排版ボックス及び孔版印刷装置
【課題】 使用済みマスタの搬送ジャムを引き起こさずかつ作業性よく使用済みマスタの判読を不可能とすることが可能な排版ボックスおよびこれを用いた孔版印刷装置を提供する。
【解決手段】 穿孔製版されたマスタ35が巻装された版胴30の周面より排版部材48によって剥離されたマスタ35を使用済みマスタ5として貯容する排版ボックス1において、内部に貯容された使用済みマスタ5を排出するマスタ排出口4aと、マスタ排出口4aの近傍に設けられ使用済みマスタ5に対して損傷を与えつつ使用済みマスタ5を排出するマスタ排出手段4とを有する。
【解決手段】 穿孔製版されたマスタ35が巻装された版胴30の周面より排版部材48によって剥離されたマスタ35を使用済みマスタ5として貯容する排版ボックス1において、内部に貯容された使用済みマスタ5を排出するマスタ排出口4aと、マスタ排出口4aの近傍に設けられ使用済みマスタ5に対して損傷を与えつつ使用済みマスタ5を排出するマスタ排出手段4とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、版胴から剥離された使用済みマスタを貯容する排版ボックスに関し、詳しくは使用済みマスタの判読を不可とすることが可能な排版ボックス及びこれを用いた孔版印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の孔版印刷装置では、新しい原稿を印刷する際に先ず排版部が作動し、版胴上に巻装されている使用済みマスタを剥離してこれを排版ボックス内に貯容した後に製版部が作動し、新しいマスタに製版を行ってこれを版胴に巻装させる。排版ボックス内に貯容された使用済みマスタは排版部に設けられたセンサによってその内容量を管理され、排版ボックスが満杯となった際に廃棄される。排版ボックスからの使用済みマスタの廃棄は人手によって行われ、オペレータは孔版印刷装置本体より排版ボックスを取り外して貯容されている使用済みマスタをごみ箱に廃棄した後、空となった排版ボックスを再び孔版印刷装置本体に装着する。
【0003】
このように、使用済みマスタは排版部において版胴上から剥離された後に排版ボックス内に貯容され、排版ボックスが満杯となった際にごみ箱に廃棄されるため、排版ボックス内に貯容されたあるいはごみ箱に廃棄された使用済みマスタを取り出してその製版内容を確認することが可能である。従って、排版ボックス内に貯容されたマスタが機密性を要する場合には機密が漏洩してしまう虞がある。
【0004】
上述の問題点を解決すべく、版胴から剥離される使用済みマスタに接触する損傷部材を排版部に設け、この損傷部材によって排版動作時に使用済みマスタを損傷させることにより使用済みマスタの内容の確認を不可能とさせる技術が、例えば「特許文献1」に開示されている。しかし、「特許文献1」に開示された技術では使用済みマスタを取り込む排版ボックスの入口近傍で使用済みマスタに対する損傷を行っているため、使用済みマスタの搬送ジャムが発生しやすいという問題があった。そこで、版胴から剥離された使用済みマスタを巻き取る巻取部材を有し、この巻取部材を装置本体から取り外す際に巻取部材に巻かれた使用済みマスタを損傷させることにより使用済みマスタの内容の確認を不可能とさせる技術が、例えば「特許文献2」に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−153474号公報
【特許文献2】特開2007−168171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
「特許文献2」に開示された技術では、使用済みマスタを損傷させる損傷部材が固定されており、この固定された損傷部材に対して使用済みマスタが巻かれた巻取部材を移動させる際に使用済みマスタを損傷させているため、巻取部材に使用済みマスタが大量に巻かれた満杯状態においては使用済みマスタが損傷部材を通過する際の抵抗が大きく、巻取部材を装置本体から取り外す際に多大な力が必要でありその作業性に問題がある。
【0007】
本発明は上述した各問題点を解決し、使用済みマスタの搬送ジャムを引き起こさずかつ作業性よく使用済みマスタの判読を不可能とすることが可能な排版ボックスおよびこれを用いた孔版印刷装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、穿孔製版されたマスタが巻装された版胴の周面より排版部材によって剥離された前記マスタを使用済みマスタとして貯容する排版ボックスにおいて、内部に貯容された前記使用済みマスタを排出するマスタ排出口と、該マスタ排出口の近傍に設けられ前記使用済みマスタに対して損傷を与えつつ前記使用済みマスタを排出するマスタ排出手段とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の排版ボックスにおいて、さらに前記マスタ排出手段は前記使用済みマスタを切断するシュレッダであることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の排版ボックスにおいて、さらに前記マスタ排出手段は前記使用済みマスタを穿孔するパンチであることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の排版ボックスにおいて、さらに内部に貯容された前記使用済みマスタを排出する際に、前記使用済みマスタが前記マスタ排出手段を通過する第1の排出方法と前記マスタ排出手段を通過しない第2の排出方法とを選択可能であることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の排版ボックスを有する孔版印刷装置であることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の排版ボックスを備えた孔版印刷装置において、さらに機密保持を行う機密保持モードを有し、機密保持モードが設定された後に前記排版ボックス内から機密保持モードが設定された前記使用済みマスタを排出する際には第1の排出方法を選択するように表示を行う表示手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の孔版印刷装置において、さらに機密保持モード設定後にマスタに対して機密を有する製版が行われた後、機密保持モードが設定された前記マスタが製版されてから所定時間が経過した後に前記表示手段に使用者に対して排版を促す旨の表示を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項6記載の孔版印刷装置において、さらに機密保持モード設定後にマスタに対して機密を有する製版が行われた後、機密保持モードが設定された前記マスタが製版されてから所定の排版回数が経過した後に前記表示手段に使用者に対して排版を促す旨の表示を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、内部に貯容されている使用済みマスタがマスタ排出口の近傍に設けられたマスタ排出手段により損傷されるので、使用済みマスタの搬送ジャムを引き起こすことなくかつ簡単な作業で使用済みマスタが機密を要する内容であった場合には確実に機密の漏洩を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1ないし図5は、本発明の第1の実施形態を採用した排版ボックスを示している。同図において排版ボックス1は、図示しない孔版印刷装置の装置本体に対して着脱自在であり、装置本体に設けられた排版部材によって版胴の外周面上より剥離された使用済みマスタ5をその内部に貯容する。排版ボックス1は、本体2、圧縮板3、マスタ排出手段4等を有している。
【0018】
