説明

採用要否判定システム、採用要否判定方法および採用要否判定プログラム

【課題】 会社が求める人材の採用要否を迅速に行うことができる採用要否判定システム、採用要否判定方法および採用要否判定プログラムを提供する。
【解決手段】 採用要否判定システムは、入力された第1の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第1判定手段と、第1判定手段によって「否」と判定された場合に第2の応募情報の要求を提示する提示手段と、入力された第2の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第2判定手段と、を備える。他の採用要否判定システムは、入社済み社員の社員情報を記憶する記憶手段と、入力された応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う判定手段と、判定手段によって「否」と判定された場合に記憶手段に記憶された社員情報と応募情報との照合結果に基づいて採用要否判定処理を行う第3判定手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採用要否判定システム、採用要否判定方法および採用要否判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多数の応募者から会社に必要な人材を確保する採用活動においては、書類審査等を経て採用の要否が判定される。この場合、複数の採用担当者が一定の採用基準に従って採用要否を判断する。しかしながら、この場合、判断基準を設けていたとしても、採用担当者間に判断のブレが生じることがある。一人の採用担当者が採用要否を判断する場合においても、複数の応募者の採用要否を判断するにあたって、判断にブレが生じることがある。その結果、会社が求める人材と実際に入社した社員の質との間に開きが生じるおそれがある。また、応募者が多数になると、迅速に採用要否を判断することが困難になる。そこで、コンピュータを用いて採用支援を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−032545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、会社が求める人材の採用要否を迅速に行うことができない。
【0005】
本発明は、会社が求める人材の採用要否を迅速に行うことができる採用要否判定システム、採用要否判定方法および採用要否判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る採用要否判定システムは、入力された第1の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第1判定手段と、第1判定手段によって「否」と判定された場合に第2の応募情報の要求を提示する提示手段と、入力された第2の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第2判定手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る採用要否判定システムにおいては、第1判定手段によって「要」と判定された場合には、第2の応募情報を入力する手間が省略される。それにより、採用者が求める人材を迅速に確保することができる。さらに、第1判定手段によって「否」と判定された応募者については第2判定手段によって詳細に判定されることから、多面的な採用要否判定が可能である。また、採用要否の判断基準があらかじめ電子化されて設定されていることから、採用者の好み等の主観を排除することができる。それにより、判定基準が統一化される。その結果、採用要否判断のブレを抑制することができる。
【0008】
本発明に係る採用要否判定システムは、入社済み社員の社員情報を記憶する記憶手段と、第2判定手段によって「否」と判定された場合に第1の情報および第2の情報の少なくとも一部の応募情報と社員情報との照合結果に基づいて採用要否判定処理を行う第3判定手段と、をさらに備えていてもよい。この場合、応募情報だけでは判断できないが成長性を有する有能な人材を確保することができる。また、入社済み社員の社員情報を随時蓄積していくことによって、採用者が求めるより人材と実際に入社する社員との整合性が高くなる。
【0009】
本発明に係る他の採用要否判定システムは、入社済み社員の社員情報を記憶する記憶手段と、入力された応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う判定手段と、判定手段によって「否」と判定された場合に記憶手段に記憶された社員情報と応募情報との照合結果に基づいて採用要否判定処理を行う第3判定手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る他の採用要否判定システムにおいては、採用要否が自動的に行われることから、採用者が求める人材を迅速に確保することができる。また、採用要否の判断基準があらかじめ電子化されて設定されていることから、採用者の好み等の主観を排除することができる。それにより、判定基準が統一化される。その結果、採用要否判断のブレを抑制することができる。さらに、応募情報だけでは判断できないが成長性を有する有能な人材を確保することができる。また、入社済み社員の社員情報を随時蓄積していくことによって、採用者が求めるより人材と実際に入社する社員との整合性が高くなる。
