説明

掃除装置

【課題】掃除作業性を向上した電気掃除機を提供する。
【解決手段】先端側延長管部25が基端側延長管部26に対して相対的に往復動して所定位置に移動することで、伸縮制御部49の駆動を切り換えて先端側延長管部25の相対的な往復動を反転させる。先端側延長管部25を相対的に一旦往動、あるいは復動させると、作業者が把持部21を移動操作することなく先端側延長管部25の基端側延長管部26に対する相対的な往復動が交互に切り換わり、先端側延長管部25側の床ブラシ19が床面F上で自動的に往復動する。把持部21の往復操作が不要となり、掃除作業性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除部を被掃除面上で走行させて掃除をする掃除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の掃除装置としての電気掃除機は、電動送風機を収容した掃除機本体と、この掃除機本体に接続される管部とを備えている。この管部は、掃除機本体への接続により本体集塵室を介して電動送風機の吸込側に連通する接続管部を基端側に備えたホース体と、このホース体の先端側に接続される延長管と、この延長管の先端側に接続される掃除部としての吸込口体である床ブラシとを有している。そして、作業者は、ホース体の先端側に形成された把持部を把持して延長管を介して床ブラシを床面上で前後に繰り返し走行させて掃除をする。
【0003】
しかしながら、把持部にはホース体の重量などが加わるので、この把持部を把持した状態で前後に操作すると、作業者の負担が大きくなる。そこで、把持部を長尺状に形成し、延長管に対する取り付け位置を可変させることで把持部の高さを変えられるように構成することにより、ホース体の長さを短縮して重量を低減し、作業性を向上した構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−219995号公報(第2−4頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の掃除装置では、把持部の位置を作業者が手動で変えなければならないので、必ずしも使い勝手が良好とはいえず、かつ、床ブラシを前後に走行させるための把持部の前後操作は解消されていないなど、作業性の向上が充分とはいえないという問題点を有している。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、掃除作業性を向上した掃除装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、作業者により把持部が把持されることで固定される固定部に対して相対的に往復動可能な長手状の移動部側に設けられ、被掃除面上を走行可能にする走行輪を備え移動部の固定部に対する相対的な往復動に対応して被掃除面上を走行可能な掃除部と、移動部の相対的な往復動を制御し、この移動部が所定位置に移動することで駆動が切り換えられて移動部の相対的な往復動を反転させる往復動制御部とを具備したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、移動部が固定部に対して相対的に往復動して所定位置に移動することで往復動制御部の駆動が切り換えられて移動部の相対的な往復動が反転することにより、移動部を相対的に一旦往動あるいは復動させると、作業者が把持部を移動操作することなく移動部の固定部に対する相対的な往復動が交互に切り換えられて、移動部側に設けた掃除部が被掃除面上で自動的に往復動するので、把持部の往復操作が不要となり、掃除作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態の掃除装置を示し、(a1)は移動部の往動時の把持部近傍の状態を模式的に示す側面図、(a2)は移動部の復動時の把持部近傍の状態を模式的に示す側面図、(b1)は移動部の往動時の延長管および掃除部の状態を模式的に示す側面図、(b2)は移動部の復動時の延長管および掃除部の状態を模式的に示す側面図である。
【図2】同上掃除装置の掃除部の一部を示す平面図である。
【図3】同上掃除装置の斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の掃除装置を示し、(a1)は把持部の一方への回動時の把持部近傍の状態を模式的に示す側面図、(a2)は把持部の他方への回動時の把持部近傍の状態を模式的に示す側面図、(b1)は把持部の一方への回動時の移動部および掃除部の状態を模式的に示す側面図、(b2)は把持部の他方への回動時の移動部および掃除部の状態を模式的に示す側面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の掃除装置を示し、(a1)は移動部の往動時の把持部近傍の状態を模式的に示す側面図、(a2)は移動部の復動時の把持部近傍の状態を模式的に示す側面図、(b1)は移動部の往動時の延長管および掃除部の状態を模式的に示す側面図、(b2)は移動部の復動時の延長管および掃除部の状態を模式的に示す側面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態の掃除装置を示し、(a1)は移動部の往動時の把持部近傍の状態を模式的に示す側面図、(a2)は移動部の復動時の把持部近傍の状態を模式的に示す側面図、(b1)は移動部の往動時の掃除部の状態を模式的に示す側面図、(b2)は移動部の復動時の掃除部の状態を模式的に示す側面図である。
【図7】同上掃除装置の掃除部の一部を示す平面図である。
【図8】同上掃除装置の斜視図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態の掃除装置を示し、(a1)は把持部の一方への回動時の把持部近傍の状態を模式的に示す側面図、(a2)は把持部の他方への回動時の把持部近傍の状態を模式的に示す側面図、(b1)は把持部の一方への回動時の伸縮部および掃除部の状態を模式的に示す側面図、(b2)は把持部の他方への回動時の伸縮部および掃除部の状態を模式的に示す側面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態の掃除装置を示し、(a1)は移動部の往動時の把持部近傍の状態を模式的に示す側面図、(a2)は移動部の復動時の把持部近傍の状態を模式的に示す側面図、(b1)は移動部の往動時の掃除部の状態を模式的に示す側面図、(b2)は移動部の復動時の掃除部の状態を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の第1の実施の形態の構成を図1ないし図3を参照して説明する。
【0011】
図3において、11は掃除装置としてのいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
【0012】
管部12は、掃除機本体13に接続される接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される軸部としての伸縮部である長手状の延長管18と、この延長管18の先端側に着脱可能に接続される掃除部としての吸込口体である床ブラシ19とを備えている。また、この管部12は、図示しない配線を介して掃除機本体13側と電気的に接続されている。
【0013】
手元操作部17には、掃除の際に作業者に把持される把持部21がホース体16側へと突出し、この把持部21には、操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
【0014】
延長管18は、一端側である先端側、すなわち上流側に、移動部としての移動延長管である長手円筒状の先端側(上流側)延長管部25を備え、他端側である基端側、すなわち下流側に、固定部としての固定延長管である長手円筒状の基端側(下流側)延長管部26を備えている。
【0015】
