説明

接続可能性を備えたリフト装置、特にケーブル牽引機構

【課題】 モジュール設計を特徴とするリフト装置、特にケーブルウィンチを提供する。
【解決手段】 本発明は、少なくとも2つのベースプレートを有するベースフレームを備え、ベースプレートを相互接続しかつ互いに間隔を置いて配置された少なくとも2つの長手方向ビームと、ベースプレートに固定されかつ長手方向ビームと略平行に延びるケーブルリービング部品のための少なくとも1つの取着可能な横部材とをさらに備えた、リフト装置、特にケーブル牽引機構に関する。モジュール設計を特徴とするリフト装置、特にケーブル牽引機構を形成するために、ケーブルリービング部品のための取着可能な横部材(9a、9b)を代替的にかつ着脱自在に固定することのできる複数の取付け点が、ベースプレート(4a、4b)の各々に配設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つのベースプレートを含むベースフレームを有し、互いに離間配置されベースプレートを一体に接続する少なくとも2つの長手方向ビームと、ベースプレートに取着されかつ長手方向ビームと基本的に平行に延びる、ケーブルリービング部品のための少なくとも1つの取付け用横ビームとを有する、リフト装置、特にケーブルウィンチに関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ特許第DE102005029113B3号明細書から、電動モータによって駆動されるケーブルウィンチは公知である。電動モータは、ベースフレームに横方向外側に取着されたトランスミッションにフランジ取付けされる。ベースフレームは、互いに間隔を置いて平行に配置された2つのベースプレートを有する。ベースプレートは管状の長手方向ビームを介して互いに離間して配置され、かつ互いに解放可能に接続される。ケーブルドラムはベースプレートの間に取り付けられ、かつ電動モータによって駆動される。ケーブルドラムの回転軸は、長手方向ビームの長手方向の延びと平行に向けられる。以前にベースプレートとして設計されたリフト装置の構成部品は、リフト装置の様々な機能を果たす筐体部品とすることもできる。例えば、これらはトランスミッション構成部品を受容し、リフト駆動装置を取着し、ケーブルドラムを取り付け、ケーブルリービング装置の部品用の横ビームを取り付け、電気機器を受容し、リフト装置を足取着することを含めて取着し、または走行機構部品を取着するのに役立つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ特許第DE102005029113B3号明細書
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、モジュール設計を特徴とするリフト装置、特にケーブルウィンチを作成することである。
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を有するリフト装置、特にケーブルウィンチによって達成される。本発明の有利な実施形態を従属請求項2ないし10に記載する。
【0006】
本発明では、少なくとも2つのベースプレートを含むベースフレームを有し、互いに離間配置されベースプレートを一体に接続する少なくとも2つの長手方向ビームを有し、かつベースプレートに取着されかつ長手方向ビームと実質的に平行に延びる、ケーブルリービング部品のための少なくとも1つの取付け用横ビームを有する、リフト装置、特にケーブルウィンチの場合、モジュール設計は、複数の取着位置がベースプレートの各々に配置され、該取着位置にケーブルリービング部品のための取付け用横ビームを要望に応じて解放可能に取着することができることにより達成される。したがって、必要に応じてケーブルリービング部品のための1つまたは2つの取付け用横ビームをそれぞれ必要な取着位置に取り付けることのできる、一種の輪郭を形成することが容易に可能になる。取着位置によって、ベースプレートとケーブルリービング部品のための取付け用横ビームとの間の汎用インタフェースが形成される。以前から公知の解決策には、種々のリービング関係(例えば2/1;4/1;4/2等)のための上部滑車およびケーブル固定点横ビームのような異なるリービング組立体の取着、ならびに下部フランジトロリ、短設計型のモノレールトロリ、二軌条トロリ、および静止リフト機構、例えば足取付け型ホイストのような異なる設計のリフト装置のためのコヒーレントな設計は存在しない。多くの異なる組立体および構成部品が必要である。これは本発明によって回避されるので、多数の部品、煩雑なロジスティックスおよび管理、少数バッチによる高い部品コスト、非効率的な製造、および費用のかかる貯蔵のような公知の不利点は大きい影響を受ける。
