説明

排気装置

【目的】 浴室、トイレ及び衣類乾燥機の排気ダクトを1本で済むようにする。
【構成】 浴室1及びトイレ2の換気口18、19を衣類乾燥機10の空気吸引口11に結び浴室1及びトイレ2の換気を一旦衣類乾燥機10内を経由して1本の排湿ダクト13により排湿と一緒にして屋外に排出する。
【効果】 排湿ダクト1本で済むため、梁貫通穴は1ケとなり、建物強度上の問題がなくなると共に施工費及びランニングコストが安くなる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浴室及びトイレと衣類乾燥機の排気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】浴室とトイレの排気(換気)及び衣類乾燥機の排湿例を図2に示す。
【0003】1は浴室、2はトイレ、3は衣類乾燥機にして、浴室1とトイレ2は排気ダクト4を経由して換気し、衣類乾燥機3の排湿は専用の排湿ダクト5を経由して排湿する構成であって、建築基準法上排湿ダクト5を排気ダクト4に継ぐことは出来ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、次のような問題がある。
【0005】a.衣類乾燥機用の排湿ダクトを1本余分に配管するため、施工に手間がかかり、施工費が嵩む。
【0006】b.排湿ダクト分梁貫通穴が多くなることから、建物設計上梁強度を高く設定する必要がある。
【0007】c.建物が建築された後で衣類乾燥機を設置して、排湿ダクトを施工することは、特に集合住宅においては困難である。
【0008】d.排湿ダクトを施工できない場合、やむを得ず室内に排湿しているが、このような方式をとると室内環境が悪化する。
【0009】本発明の目的は、上記a〜dに記した問題点をすべて解消する排気装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の構成は次のとおりである。
【0011】浴室及びトイレの換気口と衣類乾燥機の空気吸引口とを換気ダクトで連通し、衣類乾燥機の排湿口と室外とを排湿ダクトで連通したこと、浴室又はトイレのスイッチがONのときに衣類乾燥機の空気吸引口に取り付けたダンパーを浴室及びトイレの換気ダクト側連通に切り換え、且つ乾燥機内の排湿ファンまたは排湿ダクトに取り付けられた排湿ファン又はその両方を駆動し、浴室又はトイレのスイッチの双方がOFFのときに前記ダンパーを空気吸引口側連通に切り換える制御器を設けたこと、を特徴とする排気装置。
【0012】
【作用】制御器は衣類乾燥機のみが使用されている場合にはダンパーを空気吸引口側に切り換えて室内又は室外から空気を吸引し、浴室又はトイレが使用されているときにはダンパーを換気ダクト側に切り換えて浴室又はトイレの換気口から吸引した空気を衣類乾燥機内に送り込み、この衣類乾燥機の排湿と一緒に排湿ダクトを経由して室外に排出する制御を行う。
【0013】なお、制御器は浴室又はトイレが不使用のときでも、ダンパーを浴室及びトイレの換気ダクト側に全開又は半開に制御して、浴室及びトイレの換気を同時に行うように制御するか、半分の量を浴室内とトイレから換気し、あと半分を空気吸引口から吸引するように制御してもよい。排湿ファンは、乾燥機内のものと排湿ダクト内のものを同時に(距離がある場合)駆動してもよいし、何れか一方のみ(距離がない場合)駆動するようにしてもよい。
【0014】
【実施例】図1に本発明の実施例を示す。符号の10は衣類乾燥機、11は空気吸引口、12は排湿口、13は排湿ダクト、14は排湿ファン、15は排湿トップである。
【0015】1は浴室、2はトイレ、18、19は換気口、20は前記換気口18、19と前記空気吸引口11を結ぶ換気ダクト、21は切換ダンパー、22は制御器にして、次の如き制御を行う。
【0016】a.衣類乾燥機10のみが使用されている場合、排湿ファン14を駆動し、切換ダンパー21は空気吸引口11側のみを開放し、矢印のように乾燥機室内に空気を吸引し、排湿は排湿ダクト13を経由して行う。
【0017】b.衣類乾燥機10が使用中で浴室1又はトイレ2が使用された場合、各室のスイッチ23からの信号を受けて切換ダンパー21を換気ダクト20側に切り換え、浴室1又はトイレ2内の換気口18、19から吸引した換気を換気ダクト20を経由して衣類乾燥機10内に一旦吸引し、排湿と一緒に排湿ダクト13を経由して排気する。
【0018】c.衣類乾燥機10が不使用で浴室1又はトイレ2が使用された場合、排湿ファン14を駆動し、換気口18、19から吸引した換気を換気ダクト20→衣類乾燥機10→排湿ダクト13を経由して換気する。この際、衣類乾燥機10内の排湿ファンも同時に駆動する。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上の如き構成から成り、次の如き効果を奏する。
【0020】a.浴室、トイレ用の換気ダクトが無くなり、排湿ダクト1本になる。この結果、施工費が安くなると共に梁貫通穴も1ケになることから、建物の強度上の問題もなくなる。
【0021】b.排湿ファン1ケでトイレと浴室の換気及び衣類乾燥機の排湿が行われるため、設備費以外にランニングコストが安くなる。
【0022】c.衣類乾燥機を後から設置する場合、既設の排気ダクトと衣類乾燥機の排湿口を結び、浴室及びトイレの換気口と衣類乾燥機の空気吸引口を結び替える工事を行うことにより、簡単に衣類乾燥機の排湿問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気装置の実施例図。
【図2】従来の集合住宅における浴室、トイレと衣類乾燥機の排気例の説明図。
【符号の説明】
1 浴室
2 トイレ
10 衣類乾燥機
11 空気吸引口
12 排湿口
13 排湿ダクト
14 排湿ファン
15 排湿トップ
18、19 換気口
20 換気ダクト
21 切換ダンパー
22 制御器
23 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 浴室及びトイレの換気口と衣類乾燥機の空気吸引口とを換気ダクトで連通し、衣類乾燥機の排湿口と室外とを排湿ダクトで連通したこと、浴室又はトイレのスイッチがONのときに衣類乾燥機の空気吸引口に取り付けたダンパーを浴室及びトイレの換気ダクト側連通に切り換え、且つ乾燥機内の排湿ファンまたは排湿ダクトに取り付けられた排湿ファン又はその両方を駆動し、浴室又はトイレのスイッチの双方がOFFのときに前記ダンパーを空気吸引口側連通に切り換える制御器を設けたこと、を特徴とする排気装置。
【請求項2】 浴室又はトイレのスイッチがOFFのときでもダンパーを空気吸引口側連通に切り換えることがない、又は一部を切り換えるように構成して成る請求項1記載の排気装置。

【図1】
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【図2】
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