説明

排泄物処理用粒状材

【課題】愛玩動物などの排泄物を簡便に効率よく処理できるとともに、特に尿に対する消臭性に優れ、使用後の処理が容易な排泄物処理用粒状材を提供する。
【解決手段】有機性の繊維状物を造粒してなるコア層14の少なくとも表面14aが中性もしくは酸性を示すように構成しているので、このコア層14の表面14aに酸性高吸水性樹脂18を付着させて吸水消臭機能層16を形成したとしても、酸性高吸水性樹脂18の消臭成分である酸18bが中和されることがなく、酸18bの消臭能力を十分に発揮させることができる。また、排泄物処理用粒状材10と接触した尿などの液体排泄物は、そのほとんどが吸水消臭機能層16に保持されるので、排泄物臭気成分と消臭成分である酸18bとが接触する確率が高く、優れた消臭性能を示すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜、愛玩動物または実験用動物等の排泄物処理用の粒状材に関し、特に、便床に敷設して排泄物を簡便に効率よく処理できるとともに、特に尿に対する消臭性に優れ、使用後の処理が容易な排泄物処理用粒状材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、愛玩動物または実験用動物等の排尿・排便などの排泄物処理を行うため、便床にいわゆる「猫砂」と称される排泄処理用粒状材を敷き詰めて、そこに排泄させ、排泄後には、糞尿の水分によって固まった排泄処理用粒状材を取り除き、これをトイレに流すか若しくは可燃ゴミとして焼却処分することが一般的に行われている。このため、排泄物処理用粒状材には、愛玩動物等が排泄する尿などを素早く吸収する高い吸水能力と排泄物から生ずる悪臭を消臭する消臭能力、更には使用後の処理の容易性などが要求されている。
【0003】
従来のこの種の排泄物処理用粒状材において消臭能力を向上させた物として、腐植酸にベントナイト粉末等のバインダーを添加混合し、得られた混合物を多孔質の粒状物に造粒した物(例えば、特許文献1参照。)や、排泄物臭気成分を中和するクエン酸などの反応成分と膨潤凝集機能を有する微粉末成分とを添着した軽石と、ベントナイト粒体とを所定の比率で混合した物(例えば、特許文献2参照。)などが知られている。
【0004】
しかしながら、これらの物では、尿は専らバインダーや膨潤凝集機能を有する微細粉末成分(具体的にはベントナイトなど)に吸収されるため、腐植酸やクエン酸など排泄物臭気成分を中和消臭する成分と尿とが接触する機会が少なく、結果として消臭性に劣ったものとなっていた。また、後者のものでは、軽石およびベントナイト粒体が主体となって構成されているので可燃ゴミとして焼却処理できないという問題があった。
【0005】
一方、高い吸水能力と消臭能力とを同時に賦与し得る技術として、吸水性樹脂に、水100gに対する溶解度が0.1〜11gのカルボン酸が添加された酸性吸水性樹脂が知られている(例えば、特許文献3参照。)。そこで、トイレに流したり可燃物として焼却処分することが可能な製紙工程より得られる有機繊維状物、具体的には製紙スラッジ、紙粉および古紙粉砕物などで造粒した粒状材に前記樹脂を散布する技術が考えられる。
【0006】
しかしながら、資源リサイクルなどの観点から中性抄紙化(厳密には弱アルカリ性条件での抄紙である)が進んだ製紙工程より得られる有機繊維状物(すなわち製紙スラッジ、紙粉および古紙粉砕物など)には、不透明度向上材などとして紙中に添加された炭酸カルシウムが多量に含まれている。このため、この製紙スラッジで造粒した粒状材の表面は、pH(水素イオン濃度)が7より大きなアルカリ性となっており、このような粒状材に酸性高吸水性樹脂を散布すると、粒状材中の炭酸カルシウムと酸性高吸水性樹脂中のカルボン酸などの酸とが反応して二酸化炭素を発生させながら酸が中和され、酸の消臭能力が失われてしまうという問題があった。
【0007】
このように、従来の排泄物処理用粒状材においては、高い吸水能力、消臭能力および使用後における処理容易性の全てを同時に兼ね備えるものは存在しなかった。
【特許文献1】特開平11−75597号公報(第2−4頁)
【特許文献2】特開平10−117619号公報(第2−5頁)
