換気扇装置
【課題】バックアップ機能を備えた換気扇装置において、無駄なエネルギーを消費することなく、発熱体の動作が停止した後も筐体の内部の熱を適切に外部に放出する。
【解決手段】ファン9を作動させて、筐体2内の空気を外部に排出する換気扇7と、換気扇7に備えられ、筐体2内の空気を外部に排出するための排出経路を開閉するシャッター装置10と、換気扇7に異常が発生した時にファン17を作動させて、換気扇7の代わりに、筐体2内の空気を外部に排出する換気扇8と、換気扇8に備えられ、筐体2内の空気を外部に排出するための排出経路を開閉するシャッター装置18と、ファン9及びファン17が共に停止した時に、シャッター装置10及びシャッター装置18の双方が完全に閉じることを防止する防止装置(リンク棒23)とを備える。
【解決手段】ファン9を作動させて、筐体2内の空気を外部に排出する換気扇7と、換気扇7に備えられ、筐体2内の空気を外部に排出するための排出経路を開閉するシャッター装置10と、換気扇7に異常が発生した時にファン17を作動させて、換気扇7の代わりに、筐体2内の空気を外部に排出する換気扇8と、換気扇8に備えられ、筐体2内の空気を外部に排出するための排出経路を開閉するシャッター装置18と、ファン9及びファン17が共に停止した時に、シャッター装置10及びシャッター装置18の双方が完全に閉じることを防止する防止装置(リンク棒23)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2つの換気扇が排他的に作動する換気扇装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、吸気と排気とを同時に行う換気扇装置が提案されている。
【0003】
一方、大型変圧器等の重要設備には、換気扇の故障によって設備が停止してしまうことを防止するため、バックアップ機能を備えた換気扇装置が採用されている。図11は従来の換気扇装置の構成を示す側面図であり、バックアップ機能を備えたものを示している。
【0004】
図11において、1は大型変圧器等からなる発熱体、2は発熱体1を内部に収容する筐体である。筐体2の上部には、バックアップ機能を備えた換気扇装置が設けられている。換気扇装置には、通常動作用の換気扇27と、バックアップ用の換気扇28とが備えられている。換気扇27及び28は、排他的に作動する。即ち、換気扇27は、発熱体1を冷却する必要がある時(例えば、発熱体1の動作時)に優先的に作動する。換気扇28は、発熱体1の冷却が必要な場合であって、換気扇27に異常が発生して作動しない(停止した)時に、換気扇27の代わりに作動し、その冷却機能を継承する。
【0005】
換気扇27が作動している時に換気扇28の排気口が開いていると、その排気口から外部の空気が取り込まれ、ショートカット経路4aが形成されてしまう。このため、従来では、換気扇27及び28の各排気口にシャッター装置29及び30を設置し、吸気口3から空気を取り込む適正な冷却経路4の他に、ショートカット経路4aが形成されてしまうことを防止していた。
【0006】
シャッター装置29及び30は、重力式のものが多く採用される。即ち、シャッター装置29及び30に、開閉動作のための専用の駆動装置は備えられていない。
例えば、シャッター装置29は、一端部がファン31のケース32に蝶番等で回転自在に設けられたブレードからなる。シャッター装置29は、ファン31が回転すると、その風圧によって他端部が上方に持ち上げられ、排気口を開放する。また、ファン31が停止すると、シャッター装置29は自重によって他端部が下方に移動し、排気口を閉鎖する。
【0007】
シャッター装置30は、シャッター装置29と同様に、一端部がファン33のケース34に蝶番等によって回転自在に設けられたブレードからなる。シャッター装置30は、ファン33が回転すると、その風圧によって他端部が上方に持ち上げられ、排気口を開放する。また、ファン33が停止すると、シャッター装置30は自重によって他端部が下方に移動し、排気口を閉鎖する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−233983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図11に示す換気扇装置では、ファン31及び33を停止させると、シャッター装置29及び30が閉じてしまうため、筐体2表面からの自然熱伝達でしか放熱することができなくなってしまう。発熱体1が熱容量の大きい大型変圧器等の設備である場合、発熱体1からは、設備の動作を停止した後もかなりの熱が筐体2の内部(の空気)に放出される。このため、図11に示す換気扇装置において設備の停止と同時に換気扇27及び28を停止させると、強制換気或いは強制風冷されていた運転時と比較して、放熱量が著しく低下してしまうといった問題があった。例えば、筐体2の内部の熱容量が小さい場合は、発熱体1の表面温度が、運転時よりも一時的に高くなる場合がある。また、筐体2の内部に熱がこもり、筐体2の内部の温度が、内部に備えられた機器の許容温度上限を超えてしまう場合がある。更に、放熱体に電気絶縁物を使用している場合は、熱によって物性が劣化してしまう。
【0010】
従来では、筐体2の内部の温度上昇を防止するため、設備(発熱体1)の動作が終了した後も換気扇27(或いは28)を動作させて、強制換気を行っていた。しかし、このような対応では、省エネルギー化を図ることができず、また、停電時には対応できないといった問題があった。
【0011】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、バックアップ機能を備えた換気扇装置において、無駄なエネルギーを消費することなく、発熱体の動作が停止した後も筐体の内部の熱を適切に外部に放出することができる換気扇装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る換気扇装置は、第1のファンを作動させて、発熱体が収容された筐体内の空気を外部に排出する第1の換気扇と、第1の換気扇に備えられ、筐体内の空気を外部に排出するための第1の排出経路を開閉する第1のシャッター装置と、第1の換気扇に異常が発生した時に第2のファンを作動させて、第1の換気扇の代わりに、筐体内の空気を外部に排出する第2の換気扇と、第2の換気扇に備えられ、筐体内の空気を外部に排出するための第2の排出経路を開閉する第2のシャッター装置と、第1のファン及び第2のファンが共に停止した時に、第1のシャッター装置及び第2のシャッター装置の双方が完全に閉じることを防止する防止装置と、を備え、第1のシャッター装置は、第1のファンの作動時に開き、第2のファンの作動時に閉じ、第2のシャッター装置は、第2のファンの作動時に開き、第1のファンの作動時に閉じるものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、バックアップ機能を備えた換気扇装置において、無駄なエネルギーを消費することなく、発熱体の動作が停止した後も筐体の内部の熱を適切に外部に放出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1における換気扇装置の構成を示す側面図である。
【図2】図1に示す換気扇装置の要部斜視図である。
【図3】図1に示す換気扇装置の要部斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図5】この発明の実施の形態1における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図6】この発明の実施の形態1における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図7】この発明の実施の形態1における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図8】この発明の実施の形態2における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図9】この発明の実施の形態2における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図10】この発明の実施の形態2における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図11】従来の換気扇装置の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0016】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における換気扇装置の構成を示す側面図、図2及び図3は図1に示す換気扇装置の要部斜視図である。