箱形の本体2は、版胴から剥離された使用済みマスタ5を受け入れる図示しないマスタ受入口を有しており、その内部には使用済みマスタ5が複数枚貯容される。本体2は装置本体の排版ボックス収納位置に対して着脱自在に構成されており、図1において内部左側には本体2の内部に貯容された使用済みマスタ5を圧縮する圧縮板3が配設されている。圧縮板3は本体2が装置本体に装着されている際に装置本体に設けられた図示しない圧縮板駆動手段の作動によって図1の水平方向に移動し、図4及び図5に示すように本体2の内部に貯容された使用済みマスタ5を圧縮する。
【0019】
図1において本体2の右側にはマスタ排出手段4が配設されている。マスタ排出手段4の内部には使用済みマスタ5を切断する上刃6aと下刃6bとからなる周知の構成のシュレッダ6、使用済みマスタ5をシュレッダ6に案内する案内板7が設けられ、その右側壁部にはシュレッダ6によって切断された使用済みマスタ5を排出するためのマスタ排出口4aが設けられている。上刃6a及び下刃6bは共にマスタ排出手段4の内部に回転自在に配置されており、図1においてマスタ排出手段4の奥側の壁面に設けられたハンドル6cを回すことによって同期して回転される。案内板7は図1において上下1つずつ計2個設けられ、それぞれマスタ排出手段4の内壁面に固定されていて、圧縮板3によって圧縮された使用済みマスタをシュレッダ6へと案内する。
【0020】
上述したマスタ排出手段4は、シュレッダ6及び案内板7を含み本体2と一体的に構成されており、図1において本体2の右側部に蝶番8によって開閉自在に取り付けられている。マスタ排出手段4は、図1に実線で示す通常位置と図1に二点差線で示す開放位置とを選択的に占め、通常位置を占めた際には図示しないストッパによって固定される。
【0021】
上述の構成よりこの排版ボックス1によれば、マスタ排出手段4が通常位置を占めた状態でハンドル6cを回すことにより、本体2の内部に貯容されている使用済みマスタ5がマスタ排出口4aの近傍に設けられたシュレッダ6により切断されるので、使用済みマスタ5の搬送ジャムを引き起こすことなくかつ簡単な作業で使用済みマスタ5が機密を要する内容であった場合には確実に機密の漏洩を防止することができる。また、使用済みマスタ5が機密を要する内容ではない場合には、マスタ排出手段4を開放位置に移動させた状態で本体2の内部に貯容された使用済みマスタ5を直接ゴミ箱等に廃棄でき、使用済みマスタ5の廃棄を簡易に行うことができる。この第1の実施形態ではハンドル6cを回してシュレッダ6を作動させる構成としたが、排版ボックス1の内部に駆動源を設け、スイッチ操作によりこの駆動源からの駆動力によってシュレッダ6を作動させる構成を採用してもよい。
【0022】
図6は、本発明の第2の実施形態を採用した排版ボックスを示している。図6に示した排版ボックス9は、第1の実施形態で示した排版ボックス1と比較するとマスタ排出手段4に代えてマスタ排出手段10を備えている点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。
【0023】
マスタ排出手段10の内部には、使用済みマスタ5が通過するマスタ通路11、マスタ通路11内において使用済みマスタ5を搬送する搬送ローラ対12,13、使用済みマスタ5に穿孔を行うパンチ装置14、使用済みマスタ5をマスタ通路11に案内する案内板15が設けられ、マスタ通路11の左端部にはパンチ装置14によって穿孔された使用済みマスタ5を排出するためのマスタ排出口11aが設けられている。
【0024】
搬送ローラ対12,13は各ローラの当接部がマスタ通路11内に位置するように配置されており、搬送ローラ12,13の各駆動軸には図7に示すようにそれぞれプーリ16,17が固定されている。各プーリ16,17間には無端ベルト18が掛け渡されており、図示しない駆動手段から伝達された駆動力によって無端ベルト18が走行駆動されることにより搬送ローラ12,13が互いに同期して回転駆動される。案内板15は図6において上下1つずつ計2個設けられ、それぞれマスタ排出手段10の内壁面に固定されていて、圧縮板3によって圧縮された使用済みマスタをマスタ通路11へと案内する。
【0025】
パンチ装置14は、使用済みマスタ5に穿孔を行うパンチ14a、パンチ14aを上下動させるソレノイド14b及び図示しない戻しばね等を有している。パンチ14aはソレノイド14bの非作動時において図示しない戻しばねの付勢力によりマスタ通路11の上方に位置する図6に二点差線で示す位置を占め、ソレノイド14bの作動時において使用済みマスタ5を穿孔する図6に実線で示す位置を占める。パンチ装置14の下方には、パンチ装置14の作動によって使用済みマスタ5から落下した穿孔カス19を貯容する貯容室20が配設されており、貯容室20の左側端部には穿孔カス19を貯容室20から廃棄するための排出口20aが設けられている。排出口20aには蓋21が開閉自在に取り付けられている。
【0026】
上述したマスタ排出手段10は、マスタ通路11、搬送ローラ対12,13、パンチ装置14、案内板15及び貯容室20を含み本体2と一体的に構成されており、図6において本体2の左側部に蝶番8によって開閉自在に取り付けられている。マスタ排出手段10は、マスタ排出手段4と同様に通常位置と開放位置とを選択的に占め、通常位置を占めた際には図示しないストッパによって固定される。
【0027】
上述の構成よりこの排版ボックス9によれば、マスタ排出手段10が通常位置を占めた状態で図示しないスイッチを操作することにより、本体2の内部に貯容されている使用済みマスタ5が搬送ローラ対12,13によって搬送されつつパンチ装置14によって穿孔されるので、使用済みマスタ5の搬送ジャムを引き起こすことなくかつ簡単な作業で使用済みマスタ5が機密を要する内容であった場合には確実に機密の漏洩を防止することができる。また、使用済みマスタ5が機密を要する内容ではない場合には、マスタ排出手段10を開放位置に移動させた状態で本体2の内部に貯容された使用済みマスタ5を直接ゴミ箱等に廃棄でき、使用済みマスタ5の廃棄を簡易に行うことができる。
【0028】
図8は本発明の第3の実施形態を示しており、同図に示す孔版印刷装置22は第1の実施形態で示した排版ボックス1を備えている。以下、孔版印刷装置22について説明する。孔版印刷装置22は、印刷部23、製版部24、給紙部25、排版部26、排紙部27、画像読取部28等を有している。
【0029】
装置本体29のほぼ中央に配設された印刷部23は、版胴30及びプレスローラ31を有している。版胴30は装置本体29に回転自在かつ着脱自在に支持されており、その内部にはインキローラ及びドクターローラ等を有する周知のインキ供給手段32が配設され、その外周面上にはマスタの先端を保持するクランパ33が開閉自在に設けられている。版胴30の下方には、一対のアーム部材34によって回転自在に支持されたプレスローラ31が配設されている。プレスローラ31は、アーム部材34が図示しない揺動手段によって揺動されることにより、図8に示す版胴30の外周面より離間する離間位置と版胴30の外周面に所定の圧接力で圧接する圧接位置とを選択的に占める。
【0030】
装置本体29の右上部には製版部24が配設されている。製版部24は、マスタ35をロール状に巻成したマスタロールを回転自在かつ着脱自在に支持するマスタ保持部材36、ステッピングモータ37によって回転駆動されるプラテンローラ38、プラテンローラ38に当接して配置されマスタ35に穿孔製版を行うサーマルヘッド39、マスタを切断するマスタ切断手段40、プラテンローラ38と同期して回転しマスタ35を搬送するマスタ搬送ローラ対41,42等を有している。
【0031】
製版部24の下方には給紙部25が配設されている。給紙部25は、装置本体29に上下動自在に支持されその上面に多数の用紙Pを積載可能な給紙トレイ43、共に給紙モータ44によって回転駆動され給紙トレイ43上に積載された用紙Pを分離給送する給紙ローラ45及び分離ローラ46、分離給送された用紙Pを所定のタイミングで印刷部23に向けて給送するレジストローラ対47等を有している。