【特許文献3】特開平9−108317号公報(第2−4頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それゆえ、この発明の主たる課題は、愛玩動物などの排泄物を簡便に効率よく処理できるとともに、特に尿に対する消臭性に優れ、使用後の処理が容易な排泄物処理用粒状材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載した発明は、「製紙工程より得られる有機繊維状物を造粒してなり、少なくともその表面(14a)が中性もしくは酸性を示すコア層(14)と、高ゲル強度の酸性高吸水性樹脂(18)からなり、コア層(14)の表面(14a)を被覆する吸水消臭機能層(16)とで構成されたことを特徴とする排泄物処理用粒状材(10)」である。
【0010】
この発明では、製紙工程より得られる有機繊維状物を造粒してなるコア層(14)の少なくとも表面(14a)が中性もしくは酸性を示すようにしているので、このコア層(14)の表面(14a)に酸性高吸水性樹脂(18)を付着させて吸水消臭機能層(16)を形成したとしても、酸性高吸水性樹脂(18)の消臭成分である酸(18b)が中和されることがなく、酸(18b)の消臭能力を十分に発揮させることができる。
【0011】
また、排泄物処理用粒状材(10)と接触した尿などの液体排泄物は、そのほとんどが吸水消臭機能層(16)に保持されるので、液体排泄物の臭気成分と消臭成分である酸(18b)とが接触する確率が高く、優れた消臭性能を発揮することができる。
【0012】
そして、コア層(14)が製紙工程より得られる有機繊維状物によって造粒されると共に、吸水消臭機能層(16)が吸水しても粘着性を示さない高ゲル強度の酸性高吸水性樹脂(18)で形成されているため、使用済みの排泄物処理用粒状材(10)をトイレに流して処分することも、また、一般の可燃ゴミとして焼却処分することもでき、使用後の処理が極めて容易となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、表面に付着させた酸性高吸水性樹脂の消臭能力を十分に発揮させることができる。また、排泄物処理用粒状材と接触した尿などの液体排泄物は、そのほとんどが吸水消臭機能層に保持されるので、排泄物臭気成分と消臭成分とを極めて高い確率で接触させることができ、優れた消臭性能を奏することができる。そして、コア層が有機繊維状物で造粒されると共に、吸水消臭機能層が吸水しても粘着性を示さない高ゲル強度の酸性高吸水性樹脂で形成されているので、使用済みの排泄物処理用粒状材をトイレに流して処分することも、また、一般の可燃ゴミとして焼却処分することもできる。
【0014】
したがって、排泄物を簡便に効率よく処理できるとともに、特に尿に対する消臭性に優れ、使用後の処理が容易な排泄物処理用粒状材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を図示実施例に従って説明する。本発明における一実施例の排泄物処理用粒状材(10)は、愛玩動物用の便床(12)などに敷設して使用されるものであり(図1参照)、図2に示すように、コア層(14)と吸水消臭機能層(16)とで構成されている。
【0016】
コア層(14)は、その表面に形成される吸水消臭機能層(16)を支持するとともに、自身も排泄物、特に尿などの液体排泄物を吸収でき、更に、使用後水中で攪拌することによって容易に分解あるいは分散し、且つ一般的な焼却炉で焼却処分が可能なものである。
【0017】
このコア層(14)は、経済性および使用済み粒状材(10)の処理の容易性の観点から、紙パルプ製品の製造過程すなわち製紙工程より得られる製紙スラッジ・集塵粉および古紙の粉砕品などの比表面積の大きな有機繊維状物を原料として構成されている。
【0018】
このように製紙工程より得られる有機性の繊維状物で構成されたコア層(14)には、酸を中和させる炭酸カルシウムが多量に含まれており、pHテスターペン((株)日研化学研究所製;(商品名)アストロペン)にて測定したコア層(14)の表面(14a)のpHは7より大きなアルカリ性を示す。このため、このコア層(14)の少なくとも表面(14a)は、後述する吸水消臭機能層(16)に添加されて消臭能力を発揮させる酸(16b)の能力を失わせないように、そのpHが7以下の中性もしくは酸性を示すように構成する。
