説明

換気口及び換気口における網板取付法

【課題】 本発明は、換気口を設置した建物において、建築時又はその後において網板を取付けることができたり、建物の使用中に網目の汚損や詰まりなどによって機能低下が起こった時に、網板の洗浄交換を簡単かつ迅速にすることができる取付法を提供するとともにそのような換気口を提供することを目的とする。
【解決手段】 筒体の外側開口部に設けた周鍔部をガラリ蓋板の凹段部に固着して成る換気口において、全体が弯曲形状に成る網板12を筒体の内側開口部2よりガラリ蓋板方向に収納し、しかる後にこの弯曲状態にある網板の頂点部分を指押して網板の周縁部分を拡張し、この網板の周縁部分を筒体の周鍔部とガラリ蓋板の凹段部との間の間隙部8に挿入して保持せしめるようにする網板の取付法である。また、全体が弯曲形状に成る網板の周縁部分をガラリ蓋板の凹段部と筒体の周鍔部との間に少許形成される間隙部に着脱し得るように取付けて成る換気口である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物用の換気口及び換気口における網板取付法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物における換気口は、屋外からの吸気と屋内からの排気という方向の異なる別作用を行うことを目的として設置されているが、各換気口部においてはメッシュの大きさが異なる網板を設けて防虫用や防鳥用としている。しかし、建築時には換気口にガラリ板を設けても網板を取付けていないものもあることから、建築後に網板を取付ける必要に迫られる場合がある。
【0003】
次に例示する公知文献は、換気口のメーカー側において建築時又はその後に網板を脱着し得るように設置した換気口である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3513113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明にあっては、網板をメーカー側で予め取付けなかった換気口を設置した建物において、建築時又はその後において網板を取付けることができたり、建物の使用中に網目の汚損や詰まりなどによって機能低下が起こったときの必要時に、網板の交換を簡単かつ迅速にすることができる取付法を提供することを目的とするとともに、そのような換気口を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、筒体の外側開口部に設けた周鍔部をガラリ蓋板の凹段部に固着して成る換気口において、全体が弯曲形状に成る網板を筒体の内側開口部よりガラリ蓋板方向に収納し、しかる後にこの弯曲状態にある網板の頂点部分を指押して網板の周縁部分を拡張し、この網板の周縁部分を筒体の周鍔部とガラリ蓋板の凹段部との間の間隙部に挿入して保持せしめるようにする換気口における網板の取付法である。
【0007】
また、本発明は、全体が弯曲形状に成る網板の周縁部分をガラリ蓋板の凹段部と筒体の周鍔部との間に少許形成する間隙部に着脱し得るように取付けて成る換気口である。
【発明の効果】
【0008】
建物の所定箇所に設置する換気口にあって、その筒体とガラリ蓋板との間に網板が予め取付けられているものであっても,いないものであっても、建物のユーザーの要望に合わせて、網板の後付け作業を簡単かつ迅速に行うことができる。
【0009】
即ち、予め網板の取付けられていない換気口にあっては、ユーザーは筒体の口径に合わせて所定寸法の網板を入手しこれを簡単に取付けることができるし、また予め網板の取付けられている換気口であって、ごみやほこり等により目詰まりや汚損状態が発生しているときには、ユーザーはこの網板をフード側又は筒体側のいずれかの方向から、任意の道具によって取り外して洗浄し、再びこの網板を換気口の所定箇所に取付けることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一換気口の斜視図
【図2】網板で、(a)は使用前の斜視図、(a’)は(a)A−A線の断面図、(b)は使用後の斜視図、(b’)は(b)B−B線の断面図
【図3】使用時の換気口の正斜視図
【図4】使用後の換気口の正斜視図
【図5】使用後の換気口の正面図
【図6】図5C−C線の断面図
【図7】網板取外し時の換気口の一部切欠背斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
いま新築建物における所定箇所での換気口の取付け時には、当該換気口のガラリ蓋板と筒体との間に網板がすでに介装されて取付けられている場合は問題ないが、換気口に網板が取付けられていない場合において、後日、ユーザーの要求によって網板を換気口に取付けたいときは、内側の筒体開口部方向から、用意してある全体が弯曲形状に成る網板を収納すると、網板の周囲部分は最初の状態のまま弾性力によってガラリ蓋板の凹段部と筒体の周鍔部との間隙部の入口で抑止されるから、この状態の弯曲形状の網板の頂点部分に指先を当ててこれを押圧する。(図2(a)(a’),図3参照)
【0012】
すると、網板の周囲部分は、弾力性をもってガラリ蓋板凹段部と筒体周鍔部との間隙部に自然に拡張して挿入するようになるから、これによって網板全体は垂直状態に変形することになり、その周囲部分は固定状態に保持されるようになる。(図2(b)(b’),図4参照)
【0013】
次に、網板の網目が使用中に汚損したり詰まったりした状態を発見した時などに網板を洗浄して取替えたいときは、換気口部分を屋内に通ずる外壁のダクトから取外した後、フード側から任意の道具をガラリ蓋板の内側部に臨設している網板に向って突き出せば、網板の周囲部分は挿入していたガラリ蓋板の凹段部と筒体の周鍔部との間隙部から直ちに離脱することになるから、これを取外すことができる(図7参照)。しかし取り外し方法としては、筒体側から道具を差し入れて網板の一部に掛け止め、これを取り外すようにしてもよい。
【実施例】
【0014】
1は内側部に開口部2を設けた所定長さの筒体で、この筒体の周面にはダクトに結合する取付け用の発条片3・・を設ける。
【0015】
4は前記筒体1の外側部の開口部5に外方に曲折して設けた周鍔部で、この周鍔部は相対するガラリ蓋板6の凹段部7に嵌合固着するように成る。
【0016】
この筒体1の周鍔部4とガラリ蓋板6の凹段部7との嵌合状態においては、この間に少許の間隙部8が形成されるようになる。
【0017】
9は前記ガラリ蓋板6が嵌合固着するフード体10外周の周枠部で、この周枠部によってガラリ蓋板の全体がフード体と一体に構成設置されるようになる。
【0018】
11は前記フード体9の下端部に形成する雨水ガイド板である。
【0019】
12は任意大きさの網目から成る円形状の網板で、この網板の最初の全体形状は、図1(a)(a’)に見られるとおり弯曲状態に成り、この網板が換気口内の所定箇所に取付けられた後は、図1(b)(b’)に見られるとおり垂直状態になる。
【符号の説明】
【0020】
1 筒体
2 内側開口部
3・・ 発条片
4 周鍔部
5 外側開口部
6 ガラリ蓋板
7 凹段部
8 間隙部
9 周枠部
10 フード体
11 雨水ガイド板
12 網板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体の外側開口部に設けた周鍔部をガラリ蓋板の凹段部に固着して成る換気口において、全体が弯曲形状に成る網板を筒体の内側開口部よりガラリ蓋板方向に収納し、しかる後にこの弯曲状態にある網板の頂点部分を指押して網板の周縁部分を拡張し、この網板の周縁部分を筒体の周鍔部とガラリ蓋板の凹段部との間の間隙部に挿入して保持せしめることを特徴とする換気口における網板取付法。
【請求項2】
全体が弯曲形状に成る網板の周縁部分をガラリ蓋板の凹段部と筒体の周鍔部との間に少許形成される間隙部に着脱し得るように取付けて成ることを特徴とする換気口。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−242081(P2011−242081A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116101(P2010−116101)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(593110144)宇佐美工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】