揚送研磨装置
【課題】研磨材の交換が容易にできる揚送研磨装置を提供する。
【解決手段】揚送研磨装置Bを球揚送ユニット100と研磨材カセットとから構成した。該球揚送ユニットはユニット本体101と球揚送手段とからなる。球揚送手段はスクリューコンベアと球揚送ガイドと、コンベアを回転させる第1駆動手段とからなる。研磨材カセットは該球揚送ユニットに嵌合されるカセット本体と、そのカセット本体に収容され、カセット本体の外側を水平移動される無端帯状の研磨材と、カセット本体内の入口付近に設けられ、研磨材を移動させる研磨材送り手段と、カセット本体の正面壁に形成された凹溝内に備えられ、カセット本体の外側に露出されている研磨材を球揚送路に向けて押圧する左右一対のフラッパとを有する。研磨材カセットを球揚送ユニットに装着したとき研磨材送り手段が第2駆動手段と結合される。
【解決手段】揚送研磨装置Bを球揚送ユニット100と研磨材カセットとから構成した。該球揚送ユニットはユニット本体101と球揚送手段とからなる。球揚送手段はスクリューコンベアと球揚送ガイドと、コンベアを回転させる第1駆動手段とからなる。研磨材カセットは該球揚送ユニットに嵌合されるカセット本体と、そのカセット本体に収容され、カセット本体の外側を水平移動される無端帯状の研磨材と、カセット本体内の入口付近に設けられ、研磨材を移動させる研磨材送り手段と、カセット本体の正面壁に形成された凹溝内に備えられ、カセット本体の外側に露出されている研磨材を球揚送路に向けて押圧する左右一対のフラッパとを有する。研磨材カセットを球揚送ユニットに装着したとき研磨材送り手段が第2駆動手段と結合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機から排出される遊技球を集めて揚送しながら研磨し,その研磨した遊技球をリサイクル補給用に排出する揚送研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
開放型でないパチンコ機(以下、非開放型パチンコ機という。)においては、遊技球が遊技者の手に触れることから手の油成分や汗あるいは通路構成部材から発生する塵埃などが遊技球に付着して汚れるので、その汚れを除去し、併せて遊技球の光沢を回復するために、揚送研磨装置が用いられている。
【0003】
近年、遊技球の循環経路をパチンコ機の外部に対して密封して、遊技者が遊技球に触れることなくゲームが可能で、発射した遊技球が入賞したときに獲得される球の数(入賞球獲得数)を積算してその入賞球獲得数を所定の位置に表示し、遊技球を発射する度に入賞球獲得数から減算し、遊技終了時における入賞球獲得数を記録媒体に記録して発行する非開放型パチンコ機が種々知られている(特許文献1〜4)。
【0004】
非開放型パチンコ機においても、開放型パチンコ機の場合ほどではないが、遊技球に静電気等により汚れが付着することがあるので、やはり遊技球の研磨装置が必要である。遊技球を遊技球循環経路において研磨する研磨装置を備えた非開放型パチンコ機は特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2516345号公報
【特許文献2】特許第2799612号公報
【特許文献3】特開平5−177050号公報
【特許文献4】特公平7−53188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された研磨装置は、非開放型パチンコ機の遊技盤面に発射された遊技球を回収する循環経路に、一対の棒状の球通路形成部材を球の径よりも小さい間隔を持って平行に架設し、球通路形成部材により形成された球通路の長手方向と平行な軸を有するスクリューコンベアをその頭部が球通路に臨むように設けるとともに、そのスクリューコンベアを所定方向に回転駆動するモータを設け、前記球通路の上側の取付板に球通路に対面するように固着された研磨材と、その研磨材をスクリューコンベアにより球通路側に付勢する弾性部材とからなる研磨手段を備えて、球通路の一端の入口から進入した遊技球がスクリューコンベアにより球通路を移送され、球通路の他端の出口から出るまでの間に遊技球が研磨手段により研磨されるように構成されたものである。
【0007】
従って、研磨材は取付板に固着され、その取付板はパチンコ機本体にビスなどの固着手段により固定されている。このような構成であるから、研磨材の有効研磨期間が短い、パチンコホール営業中は研磨材の汚れ具合を確認することができないので研磨手段の交換の適時を徒過する虞がある、研磨手段の交換に多くの手間とコストがかかるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、解決しようとする第一の課題は、研磨材の交換が容易にできる揚送研磨装置を提供することにある。
【0009】
本発明の第二の課題は、上記揚送研磨装置の研磨材の研磨性能を高めることにある。
【0010】
本発明の第三の課題は、上記揚送研磨装置の研磨材の使用効率を高めることにある。
【0011】
本発明の第四の課題は、上記揚送研磨装置の研磨材の有効研磨期間の延長を可能にすることにある。
【0012】
本発明の第五の課題は、上記揚送研磨装置の研磨材を円滑に研磨領域に送ることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記第一の課題を解決するため、(a)揚送研磨装置を、球流入口と球排出口とを有する球揚送ユニットと、その球揚送ユニットに着脱可能に装着される研磨材カセットとから構成し、(b)前記球揚送ユニットは、前記研磨材カセットを収容する空間を有する箱状のユニット本体と、そのユニット本体内に設けられた球揚送手段とからなり、(c)前記球揚送手段は、前記ユニット本体内に軸芯を垂直にして回転自在に備えられたスクリューコンベアと、水平断面円弧形をなして、背面側が少なくとも上、下端部を除いて全長に渡って開放され、前記スクリューコンベアの下端部と上端部を除く範囲を同心状に包囲して、前記スクリューコンベアの溝とともに球揚送路を形成するとともに、その球揚送路の下端に連通される前記球流入口と前記球揚送路の上端に連通される前記球排出口とを有する球揚送ガイドと、前記スクリューコンベアを所定方向に回転させる第1駆動手段とからなるものであり、(d)前記研磨材カセットは、前記球揚送ユニットの研磨材カセット収容空間に嵌合されるカセット本体と、そのカセット本体の研磨材収容空間に収容され、一部がそのカセット本体の一側に設けられた出口から他側に設けられた入口までの間でカセット本体の外側を移動可能に露出された無端帯状の研磨材と、前記カセット本体の研磨材収容空間の前記入口付近に設けられ、研磨材を前記研磨材収容空間に引き込む研磨材送り手段と、前記カセット本体の出口と入口の間において前記球揚送路の背面側に形成された凹溝内に備えられ、前記カセット本体を前記球揚送ユニットの研磨材カセット収容空間に嵌合したときに、前記カセット本体の外側に露出されている研磨材を前記球揚送路の背面の開放部分に向けて押圧する左右一対のフラッパとを有していることを特徴としている(請求項1)。
【0014】
本発明は、また、上記第一の課題を解決するため、前記研磨材カセットのカセット本体が、前記球揚送ユニットに着脱可能に装着されるものであって、上下に二分割可能に構成され、二分割した状態で研磨材の装填又は交換が可能であることを特徴としている(請求項2)。
【0015】
本発明は、上記第二の課題を解決するため、研磨材が球揚送路の研磨領域において水平方向に移動され、その研磨材と球揚送路を揚送される遊技球がクロスすることを特徴としている(請求項3)。
【0016】
本発明は、上記第三の課題を解決するため、前記研磨材が、前記球揚送ガイドの球流入口と球排出口を除いた長さとほぼ等しい幅を有していることを特徴としている(請求項4)。
【0017】
本発明は、上記第四の課題を解決するため、前記研磨材送り手段が、研磨材の両側にその研磨材に永久変形を生じさせない程度の力で噛み合うように配置された、研磨材の幅とほぼ等しい長さを有する一対のギヤと、そのギヤに所定方向の回転力を与える第2駆動手段とからなることを特徴としている(請求項5)。
【0018】
