説明

接着剤組成物

【課題】自動車内装材の製造に適用可能な、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンに対して優れた接着性を有し、耐熱性にも優れた湿気硬化型接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)少なくとも1つの不飽和結合を含有するスチレンブロック共重合体と、(B)スチレン含有量が15重量%以上である水添スチレンブロック共重合体と、(C)不飽和結合を有するシラン化合物と、(D)酸変性ポリオレフィン樹脂と、(E)重合開始剤と、を含んでなる接着剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤組成物、さらに詳細には、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンよりなる材料の接着に特に有用な、耐熱性に優れた接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車内装材(例えば、天井、ドアトリム、インパネ、ダッシュサイレンサー、センターコンソール、ピラー、オーナメント、リアパーセル、座席シートなど)は、一般に、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンよりなる成型品に、ポリオレフィンよりなる表皮材またはファブリックなどの加飾材が、真空成形工法、プレス圧着工法などにおいて、接着剤によって接着されたものである。従来、このような接着には、クロロプレン系接着剤が使用されてきた。しかしながら、環境安全性上、クロロプレン系接着剤からハロゲンを含有しない接着剤への代替が望まれている。
【0003】
クロロプレン系接着剤の代替としてスチレン共重合体をベースポリマーとした接着剤が存在するが、耐熱性が低く、自動車内装材の接着用途には適していない。また、その耐熱性の向上を図るため、スチレン共重合体をシラン変性することも行われている(特許文献1および2)が、これらの接着剤は、ポリオレフィンに対する耐熱接着性が十分ではなく、さらに、耐熱接着性を改良すべくオレフィン系密着剤を添加した場合、相分離が起こる問題があった。
【特許文献1】特開2000−303047号公報
【特許文献2】特開平06−33027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、自動車内装材の製造に適用可能な、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンに対して優れた接着性を有し、耐熱性にも優れた湿気硬化型接着剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、ベースポリマーとしての(A)少なくとも1つの不飽和結合を含有するスチレンブロック共重合体と、これにグラフトする(C)不飽和結合を有するシラン化合物と、当該グラフトに使用する(E)重合開始剤と、特にポリオレフィンに対する密着剤としての(D)酸変性ポリオレフィン樹脂と、さらに、相分離を防止するための(B)スチレン含有量が15重量%以上である水添スチレンブロック共重合体とを含有する接着剤組成物によって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明には、以下のものが含まれる。
〔1〕(A)少なくとも1つの不飽和結合を含有するスチレンブロック共重合体と、
(B)スチレン含有量が15重量%以上である水添スチレンブロック共重合体と、
(C)不飽和結合を有するシラン化合物と、
(D)酸変性ポリオレフィン樹脂と、
(E)重合開始剤と、
を含んでなる接着剤組成物。
〔2〕上記シラン化合物(C)の少なくとも一部が上記スチレンブロック共重合体(A)にグラフトされている、上記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔3〕上記重合開始剤(E)はラジカルを生成する重合開始剤である、上記〔1〕または〔2〕に記載の接着剤組成物。
〔4〕上記スチレンブロック共重合体(A)と上記水添スチレンブロック共重合体(B)の重量比(A)/(B)が100/10〜100/100である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の接着剤組成物。
〔5〕上記スチレンブロック共重合体(A)と上記シラン化合物(C)の重量比(A)/(C)が100/1〜100/50である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の接着剤組成物。
〔6〕上記スチレンブロック共重合体(A)と上記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)の重量比(A)/(D)が100/10〜100/100である、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の接着剤組成物。
〔7〕上記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)は、10,000以上の重量平均分子量を有する、上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の接着剤組成物。
〔8〕上記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)は、0.5重量%以上の酸変性量を有する、上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の接着剤組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明の接着剤組成物は、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンに対して優れた接着性を有し、かつ、耐熱性にも優れているので、自動車内装材の製造におけるポリオレフィン成形品とポリオレフィン表皮材の接着に特に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の接着剤組成物は、(A)少なくとも1つの不飽和結合を含有するスチレンブロック共重合体をベースポリマーとして含有する。