【0017】
図1乃至図3において、1は大型変圧器等からなる発熱体、2は発熱体1を内部に収容する箱状の筐体である。筐体2には、発熱体1を内部に収容したり発熱体1を保守したりするための扉やカバーが備えられているが、図1ではそれらの図示を省略している。
【0018】
筐体2の上部には、バックアップ機能を備えた換気扇装置が設けられている。換気扇装置は、筐体2の内部の空気を筐体2の外部に排出するためのものである。筐体2には、その下部に吸気口3が形成されている。換気扇装置が作動することにより、筐体2の外部の空気が、吸気口3から筐体2の内部に取り込まれる。また、換気扇装置が作動することにより、筐体2の内部で空気による冷却経路4が形成され、筐体2の内部の空気が、換気扇装置の上部に形成された排気口5a或いは5bから、筐体2の外部に強制的に排出される。発熱体1で発生した熱は、発熱体1の表面から周囲の空気に伝播する。発熱体1からの熱によって温まった空気が冷却経路4に沿って移動し、筐体2の外部に排出されることにより、発熱体1が適切に冷却される。6は冷却経路4を適切に形成するためのバッフルである。バッフル6を発熱体1に近接して配置することにより、適切な強制風冷構造を得ることができる。
【0019】
換気扇装置には、通常動作用の換気扇7と、バックアップ用の換気扇8とが備えられている。換気扇7及び8は、排他的に作動する。即ち、換気扇7は、発熱体1を冷却する必要がある時(例えば、発熱体1の動作時)に優先的に作動する。換気扇8は、発熱体1の冷却が必要な場合であって、換気扇7に異常が発生して作動しない(停止した)時に、換気扇7の代わりに作動し、その冷却機能を継承する。
【0020】
筐体2には、その上部に、開口2a及び2bが形成されている。換気扇7は、一方の開口2aに対応するように筐体2に設けられている。
換気扇7には、ファン9とシャッター装置10とが備えられている。シャッター装置10は、開口2aを上方から塞ぐように開口2aの直上部に配置され、筐体2に固定されている。ファン9は、ケース11に収容されており、ケース11が、シャッター装置10の上部に固定されている。このため、シャッター装置10は、ファン9よりも開口2a側(筐体2側)に配置されている。換気扇7においてファン9が作動(回転)すると、筐体2の内部の空気は、開口2a、シャッター装置10及びファン9を順次通過した後、排気口5aから外部に排出される。排気口5aは、ケース11の上部に形成されている。
【0021】
シャッター装置10は、筐体2の内部の空気を外部に排出するための排出経路を開閉する。本実施の形態では、シャッター装置10を筐体2の直上部に配置し、シャッター装置10によって開口2aを開閉している。即ち、シャッター装置10が閉じている状態の時、筐体2内の空気は、排気口5aから外部に排出されない。筐体2内の空気が排気口5aから外部に排出可能になるのは、シャッター装置10が開いている状態の時である。
【0022】
シャッター装置10は、例えば、上記排出経路を開閉する複数枚のブレード12、各ブレード12が連結された連結棒(連結材)13、ブレード12を収容するケース14により、その要部が構成される。
【0023】
各ブレード12は、一端部が、水平な軸15を介してケース14に等間隔に取り付けられ、ケース14に対して、所定の角度内を回転自在に設けられている。ブレード12は、先端部(他端部)が他のブレード12の一端部と重なり合うように水平に配置されることにより、開口2aを閉鎖する(図3参照)。また、ブレード12は、図3に示す状態から軸15を中心に移動して、先端部が上方に持ち上がることにより、開口2aを開放する(図2参照)。
【0024】
連結棒13は、シャッター装置10に備えられている全てのブレード12を常に同じ姿勢に保つためのものである。各ブレード12は、一端部が、水平な軸16を介して、軸15に近接した位置で連結棒13に回動自在に設けられている。このため、連結棒13をブレード12に対して一側(図2及び図3では、右側)に移動させることにより、先端部が上方に持ち上がるように各ブレード12が軸15を中心に移動し、開口2a(上記排出経路)が開放される。また、連結棒13をブレード12に対して他側(図2及び図3では、左側)に移動させることにより、先端部の位置が下がるように各ブレード12が軸15を中心に移動し、開口2a(上記排出経路)を閉鎖する。
【0025】
換気扇8は、他方の開口2bに対応するように筐体2に設けられている。換気扇8の構成は、換気扇7の構成と基本的に同じである。
換気扇8には、ファン17とシャッター装置18とが備えられている。シャッター装置18は、開口2bを上方から塞ぐように開口2bの直上部に配置され、筐体2に固定されている。ファン17は、ケース19に収容されており、ケース19が、シャッター装置18の上部に固定されている。このため、シャッター装置18は、ファン17よりも開口2b側(筐体2側)に配置されている。換気扇8においてファン17が作動(回転)すると、筐体2の内部の空気は、開口2b、シャッター装置18及びファン17を順次通過した後、排気口5bから外部に排出される。排気口5bは、ケース19の上部に形成されている。
【0026】
シャッター装置18は、筐体2の内部の空気を外部に排出するための排出経路を開閉する。本実施の形態では、シャッター装置18を筐体2の直上部に配置し、シャッター装置18によって開口2bを開閉している。即ち、シャッター装置18が閉じている状態の時、筐体2内の空気は、排気口5bから外部に排出されない。筐体2内の空気が排気口5bから外部に排出可能になるのは、シャッター装置18が開いている状態の時である。
【0027】
シャッター装置18は、例えば、上記排出経路を開閉する複数枚のブレード20、各ブレード20が連結された連結棒(連結材)21、ブレード20を収容するケース22により、その要部が構成される。シャッター装置18を構成する各要素は、シャッター装置10の対応する要素と基本的に同じ機能を有している。
【0028】
例えば、ブレード20は、先端部(他端部)が他のブレード20の一端部と重なり合うように水平に配置されることにより、開口2b(上記排出経路)を閉鎖する。ブレード20は、ケース22に設けられた軸を中心に移動して、先端部が上方に持ち上がることにより、開口2b(上記排出経路)を開放する。また、連結棒21は、シャッター装置18に備えられている全てのブレード20を常に同じ姿勢に保つように機能する。即ち、連結棒21をブレード20に対して一側(図1では、左側)に移動させると、開口2b(上記排出経路)が開放される。また、連結棒21をブレード20に対して他側(図1では、右側)に移動させると、開口2b(上記排出経路)が閉鎖される。
【0029】
シャッター装置18は、シャッター装置10の設置向きとは反対の向きに設置されている。このため、シャッター装置18のブレード20は、シャッター装置10のブレード12に正対するように配置される。本実施の形態では、ブレード12の先端部とブレード20の先端部とが向かい合うように、シャッター装置10及び18が左右対称に配置されている。
【0030】
23はシャッター装置10の連結棒13とシャッター装置18の連結棒21とに連結されたリンク棒である。リンク棒23は、ファン9及び17が共に停止した時に、シャッター装置10のブレード12及びシャッター装置18のブレード20の双方が完全に閉じてしまうことを防止する防止装置を構成する。リンク棒23は、一端部が連結棒13の一端部に、他端部が連結棒21の一端部にそれぞれ回転自在に設けられ、中間部が筐体2の内部を通過するように配置されている。本実施の形態では、ブレード12及び20をリンク棒23によって連動させることにより、上記防止装置の機能を実現している。
【0031】
