授乳用上衣
【課題】屋内外で衣服を着用したまま随時容易に手早く授乳が可能であると共に、通常の着衣状態では外観上何ら授乳用の上衣であることを感じさせないデザインとし、乳児が乳離れした後においても、違和感なくカジュアルウェアとして着用することができる授乳用上衣を提供する。
【解決手段】前身頃１における前襟ぐり部２又は前襟ぐり部２下方の左右から腰部７又は脇腹５０ｂ又は６０ｂの一部にかけて乳房ＬＢ、ＲＢ上を跨ぐように開口部３ａ、４ａが形成されると共に、当該開口部には開口・閉塞手段である右スライドファスナー３、左スライドファスナー４が備えられている。
【解決手段】前身頃１における前襟ぐり部２又は前襟ぐり部２下方の左右から腰部７又は脇腹５０ｂ又は６０ｂの一部にかけて乳房ＬＢ、ＲＢ上を跨ぐように開口部３ａ、４ａが形成されると共に、当該開口部には開口・閉塞手段である右スライドファスナー３、左スライドファスナー４が備えられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本願発明は、授乳用上衣に係り、より詳しくは、屋内外で随時授乳が可能な授乳用上衣で、かつ通常の着衣状態では外観上何ら授乳用の上衣であることを感じさせないで、乳児が乳離れした後においても、違和感を感じることなくカジュアルウェアとして着用することができる授乳用上衣に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、母親が乳児に授乳する際に、衣服を着用したまま授乳できるような授乳用衣服の提案が若干なされている。このような授乳用衣服は、衣服を着用したまま、乳房が出し易く、かつ、露出部を少なくするように、隠蔽機能のあるものが提案されている。また、近年では、カジュアルウェアのデザインに近い授乳服の提案もなされている。
【０００３】
例えば、乳房の全体を含む領域である胸部を覆う比較的大きい覆い布と、その覆い布の下にカシュクール状とした布を設けた授乳服が開示されている（例えば、特許文献１、図２参照）。
【０００４】
また、襟ぐりの開口部が乳房位置まで達するような授乳服の本体と、その本体の内部に配置される比較的長くて大きい内側前身頃を有しており、授乳時にはその内側前身頃を授乳服本体の前に引き出して、授乳服本体の開口部から出された乳房を比較的長く大きい内側前身頃で隠して授乳できる授乳服も開示されている（例えば、特許文献２、図３及び図４参照）。
【０００５】
授乳を行う母親は、乳房の保護や保形、あるいは母乳漏れを防止するための母乳パッドを装着するため、通常、ブラジャーを着用している。従って、従来の授乳服の場合は、授乳に際して、授乳服を着用したまま、乳房を露出させるには以下の手順が必要であり、時間を要するものであった。つまり、例えば、特許文献１の授乳服の場合は、先ず、乳房を含む領域である胸部を覆うように比較的大きく形成された覆い布をめくり、その状態で覆い布の内側に配置されるカシュクール状の布である衣服の襟ぐり部を開いてブラジャーを装着している胸部を露出する。そして、その状態でブラジャーをめくる。従って、片手で比較的大きく設けられている覆い布や衣服及びブラジャーのカップを抑えつつ、乳児をもう一方の手で抱え、授乳する必要がある。
【０００６】
また、特許文献２の授乳服の場合は、授乳服本体の内部に配置される比較的長く大きい内側前身頃を有しており、このような授乳服の場合は、授乳時に本体の前側に比較的長く大きい内側前身頃を引き出して、授乳服本体の開口部から出された乳房をこの内側前身頃で隠して授乳するものである。このため、何れの授乳服も着用したまま授乳はできるが、手軽に素早く授乳することが困難である。
【０００７】
一方、前身頃の裏側に、前方の肩部分と乳房の下部分であるアンダーバストの位置の部分とで比較的長く大きい内側前身頃を固定するようにした授乳服も開示されている（例えば、特許文献３、図１参照）。
【０００８】
しかしながら、この授乳服の場合も、内側前身頃が前方の肩部分とアンダーバストの部分とで固定され、かつ、内側前身頃が比較的長く大きい略長方形形状をしているものであるため、襟ぐりとの距離が離れてしまい、授乳に際し、着用しているブラジャーのカップの開閉が困難であるという問題がある。そして、襟ぐりやカップを抑えながら授乳する必要もあり、面倒であるとの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開２００４−１３１８６８号公報