先端側延長管部25は、一端部である先端部に床ブラシ19が着脱可能に接続され、他端側である基端側が基端側延長管部26に対して相対的に移動(摺動)可能に挿入されている。また、この先端側延長管部25の基端側延長管部26に挿入された基端側には、図1に示すように、切換手段としてのマイクロスイッチ28,29が取り付けられている。
【0016】
これらマイクロスイッチ28,29は、先端側延長管部25の例えば上部に固定された本体部28a,29aと、この本体部28a,29aから可動的に腕状に突出した可動部28b,29bとを備えた常開のスイッチである。また、一方のマイクロスイッチ28は、他方のマイクロスイッチ29よりも前方に位置している。さらに、一方の可動部28bは、一方の本体部28aの後側から先端側が前方へと突出しており、他方の可動部29bは、他方の本体部29aの前側から先端側が後方へと突出している。これら可動部28b,29bは、基端側延長管部26の内周面と非接触に配置されている。
【0017】
基端側延長管部26は、先端側延長管部25以上の長手寸法を有している。また、この基端側延長管部26の基端部には、手元操作部17の先端部が着脱可能に接続される。すなわち、この基端側延長管部26は、手元操作部17と接続した状態でこの手元操作部17、すなわち把持部21と一体的となる。換言すれば、把持部21は、基端側延長管部26側に位置しており、把持部21が作業者により把持されることで基端側延長管部26は把持部21とともに固定される。さらに、基端側延長管部26の内周側には、先端側延長管部25のマイクロスイッチ28,29に対向する位置に、切換操作部としての突起部30が中心軸方向へと突出して形成されている。この突起部30は、可動部28b,29bに接触することでマイクロスイッチ28,29のオンオフを切り換えるものである。
【0018】
また、図3に示すように、床ブラシ19は、横長のケース体33と、このケース体33に接続された接続管34とを有している。
【0019】
ケース体33は、上側が開口した下ケース36と、この下ケース36の上側を覆う上ケース37と、これら下ケース36と上ケース37との間に挟持されたバンパ38と、床ブラシ19を被掃除面としての床面F(図1)上で走行可能にする走行輪39a,39bとを備えている。
【0020】
下ケース36には、床面F(図1)に対向して横長の吸込口41が開口形成されており、この吸込口41には、回転清掃体としての回転ブラシ42が回転可能に取り付けられている。また、下ケース36の後部には、床ブラシ19を床面F(図1)上で走行可能にする走行輪39a,39bが両側に回転可能に取り付けられた被取付部43が後方へと突出して形成されている。
【0021】
回転ブラシ42は、回転軸42aの周囲に、ブラシ毛、あるいはブレードなどの複数の清掃部材42bが螺旋状に取り付けられて構成されている。また、この回転ブラシ42は、駆動源としての駆動モータ45により回転駆動されることにより、床面F(図1)に入り込んだ塵埃を清掃部材42bにより掻き出したり、床面F(図1)を磨き掃除したりすることが可能となっている。なお、この回転ブラシ42は、例えばエアタービンなどの駆動源により回転駆動してもよいし、駆動源を有さず、床面F(図1)との接触により回転するものであってもよい。
【0022】
駆動モータ45は、ケース体33内に配置された制御手段としての制御回路46により回転駆動される。また、駆動モータ45の回転力は、ベルトBを介して回転ブラシ42へと伝達される。
【0023】
走行輪39a,39bは、図2に示すように、被取付部43内に配置された駆動手段としてのモータ47a,47bによりそれぞれ回転駆動される。これらモータ47a,47bは、例えば制御回路46によりその回転駆動が制御される。
【0024】
制御回路46は、マイクロスイッチ28,29(図1)および掃除機本体13(図3)側とそれぞれ電気的に接続されている。そして、この制御回路46は、所定の設定ボタン22の操作により駆動モータ45の回転および停止を制御するとともに、マイクロスイッチ28,29のオンオフに応じてモータ47a,47b(走行輪39a,39b)の回転方向を制御する。そして、この制御回路46、基端側延長管部26(図1)、マイクロスイッチ28,29(図1)、突起部30(図1)、モータ47a,47bなどにより、先端側延長管部25が往復動して所定位置に移動した際に駆動が切り換えられて先端側延長管部25の往復動すなわち延長管18の伸縮を反転させる往復動制御部としての伸縮制御部49が構成されている。
【0025】
また、接続管34は、吸込口41と連通しており、延長管18の先端側に着脱可能となっている。また、この接続管34は、ケース体33に対して例えば上下方向および周方向に回動可能に接続されている。
【0026】
また、図3に示す掃除機本体13には、電動送風機51が収容されている。この電動送風機51は、掃除機本体13内の前側に区画された本体集塵室52に吸込側が接続されている。さらに、掃除機本体13の上部には、本体集塵室52を開閉可能とする本体蓋53が設けられている。また、掃除機本体13の前部には、管部12の接続管部15の基端側が接続される本体吸込口54が開口形成されており、この本体吸込口54が本体集塵室52に連通している。なお、本体吸込口54は、本体蓋53などに形成されていてもよい。また、掃除機本体13内には、電動送風機51の動作モードを設定ボタン22での設定に応じて切り換える図示しない本体制御回路が配置されている。そして、掃除機本体13内には、電動送風機51および本体制御回路などに給電する図示しない電源部が配置されている。この電源部は、例えば二次電池などの内部電源でもよく、外部の商用交流電源から電源を取るためのコードリール装置などでもよい。さらに、掃除機本体13には、図示しない排気孔が多数形成されている。
【0027】
本体集塵室52内には、フィルタ、集塵袋、あるいは集塵カップなどの集塵部が着脱可能となっている。
【0028】
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
【0029】
掃除の際には、作業者が把持部21を把持して設定ボタン22を操作することにより、本体制御回路が電動送風機51を設定ボタン22により設定された動作モードで動作させる。同時に、床ブラシ19の制御回路46が、モータ47a,47bを同方向に略同速度(同回転数)で回転駆動させることにより、走行輪39a,39bが同方向、例えば前方向に向けて略同速度で回転する。この回転により、床ブラシ19が床面F上で前方へと直進する。
【0030】
このとき、図1(b1)に示すように、床ブラシ19と接続された先端側延長管部25が床ブラシ19と一体的に前方へと移動(往動)するのに対して、基端側延長管部26は作業者により把持部21が把持されていることで、先端側延長管部25が基端側延長管部26から突出して延長管18が伸張する。なお、把持部21は、床ブラシ19が床面Fに接触したままの状態で延長管18が伸張されて長くなるため、床面Fに対する延長管18の傾斜角度が小さくなるように変化して若干下側へと移動するものの、前後方向の位置は殆ど変化しない。
【0031】
そして、延長管18の伸張、すなわち先端側延長管部25の前方への移動により、図1(a1)に示すように、先端側延長管部25とともに他方のマイクロスイッチ29が基端側延長管部26に形成された突起部30に対して相対的に前方へと移動し、先端側延長管部25が基端側延長管部26に対して最大に突出した第1所定位置で突起部30がマイクロスイッチ29の可動部29bに接触して、マイクロスイッチ29をオンする。
【0032】
このマイクロスイッチ29のオンにより、制御回路46がモータ47a,47b、すなわち走行輪39a,39bの回転方向を反転させ、この反転させた方向へと略同速度で回転駆動させることにより、走行輪39a,39bが後方向に向けて略同速度で回転する。この回転により、床ブラシ19が床面F上で後方へと直進する。
【0033】