【0032】
印刷部23の左上方には排版部26が配設されている。排版部26は、上述した排版ボックス1、版胴30の外周面上から使用済みマスタ5を剥離して排版ボックス内に搬送する剥離搬送機能を備えた排版部材48等を有している。排版ボックス1は装置本体29の所定箇所に着脱自在であり、図8において手前方向あるいは左方向に引き出すことにより装置本体29から取り外される。
【0033】
排版部26の下方には排紙部27が配設されている。排紙部27は、版胴30の周面より用紙Pを剥離する剥離爪49、版胴30の外周面上より剥離された用紙Pを搬送する用紙搬送手段50、用紙搬送手段50によって搬送された印刷済みの用紙Pを積載する排紙トレイ51等を有している。
【0034】
装置本体29の上部には画像読取部7が配設されている。画像読取部7は、原稿を載置するコンタクトガラス52、コンタクトガラス52に対して接離自在な圧板53、原稿画像を走査して読み取る走査ユニット54、走査された画像を集束するレンズ55、収束された画像を処理するCCD等の画像センサ56等を有しており、圧板53の上部には複数枚の原稿を自動的に読み取る際に用いられるADFユニット57が配設されている。
【0035】
図9は孔版印刷装置22の操作パネルを示している。同図において操作パネル58は、製版スタートキー59、印刷スタートキー60、ストップキー61、テンキー62、7セグメントLEDからなる表示装置63、LCDからなる表示装置64等の周知の構成の他、機密保持モードであるセキュリティモード設定時に押下されるセキュリティキー65を有している。オペレータは、機密を有する印刷物の製版を行う際に、製版スタートキー59の押下に先立ってセキュリティキー65を押下する。セキュリティキー65は、1度押下するとオンとなって「ON」のLEDが点灯し、再度押下するとオフとなって「OFF」のLEDが点灯するトグルスイッチとなっている。
【0036】
上述の構成に基づき、以下に孔版印刷装置22の動作を説明する。
オペレータによりコンタクトガラス52上に原稿が置かれた後、圧板53が閉じられた状態で製版スタートキー59が押下されると画像読取部28において原稿画像の読み取りが行われる。読み取りは走査ユニット54で原稿画像を走査することにより行われ、読み取られた画像はレンズ55で収束された後に画像センサ56に送られる。
【0037】
読取動作と並行して排版部26では版胴30の外周面上から使用済みマスタ5を剥離する排版動作が行われる。製版スタートキー59が押下されると版胴30が回転し、所定の排版位置に到達すると版胴30の回転が停止される。そして排版部材48が剥離位置に移動して版胴30上の使用済みマスタ5がすくい上げられ、版胴30が回転すると共に排版部材48が作動して使用済みマスタ5が排版ボックス1内に貯容される。版胴30は所定の給版位置まで回転して停止し、クランパ33が開放されて孔版印刷装置22は給版待機状態となる。
【0038】
その後、製版部24が作動し、マスタロールから引き出されたマスタ35はサーマルヘッド39によって製版されつつクランパ33へ向けて搬送される。そして、ステッピングモータ37のステップ数よりマスタ35の先端がクランパ33によって保持可能な位置まで搬送されたと判断されると、クランパ33が閉じられてマスタ35はその先端部を版胴30の外周面上に保持される。マスタ35の保持後、版胴30が回転して版胴30へのマスタ35の巻装が行われる。そして、1版分のマスタ35が製版されるとマスタ切断手段40が作動してマスタ35が切断される。切断されたマスタ35は版胴30の回転によって製版部24から引き出され、版胴30が所定のホームポジションまで回転して停止することにより製版及び給版動作が完了する。
【0039】
給版動作に引き続き版付け動作が行われる。版胴30がホームポジションで停止すると、給紙部25が作動して用紙Pが1枚分離給送され、給送された用紙Pはレジストローラ対47で一時停止される。その後、版胴30が低速で回転駆動され、所定のタイミングでレジストローラ対47が作動することにより用紙Pが版胴30とプレスローラ31との接触部に向けて給送される。レジストローラ対47の作動とほぼ同時にプレスローラ31が版胴30に圧接し、給送された用紙Pが版胴30上のマスタ35に圧接される。この押圧動作によりプレスローラ31と用紙Pとマスタ35と版胴30とが圧接し、インキ供給手段32によって版胴30の内周面に供給されたインキが用紙Pに転写されていわゆる版付けが行われる。画像が転写された用紙Pは、剥離爪49によって版胴30の外周面より剥離され、用紙搬送手段50に搬送されて排紙トレイ51上に排出される。その後、版胴30が再びホームポジションまで回転して停止し、孔版印刷装置22は印刷待機状態となる。
【0040】
孔版印刷装置22が印刷待機状態となった後、テンキー62によって印刷枚数が置数された後に印刷スタートキー60が押下されると、給紙部25から用紙Pが連続的に給送されて印刷動作が行われる。そして、設定された印刷枚数が消化されると版胴30が再びホームポジションで停止し、孔版印刷装置22は再び印刷待機状態となる。
【0041】
上述の製版動作に先立ってセキュリティキー65が押下されると孔版印刷装置22はセキュリティモードとなり、以後製版されたマスタ35に対する機密保持が行われる。セキュリティモード設定後に製版されたマスタが排版されると、表示装置64には図10に示すように、オペレータに対して排版ボックス1内に貯容されているマスタを、マスタ排出手段4を介して切断した状態で廃棄するように促す表示がなされる。これにより、使用済みマスタからの機密の漏洩を防止することができる。本実施形態では排版ボックス1を用いる例を示したが、排版ボックス9を用いてもよい。
【0042】
第3の実施形態では、セキュリティモードが設定された後に製版されたマスタが廃棄される際に使用済みマスタを損傷させる構成としたが、通常排版ボックスから使用済みマスタを廃棄する時期は、排版部26に設けられた排版センサによって排版枚数を検知し、排版ボックスが満杯となるタイミングでオペレータに報知される。しかし、このタイミングでは排版ボックス1内に使用済みマスタ5が満杯の状態であるため、マスタ排出手段4を介して使用済みマスタ5を廃棄する際に、使用済みマスタ5の枚数が多すぎることから使用済みマスタ5がマスタ排出手段4に詰まってしまう不具合が発生する虞がある。そこで、第3の実施形態の変形例として、セキュリティモードが設定された際には排版センサによって排版ボックス1内に使用済みマスタ5があるか否かを検知し、排版ボックス1内に使用済みマスタ5がある場合には直ちにそれを廃棄させるようにオペレータに促す旨の表示を表示手段64に表示させる構成としてもよい。この動作のフローチャートを図11に、表示手段64への表示の一例を図12にそれぞれ示す。この構成により、排版ボックス1内には機密を要する使用済みマスタ5のみが存在することとなるので、機密を要する使用済みマスタ5を確実に損傷しつつ廃棄することができる。
【0043】
第3の実施形態では、セキュリティモードが設定された後に製版されたマスタが廃棄される際に使用済みマスタを損傷させる構成としたが、第4の実施形態として、孔版印刷装置22の待機状態時に排版ボックス1内に使用済みマスタ5があることが確認された後、前回のセキュリティモード製版動作からの経過時間を装置本体29の内部に設けられた図示しないタイマで計時し、前回のセキュリティモードが設定されたマスタが製版されてから所定時間が経過した後にオペレータに対して排版ボックス1内のマスタを廃棄すべく表示装置64に図10に示す表示を行う構成としてもよい。この所定時間は表示装置64において任意に設定可能である。この動作のフローチャートを図13に、所定時間の設定の一例を図14にそれぞれ示す。この構成により、排版ボックス1内に機密を要する使用済みマスタ5があることを管理できると共に所定時間を調整することで排版ボックス1内の使用済みマスタ5の量を調整でき、機密を要する使用済みマスタ5を確実に損傷しつつ廃棄することができる。