【特許文献２】特許第３６９４６９４号公報
【特許文献３】実用新案登録第３１１０８１１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本願発明の課題は、屋内外で衣服を着用したまま随時容易に手早く授乳が可能であると共に、通常の着衣状態では外観上何ら授乳用の上衣であることを感じさせないデザインとし、乳児が乳離れした後においても、違和感なくカジュアルウェアとして着用することができる授乳用上衣を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本願発明者は、上記従来技術が有する各種問題点に鑑み鋭意検討を重ね、課題を解決するために、当該業界では想到不可能な解決手段を完成したものである。
課題を解決するための手段は、本願、特許請求の範囲の各請求項に記載の発明であり、その具体的な解決手段は、以下の通りである。
【００１２】
課題を解決するための第１の発明は、請求項１に記載の発明であり、
屋内外で随時授乳が可能な授乳用上衣であって、前身頃における前襟ぐり部又は前襟ぐり部下方の左右から腰部又は脇腹の一部にかけて乳房上を跨ぐように開口部が形成されると共に、
当該開口部には開口・閉塞手段が備えられている、
ことを特徴としている。
【００１３】
課題を解決するための第２の発明は、請求項２に記載の発明であり、
請求項１に記載する授乳用上衣において、前記開口・閉塞手段は左右対称に設けられている、
ことを特徴としている。
【００１４】
課題を解決するための第３の発明は、請求項３に記載の発明であり、
請求項１〜２の何れかに記載する授乳用上衣において、前記開口・閉塞手段が上下摺動可能なスライドファスナーである、
ことを特徴としている。
【００１５】
課題を解決するための第４の発明は、請求項４に記載の発明であり、
請求項１〜３の何れかに記載する授乳用上衣において、前記開口・閉塞手段がスナップボタンである、
ことを特徴としている。
【００１６】
課題を解決するための第５の発明は、請求項５に記載の発明であり、
請求項１〜４の何れかに記載する授乳用上衣において、前記スライドファスナーの摘み及びスナップボタンの色が前記前身頃の生地のカラーと同色とされている、
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【００１７】
本願発明に係る、授乳用上衣は、上記の構成になるから以下の効果を奏する。
請求項１の発明によれば、
「屋内外で随時授乳が可能な授乳用上衣であって、前身頃における前襟ぐり部又は前襟ぐり部下方の左右から腰部又は脇腹の一部にかけて乳房上を跨ぐように開口部が形成されると共に、当該開口部には開口・閉塞手段が備えられている」、
という当業界においては想到不可能な特徴的な構成により、特徴的構成要件に応じた顕著な効果を奏することができた。
即ち、屋内外で衣服を着用したまま随時容易に手早く授乳が可能であると共に、通常の着衣状態では外観上何ら授乳用の上衣であることを感じさせないデザインとし、乳児が乳離れした後においても、違和感なくカジュアルウェアとして着用することができる授乳用上衣の提供という本願発明の課題を解決することができた。
【００１８】
請求項２の発明によれば、
「開口・閉塞手段は左右対称に設けられている」、
という特徴的な構成により、母親は屋内外で衣服を着用したまま随時、左右の乳房を開口部から露出させて左右交互に乳児に手早く授乳させることができる。
【００１９】
請求項３の発明によれば、
「開口・閉塞手段が上下摺動可能なスライドファスナーである」、
という特徴的な構成により、
また請求項４の発明によれば、
「開口・閉塞手段がスナップボタンである」、
という特徴的な構成により、授乳時、スライドファスナー又はスナップボタンの簡単な片手の操作により開口部が形成され、乳房は当該開口部から露出されるので、母親は乳児に手早く授乳させることができる。授乳が終了すれば、乳房はブラジャー内に納められ、スライドファスナー又はスナップボタンは片手で簡単に閉塞される。
【００２０】
請求項５の発明によれば、
「スライドファスナーの摘み及びスナップボタンの色が前記前身頃の生地のカラーと同色とされている」、