次に、図4乃至図7も参照し、上記構成を有する換気扇装置の動作について説明する。図4乃至図7は、この発明の実施の形態1における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【0032】
大型変圧器等が動作して発熱体1から熱が発生すると、換気扇装置では、換気扇7が作動して冷却経路4を形成し、発熱体1を冷却する。また、換気扇7が正常に作動している時、換気扇8は停止されている(図4参照)。
【0033】
本実施の形態におけるシャッター装置10及び18は、ブレード12及び20の開閉動作に専用の駆動装置を必要としない、重力式のものである。即ち、換気扇7のファン9が作動して回転すると、シャッター装置10の内部(ブレード12の上方側)の圧力が下がる。シャッター装置10では、ファン9の回転によって内部の圧力が下がると、ブレード12が、筐体2の内部の空気に下方から押されて先端部が持ち上がり、開口2aを開放する。これにより、筐体2の外部の空気が、吸気口3から筐体2の内部に取り込まれ、発熱体1の近傍を通過した後に、開口2a、シャッター装置10(のケース14)、ファン9(を収容するケース11)を順次通過して、排気口5aから外部に排出される。
【0034】
シャッター装置18のブレード20は、ケース22に支持された支点(軸)から先端部までの距離が、連結棒21が連結された一端部までの距離よりも長くなるように構成されている。このため、ファン17が作動していない時、ブレード20には、自重によって開口2b(排出経路)を閉じるように力が作用する。
【0035】
また、ファン9が作動することによってブレード12の先端部が持ち上がると、ブレード12の一端部に連結された連結棒13が、ブレード12に対して一側(図4において右側)に移動する。連結棒13のこの移動は、リンク棒23を介してシャッター装置18の連結棒21に伝わる。ブレード12及び20は正対するように配置されているため、連結棒13がブレード12に対して一側することにより、連結棒21は、ブレード20に対して他側(図4において右側)に移動する。連結棒21がブレード20に対して他側に移動すると、ブレード20は、先端部が下がり、開口2bを閉鎖するように移動する。即ち、連結棒13及び21がリンク棒23によって連結されているため、ブレード12の開動作によってブレード20を閉動作させることができる。
【0036】
このため、ファン9が定格で作動し、ファン17が停止している定常時は、シャッター装置10(のブレード12)が最大に開いて、シャッター装置18(のブレード20)が完全に閉じた状態になる。かかる状態では、ブレード20が完全に閉じているため、排気口5bから取り込まれた外部の空気が開口2b、筐体2の内部、開口2aを順次通過して排気口5aから排出される経路(図1に示すショートカット経路4a)が形成されることはない。
【0037】
図4に示す定常時に換気扇7に故障等が発生すると、検出装置(図示せず)によってその異常が検出され、制御装置(図示せず)によって換気扇7から換気扇8への切り替えが行われる。即ち、制御装置は、検出装置によって換気扇7の異常が検出されると、換気扇7(のファン9)を停止させ、換気扇8(のファン17)を作動させる。図5は、換気扇8のファン17を作動させた直後の状態(過渡期)を示している。この時、換気扇7では、ファン9を停止させるための動作が行われている。即ち、換気扇7では、ファン9の回転が徐々に遅くなり、風速が徐々に弱くなっている。
【0038】
一方、換気扇8では、ファン17が作動して回転が開始されるため、シャッター装置18の内部(ブレード20の上方側)の圧力が徐々に下がる。シャッター装置18では、ファン17の回転によって内部の圧力が下がると、ブレード20が、筐体2の内部の空気に下方から押されて、先端部が持ち上がるように力を受ける。
【0039】
なお、シャッター装置10では、ブレード12が、ケース14に支持された支点(軸15)から先端部までの距離が、連結棒13が連結された一端部までの距離よりも長くなるように構成されている。このため、ファン9が作動していない時、ブレード12には、自重によって開口2a(排出経路)を閉じるように力が作用する。
【0040】
したがって、換気扇7から換気扇8への切り替えが行われると、ブレード20の先端部が持ち上がり、開口2bが開放する。また、ファン17が作動することによってブレード20の先端部が持ち上がると、ブレード20の一端部に連結された連結棒21が、ブレード20に対して一側(図5において左側)に移動する。連結棒21のこの移動は、リンク棒23を介してシャッター装置10の連結棒13に伝わる。連結棒21がブレード20に対して一側することにより、連結棒13は、ブレード12に対して他側(図5において左側)に移動する。連結棒13がブレード12に対して他側に移動すると、ブレード12は、先端部が下がり、開口2aを閉鎖するように移動する。即ち、連結棒13及び21がリンク棒23によって連結されているため、ブレード20の開動作によってブレード12を閉動作させることができる。
【0041】
このため、ファン9が停止し、ファン17が定格で作動するバックアップ時は、図6に示すように、シャッター装置18(のブレード20)が最大に開いて、シャッター装置10(のブレード12)が完全に閉じた状態になる。かかる状態では、ブレード12が完全に閉じているため、排気口5aから取り込まれた外部の空気が開口2a、筐体2の内部、開口2bを順次通過して排気口5bから排出されるショートカット経路が形成されることはない。
【0042】
その後、大型変圧器等からなる発熱体1の動作が終了すると、換気扇8(のファン17)が停止し、換気扇7のファン9と換気扇8のファン17との双方が止まった状態になる(図7参照)。なお、図7に示す状態は、換気扇7に異常が発生せず、換気扇装置が定常状態のまま停止した場合も同じである。かかる状態では、ブレード12には、自重によって開口2aを閉じるように力が作用する。同様に、ブレード20には、自重によって開口2bを閉じるように力が作用する。しかし、連結棒13及び21がリンク棒23によって連結されているため、ブレード12及び20の双方が完全に閉じることはない。ファン9及び17の双方が停止すると、ブレード12及び20は、それぞれの開閉に関するエネルギーが均衡する位置で停止し、換気扇装置には、シャッター装置10(或いは18)一台分程度の開口量(排出経路)が確保される。
【0043】
発熱体1が大型変圧器といった熱容量の大きな設備である場合、発熱体1の動作が停止しても、発熱体1が直ぐに低温になる訳ではない。発熱体1からは、設備の動作を停止した後もかなりの熱が筐体2の内部(の空気)に放出される。上記構成を有する換気扇装置であれば、換気扇7及び8が停止した後も、シャッター装置10(或いは18)一台分程度の排出経路を確保することができる。このため、発熱体1によって温められた空気は、筐体2の内部を上昇し、排出口5a及び/又は5bから筐体2の外部に排出される。また、筐体2の内部の空気が排出口5a及び/又は5bから筐体2の外部に排出されることにより、吸気口3から筐体2の内部に冷たい空気が取り込まれる。このため、設備(発熱体1)の動作が停止した後も筐体2の内部の熱を外部に放出することができ、適切な自然換気状態を形成することができる。
【0044】
なお、上記構成の換気扇装置であれば、設備(発熱体1)の動作を停止させた後に、無駄なエネルギーが消費されることもなく、停電時にも対応できる。
【0045】
また、上記構成の換気扇装置では、シャッター装置10及び18がファン9及び17の下側(筐体2側)に配置され、且つ、リンク棒23が、筐体2の内部を通過するように配置されている。このため、上記自然換気機能を実現するための構成が、筐体2の外部に露出することがなく、可動機構を適切に保護することができる。
【0046】
本実施の形態では、シャッター装置10及び18の幅及び奥行きが30乃至50cm程度のものを想定して説明を行った。かかる場合、シャッター装置10及び18には、ブレード12及び20が5乃至10枚程度設置される。一方、シャッター装置10及び18が小型のものの場合は、ブレード12及び20の設置枚数が本実施の形態のものよりも少なくても良い。かかる場合、例えば、リンク棒23をブレード12及び20に直接連結しても良い。
【0047】
実施の形態2.