上記スチレンブロック共重合体(A)としては、例えば、一般式A−B−AまたはA−B〔式中、Aはポリスチレン部を示し、Bはジエン重合体を示す〕で示される共重合体が挙げられ、具体的には、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−ヘキサジエン−スチレン、スチレン−ペンタジエン−スチレンなどが挙げられる。また、Bはポリオレフィンを不飽和結合を含有する化合物で変性した重合体でもよく、例えば、アクリル酸変性ポリオレフィン、マレイン酸変性ポリオレフィンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0008】
上記スチレンブロック共重合体(A)としては、ポリオレフィン樹脂など、極性の低い被着体への接着性、および不飽和結合を有するシラン化合物(C)との反応性の点から、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体が好ましい。
【0009】
本発明の接着剤組成物は、(B)スチレン含有量が15重量%以上である水添スチレンブロック共重合体を、上記スチレンブロック共重合体(A)と下記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)の相溶化剤として含有する。
上記水添スチレンブロック共重合体(B)としては、例えば、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)などが挙げられ、さらに、上記スチレン共重合体を無水マレイン酸やアクリル酸などで変性したものも含まれる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0010】
上記水添スチレンブロック共重合体(B)のスチレン含有量(ポリスチレン部の含有量)は、15重量%以上、より好ましくは30重量%以上である。スチレン含有量が15重量%未満の場合、スチレンブロック共重合体(A)と酸変性ポリオレフィン樹脂(D)の相溶化剤としての効果が不十分になる。一方、スチレン含有量の上限は、特に限定されないが、含有量が多くなると接着剤のポリオレフィンへの接着性が低下し、接着剤硬化物の柔軟性が損なわれる為、ポリオレフィンからの界面破壊が生じやすくなる。この点から、好ましくは70重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。
ここで、スチレン含有量は、重合時の配合比率により決定される値を意味する。
【0011】
上記水添スチレンブロック共重合体(B)としては、スチレンブロック共重合体(A)と酸変性ポリオレフィン樹脂(D)の相溶化剤としての効果の点から、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)であることが好ましい。
【0012】
本発明の接着剤組成物において、上記スチレンブロック共重合体(A)と上記水添スチレンブロック共重合体(B)の重量比(A)/(B)は、好ましくは100/10〜100/100、より好ましくは100/30〜100/80である。上記スチレンブロック共重合体(A)100重量部に対して上記水添スチレンブロック共重合体(B)が10重量部未満の場合、酸変性ポリオレフィン樹脂(D)の相溶性が低下し、分離が起こりやすくなる虞がある。一方、上記スチレンブロック共重合体(A)100重量部に対して上記水添スチレンブロック共重合体(B)が100重量部を超える場合、接着剤組成物の耐熱性が低下する虞がある。
【0013】
本発明の接着剤組成物における(C)不飽和結合を有するシラン化合物は、上記スチレンブロック共重合体(A)に湿気架橋基を付与するために使用される。すなわち、上記シラン化合物(C)は、下記重合開始剤(E)の作用により上記スチレンブロック共重合体(A)にグラフトして湿気架橋基を形成する。
上記シラン化合物(C)としては、例えば、ビニルシラン(例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなど)、スチリルシラン(例えば、p−スチリルトリメトキシシランなど)、メタクリロキシシラン(例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなど)、アクリロキシシラン(例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなど)などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】
上記シラン化合物(C)としては、上記スチレンブロック共重合体(A)との反応性の点から、メタクリロキシシランが好ましい。
【0015】
本発明の接着剤組成物において、上記スチレンブロック共重合体(A)と上記シラン化合物(C)の重量比(A)/(C)は、好ましくは100/1〜100/50、より好ましくは100/5〜100/15である。上記スチレンブロック共重合体(A)100重量部に対して上記シラン化合物(C)が1重量部未満の場合、本発明の接着剤組成物の耐熱性が不足する虞がある。一方、上記スチレンブロック共重合体(A)100重量部に対して上記シラン化合物(C)が50重量部を超える場合、スチレンブロック共重合体(A)と未反応の上記シラン化合物(C)が多く接着剤組成物内に残り、沈降物の発生原因となる虞がある。
【0016】
本発明の接着剤組成物における(D)酸変性ポリオレフィン樹脂は、本発明の接着剤組成物のポリオレフィンに対する密着性を向上させる密着剤として作用する。
