説明

揺動式物品受入保護装置及びそれを備えた物品移送処理システム

【目的】ドラム式洗濯装置等のように扉開放により処理済み物品を搬送路に放出する処理装置を使用するとき、該搬送路の側部から放出物品の脱落を防止でき、しかも該処理装置の扉と当接する位置に配置しても扉の開閉動作を阻害しない安全機能を具備し、物品の移し替えを円滑に行うことができる物品受入保護装置及びそれを備えた物品移送処理システムを提供することを目的としている。
【構成】扉14を開成する時にはスイングガード26が扉14に当接しながらガイド板29の外側に逃げるように揺動して、扉14の開成動作を支障なく安全に行うことができる。扉14との当接後、スイングガード26はガイド板29の内外側に振れて静止状態に復帰し、放出されたマットを左右のガイド板29より突出した保護壁材40により脱落させることなく保護することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置内に収容した物品に対し、例えば、洗浄、乾燥、塗布あるいは塗装等の処理を行う扉付処理装置から扉開放により処理済み物品を搬送路に放出したとき、該搬送路の側部から放出物品の脱落を防止する物品受入保護装置及びそれを備えた物品移送処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種物品の処理場や加工場においては、処理工程と物品搬送工程を連携させて自動化を行っている。
例えば、マット等のレンタル物品はユーザーから回収して再生処理を施し再利用に供されており、レンタル物品の再生処理工場においても処理コスト低減の観点から種々の自動化が要求されている。
【0003】
特許文献1にはレンタル物品の再生処理の主要工程である洗浄・乾燥工程が開示されている。レンタル物品の場合には、使用済のマット等の物品を洗浄槽にて洗浄した後、乾燥機に投入して乾燥するリサイクル処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−28664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記洗浄・乾燥工程を省人化するには、洗浄槽から乾燥機への移送工程を自動化する必要がある。洗浄槽には扉を自動開閉可能なドラム式洗濯装置を使用すれば、扉の自動開閉を行うことにより洗浄槽への物品投入時、洗浄済み物品の搬出時の省人化が可能になる。洗浄槽と乾燥機の間に物品移送用搬送コンベアを配置することにより、洗浄済み物品を洗浄槽から乾燥機に移送して洗浄工程と乾燥工程の連携が可能になり自動化することができる。
【0006】
ドラム回転により洗浄槽の放出口から収容物品を放出して、洗浄済み物品を洗浄槽から搬送コンベアに移し替える際、絡み合った状態で放出されるため搬送コンベアから脱落してしまう事態が生ずる。このため物品の脱落を防ぐために搬送コンベアには両側部からの脱落防止用側壁を設ける必要がある。
【0007】
しかしながら、搬送コンベアの両側部に頑丈な脱落防止用側壁を設けると、放出物品が当接して大きな衝撃を受けて、搬送系全体が移動したり、傾いたりするおそれがあった。殊に、従来の一般的なドラム式洗濯装置には水洗時の密閉のために内外に向けて開閉される扉を使用しているので、ドラム式洗濯装置の近傍に位置して設けた脱落防止用側壁の一部が扉開閉時に扉に衝突するおそれがあった。従って、洗浄槽の放出口の近辺に脱落防止用側壁の配置が困難となるため、扉開放時における放出物品の搬送コンベアへの移し替え作業に監視作業者を配置する必要が生じて自動化を妨げる問題を生じた。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、上記ドラム式洗濯装置等のように扉開放により処理済み物品を搬送路に放出する処理装置を使用するとき、該搬送路の側部から放出物品の脱落を防止でき、しかも該処理装置の扉と当接する位置に配置しても扉の開閉動作を阻害しない安全機能を具備し、物品の移し替えを円滑に行うことができる物品受入保護装置及びそれを備えた物品移送処理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、収容物品に対し処理を行う扉付処理装置から、前記扉を開放して前記扉付処理装置内の処理済み物品を、搬送方向に沿った両側部に側壁を設けた搬送路に放出して移し替えるとき、前記搬送路の受入れ箇所から放出物品を脱落させずに保護する物品受入保護装置であって、枠体又は平板からなる揺動体と、上端部を前記揺動体の上部に片持ち支持した保護壁材とを有し、前記揺動体を前記側壁のうち前記受入れ箇所に位置する前方側壁の外側に揺動可能に吊設し、且つ前記前方側壁の内側に前記保護壁材を垂下した静止状態において前記揺動体を前記放出物品又は前記扉に当接しながら前記前方側壁の外側又は内側に揺動させ、前記扉の開閉動作を行った後には前記吊設による振り子運動によって前記静止状態に復帰可能にした揺動式物品受入保護装置である。