【0011】
判定手段は、入力された第1の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第1判定手段と、第1判定手段によって「否」と判定された場合に第2の応募情報の要求を提示する提示手段と、入力された第2の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第2判定手段とを備え、第3判定手段は、第2判定手段によって「否」と判定された場合に、採用要否判定処理を行ってもよい。この場合、第1判定手段によって「要」と判定された場合には、第2の応募情報を入力する手間が省略される。それにより、採用者が求める人材を迅速に確保することができる。さらに、第1判定手段によって「否」と判定された応募者については第2判定手段によって詳細に判定されることから、多面的な採用要否判定が可能である。
【0012】
第3判定手段は、社員情報の各項目と応募情報の各項目との整合率に基づいて、採用要否判定処理を行ってもよい。第3判定手段は、入社済み社員のうち採用「要」の基準を有する社員の社員情報の各項目と応募情報の各項目との整合率が所定値以上の場合に、「要」と判定してもよい。この場合、優秀な社員に類似する応募者を確保することができる。
【0013】
上記採用要否判定システムは、社員情報と第応募情報との照合結果に基づいて、応募者を分類する分類手段をさらに備えていてもよい。分類手段は、いずれの判定手段によって「要」と判定されたかに基づいて応募者を分類してもよい。分類手段は、第3判定手段によって「要」と判定された場合に、社員情報と応募情報との照合結果に基づいて応募者を分類してもよい。これらの場合、分類されたクラス別にフォロー内容を設定することができる。それにより、教育が必要な社員に対するフォローを充実化させることができるとともに、教育が不要な社員に対する教育時間の短縮化を図ることができる。
【0014】
上記採用要否判定システムは、応募情報に基づいて給与条件を算出する算出手段と、算出手段の算出結果を出力する出力手段と、をさらに備えていてもよい。給与条件が自動で算出されるため、給与条件算出の手間を省くことができる。また、給与条件決定の際に主観を排除できることから、給与条件の公平性を保つことができる。
【0015】
記憶手段は、判定手段の判定結果と応募情報とを関連付けて記憶してもよい。この場合、応募情報を随時蓄積していくことによって、採用者が求めるより人材と実際に入社する社員との整合性が高くなる。
【0016】
本発明に係る採用要否判定方法は、サーバが、入力された第1の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第1判定ステップと、サーバが、第1判定手段によって「否」と判定された場合に第2の応募情報の要求を提示する提示ステップと、サーバがが、入力された第2の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第2判定ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係る採用要否判定方法においては、第1判定ステップにおいて「要」と判定された場合には、第2の応募情報を入力する手間が省略される。それにより、採用者が求める人材を迅速に確保することができる。さらに、第1判定ステップにおいて「否」と判定された応募者については第2判定ステップにおいて詳細に判定されることから、多面的な採用要否判定が可能である。また、採用要否の判断基準があらかじめ電子化されて設定されていることから、採用者の好み等の主観を排除することができる。それにより、判定基準が統一化される。その結果、採用要否判断のブレを抑制することができる。
【0018】
本発明に係る他の採用要否判定方法は、サーバが、入社済み社員の社員情報を記憶する記憶ステップと、サーバが、入力された応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う判定ステップと、サーバが、判定手段によって「否」と判定された場合に、記憶手段に記憶された社員情報と応募情報との照合結果に基づいて採用要否判定処理を行う判定ステップ手段と、を含むことを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係る他の採用要否判定方法においては、採用要否が自動的に行われることから、採用者が求める人材を迅速に確保することができる。また、採用要否の判断基準があらかじめ電子化されて設定されていることから、採用者の好み等の主観を排除することができる。それにより、判定基準が統一化される。その結果、採用要否判断のブレを抑制することができる。さらに、応募情報だけでは判断できないが成長性を有する有能な人材を確保することができる。また、入社済み社員の社員情報を随時蓄積していくことによって、採用者が求めるより人材と実際に入社する社員との整合性が高くなる。
【0020】