【0007】
ベースプレートが略正方形または長方形に形成され、取着位置がベースプレートの少なくとも2つの異なる縁に配置されるように備えることが有利である。ベースプレート毎に3つの取着位置を設けることが好ましい。
【0008】
ケーブルドラムがすでに取り付けられているか、または別の取着位置に変位させることができる場合に、ケーブルリービング部品のための取付け用横ビームをベースプレート間に取り付けることもできるようにするために、取着位置は、ケーブルドラムの回転軸の方向に見たときにケーブルドラムによって隠蔽されるベースプレートの領域外に配置される。また、取着位置をベースプレートの内側に配置することも有利である。
【0009】
取着位置が第1ベースプレートの第1孔および第2ベースプレートの第2孔として形成される場合、空間は特に節約される。したがって、ケーブルドラムの使用可能な長さを縮減することなく、受け板をベースプレートに取り付けることができる。
【0010】
ベースプレートに対し横方向に突出するようにケーブルリービング部品のための取付け用横ビームの取付けを容易に可能にするために、ケーブルリービング部品のための取付け用横ビームは、第1および第2受け板を介してベースプレートに解放可能に取着することができる。第1および第2受け板は第1および第2孔内に配置することができ、第1および第2ベースプレートの輪郭を越えて突出する取着部を有する。このようにして、ケーブルリービング装置の取付け用横ビームのための懸架穴は、受け板のような単純な金属シートの穴として作成することが容易にできる。これらの受け板は必要に応じてベースプレートの鋳造部品内に、リフト機構の長さに対して受け板の同一接触距離が常に達成されるようにモジュール式に容易に取り付けることができる。しかし、受け板が取り外されたときに、ベースプレートのそれぞれの側は、リフト機構を所与の接続構造に取り付けるために利用可能であり続ける。さらに、受け板が取り外された状態のリフト機構の全体的寸法は小さいままであるので、有利である。リフト装置および足フランジの実際の機能および寸法は、受け板の可能な取付けによって低減されない。これは、リフト機構の全ての設置位置、および固定長のリフト機構のシリーズ内の全ての構造型に等しく当てはまる。異なる長さのリフト機構を考慮しても、受け板の貯蔵および可能な取付けの原理は変わらず、それは、単純なキットにより真のモジュール式解決策が生成されることを意味する。
【0011】
巻き取られかつ繰り出されるケーブルの垂直配向に従動することができるようにするために、取付け用横ビームは、第1および第2受け板のそれぞれの取着部に揺動自在に懸架される。
【0012】
特に有利なことに、ケーブル滑車またはケーブル固定点が取付け用横ビームに取着される。
【0013】
従来通り、ケーブルドラムは両端をベースプレートの間にそれらの内側に取り付けられ、ケーブルドラムの回転軸は長手方向ビームの長手軸と平行に向けられる。
【0014】
本発明の例示的実施形態について、図面を参照しながら以下でさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】足取付け型ホイストとして形成された本発明に係るケーブルウィンチの斜視図である。
【図2】図1の部分垂直断面斜視図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】図1の第1ベースプレートの内側の詳細図である。
【図5】図1の第2ベースプレートの内側の詳細図である。
