では、支持体152の周りのスレッド又は毛髪の巻き付き防止手段は、支持体152に結合され、前壁128に向かってチャネル170内に延びる第1のセットのリブ172と、前壁150に結合され、支持体152に向かってチャネル170内を延びる第2のセットのリブ174とを備える。好ましくは、第1のセットのリブ172の各リブは、第2のセットのリブ174の1つのリブに隣接して配置される。各リブは、吸引キャビティ124の出口に向かってチャネル170を通る空気流を著しく妨げることなく、スレッドリフトストリップ160が捕捉したスレッドの端部が支持体152に巻き付くのを防止する、支持体152の片側に沿ったバリアをもたらす。
【0066】
第2のスレッドリフトストリップ176は、主本体112の下側本体部分116の底面に取り付けられる。本実施例では、第2のスレッドリフトストリップ176は、底面の後方部分に取り付けられる。後方部分は、吸引開口部126の後部作業縁部138から後方に延び、作業縁部136、138を含む平面に対して上向きに傾斜している。第2のスレッドリフトストリップ176は、実質的に主本体112の全幅に延びる。第2のスレッドリフトストリップ176の繊維は、後部作業縁部138に向かって傾斜するように整列している。
【0067】
使用時、カーペット敷き床面を掃除する、従って、フレーム146が上昇位置にある場合の掃除機ヘッド110の作動は、掃除機ヘッド10の作動と同じである。掃除機ヘッド110の各前方行程時に、前部作業縁部136は、カーペットの繊維を激しく動かして、汚れ及びほこりを繊維の間から取り除いて吸引キャビティ124に入れる。この汚れ及びほこりは、前部作業縁部136の下方で吸引キャビティ124に吸い込まれる空気流に同伴される。掃除機ヘッド110の各後方行程時に、後部作業縁部138は、カーペット繊維を激しく動かして、汚れ及びほこりをカーペット繊維の間から取り除いて吸引キャビティ124に入れる。この汚れ及びほこりは、後部作業縁部138の下方で吸引キャビティ124に吸い込まれる空気流に同伴される。汚れ含有空気流は、空気出口140を通って吸引キャビティ124から出て行き、掃除機ヘッド110を通ってコネクタ122に取り付けられた真空掃除機のワンド又はホースに移動する。
【0068】
各行程の各々の間に、スレッドリフトストリップ160、176は、カーペットの表面からスレッド、毛髪等の形態の糸屑を取り除くように作用する。前述のように、第1のスレッドリフトストリップ160は、吸引キャビティ124内に配置される支持体152に取り付けられる。掃除機ヘッド110がカーペット上で操作されると、カーペット「丘状部」は、吸引キャビティ124の空気圧低下の結果として吸引キャビティ124に引き込まれる。カーペット丘状部は、第1のスレッドリフトストリップ160と係合して密接接触状態になる。支持体152は吸引キャビティ124に対して移動可能であり、掃除機ヘッド110がカーペット上を移動する際にカーペットと第1のスレッドリフトストリップ160との間に作用する力は、作業縁部136、138がカーペット繊維に加える力を著しく低減するほど大きくなく、一方で、ねじりバネ168の作用によりカーペットと第1のスレッドリフトストリップ160との間の密接接触が維持される。
【0069】
第1のスレッドリフトストリップ160の繊維は、掃除機ヘッド110の各後方行程によって、カーペット丘状部にある糸屑が、第1のスレッドリフトストリップ160の表面に収集されるように整列している。蓄積された糸屑は、掃除機ヘッド10の前方行程によって第1のスレッドリフトストリップ160から解放され、吸引キャビティ124を通る空気流に同伴させることができる。収集された糸屑を第1のスレッドリフトストリップ160から解放することは後部支持縁部164によって助けることができ、掃除機ヘッド110が前方方向に移動すると、収集された糸屑は、後部支持縁部164とカーペットとの間で捕捉又は挟むことができるので、吸引キャビティ124を通る空気流に同伴されるように、収集された糸屑を第1のスレッドリフトストリップ160からむしり取ることができる。
【0070】
第2のスレッドリフトストリップ176の繊維は、掃除機ヘッド10の各前方行程によって、吸引キャビティ124直後のカーペット上にある糸屑が、第2のスレッドリフトストリップ106の表面に収集されるように整列している。集積された糸屑は、掃除機ヘッド110の後方行程によって第2のスレッドリフトストリップ176から解放することができる。解放された糸屑は、後部作業縁部138の下方を通過する空気流に同伴させることができる、或いは、その後、掃除機ヘッド110に吸い込まれるようにカーペットの表面に留まることができる。
【符号の説明】
【0071】
24 前部吸引キャビティ
26 後部吸引キャビティ
28 吸引開口部
30 吸引開口部
92 スレッドリフトストリップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッドであって、
屑が前記掃除機ヘッドに入る下方に向いた開口部を有する吸引キャビティと、前記吸引キャビティ内に配置されて前記開口部に対して移動可能なスレッドリフトストリップと、
を備える掃除機ヘッド。
【請求項2】
前記スレッドリフトストリップは、前記開口部を含む平面に対して移動可能である、請求項1に記載の掃除機ヘッド。
【請求項3】
前記スレッドリフトストリップは、前記開口部に向かって及び開口部から離れるように移動可能である、請求項1又は請求項2に記載の掃除機ヘッド。
【請求項4】
前記スレッドリフトストリップは、前記掃除機ヘッドの壁の表面に結合される、請求項1から3のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項5】