本発明は、上記第五の課題を解決するため、カセット本体の研磨材収容空間に収容された研磨材が出口まで詰め込まれないように、研磨材の長さを設定して、研磨材収容空間の出口側に遊び空間を設けたことを特徴としている(請求項6)。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、回収された遊技球をスクリューコンベアで球揚送路を揚送しながら、球揚送路に押圧される無端帯状の研磨材により研磨する揚送研磨装置を、球流入口と球排出口とを有する球揚送ユニットと、その球揚送ユニットに着脱可能に装着される研磨材カセットとから構成したので、揚送研磨装置の各パチンコ機又は遊技島への取付が容易にでき、また、研磨材カセットを取り外して研磨材の交換を容易に行うことができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、球揚送ユニットに着脱可能に装着されるカセット本体が上下に二分割可能に構成され、二分割した状態で研磨材の交換が可能であるので、研磨材の交換が一層容易にできる。
【0021】
請求項3の発明によれば、遊技球が垂直方向に揚送されるのに対して、研磨材が水平方向に移動されて、遊技球と研磨材がクロスするので、高い研磨性能が得られる。
【0022】
請求項4の発明によれば、研磨材が球揚送ガイドの球流入口と球排出口を除いた長さとほぼ等しい幅を有しているので、研磨材の使用効率が良い。
【0023】
請求項5の発明によれば、研磨材送り手段は研磨材の両側にその研磨材に永久変形を生じさせない程度の力で噛み合うように配置された、研磨材の幅とほぼ等しい長さを有する一対のギヤと、そのギヤに所定方向の回転力を与えるモータとからなるので、研磨材がギヤに対して滑ることなく、カセット本体の研磨材収容空間に確実に引き込まれ、かつ、規則的に蛇行して倒れることなく整然と収容されるので、高密度収容が実現される。従って、研磨材の有効研磨期間を長くすることができる。また、一対のギヤによる噛み合いにより、研磨材が緊張状態で確実にカセット本体内に引き込まれるので、研磨領域での研磨材のメクレが防止される。
【0024】
請求項6の発明によれば、研磨材収容空間の出口側に遊び空間を設けたので、研磨材収容空間に収容された研磨材が出口まで詰め込まれることがなく、従って、研磨材に負荷をかけることなく研磨領域に送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る揚送研磨装置を取り付けたパチンコ機の一例の正面図である。
【図2】本発明に係る揚送研磨装置を取り付けたパチンコ機の他例の背面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る揚送研磨装置の使用状態における斜視図である。
【図4】同揚送研磨装置の正面図である。
【図5】同じく背面側の斜視図である。
【図6】同揚送研磨装置の球揚送ユニットから研磨材カセットを引き出した状態の斜視図である。
【図7】球揚送ユニットの背面図である。
【図8】揚送手段の下側部分の横断面図である。
【図9】研磨材カセットの斜視図であり、(a)は背面側から見た斜視図、(b)は正面側から見た斜視図である。
【図10】研磨材カセットの上側の箱体を取り外した状態の平面図である。
【図11】同じく斜視図である。
【図12】球揚送ユニットによる球揚送動作を示す球揚送ユニットの下部の背面図である。
【図13】研磨材カセットの研磨部を示す図であり、(a)は構成及び作用を示す要部の斜視図、(b)はフラッパの好ましい形状及びその作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
続いて、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明に係る揚送研磨装置は、遊技島のパチンコ機1台ごとに取付けて使用することも、複数台のパチンコ機に共用することも、また、遊技島に設置することもできる。図1は、2台のパチンコ機を横並びに設置して形成された小規模な遊技島に設置した場合の一例を示している。なお、パチンコ機からの落下球の収集機能、揚送研磨機能及びパチンコ機への球供給機能がこの2台のパチンコ機(小規模島)において完結している。図2は、単一のパチンコ機に揚送研磨装置を設置した例を示している。
【0027】
図1に示す遊技装置Aは、隣接する2台のパチンコ機1A,1Bから構成されている。各パチンコ機1A,1Bは、従来と同様に、一側において本体に開閉可能に軸支されたガラス扉2と前面板3とを有し、ガラス扉2の背面側に遊技盤4が設けられている。前面板3には、既知の発射装置(図示省略)への球発射指令入力と球発射速度調節を行なう操作ハンドル6が設けられている。
図1において、16は上皿、17は下皿、18はロート、19は受け皿である。20は、遊技盤11に設けられた残存球数と賞球獲得数を表示するための表示部である。上皿16と下皿17は、その中に収容されている球を外側から透視できる。
【0028】
本発明に係る揚送研磨装置Bは、図1に示すように、2台のパチンコ機1A,1Bからなる小規模な遊技島においては、図1に例示するように、パチンコ機1A,1Bの一方の下部又は双方の下部に設置され、単一のパチンコ機においては、図2に例示するように、パチンコ機Aの内部に取付けられる。
【0029】
そして、揚送研磨装置Bは、図4及び図5に示すように、球揚送ユニット100と研磨材カセット200とから成っている。
球揚送ユニット100は、背面側のみに開口する箱状に形成されたユニット本体101の中に、ほぼ中央において揚送手段が設けられ、その揚送手段の両側及び背面側に、後述される研磨材カセットを嵌合することができる研磨材カセット収容空間101Rが設けられている。揚送手段は、背面側が全長にわたって、又は上下端部を除く全長にわたって開放された、水平断面形状がコ字形又は円弧状の縦長の揚送ガイド102と、ユニット本体101の内面に固着された上下の支持部材103により揚送ガイド102の中心に回転軸104aを合致させて回転可能に取付けられたスクリューコンベア(以下、単にコンベアという。)104と、そのコンベアを回転駆動するモータ105と、コンベア104の回転を検知するための回転検知センサ106と、ユニット本体101の上部に設けられたモータ107とからなっている。
【0030】
コンベア104は、その外周面が揚送ガイド102の内面に近接する外径を有し、コンベア104の回転軸104aの外周面と揚送ガイド102の内面との間は遊技球Cの直径よりも僅かに大きく離間され、スクリューのピッチは遊技球の径より僅かに大きく設定されている。
【0031】
揚送ガイド102の開放面の下側部分には、図7に示すように、下側の球通路形成部材が取り付けられている。その球通路形成部材の一例を説明すると、横断面形状が遊技球Cの半径よりも大きい曲率半径を有する円弧状の球通路形成部108aを有する下側カバー108が固着されて、その下側カバー108はコンベア104の下部の外周面の一部を遮蔽している。そして、コンベア104と下側カバー108との間に上下方向に連続する球揚送路p1が形成されている。下側カバー108の下端部の図6の例においては左側の側面に、湾曲された球導入路110の一端が接続され、球導入路110は球揚送路p1の下端部に連通されている。また、球導入路110の他端は、球揚送ユニット100のユニット本体101の正面下側に形成されている球流入口111に接続されている。球流入口111には、パチンコ機の回収球排出路が結合される。球導入路110は、遊技球が転動しやすいように、球流入口111から球揚送路p1の下端まで僅かに下り傾斜されている。
【0032】
揚送ガイド102の開放面の上側部分にも、球通路形成部材として下側カバー108と同様な上側カバー112が固着されて、その上側カバー112はコンベア104の上部の外周面の一部を遮蔽している。そして、コンベア104と上側カバー112との間に上下方向に連続する、球揚送路p1と同様の球揚送路p3(図示省略)が形成されている。上側カバー112の上端部の図6の例においては右側の側面に、湾曲された球導出路113の一端が接続され、その球導出路113の他端は、球揚送ユニット100のユニット本体101の正面上側に形成されている球排出口114に接続されている。球導出路113は球揚送路p3の上端から球排出口114まで、遊技球が転動しやすいように、僅かに下り傾斜されている。
【0033】
コンベア104の回転軸104aの下端部に固着されたギア115と、モータ105の回転軸に固着されたギア116とが噛み合わされている。モータ105と、ギア115,116とで、揚送手段を駆動する第1駆動手段が構成されている。
【0034】