【0010】
本発明の第2の形態は、第1の形態において、前記保護壁材は前記放出物品の衝突に際して前記放出物品の外部への脱落を防止する板材又はシート材からなる揺動式物品受入保護装置である。
【0011】
本発明の第3の形態は、第1又は第2の形態において、前記保護壁材の前記上端部を可動自在に前記揺動体の上部に片持ち支持した揺動式物品受入保護装置である。
【0012】
本発明の第4の形態は、第1、第2又は第3の形態において、前記揺動体は枠材により矩形状に組み付けた矩形枠体からなり、前記矩形枠体の上辺又はその近傍に前記保護壁材の前記上端部を吊支した揺動式物品受入保護装置である。
【0013】
本発明の第5の形態は、第4の形態において、前記枠材は木材、樹脂又は金属の軽量骨材からなる揺動式物品受入保護装置である。
【0014】
本発明の第6の形態は、第1〜第5のいずれかの形態において、前記扉付処理装置は前記扉を横開き方向に開閉する開閉軸を備え、前記搬送路は、前記扉に対向する前端部に受け入れた前記放出物品を所定方向に搬送する搬送コンベアにより構成され、一組の前記前方側壁を前記前端部の両側部に設け、前記揺動体及び前記保護壁材を少なくとも前記開閉軸側に位置する前記前方側壁に配設した揺動式物品受入保護装置である。
【0015】
本発明の第7の形態は、第6の形態において、前記揺動体及び前記保護壁材を前記開閉軸と反対側の扉開放側に位置する前記前方側壁にも配設した揺動式物品受入保護装置である。
【0016】
本発明の第8の形態は、第1〜第7のいずれかの形態に係る揺動式物品受入保護装置が配設され、前記扉付処理装置からの放出物品を前記扉付処理装置と異なる別の処理装置に移送する処理装置間搬送コンベアにより前記搬送路を形成した物品移送処理システムである。
【0017】
本発明の第9の形態は、第8の形態において、前記物品はカーペット、マット、払拭体を含むダストコントロール製品であり、前記扉付処理装置は前記ダストコントロール製品の洗浄処理を行う洗浄装置であり、前記別の処理装置は前記洗浄装置により洗浄されたダストコントロール製品を前記処理装置間搬送コンベアを介して搬入して乾燥処理する乾燥装置である物品移送処理システムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1の形態によれば、前記揺動体を前記側壁のうち前記受入れ箇所に位置する前方側壁の外側に揺動可能に吊設し、且つ前記前方側壁の内側に前記保護壁材を垂下した静止状態において前記揺動体を前記放出物品又は前記扉に当接しながら前記前方側壁の外側又は内側に揺動させ、前記扉の開閉動作を行った後には前記吊設による振り子運動によって前記静止状態に復帰可能にしたので、前記放出物品が前記保護壁材に衝突しても前記揺動により衝撃を緩和でき、前記搬送路の受入れ箇所から放出物品を前記保護壁材により脱落させずに保護して物品の移し替えを円滑に行うことができる。しかも、本発明に係る揺動式物品受入保護装置を上記ドラム式洗濯装置等の前記扉付処理装置の前記扉と扉開閉の際に当接する位置に配置しても前記扉の開閉動作を阻害しない安全機能を具備することができ、前記扉を開放して前記扉付処理装置内の処理済み物品を前記搬送路に放出して移し替えるときに前記扉を安全に開閉することができる。従って、本形態に係る揺動式物品受入保護装置を前記扉付処理装置の前記扉に近接して配設することにより、前記扉の自動開閉による前記搬送路への物品受入れを確実に行え、物品移送処理の省人化及び自動化を実現することができる。
特に、前記扉付処理装置の前記扉と扉開閉の際に当接する位置に配置する場合には、前記前方側壁は前記搬送路に固定配置されるため、前記扉の開閉に伴って移動する前記扉の移動範囲を回避して前記前方側壁を配置し、前記揺動体の上部を前記移動範囲内に位置させて前記揺動体を前記前方側壁の外側に揺動可能に吊設することにより上記安全機能を有効に発揮させることができる。
【0019】
前記保護壁材は単一の壁材により構成されたものに限定されず、複数枚のもので構成されてもよく、また平板だけでなく網材や柵材を使用することができる。
前記保護壁材の構成壁材として好ましくは前記放出物品が衝突しても変形しにくい剛性を具備した部材により構成したものを使用することができ、また、好ましくは前記保護壁材の外形として前記扉との当接により前記揺動体が外向きに揺動しても前記側壁より飛び出ない大きさのものを使用することができる。更に、前記揺動体及び前記保護壁材は過度に重量化せずに前記扉の開閉動作を妨げずに揺動可能にする軽量材で構成するのが好ましい。