【図6】下部フランジ設計のモノレールクレーントロリとしての本発明に係るケーブルウィンチの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、ベースフレーム3の両端に取り付けられたケーブルドラム2を有する、本発明に係るケーブルウィンチ1の斜視図を示す。ケーブルウィンチ1は、ベースフレーム3にアングル要素8が取着されたいわゆる足取付け型ホイストとして形成され、図示しない支持構造体上、または倉庫の床に設置され、その位置に取着される。
【0017】
全体的に直方体様の形状を持つベースフレーム3は、一方では第1ベースプレート4aおよび第2ベースプレート4bから構成され、それらの互いに対面する第1および第2内側4cおよび4dにケーブルドラム2が取り付けられる。ケーブルドラム2は回転軸Dを中心に回転自在であり、トランスミッション2bを介して電動モータ2aによって駆動される。第1ベースプレート4aおよび第2ベースプレート4bは各々直方体様または断面で見ると長方形であり、各々に丸みを帯びた角隅領域が形成される。
【0018】
他方、直方体様のベースフレーム3は、最大4つまでの幾つかの長手方向ビームから構成され、そのうちの第1長手方向ビーム5aおよび第2長手方向ビーム5bを図1に見ることができる。第3長手方向ビームは第1長手方向ビーム5aの下に配置され、ケーブルドラム2によって隠蔽されている。ベースプレート4a、4bは互いに離間配置され、長手方向ビーム5a、5bを介して一体に接続される。長手方向ビーム5a、5bは、第1および第2ベースプレート4a、4bの仮想四角形の角隅に配置される。第1ベースプレート4aの場合、長手方向ビーム5a、5bは略正方形のベースプレート4bの角隅領域に配置される。第2ベースプレート4bは、電動モータ2aを取着するために第2長手方向ビーム5bを越えて延長されるので、第1ベースプレート4aと比較して長方形である。相応して、第2長手方向ビーム5bおよび可能な第4長手方向ビームは第2ベースプレート4bの前部角隅の領域に配置され、第1長手方向ビーム5aおよび第3長手方向ビームはおおよそ第2ベースプレート4bの中心および側縁の領域に配置される。さらに、この第2ベースプレート4bはその外側4fにトランスミッション2bを受容し、該トランスミッションはケーブルドラム2を電動モータ2aに駆動可能に接続する。この目的のために、ベースプレート4bは、その外側4fの領域をポット状またはトラフ状に形成される。
【0019】
長手方向ビーム5a、5bは中実棒として形成され、ケーブルウィンチ1の用途に応じて2つないし4つの長手方向ビーム5a、5bが設けられ、前記ビームはベースプレート4a、4bの選択された角隅または全部の角隅に配置される。長手方向ビーム5a、5bは、ベースプレート4a、4bをねじれに抵抗するように一体に接続するために使用され、2つのベースプレート4a、4b間の所望の許容範囲内の所望の距離および平行性が、長手方向ビーム5a、5bの長さによって達成される。図示した例示的実施形態では、全部で3つの長手方向ビーム5a、5bが設けられる。第4の長手方向ビーム5は、ケーブルドラム2からの図示しないケーブルの巻取りおよび繰出しを妨害しないために取り付けられない。長手方向ビーム5a、5bは各々、第1ビーム端および反対側の第2ビーム端を含む。第1ビーム端は各々第1ベースプレート4aに解放可能に取着され、第2ビーム端は各々第2ベースプレート4bに解放可能に取着される。この目的のためにねじ接続を使用することが好ましく、長手方向ビーム5a、5bのビーム端を受容するための第1および第2受容開口11a、11bがベースプレート4a、4bに配置される。
【0020】
図1は、いわゆる動作状態の、すなわち長手方向ビーム5a、5bを組み立てた後のケーブルウィンチを示す。この動作状態では、長手方向ビーム5a、5bは、それらの長手軸Lをケーブルドラム2の回転軸Dと平行にかつそれから横方向に変位して配向される。
【0021】