本発明に係る採用要否判定プログラムは、コンピュータを、入力された第1の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第1判定手段と、第1判定手段によって「否」と判定された場合に第2の応募情報の要求を提示する提示手段と、入力された第2の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第2判定手段と、して機能させることを特徴とするものである。
【0021】
本発明に係る採用要否判定プログラムが実行されることによって、第1判定手段によって「要」と判定された場合には、第2の応募情報を入力する手間が省略される。それにより、採用者が求める人材を迅速に確保することができる。さらに、第1判定手段によって「否」と判定された応募者については第2判定手段によって詳細に判定されることから、多面的な採用要否判定が可能である。また、採用要否の判断基準があらかじめ電子化されて設定されていることから、採用者の好み等の主観を排除することができる。それにより、判定基準が統一化される。その結果、採用要否判断のブレを抑制することができる。
【0022】
本発明に係る他の採用要否判定プログラムは、コンピュータを、入力された応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う手段と、この手段によって「否」と判定された場合に、入社済み社員の社員情報を記憶する記憶手段に記憶された社員情報と応募情報との照合結果に基づいて採用要否判定処理を行う手段と、して機能させることを特徴とするものである。
【0023】
本発明に係る他の採用要否判定プログラムが実行されることによって、採用要否が自動的に行われることから、採用者が求める人材を迅速に確保することができる。また、採用要否の判断基準があらかじめ電子化されて設定されていることから、採用者の好み等の主観を排除することができる。それにより、判定基準が統一化される。その結果、採用要否判断のブレを抑制することができる。さらに、応募情報だけでは判断できないが成長性を有する有能な人材を確保することができる。また、入社済み社員の社員情報を随時蓄積していくことによって、採用者が求めるより人材と実際に入社する社員との整合性が高くなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、会社が求める人材の採用要否を迅速に行うことができる採用要否判定システム、採用要否判定方法および採用要否判定プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明の第1実施例に係る採用要否判定システム100の概略図である。図1に示すように、採用要否判定システム100は、サーバ10と、出力手段20と、社内端末30と、を備える。サーバ10は、出力手段20および社内端末30とLAN(ローカルエリアネットワーク)を介して接続されている。サーバ10は、LANを介して社内端末30との間で情報の送受信が可能である。また、サーバ10は、インターネットを介して外部端末40との間で情報の送受信が可能である。出力手段20は、プリンタ等の出力装置である。
【0027】
応募者は、社内端末30または外部端末40から、応募情報をサーバ10に送信する。または、社員が、応募者によって提出された応募書類に記載の応募情報を、社内端末または外部端末40を介して、サーバ10に送信する。応募情報を受信したサーバ10は、データベースとして応募情報を記憶する。また、応募者または社員は、社内端末30および外部端末40を用いずに、サーバ10の入力機器を用いて応募情報を入力してもよい。
【0028】
サーバ10は、応募情報を基に採用要否を判定して、その判定結果を社内端末30または外部端末40に送信する。また、サーバ10は、応募情報を基に給与情報を算出し、その算出結果を社内端末30または外部端末40に送信するとともに出力手段20に送信する。出力手段20は、受信した算出結果を紙媒体等に出力する。以下、採用要否判定システム100の詳細について説明する。
【0029】
図2は、サーバ10の構成の詳細を説明するための図である。図2(a)は、サーバ10を構成する機器構成図である。図2(b)は、サーバ10の機能ブロック図である。
【0030】
図2(a)に示すように、サーバ10は、CPU(中央演算処理装置)11、RAM(ランダムアクセスメモリ)12、記憶手段13、入力機器14、インタフェース15等を備える。記憶手段13は、ROM(リードオンリメモリ)、ハードディスク等である。入力機器14は、マウス、キーボード等である。インタフェース15は、LANおよびインターネットに接続されている。
【0031】
サーバ10は、記憶手段13に、採用要否判定システム100を動作させるための採用要否判定プログラムを格納している。また、採用要否判定プログラムは、DVD−ROM等の外部媒体に記憶されていてもよい。この場合には、サーバ10は、DVD−ROMドライブ等の読み取り装置によって採用要否プログラムを読み取る。
【0032】
図2(b)に示すように、サーバ10は、提示手段21、第1判定手段22、第2判定手段23、第3判定手段24、分類手段25および算出手段26として機能する。本実施例においては、これらの各手段は、採用要否判定プログラムがCPU11によって実行されることによってサーバ10内に実現される。以下、各手段の動作について説明する。
【0033】