【0019】
このコア層(14)の平均粒径は、猫を想定した場合においては5〜10mmの範囲であることが好ましい。コア層(14)の平均粒径が5mm未満の場合には、排泄物処理用粒状材(10)の1粒当たりの重量が軽くなる。また、猫などの愛玩動物においては排泄後に排泄物を隠す所謂砂かき行為を行うことが知られている。したがって、コア層(14)の平均粒径が5mm未満となり排泄物処理用粒状材(10)の1粒当たりの重量が軽くなると、猫などが砂かき行為を行った際に粒状材が周囲に飛散したり、また、静電気などによって該粒状材(10)が動物の体毛に付着し、便床(12)から簡単に持ち出されて便床(12)の周囲を汚すようになるからである。また逆に、コア層(14)の平均粒径が10mmより大きい場合には、排泄物処理用粒状材(10)の比表面積が小さくなり、排泄物の吸収および脱臭効率が低下したり、猫などの愛玩動物などが該粒状材(10)の上に乗って排泄することを嫌がる傾向が出てくるからである。なお、ハムスターやモルモットなどの小動物の使用を想定した場合においては、コア層(14)を更に小粒(例えば、3mm以下)とする方がよい。
【0020】
また、このコア層(14)には、吸水量、比重、粒の強度および水中での崩壊性などを調整するため、必要に応じて吸水性樹脂、ベントナイトやクレーなどの無機充填剤および糊剤などを添加するようにしてもよい。
【0021】
吸水消臭機能層(16)は、動物の排泄物のうち特に尿などの液体排泄物を吸収・保持するとともに、排泄物臭気成分(主に尿の臭い)を消臭するためのものであり、高吸水性樹脂(18a)に酸(18b)が添加された酸性高吸水性樹脂(18)によって構成されている。なお、吸水消臭機能層(16)の厚みは、目的とする吸水量および消臭能力などに応じて適宜調整することができる。
【0022】
酸性高吸水性樹脂(18)を構成する高吸水性樹脂(18a)は、自重の数十倍〜数百倍の水を保水するとともに膨潤し、かつ保水時に粘着性を帯びないゲル強度の高いものであり、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物,デンプン−アクリル酸グラフト共重合体の中和物,架橋カルボキシメチルセルロース,架橋ポリビニルアルコール,アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体のケン化物,架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体および部分中和ポリアクリル酸塩架橋体などの樹脂が好適である。とりわけ、入手の容易さ、および吸水性能やゲル強度の安定性などの観点から、反応性基としてカルボキシル基などを有する部分中和ポリアクリル酸塩架橋体の高吸水性樹脂が最も好適である。
【0023】
また、高吸水性樹脂(18a)の中和度としては、45〜80モル%の範囲であることが好適であり、更に好ましくは55〜75モル%の範囲である。中和度が45モル%未満の場合には、高吸水性樹脂(18a)中のカルボキシル基などの反応性基の数が多く、吸水量、ゲル強度がともに低下するとともに、吸水後の該樹脂(18a)がベタつき粘着性を帯びるようになり、吸水によって粘着性を帯びた排泄物処理用粒状材(10)が動物の足の毛に付着し、便床(12)から簡単に持ち出されて便床(12)の周囲を汚すようになるからである。さらに、使用済みの排泄物処理用粒状材(10)を水洗トイレに流すと配管詰まりを起こすようになるからである。また逆に、80モル%より多い場合には、高吸水性樹脂(18a)中のカルボキシル基などの反応性基の数が少ないため、ゲル強度は十分高いものとなるが、吸水能力が極端に低下するため、排泄物処理用粒状材(10)に所望の吸水性能を発揮させようとする場合に多量の高吸水性樹脂(18a)が必要となり、コストアップとなるからである。
【0024】