図8乃至図10はこの発明の実施の形態2における換気扇装置の動作を説明するための図である。図8乃至図10に示す換気扇装置は、実施の形態1において示した構成に、電磁ソレノイド装置24を追加したものである。
【0048】
電磁ソレノイド装置24は、換気扇7(のファン9)及び換気扇8(のファン17)が共に停止した後、所定の解除条件が成立した際に、リンク棒23による連結棒13及び21の連結を解除する解除装置を構成する。シャッター装置10及び18は、上述したように、共に重力式である。このため、ファン9及び17の双方が停止している時にリンク棒23による連結棒13及び21の連結が解除されると、ブレード12及び20の各先端部が下方に移動して開口2a及び2bを完全に塞ぎ、シャッター装置10及び18は共に閉じた状態になる。
【0049】
本換気扇装置では、連結棒13及び21がリンク棒23によって連結されているため、換気扇7及び8が共に停止しても、その直後にシャッター装置10及び18の双方が閉じてしまうことはない。このため、筐体2内部の温まった空気を筐体2の外部に排出することができるものの、埃やゴミが、開口2a及び/又は2bを介して筐体2の内部に進入することも許してしまう。電磁ソレノイド装置24は、換気扇7及び8が停止した後に、ブレード12及び/又は20が長時間開放されたままの状態で放置されることを防止するためのものである。即ち、電磁ソレノイド装置24は、動作していたファン9又は17が停止した直後は、排出経路を確保して、上記自然換気機能を実現する。一方、動作していたファン9又は17が停止した後に所定の解除条件が成立すると、シャッター装置10及び18(のブレード12及び20)を完全に閉じて、筐体2の内部に埃やゴミが進入することを防止する。
【0050】
電磁ソレノイド装置24は、例えば、アーム25、電磁式のソレノイド26、電源部(図示せず)により、その要部が構成される。
アーム25は、先端部が、リンク棒23の中間部に回転自在に連結されている。ソレノイド26は、アーム25を伸縮させるためのものである。即ち、電源部からソレノイド26に所定の電源が供給されると、アーム25が伸びてリンク棒23が上方位置に変位される。リンク棒23には、他端部に上方に開口する凹部が形成されている。リンク棒23は、電磁ソレノイド装置24によって上方位置に変位されると、他端部の上記開口内に、連結棒21に設けられたピンを収容し、連結棒21に連結された状態になる。かかる状態であれば、リンク棒23は、ブレード12の開動作によってブレード20を閉動作させ、ブレード20の開動作によってブレード12を閉動作させることができる。
【0051】
一方、電源部からソレノイド26に所定の電源が供給されていない場合は、アーム25が縮んでリンク棒23が下方位置に変位される。リンク棒23は、電磁ソレノイド装置24によって下方位置に変位されると、他端部の上記開口から、連結棒21に設けられたピンが外れ、連結棒21に連結されていない状態(連結棒13及び21の連結を解除した状態)になる。かかる状態では、リンク棒23は、ブレード12及び20の各動作を互いに連動させることができない。このため、ブレード12及び20は、自重によって各先端部が下がり、開口2a及び2bの双方が閉鎖される。
【0052】
電磁ソレノイド装置24は、上記解除条件の成立の有無を、例えば、ファン9及び17が共に停止してからの経過時間に基づいて判定する。かかる場合、例えば、電源部にスイッチ機能を備えておき、発熱体1にエネルギー供給が行われている間は、上記スイッチをONにして、電源部からソレノイド26に所定の電源を供給する。その後、発熱体1へのエネルギー供給が遮断されてファン9及び17が同時に停止した状態になると、それから所定の時間が経過した後に、上記スイッチをOFFにして、電源部からソレノイド26への電源供給を遮断する。これにより、発熱体1と筐体2との熱時定数に応じた熱放出に要する時間を確保することができる。
【0053】
電磁ソレノイド装置24は、上記解除条件の成立の有無を、発熱体1の温度(或いは、筐体2の内部温度)に基づいて判定しても良い。かかる場合、例えば、発熱体1の温度(或いは、筐体2の内部温度)を検出する温度検出装置(図示せず)を別途備えておく。
【0054】
上記構成の電磁ソレノイド装置24では、発熱体1にエネルギー供給が行われている間、電源部からソレノイド26に所定の電源を供給する。その後、発熱体1へのエネルギー供給が遮断されてファン9及び17が同時に停止した状態になると、その後に温度検出装置によって検出された温度が所定値よりも低くなった場合に、電源部からソレノイド26への電源供給を遮断する。かかる構成であれば、発熱体1の温度(或いは、筐体2の内部温度)が所定値よりも低くなったことを確認してから、連結棒13及び21の連結を解除することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 発熱体
2 筐体
2a、2b 開口
3 吸気口
4 冷却経路
4a ショートカット経路
5a、5b 排気口
6 バッフル
7、8、27、28 換気扇
9、17、31、33 ファン
10、18、29、30 シャッター装置
11、14、19、22、32、34 ケース
12、20 ブレード
13、21 連結棒
15、16 軸
23 リンク棒
24 電磁ソレノイド装置
25 アーム
26 ソレノイド
【技術分野】
【0001】
この発明は、2つの換気扇が排他的に作動する換気扇装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、吸気と排気とを同時に行う換気扇装置が提案されている。
【0003】
一方、大型変圧器等の重要設備には、換気扇の故障によって設備が停止してしまうことを防止するため、バックアップ機能を備えた換気扇装置が採用されている。図11は従来の換気扇装置の構成を示す側面図であり、バックアップ機能を備えたものを示している。
【0004】
図11において、1は大型変圧器等からなる発熱体、2は発熱体1を内部に収容する筐体である。筐体2の上部には、バックアップ機能を備えた換気扇装置が設けられている。換気扇装置には、通常動作用の換気扇27と、バックアップ用の換気扇28とが備えられている。換気扇27及び28は、排他的に作動する。即ち、換気扇27は、発熱体1を冷却する必要がある時(例えば、発熱体1の動作時)に優先的に作動する。換気扇28は、発熱体1の冷却が必要な場合であって、換気扇27に異常が発生して作動しない(停止した)時に、換気扇27の代わりに作動し、その冷却機能を継承する。
【0005】
換気扇27が作動している時に換気扇28の排気口が開いていると、その排気口から外部の空気が取り込まれ、ショートカット経路4aが形成されてしまう。このため、従来では、換気扇27及び28の各排気口にシャッター装置29及び30を設置し、吸気口3から空気を取り込む適正な冷却経路4の他に、ショートカット経路4aが形成されてしまうことを防止していた。
【0006】
シャッター装置29及び30は、重力式のものが多く採用される。即ち、シャッター装置29及び30に、開閉動作のための専用の駆動装置は備えられていない。
例えば、シャッター装置29は、一端部がファン31のケース32に蝶番等で回転自在に設けられたブレードからなる。シャッター装置29は、ファン31が回転すると、その風圧によって他端部が上方に持ち上げられ、排気口を開放する。また、ファン31が停止すると、シャッター装置29は自重によって他端部が下方に移動し、排気口を閉鎖する。
【0007】
シャッター装置30は、シャッター装置29と同様に、一端部がファン33のケース34に蝶番等によって回転自在に設けられたブレードからなる。シャッター装置30は、ファン33が回転すると、その風圧によって他端部が上方に持ち上げられ、排気口を開放する。また、ファン33が停止すると、シャッター装置30は自重によって他端部が下方に移動し、排気口を閉鎖する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−233983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図11に示す換気扇装置では、ファン31及び33を停止させると、シャッター装置29及び30が閉じてしまうため、筐体2表面からの自然熱伝達でしか放熱することができなくなってしまう。発熱体1が熱容量の大きい大型変圧器等の設備である場合、発熱体1からは、設備の動作を停止した後もかなりの熱が筐体2の内部(の空気)に放出される。このため、図11に示す換気扇装置において設備の停止と同時に換気扇27及び28を停止させると、強制換気或いは強制風冷されていた運転時と比較して、放熱量が著しく低下してしまうといった問題があった。例えば、筐体2の内部の熱容量が小さい場合は、発熱体1の表面温度が、運転時よりも一時的に高くなる場合がある。また、筐体2の内部に熱がこもり、筐体2の内部の温度が、内部に備えられた機器の許容温度上限を超えてしまう場合がある。更に、放熱体に電気絶縁物を使用している場合は、熱によって物性が劣化してしまう。
【0010】
従来では、筐体2の内部の温度上昇を防止するため、設備(発熱体1)の動作が終了した後も換気扇27(或いは28)を動作させて、強制換気を行っていた。しかし、このような対応では、省エネルギー化を図ることができず、また、停電時には対応できないといった問題があった。