このとき、図1(b2)に示すように、床ブラシ19と接続された先端側延長管部25が床ブラシ19と一体的に後方へと移動(復動)するのに対して、基端側延長管部26は作業者により把持部21が把持されていることで、先端側延長管部25の基端側が基端側延長管部26へと挿入されて延長管18が収縮する。なお、把持部21は、床ブラシ19が床面Fに接触したままの状態で延長管18が収縮されて短くなるため、床面Fに対する延長管18の傾斜角度が大きくなるように変化して若干上側へと移動するものの、前後方向の位置は殆ど変化しない。
【0034】
そして、先端側延長管部25の後方への移動により、図1(a2)に示すように、先端側延長管部25とともに一方のマイクロスイッチ28が基端側延長管部26に形成された突起部30に対して相対的に後方へと移動し、先端側延長管部25が基端側延長管部26に対して最大に挿入された第2所定位置で突起部30がマイクロスイッチ28の可動部28bに接触してマイクロスイッチ28をオンする。
【0035】
このマイクロスイッチ28のオンにより、制御回路46がモータ47a,47b、すなわち走行輪39a,39bの回転方向を反転させ、この反転させた方向へと略同速度で回転駆動させることにより、走行輪39a,39bが再度前方向に向けて略同速度で回転する。この回転により、床ブラシ19が床面F上で前方へと直進する。
【0036】
すなわち、床ブラシ19は、先端側延長管部25の往復動、換言すれば延長管18の伸縮によってマイクロスイッチ28,29が交互にオンされることにより、作業者が把持部21を前後に操作することなく床面F上を自動的に前後に往復動する。したがって、先端側延長管部25の往復ストローク、換言すれば延長管18の伸縮ストローク(床ブラシ19の往復ストローク)が、突起部30からマイクロスイッチ28,29までの距離によって規定される。
【0037】
そして、吸込口41(図2)から床面Fに作用した負圧により、床面F上の塵埃が空気とともに吸込口41(図2)から吸い込まれる。なお、作業者は、床面Fの種類に応じて、例えば絨毯などの床面Fを掃除する場合には、駆動モータ45を介して回転ブラシ42を適宜回転駆動させてもよい。
【0038】
吸込口41(図2)から吸い込まれた空気は吸込風となり、塵埃とともに図3に示す接続管34から延長管18、手元操作部17、ホース体16、接続管部15および本体吸込口54を通過して本体集塵室52へと吸い込まれ、この本体集塵室52を通過する際に塵埃が捕集される。
【0039】
この後、吸込風は、電動送風機51に吸い込まれ、この電動送風機51内を冷却しつつ通過することで排気風となり、掃除機本体13の図示しない排気孔から外部へと排気される。
【0040】
掃除が終了すると、作業者は設定ボタン22により電動送風機51を停止させる操作をする。このとき、本体制御回路が電動送風機51の駆動を停止させるとともに、床ブラシ19の制御回路46がモータ47a,47bの回転を停止する。なお、制御回路46は、電気掃除機11の運転の停止操作と同時にモータ47a,47bの駆動を停止させてもよいし、電気掃除機11の運転の停止操作後、モータ47a,47bを後方向、あるいは前方向へと一定時間回動させて先端側延長管部25を基端側延長管部26に対して所定の収納位置まで移動させて延長管18を所定の伸縮状態とした後、モータ47a,47bを停止させてもよい。
【0041】
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、先端側延長管部25が基端側延長管部26に対して相対的に往復動して所定位置(第1所定位置、あるいは第2所定位置)に移動することで、換言すれば延長管18が伸縮することで、伸縮制御部49の駆動が切り換えられて先端側延長管部25の相対的な往復動、すなわち延長管18の伸縮が反転することにより、設定ボタン22により電動送風機51(電気掃除機11)を起動させることなどによって先端側延長管部25を相対的に一旦往動、あるいは復動(延長管18を一旦伸張、あるいは収縮)させると、作業者が把持部21を移動操作することなく先端側延長管部25の基端側延長管部26に対する相対的な往復動が交互に切り換えられて延長管18の伸縮が交互に切り換えられ、先端側延長管部25側の床ブラシ19が床面F上で自動的に往復動するので、把持部21の往復操作が不要となり、掃除作業性が向上する。
【0042】
具体的に、延長管18の伸縮により、先端側延長管部25の基端側が基端側延長管部26内で相対的に往復動して、マイクロスイッチ28,29を交互にオンオフさせ、これらマイクロスイッチ28,29のオンオフによって先端側延長管部25の相対的な往復動、すなわち延長管18の伸縮を反転させることにより、作業者が把持部21を把持した手を把持部21とともに前後に移動させることなく先端側延長管部25の相対的な往復動(延長管18の伸縮)に伴って床ブラシ19が床面F上を自動的に前後に走行するので、作業者の掃除動作を最小限とすることができる。
【0043】
また、設定ボタン22の操作によって電動送風機51(電気掃除機11)を起動させた際に先端側延長管部25の相対的な往復動(延長管18の伸縮)が開始されるので、使用者が意図するタイミングに近いタイミングで床ブラシ19の前後動を開始させることができ、掃除作業性をより向上できる。
【0044】
さらに、マイクロスイッチ28,29を、先端側延長管部25が相対的に往復動する範囲内で先端側延長管部25および基端側延長管部26の外部に露出しない位置に配置しているので、見栄えの低下を抑制できるとともに、マイクロスイッチ28,29の破損なども防止できる。
【0045】
次に、第2の実施の形態を図4を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、手元操作部17の把持部21が、手元操作部本体61に対して別体で形成されこの手元操作部本体61に対して周方向、すなわち先端側延長管部25の基端側延長管部26に対する相対的な移動方向(延長管18の伸縮方向)に対して交差する方向へと回動可能に構成されているものである。
【0047】
手元操作部本体61は、断面が円形状に形成されている。さらに、この手元操作部本体61は、端部側が把持部21内に挿入されている。そして、この手元操作部本体61の外周面には、旋回切換部としてのマイクロスイッチ64,65が取り付けられている。
【0048】
これらマイクロスイッチ64,65は、手元操作部本体61に固定された本体部64a,65aと、この本体部64a,65aから可動的に腕状に突出した可動部64b,65bとを備えた常開のスイッチである。また、マイクロスイッチ64,65は、把持部21の回動方向の一側と他側、すなわち左右に離間された位置で、かつ、把持部21の内周側の位置に取り付けられている。さらに、図4中の左側の可動部64bは、本体部64aから先端側が左方へと突出しており、図4中の右側の可動部65bは、本体部65aから先端側が右方へと突出している。これら可動部64b,65bは、把持部21の内周面と非接触に配置されている。そして、マイクロスイッチ64,65は、床ブラシ19の制御回路46と電気的に接続されている。
【0049】
また、把持部21は、略有底円筒状に形成され、手元操作部本体61に対して、例えばばねなどの付勢手段により回動方向の中立位置へと付勢されている。なお、この付勢手段は、必須の構成ではない。さらに、この把持部21の内周側には、マイクロスイッチ64,65に対向する位置に、旋回切換操作部としての突起部67が中心軸方向へと突出して形成されている。この突起部67は、可動部64b,65bに接触することでマイクロスイッチ64,65のオンオフを切り換えるものである。そして、上記制御回路46、マイクロスイッチ64,65、突起部67およびモータ47a,47bなどにより、把持部21の回動方向に対応して走行輪39a,39bの回転を制御することで床ブラシ19を旋回走行させる旋回制御部68が構成されている。
【0050】