また、酸性高吸水消臭機能層(18)に添加される酸(18b)は、高吸水性樹脂(18a)に添加された際に、該樹脂(18a)の吸水性を阻害せず、排泄物臭気成分との間で中和反応することによって排泄物臭気成分を中和して消臭するものであり、例えば30℃の水100gに対する溶解度が0.1g〜11gの範囲のカルボン酸が好適である。このカルボン酸の溶解度が0.1gより小さいと排泄物臭気成分に対する反応速度が遅くなる結果、消臭能力が劣るようになり、逆に、溶解度が11gよりも大きいと排泄物臭気成分に対する反応速度は早くなるものの、pH(水素イオン濃度)の変動が大きく、カルボン酸が吸水消臭機能層(16)外へ移動し易くなる結果、消臭性を発揮できる期間つまり消臭性能の持続期間が短くなるからである。なお、かかるカルボン酸として、グリコール酸,コハク酸,アジピン酸,フタル酸,安息香酸,マレイン酸,フマル酸,サリチル酸,ピルビン酸,アゼライン酸,セバシン酸およびスベリン酸などが挙げられる。また、酸(18b)は、高吸水性樹脂100重量部に対して0.001〜20重量部添加される。この酸(18b)の添加量が0.001部未満の場合には、酸(18b)の添加量が少なすぎて消臭効果が期待できなくなり、また逆に、20重量部より多い場合には、酸(18b)による消臭効果が頭打ちとなるばかりでなく、得られる酸性高吸水性樹脂(18)の吸水量が低下するようになるからである。
【0025】
本発明の排泄物処理用粒状材(10)を製造する際には、図3に示すように、「コア層成形工程(S1)」、「コア層中和処理工程(S2)」、「吸水消臭機能層形成工程(S3)」および「乾燥・仕上げ工程(S4)」がこの順に実行される。
【0026】
「コア層成形工程(S1)」では、まず、製紙工程より得られる製紙スラッジなどの有機性の繊維状物と、この有機性の繊維状物に対して必要に応じて所定の割合で添加される高吸水性樹脂、無機充填剤および糊剤などとを混合し、攪拌機にて十分に攪拌する。そして十分に攪拌した混合物を5〜10mm程度の口径を有する成形孔が多数穿設されているダイスに入れ、加圧部材で加圧して前記成形孔から棒状にて押し出し、これをダイスの押出面に沿って動くカッターあるいはダイスの下に設けたカッターにて長さ5〜10mm毎に切断して粒状化し、コア層(14)を成形する。そして、成形したコア層(14)を、次の「コア層中和処理工程(S2)」へ与える。
【0027】
「コア層中和処理工程(S2)」では、コア層(14)を機械的に攪拌あるいはトレイ上で転動させながら硫酸アルミニウム水溶液などの安価な酸性水溶液をスプレーし、スプレーと同時に乾燥させる。すると、コア層(14)の表面(14a)に存在する炭酸カルシウムと硫酸アルミニウム水溶液などの酸性水溶液とが反応し、炭酸カルシウムが分解されて二酸化炭素が発生すると共に酸が中和される。したがって、この工程(S2)において、コア層(14)に存在する炭酸カルシウムの当量以上の酸性水溶液をこのコア層(14)にスプレーすると、少なくともコア層(14)の表面(14a)をpHが7以下の中性もしくは酸性に調製することができる。
次の「吸水消臭機能層形成工程(S3)」では、先の「コア層中和処理工程(S2)」で、少なくとも表面(14a)が中性もしくは酸性を示すように調製されたコア層(14)を機械的に攪拌あるいはトレイ上で転動させながら、このコア層(14)に、水を加えてゲル化させた酸性高吸水性樹脂(18)をスプレーする。すると、コア層(14)の表面を被覆するように酸性高吸水性樹脂(18)からなる吸水消臭機能層(16)が形成される。
【0028】
そして、「乾燥・仕上げ工程(S4)」では、吸水消臭機能層(16)を所定の水分率となるように乾燥することによって、排泄物処理用粒状材(10)が完成する。完成した該粒状材(10)は、分級や計量などの工程を経たのち、所定の梱包が施され、製品として仕上げられる。
【0029】
なお、上述した各工程は、本発明を適用した一例に過ぎず、以下のような変更が加えられてもよい。すなわち、上述の例では、「コア層成形工程(S1)」の後に、別個独立した「コア層中和処理工程(S2)」を設け、コア層(14)の少なくとも表面(14a)が中性もしくは酸性を示すように調製したが、「コア層成形工程(S1)」でコア層(14)となる有機性の繊維状物などの材料を攪拌機で攪拌する際に、材料中に存在する炭酸カルシウムの当量以上の酸性水溶液をこれに加えて攪拌するようにしても良い。このようにすることで、コア層(14)の成形が完了するのと同時に、コア層(14)全体を中性もしくは酸性とすることができ、別段「コア層中和処理工程(S2)」を設けなくてもよい。
【0030】
