説明

探針、探針形成用エッチングマスク及びそれを用いた探針の製造方法

【課題】結晶方位に依存せず先鋭な探針を形成することができる探針形成用エッチングマスク及びそれを用いた探針の製造方法を提供すること。
【解決手段】第1マスク部(11)と、第1マスク部の第1の辺(a1)の両端から延伸する第2マスク部(12)及び第3マスク部(13)と、第1の辺(a1)に対向する第2の辺(a2)の両端から延伸する第4マスク部(14)及び第5マスク部(15)とを備え、第2及び第3マスク部(12、13)が、第1の辺(a1)に直交する方向に沿って、相互に同じ方向に延伸し、第2及び第3マスク部(12、13)の長さが等しく、第2及び第3マスク部(12、13)の幅が等しく、第4及び第5マスク部(14、15)が、第2の辺(a2)を延長する方向に沿って、相互に逆の方向に延伸し、第4及び第5マスク部(14、15)の長さが等しく、第4及び第5マスク部(14、15)の幅が等しいことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小寸法のカンチレバーの先端部に形成された探針、探針を形成するための探針形成用エッチングマスク及びそれを用いた探針の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子間力顕微鏡(AFM)などで使用される微小な探針(プローブ)を持つカンチレバーを用いて微細な加工を行うナノリソグラフィ技術が知られている。これは、試料のシリコン表面やシリコン原子を含んだ単分子薄膜表面と導電性プローブとの間にバイアス電圧を印加しながら、それらの試料表面上で導電性プローブを走査することによって、空気中の水分子を電気化学反応させ、ナノスケールのSiOの線状の隆起パターンや溝パターンを形成する技術である。
【0003】
導電性プローブとしては、例えば図13の(a)に示したような先端部に探針を備えたカンチレバーが使用される。このとき、試料表面に接する探針が、図13の(b)に示したように先鋭、即ち曲率半径が小さいほど、より微細な形状の加工が可能となる。
【0004】
カンチレバーに探針を形成する方法としては、単結晶Si基板やSOI(Silicon On Insulator)基板を用い、探針を形成する部分に所定面積のエッチングマスクを形成し、それをエッチング液(KOH)中で異方性エッチングする方法が知られている。使用されるエッチングマスクの形状として、正方形や、図14に示した風車形のような90度の回転対称な形状(下記非特許文献1参照)が用いられている。これらのエッチングマスクの1辺が結晶方位[110]に沿って配置されていれば(図14では、シリコン表面が[100]面であり、それに垂直な面が[110]面である)、異方性エッチングの結果、エッチングマスクの角部分でのアンダーカット現象によって、傾斜した4面を持った、先鋭なピラミッド形状の探針が形成される(図13の(b)参照)。
【0005】
また、下記特許文献1には、探針の形成そのものを示すものではないが、KOHを用いた異方性エッチングの際に、長方形のエッチングマスクを使用すると、角の部分にアンダーカットが生じること、及び、これを防止するために長方形のエッチングマスクの角に、所定幅のエッチングマスクを放射状に形成することが開示されている。
【特許文献1】米国特許6,066,265号公報
【非特許文献1】JOURNAL OF MICROELECTROMECHANICAL SYSTEMS, VOL.2, NO.4, DECEMBER 1993, pp 151-159
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
正方形や図14に示した風車形のエッチングマスクを使用する場合、先鋭な探針を形成するには、エッチングマスクの各辺をSOI基板の単結晶シリコンの結晶方位[110]に精度よく揃えなければならない。即ち、エッチングマスクの配置が結晶方位[110]とずれている(マスクパターンのミスアライメント)と、異方性エッチングによって形成される4面の形成速度に差ができ、先端部が尾根状(図15参照)に形成されてしまう問題がある。
【0007】
SOI基板の結晶方位[110]は、SOI基板の外周上に形成された直線状の切り欠き(オリエンテーションフラット)によって知ることができるが、通常、所定の精度範囲内でばらつきがある。従って、SOI基板のオリエンテーションフラットに沿ってエッチングマスクを精度良く形成できたとしても、エッチングマスクの辺が実際の結晶方位[110]と揃っていることは保証されず、先鋭な探針が形成されない場合もある。
【0008】