【0044】
第4の実施形態の変形例として、セキュリティモードが設定された後に排版ボックス1内に使用済みマスタ5があることが確認された後、前回の製版動作からの経過時間を装置本体29の内部に設けられた図示しないタイマで計時し、前回の製版動作から所定時間が経過した後にオペレータに対して排版ボックス1内のマスタを廃棄すべく表示装置64に図12に示す表示を行う構成としてもよい。この動作のフローチャートを図15に示す。この構成により、排版ボックス1内に存在する使用済みマスタ5の量を適宜に制御できるので、使用済みマスタ5の満杯により機密を要する使用済みマスタ5が損傷できなくなることを防止することができる。
【0045】
次に、第5の実施形態として、孔版印刷装置22の動作時に排版ボックス1内に使用済みマスタ5があることが確認された後、前回セキュリティモードが設定された製版動作からの製版回数(本実施形態では製版と同時に排版が行われるので排版回数)を装置本体29の内部に設けられた図示しないカウンタでカウントし、前回のセキュリティモードが設定されたマスタが製版されてから所定回数が経過した後にオペレータに対して排版ボックス1内のマスタを廃棄すべく表示装置64に図10に示す表示を行う構成としてもよい。この所定回数は表示装置64において任意に設定可能である。この動作のフローチャートを図16に、所定回数の設定の一例を図17にそれぞれ示す。この構成により、排版ボックス1内に機密を要する使用済みマスタ5があることを管理できると共に所定回数を調整することで排版ボックス1内の使用済みマスタ5の量を調整でき、機密を要する使用済みマスタ5を確実に損傷しつつ廃棄することができる。
【0046】
第5の実施形態の変形例として、セキュリティモードが設定された後に排版ボックス1内に使用済みマスタ5があることが確認された後、前回排版ボックス1内の使用済みマスタ5が廃棄されてからの製版回数を装置本体29の内部に設けられた図示しないカウンタでカウントし、前回の使用済みマスタ5の廃棄から所定回数が経過した後にオペレータに対して排版ボックス1内のマスタを廃棄すべく表示装置64に図12に示す表示を行う構成としてもよい。この動作のフローチャートを図18に示す。この構成により、排版ボックス1内に存在する使用済みマスタ5の量を適宜に制御できるので、使用済みマスタ5の満杯により機密を要する使用済みマスタ5が損傷できなくなることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施形態を採用した排版ボックスの概略正面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を採用した排版ボックスの概略平面図である。
【図3】第1の実施形態を採用した排版ボックスの概略側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を採用した使用済みマスタ圧縮時における排版ボックスの概略正面断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を採用した使用済みマスタ圧縮時における排版ボックスの概略平面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を採用した排版ボックスの概略正面断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態を採用した排版ボックスの要部概略平面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に用いられる孔版印刷装置の概略正面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に用いられる孔版印刷装置の操作パネルを示す概略図である。
【図10】本発明の第3の実施形態における表示装置の表示の一例を示す概略図である。
【図11】本発明の第3の実施形態の変形例における動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態の変形例における表示装置の表示の一例を示す概略図である。
【図13】本発明の第4の実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第4の実施形態における表示装置の表示の一例を示す概略図である。
【図15】本発明の第4の実施形態の変形例における動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第5の実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第5の実施形態における表示装置の表示の一例を示す概略図である。
【図18】本発明の第5の実施形態の変形例における動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1,9 排版ボックス
4,10 マスタ排出手段
4a,10a マスタ排出口
5 使用済みマスタ
22 孔版印刷装置
35 マスタ
48 排版部材
64 表示手段(LCD表示装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、版胴から剥離された使用済みマスタを貯容する排版ボックスに関し、詳しくは使用済みマスタの判読を不可とすることが可能な排版ボックス及びこれを用いた孔版印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の孔版印刷装置では、新しい原稿を印刷する際に先ず排版部が作動し、版胴上に巻装されている使用済みマスタを剥離してこれを排版ボックス内に貯容した後に製版部が作動し、新しいマスタに製版を行ってこれを版胴に巻装させる。排版ボックス内に貯容された使用済みマスタは排版部に設けられたセンサによってその内容量を管理され、排版ボックスが満杯となった際に廃棄される。排版ボックスからの使用済みマスタの廃棄は人手によって行われ、オペレータは孔版印刷装置本体より排版ボックスを取り外して貯容されている使用済みマスタをごみ箱に廃棄した後、空となった排版ボックスを再び孔版印刷装置本体に装着する。
【0003】
このように、使用済みマスタは排版部において版胴上から剥離された後に排版ボックス内に貯容され、排版ボックスが満杯となった際にごみ箱に廃棄されるため、排版ボックス内に貯容されたあるいはごみ箱に廃棄された使用済みマスタを取り出してその製版内容を確認することが可能である。従って、排版ボックス内に貯容されたマスタが機密性を要する場合には機密が漏洩してしまう虞がある。
【0004】
上述の問題点を解決すべく、版胴から剥離される使用済みマスタに接触する損傷部材を排版部に設け、この損傷部材によって排版動作時に使用済みマスタを損傷させることにより使用済みマスタの内容の確認を不可能とさせる技術が、例えば「特許文献1」に開示されている。しかし、「特許文献1」に開示された技術では使用済みマスタを取り込む排版ボックスの入口近傍で使用済みマスタに対する損傷を行っているため、使用済みマスタの搬送ジャムが発生しやすいという問題があった。そこで、版胴から剥離された使用済みマスタを巻き取る巻取部材を有し、この巻取部材を装置本体から取り外す際に巻取部材に巻かれた使用済みマスタを損傷させることにより使用済みマスタの内容の確認を不可能とさせる技術が、例えば「特許文献2」に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−153474号公報