また、「コア層中和処理工程(S2)」では、コア層(14)の表面(14a)が中性もしくは酸性を示すようにするため、硫酸アルミニウムなどの酸性水溶液を用いる例を示したが、これら酸性水溶液を準備せずに、吸水消臭機能層(16)を構成する酸性高吸水性樹脂(18)を(下地層として)用い、これによりコア層(14)の表面(14a)のpHが7以下の中性もしくは酸性となるように調製してもよい。
【0031】
そして、「吸水消臭機能層形成工程(S3)」では、コア層(14)に水でゲル化させた酸性高吸水性樹脂(18)をスプレーする例を示したが、粒径が50μm〜1mm程度の酸性高吸水性樹脂(18)の粉体と、水溶性バインダー(20)の粉体および水(もしくは水に溶かした水溶性バインダー(20))とを一緒にスプレーし、スプレーと同時に乾燥させるようにしてもよい。このようにすることで、図4に示すように、コア層(14)の表面(14a)と粉体の酸性高吸水性樹脂(18)、および、粉体の酸性高吸水性樹脂(18)同士が水溶性バインダー(20)によって接合されることで吸水消臭機能層(16)が形成される。また、この方法では、酸性高吸水性樹脂(18)をゲル化させていないため、後の「乾燥・仕上げ工程(S4)」において吸水消臭機能層(16)の乾燥時間を短縮することができ、製造効率を向上させることができる。
【0032】
本発明の排泄物処理材(10)を愛玩動物用の便床(12)に敷き詰めて(図1参照)、動物に排尿させると、尿と接触した吸水消臭機能層(16)の高吸水性樹脂(18a)が尿を吸収し膨潤する。すると、尿中の排泄臭気成分(主にアンモニアなど)が酸性高吸水性樹脂(18)内に添加された酸(18b)と接触し、中和反応によって直ちに消臭される。
【0033】
酸性高吸水性樹脂(18)は尿を吸収するとともに膨潤するが粘着性は示さない。したがって、排泄物処理用粒状材(10)が動物の足の毛に付着し、便床(12)から簡単に持ち出されて便床(12)の周囲を汚すようなことや、水洗トイレに流した際に配管詰まりを起こしたりすることはない。
【0034】
そして、尿を吸収した排泄物処理用粒状材(10)は膨潤して容積が増えるため、尿を吸収していない未使用のものと簡単に見分けがつき、尿を吸収して膨潤した排泄物処理用粒状材(10)のみを便床(12)から取り除き、トイレで流すか可燃ゴミとして処理すれば良く、使用後の処理が簡単であり、かつ経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施例の排泄物処理用粒状体の使用態様を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例の排泄物処理用粒状材を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施例の排泄物処理用粒状材の製造方法を示すフロー図である。
【図4】本発明の他の実施例の排泄物処理用粒状材を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0036】
(10)…排泄物処理用粒状材
(12)…便床
(14)…コア層
(16)…吸水消臭機能層
(18)…酸性高吸水性樹脂
(18a)…高吸水性樹脂
(18b)…酸
(20)…水溶性バインダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製紙工程より得られる有機繊維状物を造粒してなり、少なくともその表面が中性もしくは酸性を示すコア層と、
高ゲル強度の酸性高吸水性樹脂からなり、前記コア層の表面を被覆する吸水消臭機能層とで構成されていることを特徴とする排泄物処理用粒状材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−129975(P2007−129975A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−327779(P2005−327779)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(591230480)フジライト工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】