【0011】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、バックアップ機能を備えた換気扇装置において、無駄なエネルギーを消費することなく、発熱体の動作が停止した後も筐体の内部の熱を適切に外部に放出することができる換気扇装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る換気扇装置は、第1のファンを作動させて、発熱体が収容された筐体内の空気を外部に排出する第1の換気扇と、第1の換気扇に備えられ、筐体内の空気を外部に排出するための第1の排出経路を開閉する第1のシャッター装置と、第1の換気扇に異常が発生した時に第2のファンを作動させて、第1の換気扇の代わりに、筐体内の空気を外部に排出する第2の換気扇と、第2の換気扇に備えられ、筐体内の空気を外部に排出するための第2の排出経路を開閉する第2のシャッター装置と、第1のファン及び第2のファンが共に停止した時に、第1のシャッター装置及び第2のシャッター装置の双方が完全に閉じることを防止する防止装置と、を備え、第1のシャッター装置は、第1のファンの作動時に開き、第2のファンの作動時に閉じ、第2のシャッター装置は、第2のファンの作動時に開き、第1のファンの作動時に閉じるものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、バックアップ機能を備えた換気扇装置において、無駄なエネルギーを消費することなく、発熱体の動作が停止した後も筐体の内部の熱を適切に外部に放出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1における換気扇装置の構成を示す側面図である。
【図2】図1に示す換気扇装置の要部斜視図である。
【図3】図1に示す換気扇装置の要部斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図5】この発明の実施の形態1における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図6】この発明の実施の形態1における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図7】この発明の実施の形態1における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図8】この発明の実施の形態2における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図9】この発明の実施の形態2における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図10】この発明の実施の形態2における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【図11】従来の換気扇装置の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0016】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における換気扇装置の構成を示す側面図、図2及び図3は図1に示す換気扇装置の要部斜視図である。
【0017】
図1乃至図3において、1は大型変圧器等からなる発熱体、2は発熱体1を内部に収容する箱状の筐体である。筐体2には、発熱体1を内部に収容したり発熱体1を保守したりするための扉やカバーが備えられているが、図1ではそれらの図示を省略している。
【0018】
筐体2の上部には、バックアップ機能を備えた換気扇装置が設けられている。換気扇装置は、筐体2の内部の空気を筐体2の外部に排出するためのものである。筐体2には、その下部に吸気口3が形成されている。換気扇装置が作動することにより、筐体2の外部の空気が、吸気口3から筐体2の内部に取り込まれる。また、換気扇装置が作動することにより、筐体2の内部で空気による冷却経路4が形成され、筐体2の内部の空気が、換気扇装置の上部に形成された排気口5a或いは5bから、筐体2の外部に強制的に排出される。発熱体1で発生した熱は、発熱体1の表面から周囲の空気に伝播する。発熱体1からの熱によって温まった空気が冷却経路4に沿って移動し、筐体2の外部に排出されることにより、発熱体1が適切に冷却される。6は冷却経路4を適切に形成するためのバッフルである。バッフル6を発熱体1に近接して配置することにより、適切な強制風冷構造を得ることができる。
【0019】
換気扇装置には、通常動作用の換気扇7と、バックアップ用の換気扇8とが備えられている。換気扇7及び8は、排他的に作動する。即ち、換気扇7は、発熱体1を冷却する必要がある時(例えば、発熱体1の動作時)に優先的に作動する。換気扇8は、発熱体1の冷却が必要な場合であって、換気扇7に異常が発生して作動しない(停止した)時に、換気扇7の代わりに作動し、その冷却機能を継承する。
【0020】
筐体2には、その上部に、開口2a及び2bが形成されている。換気扇7は、一方の開口2aに対応するように筐体2に設けられている。
換気扇7には、ファン9とシャッター装置10とが備えられている。シャッター装置10は、開口2aを上方から塞ぐように開口2aの直上部に配置され、筐体2に固定されている。ファン9は、ケース11に収容されており、ケース11が、シャッター装置10の上部に固定されている。このため、シャッター装置10は、ファン9よりも開口2a側(筐体2側)に配置されている。換気扇7においてファン9が作動(回転)すると、筐体2の内部の空気は、開口2a、シャッター装置10及びファン9を順次通過した後、排気口5aから外部に排出される。排気口5aは、ケース11の上部に形成されている。
【0021】
シャッター装置10は、筐体2の内部の空気を外部に排出するための排出経路を開閉する。本実施の形態では、シャッター装置10を筐体2の直上部に配置し、シャッター装置10によって開口2aを開閉している。即ち、シャッター装置10が閉じている状態の時、筐体2内の空気は、排気口5aから外部に排出されない。筐体2内の空気が排気口5aから外部に排出可能になるのは、シャッター装置10が開いている状態の時である。
【0022】
シャッター装置10は、例えば、上記排出経路を開閉する複数枚のブレード12、各ブレード12が連結された連結棒(連結材)13、ブレード12を収容するケース14により、その要部が構成される。
【0023】
各ブレード12は、一端部が、水平な軸15を介してケース14に等間隔に取り付けられ、ケース14に対して、所定の角度内を回転自在に設けられている。ブレード12は、先端部(他端部)が他のブレード12の一端部と重なり合うように水平に配置されることにより、開口2aを閉鎖する(図3参照)。また、ブレード12は、図3に示す状態から軸15を中心に移動して、先端部が上方に持ち上がることにより、開口2aを開放する(図2参照)。
【0024】
連結棒13は、シャッター装置10に備えられている全てのブレード12を常に同じ姿勢に保つためのものである。各ブレード12は、一端部が、水平な軸16を介して、軸15に近接した位置で連結棒13に回動自在に設けられている。このため、連結棒13をブレード12に対して一側(図2及び図3では、右側)に移動させることにより、先端部が上方に持ち上がるように各ブレード12が軸15を中心に移動し、開口2a(上記排出経路)が開放される。また、連結棒13をブレード12に対して他側(図2及び図3では、左側)に移動させることにより、先端部の位置が下がるように各ブレード12が軸15を中心に移動し、開口2a(上記排出経路)を閉鎖する。
【0025】
換気扇8は、他方の開口2bに対応するように筐体2に設けられている。換気扇8の構成は、換気扇7の構成と基本的に同じである。
換気扇8には、ファン17とシャッター装置18とが備えられている。シャッター装置18は、開口2bを上方から塞ぐように開口2bの直上部に配置され、筐体2に固定されている。ファン17は、ケース19に収容されており、ケース19が、シャッター装置18の上部に固定されている。このため、シャッター装置18は、ファン17よりも開口2b側(筐体2側)に配置されている。換気扇8においてファン17が作動(回転)すると、筐体2の内部の空気は、開口2b、シャッター装置18及びファン17を順次通過した後、排気口5bから外部に排出される。排気口5bは、ケース19の上部に形成されている。
【0026】
シャッター装置18は、筐体2の内部の空気を外部に排出するための排出経路を開閉する。本実施の形態では、シャッター装置18を筐体2の直上部に配置し、シャッター装置18によって開口2bを開閉している。即ち、シャッター装置18が閉じている状態の時、筐体2内の空気は、排気口5bから外部に排出されない。筐体2内の空気が排気口5bから外部に排出可能になるのは、シャッター装置18が開いている状態の時である。
【0027】
シャッター装置18は、例えば、上記排出経路を開閉する複数枚のブレード20、各ブレード20が連結された連結棒(連結材)21、ブレード20を収容するケース22により、その要部が構成される。シャッター装置18を構成する各要素は、シャッター装置10の対応する要素と基本的に同じ機能を有している。
【0028】
例えば、ブレード20は、先端部(他端部)が他のブレード20の一端部と重なり合うように水平に配置されることにより、開口2b(上記排出経路)を閉鎖する。ブレード20は、ケース22に設けられた軸を中心に移動して、先端部が上方に持ち上がることにより、開口2b(上記排出経路)を開放する。また、連結棒21は、シャッター装置18に備えられている全てのブレード20を常に同じ姿勢に保つように機能する。即ち、連結棒21をブレード20に対して一側(図1では、左側)に移動させると、開口2b(上記排出経路)が開放される。また、連結棒21をブレード20に対して他側(図1では、右側)に移動させると、開口2b(上記排出経路)が閉鎖される。