本発明の目的は、上記の課題を解決すべく、先鋭な探針、パターニング時のミスアライメントに依存せず先鋭な探針を形成することができる探針形成用エッチングマスク及びそれを用いた探針の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、以下の手段によって達成される。
【0010】
即ち、本発明に係る探針形成用エッチングマスク(1)は、単結晶シリコンの表面に形成される異方性エッチング用マスクであって、正方形の第1マスク部と、少なくとも、前記第1マスク部の第1の辺の両端から延伸する一組の第2マスク部及び第3マスク部、又は、前記第1の辺に対向する第2の辺の両端から延伸する一組の第4マスク部及び第5マスク部の何れかの組とを備え、前記第2マスク部及び前記第3マスク部が、前記第1の辺に直交する方向に沿って、相互に同じ方向に延伸し、前記第2マスク部の長さ及び第3マスク部の長さが等しく、前記第2マスク部の幅及び第3マスク部の幅が等しく、前記第4マスク部及び前記第5マスク部が、前記第2の辺を延長する方向に沿って、相互に逆の方向に延伸し、前記第4マスク部の長さ及び第5マスク部の長さが等しく、前記第4マスク部の幅及び第5マスク部の幅が等しいことを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る探針形成用エッチングマスク(2)は、上記の探針形成用エッチングマスク(1)において、前記第2〜第5マスク部の全てを備え、前記第2〜第5マスク部の各々の幅が、全て等しいことを特徴としている。
【0012】
また、本発明に係る探針の製造方法(1)は、正方形の第1マスク部と、少なくとも、前記第1マスク部の第1の辺の両端から延伸する一組の第2マスク部及び第3マスク部、又は、前記第1の辺に対向する第2の辺の両端から延伸する一組の第4マスク部及び第5マスク部の何れかの組とを備え、前記第2マスク部及び前記第3マスク部が、前記第1の辺に直交する方向に沿って、相互に同じ方向に延伸し、前記第2マスク部の長さ及び第3マスク部の長さが等しく、前記第2マスク部の幅及び第3マスク部の幅が等しく、前記第4マスク部及び前記第5マスク部が、前記第2の辺を延長する方向に沿って、相互に逆の方向に延伸し、前記第4マスク部の長さ及び第5マスク部の長さが等しく、前記第4マスク部の幅及び第5マスク部の幅が等しいことを特徴とする探針形成用エッチングマスクを、単結晶シリコンの表面に形成し、異方性エッチングを行うことを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る探針の製造方法(2)は、上記の探針の製造方法(1)において、前記探針形成用エッチングマスクを、単結晶シリコンの表面に一つのあるいは所定の間隔で複数形成することを特徴としている。
【0014】
また、本発明に係る探針は、単結晶シリコンで形成された探針であって、裾野部分を除いた基部が、隣接する2つの[311]面と隣接する2つの[411]面とから構成され、先端部が2つの前記[311]面と1つの[n11]面(nは5以上の整数)とから構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るエッチングマスクを使用することによって、単結晶シリコン表面の異方性エッチングにより、表面形状計測あるいはナノリソグラフィなどに適した先鋭な探針を形成することが可能となる。
【0016】
本発明に係る探針は、先端部が3面で構成されているので、先端が非常に鋭く、表面形状計測やナノリソグラフィに適している。
【0017】
また、本発明に係るエッチングマスクの配置を単結晶シリコンの方位に高精度に揃える必要がないので、シリコンウエハのオリエンテーションフラットの若干の精度誤差やパターニング時のミスアライメントによらず、先鋭な端子を形成することができる。特に、複数のカンチレバーの先端に同時に先鋭な探針を形成することが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施の形態を、添付した図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る探針形成用エッチングマスクを示す平面図である。
【0019】
本エッチングマスク1は、正方形の第1マスク部11と、第1マスク部11の第1の辺a1の両端A、Bから延伸する第2マスク部12及び第3マスク部13と、第1の辺a1に対向する第2の辺a2の両端C、Dから延伸する第4マスク部14及び第5マスク部15とを備えている。
【0020】