提示手段21は、応募者または社員からのアクセスに応じて、社内端末30または外部端末40に応募情報の入力の要求を応募者または社員に提示する。応募情報は、第1の応募情報および第2の応募情報を含む。提示手段21は、まずは、第1の応募情報の入力の要求を応募者または社員に提示する。
【0034】
図3は、第1の応募情報の入力フォームの一例を示す図である。この入力フォームは、応募者または社員が使用している社内端末30または外部端末40のディスプレイに表示される。図3に示すように、第1の応募情報には、応募者の氏名、性別、生年月日、住所、資格、学歴、職歴、希望職種、扶養家族等の基本情報が含まれる。応募者または社員は、この入力フォームに第1の応募情報を入力する。それにより、第1の応募情報は、サーバ10へと送信される。
【0035】
図4は、第2の応募情報の入力フォームの一例を示す図である。この入力フォームは、応募者または社員が使用している社内端末30または外部端末40のディスプレイに表示される。図4に示すように、第2の応募情報には、応募者の趣味、クラブ活動、留学経験、語学力等の詳細情報が含まれる。応募者または社員は、この入力フォームに第2の応募情報を入力する。それにより、第2の応募情報は、サーバ10へと送信される。
【0036】
第1判定手段22は、記憶手段13のデータベースに格納されている採用基準データと入力された第1の応募情報とに基づいて、採用要否を判定する。図5は、採用基準データの一例を示す図である。図5に示すように、採用基準データは、第1の応募情報および第2の応募情報の各項目に対する合格基準または不合格基準を備えている。
【0037】
例えば、第1の応募情報に対する採用基準データとして、特定の大学・学部に対して合格または不合格とするデータ、学部卒または大学院卒に対して合格または不合格とするデータ、取得前または取得後の資格の有無に対して合格または不合格とするデータ、正社員経験年数に対して合格または不合格とするデータ、転職回数に対して合格または不合格とするデータ、転職ブランクの程度に対して合格または不合格とするデータ、扶養家族の有無に対して合格または不合格とするデータ、等が含まれる。なお、第1の応募情報に対する採用基準データは、各項目の組合せに対して合格または不合格とするデータであってもよい。
【0038】
また、第2の応募情報に対する採用基準データとして、特定の趣味に対して合格または不合格とするデータ、趣味の記載内容の具体性に対して合格または不合格とするデータ、特定のクラブ活動に対して合格または不合格とするデータ、留学経験の有無に対して合格または不合格とするデータ、語学力の程度に対して合格または不合格とするデータ、等が含まれる。なお、第2の応募情報に対する採用基準データは、各項目の組合せに対して合格または不合格とするデータであってもよい。
【0039】
図6(a)および図6(b)は、第1判定手段22および第2判定手段23による判定プロセスについて説明するための模式図である。図6(a)に示すように、第1判定手段22は、第1の応募情報と第1の応募情報に対する採用基準データとを対比する。第1判定手段22は、第1の応募情報の各項目のうち、1以上の項目が不合格であれば、「否」と判定してもよい。また、第1判定手段22は、第1の応募情報の各項目のうち、所定の割合以上の項目が合格であれば、「要」と判定してもよい。第1判定手段22による要否判定基準は、採用要否判定システム100の管理者の設定によって変更可能であってもよい。例えば、図2の入力機器14を介して要否判定基準を設定できるようにしてあってもよい。
【0040】
第1判定手段22によって「否」と判定された場合、提示手段21は、応募情報のうち第2の応募情報の入力の要求を応募者または社員に提示する。第2判定手段23は、図4の採用基準データと入力された第2の応募情報とに基づいて、採用要否を判定する。図6(b)に示すように、第2判定手段23は、第2の応募情報と第2の応募情報に対する採用基準データとを対比する。第2判定手段23は、第2の応募情報の各項目のうち、1以上の項目が不合格であれば、「否」と判定してもよい。また、第2判定手段23は、第2の応募情報の各項目のうち、所定の割合以上の項目が合格であれば、「要」と判定してもよい。第2判定手段23による要否判定は、採用要否判定システム100の管理者の設定によって変更可能であってもよい。例えば、図2の入力機器14を介して要否判定基準を設定できるようにしてあってもよい。
【0041】
第2判定手段23によって「否」と判定された場合、第3判定手段24は、入社済みの社員情報と応募情報の少なくとも一部との照合結果に基づいて採用要否を判定する。本実施例においては、第3判定手段24は、入社済みの社員情報と応募情報の全部との照合結果に基づいて採用要否を判定する。
【0042】
図7は、データベース化された入社済み社員の社員情報の一例を示す図である。図7に示すように、社員情報は、各社員についてデータベース化されている。社員情報は、応募情報の各項目に対応する情報を含むとともに、入社済みの各社員についての勤続年数、昇進経験の有無、懲戒処分経験の有無、途中退職の有無等の社内情報を含む。例えば、勤続年数の長い社員、昇進経験「有」の社員等を採用「要」の基準を有する社員としてデータベース化してあってもよい。また、勤続年数の短い社員、懲戒処分経験「有」の社員、途中退職「有」の社員等を採用「否」の基準を有する社員としてデータベース化してあってもよい。
【0043】