【特許文献2】特開2007−168171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
「特許文献2」に開示された技術では、使用済みマスタを損傷させる損傷部材が固定されており、この固定された損傷部材に対して使用済みマスタが巻かれた巻取部材を移動させる際に使用済みマスタを損傷させているため、巻取部材に使用済みマスタが大量に巻かれた満杯状態においては使用済みマスタが損傷部材を通過する際の抵抗が大きく、巻取部材を装置本体から取り外す際に多大な力が必要でありその作業性に問題がある。
【0007】
本発明は上述した各問題点を解決し、使用済みマスタの搬送ジャムを引き起こさずかつ作業性よく使用済みマスタの判読を不可能とすることが可能な排版ボックスおよびこれを用いた孔版印刷装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、穿孔製版されたマスタが巻装された版胴の周面より排版部材によって剥離された前記マスタを使用済みマスタとして貯容する排版ボックスにおいて、内部に貯容された前記使用済みマスタを排出するマスタ排出口と、該マスタ排出口の近傍に設けられ前記使用済みマスタに対して損傷を与えつつ前記使用済みマスタを排出するマスタ排出手段とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の排版ボックスにおいて、さらに前記マスタ排出手段は前記使用済みマスタを切断するシュレッダであることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の排版ボックスにおいて、さらに前記マスタ排出手段は前記使用済みマスタを穿孔するパンチであることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の排版ボックスにおいて、さらに内部に貯容された前記使用済みマスタを排出する際に、前記使用済みマスタが前記マスタ排出手段を通過する第1の排出方法と前記マスタ排出手段を通過しない第2の排出方法とを選択可能であることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の排版ボックスを有する孔版印刷装置であることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の排版ボックスを備えた孔版印刷装置において、さらに機密保持を行う機密保持モードを有し、機密保持モードが設定された後に前記排版ボックス内から機密保持モードが設定された前記使用済みマスタを排出する際には第1の排出方法を選択するように表示を行う表示手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の孔版印刷装置において、さらに機密保持モード設定後にマスタに対して機密を有する製版が行われた後、機密保持モードが設定された前記マスタが製版されてから所定時間が経過した後に前記表示手段に使用者に対して排版を促す旨の表示を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項6記載の孔版印刷装置において、さらに機密保持モード設定後にマスタに対して機密を有する製版が行われた後、機密保持モードが設定された前記マスタが製版されてから所定の排版回数が経過した後に前記表示手段に使用者に対して排版を促す旨の表示を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、内部に貯容されている使用済みマスタがマスタ排出口の近傍に設けられたマスタ排出手段により損傷されるので、使用済みマスタの搬送ジャムを引き起こすことなくかつ簡単な作業で使用済みマスタが機密を要する内容であった場合には確実に機密の漏洩を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1ないし図5は、本発明の第1の実施形態を採用した排版ボックスを示している。同図において排版ボックス1は、図示しない孔版印刷装置の装置本体に対して着脱自在であり、装置本体に設けられた排版部材によって版胴の外周面上より剥離された使用済みマスタ5をその内部に貯容する。排版ボックス1は、本体2、圧縮板3、マスタ排出手段4等を有している。
【0018】
箱形の本体2は、版胴から剥離された使用済みマスタ5を受け入れる図示しないマスタ受入口を有しており、その内部には使用済みマスタ5が複数枚貯容される。本体2は装置本体の排版ボックス収納位置に対して着脱自在に構成されており、図1において内部左側には本体2の内部に貯容された使用済みマスタ5を圧縮する圧縮板3が配設されている。圧縮板3は本体2が装置本体に装着されている際に装置本体に設けられた図示しない圧縮板駆動手段の作動によって図1の水平方向に移動し、図4及び図5に示すように本体2の内部に貯容された使用済みマスタ5を圧縮する。
【0019】
図1において本体2の右側にはマスタ排出手段4が配設されている。マスタ排出手段4の内部には使用済みマスタ5を切断する上刃6aと下刃6bとからなる周知の構成のシュレッダ6、使用済みマスタ5をシュレッダ6に案内する案内板7が設けられ、その右側壁部にはシュレッダ6によって切断された使用済みマスタ5を排出するためのマスタ排出口4aが設けられている。上刃6a及び下刃6bは共にマスタ排出手段4の内部に回転自在に配置されており、図1においてマスタ排出手段4の奥側の壁面に設けられたハンドル6cを回すことによって同期して回転される。案内板7は図1において上下1つずつ計2個設けられ、それぞれマスタ排出手段4の内壁面に固定されていて、圧縮板3によって圧縮された使用済みマスタをシュレッダ6へと案内する。
【0020】
上述したマスタ排出手段4は、シュレッダ6及び案内板7を含み本体2と一体的に構成されており、図1において本体2の右側部に蝶番8によって開閉自在に取り付けられている。マスタ排出手段4は、図1に実線で示す通常位置と図1に二点差線で示す開放位置とを選択的に占め、通常位置を占めた際には図示しないストッパによって固定される。
【0021】
上述の構成よりこの排版ボックス1によれば、マスタ排出手段4が通常位置を占めた状態でハンドル6cを回すことにより、本体2の内部に貯容されている使用済みマスタ5がマスタ排出口4aの近傍に設けられたシュレッダ6により切断されるので、使用済みマスタ5の搬送ジャムを引き起こすことなくかつ簡単な作業で使用済みマスタ5が機密を要する内容であった場合には確実に機密の漏洩を防止することができる。また、使用済みマスタ5が機密を要する内容ではない場合には、マスタ排出手段4を開放位置に移動させた状態で本体2の内部に貯容された使用済みマスタ5を直接ゴミ箱等に廃棄でき、使用済みマスタ5の廃棄を簡易に行うことができる。この第1の実施形態ではハンドル6cを回してシュレッダ6を作動させる構成としたが、排版ボックス1の内部に駆動源を設け、スイッチ操作によりこの駆動源からの駆動力によってシュレッダ6を作動させる構成を採用してもよい。
【0022】
図6は、本発明の第2の実施形態を採用した排版ボックスを示している。図6に示した排版ボックス9は、第1の実施形態で示した排版ボックス1と比較するとマスタ排出手段4に代えてマスタ排出手段10を備えている点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。
【0023】
マスタ排出手段10の内部には、使用済みマスタ5が通過するマスタ通路11、マスタ通路11内において使用済みマスタ5を搬送する搬送ローラ対12,13、使用済みマスタ5に穿孔を行うパンチ装置14、使用済みマスタ5をマスタ通路11に案内する案内板15が設けられ、マスタ通路11の左端部にはパンチ装置14によって穿孔された使用済みマスタ5を排出するためのマスタ排出口11aが設けられている。