ここで、第1〜第5マスク部11〜15は、エッチング対象である単結晶シリコン表面上に、同じ材料(例えば、シリコン酸化膜)及び所定の厚さで、一体に形成されている。第2マスク部12及び第3マスク部13は、第1の辺a1に直交し、相互に同じ方向に延伸し、長さL1が等しい。また、第4マスク部14及び第5マスク部15は、相互に逆方向、即ち、第2の辺a2を延長する方向に延伸し、長さL2が等しい。また、第2〜第5マスク部12〜15の幅Wは、全てほぼ等しい。
【0021】
ここで、本エッチングマスク1は、シリコン基板の結晶方位に沿うように形成することが望ましい。例えば、シリコン基板表面が[100]面である場合、第1マスク部の1辺が[110]面に沿うように形成するのが望ましい。また、単結晶シリコン表面上の本エッチングマスク1以外の所定領域には、エッチングされないように、使用するエッチング液に耐性をもった薄膜(例えば、耐アルカリ性薄膜)がコーティングされている。
【0022】
図1に示した形状のエッチングマスクを使用して、先鋭な探針を形成するには、カンチレバーを形成する公知の方法(例えば、上記特許文献1参照)において、シリコン表面上の探針を形成する場所に、図1に示した形状のエッチングマスクを形成した後、KOH溶液中で異方性エッチングを行えばよい。図2は、図1に示したエッチングマスクを使用して形成した探針の電子顕微鏡写真(以下、単に写真と記す)の一例を示す平面写真である。図2に示したように、探針は概ね2つの[311]面と2つの[411]面の4面から構成されている。即ち裾野部分を除いた基部では隣接する2つの[311]面と隣接する2つの[411]面の4面から構成され、先端部では擬似的に3面、即ち2つの[311]面と1つの高次の面とから構成されている。ここで、先端部、基部はそれぞれ、先端から探針の高さの1/10未満の領域、先端から探針の高さの1/10〜1/2の領域である。また、高次の面とは、[100]面に対して[411]面よりも大きな角度を成す[n11]面(nは5以上の整数)を意味する。このため、図15に示したように尾根状になることなく、先鋭な探針が形成されている。実際に、先端の曲率半径を20nm以下にすることができた。
【0023】
また、図3は、図1に示したエッチングマスクを約30μmの等間隔に配置して、同時に形成した複数の探針を示す写真である。図3に示したように、エッチングマスクの間隔で先鋭な探針が形成された。従って、図1に示したエッチングマスクを、所望の間隔でシリコン基板表面上に複数配置すれば、1列又はアレイ状に配置された複数本のカンチレバーの各先端に先鋭な探針を有するマルチプローブを形成することができる。マルチプローブ及びその製造方法に関しては、特開2005−300501号公報などに公知であるので説明を省略する。
【0024】
後述の実施例として示す実験結果から、先鋭な探針を形成するには、第1マスク部11の1辺の長さSに対する、第2マスク部及び第3マスク部12、13の長さL1の比L1/Sが0より大きく1.8以下であればよい。また、第4マスク部及び第5マスク部14、15の長さL2に関しては、L2/Sが0より大きく0.8以下であり、第2〜第5マスク部11〜15の幅Wに関しては、W/Sが0より大きく0.5以下であればよい。
【0025】
このとき、本探針形成用エッチングマスク1は、第1〜第5マスク部11〜15の全てを備えている必要はなく、第1マスク部11と、第2及び第3マスク部12、13の組、又は第4及び第5マスク部14、15の組の何れかの組とを備えていればよい。また、幅に関しては、第2及び第3マスク部12、13の幅が等しく、且つ第4及び第5マスク部14、15の幅が等しければよく、第2〜第5マスク部12〜15の幅の全てが等しくなくてもよい。
【0026】
また、先鋭な探針を形成するためのより望ましい条件は、第1〜第5マスク部11〜15の全てを備えていること、L1/S=1〜1.5、L2/S=0.4〜0.6、及びW/S=0.2〜0.3である。幅に関しては、上記と同様に、第2及び第3マスク12、13の幅が等しく、且つ第4及び第5マスク14、15の幅が等しければよく、第2〜第5マスク部12〜15の幅の全てが等しくなくてもよい。
【実施例】
【0027】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にし、先鋭な探針を形成するための望ましい条件に関して説明する。
【0028】
(実験1)
まず予備実験を行った。予備実験では、シリコン基板の表面上に、図1に示した形状のSiOのエッチングマスクを形成し、エッチング液KOH(濃度34重量%、温度70℃)を使用し、探針を形成した。このとき、エッチングマスクの配置をシリコンの結晶方位に合せた。形成したエッチグマスクの各部の寸法を表1、2に示す。第2〜第5マスク部の幅は全て等しくした。表1、2の右端の列には、各々のエッチングマスクを用いて形成した探針の写真から、探針の先鋭さ及び全体形状を目視によって評価した結果を示す。○は良好、△は使用可能、×は不良なものを表す。また、表1、2には、各マスク部の辺の長さを、第1マスク部の1辺Sを基準とした割合で示した。