【0020】
本発明の第2の形態によれば、前記保護壁材を前記放出物品の衝突に際して前記放出物品の外部への脱落を防止する板材又はシート材によって構成することにより、前記扉の開放により放出された物品が衝突しても変形せずに、前記搬送路の受入れ箇所から放出物品を脱落させずに保護して物品の移し替えを円滑に行うことができる。前記板材には、べニア板、合板、プラスチック段ボール(以下、プラダンという。)あるいはアクリル樹脂等の樹脂板を使用することができる。前記シート材には、ビニールシート、養生シート等を使用することができる。
【0021】
前記保護壁材を剛性のある板材で構成した場合に、前記保護壁材の前記上端部を前記揺動体に固定していると、前記前方側壁の外側に大きく揺動したときに前記保護壁材が前記前方側壁より浮き上がって垂下状態を維持できず、放出物品の受入れに支障が生ずるおそれがある。そこで、本発明の第3の形態によれば、前記保護壁材の前記上端部を可動自在に前記揺動体の上部に片持ち支持したので、前記保護壁材を剛性のある板材で構成しても、前記揺動体が前記前方側壁の外側に大きく揺動したときに、前記上端部を可動点として前記保護壁材が自重で前記前方側壁側に可動して浮き上らず、その垂下状態を維持でき、放出物品を脱落させずに確実に保護して物品の移し替えを円滑に行うことができる。
【0022】
本発明の第4の形態によれば、枠材により矩形状に組み付けた矩形枠体からなる前記揺動体を用いて、前記矩形枠体の上辺又はその近傍に前記保護壁材の前記上端部を吊支することによって、揺動しても前記保護壁材の前記垂下状態を維持して前記放出物品の脱落を確実に防止でき、しかも前記扉と当接しても前記扉の開閉動作を阻害しない安全機能を具備した揺動式物品受入保護装置を簡易且つ安価に形成することができる。
【0023】
本発明の第5の形態によれば、木材、樹脂又は金属の軽量骨材からなる前記枠材を用いて、前記扉の開閉動作を妨げることなく揺動可能にして前記振り子運動を円滑に行える安全機能を具備した揺動式物品受入保護装置を実現することができる。前記軽量骨材には、塩化ビニル、ABS等の樹脂材あるいはアルミ合金等の軽金属の線材、管材等を使用することができる。
【0024】
本発明の第6の形態によれば、前記扉付処理装置は前記扉を外側に向け横開き方向に開閉する開閉軸を備え、前記搬送路は、前記扉に対向する前端部に受け入れた前記放出物品を所定方向に搬送する搬送コンベアにより構成され、一組の前記前方側壁を前記前端部の両側部に設け、前記揺動体及び前記保護壁材を少なくとも前記開閉軸側に位置する前記前方側壁に配設したので、前記扉を外側に向け横開き方向に開閉したときに当接しても前記扉の開閉動作を阻害しない安全機能を具備することができ、前記搬送コンベアの前記前端部(前記受入れ箇所)において放出物品を脱落させずに保護して物品の移し替えを円滑に行うことができる。
【0025】
本発明に係る一組の前記揺動体及び前記保護壁材は、前記扉が当接する位置に配設することにより前記扉の安全機能として働くだけでなく、前記扉が当接しない位置での前記搬送路の受入れ箇所に配設すれば放出物品の受入れの際に前記前方側壁より脱落させない保護機能を発揮することができる。そこで、本発明の第7の形態によれば、前記揺動体及び前記保護壁材を前記開閉軸と反対側の扉開放側に位置する前記前方側壁にも配設したので、前記前端部の両側部において放出物品を脱落させずに保護して物品の移し替えを円滑に行うことができる。
【0026】
本発明の第8の形態によれば、前記揺動式物品受入保護装置が配設され、前記扉付処理装置からの放出物品を前記扉付処理装置と異なる別の処理装置に移送する処理装置間搬送コンベアにより前記搬送路を形成したので、前段の前記扉付処理装置からの放出物品を前記揺動式物品受入保護装置により保護して前記処理装置間搬送コンベアに確実に移し替えて後段の前記別の処理装置に移送することができる。従って、前記扉の自動開閉により前記搬送路への物品受入れを確実に行えるので、処理装置間の物品移送処理システムにおける物品移送処理の省人化及び自動化を実現することができる。前記別の処理装置の処理内容は前記扉付処理装置と異種の処理に限らず、同種であってもよく、また別の移送工程への搬送処理であってもよい。
【0027】
本発明の第9の形態によれば、前記ダストコントロール製品の洗浄処理を行う扉付きの前記洗浄装置と前記乾燥装置の間で、前記洗浄装置により洗浄されたダストコントロール製品を前記処理装置間搬送コンベアを介して前記乾燥装置に搬入して乾燥処理する連続処理工程に前記物品移送処理システムを適用することにより、洗浄工程から乾燥工程への前記ダストコントロール製品の移送を確実且つ円滑に行え、前記ダストコントロール製品の洗浄及び乾燥による再生処理の省人化及び自動化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る揺動式物品受入保護装置(スイングガード26)を用いた物品移送処理システムを適用したダストコントロール製品の再生処理設備の要部側面構成図である。