図1は、いわゆる足取付け型ホイストとしてのケーブルウィンチ1を示す。このケーブルウィンチ1は、他の取付け要素を使用する場合、図示するアングル要素8の代わりに、クレーントロリの構成部品となることもでき、その場合走行機構の構成部品がベースプレート4a、4bに取着される。可能なクレーントロリ設計として、下部フランジクレーントロリ、ケーブルウィンチ1が軌条に隣接して配設された短設計のモノレールクレーントロリ、および二軌条クレーントロリが挙げられる。長手方向ビーム5aおよび5bの数は、ベースフレーム3のそれぞれの安定性要件およびケーブルウィンチ1の設置位置、ならびに結果としてのケーブルドラム2からのケーブルの繰出し状態に応じて、2から4の間で変動することができる。ケーブル繰出しの領域における支持棒が省かれることは有利になり得る。
【0022】
相応して、ベースプレート4a、4bは、ケーブルドラム2を取り付けることに加えて、例えばトランスミッション構成部品を受容し、電気駆動装置2aを支持し、ケーブルリービング装置の部品のための取付け用横ビームを受容し、電気機器を収容し、ケーブルウィンチの足の取着を可能にし、または走行機構部品を取着するなど、様々な他の機能を有する。
【0023】
ケーブルドラム2と平行にかつケーブルドラム2に隣接して延びる、ケーブルリービング装置の部品のための第1および第2取付け用横ビーム9a、9bを、2つのベースプレート4a、4bの間に取着するために、それぞれの取着位置が第1ベースプレート4aの内側4cおよび第2ベースプレート4bの内側4dに設けられる。各々の場合に、複数の取着位置が設けられ、そのうちの1つまたは2つが、必要に応じて、かつケーブルウィンチの用途、電動モータ2aの向き、およびケーブルドラムからのケーブルの繰出し部の所望の位置に応じて、第1および第2取付け用横ビーム9a、9bをケーブルウィンチ1に選択的に取着するために使用される。取着位置は、第1ベースプレート4aの内側4cに通された第1孔10a、および第2ベースプレート4bの内側4dに通された第2孔10bとして形成される。各ベースプレート4a、4bに対し、3つの孔10a、10bが設けられ、それらは各々略平坦な長方形を有し、かつそれらの長手方向の延びがそれぞれのベースプレート4a、4bの外縁と平行に延びる。第1および第2孔10a、10bはまた各々、長手方向ビーム5aおよび5bのための第1および第2受容開口11a、11bを持つ角隅領域の外側に、したがって受容開口11a、11bの間に配置される。所望の数のそれぞれの第1および第2受け板12a、12bが第1および第2孔10a、10b内に配置され、所望の取着位置で、それぞれの第1および第2孔10a、10b内に配置され、次いでその位置で少なくとも2つのねじ13により第1および第2ベースプレート4a、4bに取着される。受け板12a、12bは、それらの機能に関連して、取着領域12cおよび懸架領域12dに分けることができる。取着領域12cでは、孔10a、10bにおける受け板12a、12bの解放可能な取着が行なわれ、懸架領域12dでは、取付け用横ビーム9の取着が行なわれる。さらに、受け板12a、12bは平坦でありかつ板金の形を取り、長手方向Lに見て、かつベースプレート4a、4bのそれぞれの内側4c、4dの方向に見て、孔10a、10bの深さに相応する厚さを有する。受け板12a、12bの外側輪郭は、これらの板の取着領域12cが隙間を維持しながら孔10a、10b内に嵌合するように選択される。孔10a、10bは、受け板12a、12bの懸架領域12dがベースプレート4a、4bを越えて側方に突出するように、ベースプレート4a、4bの外縁に開口する。受け板12a、12bは全体的に、頂部が平坦化されかつ矩形の基部が取着領域12cに存する略三角形を有する。取着領域12cには、3つの穴14が設けられ、そこにねじ13が通され、ベースプレート4a、4bの内側4c、4dの孔10a、10bの領域のねじ穴14にねじ込まれる。受け板12a、12bとベースプレート4a、4bとの間で力を伝達するために、ねじ13に加えてアラインメントピンまたはブシュが設けられか、あるいはねじ13が取付けねじとして形成される。
【0024】