【0029】
【表1】

表1の条件における良好な結果の一例を、図4に示す。図4は、表1のNo.3の条件で形成した探針の写真であり、探針が先鋭に形成されていることが分かる。この良好な条件から外れると、例えば図5に示したように、探針の先端が平坦に形成さるようになった。図5は、表1のNo.8の条件で形成した探針の写真であり、不良と評価された。
【0030】
【表2】

表2の条件における良好な結果の一例を、図6に示す。図6は、表2のNo.4の条件で形成した探針の写真であり、探針が先鋭に形成されていることが分かる。この良好な条件から外れると、例えば図7に示したように、探針の先端が平坦に形成さるようになった。図7は、表2のNo.9の条件で形成した探針の写真であり、不良と評価された。
【0031】
(実験2)
上記の予備実験の後、同様に、種々の形状のエッチングマスクを使用して、エッチング液KOH(濃度34重量%、温度70℃)を使用して、探針を形成した。実験2では、エッチングマスクの全体の寸法を実験1の場合の約1/10にした。具体的には、第1マスク部の1辺Sを16μmとした(実験1では200μm)。このとき、エッチングマスクの配置をシリコンの結晶方位に合せた。第2〜第5マスク部の幅は全て等しくした。形成したエッチグマスクの各部の寸法を表3に示す。表3の右端の列には、表1、2と同様に、形成した探針の形状を評価した結果を示す。記号(○、△、×)の意味は表1、2と同じである。また、表3には、各マスク部の辺の長さを、第1マスク部の1辺Sを基準とした割合で示した。
【0032】
【表3】

図8〜11に、形成された探針の一部の写真を示す。図8は、表3のNo.2の条件で形成した探針の写真である。図8から分かるように、基部から傾斜した4面が立ち上がり、その内の2面は矢印付近から先は擬似的に1面に形成されていた。従って、先端近傍は3面で形成されており、先端は尾根状に形成されることなく、先鋭に形成されていた。このとき、L1/S=1.25、L2/S=0.5、及びW/S=0.25である。
【0033】
表3のNo.1、3及び4は、No.2と同様にL1を20μmとし、L2を変化させた条件である。No.1、3の条件では、良好な探針が形成され、No.4の条件では探針の全体形状が若干悪くなったが、ナノリソグラフィ用の探針として使用可能なものであった。
【0034】
図9〜11はそれぞれ、No.6、12、15の条件で形成した探針の写真である。これらは、L2は同じ値(8μm)であるが、L1を変化させた条件である。図9〜11と図8とを比較すると、基部付近が大きくなり、それに続く2面の大きさが徐々に小さくなっている。図9〜11においても、先端近傍が3面から形成されており、先鋭な探針となっており、ナノリソグラフィ用の探針として良好であった。実験1、2から、図1に示したエッチングマスクを使用すれば、マスクの寸法に依存せず、第1〜第5マスク部の比率が適切な値であれば、先鋭な探針が形成されるといえる。
【0035】
実験1、2の他にも種々の条件で探針を形成し、その形状を評価した。図12には、その評価結果(実験1、2及びその他の実験結果を含む)を示す。図12では、第2〜第5マスク部の寸法を、第1マスク部の1辺の長さSを基準とした割合で表示している。即ち、横軸がL1/S、縦軸がL2/Sである。ここで、第2〜第5マスク部の幅は全て等しくした。図12に表示した記号(○、△、×)の意味は表1〜3と同じである。
【0036】
図12から分かるように、先鋭な探針を形成するには、0<L1/S≦1.8、0<L2/S≦0.8、且つ、0<W/S≦0.5 であればよい。
【0037】
また、先鋭な探針を形成するためのより望ましい条件は、1.0≦L1/S≦1.5、0.4≦L2/S≦0.6、及び、0.2≦W/S≦0.3である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態に係る探針形成用エッチングマスクを示す平面図である。
【図2】図1に示したエッチングマスクを使用して形成した探針の電子顕微鏡写真の一例を示す平面写真である。
【図3】図1に示したエッチングマスクを等間隔に配置して形成した複数の探針を示す電子顕微鏡写真である。
【図4】図1に示したエッチングマスクを使用して形成した探針の電子顕微鏡写真であり、(a)は平面写真、(b)は側面写真である。