上記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)としては、例えば、酸変性ポリプロピレン、酸変性ポリエチレン、酸変性ポリブテン、酸変性ポリプロピレン−エチレン、酸変性ポリプロピレン−ブテン、酸変性ポリエチレン−ブテン、酸変性ポリプロピレン−エチレン−ブテンであるものが挙げられ、具体的には、マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】
上記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)の重量平均分子量は、好ましくは10,000以上、より好ましくは50,000以上である。重量平均分子量が10,000未満の場合、本発明の接着剤の耐熱性が著しく低下する虞がある。一方、重量平均分子量の上限は、特に限定されないが、溶剤への溶解性の点から、好ましくは100,000以下、より好ましくは70,000以下である。
ここで、重量平均分子量は、酸変性ポリオレフィン樹脂(D)の液体クロマトグラフによる重量平均分子量測定により決定される値を意味する。
【0018】
上記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)の酸変性量は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1.0重量%以上である。酸変性ポリオレフィン樹脂(D)の酸変性量が0.5重量%未満の場合、溶解性および他の樹脂との相溶性が低下する虞がある。一方、酸変性量の上限は、特に限定されないが、接着剤組成物のポリオレフィン樹脂など、極性の低い被着体への接着性の点から、好ましくは5.0重量%以下、より好ましくは3.5重量%以下である。
ここで、酸変性量は、上記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)の製造時の配合量により決定される値を意味する。
【0019】
本発明の接着剤組成物において、上記スチレンブロック共重合体(A)と上記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)の重量比(A)/(D)は、好ましくは100/10〜100/100、より好ましくは100/25〜100/50である。上記スチレンブロック共重合体(A)100重量部に対して上記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)が10重量部未満の場合、本発明の接着剤組成物のポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)への接着性が不足する虞がある。一方、上記スチレンブロック共重合体(A)100重量部に対して上記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)が100重量部を超える場合、本発明の接着剤組成物の耐熱性が低下する虞がある。
【0020】
本発明の接着剤組成物における(E)重合開始剤は、上記スチレンブロック共重合体(A)に上記シラン化合物(C)をグラフトするために使用される。
上記重合開始剤(E)としては、例えば、加熱によりラジカルを生成する化合物が挙げられ、例えば、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシケタールなどの過酸化物、2,2−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】
上記重合開始剤(E)としては、重合性と取り扱い時の安全性の点から、60〜100℃で半減期を有するものが好ましい。
【0022】
本発明の接着剤組成物において、上記スチレンブロック共重合体(A)と上記重合開始剤(E)の重量比(A)/(E)は、好ましくは100/0.05〜100/10、より好ましくは100/0.1〜100/5である。上記スチレンブロック共重合体(A)100重量部に対して上記重合開始剤(E)が0.05重量部未満の場合、上記シラン化合物(C)が重合せず、および上記スチレンブロック共重合体(A)にグラフトされず、接着性組成物の湿気硬化性を損なう虞がある。一方、上記スチレンブロック共重合体(A)100重量部に対して上記重合開始剤(E)が10重量部を超える場合、合成時に反応が過剰となり、上記スチレンブロック共重合体(A)が高分子量化して溶剤への溶解性が低下する虞がある。
【0023】
本発明の接着剤組成物は、上記シラン化合物(C)の少なくとも一部、例えば、上記シラン化合物(C)全体の5〜100重量%、好ましくは20〜100重量%が上記スチレンブロック共重合体(A)に予めグラフトされていることが好ましい。上記シラン化合物(C)がグラフトされていることにより、湿気硬化性が可能となり耐熱性も付与できる。また、この場合、接着剤組成物のコストの点でも有利となる。
上記シラン化合物(C)の上記スチレンブロック共重合体(A)へのグラフトは、例えば、上記重合開始剤(E)を使用して組成物を加熱攪拌(例えば、60〜90℃にて60〜360分)することにより行うことができる。
【0024】
本発明の接着剤組成物は、上記各成分のほか、さらに必要に応じて溶剤、粘着剤、粘着付与樹脂、老化防止剤、脱水剤、着色剤などの各種添加剤を適量含有していてもよい。
【0025】
本発明の接着剤組成物は、上記成分(A)〜(E)およびその他の添加剤を常法にしたがって順次添加し、混合することによって製造することができる。
【0026】
本発明の接着剤組成物は、通常、これを常法(例えば、スプレー法)にしたがって被着体上に塗布し、乾燥(通常、室温〜120℃にて数秒〜10分)し、空気中の湿気により硬化(通常、5〜100%RH(相対湿度)、−10〜100℃にて2〜48時間)させることができる。本発明の接着剤組成物が適用される被着体としては、特にポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンよりなる材料が挙げられるが、ポリオレフィン以外の材料、例えば、ウレタン、ナイロン、ファブリック、ABS樹脂、PVCなどに対しても適用することができる。