前記表面は、前記吸引キャビティ内に配置される、請求項4に記載の掃除機ヘッド。
【請求項6】
前記吸引キャビティは、前記スレッドリフトストリップを取り囲む、請求項1から5のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項7】
前記スレッドリフトストリップは、前記開口部を含む平面に向かって付勢される、請求項1から6のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項8】
前記開口部に対して前記スレッドリフトストリップを移動させるための手段を含む、請求項1から7のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項9】
前記移動手段は、前記スレッドリフトストリップが配置される支持体を備え、該支持体は、前記開口部に対して移動可能である、請求項8に記載の掃除機ヘッド。
【請求項10】
前記支持体は、前記開口部を含む平面に向かって付勢される、請求項9に記載の掃除機ヘッド。
【請求項11】
前記移動手段は、前記開口部を含む平面に向かって前記支持体を押し付けるための弾性手段を含む、請求項9又は請求項10に記載の掃除機ヘッド。
【請求項12】
前記弾性手段は、少なくとも1つのねじりバネを含む、請求項11に記載の掃除機ヘッド。
【請求項13】
前記スレッドリフトストリップは、前記支持体に取り付けられる、請求項9から12のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項14】
前記支持体は、少なくとも一部が前記吸引キャビティを形成するキャビティ壁に結合される、請求項9から13のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項15】
前記支持体は、前記キャビティ壁に枢動可能に結合される、請求項14に記載の掃除機ヘッド。
【請求項16】
前記支持体は、前記開口部を含む平面に実質的に平行に延びる軸線の周りで枢動可能である、請求項15に記載の掃除機ヘッド。
【請求項17】
前記キャビティ壁は、前記開口部の前縁及び後縁の一方を形成する、請求項14から16のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項18】
前記支持体は、該支持体から外向きに延び、前記キャビティ壁に対して移動できるように結合される少なくとも1つのアームを備える、請求項14から17のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項19】
前記支持体は、上昇位置と下降位置との間で移動可能であり、前記移動手段は、前記支持体の前記下降位置を越えた移動を防ぐための停止部材を備える、請求項9から18のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項20】
前記支持体は、前記停止部材を備える、請求項19に記載の掃除機ヘッド。
【請求項21】
前記停止部材は、少なくとも一部が前記吸引キャビティを形成する表面と当接するように構成される、請求項19又は請求項20に記載の掃除機ヘッド。
【請求項22】
前記スレッドリフトストリップは、前記支持体の凹部に配置される、請求項19から21のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項23】
前記支持体の凹部は、前部支持縁部及び後部支持縁部を含み、前記縁部は、前記支持体が下降位置にある場合、前記開口部を含む平面を超えて下方に延びない、請求項22に記載の掃除機ヘッド。
【請求項24】
前記支持縁部の一方は、前記支持縁部の他方よりも前記支持体から更に突出する、請求項23に記載の掃除機ヘッド。
【請求項25】
前記スレッドが前記スレッドリフトストリップの周りに巻き付くことを防止する手段を備える、請求項1から24のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項26】
前記スレッド巻き付き防止手段は、前記支持体と前記キャビティ壁との間に配置される、請求項14に従属する請求項25に記載の掃除機ヘッド。
【請求項27】
前記スレッド巻き付き防止手段は、前記支持体及び前記キャビティ壁の少なくとも一方に結合される、請求項26に記載の掃除機ヘッド。
【請求項28】
前記スレッド巻き付き防止手段は、前記支持体に結合される第1のセットのリブ、及び前記キャビティ壁に結合される第2のセットのリブを備える、請求項27に記載の掃除機ヘッド。
【請求項29】
前記開口部を形成する底面を含み、該底面は、前記開口部の後縁から後方に延びる後方部分を有する、請求項1から28に記載の掃除機ヘッド。
【請求項30】
前記後方部分は、第2のスレッドリフトストリップを備える、請求項29に記載の掃除機ヘッド。
【請求項1】
真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッドであって、
屑が前記掃除機ヘッドに入る下方に向いた開口部を有する吸引キャビティと、前記吸引キャビティ内に配置されて前記開口部に対して移動可能なスレッドリフトストリップと、
を備える掃除機ヘッド。
【請求項2】
前記スレッドリフトストリップは、前記開口部を含む平面に対して移動可能である、請求項1に記載の掃除機ヘッド。
【請求項3】
前記スレッドリフトストリップは、前記開口部に向かって及び開口部から離れるように移動可能である、請求項1又は請求項2に記載の掃除機ヘッド。
【請求項4】
前記スレッドリフトストリップは、前記掃除機ヘッドの壁の表面に結合される、請求項1から3のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項5】