すなわち、電気掃除機11の運転中などに、把持部21を把持する作業者が図4(a1)に示すように把持部21を手元操作部本体61に対して例えば左側へと捻ると、この把持部21の回動により突起部67が左側へと移動し、所定角度移動した位置でマイクロスイッチ64の可動部64bに接触して、マイクロスイッチ64をオンする。このマイクロスイッチ64のオンにより、制御回路46がモータ47aの回転速度を低下させたり、モータ47aを停止させたり、モータ47aの回転方向を反転させたりすることで、図4(b1)に示すように、床ブラシ19が左側へと旋回走行する。
【0051】
反対に、把持部21を把持する作業者が図4(a2)に示すように把持部21を手元操作部本体61に対して例えば右側へと捻ると、この把持部21の回動により突起部67が右側へと移動し、所定角度移動した位置でマイクロスイッチ65の可動部65bに接触して、マイクロスイッチ65をオンする。このマイクロスイッチ65のオンにより、制御回路46がモータ47bの回転速度を低下させたり、モータ47bを停止させたり、モータ47bの回転方向を反転させたりすることで、図4(b2)に示すように、床ブラシ19が右側へと旋回走行する。
【0052】
なお、作業者が把持部21への捻り方向への力を緩めると、付勢手段により、把持部21が手元操作部本体61に対して捻り方向と反対方向へと回動し、中立位置へと復帰する。
【0053】
このように、先端側延長管部25の基端側延長管部26に対する相対的な移動方向に交差する左右方向へと回動可能な把持部21を設け、かつ、この把持部21の回動方向に対応して旋回制御部68がモータ47a,47b、すなわち走行輪39a,39bの回転を制御することにより床ブラシ19を床面F上で旋回走行させることで、作業者が把持部21および延長管18とともに床ブラシ19を左側、あるいは右側に旋回させるように動作させることなく、把持部21の捻り操作のみで床ブラシ19を容易に旋回させることができ、より少ない動作での床ブラシ19の走行操作が可能になるので、掃除作業性をより向上できる。
【0054】
なお、上記第2の実施の形態において、把持部21の捻り方向と床ブラシ19の旋回方向とは、必ずしも一致させなくてもよい。すなわち、例えば把持部21を手元操作部本体61に対して左側(右側)に捻った際に、床ブラシ19を対応させて右側(左側)に旋回させるように構成してもよい。さらに、床ブラシ19の前進時と後進時とで、把持部21の捻り方向に対応する床ブラシ19の旋回方向を切り換えてもよい。
【0055】
また、マイクロスイッチ64,65を把持部21に取り付け、突起部67を手元操作部本体61に形成してもよい。
【0056】
さらに、突起部67はマイクロスイッチ64,65に対応して複数形成してもよい。
【0057】
そして、上記各実施の形態において、マイクロスイッチ28,29を基端側延長管部26に取り付け、突起部30を先端側延長管部25に形成してもよく、また、先端側延長管部25の基端側に基端側延長管部26の先端側が挿入された構成としてもよい。
【0058】
次に、第3の実施の形態を図5を参照して説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0059】
この第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態の把持部21に代えて、手元操作部17に突出形成された湾曲部71と、この湾曲部71に沿って移動(摺動)可能に取り付けられた把持部72とを備えるものである。
【0060】
湾曲部71は、前後方向に沿って形成されており、側面視で円弧状に湾曲している。すなわち、この湾曲部71は、先端側延長管部25の基端側延長管部26に対する相対的な移動方向である延長管18の伸縮方向に対して交差する方向である上下方向に沿って湾曲している。なお、この湾曲部71の湾曲形状は、略円形状であれば、円形に近い楕円形状などでもよい。また、この湾曲部71の外部の把持部72の内周側に対向する位置には、マイクロスイッチ28,29が離間された位置に取り付けられている。さらに、湾曲部71の上部には、設定ボタン22が配置されている。
【0061】
把持部72は、湾曲部71に沿って円弧状に湾曲した略円筒状に形成されており、内部に湾曲部71が挿通されている。したがって、把持部72は、湾曲部71の後側の湾曲形状に沿って移動(摺動)可能となっている。また、この把持部72の内周側には、マイクロスイッチ28,29に対向する位置に突起部30が形成されている。
【0062】
そして、掃除の際には、作業者が把持部72を把持して設定ボタン22を操作して本体制御回路により電動送風機51を起動させるとともに、床ブラシ19の制御回路46によりモータ47a,47bを同方向に略同速度(同回転数)で回転駆動させることで、走行輪39a,39bが同方向、例えば前方向に向けて略同速度で回転する。この回転により、床ブラシ19が床面F上で前方へと直進する。
【0063】
このとき、図5(b1)に示すように、床ブラシ19と接続された先端側延長管部25が床ブラシ19と一体的に前方へと移動(往動)するのに対して、基端側延長管部26は作業者により把持部72が把持されていることで、先端側延長管部25が基端側延長管部26から相対的に突出して延長管18が伸張し、床ブラシ19と把持部72との距離が変化する。このとき、床ブラシ19が床面Fに接触したままの状態で延長管18が伸張されて長くなることにより、延長管18の床面Fに対する傾斜角度が小さくなるように変化するため、作業者によって把持されている把持部72に対して湾曲部71(基端側延長管部26)が相対的に下側へと回動するように摺動する。すなわち、把持部72の位置は殆ど変化することなく、この把持部72に対する湾曲部71(延長管18)の角度が変化する。
【0064】
この結果、図5(a1)に示すように、把持部72の突起部30がマイクロスイッチ29の可動部29bに接触して、マイクロスイッチ29をオンする。
【0065】
そして、このマイクロスイッチ29のオンにより、制御回路46がモータ47a,47b、すなわち走行輪39a,39bの回転方向を反転させ、この反転させた方向へと略同速度で回転駆動させることにより、走行輪39a,39bが後方向に向けて略同速度で回転する。この回転により、床ブラシ19が床面F上で後方へと直進する。
【0066】
このとき、図5(b2)に示すように、床ブラシ19と接続された先端側延長管部25が床ブラシ19と一体的に後方へと移動(復動)するのに対して、基端側延長管部26は作業者により把持部72が把持されていることで、先端側延長管部25の基端側が基端側延長管部26へと相対的に挿入されて延長管18が収縮し、床ブラシ19と把持部72との距離が変化する。このとき、床ブラシ19が床面Fに接触したままの状態で延長管18が収縮されて短くなることにより、延長管18の床面Fに対する傾斜角度が大きくなるように変化するため、作業者によって把持されている把持部72に対して湾曲部71(基端側延長管部26)が相対的に上側へと回動するように摺動する。すなわち、把持部72の位置は殆ど変化することなく、この把持部72に対する湾曲部71(延長管18)の角度が変化する。
【0067】
この結果、図5(a2)に示すように、把持部72の突起部30がマイクロスイッチ28の可動部28bに接触して、マイクロスイッチ28をオンする。
【0068】
そして、このマイクロスイッチ28のオンにより、制御回路46がモータ47a,47b、すなわち走行輪39a,39bの回転方向を反転させ、この反転させた方向へと略同速度で回転駆動させることにより、走行輪39a,39bが再度前方向に向けて略同速度で回転する。この回転により、床ブラシ19が床面F上で前方へと直進する。
【0069】
すなわち、床ブラシ19は、延長管18の伸縮によってマイクロスイッチ28,29が交互にオンされることにより、作業者が把持部72を前後および上下に操作することなく床面F上を自動的に前後に往復動する。
【0070】