図1は、第1受け板12aの懸架領域12dが前方に突出するように、第1受け板12aが第1ベースプレート4aの前縁の領域に取着されることを示す。相応して、第2受け板12bは反対側の第2ベースプレート4bに配置される。それぞれの懸架領域12dにおいて、取着領域12cの反対側の端部領域に、第1または第2懸架穴16a、16bが各々の場合に配置される。これらの懸架穴16a、16bは、前部第1取付け用横ビーム9aの両端に配置され側方に突出するボルト9cを介して、前部第1取付け用横ビーム9aを揺動懸架するのに役立つ。したがって、第1および第2取付け用横ビーム9a、9bは回転軸Dと平行にかつ水平方向に延びる水平軸を中心に旋回可能である。この目的のために、ボルト9cは取付け用横ビーム9a、9bの上部領域に配置される。
【0025】
取付け用横ビーム9a、9bはそれ自体、垂直方向に向けられた開口17を画定する本質的に板金製の薄い長方形フレームから構成される。リービングされたケーブルの取着および案内に役立つケーブル駆動装置の要素は、必要に応じて開口17に設置することができる。該要素は従来、単溝または複数溝ケーブル滑車18aの形の上部滑車として、または取付け用横ビーム9に取着されたケーブルウェッジの形のケーブル固定点18bとして形成される。ケーブル固定点18bはケーブル端をケーブルウィンチ1に取着するのに役立つ。ケーブル滑車18aおよびケーブル固定点18bは取付け用横ビーム9a、9bの壁の間に配置され、それに取着されまたは取り付けられる。この目的で、選択されたリービングの方法に応じてケーブルドラム2に対して正しい位置にケーブル滑車18aおよびケーブル固定点18bを配置するために、取付け用横ビーム9a、9bに複数の穴が配置される。図1でケーブルドラム2によって隠蔽された第2取付け用横ビーム9bが設けられ、ケーブルドラム2に対して第1取付け用横ビーム9aの反対側に配置され、ケーブル滑車18aを支持する。
【0026】
さらに、図1から、ケーブルウィンチ1が、2つの偏向ローラ19cおよびフック19bを持つ下部滑車19の形の荷受け手段を有することが明瞭である。明確を期すために、ケーブルは図示されていない。
【0027】
さらに、電気および電子部品が収容される電気機器のための筐体20は、第1取付け用横ビーム9aのための第1懸架穴16aの領域で第1受け板12aに取着され、筐体はさらに第2支持棒5bに支持される。
【0028】
2つのベースプレート4a、4bはそれ自体鋳造部品として製造され、重量を節約するために、第1および第2中空空間をそれぞれ有する外側に向かって開口したポットの形を取り、その中にケーブルウィンチ1の駆動装置、トランスミッション、電気または電子部品を収容することができる。前述の通り、トランスミッション2bは第2中空空間に位置する。要件および設計によっては、第1および第2中空空間をカバー6a、6bで閉鎖することができ、あるいは開いたままにすることができる。第2ベースプレート4bの第2中空空間は、フレーム状の保持要素7を介して第2ベースプレート4bの第2外側4eに取着された第2カバー6bによって閉鎖される。この保持要素7は第2カバー6bの縁とすることもできる。第1ベースプレート4aの第1中空空間は、フレーム状の保持要素7を介して第1ベースプレート4aの第1外側4eに直接取着された第1カバー6aによって閉鎖される。この保持要素7も第1カバー6aの縁とすることができる。
【0029】
図2は、第1受け板12aの領域からの図1のケーブルウィンチ1の部分切欠き側面図を示す。第1受け板12aは、少なくとも2つのねじ13を介して、その取着領域12cで第1ベースプレート4aに螺着され、その懸架領域12dで、第1取付け用横ビーム9aのボルト9cを支持する。第1取付け用横ビーム9aはケーブル固定点18bを支持し、第2取付け用横ビーム9bはケーブル滑車18aを支持する。第2取付け用横ビーム9bは、受け板12aを介して第1ベースプレートに取着されるのではなく、第1ベースプレート4a上に不動に鋳形されかつ側方に突出する受けアーム21を介して取着される。受け板12a、12bと同様に、受けアーム21はその自由端に、第2取付け用横ビーム9bのボルト9cを受容するための第1懸架穴16aを有する。懸架アーム21の第1受容穴16aは、長方形である第2ベースプレート4bにある対向する第2懸架穴16bと、長手方向Lに見て位置合せされる。これは、対向する受け板12a、12bの懸架穴16a、16bにも適用される。この第2ベースプレート4bは長方形であるので、第2懸架穴16bは、懸架アーム21を設けることなく、第2ベースプレート4bに直接形成することができる。