という特徴的な構成により、通常の着衣状態では外観上何ら授乳用の上衣であることを感じさせないデザインとなっているので、乳児が乳離れした後においても、違和感なくカジュアルウェアとして着用することができる授乳用上衣の提供という本願発明の課題を解決することができた。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】は、本発明に係る、授乳用上衣の第１実施形態を示す正面図である。
【図２】は、同上における開口部が形成された状態の正面図である。
【図３】は、本発明に係る、授乳用上衣の第２実施形態を示す正面図である。
【図４】は、同上における開口部が形成された状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
以下、本発明に係る、授乳用上衣に関する実施形態について、図面を参照しながら説明する。図１は、授乳用上衣（以下、上衣Ｗ１という）を示し、１は前身頃で、正面前身頃１ａ、右前身頃１ｂ及び左前身頃１ｃからなっている。２は前襟ぐり部、３は開口・閉塞手段である右スライドファスナー、４は左スライドファスナーである。５は右袖、６は左袖、７は腰部である。５ａは前襟ぐり部２の右側から右袖脇５ｂにかけて縫着された右縫着線であり、６ａは前襟ぐり部２の左側から左袖脇６ｂにかけて縫着された縫着線である。３ａは右開口部で、図示するように右乳房ＲＢ上を跨ぐように右縫着線５ａから円弧状に形成されている。開口部３ａは授乳時以外には右スライドファスナー３で閉塞されている。３ｂは開口部３ａの開口と閉塞に用いられる右摘みであり、正面前身頃１ａ及び／又は右前身頃１ｂの生地の色と同色とすることが好ましい。３ｃは右スライドファスナー３の最下端部である。４ａは右開口部で、図示するように左乳房ＬＢ上を跨ぐように左縫着線６ａから円弧状に形成されている。開口部４ａは授乳時以外には左スライドファスナー４で閉塞されている。４ｂは開口部３ａの開口と閉塞に用いられる左摘みであり、正面前身頃１ａ及び／又は左前身頃１ｃの生地の色と同色とすることが好ましい。４ｃは左スライドファスナー４の最下端部である。３１は正面前身頃１ａと右前身頃１ｂの縫着線であり、４１は正面前身頃１ａと左前身頃１ｃの縫着線である。
【００２２】
図２は、授乳に際し、右開口部３ａを開口した状態を示している。右開口部３ａを開口するには、図１に示す状態から片手の指先で右摘み３ｂを摘んで右スライドファスナー３の最下端部３ｃまで引き下げれば、図２のように開口される。右乳房ＲＢはブラジャー（図示しない）から取り出され右開口部３ａから露出され、乳児に授乳される。授乳終了後は、右乳房ＲＢはブラジャー内に納められ、右摘み３ｂは指先で右スライドファスナー３の上端まで引き上げられて、右開口部３ａは閉塞される。左開口部４ａの開口、授乳及び閉塞の手順は、右開口部３ａの開口から閉塞までの手順と同様であるから、その詳細な説明は省略する。
【００２３】
図３は、本発明に係る、授乳用上衣（以下、上衣Ｗ２という）の第２実施形態を示し、１０は前身頃で、正面前身頃１０ａ、右前身頃１０ｂ及び左前身頃１０ｃからなっている。２０は前襟ぐり部、３０は開口・閉塞手段である右スナップボタン、４０は左スナップボタンである。５０は右袖、６０は左袖、７０は腰部である。５０ａは前襟ぐり部２０の右側から右脇部５０ｂにかけて縫着された右縫着線であり、６０ａは前襟ぐり部２０の右側から左脇部６０ｂにかけて縫着された縫着線である。３０ａは右開口部で、図示するように右乳房ＲＢ上を跨ぐように右縫着線５０ａから直線状に形成されている。開口部３０ａは授乳時以外には右スナップボタン３０で閉塞されている。３０ｂは開口部３０ａの開口と閉塞に用いられる右スナップボタン取付片であり、正面前身頃１０ａ及び／又は右前身頃１０ｂの生地の色と同色とすることが好ましい。３０ｃは右スナップボタン３０の最下端部である。４０ａは左開口部で、図示するように左乳房ＬＢ上を跨ぐように左縫着線６０ａから直線状に形成されている。開口部４０ａは授乳時以外には左スライドファスナー４０で閉塞されている。４０ｂは開口部３０ａの開口と閉塞に用いられる左スナップボタン取付片であり、正面前身頃１０ａ及び／又は左前身頃１０ｃの生地の色と同色とすることが好ましい。４０ｃは左スライドファスナー４０の最下端部である。