【図2】前記再生処理設備の平面レイアウトを示す平面図である。
【図3】前記物品移送処理システムに用いる可動式揚送装置3の平面図(3A)及び側面図(3B)である。
【図4】図3の(3B)のA−A矢視断面図及びB−B矢視断面図である。
【図5】前記物品移送処理システムの洗浄機1付近の正面側配置図である。
【図6】洗浄機1の扉14の開閉範囲(移動範囲)を示す平面図である。
【図7】スイングガード26の正面図である。
【図8】スイングガード26の吊設具を示す外観斜視図である。
【図9】スイングガード26の揺動動作及び物品受入保護作用を説明するためのスイングガード26の側面図である。
【図10】可動式揚送装置3の制御部の概略構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る揺動式物品受入保護装置を用いた物品移送処理システムの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本実施形態の物品移送処理システムを適用したダストコントロール製品(レンタルマット)の再生処理設備の要部の側面構成を示す。図2は前記再生処理設備の平面レイアウトを示す。図2においては前記再生処理設備のうち主要な設備である洗浄機1及び乾燥機2の平面配置を示している。
【0030】
本実施形態においては、ユーザーから回収したレンタルマット(以下、回収マットという。)を大量且つ迅速に再生処理するために、洗浄機1及び乾燥機2を一組として複数組(計6組)、再生処理工場内に配置している。各組の洗浄機1及び乾燥機2は可動式揚送装置3及び床レール5を介して床面F上に対向配置されている。3組単位で共用され、各組の洗浄機1と乾燥機2間のマット移送を行う可動式揚送装置3が2台配備されている。各可動式揚送装置3は下部に設けた車輪27により、洗浄機1及び乾燥機2の配列方向に敷設された床レール5上の軌道に沿って自動走行する自走機能を備え、図2の矢印に示すように、夫々に3組ずつ割り当てられた洗浄機1と乾燥機2の各組間を行き来可能に配置されている。
【0031】
再生処理工場の上方空間を有効活用して、回収マットの搬送系を工場上部に配設している。回収マットの搬送系は各組の洗浄機1毎に、床面F側のマット投入位置(図示せず)から上方に揚送する揚送コンベア7と、揚送コンベア7により揚送された回収マット8をマット投入ガイド9に搬送する上部水平搬送コンベア10からなる。マット投入ガイド9は高架状に敷設した上部レール11に沿って自動走行する自走機能を備え、図1の矢印に示すように、上部水平搬送コンベア10より搬入された回収マット8を下端放出口12より洗浄機1に放出、投入する投入位置と退避位置の間を行き来可能に配置されている。マット投入ガイド9には上部レール11上を走行させる自走装置13が搭載されている。回収マットの搬送系を各組の洗浄機1毎に配設しているが、上部レールを縦横に走行可能に敷設して、各上部水平搬送コンベア10から回収マット8を受入れ可能にマット投入ガイド9を走行移動させて共用するようにしてもよい。
【0032】
洗浄機1は回転ドラム型の洗浄槽(図示せず)を有し、可動式揚送装置3側に横開き状に扉開閉駆動装置6により自動開閉される扉14が該洗浄槽の開口部14aを閉塞可能に設けられている。洗浄機1は設置台18に対し扉側下端に設けた軸受部15の回転軸回りに前後方向に傾動可能になっている。洗浄機1の側部に設けた可動アーム17をアーム駆動装置16の駆動により前後移動させることにより、洗浄機1を回動させて、実線で示す洗浄時位置と、2点鎖線で示す後方に傾いた回収マット8の受入位置と、別の2点鎖線で示す前傾位置に移動させることができる。
【0033】
洗浄機1により洗浄された洗浄済みマットは可動式揚送装置3により乾燥機2の投入口に向けて揚送され乾燥機2に移送される。乾燥機2は加熱装置及び回転槽(これらは図示せず)からなり、可動式揚送装置3側に設けた投入口及びその反対側に設けた放出口の夫々には上下移動可能な開閉シャッター19、20が配設されている。乾燥機2の上部には排気ファン22が設置されている。排気ファン22は乾燥処理時に発生する水蒸気を前記回転槽から吸引して排気ダクト23側に排気する。乾燥機2による乾燥処理を終えたマットは開閉シャッター20の開放により前記回転槽の回転作用を受けて後方の排出ガイド21に沿って回収用搬送コンベア24上に向けて排出される。回収用搬送コンベア24は床面F上に配設され、洗浄・乾燥済みマットを所定の回収エリアに移送する。回収用搬送コンベア24の側部には搬送時のマットの脱落を防止するガイド部25が立設されている。