【0024】
搬送ローラ対12,13は各ローラの当接部がマスタ通路11内に位置するように配置されており、搬送ローラ12,13の各駆動軸には図7に示すようにそれぞれプーリ16,17が固定されている。各プーリ16,17間には無端ベルト18が掛け渡されており、図示しない駆動手段から伝達された駆動力によって無端ベルト18が走行駆動されることにより搬送ローラ12,13が互いに同期して回転駆動される。案内板15は図6において上下1つずつ計2個設けられ、それぞれマスタ排出手段10の内壁面に固定されていて、圧縮板3によって圧縮された使用済みマスタをマスタ通路11へと案内する。
【0025】
パンチ装置14は、使用済みマスタ5に穿孔を行うパンチ14a、パンチ14aを上下動させるソレノイド14b及び図示しない戻しばね等を有している。パンチ14aはソレノイド14bの非作動時において図示しない戻しばねの付勢力によりマスタ通路11の上方に位置する図6に二点差線で示す位置を占め、ソレノイド14bの作動時において使用済みマスタ5を穿孔する図6に実線で示す位置を占める。パンチ装置14の下方には、パンチ装置14の作動によって使用済みマスタ5から落下した穿孔カス19を貯容する貯容室20が配設されており、貯容室20の左側端部には穿孔カス19を貯容室20から廃棄するための排出口20aが設けられている。排出口20aには蓋21が開閉自在に取り付けられている。
【0026】
上述したマスタ排出手段10は、マスタ通路11、搬送ローラ対12,13、パンチ装置14、案内板15及び貯容室20を含み本体2と一体的に構成されており、図6において本体2の左側部に蝶番8によって開閉自在に取り付けられている。マスタ排出手段10は、マスタ排出手段4と同様に通常位置と開放位置とを選択的に占め、通常位置を占めた際には図示しないストッパによって固定される。
【0027】
上述の構成よりこの排版ボックス9によれば、マスタ排出手段10が通常位置を占めた状態で図示しないスイッチを操作することにより、本体2の内部に貯容されている使用済みマスタ5が搬送ローラ対12,13によって搬送されつつパンチ装置14によって穿孔されるので、使用済みマスタ5の搬送ジャムを引き起こすことなくかつ簡単な作業で使用済みマスタ5が機密を要する内容であった場合には確実に機密の漏洩を防止することができる。また、使用済みマスタ5が機密を要する内容ではない場合には、マスタ排出手段10を開放位置に移動させた状態で本体2の内部に貯容された使用済みマスタ5を直接ゴミ箱等に廃棄でき、使用済みマスタ5の廃棄を簡易に行うことができる。
【0028】
図8は本発明の第3の実施形態を示しており、同図に示す孔版印刷装置22は第1の実施形態で示した排版ボックス1を備えている。以下、孔版印刷装置22について説明する。孔版印刷装置22は、印刷部23、製版部24、給紙部25、排版部26、排紙部27、画像読取部28等を有している。
【0029】
装置本体29のほぼ中央に配設された印刷部23は、版胴30及びプレスローラ31を有している。版胴30は装置本体29に回転自在かつ着脱自在に支持されており、その内部にはインキローラ及びドクターローラ等を有する周知のインキ供給手段32が配設され、その外周面上にはマスタの先端を保持するクランパ33が開閉自在に設けられている。版胴30の下方には、一対のアーム部材34によって回転自在に支持されたプレスローラ31が配設されている。プレスローラ31は、アーム部材34が図示しない揺動手段によって揺動されることにより、図8に示す版胴30の外周面より離間する離間位置と版胴30の外周面に所定の圧接力で圧接する圧接位置とを選択的に占める。
【0030】
装置本体29の右上部には製版部24が配設されている。製版部24は、マスタ35をロール状に巻成したマスタロールを回転自在かつ着脱自在に支持するマスタ保持部材36、ステッピングモータ37によって回転駆動されるプラテンローラ38、プラテンローラ38に当接して配置されマスタ35に穿孔製版を行うサーマルヘッド39、マスタを切断するマスタ切断手段40、プラテンローラ38と同期して回転しマスタ35を搬送するマスタ搬送ローラ対41,42等を有している。
【0031】
製版部24の下方には給紙部25が配設されている。給紙部25は、装置本体29に上下動自在に支持されその上面に多数の用紙Pを積載可能な給紙トレイ43、共に給紙モータ44によって回転駆動され給紙トレイ43上に積載された用紙Pを分離給送する給紙ローラ45及び分離ローラ46、分離給送された用紙Pを所定のタイミングで印刷部23に向けて給送するレジストローラ対47等を有している。
【0032】
印刷部23の左上方には排版部26が配設されている。排版部26は、上述した排版ボックス1、版胴30の外周面上から使用済みマスタ5を剥離して排版ボックス内に搬送する剥離搬送機能を備えた排版部材48等を有している。排版ボックス1は装置本体29の所定箇所に着脱自在であり、図8において手前方向あるいは左方向に引き出すことにより装置本体29から取り外される。
【0033】
排版部26の下方には排紙部27が配設されている。排紙部27は、版胴30の周面より用紙Pを剥離する剥離爪49、版胴30の外周面上より剥離された用紙Pを搬送する用紙搬送手段50、用紙搬送手段50によって搬送された印刷済みの用紙Pを積載する排紙トレイ51等を有している。
【0034】
装置本体29の上部には画像読取部7が配設されている。画像読取部7は、原稿を載置するコンタクトガラス52、コンタクトガラス52に対して接離自在な圧板53、原稿画像を走査して読み取る走査ユニット54、走査された画像を集束するレンズ55、収束された画像を処理するCCD等の画像センサ56等を有しており、圧板53の上部には複数枚の原稿を自動的に読み取る際に用いられるADFユニット57が配設されている。
【0035】
図9は孔版印刷装置22の操作パネルを示している。同図において操作パネル58は、製版スタートキー59、印刷スタートキー60、ストップキー61、テンキー62、7セグメントLEDからなる表示装置63、LCDからなる表示装置64等の周知の構成の他、機密保持モードであるセキュリティモード設定時に押下されるセキュリティキー65を有している。オペレータは、機密を有する印刷物の製版を行う際に、製版スタートキー59の押下に先立ってセキュリティキー65を押下する。セキュリティキー65は、1度押下するとオンとなって「ON」のLEDが点灯し、再度押下するとオフとなって「OFF」のLEDが点灯するトグルスイッチとなっている。
【0036】
上述の構成に基づき、以下に孔版印刷装置22の動作を説明する。
オペレータによりコンタクトガラス52上に原稿が置かれた後、圧板53が閉じられた状態で製版スタートキー59が押下されると画像読取部28において原稿画像の読み取りが行われる。読み取りは走査ユニット54で原稿画像を走査することにより行われ、読み取られた画像はレンズ55で収束された後に画像センサ56に送られる。
【0037】
読取動作と並行して排版部26では版胴30の外周面上から使用済みマスタ5を剥離する排版動作が行われる。製版スタートキー59が押下されると版胴30が回転し、所定の排版位置に到達すると版胴30の回転が停止される。そして排版部材48が剥離位置に移動して版胴30上の使用済みマスタ5がすくい上げられ、版胴30が回転すると共に排版部材48が作動して使用済みマスタ5が排版ボックス1内に貯容される。版胴30は所定の給版位置まで回転して停止し、クランパ33が開放されて孔版印刷装置22は給版待機状態となる。
【0038】