回転検知センサ106は、一例として、ユニット本体101に取付けられた既知の光電センサ106aと、コンベア104の回転軸104aの上方延長部に固着されたエンコーダ106bとで構成されている。この回転検知センサ106は、コンベア104の回転角度に基づいて球排出口114から排出される遊技球数を計数するために用いられるものである。遊技球数を計数するためのセンサは、他の構成のものでよいし、別の位置に設けても良い。
【0035】
そして、上記球揚送ユニット100は、ユニット本体101の開放面を図2に示すようにパチンコ機の背後方向に向けた状態でパチンコ機内に収容され、ユニット本体101に一体に設けた取付片101a〜101eにおいてねじ止め等の固着手段により着脱可能に取付けられる。従って、本発明に係る揚送研磨装置Aは、パチンコ機に対して容易に取付けることができる。
【0036】
一方、研磨材カセット200は、図5,9,10に示すように、概略横長箱状に形成され、中に研磨材収容空間202を有するカセット本体201と、研磨材収容空間201に収容され、一部がカセット本体201の外側に露出されている無端ベルト状の、例えば研磨布その他の研磨材203と、研磨材収容空間202の一部に設けられ、研磨材を所定方向に送る研磨材送り手段204とを有している。図10,11には、研磨材の一部が省略されている。
【0037】
カセット本体201には、幅方向ほぼ中央において正面側及び上下方向に開口する孔205が形成され、その孔の内側に正面側に開口して、背後方向に窪む凹部206が設けてある。また、カセット本体201の上面板2011と下面板2012には、凹部206及び上下方向に連通する孔207が形成されている。凹部206と上下の孔207とで、正面方向及び上下方向に開放した凹溝が構成されている。そして、その凹溝内に上下方向に連続し、凹部206の互いに反対側に配置された左右一対のフラッパ208,208が設けられている。凹部206を形成する内壁209は、カセット本体201の正面壁の内側の至近位置を左右両側まで延長され、その両端部はカセット本体201の正面壁210又は側面壁211と協働して後述される研磨材の入口212と出口213を形成している。そして、研磨材収容空間201の入口212に近い位置に互いに噛み合う一対のギヤ204a,204bが設けられ、一方のギヤ204aは弾性を有する押圧部材204cにより他方のギヤ204bに付勢されている。これらの一対のギヤ204a,204bと押圧部材204cにより研磨材送り手段204が構成されている。
【0038】
フラッパ208,208は、前記球揚送ユニット100の上下のカバー108の球通路形成部108aの延長上にハ字形に配置されている。すなわち、一対のフラッパ208,208は、上下のカバー108、112と同様に球通路を形成する部材でもある。また、フラッパ208,208は、その上下端部の互いに接近している側の基端部に上下方向に突出する支軸208aをカセット本体201の上面板2011と下面板2012に固着したコ字形の取付板214に設けた孔(図示省略)に挿入して、その支軸208aを中心として揺動可能に支持されている。
【0039】
そして、一対のフラッパ208,208の上下両端部近傍において、薄鋼板を平面形状が浅い壺状になるように屈曲して形成された板バネ等の付勢部材215を取付板214の側辺の外側に通し、かつ、一対のフラッパ208,208の自由側に係止して装着し、その一対のフラッパ208,208の自由端を互いに接近する方向に付勢している。それらの一対のフラッパ208,208の自由端は、カセット本体201の正面側中央の孔205の付近に存在している。
【0040】
前記カセット本体201の正面壁210と内壁209の間に研磨材通路216が形成してあり、研磨材通路216内のフラッパ208,208の自由端を結ぶ直線の外側延長上であって、入口212と出口213に近い位置にガイドローラ217,218が設けられている。
また、凹部206内のフラップ208,208よりも背面側の中央に遊技球BCの直径よりもわずかに小さい直径を有するガイドローラ219が、上下の取付板214に固着された軸に回転自在に支持されている。
【0041】
そして、カセット本体201の出口213から研磨材通路216の中に引き出される研磨材203は、一方側のガイドローラ218に半回された後、一方のフラッパ208の自由端を経てガイドローラ219に掛け回され、続いて、他方のフラッパ208の自由端を経て再び研磨材通路216の中を通って他方側のガイドローラ217に半回された後、研磨材通路216から入口212に引き込まれている。これにより、一対のフラッパ208,208の対向面の間に研磨材203の一部により、孔205に向かって末広がり状に互いに対面する研磨領域が形成される。その研磨領域の間隔は、フラッパ208,208の自由端の開閉に伴って変化し、最大開時には遊技球Cの径よりも大きく、最小閉時には遊技球Cの径よりも小さくなることができるように設定されている。
【0042】
研磨材送り手段204のギヤ204bに固着されている駆動軸(図示省略)は、カセット本体201の上面板2011に設けた孔を貫通してその上側まで延長され、その上端部に伝動歯車220が固着されている(図5参照)。
【0043】
カセット本体201は、高さ方向のほぼ中間位置で上下の箱体201a,201bに二分割して構成され、上下の箱体の周縁を突き合わせ、ねじ221により結合して、図9に示すような単一体にすることができる。そして、二分割した状態で、研磨材203の交換が可能になる。従って、研磨材の交換が容易にできる。
【0044】
上記の形状及び構成を有する研磨材カセット200は、前記球揚送ユニット100のユニット本体101の中間位置に形成されている、研磨材カセット200のカセット本体201の背面形状とほぼ同一の背面形状を有する研磨材カセット収容空間101Rに緊密に嵌合して収容することができる。
【0045】
研磨材カセット200を研磨材カセット収容空間101Rに嵌合する場合、球揚送ユニット100の揚送ガイド102及びコンベア104は、研磨材カセット200のカセット本体201の凹部206内に進入し、コンベア104の上下のカバー108,112の間において揚送ガイド102の開放面から突出している部分が研磨材カセット200のカセット本体201の底壁の孔207の中に進入するとともに、その孔207の中に進入したコンベア104の部分と一対のフラッパ208,208との間に、球揚送ユニット100の上下のカバー108、112とコンベア104との間に形成されている上下の球揚送路p1,p3と連通する球揚送路p2が形成される。
【0046】
球揚送ユニット100の中の所定の位置に収容された研磨材カセット200は、そのカセット本体201の正面側に設けられた複数の突起222が球揚送ユニット100のユニット本体101の正面板の対応する位置に形成されている複数の孔117に嵌合し、かつ、研磨材カセット200のカセット本体201の外周面が球揚送ユニット100のユニット本体101の収容空間101Rの内周面に当接して安定した状態で固定される。
【0047】
その時、研磨材カセット200の伝動歯車220が球揚送ユニット100の布送り駆動モータ107の伝動手段と動力的に結合される。伝動手段には、これに限定されないが、例えば、モータ107の回転軸に固着される傘歯車(図示省略)と、その傘歯車及び伝動歯車220 と噛み合う平歯車118などで構成することができる。
【0048】
こうして、上記揚送研磨装置Aをパチンコ機の中に設置すると、球流入口111が当該パチンコ機のアウト球通路10及び入賞球通路11に結合されている合流通路12の終端に設けられた受け皿13に結合され、球排出口114が球発射位置に連なる発射球通路14の始端に結合される。
【0049】
続いて、上記構成による作用を説明する。図示されていない管理装置から特定のパチンコ機の制御装置(図示省略)に発射球通路14に遊技球を供給すべき命令が与えられると、制御装置は駆動モータ105を所定方向に回転させる。これにより、伝動手段であるギア116、115を介してコンベア104が所定方向(図12においては反時計方向)に回転されるため、図3に示されている球流入口111から図12に示されている、下り傾斜している球導入路110に進入した遊技球C1は下側カバー108の球揚送路p1内に転動し、その球揚送路p1内に転動した遊技球C2は、コンベア104により揚送される。その揚送される遊技球C3は、続いて、図11に示すように、下側カバー108の上側に存在する一対のフラッパ208,208の間に形成されている、球揚送路p1と連続している球揚送路p2をコンベア104により揚送される。図13(a)に示すように、その球揚送路p2を揚送される遊技球C4は、フラッパ208,208に支持され、かつ付勢部材215により互いに接近する方向に付勢されている研磨材203により研磨される。