【0029】
シャッター装置18は、シャッター装置10の設置向きとは反対の向きに設置されている。このため、シャッター装置18のブレード20は、シャッター装置10のブレード12に正対するように配置される。本実施の形態では、ブレード12の先端部とブレード20の先端部とが向かい合うように、シャッター装置10及び18が左右対称に配置されている。
【0030】
23はシャッター装置10の連結棒13とシャッター装置18の連結棒21とに連結されたリンク棒である。リンク棒23は、ファン9及び17が共に停止した時に、シャッター装置10のブレード12及びシャッター装置18のブレード20の双方が完全に閉じてしまうことを防止する防止装置を構成する。リンク棒23は、一端部が連結棒13の一端部に、他端部が連結棒21の一端部にそれぞれ回転自在に設けられ、中間部が筐体2の内部を通過するように配置されている。本実施の形態では、ブレード12及び20をリンク棒23によって連動させることにより、上記防止装置の機能を実現している。
【0031】
次に、図4乃至図7も参照し、上記構成を有する換気扇装置の動作について説明する。図4乃至図7は、この発明の実施の形態1における換気扇装置の動作を説明するための図である。
【0032】
大型変圧器等が動作して発熱体1から熱が発生すると、換気扇装置では、換気扇7が作動して冷却経路4を形成し、発熱体1を冷却する。また、換気扇7が正常に作動している時、換気扇8は停止されている(図4参照)。
【0033】
本実施の形態におけるシャッター装置10及び18は、ブレード12及び20の開閉動作に専用の駆動装置を必要としない、重力式のものである。即ち、換気扇7のファン9が作動して回転すると、シャッター装置10の内部(ブレード12の上方側)の圧力が下がる。シャッター装置10では、ファン9の回転によって内部の圧力が下がると、ブレード12が、筐体2の内部の空気に下方から押されて先端部が持ち上がり、開口2aを開放する。これにより、筐体2の外部の空気が、吸気口3から筐体2の内部に取り込まれ、発熱体1の近傍を通過した後に、開口2a、シャッター装置10(のケース14)、ファン9(を収容するケース11)を順次通過して、排気口5aから外部に排出される。
【0034】
シャッター装置18のブレード20は、ケース22に支持された支点(軸)から先端部までの距離が、連結棒21が連結された一端部までの距離よりも長くなるように構成されている。このため、ファン17が作動していない時、ブレード20には、自重によって開口2b(排出経路)を閉じるように力が作用する。
【0035】
また、ファン9が作動することによってブレード12の先端部が持ち上がると、ブレード12の一端部に連結された連結棒13が、ブレード12に対して一側(図4において右側)に移動する。連結棒13のこの移動は、リンク棒23を介してシャッター装置18の連結棒21に伝わる。ブレード12及び20は正対するように配置されているため、連結棒13がブレード12に対して一側することにより、連結棒21は、ブレード20に対して他側(図4において右側)に移動する。連結棒21がブレード20に対して他側に移動すると、ブレード20は、先端部が下がり、開口2bを閉鎖するように移動する。即ち、連結棒13及び21がリンク棒23によって連結されているため、ブレード12の開動作によってブレード20を閉動作させることができる。
【0036】
このため、ファン9が定格で作動し、ファン17が停止している定常時は、シャッター装置10(のブレード12)が最大に開いて、シャッター装置18(のブレード20)が完全に閉じた状態になる。かかる状態では、ブレード20が完全に閉じているため、排気口5bから取り込まれた外部の空気が開口2b、筐体2の内部、開口2aを順次通過して排気口5aから排出される経路(図1に示すショートカット経路4a)が形成されることはない。
【0037】
図4に示す定常時に換気扇7に故障等が発生すると、検出装置(図示せず)によってその異常が検出され、制御装置(図示せず)によって換気扇7から換気扇8への切り替えが行われる。即ち、制御装置は、検出装置によって換気扇7の異常が検出されると、換気扇7(のファン9)を停止させ、換気扇8(のファン17)を作動させる。図5は、換気扇8のファン17を作動させた直後の状態(過渡期)を示している。この時、換気扇7では、ファン9を停止させるための動作が行われている。即ち、換気扇7では、ファン9の回転が徐々に遅くなり、風速が徐々に弱くなっている。
【0038】
一方、換気扇8では、ファン17が作動して回転が開始されるため、シャッター装置18の内部(ブレード20の上方側)の圧力が徐々に下がる。シャッター装置18では、ファン17の回転によって内部の圧力が下がると、ブレード20が、筐体2の内部の空気に下方から押されて、先端部が持ち上がるように力を受ける。
【0039】
なお、シャッター装置10では、ブレード12が、ケース14に支持された支点(軸15)から先端部までの距離が、連結棒13が連結された一端部までの距離よりも長くなるように構成されている。このため、ファン9が作動していない時、ブレード12には、自重によって開口2a(排出経路)を閉じるように力が作用する。
【0040】
したがって、換気扇7から換気扇8への切り替えが行われると、ブレード20の先端部が持ち上がり、開口2bが開放する。また、ファン17が作動することによってブレード20の先端部が持ち上がると、ブレード20の一端部に連結された連結棒21が、ブレード20に対して一側(図5において左側)に移動する。連結棒21のこの移動は、リンク棒23を介してシャッター装置10の連結棒13に伝わる。連結棒21がブレード20に対して一側することにより、連結棒13は、ブレード12に対して他側(図5において左側)に移動する。連結棒13がブレード12に対して他側に移動すると、ブレード12は、先端部が下がり、開口2aを閉鎖するように移動する。即ち、連結棒13及び21がリンク棒23によって連結されているため、ブレード20の開動作によってブレード12を閉動作させることができる。
【0041】
このため、ファン9が停止し、ファン17が定格で作動するバックアップ時は、図6に示すように、シャッター装置18(のブレード20)が最大に開いて、シャッター装置10(のブレード12)が完全に閉じた状態になる。かかる状態では、ブレード12が完全に閉じているため、排気口5aから取り込まれた外部の空気が開口2a、筐体2の内部、開口2bを順次通過して排気口5bから排出されるショートカット経路が形成されることはない。
【0042】
その後、大型変圧器等からなる発熱体1の動作が終了すると、換気扇8(のファン17)が停止し、換気扇7のファン9と換気扇8のファン17との双方が止まった状態になる(図7参照)。なお、図7に示す状態は、換気扇7に異常が発生せず、換気扇装置が定常状態のまま停止した場合も同じである。かかる状態では、ブレード12には、自重によって開口2aを閉じるように力が作用する。同様に、ブレード20には、自重によって開口2bを閉じるように力が作用する。しかし、連結棒13及び21がリンク棒23によって連結されているため、ブレード12及び20の双方が完全に閉じることはない。ファン9及び17の双方が停止すると、ブレード12及び20は、それぞれの開閉に関するエネルギーが均衡する位置で停止し、換気扇装置には、シャッター装置10(或いは18)一台分程度の開口量(排出経路)が確保される。
【0043】
発熱体1が大型変圧器といった熱容量の大きな設備である場合、発熱体1の動作が停止しても、発熱体1が直ぐに低温になる訳ではない。発熱体1からは、設備の動作を停止した後もかなりの熱が筐体2の内部(の空気)に放出される。上記構成を有する換気扇装置であれば、換気扇7及び8が停止した後も、シャッター装置10(或いは18)一台分程度の排出経路を確保することができる。このため、発熱体1によって温められた空気は、筐体2の内部を上昇し、排出口5a及び/又は5bから筐体2の外部に排出される。また、筐体2の内部の空気が排出口5a及び/又は5bから筐体2の外部に排出されることにより、吸気口3から筐体2の内部に冷たい空気が取り込まれる。このため、設備(発熱体1)の動作が停止した後も筐体2の内部の熱を外部に放出することができ、適切な自然換気状態を形成することができる。
【0044】
なお、上記構成の換気扇装置であれば、設備(発熱体1)の動作を停止させた後に、無駄なエネルギーが消費されることもなく、停電時にも対応できる。
【0045】
また、上記構成の換気扇装置では、シャッター装置10及び18がファン9及び17の下側(筐体2側)に配置され、且つ、リンク棒23が、筐体2の内部を通過するように配置されている。このため、上記自然換気機能を実現するための構成が、筐体2の外部に露出することがなく、可動機構を適切に保護することができる。
【0046】
本実施の形態では、シャッター装置10及び18の幅及び奥行きが30乃至50cm程度のものを想定して説明を行った。かかる場合、シャッター装置10及び18には、ブレード12及び20が5乃至10枚程度設置される。一方、シャッター装置10及び18が小型のものの場合は、ブレード12及び20の設置枚数が本実施の形態のものよりも少なくても良い。かかる場合、例えば、リンク棒23をブレード12及び20に直接連結しても良い。
【0047】
実施の形態2.