【0034】
図3は可動式揚送装置3の平面図(3A)及び側面図(3B)である。図4は図3の(3B)のA−A矢視断面図及びB−B矢視断面図である。
可動式揚送装置3は、前端30の最下端から後端31を上方に向けて傾斜配置され、前端30側で洗浄処理済みマットを受け入れて搬送し、図3の矢印の方向に、前端30より上方に位置する乾燥機1の投入口に後端31より搬出して揚送するベルトコンベア装置を有する。このベルトコンベア装置は前端30側従動ローラ32と、後端31側従動ローラ33と、駆動モータ34の駆動ローラ35に巻回された搬送ベルト4からなる。駆動モータ34は可動式揚送装置3の本体部36に設置されている。搬送ベルト4、従動ローラ32、33等の駆動機構は本体部36の上方に一体的に傾斜配置されている。搬送ベルト4により形成される搬送路は床面Fに対し約20°傾斜している。本体部36の下方には、車輪27の軸受機構37と、車輪27に軸受機構37を介して回転駆動力を与える駆動モータ38が設置され、車輪27の回転駆動により床レール5上の軌道に沿って自動走行させる自走機能が可動式揚送装置3に具備されている。
【0035】
搬送ベルト4の表面側に形成される搬送路(マット揚送路)の両側部には、鉛直方向に垂設された鉛直ガイド板28と外側に拡翼状に拡がったガイド板29とが隙間なく連続的に形成されている。鉛直ガイド板28及びガイド板29は本発明における搬送路の側壁を構成し、夫々、搬送ベルト4の後端31側、前端30側に配設されている。前端30側に配設した鉛直ガイド板28及びガイド板29は本発明における前方側壁に対応する。
【0036】
図5は洗浄機1付近におけるガイド板29及び搬送ベルト4の前端30の正面側配置を示す。
洗浄機1の扉14は洗浄槽の開口部14aを覆う丸型扉からなり、前方側に開閉アーム48が取着されている。開閉アーム48の一端は回転軸49に連結され、その連結部は軸受部50に回転自在に軸支されている。軸受部50は洗浄機1の正面側に取着されている。洗浄機1上部には、駆動モータからなる扉開閉駆動装置6が配設されている。回転軸49は鉛直方向に配設されて該駆動モータに連結され、扉開閉駆動装置6のモータ駆動制御により正転方向又は逆転方向に回転する。正転方向の回転軸49の回転により、扉14を外向け水平状に開成する向きに開閉アーム48が旋回する。逆転方向の回転軸49の回転により、扉14を閉成する向きに開閉アーム48が旋回する。洗浄機1の正面側には軸受部50と開閉アーム48の長さを隔てて扉ロック装置51が配設されている。扉ロック装置51は水平方向に進退可能なロックピン(図示せず)が内蔵されている。開閉アーム48の開放端には該ロックピンが係着可能な穴部(図示せず)が設けられている。図5の実線で示すように、扉14で開口部14aを閉塞した扉閉成状態において、扉ロック装置51の該ロックピンが突出して開閉アーム48の開放端の該穴部に嵌入して係着されて扉14がロックされる。扉14の開成時には、扉ロック装置51の該ロックピンが引き込まれて開閉アーム48の係着が外されるので、ロック解除となって扉14の開成移動が可能になる。
【0037】
図6は洗浄機1の扉14の開閉範囲(移動範囲14b)を示す前端30付近の平面図である。図6は可動式揚送装置3を走行させて前端30を洗浄機1からの放出マットの受入位置に移動させ、停止させたときの扉14と搬送ベルト4との位置関係を示す。
扉開閉駆動装置6を駆動して回転軸49を回転させることによって開閉アーム48を略180°旋回させると、扉14は洗浄機1より外向きに、つまり可動式揚送装置3の前端30側に開閉移動する。前端30付近のガイド板29の開放端縁29aは開閉アーム48の旋回時に扉14を回避して扉14と衝突しない位置に低く設けられている。図6の一点鎖線で示す14bは、開閉アーム48の旋回に伴って移動する扉14の移動範囲を示す。
【0038】
前端30付近のガイド板29の開放端縁29aを扉14と衝突しないように低くしているため、洗浄機1から洗浄済みマットを可動式揚送装置3側に放出するときに放出マットが前端30付近でガイド板29を乗り越えてマット揚送路より脱落しないように、本発明に係る揺動式物品受入保護装置であるスイングガード26を、搬送ベルト4を隔てて設けた一対のガイド板29の夫々に設置している。
【0039】
図7はスイングガード26の正面図である。