このように、基端側延長管部26側である手元操作部17に、先端側延長管部25の移動方向(延長管18の長手方向)に対して交差する方向に突出して湾曲部71を形成し、この湾曲部71に沿って把持部72を移動可能に取り付けることにより、床ブラシ19が床面Fに接触した状態で先端側延長管部25が相対的に往復動することにより床ブラシ19と基端側延長管部26との距離が変化(延長管18が伸縮)して、延長管18の床面Fに対する傾斜角度が変化することで湾曲部71が上下に移動しても、把持部72が湾曲部71に対して相対的に移動するので把持部72の位置は殆ど変化せず、作業者が把持部72を把持した手を上下させる必要がない。この結果、作業者の掃除動作を抑制しつつ床ブラシ19を床面F上で確実に往復走行させることができ、掃除作業性を向上できる。
【0071】
また、把持部72が円弧状に湾曲しているので、作業者が把持部72を握りやすく、使用感を向上することができる。
【0072】
なお、上記第3の実施の形態において、マイクロスイッチ28,29を把持部72に取り付け、突起部30を湾曲部71に形成してもよい。
【0073】
また、上記各実施の形態において、突起部30はマイクロスイッチ28,29に対応して複数形成してもよい。
【0074】
さらに、マイクロスイッチ28は、先端側延長管部25の相対的な往復動の際に先端側延長管部25あるいは基端側延長管部26の外部に露出するように配置してもよい。この場合には、先端側延長管部25の往復ストローク、すなわち延長管18の伸縮ストローク(床ブラシ19の往復ストローク)を大きく取ることができる。
【0075】
そして、先端側延長管部25の相対的な往復動、すなわち延長管18の伸縮は、設定ボタン22の操作時(電動送風機51の起動時)に起動させる他に、例えば電源コードのプラグ部を商用交流電源に接続することにより開始する構成としてもよい。また、先端側延長管部25の相対的な往復動(延長管18の伸縮)の起動のみ手動で行なってもよい。
【0076】
さらに、床ブラシ19の走行輪39a,39bをモータ47a,47bにより駆動させることにより先端側延長管部25を間接的に基端側延長管部26に対して相対的に往復動させる構成の他に、例えば走行輪39a,39bを回転自在とし、先端側延長管部25を基端側延長管部26に対して図示しないモータなどの移動手段によって相対的に移動させることにより先端側延長管部25を直接基端側延長管部26に対して往復動させて床ブラシ19を間接的に前後に往復走行させる構成としてもよい。
【0077】
そして、先端側延長管部25が基端側延長管部26に対して相対的に移動する構成であれば、例えば基端側延長管部26を先端側延長管部25に対して移動させる構成としてもよい。
【0078】
次に、第4の実施の形態を図6ないし図8を参照して説明する。
【0079】
図8において、75は掃除装置としてのいわゆるアップライト型(スティック型)の電気掃除機を示し、この電気掃除機75は、掃除部76と、この掃除部76を操作するための軸部としての操作部である長手状の伸縮部77とを有している。
【0080】
掃除部76は、上下方向に長手状の掃除機本体81と、この掃除機本体81の下部に接続された吸込口体としての床ブラシ82とを備えている。
【0081】
掃除機本体81は、下側に電動送風機84を収容しているとともに、集塵部85を着脱可能な取付部86が前部に凹設されている。また、この掃除機本体81の上側の後部には、掃除部76を持ち上げる際に把持される取手部88がループ状に形成されている。さらに、掃除機本体81の上側の一側部には、電動送風機84の駆動用の本体スイッチ89が設けられている。また、掃除機本体81内には、電動送風機84の動作を制御する図示しない本体制御回路が配置されている。そして、掃除機本体81内には、電動送風機84および本体制御回路などに給電する図示しない電源部が配置されている。この電源部は、例えば二次電池などの内部電源でもよく、外部の商用交流電源から電源を取るためのコードリール装置などでもよい。さらに、掃除機本体81の後部には、図示しない排気孔が多数形成されている。
【0082】
電動送風機84は、取付部86に吸込側が連通している。
【0083】
また、集塵部85は、集塵カップとも呼ばれるもので、取付部86に取り付けた状態でこの取付部86の前側を掃除機本体81の外部に対して気密に閉塞するように構成されている。
【0084】
本体制御回路は、本体スイッチ89の操作により電動送風機84のオンオフを制御するように構成されている。なお、本体スイッチ89は、本実施の形態では、電動送風機84のオンオフを設定するのみのものとしたが、電動送風機84の動作モードを切り換えるものとしてもよい。
【0085】
また、床ブラシ82は、横長のケース体91と、このケース体91に接続された接続管92とを有している。
【0086】
ケース体91は、上側が開口した下ケース94と、この下ケース94の上側を覆う上ケース95と、これら下ケース94と上ケース95との間に挟持されたバンパ96と、床ブラシ82を床面F(図6)上で走行可能にする走行輪97a,97bとを備えている。
【0087】
下ケース94には、図7に示すように、床面F(図6)に対向して横長の吸込口99が開口形成されている。また、下ケース94の後部には、掃除部76を床面F(図6)上で走行可能にする走行輪97a,97bが両側に回転可能に取り付けられた被取付部100が後方へと突出して形成されている。
【0088】
なお、吸込口99には、上記第1の実施の形態ないし上記第3の実施の形態の回転ブラシ42と同様の回転清掃体を取り付けてもよい。
【0089】
走行輪97a,97bは、被取付部43内に配置された駆動手段としてのモータ102a,102bによりそれぞれ回転駆動される。これらモータ102a,102bは、制御手段としての制御回路103によりその回転駆動が制御される。
【0090】
この制御回路103は、掃除機本体81(図8)側とそれぞれ電気的に接続されている。そして、この制御回路103は、モータ102a,102b(走行輪97a,97b)の回転方向を制御する。
【0091】
また、接続管92は、ケース体91に対して例えば上下方向および周方向に回動可能に接続されている。さらに、この接続管92は、掃除機本体81の下端部に対して一体的に接続されており、この掃除機本体81の取付部86に対して連通するように構成されている。したがって、床ブラシ82は、掃除機本体81を床面F(図6)に対して支持するように構成されている。
【0092】
一方、伸縮部77は、掃除機本体81の上部と接続された移動部としての略円柱状の伸縮部本体105と、この伸縮部本体105の基端側である上端側に取り付けられた略円筒状の固定部106とを有している。
【0093】
伸縮部本体105は、先端部である下端部が掃除機本体81の上側の左右幅方向の略中心位置の前部にてこの掃除機本体81と一体的に接続されている。このため、伸縮部本体105は、掃除機本体81の長手方向に沿って配置されている。また、この伸縮部本体105は、走行輪97a,97bの駆動により掃除部76が床面F(図6)上を走行することで固定部106に対して相対的に往復動可能である。さらに、この伸縮部本体105には、固定部106の内周側に対向する上端側の位置に、切換手段としてのマイクロスイッチ108,109が取り付けられている。
【0094】
これらマイクロスイッチ108,109は、伸縮部本体105の例えば前部に固定された本体部108a,109aと、この本体部108a,109aから可動的に腕状に突出した可動部108b,109bとを備えた常開のスイッチであり、制御回路103に電気的に接続されている。また、一方のマイクロスイッチ108は、他方のマイクロスイッチ109よりも下方に位置している。さらに、一方の可動部108bは、一方の本体部108aの上側から先端側が下方へと突出しており、他方の可動部109bは、他方の本体部109aの下側から先端側が上方へと突出している。これら可動部108b,109bは、固定部106の内周面と非接触に配置されている。
【0095】
また、固定部106は、掃除の際に作業者に把持される把持部110が上端側から突出して形成されており、内周側の伸縮部本体105のマイクロスイッチ108,109に対向する位置に、切換操作部としての突起部111が中心軸方向へと突出して形成されている。また、突起部111は、可動部108b,109bに接触することでマイクロスイッチ108,109のオンオフを切り換えるものである。