図8は、第3判定手段24による判定プロセスについて説明するための模式図である。図8に示すように、第3判定手段24は、応募者の応募情報の各項目と入社済みの各社員の社員情報の各項目とをそれぞれ照合する。その結果、応募者の応募情報との整合率が所定値以上の社員が検索された場合、第3判定手段24は、その社員の社内情報に基づいて採用要否を判定する。
【0044】
例えば、応募者の応募情報の各項目との整合率が高い(例えば整合率80%以上)社員が昇進経験「有り」の場合には、第3判定手段24は、「要」と判定する。また、応募者の応募情報の各項目との整合率が高い社員が勤続年数が長い(例えば3年以上)場合に、第3判定手段24は、「要」と判定する。第3判定手段24による要否判定基準は、採用要否判定システム100の管理者の設定によって変更可能であってもよい。例えば、図2の入力機器14を介して要否判定基準を設定できるようにしてあってもよい。第3判定手段24によって「要」と判定されなかった場合、提示手段21は、社内端末30または外部端末40を介して応募者に不採用の旨を提示する。
【0045】
第1判定手段22、第2判定手段23および第3判定手段24のいずれかによって「要」と判定された場合、分類手段25は、応募者を複数のランクのいずれかに分類する。例えば、分類手段25は、第1判定手段22、第2判定手段23および第3判定手段24のいずれに「要」と判定されたかに応じて応募者を分類してもよい。この場合、図9に示すように、第1判定手段22によって「要」と判定された応募者は「Aランク」、第2判定手段23によって「要」と判定された応募者は「Bランク」、第3判定手段24によって「要」と判定された応募者は「Cランク」と分類してもよい。
【0046】
また、分類手段25は、第1判定手段22および第2判定手段23のいずれによって「要」と判定されたか否かにかかわらず、応募情報と入社済み社員の社内情報とに応じて応募者を分類してもよい。例えば、図10に示すように、第1判定手段22および第2判定手段23のいずれによって「要」と判定されたか否かにかかわらず、昇進経験「有り」または勤続年数が長い社員と応募情報の整合率が高い応募者を「Aランク」、応募情報の整合率が高い社員が検索できない応募者を「Bランク」、懲戒処分「有り」または途中退職した社員と応募情報の整合率が高い応募者を「Cランク」と分類してもよい。また、第3判定手段24によって「要」と判定された応募者も「Cランク」と分類してもよい。
【0047】
分類手段25によって応募者が分類された場合、算出手段26は、その分類結果および応募者の応募情報に基づいて給与条件を算出する。例えば、算出手段26は、図11に示すように、応募者の最終学歴、経験の有無、年齢、住所(地域手当の有無)、扶養家族の有無(扶養手当の有無)、住宅名義(住宅手当の有無)等に応じて給与条件を算出する。
【0048】
この場合の算出方法は、特に限定されるものではない。例えば、基本給にプラスして各項目ごとに金額が加算されてもよい。算出された給与条件は、出力手段20に送信される。出力手段20は、給与条件を紙媒体等に出力する。また、提示手段21は、給与条件を社内端末30または外部端末40を介して応募者に提示する。記憶手段13は、第1判定手段22、第2判定手段23および第3判定手段24の判定結果と応募情報とを関連付けてデータベースとして記憶する。
【0049】
続いて、採用要否判定プログラムの詳細を示すフローチャートの一例を図12に示す。このフローチャートは、採用要否判定システム100によって実行される。まず、第1判定手段22は、応募者または社員が使用する端末から送信されてきた第1の応募情報を取得する(ステップS1)。次に、第1判定手段22は、採用基準データに基づいて、採用要否を判定する(ステップS2)。
【0050】
ステップS2において「否」と判定された場合、提示手段21は、第2の応募情報の入力の要求を応募者または社員に提示する(ステップS3)。次に、第2判定手段23は、応募者または社員が使用する端末から送信されてきた第2の応募情報を取得する(ステップS4)。次いで、第2判定手段23は、採用基準データに基づいて、採用要否を判定する(ステップS5)。
【0051】
ステップS5において「否」と判定された場合、第3判定手段24は、入社済みの社員情報と応募情報とを照合する(ステップS6)。次に、第3判定手段24は、ステップS6における照合結果に基づいて、採用要否を判定する(ステップS7)。ステップS7において「要」と判定された場合、分類手段25は、応募者を分類する(ステップS8)。
【0052】
次に、算出手段26は、ステップS8の分類結果および第1の応募情報に基づいて、応募者の給与条件を算出する(ステップS9)。次いで、提示手段21が給与条件を応募者に提示するとともに、出力手段20が給与条件を紙媒体等に出力する(ステップS10)。次に、記憶手段13は、第1判定手段22、第2判定手段23および第3判定手段24の判定結果と応募情報とを関連付けてデータベースとして記憶する(ステップS11)。次いで、採用要否判定システム100は、フローチャートの実行を終了する。
【0053】
本実施例に係る採用要否判定システム100によれば、自動的に採用要否が判定されることから、工数の削減が可能であり、採用決定までの時間が短縮化される。
【0054】