スイングガード26は四角形状の揺動体39と、上端部が遊動可能に揺動体39の上部に片持ち支持された保護壁材40を有する。揺動体39は、横管41と縦管42の塩化ビニル管製枠材を四角形状に組み付けた四角枠体からなる。この四角枠体は2組の横管41と縦管42の四隅をL字管43により四角形状に組み立てて形成されている。ポリプロピレン(PP)テープの結束バンド44を横管41間、縦管42間に夫々2本、1本巻き付けて締付具45により締め付けることにより四角枠形体が保持されている。横管41及び縦管42をL字管43に接着固定するなどして結束バンド44を用いずに四角枠形体を保持するようにしてもよい。
【0040】
保護壁材40は洗浄機1からの放出マットの衝突を受け止める保護板であり、マットの衝突に十分な剛性を備えたプラダン板からなる。保護壁材40の上端部の3箇所には貫通穴40aが穿設されている。保護壁材40は貫通穴40aに吊り下げ用金属ワイヤ46を挿通させて、揺動体39の上側の横管41に吊支されている。
【0041】
各縦管42の中間部には、ガイド板29に吊設するための貫通穴47が穿設されている。
図8はスイングガード26の吊設具を示す。ガイド板29の開放端縁29aの外側壁面には、引掛用突部に貫通穴53を穿設した吊下金具52がビスにより固着されている。揺動体39の縦管42に設けた貫通穴47と、吊下金具52の貫通穴53とに金属ワイヤ54を挿通させてカシメ部材55で束ねることにより、スイングガード26がガイド板29の外側に吊設されている。開放端縁29aは搬送路に沿って平行に設けられており、床面Fに対して約20°傾斜している。一組の吊下金具52が開放端縁29aに沿って固着されている。各吊下金具52には2本の縦管42の夫々の貫通穴47に対応して金属ワイヤ54を挿通させて揺動体39を2箇所で吊り下げている。この吊設状態において、横管41は開放端縁29aに沿って斜めなっており、後端31側の縦管42の先端は前端30側の縦管42の先端より上方に位置している。横管41に吊支した保護壁材40はガイド板29の内側に垂れ下げられており、保護壁材40も後端31側の側辺が前端30側の側辺より上方に位置している。
【0042】
図6に示した放出マットの受入位置に可動式揚送装置3を停止させたマット受入状態において、揺動体39をガイド板29の外側に吊設し、保護壁材40をガイド板29の内側に垂下したスイングガード26は、揺動体39及び保護壁材40の上部がガイド板29より突出して、移動範囲14bに配置され、開閉される扉14と当接可能となっている。
【0043】
図9はスイングガード26の揺動動作及び物品受入保護作用を説明するための図であり、図5と同様に洗浄機1を正面視したときのスイングガード26の側面図である。
図9の(9A)は上記マット受入状態において扉14が開閉される前のスイングガード26の静止状態を示す。
【0044】
(9A)に示すように、マット受入状態におけるスイングガード26の静止状態においては、縦管42が保護壁材40との重量バランスにより略鉛直に向いて静止している。洗浄機1から洗浄済みのマットを放出するときに、図5及び図6の破線で示すように、扉14を外向き左に開成すると、(9A)に示すように、ガイド板29より突出した保護壁材40の上部に扉14の一部が当接し、スイングガード26全体が扉14の開成移動力F1を受けて矢印Sで示すガイド板29の外側方向に、吊下金具52の吊設箇所を支点にして揺動する。
【0045】
図9の(9B)は扉14との当接により外側に最大に振れたときのスイングガード26の揺動状態を示す。
上記静止状態から開成移動力F1を受けてスイングガード26全体が外側に揺動すると、揺動体39の縦管42の下部がガイド板29側に振れて当接する最大振れ状態まで揺動する。最大振れ状態及びそれに近い振れ状態では、スイングガード26の上部は扉14の移動範囲14b外に位置する。従って、扉14を開成する時にはスイングガード26が扉14に当接しながらガイド板29の外側に逃げるように揺動するので、扉14の開成動作を支障なく安全に行うことができる。揺動体39をガイド板29に吊設しているので、扉14の開成後は、金属ワイヤ54の吊設箇所を中心にして、揺動体39の上部が最大振れ状態からガイド板29内側に振れ、更に(9B)の矢印に示すように、ガイド板29の内外側に振れるのが繰り返されて上記静止状態に復帰することができる。扉14と当接したスイングガード26が上記揺動動作によって速やかに上記静止状態に復帰して、両側のガイド部29の各保護壁材40がガイド部29より突出した状態が維持されるので、扉14の開成により放出された洗浄済みマットを脱落させることなく左右の保護壁材40により保護して搬送ベルト4上に確実に受け入れてマットの移し替えを円滑に行うことができる。
【0046】