【0030】
図2はまた、第2の左側取付け用横ビーム9bが、右側の第1取付け用横ビーム9aより低い位置で、ベースプレート4a、4bに取着されることをも示す。この低い位置は、第2ベースプレート4bの内側4dの領域に電動モータ2bが配置され、したがって第2懸架穴16bをこの設置位置で縁にさらに近くかつさらに下に変位させなければならないことに基づく。
【0031】
第1ベースプレート4aに関連して、懸架板を設け、したがって懸架アーム21の代わりに第4孔を設けることが基本的に可能である。
【0032】
図3は図1の平面図を示す。図1および2に関連してすでに記載した詳細に加えて、第2取付け用横ビーム9bが、上部滑車として働くケーブル滑車18aを支持することが特に明瞭である。ケーブル固定点18bは、電気機器筐体20のための保持器22によって被覆される。第2ベースプレート4bに関連して、長手方向ビーム5a、5b、5cのための第2受容開口11bが第2ベースプレート4bのほぼ中央に設けられ、電動モータ2aが隣接してフランジ取付けされることも明瞭に分かる。
【0033】
図4は、第1ベースプレート4aの内側4cの詳細図を示す。第1ベースプレート4aが略正方形断面を有し、かつ角隅に長手方向ビーム5aおよび5bのための4つの第1受容開口11aを有することが分かる。受容開口11aの間で、4つの縁のうちの3つの領域に、本質的に長方形の輪郭を有し、縁に向かって開いた3つの第1孔10aが配置される。ケーブルドラム2に対面する側の領域では、ケーブルドラム2が取り付けられるときに、その据付けおよび取外しも行なうことができるように、ケーブルドラム2の外側輪郭に従う孔10aが凹状または丸みを帯びた状態にテーパする。第1懸架穴16aを持ち側方に突出する受けアーム21も見ることができ、このアームは、第1孔10aを持たないベースプレート4aの縁に配置される。
【0034】
図5は、第2ベースプレート4bの内側4dの詳細図を示す。第2ベースプレート4bは略長方形断面を有し、仮想正方形の角隅に長手方向ビーム5aおよび5b用の4つの第2受容開口11bが配置される。第1ベースプレート4aの反対側で、第2ベースプレート4bは片側が、多少狭くなった延長領域4gにより延長され、それによって長方形が形成される。延長領域4gは、電動モータ2aのフランジ取付けおよび第2懸架穴16bの1つの受容のために役立つ。4つの縁のうちの3つの領域における受容開口11bの間に、対向する第1孔10aと同一輪郭を有する3つの第2孔10bが配置される。延長領域4gの領域には、第2孔10bが全く配置されない。
【0035】
図6は、本発明に係る下部フランジ設計のモノレールクレーントロリとしての実施形態におけるケーブルウィンチ1の斜視図を示す。図1から分かる足取付け型ホイストとしての実施形態と比較して、取付け要素はアングル要素8ではなく、下部フランジ上を走行することができかつ走行駆動装置25を有する走行機構24にケーブルウィンチ1を取着するための保持レール23である。
【符号の説明】
【0036】
1 ケーブルウィンチ
2 ケーブルドラム
2a 電動モータ
2b トランスミッション
3 ベースフレーム
4a 第1ベースプレート
4b 第2ベースプレート
4c 第1ベースプレート4aの内側
4d 第2ベースプレート4bの内側
4e 第1ベースプレート4aの外側
4f 第2ベースプレート4bの外側
4g 延長領域
5a 第1長手方向ビーム
5b 第2長手方向ビーム
6a 第1カバー
6b 第2カバー
7 保持要素
8 アングル要素
9a 第1取付け用横ビーム
9b 第2取付け用横ビーム
9c ボルト
10a 第1孔
10b 第2孔
11a 第1受容開口
11b 第2受容開口
12a 第1受け板
12b 第2受け板
12c 取着領域
12d 懸架領域
13 ねじ
14 穴
15 ねじ穴
16a 第1懸架穴
16b 第2懸架穴
17 開口
18a ケーブル滑車
18b ケーブル固定点
19 下部滑車
19c 偏向ローラ
19b フック
20 電気機器筐体
21 受けアーム
22 保持器
23 保持レール
24 走行機構