【0050】
この場合、一対のフラッパ208,208は、好ましい実施の形態として、図13(b)に示すように、表裏両面が一定周期の波形に形成された同一形状の一対のフラッパの一方を他方に対して上下反転対称的に配置することにより、蛇行する球揚送路p2が形成されている。これにより、遊技球Cが球揚送路p2を揚送される間に蛇行するので、遊技球Cが研磨材203により満遍なく効率的に研磨される効果が得られる。
【0051】
なお、図11、13における208bは、フラッパ208,208の自由端に設けられた突起である。この突起208bが設けられていないと、付勢部材215の付勢力により一対のフラッパ208,208の自由端が過大に接近されて、球揚送路p2が狭隘化し、遊技球Cが球揚送路p2への進入が妨げられたり、研磨材203に過大な負荷をかける虞があるが、この突起208bが設けられていると、その突起が研磨材カセット200の孔207の端縁に当って止められるので、球揚送路p2の狭隘化と、研磨材への過大負荷が防止される。
【0052】
そして、研磨材カセット200の球揚送路p2において研磨され揚送される遊技球は、さらにコンベア104により上側カバー112の球揚送路p3を揚送され、その球揚送路p3の上端部から球導出路113を経て球排出口114から排出される。球排出口114から発射球通路14へ供給される遊技球の数は、回転検知センサ106から制御装置に与えられる検知信号に基づいて計数される。その計数値が所定値になったとき、制御装置は駆動モータ105の回転を停止する。
【0053】
発射された遊技球が入賞した場合の獲得数、入賞球獲得数の積算及び表示部7への表示処理は、従来技術と同様に行なわれる。
【0054】
上記実施の形態において、揚送ガイド102、コンベア104、上下のカバー108、112により球流入口から導入された遊技球を所定の球通路に沿って球排出口まで揚送する揚送手段が構成され、駆動モータ105及び伝動歯車115,116により揚送手段を駆動する第1駆動手段が構成され、研磨材送り駆動モータ107及び伝動歯車220研磨材送り手段を駆動させる第2駆動手段が構成されている。また、カセット本体201内の研磨材203を挟持するギヤ204a,204b、ギヤ204bの回転軸に固着された伝動歯車220により研磨材を所定方向に移送させる研磨材送り手段が構成されている。
【0055】
なお、研磨材送り手段による研磨材の移送タイミングについては、非開放型パチンコ機内の遊技球の汚れの頻度及び程度は比較的少ないので、研磨材を頻繁に移送する必要はない。従って、第2駆動手段(布駆動モータ107)の回転速度を減速手段により減速して、少量ずつ連続的に移送しても良いし、第2駆動手段を一定周期ごとに駆動して間欠的に移送するようにしてもよい。
【0056】
カセット本体201の研磨材送り手段を構成するギヤ204a,204bには、研磨材の腰の強さなどを考慮してピッチと溝の深さが適宜設定された例えばインボリュートギヤなどを用い、また、付勢部材204cの弾性を適宜設定することにより、ギヤ204a,204bの間に噛まれる研磨材に永久変形(歯形)が生じず、しかも、確実な送り力が加えられるようにしてある。
【0057】
ギヤ204a,204bの間に噛まれた研磨材203に永久変形(噛み跡)が生じる場合は、ギヤ204a,204b間から研磨材収容空間202に送り込まれる研磨材203が歯形に沿って短い距離で蛇行することになるので、研磨材収容空間202内に整然と収容されることが困難になり、その蛇行した研磨材が研磨材収容空間202内で倒れたり、出口213から引き出されるときに詰まりやすく、研磨材移送負荷が大きくなるので、好ましくない。
【0058】
これに対して、研磨材に永久変形(歯形)を生じない程度の力で噛み合うギヤ204a,204bを用いる場合は、研磨材を滑らせることなく確実に研磨材収容空間202内に引き込むことができるとともに、入口212から引き込まれる研磨材が正確に交互に左右に蛇行しながら出口213方向に移動するので、研磨材が整然と収容される。従って、収容された研磨材が出口213から円滑に引き出される。また、一対のギヤによる噛み合いにより、研磨材が緊張状態で確実にカセット本体内に引き込まれるので、研磨領域での研磨材のメクレが防止される。
【0059】
そして、本発明においては、研磨材の長さを適当に設定することにより、研磨材収容空間202の出口213に近い位置に研磨材が詰め込まれることのない遊び空間を設けてある。そのため、出口213から引き出される研磨材は出口で負荷が掛ることなく、一層円滑に研磨領域に移動されることができる。
【0060】
さらに、遊技球Cが揚送手段により上方に揚送され、研磨材203は揚送方向と直角な方向、すなわち、水平方向に微速で又は間欠的に移動されるので、高い研磨性能が発揮される。また、研磨材203は球揚送ガイドの上下のカバー108、112で遮蔽された範囲を除いた部分の高さと等しい幅を有するので、研磨材は高い効率で使用される。
【0061】
揚送研磨装置Bのパチンコ機1に対する設置位置は、上述の例のようにパチンコ機の背面側(図2参照)に限られるものではなく、パチンコ機の上部もしくは下部、又はパチンコ機の上側もしくは下側(図1参照)など任意である。
【0062】
揚送研磨装置Aをパチンコ機内の背面側、上部又は下部に設置する場合の研磨材カセット200の装着、取出し及び研磨材の交換は、球揚送ユニット100の背面側をパチンコ機の正面(接客面)側に向けて取付けたときはパチンコ機の正面(接客面)の扉を開放して行うことができ、球揚送ユニット100の背面側をパチンコ機の背面側に向けて取付けたときはパチンコ機全体を引き出して行うことができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機から排出される遊技球を集めて揚送しながら研磨し,その研磨した遊技球をリサイクル補給用に排出する揚送研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
開放型でないパチンコ機(以下、非開放型パチンコ機という。)においては、遊技球が遊技者の手に触れることから手の油成分や汗あるいは通路構成部材から発生する塵埃などが遊技球に付着して汚れるので、その汚れを除去し、併せて遊技球の光沢を回復するために、揚送研磨装置が用いられている。
【0003】
近年、遊技球の循環経路をパチンコ機の外部に対して密封して、遊技者が遊技球に触れることなくゲームが可能で、発射した遊技球が入賞したときに獲得される球の数(入賞球獲得数)を積算してその入賞球獲得数を所定の位置に表示し、遊技球を発射する度に入賞球獲得数から減算し、遊技終了時における入賞球獲得数を記録媒体に記録して発行する非開放型パチンコ機が種々知られている(特許文献1〜4)。
【0004】
非開放型パチンコ機においても、開放型パチンコ機の場合ほどではないが、遊技球に静電気等により汚れが付着することがあるので、やはり遊技球の研磨装置が必要である。遊技球を遊技球循環経路において研磨する研磨装置を備えた非開放型パチンコ機は特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2516345号公報
【特許文献2】特許第2799612号公報
【特許文献3】特開平5−177050号公報
【特許文献4】特公平7−53188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された研磨装置は、非開放型パチンコ機の遊技盤面に発射された遊技球を回収する循環経路に、一対の棒状の球通路形成部材を球の径よりも小さい間隔を持って平行に架設し、球通路形成部材により形成された球通路の長手方向と平行な軸を有するスクリューコンベアをその頭部が球通路に臨むように設けるとともに、そのスクリューコンベアを所定方向に回転駆動するモータを設け、前記球通路の上側の取付板に球通路に対面するように固着された研磨材と、その研磨材をスクリューコンベアにより球通路側に付勢する弾性部材とからなる研磨手段を備えて、球通路の一端の入口から進入した遊技球がスクリューコンベアにより球通路を移送され、球通路の他端の出口から出るまでの間に遊技球が研磨手段により研磨されるように構成されたものである。