図5及び図9に示すように、回転軸49が正面視右側に配置されているので、扉14開閉時に右側のガイド板29に取着したスイングガード26が当接して上記揺動動作を行う。可動式揚送装置3は自走機能により、3台の洗浄機1の夫々のマット受入位置に移動シフト可能になっており、所定の洗浄機1のマット受入位置に移動の際、移動途中で別の洗浄機1の扉14が点検等で半開き状態となっていて当接しても、左右のスイングガード26が揺動して安全に移動することができる。
【0047】
洗浄機1からの洗浄済みマットを放出した後、扉14を閉成するときには、上記静止状態から開成移動力F1と逆向きの閉成移動力F2を受けてスイングガード26全体が内側に揺動する。このとき吊下金具52の吊設箇所を支点にして揺動して、図9の(9B)の破線の矢印で示すように、扉14の閉成移動を妨げることなく揺動体39が水平状態以上に内側に傾斜するので、扉14の閉成動作を支障なく行うことができる。
【0048】
本発明に係るスイングガード26は、扉14が当接する位置に配設することにより扉開閉時の安全機能として働くだけでなく、搬送路の受入れ箇所に配設することにより、洗浄機1から種々の向きに放出されてくる放出マットが衝突しても揺動して衝撃を和らげる可動式緩衝壁材として、放出マットの受入れの際に鉛直ガイド板28及びガイド板29より脱落させない保護機能を発揮することができる。本実施形態においては、搬送路の両側部に、即ち回転軸49側だけでなく、その反対側の扉開放側のガイド板29にも別のスイングガード26を配設しているので、搬送路の受入れ箇所において放出マットを脱落させずに保護して物品の移し替えを円滑に行うことができる。
【0049】
保護壁材40を剛性のあるプラダン材で構成しているので、保護壁材40の上端部を揺動体39に固定した場合には、ガイド板29の外側に大きく揺動したときに保護壁材40がガイド板29より浮き上がって垂下状態を維持できずに隙間を作ったりして放出マットの受入れに支障が生ずるおそれがある。本実施形態においては、保護壁材40の上端部を揺動体39の横管41に吊下して可動自在に揺動体39の上部に片持ち支持している。従って、揺動体39がガイド板29の外側に大きく揺動したときに、前記上端部を可動点として保護壁材40が自重でガイド板29側に可動(揺動)して浮き上らず、その垂下状態を維持でき、放出マットを脱落させずに確実に保護して物品の移し替えを円滑に行うことができる。
【0050】
本実施形態の物品移送処理システムにおける物品移送処理の概要を説明する。 図10は可動式揚送装置3の制御部の概略構成を示す。
可動式揚送装置3の制御部70はマイクロプロセッサ71、移動制御プログラムを格納したROM72及びデータ記憶メモリからなるRAM73を有する。制御部70は登録された3台の各洗浄機1の制御部76、77、78と通信可能な通信機能を備えると共に、搬送ベルト4の駆動モータ34の駆動制御装置74及び自走用駆動モータ38の駆動制御装置75の駆動制御を行う。各洗浄機1の制御部76、77、78は夫々、マイクロプロセッサ、制御プログラムを格納したROM及びデータ記憶メモリからなるRAMを有し、洗浄処理、扉14の開閉制御及びアーム駆動装置16の駆動制御を行う。可動式揚送装置3の制御部70は各洗浄機1からの状態信号を受信して各洗浄機1の稼働状況を把握することができる。更に、図示しないが、制御部70は乾燥機1の制御部とも通信可能になっている。回収マットの投入位置には、工場内の洗浄機1、乾燥機2、可動式揚送装置3及びマット投入ガイド9を統括管理する管理コンピュータ79が設置されている。管理コンピュータ79は洗浄機1の制御部76、77、78等と通信して各洗浄機1の稼働状況信号を受信することができる。
【0051】
回収マットの洗浄処理前において作業者は管理コンピュータ79により各洗浄機1の稼働状況を把握し、非稼働状態の洗浄機1を選択し、マット投入ガイド9に投入移動を指示入力する。このとき非稼働状態の洗浄機1の制御部に対しても洗浄指示命令が送信される。該洗浄指示命令により洗浄機1のアーム駆動装置16が駆動されて、洗浄機1は水平状態から後方に傾く受入位置に傾動される。洗浄機1を受入位置にセットした後、洗浄機1の開口部14aに下端放出口12が対向する投入位置にマット投入ガイド9が退避位置から移動する。洗浄機1は受入位置にセットされると、扉開閉駆動装置6を駆動して開閉アーム48を旋回させて扉14を開成させ、回収マットの投入に待機する。洗浄指示命令の受信により洗浄機1から稼働開始信号が可動式揚送装置3に送信され、可動式揚送装置3は受信した洗浄機1のマット受入位置に移動して待機する。回収マットの受入位置において開閉アーム48の旋回が行われても扉14は上向きになっているので、扉14と可動式揚送装置3の各部材の当接は生じない。
【0052】