その後、製版部24が作動し、マスタロールから引き出されたマスタ35はサーマルヘッド39によって製版されつつクランパ33へ向けて搬送される。そして、ステッピングモータ37のステップ数よりマスタ35の先端がクランパ33によって保持可能な位置まで搬送されたと判断されると、クランパ33が閉じられてマスタ35はその先端部を版胴30の外周面上に保持される。マスタ35の保持後、版胴30が回転して版胴30へのマスタ35の巻装が行われる。そして、1版分のマスタ35が製版されるとマスタ切断手段40が作動してマスタ35が切断される。切断されたマスタ35は版胴30の回転によって製版部24から引き出され、版胴30が所定のホームポジションまで回転して停止することにより製版及び給版動作が完了する。
【0039】
給版動作に引き続き版付け動作が行われる。版胴30がホームポジションで停止すると、給紙部25が作動して用紙Pが1枚分離給送され、給送された用紙Pはレジストローラ対47で一時停止される。その後、版胴30が低速で回転駆動され、所定のタイミングでレジストローラ対47が作動することにより用紙Pが版胴30とプレスローラ31との接触部に向けて給送される。レジストローラ対47の作動とほぼ同時にプレスローラ31が版胴30に圧接し、給送された用紙Pが版胴30上のマスタ35に圧接される。この押圧動作によりプレスローラ31と用紙Pとマスタ35と版胴30とが圧接し、インキ供給手段32によって版胴30の内周面に供給されたインキが用紙Pに転写されていわゆる版付けが行われる。画像が転写された用紙Pは、剥離爪49によって版胴30の外周面より剥離され、用紙搬送手段50に搬送されて排紙トレイ51上に排出される。その後、版胴30が再びホームポジションまで回転して停止し、孔版印刷装置22は印刷待機状態となる。
【0040】
孔版印刷装置22が印刷待機状態となった後、テンキー62によって印刷枚数が置数された後に印刷スタートキー60が押下されると、給紙部25から用紙Pが連続的に給送されて印刷動作が行われる。そして、設定された印刷枚数が消化されると版胴30が再びホームポジションで停止し、孔版印刷装置22は再び印刷待機状態となる。
【0041】
上述の製版動作に先立ってセキュリティキー65が押下されると孔版印刷装置22はセキュリティモードとなり、以後製版されたマスタ35に対する機密保持が行われる。セキュリティモード設定後に製版されたマスタが排版されると、表示装置64には図10に示すように、オペレータに対して排版ボックス1内に貯容されているマスタを、マスタ排出手段4を介して切断した状態で廃棄するように促す表示がなされる。これにより、使用済みマスタからの機密の漏洩を防止することができる。本実施形態では排版ボックス1を用いる例を示したが、排版ボックス9を用いてもよい。
【0042】
第3の実施形態では、セキュリティモードが設定された後に製版されたマスタが廃棄される際に使用済みマスタを損傷させる構成としたが、通常排版ボックスから使用済みマスタを廃棄する時期は、排版部26に設けられた排版センサによって排版枚数を検知し、排版ボックスが満杯となるタイミングでオペレータに報知される。しかし、このタイミングでは排版ボックス1内に使用済みマスタ5が満杯の状態であるため、マスタ排出手段4を介して使用済みマスタ5を廃棄する際に、使用済みマスタ5の枚数が多すぎることから使用済みマスタ5がマスタ排出手段4に詰まってしまう不具合が発生する虞がある。そこで、第3の実施形態の変形例として、セキュリティモードが設定された際には排版センサによって排版ボックス1内に使用済みマスタ5があるか否かを検知し、排版ボックス1内に使用済みマスタ5がある場合には直ちにそれを廃棄させるようにオペレータに促す旨の表示を表示手段64に表示させる構成としてもよい。この動作のフローチャートを図11に、表示手段64への表示の一例を図12にそれぞれ示す。この構成により、排版ボックス1内には機密を要する使用済みマスタ5のみが存在することとなるので、機密を要する使用済みマスタ5を確実に損傷しつつ廃棄することができる。
【0043】
第3の実施形態では、セキュリティモードが設定された後に製版されたマスタが廃棄される際に使用済みマスタを損傷させる構成としたが、第4の実施形態として、孔版印刷装置22の待機状態時に排版ボックス1内に使用済みマスタ5があることが確認された後、前回のセキュリティモード製版動作からの経過時間を装置本体29の内部に設けられた図示しないタイマで計時し、前回のセキュリティモードが設定されたマスタが製版されてから所定時間が経過した後にオペレータに対して排版ボックス1内のマスタを廃棄すべく表示装置64に図10に示す表示を行う構成としてもよい。この所定時間は表示装置64において任意に設定可能である。この動作のフローチャートを図13に、所定時間の設定の一例を図14にそれぞれ示す。この構成により、排版ボックス1内に機密を要する使用済みマスタ5があることを管理できると共に所定時間を調整することで排版ボックス1内の使用済みマスタ5の量を調整でき、機密を要する使用済みマスタ5を確実に損傷しつつ廃棄することができる。
【0044】
第4の実施形態の変形例として、セキュリティモードが設定された後に排版ボックス1内に使用済みマスタ5があることが確認された後、前回の製版動作からの経過時間を装置本体29の内部に設けられた図示しないタイマで計時し、前回の製版動作から所定時間が経過した後にオペレータに対して排版ボックス1内のマスタを廃棄すべく表示装置64に図12に示す表示を行う構成としてもよい。この動作のフローチャートを図15に示す。この構成により、排版ボックス1内に存在する使用済みマスタ5の量を適宜に制御できるので、使用済みマスタ5の満杯により機密を要する使用済みマスタ5が損傷できなくなることを防止することができる。
【0045】
次に、第5の実施形態として、孔版印刷装置22の動作時に排版ボックス1内に使用済みマスタ5があることが確認された後、前回セキュリティモードが設定された製版動作からの製版回数(本実施形態では製版と同時に排版が行われるので排版回数)を装置本体29の内部に設けられた図示しないカウンタでカウントし、前回のセキュリティモードが設定されたマスタが製版されてから所定回数が経過した後にオペレータに対して排版ボックス1内のマスタを廃棄すべく表示装置64に図10に示す表示を行う構成としてもよい。この所定回数は表示装置64において任意に設定可能である。この動作のフローチャートを図16に、所定回数の設定の一例を図17にそれぞれ示す。この構成により、排版ボックス1内に機密を要する使用済みマスタ5があることを管理できると共に所定回数を調整することで排版ボックス1内の使用済みマスタ5の量を調整でき、機密を要する使用済みマスタ5を確実に損傷しつつ廃棄することができる。
【0046】
第5の実施形態の変形例として、セキュリティモードが設定された後に排版ボックス1内に使用済みマスタ5があることが確認された後、前回排版ボックス1内の使用済みマスタ5が廃棄されてからの製版回数を装置本体29の内部に設けられた図示しないカウンタでカウントし、前回の使用済みマスタ5の廃棄から所定回数が経過した後にオペレータに対して排版ボックス1内のマスタを廃棄すべく表示装置64に図12に示す表示を行う構成としてもよい。この動作のフローチャートを図18に示す。この構成により、排版ボックス1内に存在する使用済みマスタ5の量を適宜に制御できるので、使用済みマスタ5の満杯により機密を要する使用済みマスタ5が損傷できなくなることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施形態を採用した排版ボックスの概略正面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を採用した排版ボックスの概略平面図である。