【0007】
従って、研磨材は取付板に固着され、その取付板はパチンコ機本体にビスなどの固着手段により固定されている。このような構成であるから、研磨材の有効研磨期間が短い、パチンコホール営業中は研磨材の汚れ具合を確認することができないので研磨手段の交換の適時を徒過する虞がある、研磨手段の交換に多くの手間とコストがかかるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、解決しようとする第一の課題は、研磨材の交換が容易にできる揚送研磨装置を提供することにある。
【0009】
本発明の第二の課題は、上記揚送研磨装置の研磨材の研磨性能を高めることにある。
【0010】
本発明の第三の課題は、上記揚送研磨装置の研磨材の使用効率を高めることにある。
【0011】
本発明の第四の課題は、上記揚送研磨装置の研磨材の有効研磨期間の延長を可能にすることにある。
【0012】
本発明の第五の課題は、上記揚送研磨装置の研磨材を円滑に研磨領域に送ることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記第一の課題を解決するため、(a)揚送研磨装置を、球流入口と球排出口とを有する球揚送ユニットと、その球揚送ユニットに着脱可能に装着される研磨材カセットとから構成し、(b)前記球揚送ユニットは、前記研磨材カセットを収容する空間を有する箱状のユニット本体と、そのユニット本体内に設けられた球揚送手段とからなり、(c)前記球揚送手段は、前記ユニット本体内に軸芯を垂直にして回転自在に備えられたスクリューコンベアと、水平断面円弧形をなして、背面側が少なくとも上、下端部を除いて全長に渡って開放され、前記スクリューコンベアの下端部と上端部を除く範囲を同心状に包囲して、前記スクリューコンベアの溝とともに球揚送路を形成するとともに、その球揚送路の下端に連通される前記球流入口と前記球揚送路の上端に連通される前記球排出口とを有する球揚送ガイドと、前記スクリューコンベアを所定方向に回転させる第1駆動手段とからなるものであり、(d)前記研磨材カセットは、前記球揚送ユニットの研磨材カセット収容空間に嵌合されるカセット本体と、そのカセット本体の研磨材収容空間に収容され、一部がそのカセット本体の一側に設けられた出口から他側に設けられた入口までの間でカセット本体の外側を移動可能に露出された無端帯状の研磨材と、前記カセット本体の研磨材収容空間の前記入口付近に設けられ、研磨材を前記研磨材収容空間に引き込む研磨材送り手段と、前記カセット本体の出口と入口の間において前記球揚送路の背面側に形成された凹溝内に備えられ、前記カセット本体を前記球揚送ユニットの研磨材カセット収容空間に嵌合したときに、前記カセット本体の外側に露出されている研磨材を前記球揚送路の背面の開放部分に向けて押圧する左右一対のフラッパとを有していることを特徴としている(請求項1)。
【0014】
本発明は、また、上記第一の課題を解決するため、前記研磨材カセットのカセット本体が、前記球揚送ユニットに着脱可能に装着されるものであって、上下に二分割可能に構成され、二分割した状態で研磨材の装填又は交換が可能であることを特徴としている(請求項2)。
【0015】
本発明は、上記第二の課題を解決するため、研磨材が球揚送路の研磨領域において水平方向に移動され、その研磨材と球揚送路を揚送される遊技球がクロスすることを特徴としている(請求項3)。
【0016】
本発明は、上記第三の課題を解決するため、前記研磨材が、前記球揚送ガイドの球流入口と球排出口を除いた長さとほぼ等しい幅を有していることを特徴としている(請求項4)。
【0017】
本発明は、上記第四の課題を解決するため、前記研磨材送り手段が、研磨材の両側にその研磨材に永久変形を生じさせない程度の力で噛み合うように配置された、研磨材の幅とほぼ等しい長さを有する一対のギヤと、そのギヤに所定方向の回転力を与える第2駆動手段とからなることを特徴としている(請求項5)。
【0018】
本発明は、上記第五の課題を解決するため、カセット本体の研磨材収容空間に収容された研磨材が出口まで詰め込まれないように、研磨材の長さを設定して、研磨材収容空間の出口側に遊び空間を設けたことを特徴としている(請求項6)。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、回収された遊技球をスクリューコンベアで球揚送路を揚送しながら、球揚送路に押圧される無端帯状の研磨材により研磨する揚送研磨装置を、球流入口と球排出口とを有する球揚送ユニットと、その球揚送ユニットに着脱可能に装着される研磨材カセットとから構成したので、揚送研磨装置の各パチンコ機又は遊技島への取付が容易にでき、また、研磨材カセットを取り外して研磨材の交換を容易に行うことができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、球揚送ユニットに着脱可能に装着されるカセット本体が上下に二分割可能に構成され、二分割した状態で研磨材の交換が可能であるので、研磨材の交換が一層容易にできる。
【0021】
請求項3の発明によれば、遊技球が垂直方向に揚送されるのに対して、研磨材が水平方向に移動されて、遊技球と研磨材がクロスするので、高い研磨性能が得られる。
【0022】
請求項4の発明によれば、研磨材が球揚送ガイドの球流入口と球排出口を除いた長さとほぼ等しい幅を有しているので、研磨材の使用効率が良い。
【0023】
請求項5の発明によれば、研磨材送り手段は研磨材の両側にその研磨材に永久変形を生じさせない程度の力で噛み合うように配置された、研磨材の幅とほぼ等しい長さを有する一対のギヤと、そのギヤに所定方向の回転力を与えるモータとからなるので、研磨材がギヤに対して滑ることなく、カセット本体の研磨材収容空間に確実に引き込まれ、かつ、規則的に蛇行して倒れることなく整然と収容されるので、高密度収容が実現される。従って、研磨材の有効研磨期間を長くすることができる。また、一対のギヤによる噛み合いにより、研磨材が緊張状態で確実にカセット本体内に引き込まれるので、研磨領域での研磨材のメクレが防止される。
【0024】
請求項6の発明によれば、研磨材収容空間の出口側に遊び空間を設けたので、研磨材収容空間に収容された研磨材が出口まで詰め込まれることがなく、従って、研磨材に負荷をかけることなく研磨領域に送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る揚送研磨装置を取り付けたパチンコ機の一例の正面図である。
【図2】本発明に係る揚送研磨装置を取り付けたパチンコ機の他例の背面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る揚送研磨装置の使用状態における斜視図である。
【図4】同揚送研磨装置の正面図である。
【図5】同じく背面側の斜視図である。
【図6】同揚送研磨装置の球揚送ユニットから研磨材カセットを引き出した状態の斜視図である。
【図7】球揚送ユニットの背面図である。
【図8】揚送手段の下側部分の横断面図である。
【図9】研磨材カセットの斜視図であり、(a)は背面側から見た斜視図、(b)は正面側から見た斜視図である。
【図10】研磨材カセットの上側の箱体を取り外した状態の平面図である。
【図11】同じく斜視図である。
【図12】球揚送ユニットによる球揚送動作を示す球揚送ユニットの下部の背面図である。
【図13】研磨材カセットの研磨部を示す図であり、(a)は構成及び作用を示す要部の斜視図、(b)はフラッパの好ましい形状及びその作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
続いて、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明に係る揚送研磨装置は、遊技島のパチンコ機1台ごとに取付けて使用することも、複数台のパチンコ機に共用することも、また、遊技島に設置することもできる。図1は、2台のパチンコ機を横並びに設置して形成された小規模な遊技島に設置した場合の一例を示している。なお、パチンコ機からの落下球の収集機能、揚送研磨機能及びパチンコ機への球供給機能がこの2台のパチンコ機(小規模島)において完結している。図2は、単一のパチンコ機に揚送研磨装置を設置した例を示している。
【0027】