【００２４】
図４は、授乳に際し、右開口部３０ａを開口した状態を示している。右開口部３０ａを開口するには、図３に示す状態から片手の指先で最上の右スナップボタン３０を摘んで順次下方に取り外し最下部の右スナップボタン３０を取り外せば、図４のように開口される。右乳房ＲＢはブラジャー（図示しない）から取り出され右開口部３０ａから露出され、乳児に授乳される。授乳終了後は、右乳房ＲＢはブラジャー内に納められ、右スナップボタン３０は指先で順次止着されて、右開口部３０ａは閉塞される。左開口部４０ａの開口、授乳及び閉塞の手順は、右開口部３０ａの開口から閉塞までの手順と同様であるから、その詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【００２５】
Ｗ１ 授乳用上衣
ＲＢ 右乳房
ＬＢ 左乳房
１ 前身頃
１ａ 正面前身頃
１ｂ 右前身頃
１ｃ 右前身頃
２ 前襟ぐり部
３ 右スライドファスナー
３ａ 右開口部
３ｂ 右摘み
３ｃ 最下端部
４ 左スライドファスナー
４ａ 左開口部
４ｂ 左摘み
４ｃ 最下端部
５ 右袖
５ａ 右縫着線
５ｂ 右袖脇
６ 左袖
６ａ 左縫着線
６ｂ 左袖脇
【技術分野】
【０００１】
本願発明は、授乳用上衣に係り、より詳しくは、屋内外で随時授乳が可能な授乳用上衣で、かつ通常の着衣状態では外観上何ら授乳用の上衣であることを感じさせないで、乳児が乳離れした後においても、違和感を感じることなくカジュアルウェアとして着用することができる授乳用上衣に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、母親が乳児に授乳する際に、衣服を着用したまま授乳できるような授乳用衣服の提案が若干なされている。このような授乳用衣服は、衣服を着用したまま、乳房が出し易く、かつ、露出部を少なくするように、隠蔽機能のあるものが提案されている。また、近年では、カジュアルウェアのデザインに近い授乳服の提案もなされている。
【０００３】
例えば、乳房の全体を含む領域である胸部を覆う比較的大きい覆い布と、その覆い布の下にカシュクール状とした布を設けた授乳服が開示されている（例えば、特許文献１、図２参照）。
【０００４】
また、襟ぐりの開口部が乳房位置まで達するような授乳服の本体と、その本体の内部に配置される比較的長くて大きい内側前身頃を有しており、授乳時にはその内側前身頃を授乳服本体の前に引き出して、授乳服本体の開口部から出された乳房を比較的長く大きい内側前身頃で隠して授乳できる授乳服も開示されている（例えば、特許文献２、図３及び図４参照）。
【０００５】
授乳を行う母親は、乳房の保護や保形、あるいは母乳漏れを防止するための母乳パッドを装着するため、通常、ブラジャーを着用している。従って、従来の授乳服の場合は、授乳に際して、授乳服を着用したまま、乳房を露出させるには以下の手順が必要であり、時間を要するものであった。つまり、例えば、特許文献１の授乳服の場合は、先ず、乳房を含む領域である胸部を覆うように比較的大きく形成された覆い布をめくり、その状態で覆い布の内側に配置されるカシュクール状の布である衣服の襟ぐり部を開いてブラジャーを装着している胸部を露出する。そして、その状態でブラジャーをめくる。従って、片手で比較的大きく設けられている覆い布や衣服及びブラジャーのカップを抑えつつ、乳児をもう一方の手で抱え、授乳する必要がある。
【０００６】
また、特許文献２の授乳服の場合は、授乳服本体の内部に配置される比較的長く大きい内側前身頃を有しており、このような授乳服の場合は、授乳時に本体の前側に比較的長く大きい内側前身頃を引き出して、授乳服本体の開口部から出された乳房をこの内側前身頃で隠して授乳するものである。このため、何れの授乳服も着用したまま授乳はできるが、手軽に素早く授乳することが困難である。
【０００７】
一方、前身頃の裏側に、前方の肩部分と乳房の下部分であるアンダーバストの位置の部分とで比較的長く大きい内側前身頃を固定するようにした授乳服も開示されている（例えば、特許文献３、図１参照）。
【０００８】