図8乃至図10はこの発明の実施の形態2における換気扇装置の動作を説明するための図である。図8乃至図10に示す換気扇装置は、実施の形態1において示した構成に、電磁ソレノイド装置24を追加したものである。
【0048】
電磁ソレノイド装置24は、換気扇7(のファン9)及び換気扇8(のファン17)が共に停止した後、所定の解除条件が成立した際に、リンク棒23による連結棒13及び21の連結を解除する解除装置を構成する。シャッター装置10及び18は、上述したように、共に重力式である。このため、ファン9及び17の双方が停止している時にリンク棒23による連結棒13及び21の連結が解除されると、ブレード12及び20の各先端部が下方に移動して開口2a及び2bを完全に塞ぎ、シャッター装置10及び18は共に閉じた状態になる。
【0049】
本換気扇装置では、連結棒13及び21がリンク棒23によって連結されているため、換気扇7及び8が共に停止しても、その直後にシャッター装置10及び18の双方が閉じてしまうことはない。このため、筐体2内部の温まった空気を筐体2の外部に排出することができるものの、埃やゴミが、開口2a及び/又は2bを介して筐体2の内部に進入することも許してしまう。電磁ソレノイド装置24は、換気扇7及び8が停止した後に、ブレード12及び/又は20が長時間開放されたままの状態で放置されることを防止するためのものである。即ち、電磁ソレノイド装置24は、動作していたファン9又は17が停止した直後は、排出経路を確保して、上記自然換気機能を実現する。一方、動作していたファン9又は17が停止した後に所定の解除条件が成立すると、シャッター装置10及び18(のブレード12及び20)を完全に閉じて、筐体2の内部に埃やゴミが進入することを防止する。
【0050】
電磁ソレノイド装置24は、例えば、アーム25、電磁式のソレノイド26、電源部(図示せず)により、その要部が構成される。
アーム25は、先端部が、リンク棒23の中間部に回転自在に連結されている。ソレノイド26は、アーム25を伸縮させるためのものである。即ち、電源部からソレノイド26に所定の電源が供給されると、アーム25が伸びてリンク棒23が上方位置に変位される。リンク棒23には、他端部に上方に開口する凹部が形成されている。リンク棒23は、電磁ソレノイド装置24によって上方位置に変位されると、他端部の上記開口内に、連結棒21に設けられたピンを収容し、連結棒21に連結された状態になる。かかる状態であれば、リンク棒23は、ブレード12の開動作によってブレード20を閉動作させ、ブレード20の開動作によってブレード12を閉動作させることができる。
【0051】
一方、電源部からソレノイド26に所定の電源が供給されていない場合は、アーム25が縮んでリンク棒23が下方位置に変位される。リンク棒23は、電磁ソレノイド装置24によって下方位置に変位されると、他端部の上記開口から、連結棒21に設けられたピンが外れ、連結棒21に連結されていない状態(連結棒13及び21の連結を解除した状態)になる。かかる状態では、リンク棒23は、ブレード12及び20の各動作を互いに連動させることができない。このため、ブレード12及び20は、自重によって各先端部が下がり、開口2a及び2bの双方が閉鎖される。
【0052】
電磁ソレノイド装置24は、上記解除条件の成立の有無を、例えば、ファン9及び17が共に停止してからの経過時間に基づいて判定する。かかる場合、例えば、電源部にスイッチ機能を備えておき、発熱体1にエネルギー供給が行われている間は、上記スイッチをONにして、電源部からソレノイド26に所定の電源を供給する。その後、発熱体1へのエネルギー供給が遮断されてファン9及び17が同時に停止した状態になると、それから所定の時間が経過した後に、上記スイッチをOFFにして、電源部からソレノイド26への電源供給を遮断する。これにより、発熱体1と筐体2との熱時定数に応じた熱放出に要する時間を確保することができる。
【0053】
電磁ソレノイド装置24は、上記解除条件の成立の有無を、発熱体1の温度(或いは、筐体2の内部温度)に基づいて判定しても良い。かかる場合、例えば、発熱体1の温度(或いは、筐体2の内部温度)を検出する温度検出装置(図示せず)を別途備えておく。
【0054】
上記構成の電磁ソレノイド装置24では、発熱体1にエネルギー供給が行われている間、電源部からソレノイド26に所定の電源を供給する。その後、発熱体1へのエネルギー供給が遮断されてファン9及び17が同時に停止した状態になると、その後に温度検出装置によって検出された温度が所定値よりも低くなった場合に、電源部からソレノイド26への電源供給を遮断する。かかる構成であれば、発熱体1の温度(或いは、筐体2の内部温度)が所定値よりも低くなったことを確認してから、連結棒13及び21の連結を解除することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 発熱体
2 筐体
2a、2b 開口
3 吸気口
4 冷却経路
4a ショートカット経路
5a、5b 排気口
6 バッフル
7、8、27、28 換気扇
9、17、31、33 ファン
10、18、29、30 シャッター装置
11、14、19、22、32、34 ケース
12、20 ブレード
13、21 連結棒
15、16 軸
23 リンク棒
24 電磁ソレノイド装置
25 アーム
26 ソレノイド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のファンを作動させて、発熱体が収容された筐体内の空気を外部に排出する第1の換気扇と、
前記第1の換気扇に備えられ、前記筐体内の空気を外部に排出するための第1の排出経路を開閉する第1のシャッター装置と、
前記第1の換気扇に異常が発生した時に第2のファンを作動させて、前記第1の換気扇の代わりに、前記筐体内の空気を外部に排出する第2の換気扇と、
前記第2の換気扇に備えられ、前記筐体内の空気を外部に排出するための第2の排出経路を開閉する第2のシャッター装置と、
前記第1のファン及び前記第2のファンが共に停止した時に、前記第1のシャッター装置及び前記第2のシャッター装置の双方が完全に閉じることを防止する防止装置と、
を備え、
前記第1のシャッター装置は、前記第1のファンの作動時に開き、前記第2のファンの作動時に閉じ、
前記第2のシャッター装置は、前記第2のファンの作動時に開き、前記第1のファンの作動時に閉じる換気扇装置。
【請求項2】
前記第1のシャッター装置は、前記第1の排出経路を開閉する第1のブレードを備え、
前記第2のシャッター装置は、前記第2の排出経路を開閉する第2のブレードを備え、
前記防止装置は、前記第1のブレード及び前記第2のブレードに連結され、前記第1のブレード及び前記第2のブレードの一方の開動作によって他方を閉動作させ、前記他方の開動作によって前記一方を閉動作させる請求項1に記載の換気扇装置。
【請求項3】
前記第1のシャッター装置は、