図1に示す遊技装置Aは、隣接する2台のパチンコ機1A,1Bから構成されている。各パチンコ機1A,1Bは、従来と同様に、一側において本体に開閉可能に軸支されたガラス扉2と前面板3とを有し、ガラス扉2の背面側に遊技盤4が設けられている。前面板3には、既知の発射装置(図示省略)への球発射指令入力と球発射速度調節を行なう操作ハンドル6が設けられている。
図1において、16は上皿、17は下皿、18はロート、19は受け皿である。20は、遊技盤11に設けられた残存球数と賞球獲得数を表示するための表示部である。上皿16と下皿17は、その中に収容されている球を外側から透視できる。
【0028】
本発明に係る揚送研磨装置Bは、図1に示すように、2台のパチンコ機1A,1Bからなる小規模な遊技島においては、図1に例示するように、パチンコ機1A,1Bの一方の下部又は双方の下部に設置され、単一のパチンコ機においては、図2に例示するように、パチンコ機Aの内部に取付けられる。
【0029】
そして、揚送研磨装置Bは、図4及び図5に示すように、球揚送ユニット100と研磨材カセット200とから成っている。
球揚送ユニット100は、背面側のみに開口する箱状に形成されたユニット本体101の中に、ほぼ中央において揚送手段が設けられ、その揚送手段の両側及び背面側に、後述される研磨材カセットを嵌合することができる研磨材カセット収容空間101Rが設けられている。揚送手段は、背面側が全長にわたって、又は上下端部を除く全長にわたって開放された、水平断面形状がコ字形又は円弧状の縦長の揚送ガイド102と、ユニット本体101の内面に固着された上下の支持部材103により揚送ガイド102の中心に回転軸104aを合致させて回転可能に取付けられたスクリューコンベア(以下、単にコンベアという。)104と、そのコンベアを回転駆動するモータ105と、コンベア104の回転を検知するための回転検知センサ106と、ユニット本体101の上部に設けられたモータ107とからなっている。
【0030】
コンベア104は、その外周面が揚送ガイド102の内面に近接する外径を有し、コンベア104の回転軸104aの外周面と揚送ガイド102の内面との間は遊技球Cの直径よりも僅かに大きく離間され、スクリューのピッチは遊技球の径より僅かに大きく設定されている。
【0031】
揚送ガイド102の開放面の下側部分には、図7に示すように、下側の球通路形成部材が取り付けられている。その球通路形成部材の一例を説明すると、横断面形状が遊技球Cの半径よりも大きい曲率半径を有する円弧状の球通路形成部108aを有する下側カバー108が固着されて、その下側カバー108はコンベア104の下部の外周面の一部を遮蔽している。そして、コンベア104と下側カバー108との間に上下方向に連続する球揚送路p1が形成されている。下側カバー108の下端部の図6の例においては左側の側面に、湾曲された球導入路110の一端が接続され、球導入路110は球揚送路p1の下端部に連通されている。また、球導入路110の他端は、球揚送ユニット100のユニット本体101の正面下側に形成されている球流入口111に接続されている。球流入口111には、パチンコ機の回収球排出路が結合される。球導入路110は、遊技球が転動しやすいように、球流入口111から球揚送路p1の下端まで僅かに下り傾斜されている。
【0032】
揚送ガイド102の開放面の上側部分にも、球通路形成部材として下側カバー108と同様な上側カバー112が固着されて、その上側カバー112はコンベア104の上部の外周面の一部を遮蔽している。そして、コンベア104と上側カバー112との間に上下方向に連続する、球揚送路p1と同様の球揚送路p3(図示省略)が形成されている。上側カバー112の上端部の図6の例においては右側の側面に、湾曲された球導出路113の一端が接続され、その球導出路113の他端は、球揚送ユニット100のユニット本体101の正面上側に形成されている球排出口114に接続されている。球導出路113は球揚送路p3の上端から球排出口114まで、遊技球が転動しやすいように、僅かに下り傾斜されている。
【0033】
コンベア104の回転軸104aの下端部に固着されたギア115と、モータ105の回転軸に固着されたギア116とが噛み合わされている。モータ105と、ギア115,116とで、揚送手段を駆動する第1駆動手段が構成されている。
【0034】
回転検知センサ106は、一例として、ユニット本体101に取付けられた既知の光電センサ106aと、コンベア104の回転軸104aの上方延長部に固着されたエンコーダ106bとで構成されている。この回転検知センサ106は、コンベア104の回転角度に基づいて球排出口114から排出される遊技球数を計数するために用いられるものである。遊技球数を計数するためのセンサは、他の構成のものでよいし、別の位置に設けても良い。
【0035】
そして、上記球揚送ユニット100は、ユニット本体101の開放面を図2に示すようにパチンコ機の背後方向に向けた状態でパチンコ機内に収容され、ユニット本体101に一体に設けた取付片101a〜101eにおいてねじ止め等の固着手段により着脱可能に取付けられる。従って、本発明に係る揚送研磨装置Aは、パチンコ機に対して容易に取付けることができる。
【0036】
一方、研磨材カセット200は、図5,9,10に示すように、概略横長箱状に形成され、中に研磨材収容空間202を有するカセット本体201と、研磨材収容空間201に収容され、一部がカセット本体201の外側に露出されている無端ベルト状の、例えば研磨布その他の研磨材203と、研磨材収容空間202の一部に設けられ、研磨材を所定方向に送る研磨材送り手段204とを有している。図10,11には、研磨材の一部が省略されている。
【0037】
カセット本体201には、幅方向ほぼ中央において正面側及び上下方向に開口する孔205が形成され、その孔の内側に正面側に開口して、背後方向に窪む凹部206が設けてある。また、カセット本体201の上面板2011と下面板2012には、凹部206及び上下方向に連通する孔207が形成されている。凹部206と上下の孔207とで、正面方向及び上下方向に開放した凹溝が構成されている。そして、その凹溝内に上下方向に連続し、凹部206の互いに反対側に配置された左右一対のフラッパ208,208が設けられている。凹部206を形成する内壁209は、カセット本体201の正面壁の内側の至近位置を左右両側まで延長され、その両端部はカセット本体201の正面壁210又は側面壁211と協働して後述される研磨材の入口212と出口213を形成している。そして、研磨材収容空間201の入口212に近い位置に互いに噛み合う一対のギヤ204a,204bが設けられ、一方のギヤ204aは弾性を有する押圧部材204cにより他方のギヤ204bに付勢されている。これらの一対のギヤ204a,204bと押圧部材204cにより研磨材送り手段204が構成されている。
【0038】
フラッパ208,208は、前記球揚送ユニット100の上下のカバー108の球通路形成部108aの延長上にハ字形に配置されている。すなわち、一対のフラッパ208,208は、上下のカバー108、112と同様に球通路を形成する部材でもある。また、フラッパ208,208は、その上下端部の互いに接近している側の基端部に上下方向に突出する支軸208aをカセット本体201の上面板2011と下面板2012に固着したコ字形の取付板214に設けた孔(図示省略)に挿入して、その支軸208aを中心として揺動可能に支持されている。
【0039】
そして、一対のフラッパ208,208の上下両端部近傍において、薄鋼板を平面形状が浅い壺状になるように屈曲して形成された板バネ等の付勢部材215を取付板214の側辺の外側に通し、かつ、一対のフラッパ208,208の自由側に係止して装着し、その一対のフラッパ208,208の自由端を互いに接近する方向に付勢している。それらの一対のフラッパ208,208の自由端は、カセット本体201の正面側中央の孔205の付近に存在している。
【0040】
前記カセット本体201の正面壁210と内壁209の間に研磨材通路216が形成してあり、研磨材通路216内のフラッパ208,208の自由端を結ぶ直線の外側延長上であって、入口212と出口213に近い位置にガイドローラ217,218が設けられている。
また、凹部206内のフラップ208,208よりも背面側の中央に遊技球BCの直径よりもわずかに小さい直径を有するガイドローラ219が、上下の取付板214に固着された軸に回転自在に支持されている。
【0041】