しかしながら、この授乳服の場合も、内側前身頃が前方の肩部分とアンダーバストの部分とで固定され、かつ、内側前身頃が比較的長く大きい略長方形形状をしているものであるため、襟ぐりとの距離が離れてしまい、授乳に際し、着用しているブラジャーのカップの開閉が困難であるという問題がある。そして、襟ぐりやカップを抑えながら授乳する必要もあり、面倒であるとの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開２００４−１３１８６８号公報
【特許文献２】特許第３６９４６９４号公報
【特許文献３】実用新案登録第３１１０８１１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本願発明の課題は、屋内外で衣服を着用したまま随時容易に手早く授乳が可能であると共に、通常の着衣状態では外観上何ら授乳用の上衣であることを感じさせないデザインとし、乳児が乳離れした後においても、違和感なくカジュアルウェアとして着用することができる授乳用上衣を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本願発明者は、上記従来技術が有する各種問題点に鑑み鋭意検討を重ね、課題を解決するために、当該業界では想到不可能な解決手段を完成したものである。
課題を解決するための手段は、本願、特許請求の範囲の各請求項に記載の発明であり、その具体的な解決手段は、以下の通りである。
【００１２】
課題を解決するための第１の発明は、請求項１に記載の発明であり、
屋内外で随時授乳が可能な授乳用上衣であって、前身頃における前襟ぐり部又は前襟ぐり部下方の左右から腰部又は脇腹の一部にかけて乳房上を跨ぐように開口部が形成されると共に、
当該開口部には開口・閉塞手段が備えられている、
ことを特徴としている。
【００１３】
課題を解決するための第２の発明は、請求項２に記載の発明であり、
請求項１に記載する授乳用上衣において、前記開口・閉塞手段は左右対称に設けられている、
ことを特徴としている。
【００１４】
課題を解決するための第３の発明は、請求項３に記載の発明であり、
請求項１〜２の何れかに記載する授乳用上衣において、前記開口・閉塞手段が上下摺動可能なスライドファスナーである、
ことを特徴としている。
【００１５】
課題を解決するための第４の発明は、請求項４に記載の発明であり、
請求項１〜３の何れかに記載する授乳用上衣において、前記開口・閉塞手段がスナップボタンである、
ことを特徴としている。
【００１６】
課題を解決するための第５の発明は、請求項５に記載の発明であり、
請求項１〜４の何れかに記載する授乳用上衣において、前記スライドファスナーの摘み及びスナップボタンの色が前記前身頃の生地のカラーと同色とされている、
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【００１７】
本願発明に係る、授乳用上衣は、上記の構成になるから以下の効果を奏する。
請求項１の発明によれば、
「屋内外で随時授乳が可能な授乳用上衣であって、前身頃における前襟ぐり部又は前襟ぐり部下方の左右から腰部又は脇腹の一部にかけて乳房上を跨ぐように開口部が形成されると共に、当該開口部には開口・閉塞手段が備えられている」、
という当業界においては想到不可能な特徴的な構成により、特徴的構成要件に応じた顕著な効果を奏することができた。
即ち、屋内外で衣服を着用したまま随時容易に手早く授乳が可能であると共に、通常の着衣状態では外観上何ら授乳用の上衣であることを感じさせないデザインとし、乳児が乳離れした後においても、違和感なくカジュアルウェアとして着用することができる授乳用上衣の提供という本願発明の課題を解決することができた。
【００１８】
請求項２の発明によれば、
「開口・閉塞手段は左右対称に設けられている」、
という特徴的な構成により、母親は屋内外で衣服を着用したまま随時、左右の乳房を開口部から露出させて左右交互に乳児に手早く授乳させることができる。
【００１９】
請求項３の発明によれば、
「開口・閉塞手段が上下摺動可能なスライドファスナーである」、
という特徴的な構成により、
また請求項４の発明によれば、
「開口・閉塞手段がスナップボタンである」、
という特徴的な構成により、授乳時、スライドファスナー又はスナップボタンの簡単な片手の操作により開口部が形成され、乳房は当該開口部から露出されるので、母親は乳児に手早く授乳させることができる。授乳が終了すれば、乳房はブラジャー内に納められ、スライドファスナー又はスナップボタンは片手で簡単に閉塞される。