【図3】第1の実施形態を採用した排版ボックスの概略側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を採用した使用済みマスタ圧縮時における排版ボックスの概略正面断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を採用した使用済みマスタ圧縮時における排版ボックスの概略平面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を採用した排版ボックスの概略正面断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態を採用した排版ボックスの要部概略平面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に用いられる孔版印刷装置の概略正面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に用いられる孔版印刷装置の操作パネルを示す概略図である。
【図10】本発明の第3の実施形態における表示装置の表示の一例を示す概略図である。
【図11】本発明の第3の実施形態の変形例における動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態の変形例における表示装置の表示の一例を示す概略図である。
【図13】本発明の第4の実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第4の実施形態における表示装置の表示の一例を示す概略図である。
【図15】本発明の第4の実施形態の変形例における動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第5の実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第5の実施形態における表示装置の表示の一例を示す概略図である。
【図18】本発明の第5の実施形態の変形例における動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1,9 排版ボックス
4,10 マスタ排出手段
4a,10a マスタ排出口
5 使用済みマスタ
22 孔版印刷装置
35 マスタ
48 排版部材
64 表示手段(LCD表示装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿孔製版されたマスタが巻装された版胴の周面より排版部材によって剥離された前記マスタを使用済みマスタとして貯容する排版ボックスにおいて、
内部に貯容された前記使用済みマスタを排出するマスタ排出口と、該マスタ排出口の近傍に設けられ前記使用済みマスタに対して損傷を与えつつ前記使用済みマスタを排出するマスタ排出手段とを有することを特徴とする排版ボックス。
【請求項2】
請求項1記載の排版ボックスにおいて、
前記マスタ排出手段は前記使用済みマスタを切断するシュレッダであることを特徴とする排版ボックス。
【請求項3】
請求項1記載の排版ボックスにおいて、
前記マスタ排出手段は前記使用済みマスタを穿孔するパンチであることを特徴とする排版ボックス。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか1つに記載の排版ボックスにおいて、
内部に貯容された前記使用済みマスタを排出する際に、前記使用済みマスタが前記マスタ排出手段を通過する第1の排出方法と前記マスタ排出手段を通過しない第2の排出方法とを選択可能であることを特徴とする排版ボックス。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1つに記載の排版ボックスを有することを特徴とする孔版印刷装置。
【請求項6】
請求項4記載の排版ボックスを備えた孔版印刷装置において、
機密保持を行う機密保持モードを有し、機密保持モードが設定された後に前記排版ボックス内から機密保持モードが設定された前記使用済みマスタを排出する際には第1の排出方法を選択するように表示を行う表示手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。
【請求項7】
請求項6記載の孔版印刷装置において、
機密保持モード設定後にマスタに対して機密を有する製版が行われた後、機密保持モードが設定された前記マスタが製版されてから所定時間が経過した後に前記表示手段に使用者に対して排版を促す旨の表示を行うことを特徴とする孔版印刷装置。
【請求項8】
請求項6記載の孔版印刷装置において、
機密保持モード設定後にマスタに対して機密を有する製版が行われた後、機密保持モードが設定された前記マスタが製版されてから所定の排版回数が経過した後に前記表示手段に使用者に対して排版を促す旨の表示を行うことを特徴とする孔版印刷装置。
【請求項1】
穿孔製版されたマスタが巻装された版胴の周面より排版部材によって剥離された前記マスタを使用済みマスタとして貯容する排版ボックスにおいて、
内部に貯容された前記使用済みマスタを排出するマスタ排出口と、該マスタ排出口の近傍に設けられ前記使用済みマスタに対して損傷を与えつつ前記使用済みマスタを排出するマスタ排出手段とを有することを特徴とする排版ボックス。
【請求項2】
請求項1記載の排版ボックスにおいて、
前記マスタ排出手段は前記使用済みマスタを切断するシュレッダであることを特徴とする排版ボックス。
【請求項3】
請求項1記載の排版ボックスにおいて、
前記マスタ排出手段は前記使用済みマスタを穿孔するパンチであることを特徴とする排版ボックス。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか1つに記載の排版ボックスにおいて、
内部に貯容された前記使用済みマスタを排出する際に、前記使用済みマスタが前記マスタ排出手段を通過する第1の排出方法と前記マスタ排出手段を通過しない第2の排出方法とを選択可能であることを特徴とする排版ボックス。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1つに記載の排版ボックスを有することを特徴とする孔版印刷装置。
【請求項6】
請求項4記載の排版ボックスを備えた孔版印刷装置において、
機密保持を行う機密保持モードを有し、機密保持モードが設定された後に前記排版ボックス内から機密保持モードが設定された前記使用済みマスタを排出する際には第1の排出方法を選択するように表示を行う表示手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。
【請求項7】
請求項6記載の孔版印刷装置において、
機密保持モード設定後にマスタに対して機密を有する製版が行われた後、機密保持モードが設定された前記マスタが製版されてから所定時間が経過した後に前記表示手段に使用者に対して排版を促す旨の表示を行うことを特徴とする孔版印刷装置。
【請求項8】
請求項6記載の孔版印刷装置において、
機密保持モード設定後にマスタに対して機密を有する製版が行われた後、機密保持モードが設定された前記マスタが製版されてから所定の排版回数が経過した後に前記表示手段に使用者に対して排版を促す旨の表示を行うことを特徴とする孔版印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−131813(P2010−131813A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308526(P2008−308526)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000221937)東北リコー株式会社 (509)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000221937)東北リコー株式会社 (509)
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