そして、カセット本体201の出口213から研磨材通路216の中に引き出される研磨材203は、一方側のガイドローラ218に半回された後、一方のフラッパ208の自由端を経てガイドローラ219に掛け回され、続いて、他方のフラッパ208の自由端を経て再び研磨材通路216の中を通って他方側のガイドローラ217に半回された後、研磨材通路216から入口212に引き込まれている。これにより、一対のフラッパ208,208の対向面の間に研磨材203の一部により、孔205に向かって末広がり状に互いに対面する研磨領域が形成される。その研磨領域の間隔は、フラッパ208,208の自由端の開閉に伴って変化し、最大開時には遊技球Cの径よりも大きく、最小閉時には遊技球Cの径よりも小さくなることができるように設定されている。
【0042】
研磨材送り手段204のギヤ204bに固着されている駆動軸(図示省略)は、カセット本体201の上面板2011に設けた孔を貫通してその上側まで延長され、その上端部に伝動歯車220が固着されている(図5参照)。
【0043】
カセット本体201は、高さ方向のほぼ中間位置で上下の箱体201a,201bに二分割して構成され、上下の箱体の周縁を突き合わせ、ねじ221により結合して、図9に示すような単一体にすることができる。そして、二分割した状態で、研磨材203の交換が可能になる。従って、研磨材の交換が容易にできる。
【0044】
上記の形状及び構成を有する研磨材カセット200は、前記球揚送ユニット100のユニット本体101の中間位置に形成されている、研磨材カセット200のカセット本体201の背面形状とほぼ同一の背面形状を有する研磨材カセット収容空間101Rに緊密に嵌合して収容することができる。
【0045】
研磨材カセット200を研磨材カセット収容空間101Rに嵌合する場合、球揚送ユニット100の揚送ガイド102及びコンベア104は、研磨材カセット200のカセット本体201の凹部206内に進入し、コンベア104の上下のカバー108,112の間において揚送ガイド102の開放面から突出している部分が研磨材カセット200のカセット本体201の底壁の孔207の中に進入するとともに、その孔207の中に進入したコンベア104の部分と一対のフラッパ208,208との間に、球揚送ユニット100の上下のカバー108、112とコンベア104との間に形成されている上下の球揚送路p1,p3と連通する球揚送路p2が形成される。
【0046】
球揚送ユニット100の中の所定の位置に収容された研磨材カセット200は、そのカセット本体201の正面側に設けられた複数の突起222が球揚送ユニット100のユニット本体101の正面板の対応する位置に形成されている複数の孔117に嵌合し、かつ、研磨材カセット200のカセット本体201の外周面が球揚送ユニット100のユニット本体101の収容空間101Rの内周面に当接して安定した状態で固定される。
【0047】
その時、研磨材カセット200の伝動歯車220が球揚送ユニット100の布送り駆動モータ107の伝動手段と動力的に結合される。伝動手段には、これに限定されないが、例えば、モータ107の回転軸に固着される傘歯車(図示省略)と、その傘歯車及び伝動歯車220 と噛み合う平歯車118などで構成することができる。
【0048】
こうして、上記揚送研磨装置Aをパチンコ機の中に設置すると、球流入口111が当該パチンコ機のアウト球通路10及び入賞球通路11に結合されている合流通路12の終端に設けられた受け皿13に結合され、球排出口114が球発射位置に連なる発射球通路14の始端に結合される。
【0049】
続いて、上記構成による作用を説明する。図示されていない管理装置から特定のパチンコ機の制御装置(図示省略)に発射球通路14に遊技球を供給すべき命令が与えられると、制御装置は駆動モータ105を所定方向に回転させる。これにより、伝動手段であるギア116、115を介してコンベア104が所定方向(図12においては反時計方向)に回転されるため、図3に示されている球流入口111から図12に示されている、下り傾斜している球導入路110に進入した遊技球C1は下側カバー108の球揚送路p1内に転動し、その球揚送路p1内に転動した遊技球C2は、コンベア104により揚送される。その揚送される遊技球C3は、続いて、図11に示すように、下側カバー108の上側に存在する一対のフラッパ208,208の間に形成されている、球揚送路p1と連続している球揚送路p2をコンベア104により揚送される。図13(a)に示すように、その球揚送路p2を揚送される遊技球C4は、フラッパ208,208に支持され、かつ付勢部材215により互いに接近する方向に付勢されている研磨材203により研磨される。
【0050】
この場合、一対のフラッパ208,208は、好ましい実施の形態として、図13(b)に示すように、表裏両面が一定周期の波形に形成された同一形状の一対のフラッパの一方を他方に対して上下反転対称的に配置することにより、蛇行する球揚送路p2が形成されている。これにより、遊技球Cが球揚送路p2を揚送される間に蛇行するので、遊技球Cが研磨材203により満遍なく効率的に研磨される効果が得られる。
【0051】
なお、図11、13における208bは、フラッパ208,208の自由端に設けられた突起である。この突起208bが設けられていないと、付勢部材215の付勢力により一対のフラッパ208,208の自由端が過大に接近されて、球揚送路p2が狭隘化し、遊技球Cが球揚送路p2への進入が妨げられたり、研磨材203に過大な負荷をかける虞があるが、この突起208bが設けられていると、その突起が研磨材カセット200の孔207の端縁に当って止められるので、球揚送路p2の狭隘化と、研磨材への過大負荷が防止される。
【0052】
そして、研磨材カセット200の球揚送路p2において研磨され揚送される遊技球は、さらにコンベア104により上側カバー112の球揚送路p3を揚送され、その球揚送路p3の上端部から球導出路113を経て球排出口114から排出される。球排出口114から発射球通路14へ供給される遊技球の数は、回転検知センサ106から制御装置に与えられる検知信号に基づいて計数される。その計数値が所定値になったとき、制御装置は駆動モータ105の回転を停止する。
【0053】
発射された遊技球が入賞した場合の獲得数、入賞球獲得数の積算及び表示部7への表示処理は、従来技術と同様に行なわれる。
【0054】
上記実施の形態において、揚送ガイド102、コンベア104、上下のカバー108、112により球流入口から導入された遊技球を所定の球通路に沿って球排出口まで揚送する揚送手段が構成され、駆動モータ105及び伝動歯車115,116により揚送手段を駆動する第1駆動手段が構成され、研磨材送り駆動モータ107及び伝動歯車220研磨材送り手段を駆動させる第2駆動手段が構成されている。また、カセット本体201内の研磨材203を挟持するギヤ204a,204b、ギヤ204bの回転軸に固着された伝動歯車220により研磨材を所定方向に移送させる研磨材送り手段が構成されている。
【0055】
なお、研磨材送り手段による研磨材の移送タイミングについては、非開放型パチンコ機内の遊技球の汚れの頻度及び程度は比較的少ないので、研磨材を頻繁に移送する必要はない。従って、第2駆動手段(布駆動モータ107)の回転速度を減速手段により減速して、少量ずつ連続的に移送しても良いし、第2駆動手段を一定周期ごとに駆動して間欠的に移送するようにしてもよい。
【0056】
カセット本体201の研磨材送り手段を構成するギヤ204a,204bには、研磨材の腰の強さなどを考慮してピッチと溝の深さが適宜設定された例えばインボリュートギヤなどを用い、また、付勢部材204cの弾性を適宜設定することにより、ギヤ204a,204bの間に噛まれる研磨材に永久変形(歯形)が生じず、しかも、確実な送り力が加えられるようにしてある。
【0057】
ギヤ204a,204bの間に噛まれた研磨材203に永久変形(噛み跡)が生じる場合は、ギヤ204a,204b間から研磨材収容空間202に送り込まれる研磨材203が歯形に沿って短い距離で蛇行することになるので、研磨材収容空間202内に整然と収容されることが困難になり、その蛇行した研磨材が研磨材収容空間202内で倒れたり、出口213から引き出されるときに詰まりやすく、研磨材移送負荷が大きくなるので、好ましくない。
【0058】