前記表面は、前記吸引キャビティ内に配置される、請求項4に記載の掃除機ヘッド。
【請求項6】
前記吸引キャビティは、前記スレッドリフトストリップを取り囲む、請求項1から5のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項7】
前記スレッドリフトストリップは、前記開口部を含む平面に向かって付勢される、請求項1から6のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項8】
前記開口部に対して前記スレッドリフトストリップを移動させるための手段を含む、請求項1から7のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項9】
前記移動手段は、前記スレッドリフトストリップが配置される支持体を備え、該支持体は、前記開口部に対して移動可能である、請求項8に記載の掃除機ヘッド。
【請求項10】
前記支持体は、前記開口部を含む平面に向かって付勢される、請求項9に記載の掃除機ヘッド。
【請求項11】
前記移動手段は、前記開口部を含む平面に向かって前記支持体を押し付けるための弾性手段を含む、請求項9又は請求項10に記載の掃除機ヘッド。
【請求項12】
前記弾性手段は、少なくとも1つのねじりバネを含む、請求項11に記載の掃除機ヘッド。
【請求項13】
前記スレッドリフトストリップは、前記支持体に取り付けられる、請求項9から12のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項14】
前記支持体は、少なくとも一部が前記吸引キャビティを形成するキャビティ壁に結合される、請求項9から13のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項15】
前記支持体は、前記キャビティ壁に枢動可能に結合される、請求項14に記載の掃除機ヘッド。
【請求項16】
前記支持体は、前記開口部を含む平面に実質的に平行に延びる軸線の周りで枢動可能である、請求項15に記載の掃除機ヘッド。
【請求項17】
前記キャビティ壁は、前記開口部の前縁及び後縁の一方を形成する、請求項14から16のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項18】
前記支持体は、該支持体から外向きに延び、前記キャビティ壁に対して移動できるように結合される少なくとも1つのアームを備える、請求項14から17のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項19】
前記支持体は、上昇位置と下降位置との間で移動可能であり、前記移動手段は、前記支持体の前記下降位置を越えた移動を防ぐための停止部材を備える、請求項9から18のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項20】
前記支持体は、前記停止部材を備える、請求項19に記載の掃除機ヘッド。
【請求項21】
前記停止部材は、少なくとも一部が前記吸引キャビティを形成する表面と当接するように構成される、請求項19又は請求項20に記載の掃除機ヘッド。
【請求項22】
前記スレッドリフトストリップは、前記支持体の凹部に配置される、請求項19から21のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項23】
前記支持体の凹部は、前部支持縁部及び後部支持縁部を含み、前記縁部は、前記支持体が下降位置にある場合、前記開口部を含む平面を超えて下方に延びない、請求項22に記載の掃除機ヘッド。
【請求項24】
前記支持縁部の一方は、前記支持縁部の他方よりも前記支持体から更に突出する、請求項23に記載の掃除機ヘッド。
【請求項25】
前記スレッドが前記スレッドリフトストリップの周りに巻き付くことを防止する手段を備える、請求項1から24のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項26】
前記スレッド巻き付き防止手段は、前記支持体と前記キャビティ壁との間に配置される、請求項14に従属する請求項25に記載の掃除機ヘッド。
【請求項27】
前記スレッド巻き付き防止手段は、前記支持体及び前記キャビティ壁の少なくとも一方に結合される、請求項26に記載の掃除機ヘッド。
【請求項28】
前記スレッド巻き付き防止手段は、前記支持体に結合される第1のセットのリブ、及び前記キャビティ壁に結合される第2のセットのリブを備える、請求項27に記載の掃除機ヘッド。
【請求項29】
前記開口部を形成する底面を含み、該底面は、前記開口部の後縁から後方に延びる後方部分を有する、請求項1から28に記載の掃除機ヘッド。
【請求項30】
前記後方部分は、第2のスレッドリフトストリップを備える、請求項29に記載の掃除機ヘッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−106958(P2013−106958A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−253540(P2012−253540)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【出願人】(508032310)ダイソン テクノロジー リミテッド (286)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【出願人】(508032310)ダイソン テクノロジー リミテッド (286)
【Fターム(参考)】
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