第1判定手段22によって「要」と判定された場合には、第2の応募情報を入力する手間が省略される。この場合、記憶手段13による記憶情報量を抑制することができる。それにより、余分な情報を管理する手間が省略される。また、採用者が求める人材を迅速に確保することができる。さらに、第1判定手段22によって「否」と判定された応募者については第2判定手段23によって詳細に判定されることから、多面的な採用要否判定が可能である。また、採用要否の判断基準があらかじめ電子化されて設定されていることから、採用者の好み等の主観を排除することができる。それにより、判定基準が統一化される。その結果、採用要否判断のブレを抑制することができる。この判断基準の統一化は、主観が生じる人間では困難なことである。
【0055】
また、第2判定手段23によって「否」と判定された応募者についても、採用「要」基準を有する社員と傾向が類似する応募者を確保することができる。それにより、応募情報だけでは判断できないが成長性を有する有能な人材を確保することができる。また、複数段階にわたって採用要否が判定されることから、採用者が求める人材を確保することができる。さらに、入社済み社員のデータは随時蓄積されていくことから、採用要否判定基準は、データの蓄積とともに変化する。それにより、採用者が求めるより人材と実際に入社する社員との整合性が高くなる。また、上記の採用「要」基準も電子化されて設定されていることから、入社済み社員の優劣を決定する場合の主観も排除される。それにより、判定基準が統一化される。この判断基準の統一化についても、主観が生じる人間では困難なことである。
【0056】
また、記憶手段13に応募情報が随時蓄積されていくことによって、第1判定手段22および第2判定手段23の判定基準は変化してもよい。例えば、採用「否」となった応募者の情報を判定基準に反映させてもよい。この場合、採用者が求めるより人材と実際に入社する社員との整合性が高くなる。
【0057】
また、応募情報を電子データでやりとりすることによって、応募者側の書類提出の手間が省略されるとともに、応募書類の提出に要する時間が短縮される。また、採用者側の書類管理の手間が省略される。また、応募情報をデータベース化することができることから、情報管理が容易になるとともに、蓄積された応募情報の検索が容易になる。応募者が多数になるにしたがって、データベース化の効果が大きくなる。
【0058】
また、採用「要」と判定された応募者をランク別に分類することができることから、応募者の入社後におけるフォローを効率化させることができる。例えば、ランク別にフォロー内容を設定することにより、教育が必要な社員に対するフォローを充実化させることができるとともに、教育が不要な社員に対する教育時間の短縮化を図ることができる。
【0059】
また、給与条件が自動で算出されるため、給与条件算出の手間を省くことができる。また、給与条件決定の際に主観を排除できることから、給与条件の公平性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施例に係る採用要否判定システムの概略図である。
【図2】サーバの構成の詳細を説明するための図である。
【図3】第1の応募情報の入力フォームの一例を示す図である。
【図4】第2の応募情報の入力フォームの一例を示す図である。
【図5】採用基準データの一例を示す図である。
【図6】第1判定手段および第2判定手段による判定プロセスについて説明するための模式図である
【図7】データベース化された入社済み社員の社員情報の一例を示す図である。
【図8】第3判定手段による判定プロセスについて説明するための模式図である。
【図9】分類手段による分類プロセスについて説明するための模式図である。
【図10】分類手段による分類プロセスについて説明するための模式図である。
【図11】算出手段による給与条件の算出プロセスについて説明するための模式図である。
【図12】採用要否判定プログラムの詳細を示すフローチャートの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
10 サーバ
11 CPU
12 RAM
13 記憶手段
14 入力機器
15 インタフェース
20 出力手段
21 提示手段
22 第1判定手段
23 第2判定手段
24 第3判定手段
25 分類手段
26 算出手段
30 社内端末
40 外部端末
100 採用要否判定システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された第1の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第1判定手段と、
前記第1判定手段によって「否」と判定された場合に第2の応募情報の入力要求を提示する提示手段と、
入力された前記第2の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第2判定手段と、を備えることを特徴とする採用要否判定システム。
【請求項2】
入社済み社員の社員情報を記憶する記憶手段と、
前記第2判定手段によって「否」と判定された場合に前記第1の応募情報および前記第2の応募情報の少なくとも一部の応募情報と前記社員情報との照合結果に基づいて採用要否判定処理を行う第3判定手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の採用要否判定システム。