これに対して、研磨材に永久変形(歯形)を生じない程度の力で噛み合うギヤ204a,204bを用いる場合は、研磨材を滑らせることなく確実に研磨材収容空間202内に引き込むことができるとともに、入口212から引き込まれる研磨材が正確に交互に左右に蛇行しながら出口213方向に移動するので、研磨材が整然と収容される。従って、収容された研磨材が出口213から円滑に引き出される。また、一対のギヤによる噛み合いにより、研磨材が緊張状態で確実にカセット本体内に引き込まれるので、研磨領域での研磨材のメクレが防止される。
【0059】
そして、本発明においては、研磨材の長さを適当に設定することにより、研磨材収容空間202の出口213に近い位置に研磨材が詰め込まれることのない遊び空間を設けてある。そのため、出口213から引き出される研磨材は出口で負荷が掛ることなく、一層円滑に研磨領域に移動されることができる。
【0060】
さらに、遊技球Cが揚送手段により上方に揚送され、研磨材203は揚送方向と直角な方向、すなわち、水平方向に微速で又は間欠的に移動されるので、高い研磨性能が発揮される。また、研磨材203は球揚送ガイドの上下のカバー108、112で遮蔽された範囲を除いた部分の高さと等しい幅を有するので、研磨材は高い効率で使用される。
【0061】
揚送研磨装置Bのパチンコ機1に対する設置位置は、上述の例のようにパチンコ機の背面側(図2参照)に限られるものではなく、パチンコ機の上部もしくは下部、又はパチンコ機の上側もしくは下側(図1参照)など任意である。
【0062】
揚送研磨装置Aをパチンコ機内の背面側、上部又は下部に設置する場合の研磨材カセット200の装着、取出し及び研磨材の交換は、球揚送ユニット100の背面側をパチンコ機の正面(接客面)側に向けて取付けたときはパチンコ機の正面(接客面)の扉を開放して行うことができ、球揚送ユニット100の背面側をパチンコ機の背面側に向けて取付けたときはパチンコ機全体を引き出して行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
球流入口と球排出口とを有する球揚送ユニットと、その球揚送ユニットに着脱可能に装着される研磨材カセットとから構成され、
前記球揚送ユニットは、前記研磨材カセットを収容する空間を有する箱状のユニット本体と、そのユニット本体内に設けられた球揚送手段とからなり、
前記球揚送手段は、前記ユニット本体内に軸芯を垂直にして回転自在に備えられたスクリューコンベアと、水平断面円弧形をなして、背面側が少なくとも上、下端部を除いて全長に渡って開放され、前記スクリューコンベアの下端部と上端部を除く範囲を同心状に包囲して、前記スクリューコンベアの溝とともに球揚送路を形成するとともに、その球揚送路の下端に連通される前記球流入口と前記球揚送路の上端に連通される前記球排出口とを有する球揚送ガイドと、前記スクリューコンベアを所定方向に回転させる第1駆動手段とからなるものであり、
前記研磨材カセットは、前記球揚送ユニットの研磨材カセット収容空間に嵌合されるカセット本体と、そのカセット本体の研磨材収容空間に収容され、一部がそのカセット本体の一側に設けられた出口から他側に設けられた入口までの間でカセット本体の外側を移動可能に露出された無端帯状の研磨材と、前記カセット本体の研磨材収容空間の前記入口付近に設けられ、研磨材を前記研磨材収容空間に引き込む研磨材送り手段と、前記カセット本体の出口と入口の間において前記球揚送路の背面側に形成された凹溝内に備えられ、前記カセット本体を前記球揚送ユニットの研磨材カセット収容空間に嵌合したときに、前記カセット本体の外側に露出されている研磨材を前記球揚送路の背面の開放部分に向けて押圧する左右一対のフラッパとを有している、
ことを特徴とする揚送研磨装置。
【請求項2】
前記研磨材カセットのカセット本体が、前記球揚送ユニットに着脱可能に装着されるものであって、上下に二分割可能に構成され、二分割した状態で研磨材の装填又は交換が可能であることを特徴とする請求項1に記載の揚送研磨装置。
【請求項3】
研磨材が球揚送路の研磨領域において水平方向に移動され、その研磨材と球揚送路を揚送される遊技球がクロスすることを特徴とする請求項1又は2に記載の揚送研磨装置。
【請求項4】
研磨材が、球揚送ガイドの球流入口と球排出口を除いた長さとほぼ等しい幅を有していることを特徴とする1、2又は3に記載の揚送研磨装置。
【請求項5】
研磨材送り手段が、研磨材の両側にその研磨材に永久変形を生じさせない程度の力で噛み合うように配置された、研磨材の幅とほぼ等しい長さを有する一対のギヤと、そのギヤに所定方向の回転力を与える第2駆動手段とからなることを特徴とする1、2、3又は4に記載の揚送研磨装置。
【請求項6】
カセット本体の研磨材収容空間に収容された研磨材が出口まで詰め込まれないように、研磨材の長さを設定して、研磨材収容空間の出口側に遊び空間を設けたことを特徴とする1、2、3又は4に記載の揚送研磨装置。
【請求項1】
球流入口と球排出口とを有する球揚送ユニットと、その球揚送ユニットに着脱可能に装着される研磨材カセットとから構成され、
前記球揚送ユニットは、前記研磨材カセットを収容する空間を有する箱状のユニット本体と、そのユニット本体内に設けられた球揚送手段とからなり、
前記球揚送手段は、前記ユニット本体内に軸芯を垂直にして回転自在に備えられたスクリューコンベアと、水平断面円弧形をなして、背面側が少なくとも上、下端部を除いて全長に渡って開放され、前記スクリューコンベアの下端部と上端部を除く範囲を同心状に包囲して、前記スクリューコンベアの溝とともに球揚送路を形成するとともに、その球揚送路の下端に連通される前記球流入口と前記球揚送路の上端に連通される前記球排出口とを有する球揚送ガイドと、前記スクリューコンベアを所定方向に回転させる第1駆動手段とからなるものであり、
前記研磨材カセットは、前記球揚送ユニットの研磨材カセット収容空間に嵌合されるカセット本体と、そのカセット本体の研磨材収容空間に収容され、一部がそのカセット本体の一側に設けられた出口から他側に設けられた入口までの間でカセット本体の外側を移動可能に露出された無端帯状の研磨材と、前記カセット本体の研磨材収容空間の前記入口付近に設けられ、研磨材を前記研磨材収容空間に引き込む研磨材送り手段と、前記カセット本体の出口と入口の間において前記球揚送路の背面側に形成された凹溝内に備えられ、前記カセット本体を前記球揚送ユニットの研磨材カセット収容空間に嵌合したときに、前記カセット本体の外側に露出されている研磨材を前記球揚送路の背面の開放部分に向けて押圧する左右一対のフラッパとを有している、
ことを特徴とする揚送研磨装置。
【請求項2】
前記研磨材カセットのカセット本体が、前記球揚送ユニットに着脱可能に装着されるものであって、上下に二分割可能に構成され、二分割した状態で研磨材の装填又は交換が可能であることを特徴とする請求項1に記載の揚送研磨装置。
【請求項3】
研磨材が球揚送路の研磨領域において水平方向に移動され、その研磨材と球揚送路を揚送される遊技球がクロスすることを特徴とする請求項1又は2に記載の揚送研磨装置。
【請求項4】
研磨材が、球揚送ガイドの球流入口と球排出口を除いた長さとほぼ等しい幅を有していることを特徴とする1、2又は3に記載の揚送研磨装置。
【請求項5】
研磨材送り手段が、研磨材の両側にその研磨材に永久変形を生じさせない程度の力で噛み合うように配置された、研磨材の幅とほぼ等しい長さを有する一対のギヤと、そのギヤに所定方向の回転力を与える第2駆動手段とからなることを特徴とする1、2、3又は4に記載の揚送研磨装置。
【請求項6】
カセット本体の研磨材収容空間に収容された研磨材が出口まで詰め込まれないように、研磨材の長さを設定して、研磨材収容空間の出口側に遊び空間を設けたことを特徴とする1、2、3又は4に記載の揚送研磨装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−187382(P2012−187382A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159296(P2011−159296)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000146663)株式会社新興製作所 (60)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000146663)株式会社新興製作所 (60)
【Fターム(参考)】
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