特に、本発明の接着剤組成物は、ポリオレフィンに対して優れた接着性を有し、かつ、耐熱性にも優れているので、自動車内装材、例えば、天井、ドアトリム、インパネ、ダッシュサイレンサー、センターコンソール、ピラー、オーナメント、リアパーセル、座席シートなどの製造において、ポリオレフィン成形品とポリオレフィン表皮材を真空成形法、圧着工法などを用いて接着するのに特に適している。
【実施例】
【0027】
次に、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、実施例および比較例の接着剤組成物の評価項目および評価方法を以下に示す。
【0028】
〔評価項目および評価方法〕
[相溶性]
接着剤組成物の各成分を配合し、40℃で10日間放置した後、目視にて溶液状態を確認した。
[接着性]
(1)常態剥離
下記の条件にて接着剤組成物を塗布および乾燥して被着体と表皮材を貼り合せ、20℃、65%RH(相対湿度)にて24時間養生した後の剥離状態を確認し、次のように評価した。
FMB:表皮材の材料破壊
FAF:表皮側からの界面破壊
(2)耐熱クリープ
下記の条件にて接着剤組成物を塗布および乾燥して被着体と表皮材を貼り合せ、20℃、65%RH(相対湿度)にて24時間養生し、80℃にて24時間(荷重:100g)後の剥離長さ(mm)を測定した。
(貼り合せ条件)
被着体:PP(ポリプロピレン)×PPF(フィラー入りPP)
接着剤組成物の塗布量:200g/m
乾燥:80℃×2分間
表皮材(PPF)加熱条件:120℃×1分間
圧締:0.05MPa×15秒間
【0029】
〔実施例1〜4および比較例1〜5〕
下記表1に示す各成分(重量部)を配合し、各接着剤組成物を製造した。得られた各接着剤組成物について、上記のように評価を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】

【0031】
(A)D−1101:SBS(クレイトンポリマージャパン株式会社製)
(B)S−8007:SEBS(スチレン含有量30重量%;株式会社クラレ製)
(B’)H−1221:SEBS(スチレン含有量12重量%;旭化成ケミカルズ株式会社製)
(D)酸変性ポリプロピレン:無水マレイン酸変性オレフィン樹脂(重量平均分子量60,000、酸変性量1.0重量%;東洋化成工業株式会社製)
(E)ナイパーFF:ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂株式会社製)
(C)KBM−503:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業会社製)
・石油系粘着剤:脂環族系飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業株式会社製)
【0032】
上記表1に示されるように、実施例の接着剤組成物においては、常温および加熱時において良好な接着性が得られることが明らかとなった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)少なくとも1つの不飽和結合を含有するスチレンブロック共重合体と、
(B)スチレン含有量が15重量%以上である水添スチレンブロック共重合体と、
(C)不飽和結合を有するシラン化合物と、
(D)酸変性ポリオレフィン樹脂と、
(E)重合開始剤と、
を含んでなる接着剤組成物。
【請求項2】
上記シラン化合物(C)の少なくとも一部が上記スチレンブロック共重合体(A)にグラフトされている、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
上記重合開始剤(E)はラジカルを生成する重合開始剤である、請求項1または2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
上記スチレンブロック共重合体(A)と上記水添スチレンブロック共重合体(B)の重量比(A)/(B)が100/10〜100/100である、請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤組成物。
【請求項5】
上記スチレンブロック共重合体(A)と上記シラン化合物(C)の重量比(A)/(C)が100/1〜100/50である、請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤組成物。
【請求項6】
上記スチレンブロック共重合体(A)と上記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)の重量比(A)/(D)が100/10〜100/100である、請求項1〜5のいずれかに記載の接着剤組成物。
【請求項7】
上記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)は、10,000以上の重量平均分子量を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の接着剤組成物。
【請求項8】
上記酸変性ポリオレフィン樹脂(D)は、0.5重量%以上の酸変性量を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の接着剤組成物。

【公開番号】特開2009−144055(P2009−144055A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322877(P2007−322877)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(305032254)サンスター技研株式会社 (97)
【Fターム(参考)】