【0096】
そして、これらマイクロスイッチ108,109、突起部111、制御回路103およびモータ102a,102bなどにより、伸縮部本体105が往復動して所定位置に移動した際に駆動が切り換えられて伸縮部本体105の往復動すなわち伸縮部77の伸縮を反転させる往復動制御部としての伸縮制御部113が構成されている。
【0097】
次に、上記第4の実施の形態の動作を説明する。
【0098】
掃除の際には、作業者が把持部110を把持して本体スイッチ89を操作することにより、本体制御回路が電動送風機84を動作させる。同時に、床ブラシ82の制御回路103が、モータ102a,102bを同方向に略同速度(同回転数)で回転駆動させることにより、走行輪97a,97bが同方向、例えば前方向に向けて略同速度で回転する。この回転により、掃除部76が床面F上で前方へと直進する。
【0099】
このとき、図6(b1)に示すように、掃除部76と接続された伸縮部本体105が掃除部76と一体的に前方へと移動(往動)するのに対して、把持部110が作業者により把持されていることにで、伸縮部本体105が固定部106から突出して伸縮部77が伸張し、掃除部76と把持部110との距離が変化する。なお、把持部110は、床ブラシ82が床面Fに接触したままの状態で掃除部76が前方へと走行して伸縮部本体105が固定部106から前方へと突出して伸縮部77が伸張することにより、掃除部76からの距離が大きくなり、床面Fに対する掃除部76の掃除機本体81および伸縮部本体105の傾斜角度が小さくなるように変化して若干下側へと移動するものの、前後方向の位置は殆ど変化しない。
【0100】
そして、伸縮部77の伸張、すなわち伸縮部本体105の前方への移動により、図6(a1)に示すように、伸縮部本体105とともに他方のマイクロスイッチ109が固定部106に形成された突起部111に対して相対的に前方へと移動し、伸縮部本体105が固定部106に対して最大に突出した第1所定位置で突起部111がマイクロスイッチ109の可動部109bに接触して、マイクロスイッチ109をオンする。
【0101】
このマイクロスイッチ109のオンにより、制御回路103がモータ102a,102b、すなわち走行輪97a,97bの回転方向を反転させ、この反転させた方向へと略同速度で回転駆動させることにより、走行輪97a,97bが後方向に向けて略同速度で回転する。この回転により、掃除部76が床面F上で後方へと直進する。
【0102】
このとき、図6(b2)に示すように、掃除部76と接続された伸縮部本体105が掃除部76と一体的に後方へと移動(復動)するのに対して、把持部110が作業者により把持されていることにで、伸縮部本体105の上端側が固定部106へと挿入され、伸縮部本体105に対する固定部106(把持部110)の相対的な位置が変化して伸縮部77が収縮する。なお、把持部110は、床ブラシ82が床面Fに接触したままの状態で伸縮部77が収縮されて短くなるため、掃除部76からの距離が小さくなり、床面Fに対する掃除部76の掃除機本体81および伸縮部本体105の傾斜角度が大きくなるように変化して若干上側へと移動するものの、前後方向の位置は殆ど変化しない。
【0103】
そして、伸縮部本体105の後方への移動により、図6(a2)に示すように、伸縮部本体105とともに一方のマイクロスイッチ108が固定部106に形成された突起部111に対して相対的に後方へと移動し、伸縮部本体105が固定部106に対して最大に挿入された第2所定位置で突起部111がマイクロスイッチ108の可動部108bに接触してマイクロスイッチ108をオンする。
【0104】
このマイクロスイッチ108のオンにより、制御回路103がモータ102a,102b、すなわち走行輪97a,97bの回転方向を反転させ、この反転させた方向へと略同速度で回転駆動させることにより、走行輪97a,97bが再度前方向に向けて略同速度で回転する。この回転により、掃除部76が床面F上で前方へと直進する。
【0105】
すなわち、掃除部76は、伸縮部本体105の往復動、換言すれば伸縮部77の伸縮によってマイクロスイッチ108,109が交互にオンされることにより、作業者が把持部110を前後に操作することなく床面F上を自動的に前後に往復動する。したがって、伸縮部本体105の往復ストローク、換言すれば伸縮部77の伸縮ストローク(掃除部76の往復ストローク)が、突起部111からマイクロスイッチ108,109までの距離によって規定される。
【0106】
そして、吸込口99(図7)から床面Fに作用した負圧により、床面F上の塵埃が空気とともに吸込口99(図7)から吸い込まれる。この吸込口99(図7)から吸い込まれた空気は吸込風となり、塵埃とともに図7に示す接続管92から掃除機本体81の取付部86へと吸い込まれ、この取付部86に取り付けられた集塵部85を通過する際に塵埃が捕集される。
【0107】
この後、吸込風は、電動送風機84に吸い込まれ、この電動送風機84内を冷却しつつ通過することで排気風となり、掃除機本体81の図示しない排気孔から外部へと排気される。
【0108】
掃除が終了すると、作業者は本体スイッチ89(図8)により電動送風機84を停止させる操作をする。このとき、本体制御回路が電動送風機84の駆動を停止させるとともに、床ブラシ82の制御回路103がモータ102a,102bの回転を停止する。なお、制御回路103は、電気掃除機75の運転の停止操作と同時にモータ102a,102bの駆動を停止させてもよいし、電気掃除機75の運転の停止操作後、モータ102a,102bを後方向、あるいは前方向へと一定時間回動させて伸縮部本体105を固定部106に対して所定の収納位置まで移動させて伸縮部77を所定の伸縮状態とした後、モータ102a,102bを停止させてもよい。
【0109】
このように、上記第4の実施の形態によれば、伸縮部本体105が固定部106に対して相対的に往復動して所定位置(第1所定位置、あるいは第2所定位置)に移動することで、換言すれば伸縮部77が伸縮することで、伸縮制御部113の駆動が切り換えられて伸縮部本体105の相対的な往復動、すなわち伸縮部77の伸縮が反転することにより、電動送風機84(電気掃除機75)を起動させることなどによって伸縮部本体105を相対的に一旦往動、あるいは復動(伸縮部77を一旦伸張、あるいは収縮)させると、作業者が把持部110を移動操作することなく伸縮部本体105の固定部106に対する相対的な往復動が交互に切り換えられて伸縮部77の伸縮が交互に切り換えられ、伸縮部本体105側の掃除部76が床面F上で自動的に往復動するので、把持部110の往復操作が不要となり、掃除作業性が向上する。
【0110】
具体的に、伸縮部77の伸縮により、伸縮部本体105の上端側が固定部106内で相対的に往復動して、マイクロスイッチ108,109を交互にオンオフさせ、これらマイクロスイッチ108,109のオンオフによって伸縮部本体105の相対的な往復動、すなわち伸縮部77の伸縮を反転させることにより、作業者が把持部110を把持した手を掃除部76とともに前後に移動させることなく伸縮部本体105の相対的な往復動(伸縮部77の伸縮)に伴って掃除部76が床面F上を自動的に前後に走行するので、作業者の掃除動作を最小限とすることができる。
【0111】
特に、アップライト型の電気掃除機75の場合、掃除部76として、重量が大きい電動送風機84を収容した掃除機本体81と床ブラシ82とが一体的となっているため、作業者が力を加えて掃除部76を前後に走行させる場合では、作業者の手に加わる負担が大きいのに対して、上記第4の実施の形態では、重量が大きい掃除部76を作業者が力を加えて前後に動かす必要がなく、作業者の負担を大幅に低減できる。
【0112】
また、本体スイッチ89の操作によって電動送風機84(電気掃除機75)を起動させた際に伸縮部本体105の相対的な往復動(伸縮部77の伸縮)が開始されるので、使用者が意図するタイミングに近いタイミングで掃除部76の前後動を開始させることができ、掃除作業性をより向上できる。