【請求項3】
入社済み社員の社員情報を記憶する記憶手段と、
入力された応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う判定手段と、
前記判定手段によって「否」と判定された場合に、前記記憶手段に記憶された社員情報と前記応募情報との照合結果に基づいて採用要否判定処理を行う第3判定手段と、を備えることを特徴とする採用要否判定システム。
【請求項4】
前記判定手段は、入力された第1の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第1判定手段と、前記第1判定手段によって「否」と判定された場合に第2の応募情報の要求を提示する提示手段と、入力された前記第2の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第2判定手段とを備え、
前記第3判定手段は、前記第2判定手段によって「否」と判定された場合に、採用要否判定処理を行うことを特徴とする請求項3記載の採用要否判定システム。
【請求項5】
前記第3判定手段は、前記社員情報の各項目と前記応募情報の各項目との整合率に基づいて、採用要否判定処理を行うことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の採用要否判定システム。
【請求項6】
前記第3判定手段は、前記入社済み社員のうち採用「要」の基準を有する社員の前記社員情報の各項目と前記応募情報の各項目との整合率が所定値以上の場合に、「要」と判定することを特徴とする請求項5記載の採用要否判定システム。
【請求項7】
前記社員情報と前記第応募情報との照合結果に基づいて、応募者を分類する分類手段をさらに備えることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の採用要否判定システム。
【請求項8】
前記分類手段は、いずれの判定手段によって「要」と判定されたかに基づいて前記応募者を分類することを特徴とする請求項7記載の採用要否判定システム。
【請求項9】
前記分類手段は、前記第3判定手段によって「要」と判定された場合に、前記社員情報と前記応募情報との照合結果に基づいて前記応募者を分類することを特徴とする請求項7記載の採用要否判定システム。
【請求項10】
前記応募情報に基づいて給与条件を算出する算出手段と、
前記算出手段の算出結果を出力する出力手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の採用要否判定システム。
【請求項11】
前記記憶手段は、前記判定手段の判定結果と前記応募情報とを関連付けて記憶することを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の採用要否判定システム。
【請求項12】
サーバが、入力された第1の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第1判定ステップと、
前記サーバが、前記第1判定ステップにおいて「否」と判定された場合に第2の応募情報の要求を提示する提示ステップと、
前記サーバが、入力された前記第2の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第2判定ステップと、を含むことを特徴とする採用要否判定方法。
【請求項13】
サーバが、入社済み社員の社員情報を記憶する記憶ステップと、
前記サーバが、入力された応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う判定ステップと、
前記サーバが、前記判定ステップにおいて「否」と判定された場合に、前記記憶ステップにおいて記憶された社員情報と前記応募情報との照合結果に基づいて採用要否判定処理を行う判定ステップと、を含むことを特徴とする採用要否判定方法。
【請求項14】
コンピュータを、
入力された第1の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第1判定手段と、
前記第1判定手段によって「否」と判定された場合に第2の応募情報の要求を提示する提示手段と、
入力された前記第2の応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う第2判定手段と、して機能させることを特徴とする採用要否判定プログラム。
【請求項15】
コンピュータを、
入力された応募情報に基づいて採用要否判定処理を行う手段と、
前記手段によって「否」と判定された場合に、入社済み社員の社員情報を記憶する記憶手段に記憶された前記社員情報と前記応募情報との照合結果に基づいて採用要否判定処理を行う手段と、して機能させることを特徴とする採用要否判定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−266039(P2009−266039A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116365(P2008−116365)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(507399070)株式会社ゼウス・エンタープライズ (5)