【００２０】
請求項５の発明によれば、
「スライドファスナーの摘み及びスナップボタンの色が前記前身頃の生地のカラーと同色とされている」、
という特徴的な構成により、通常の着衣状態では外観上何ら授乳用の上衣であることを感じさせないデザインとなっているので、乳児が乳離れした後においても、違和感なくカジュアルウェアとして着用することができる授乳用上衣の提供という本願発明の課題を解決することができた。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】は、本発明に係る、授乳用上衣の第１実施形態を示す正面図である。
【図２】は、同上における開口部が形成された状態の正面図である。
【図３】は、本発明に係る、授乳用上衣の第２実施形態を示す正面図である。
【図４】は、同上における開口部が形成された状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
以下、本発明に係る、授乳用上衣に関する実施形態について、図面を参照しながら説明する。図１は、授乳用上衣（以下、上衣Ｗ１という）を示し、１は前身頃で、正面前身頃１ａ、右前身頃１ｂ及び左前身頃１ｃからなっている。２は前襟ぐり部、３は開口・閉塞手段である右スライドファスナー、４は左スライドファスナーである。５は右袖、６は左袖、７は腰部である。５ａは前襟ぐり部２の右側から右袖脇５ｂにかけて縫着された右縫着線であり、６ａは前襟ぐり部２の左側から左袖脇６ｂにかけて縫着された縫着線である。３ａは右開口部で、図示するように右乳房ＲＢ上を跨ぐように右縫着線５ａから円弧状に形成されている。開口部３ａは授乳時以外には右スライドファスナー３で閉塞されている。３ｂは開口部３ａの開口と閉塞に用いられる右摘みであり、正面前身頃１ａ及び／又は右前身頃１ｂの生地の色と同色とすることが好ましい。３ｃは右スライドファスナー３の最下端部である。４ａは右開口部で、図示するように左乳房ＬＢ上を跨ぐように左縫着線６ａから円弧状に形成されている。開口部４ａは授乳時以外には左スライドファスナー４で閉塞されている。４ｂは開口部３ａの開口と閉塞に用いられる左摘みであり、正面前身頃１ａ及び／又は左前身頃１ｃの生地の色と同色とすることが好ましい。４ｃは左スライドファスナー４の最下端部である。３１は正面前身頃１ａと右前身頃１ｂの縫着線であり、４１は正面前身頃１ａと左前身頃１ｃの縫着線である。
【００２２】
図２は、授乳に際し、右開口部３ａを開口した状態を示している。右開口部３ａを開口するには、図１に示す状態から片手の指先で右摘み３ｂを摘んで右スライドファスナー３の最下端部３ｃまで引き下げれば、図２のように開口される。右乳房ＲＢはブラジャー（図示しない）から取り出され右開口部３ａから露出され、乳児に授乳される。授乳終了後は、右乳房ＲＢはブラジャー内に納められ、右摘み３ｂは指先で右スライドファスナー３の上端まで引き上げられて、右開口部３ａは閉塞される。左開口部４ａの開口、授乳及び閉塞の手順は、右開口部３ａの開口から閉塞までの手順と同様であるから、その詳細な説明は省略する。
【００２３】
図３は、本発明に係る、授乳用上衣（以下、上衣Ｗ２という）の第２実施形態を示し、１０は前身頃で、正面前身頃１０ａ、右前身頃１０ｂ及び左前身頃１０ｃからなっている。２０は前襟ぐり部、３０は開口・閉塞手段である右スナップボタン、４０は左スナップボタンである。５０は右袖、６０は左袖、７０は腰部である。５０ａは前襟ぐり部２０の右側から右脇部５０ｂにかけて縫着された右縫着線であり、６０ａは前襟ぐり部２０の右側から左脇部６０ｂにかけて縫着された縫着線である。３０ａは右開口部で、図示するように右乳房ＲＢ上を跨ぐように右縫着線５０ａから直線状に形成されている。開口部３０ａは授乳時以外には右スナップボタン３０で閉塞されている。３０ｂは開口部３０ａの開口と閉塞に用いられる右スナップボタン取付片であり、正面前身頃１０ａ及び／又は右前身頃１０ｂの生地の色と同色とすることが好ましい。３０ｃは右スナップボタン３０の最下端部である。４０ａは左開口部で、図示するように左乳房ＬＢ上を跨ぐように左縫着線６０ａから直線状に形成されている。開口部４０ａは授乳時以外には左スライドファスナー４０で閉塞されている。４０ｂは開口部３０ａの開口と閉塞に用いられる左スナップボタン取付片であり、正面前身頃１０ａ及び／又は左前身頃１０ｃの生地の色と同色とすることが好ましい。４０ｃは左スライドファスナー４０の最下端部である。