【0113】
さらに、マイクロスイッチ108,109を、伸縮部本体105が相対的に往復動する範囲内で伸縮部本体105および固定部106から露出しない位置に配置しているので、見栄えの低下を抑制できるとともに、マイクロスイッチ108,109の破損なども防止できる。
【0114】
次に、第5の実施の形態を図9を参照して説明する。なお、上記第4の実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0115】
この第5の実施の形態は、上記第4の実施の形態において、把持部110が、固定部本体115に対して別体で形成されこの固定部本体115に対して周方向、すなわち伸縮部本体105の固定部106に対する相対的な移動方向に対して交差する方向へと回動可能、すなわち捻り動作可能に構成されているものである。
【0116】
固定部本体115は、断面が円形状に形成されている。さらに、この固定部本体115は、端部側が把持部110内に挿入されている。そして、この固定部本体115の外周面には、旋回切換部としてのマイクロスイッチ117,118が取り付けられている。
【0117】
これらマイクロスイッチ117,118は、固定部本体115に固定された本体部117a,118aと、この本体部117a,118aから可動的に腕状に突出した可動部117b,118bとを備えた常開のスイッチである。また、マイクロスイッチ117,118は、把持部110の回動方向の一側と他側、すなわち左右に離間された位置で、かつ、把持部110の内周側の位置に取り付けられている。さらに、図9中の左側の可動部117bは、本体部117aから先端側が左方へと突出しており、図9中の右側の可動部118bは、本体部118aから先端側が右方へと突出している。これら可動部117b,118bは、把持部110の内周面と非接触に配置されている。そして、マイクロスイッチ117,118は、床ブラシ82の制御回路103と電気的に接続されている。
【0118】
また、把持部110は、略有底円筒状に形成され、固定部本体115に対して、例えばばねなどの付勢手段により回動方向の中立位置へと付勢されている。なお、この付勢手段は、必須の構成ではない。さらに、この把持部110の内周側には、マイクロスイッチ117,118に対向する位置に、旋回切換操作部としての突起部121が中心軸方向へと突出して形成されている。この突起部121は、可動部117b,118bに接触することでマイクロスイッチ117,118のオンオフを切り換えるものである。そして、上記制御回路103、マイクロスイッチ117,118、突起部121およびモータ102a,102bなどにより、把持部110の回動方向に対応して走行輪97a,97bの回転を制御することで掃除部76を旋回走行させる旋回制御部123が構成されている。
【0119】
すなわち、電気掃除機75の運転中などに、把持部110を把持する作業者が図9(a1)に示すように把持部110を固定部本体115に対して例えば左側へと捻ると、この把持部110の回動により突起部121が左側へと移動し、所定角度移動した位置でマイクロスイッチ117の可動部117bに接触して、マイクロスイッチ117をオンする。このマイクロスイッチ117のオンにより、制御回路103がモータ102aの回転速度を低下させたり、モータ102aを停止させたり、モータ102aの回転方向を反転させたりすることで、図9(b1)に示すように、掃除部76が左側へと旋回走行する。
【0120】
反対に、把持部110を把持する作業者が図9(a2)に示すように把持部110を固定部本体115に対して例えば右側へと捻ると、この把持部110の回動により突起部121が右側へと移動し、所定角度移動した位置でマイクロスイッチ118の可動部118bに接触して、マイクロスイッチ118をオンする。このマイクロスイッチ118のオンにより、制御回路103がモータ102bの回転速度を低下させたり、モータ102bを停止させたり、モータ102bの回転方向を反転させたりすることで、図9(b2)に示すように、掃除部76が右側へと旋回走行する。
【0121】
なお、作業者が把持部110への捻り方向への力を緩めると、付勢手段により、把持部110が固定部本体115に対して捻り方向と反対方向へと回動し、中立位置へと復帰する。
【0122】
このように、伸縮部本体105の固定部106に対する相対的な移動方向に交差する左右方向へと回動可能な把持部110を設け、かつ、この把持部110の回動方向に対応して旋回制御部123がモータ102a,102b、すなわち走行輪97a,97bの回転を制御することにより掃除部76を床面F上で旋回走行させることで、作業者が把持部110とともに掃除部76を左側、あるいは右側に旋回させるように動作させることなく、把持部110の捻り操作のみで掃除部76を容易に旋回させることができ、より少ない動作での掃除部76の走行操作が可能になるので、掃除作業性をより向上できる。
【0123】
なお、上記第5の実施の形態において、把持部110の捻り方向と掃除部76の旋回方向とは、必ずしも一致させなくてもよい。すなわち、例えば把持部110を固定部本体115に対して左側(右側)に捻った際に、掃除部76を対応させて右側(左側)に旋回させるように構成してもよい。さらに、掃除部76の前進時と後進時とで、把持部110の捻り方向に対応する掃除部76の旋回方向を切り換えてもよい。
【0124】
また、マイクロスイッチ117,118を把持部110に取り付け、突起部121を固定部本体115に形成してもよい。
【0125】
さらに、突起部121はマイクロスイッチ117,118に対応して複数形成してもよい。
【0126】
そして、上記第4の実施の形態および第5の実施の形態において、マイクロスイッチ108,109を固定部106に取り付け、突起部111を伸縮部本体105に形成してもよく、また、伸縮部本体105の基端側に固定部106の先端側が挿入された構成としてもよい。
【0127】
次に、第6の実施の形態を図10を参照して説明する。なお、上記第4の実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0128】
この第6の実施の形態は、上記第4の実施の形態および第5の実施の形態の把持部110に代えて、固定部106に突出形成された湾曲部125と、この湾曲部125に沿って移動(摺動)可能に取り付けられた把持部126とを備えるものである。
【0129】
湾曲部125は、前後方向に沿って形成されており、側面視で円弧状に湾曲している。すなわち、この湾曲部125は、伸縮部本体105の固定部106に対する相対的な移動方向である伸縮部77の伸縮方向に対して交差する方向に沿って湾曲している。なお、この湾曲部125の湾曲形状は、略円形状であれば、円形に近い楕円形状などでもよい。また、この湾曲部125の外部の把持部126の内周側に対向する位置には、マイクロスイッチ108,109が離間された位置に取り付けられている。
【0130】
把持部126は、湾曲部125に沿って円弧状に湾曲した略円筒状に形成されており、内部に湾曲部125が挿通されている。したがって、把持部126は、湾曲部125の後側の湾曲形状に沿って移動(摺動)可能となっている。また、この把持部126の内周側には、マイクロスイッチ108,109に対向する位置に突起部111が形成されている。
【0131】
そして、掃除の際には、作業者が把持部126を把持して本体スイッチ89を操作して本体制御回路により電動送風機84を起動させるとともに、床ブラシ82の制御回路103によりモータ102a,102bを同方向に略同速度(同回転数)で回転駆動させることで、走行輪97a,97bが同方向、例えば前方向に向けて略同速度で回転する。この回転により、掃除部76が床面F上で前方へと直進する。
【0132】