25 走行駆動装置
D 回転軸
L 長手軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのベースプレートを含むベースフレームを有し、互いに離間配置され前記ベースプレートを一体的に接続する少なくとも2つの長手方向ビームと、前記ベースプレートに取着されかつ前記長手方向ビームと基本的に平行に延びるケーブルリービング部品のための少なくとも1つの取付け用横ビームとを有する、リフト装置、特にケーブルウィンチにおいて、前記ベースプレート(4a、4b)の各々に複数の取着位置が配置され、要望に応じて前記取着位置に前記ケーブルリービング部品のための取付け用横ビーム(9a、9b)を解放可能に取着することができることを特徴とするリフト装置。
【請求項2】
前記ベースプレート(4a、4b)が略正方形または長方形に形成され、かつ前記取着位置が前記ベースプレート(4a、4b)の少なくとも2つの異なる縁に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のリフト装置。
【請求項3】
各ベースプレート(4a、4b)に3つの取着位置が配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載のリフト装置。
【請求項4】
前記ベースプレート(4a、4b)の間にケーブルドラム(2)が取り付けられ、前記ケーブルドラム(2)の回転軸(D)の方向に見たときに前記ケーブルドラム(2)によって隠蔽される前記ベースプレート(4a、4b)の領域の外側に前記取着位置が配置されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のリフト装置。
【請求項5】
前記取着位置が前記ベースプレート(4a、4b)の内側(4c、4d)に配置されることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のリフト装置。
【請求項6】
前記取着位置が、第1ベースプレート(4a)の第1孔(10a)および第2ベースプレート(4b)の第2孔(10b)として形成されることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のリフト装置。
【請求項7】
第1および第2受け板(12a、12b)を介して前記ケーブルリービング部品のための取付け用横ビーム(9a、9b)を前記ベースプレート(4a、4b)に解放可能に取着することができることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のリフト装置。
【請求項8】
前記第1および第2受け板(12a、12b)が前記第1および第2孔(10a、10b)内に配置することができ、かつ前記第1および第2ベースプレート(4a、4b)の輪郭を越えて突出する取着部(12d)を有することを特徴とする、請求項7に記載のリフト装置。
【請求項9】
前記取付け用横ビーム(9a、9b)が前記第1および第2受け板(12a、12b)のそれぞれの取着部(12d)に揺動自在に懸架されることを特徴とする、請求項8に記載のリフト装置。
【請求項10】
ケーブル滑車(18a)またはケーブル固定点(18b)が前記取付け用横ビーム(9a、9b)に取着されることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のリフト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−511452(P2013−511452A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539290(P2012−539290)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067493
【国際公開番号】WO2011/061152
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(504054468)デマグ クレインズ アンド コンポーネンツ ゲーエムベーハー (18)