【００２４】
図４は、授乳に際し、右開口部３０ａを開口した状態を示している。右開口部３０ａを開口するには、図３に示す状態から片手の指先で最上の右スナップボタン３０を摘んで順次下方に取り外し最下部の右スナップボタン３０を取り外せば、図４のように開口される。右乳房ＲＢはブラジャー（図示しない）から取り出され右開口部３０ａから露出され、乳児に授乳される。授乳終了後は、右乳房ＲＢはブラジャー内に納められ、右スナップボタン３０は指先で順次止着されて、右開口部３０ａは閉塞される。左開口部４０ａの開口、授乳及び閉塞の手順は、右開口部３０ａの開口から閉塞までの手順と同様であるから、その詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【００２５】
Ｗ１ 授乳用上衣
ＲＢ 右乳房
ＬＢ 左乳房
１ 前身頃
１ａ 正面前身頃
１ｂ 右前身頃
１ｃ 右前身頃
２ 前襟ぐり部
３ 右スライドファスナー
３ａ 右開口部
３ｂ 右摘み
３ｃ 最下端部
４ 左スライドファスナー
４ａ 左開口部
４ｂ 左摘み
４ｃ 最下端部
５ 右袖
５ａ 右縫着線
５ｂ 右袖脇
６ 左袖
６ａ 左縫着線
６ｂ 左袖脇
【特許請求の範囲】
【請求項１】
屋内外で随時授乳が可能な授乳用上衣であって、
前身頃における前襟ぐり部又は前襟ぐり部下方の左右から腰部又は脇腹の一部にかけて乳房上を跨ぐように開口部が形成されると共に、
当該開口部には開口・閉塞手段が備えられている、
ことを特徴とする授乳用上衣。
【請求項２】
前記開口・閉塞手段は左右対称に設けられている、
ことを特徴とする請求項１に記載する授乳用上衣。
【請求項３】
前記開口・閉塞手段が上下摺動可能なスライドファスナーである、
ことを特徴とする請求項１〜２の何れかに記載する授乳用上衣。
【請求項４】
前記開口・閉塞手段がスナップボタンである、
ことを特徴とする請求項１〜３の何れかに記載する授乳用上衣。
【請求項５】
前記スライドファスナーの摘み及びスナップボタンの色が前記前身頃の生地のカラーと同色とされている、
ことを特徴とする請求項１〜４の何れかに記載する授乳用上衣。
【請求項１】
屋内外で随時授乳が可能な授乳用上衣であって、
前身頃における前襟ぐり部又は前襟ぐり部下方の左右から腰部又は脇腹の一部にかけて乳房上を跨ぐように開口部が形成されると共に、
当該開口部には開口・閉塞手段が備えられている、
ことを特徴とする授乳用上衣。
【請求項２】
前記開口・閉塞手段は左右対称に設けられている、
ことを特徴とする請求項１に記載する授乳用上衣。
【請求項３】
前記開口・閉塞手段が上下摺動可能なスライドファスナーである、
ことを特徴とする請求項１〜２の何れかに記載する授乳用上衣。
【請求項４】
前記開口・閉塞手段がスナップボタンである、
ことを特徴とする請求項１〜３の何れかに記載する授乳用上衣。
【請求項５】
前記スライドファスナーの摘み及びスナップボタンの色が前記前身頃の生地のカラーと同色とされている、
ことを特徴とする請求項１〜４の何れかに記載する授乳用上衣。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１１−４７０９４（Ｐ２０１１−４７０９４Ａ）
【公開日】平成２３年３月１０日（２０１１．３．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２１６１９１（Ｐ２００９−２１６１９１）
【出願日】平成２１年８月２７日（２００９．８．２７）
【出願人】（５００４２３１９０）株式会社ステップ ワン (3)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年３月１０日（２０１１．３．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年８月２７日（２００９．８．２７）
【出願人】（５００４２３１９０）株式会社ステップ ワン (3)
【Ｆターム（参考）】
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