【図5】図1に示したエッチングマスクを使用して形成した探針の電子顕微鏡写真であり、(a)は平面写真、(b)は側面写真である。
【図6】図1に示したエッチングマスクを使用して形成した探針の電子顕微鏡写真であり、(a)は平面写真、(b)は側面写真である。
【図7】図1に示したエッチングマスクを使用して形成した探針の電子顕微鏡写真であり、(a)は平面写真、(b)は側面写真である。
【図8】図1に示したエッチングマスクを使用して形成した探針の電子顕微鏡写真であり、(a)は平面写真、(b)は側面写真である。
【図9】図1に示したエッチングマスクを使用して形成した探針の電子顕微鏡写真であり、(a)は平面写真、(b)は側面写真である。
【図10】図1に示したエッチングマスクを使用して形成した探針の電子顕微鏡写真であり、(a)は平面写真、(b)は側面写真である。
【図11】図1に示したエッチングマスクを使用して形成した探針の電子顕微鏡写真であり、(a)は平面写真、(b)は側面写真である。
【図12】実験結果全体をプロットした図である。
【図13】(a)は探針が形成されたカンチレバーの先端部を示す斜視図であり、(b)は先鋭な探針を示す斜視図である。
【図14】従来の探針形成用エッチングマスクを示す平面図である。
【図15】先端が尾根状に形成された探針を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1 探針形成用エッチングマスク
11 第1マスク部
12 第2マスク部
13 第3マスク部
14 第4マスク部
15 第5マスク部
a1 第1の辺
a2 第2の辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶シリコンの表面に形成される異方性エッチング用マスクであって、
正方形の第1マスク部と、
少なくとも、
前記第1マスク部の第1の辺の両端から延伸する一組の第2マスク部及び第3マスク部、又は、前記第1の辺に対向する第2の辺の両端から延伸する一組の第4マスク部及び第5マスク部の何れかの組とを備え、
前記第2マスク部及び前記第3マスク部が、前記第1の辺に直交する方向に沿って、相互に同じ方向に延伸し、
前記第2マスク部の長さ及び第3マスク部の長さが等しく、
前記第2マスク部の幅及び第3マスク部の幅が等しく、
前記第4マスク部及び前記第5マスク部が、前記第2の辺を延長する方向に沿って、相互に逆の方向に延伸し、
前記第4マスク部の長さ及び第5マスク部の長さが等しく、
前記第4マスク部の幅及び第5マスク部の幅が等しいことを特徴とする探針形成用エッチングマスク。
【請求項2】
前記第2〜第5マスク部の全てを備え、
前記第2〜第5マスク部の各々の幅が、全て等しいことを特徴とする請求項1に記載の探針形成用エッチングマスク。
【請求項3】
正方形の第1マスク部と、
少なくとも、
前記第1マスク部の第1の辺の両端から延伸する一組の第2マスク部及び第3マスク部、又は、前記第1の辺に対向する第2の辺の両端から延伸する一組の第4マスク部及び第5マスク部の何れかの組とを備え、
前記第2マスク部及び前記第3マスク部が、前記第1の辺に直交する方向に沿って、相互に同じ方向に延伸し、
前記第2マスク部の長さ及び第3マスク部の長さが等しく、
前記第2マスク部の幅及び第3マスク部の幅が等しく、
前記第4マスク部及び前記第5マスク部が、前記第2の辺を延長する方向に沿って、相互に逆の方向に延伸し、
前記第4マスク部の長さ及び第5マスク部の長さが等しく、
前記第4マスク部の幅及び第5マスク部の幅が等しいことを特徴とする探針形成用エッチングマスクを、単結晶シリコンの表面に形成し、異方性エッチングを行うことを特徴とする探針の製造方法。
【請求項4】
前記探針形成用エッチングマスクを、単結晶シリコンの表面に所定の間隔で複数形成することを特徴とする請求項3に記載の探針の製造方法。
【請求項5】
単結晶シリコンで形成された探針であって、
裾野部分を除いた基部が、隣接する2つの[311]面と隣接する2つの[411]面とから構成され、
先端部が2つの前記[311]面と1つの[n11]面(nは5以上の整数)とから構成されていることを特徴とする探針。

【図1】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−31038(P2009−31038A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−193274(P2007−193274)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(593006630)学校法人立命館 (359)