このとき、図10(b1)に示すように、掃除部76と接続された伸縮部本体105が掃除部76と一体的に前方へと移動(往動)するのに対して、把持部126は作業者により把持されているとともに、床ブラシ82が床面Fに接触したままの状態で掃除部76が前方へと走行して伸縮部本体105が固定部106から相対的に前方へと突出して伸縮部77が伸張し、把持部126の掃除部76からの距離が大きくなり、床面Fに対する掃除部76の掃除機本体81および伸縮部本体105の傾斜角度が小さくなるように変化して、作業者によって把持されている把持部126に対して湾曲部125(伸縮部本体105)が相対的に下側へと回動するように摺動する。すなわち、把持部126の位置は殆ど変化することなく、この把持部126に対する伸縮部77(掃除部76)の角度が変化する。
【0133】
この結果、図10(a1)に示すように、把持部126の突起部111がマイクロスイッチ109の可動部109bに接触して、マイクロスイッチ109をオンする。
【0134】
そして、このマイクロスイッチ109のオンにより、制御回路103がモータ102a,102b、すなわち走行輪97a,97bの回転方向を反転させ、この反転させた方向へと略同速度で回転駆動させることにより、走行輪97a,97bが後方向に向けて略同速度で回転する。この回転により、掃除部76が床面F上で後方へと直進する。
【0135】
このとき、図10(b2)に示すように、掃除部76と接続された伸縮部本体105が掃除部76と一体的に後方へと移動(復動)するのに対して、把持部126は作業者により把持されているとともに、床ブラシ82が床面Fに接触したままの状態で伸縮部77が収縮されて短くなることにより、把持部126の掃除部76からの距離が小さくなり、床面Fに対する掃除部76の掃除機本体81および伸縮部本体105の傾斜角度が大きくなるように変化して、作業者によって把持されている把持部126に対して湾曲部125が相対的に上側へと回動するように摺動する。すなわち、把持部126の位置は殆ど変化することなく、この把持部126に対する伸縮部77(掃除部76)の角度が変化する。
【0136】
この結果、図10(a2)に示すように、把持部126の突起部111がマイクロスイッチ108の可動部108bに接触して、マイクロスイッチ108をオンする。
【0137】
そして、このマイクロスイッチ108のオンにより、制御回路103がモータ102a,102b、すなわち走行輪97a,97bの回転方向を反転させ、この反転させた方向へと略同速度で回転駆動させることにより、走行輪97a,97bが再度前方向に向けて略同速度で回転する。この回転により、掃除部76が床面F上で前方へと直進する。
【0138】
すなわち、掃除部76は、伸縮部77の伸縮によってマイクロスイッチ108,109が交互にオンされることにより、作業者が把持部126を前後および上下に操作することなく床面F上を自動的に前後に往復動する。
【0139】
このように、固定部106に、伸縮部本体105の移動方向(伸縮部77の長手方向)に対して交差する方向に突出して湾曲部125を形成し、この湾曲部125に沿って把持部126を移動可能に取り付けることにより、床ブラシ82が床面Fに接触した状態で伸縮部本体105が相対的に往復動することにより伸縮部77が伸縮して、伸縮部77および掃除部76の床面Fに対する傾斜角度が変化することで湾曲部125が上下に移動しても、把持部126が湾曲部125に対して相対的に移動するので把持部126の位置は殆ど変化せず、作業者が把持部126を把持した手を上下させる必要がない。この結果、作業者の掃除動作を抑制しつつ掃除部76を床面F上で確実に往復走行させることができ、掃除作業性を向上できる。
【0140】
また、把持部126が円弧状に湾曲しているので、作業者が把持部126を握りやすく、使用感を向上することができる。
【0141】
なお、上記第6の実施の形態において、マイクロスイッチ108,109を把持部126に取り付け、突起部111を湾曲部125に形成してもよい。
【0142】
また、上記第4の実施の形態ないし第6の実施の形態において、突起部111はマイクロスイッチ108,109に対応して複数形成してもよい。
【0143】
さらに、マイクロスイッチ108,109は、伸縮部本体105の相対的な往復動の際に伸縮部本体105あるいは固定部106の外部に露出するように配置してもよい。この場合には、伸縮部本体105の往復ストローク、すなわち伸縮部77の伸縮ストローク(掃除部76の往復ストローク)を大きく取ることができる。
【0144】
そして、伸縮部本体105の相対的な往復動、すなわち伸縮部77の伸縮は、本体スイッチ89の操作時(電動送風機84の起動時)に起動させる他に、例えば電源コードのプラグ部を商用交流電源に接続することにより開始する構成としてもよい。また、伸縮部本体105の相対的な往復動(伸縮部77の伸縮)の起動のみ手動で行なってもよい。
【0145】
さらに、掃除部76の走行輪97a,97bをモータ102a,102bにより駆動させることにより伸縮部本体105を間接的に固定部106に対して相対的に往復動させる構成の他に、例えば走行輪97a,97bを回転自在とし、伸縮部本体105を固定部106に対して図示しないモータなどの移動手段によって相対的に移動させることにより伸縮部本体105を直接固定部106に対して往復動させて掃除部76を間接的に前後に往復走行させる構成としてもよい。
【0146】
そして、伸縮部本体105が固定部106に対して相対的に移動する構成であれば、例えば固定部106を伸縮部本体105に対して移動させる構成としてもよい。
【0147】
また、上記各実施の形態において、掃除部は、床面F上を走行可能な任意の構成とすることができる。
【0148】
さらに、掃除装置は、電動送風機51,84の駆動により発生させた負圧で塵埃を空気とともに吸い込んで掃除する電気掃除機11,75として説明したが、電動送風機を有さず、例えば掃除部を、塵埃を自身に付着させて捕集する粘着材、あるいは塵埃を掃き掃除する箒状の掃除部材などにより構成した掃除装置などでも、同様の構成を適用できる。
【符号の説明】
【0149】
11,75 掃除装置としての電気掃除機
19 掃除部としての床ブラシ
21,72,110,126 把持部
25 移動部としての先端側延長管部
26 固定部としての基端側延長管部
39a,39b,97a,97b 走行輪
49,113 往復動制御部としての伸縮制御部
68,123 旋回制御部
71,125 湾曲部
76 掃除部
105 移動部としての伸縮部本体
106 固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部と、
作業者により把持されることで前記固定部を固定する把持部と、
前記固定部に対して相対的に往復動可能な長手状の移動部と、
前記移動部側に設けられ、被掃除面上を走行可能にする走行輪を備え前記移動部の前記固定部に対する相対的な往復動に対応して被掃除面上を走行可能な掃除部と、
前記移動部の相対的な往復動を制御し、この移動部が所定位置に移動することで駆動が切り換えられて前記移動部の相対的な往復動を反転させる往復動制御部と
を具備したことを特徴とした掃除装置。
【請求項2】
把持部は、移動部の固定部に対する相対的な移動方向に対して交差する方向へと回動可能であり、
前記把持部の少なくとも一部の回動方向に対応して走行輪の回転を制御することにより掃除部を旋回走行させる旋回制御部を具備した
ことを特徴とした請求項1記載の掃除装置。
【請求項3】
固定部側に設けられ、移動部の前記固定部に対する相対的な移動方向に交差する方向に沿って湾曲状に突出する湾曲部を具備し、
把持部は、前記湾曲部に沿って移動可能である
ことを特徴とした請求項1記載の掃除装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−273873(P2010−273873A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−129493(P2009−129493)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】