前記第1の排出経路を開閉する複数の第1のブレードと、
前記第1のブレードが連結され、前記第1のブレードのそれぞれを同じ姿勢に保つ第1の連結材と、
を備え、
前記第2のシャッター装置は、
前記第2の排出経路を開閉する複数の第2のブレードと、
前記第2のブレードが連結され、前記第2のブレードのそれぞれを同じ姿勢に保つ第2の連結材と、
を備え、
前記防止装置は、前記第1の連結材及び前記第2の連結材に連結され、前記第1のブレード及び前記第2のブレードの一方の開動作によって他方を閉動作させ、前記他方の開動作によって前記一方を閉動作させる請求項1に記載の換気扇装置。
【請求項4】
前記第1の換気扇は、前記筐体に形成された第1の開口に対応して前記筐体に設けられ、前記第1のブレードが前記第1のファンよりも前記第1の開口側に配置され、
前記第2の換気扇は、前記筐体に形成された第2の開口に対応して前記筐体に設けられ、前記第2のブレードが前記第2のファンよりも前記第2の開口側に配置され、
前記防止装置は、中間部が前記筐体の内部を通過して、前記第1のブレード及び前記第2のブレード間、又は、前記第1の連結材及び前記第2の連結材間に連結された請求項2又は請求項3に記載の換気扇装置。
【請求項5】
前記第1のファン及び前記第2のファンが共に停止した後、所定の解除条件が成立すると、前記防止装置による前記第1のブレード及び前記第2のブレードの連結、又は、前記第1の連結材及び前記第2の連結材の連結を解除して、前記第1のシャッター装置及び前記第2のシャッター装置の双方を閉じさせる解除装置と、
を備えた請求項2から請求項4の何れかに記載の換気扇装置。
【請求項6】
前記解除装置は、前記防止装置を変位させることにより、前記防止装置による前記第1のブレード及び前記第2のブレードの連結とその連結の解除、又は、前記第1の連結材及び前記第2の連結材の連結とその連結の解除とを行う請求項5に記載の換気扇装置。
【請求項7】
前記解除装置は、前記第1のファン及び前記第2のファンが共に停止してからの経過時間に基づいて、前記防止装置による連結を解除する請求項5又は請求項6に記載の換気扇装置。
【請求項8】
前記発熱体の温度又は前記筐体の内部温度を検出する温度検出装置と、
を更に備え、
前記解除装置は、前記第1のファン及び前記第2のファンが共に停止した後、前記温度検出装置によって検出された温度に基づいて、前記防止装置による連結を解除する請求項5又は請求項6に記載の換気扇装置。
【請求項1】
第1のファンを作動させて、発熱体が収容された筐体内の空気を外部に排出する第1の換気扇と、
前記第1の換気扇に備えられ、前記筐体内の空気を外部に排出するための第1の排出経路を開閉する第1のシャッター装置と、
前記第1の換気扇に異常が発生した時に第2のファンを作動させて、前記第1の換気扇の代わりに、前記筐体内の空気を外部に排出する第2の換気扇と、
前記第2の換気扇に備えられ、前記筐体内の空気を外部に排出するための第2の排出経路を開閉する第2のシャッター装置と、
前記第1のファン及び前記第2のファンが共に停止した時に、前記第1のシャッター装置及び前記第2のシャッター装置の双方が完全に閉じることを防止する防止装置と、
を備え、
前記第1のシャッター装置は、前記第1のファンの作動時に開き、前記第2のファンの作動時に閉じ、
前記第2のシャッター装置は、前記第2のファンの作動時に開き、前記第1のファンの作動時に閉じる換気扇装置。
【請求項2】
前記第1のシャッター装置は、前記第1の排出経路を開閉する第1のブレードを備え、
前記第2のシャッター装置は、前記第2の排出経路を開閉する第2のブレードを備え、
前記防止装置は、前記第1のブレード及び前記第2のブレードに連結され、前記第1のブレード及び前記第2のブレードの一方の開動作によって他方を閉動作させ、前記他方の開動作によって前記一方を閉動作させる請求項1に記載の換気扇装置。
【請求項3】
前記第1のシャッター装置は、
前記第1の排出経路を開閉する複数の第1のブレードと、
前記第1のブレードが連結され、前記第1のブレードのそれぞれを同じ姿勢に保つ第1の連結材と、
を備え、
前記第2のシャッター装置は、
前記第2の排出経路を開閉する複数の第2のブレードと、
前記第2のブレードが連結され、前記第2のブレードのそれぞれを同じ姿勢に保つ第2の連結材と、
を備え、
前記防止装置は、前記第1の連結材及び前記第2の連結材に連結され、前記第1のブレード及び前記第2のブレードの一方の開動作によって他方を閉動作させ、前記他方の開動作によって前記一方を閉動作させる請求項1に記載の換気扇装置。
【請求項4】
前記第1の換気扇は、前記筐体に形成された第1の開口に対応して前記筐体に設けられ、前記第1のブレードが前記第1のファンよりも前記第1の開口側に配置され、
前記第2の換気扇は、前記筐体に形成された第2の開口に対応して前記筐体に設けられ、前記第2のブレードが前記第2のファンよりも前記第2の開口側に配置され、
前記防止装置は、中間部が前記筐体の内部を通過して、前記第1のブレード及び前記第2のブレード間、又は、前記第1の連結材及び前記第2の連結材間に連結された請求項2又は請求項3に記載の換気扇装置。
【請求項5】
前記第1のファン及び前記第2のファンが共に停止した後、所定の解除条件が成立すると、前記防止装置による前記第1のブレード及び前記第2のブレードの連結、又は、前記第1の連結材及び前記第2の連結材の連結を解除して、前記第1のシャッター装置及び前記第2のシャッター装置の双方を閉じさせる解除装置と、
を備えた請求項2から請求項4の何れかに記載の換気扇装置。
【請求項6】
前記解除装置は、前記防止装置を変位させることにより、前記防止装置による前記第1のブレード及び前記第2のブレードの連結とその連結の解除、又は、前記第1の連結材及び前記第2の連結材の連結とその連結の解除とを行う請求項5に記載の換気扇装置。
【請求項7】
前記解除装置は、前記第1のファン及び前記第2のファンが共に停止してからの経過時間に基づいて、前記防止装置による連結を解除する請求項5又は請求項6に記載の換気扇装置。
【請求項8】
前記発熱体の温度又は前記筐体の内部温度を検出する温度検出装置と、
を更に備え、
前記解除装置は、前記第1のファン及び前記第2のファンが共に停止した後、前記温度検出装置によって検出された温度に基づいて、前記防止装置による連結を解除する請求項5又は請求項6に記載の換気扇装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−255604(P2012−255604A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129029(P2011−129029)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
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