洗浄機1の受入位置での待機及びマット投入ガイド9の移動が完了すると、管理コンピュータ79に完了信号が送信される。管理コンピュータ79にて完了信号の受信を確認してから揚送コンベア7及び上部水平搬送コンベア10が駆動され、作業者により回収マットを揚送コンベア7へ載置していくことにより、上部水平搬送コンベア10及びマット投入ガイド9を経て洗浄機1への回収マットの投入処理が行われる。
【0053】
洗浄機1への回収マットの投入処理が終わると、洗浄機1は扉開閉駆動装置6を駆動して開閉アーム48を再び旋回させて扉14を閉成した後、アーム駆動装置16を駆動して洗浄時位置の水平状態に移動する。洗浄時位置に戻ると、洗浄機1は洗浄槽による洗浄処理を開始する。予め設定された洗浄処理時間が経過すると洗浄処理の終了となる。洗浄処理の終了により、洗浄機1の制御部から可動式揚送装置3の制御部70に終了信号が送信される。終了信号の受信により制御部70は搬送ベルト4の駆動を開始させると共に、洗浄機1に受入可能信号を送信し、更に乾燥機2に移送開始信号を送信する。移送開始信号の受信により、乾燥機2は開閉シャッター19を開放し、可動式揚送装置3によって搬入される洗浄済みマットの受入を可能にする。また、受入可能信号の受信により、洗浄機1は扉開閉駆動装置6を駆動して開閉アーム48を旋回させて扉14を開成する。このとき、扉14に接近して設置したスイングガード26に当接してもその揺動により開成動作を妨げることなく扉14を開成することができる。扉14を開成した後は、アーム駆動装置16が駆動されて、洗浄機1は洗浄槽内の全ての洗浄済みマットを搬送路に向けて放出させるために前方に傾く前傾位置に傾動される。前傾位置への移動後に、マット放出を確実に行うために洗浄槽を低速で回転させる。更にマット放出時には、洗浄槽のドラム回転向きが交互に切換られる。即ち、右回転を一定時間(例えば、1分)と、反対向きの左回転を一定時間(例えば、1分)行って、ドラムの右回転及び左回転を4回繰り返して、洗浄槽内の全ての洗浄済みマットを搬送路に向けて放出する。このとき、放出マットのうち、暴れて搬送路の受け入れ箇所の両側部に向けて放出されたマットがあっても、その放出マットが受け入れ箇所の両側部に設けた2つのスイングガード26に衝突してスイングガード26が揺動して衝撃が緩衝される。これによりガイド部29より上方に突出した保護壁材40の物品受入保護作用により扉14の開口部14a周辺から放出マットをひとつも脱落させることなく搬送ベルト4への移し替えを円滑に行うことができる。
【0054】
扉14を開成してから洗浄槽の低速回転が所定時間経過すると、開閉シャッター19が閉成されて乾燥機1による乾燥処理が開始される。同時に搬送ベルト4の駆動も停止され、可動式揚送装置3は洗浄機1からの新たな稼働開始信号の受信を待機する待機状態となる。更に、マット放出を終えた洗浄機1は前傾位置から水平状態に戻されて、新たな洗浄指示命令の受信を待機する。
【0055】
本実施形態においては、回収マットの洗浄処理を行う扉14付き洗浄機1と、洗浄済みマットの乾燥処理を行う乾燥機2による処理工程間で、スイングガード26を装着した可動式揚送装置3を介して洗浄済みマットを乾燥機1に搬入して乾燥処理するに際して、洗浄工程から乾燥工程への洗浄済みマットの移送をスイングガード26の揺動作用と物品受入保護作用によって確実且つ円滑に行え、回収マットの再生処理の省人化及び自動化を実現することができる。なお、本発明は回収マットに限らずカーペットや払拭体等の他のダストコントロール製品の工程間移送処理に適用することができる。
【0056】
前記実施形態においては、スイングガード26の保護壁材40を一枚の板材で構成しているが、これに限らず、放出物品との衝突に耐え、物品受入保護作用を発揮できる剛性を有すれば、複数枚の板材、柵状の部材、網材等を使用することができる。特に、前記実施形態においては、洗浄機1の扉14は外向けに横開き状に開閉され、開閉時にスイングガード26と当接する場合であるが、例えば上下方向にスライドする開閉扉を備えた洗浄機1を使用し、開閉時にスイングガード26と当接しない場合にも、スイングガード26を物品受入れ箇所に配置して放出物品の脱落保護機能部材として使用することができる。
【0057】
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によれば、例えば、ダストコントロール製品のように、複数種の処理を連続処理するときの処理間物品移送の自動化、省人化を実現することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 洗浄機
2 乾燥機
3 可動式揚送装置
4 外パイプ
5 床レール
6 扉開閉駆動装置
7 揚送コンベア
8 回収マット
9 マット投入ガイド
10 上部水平搬送コンベア
11 上部レール
12 下端放出口
13 自走装置
14 扉
14a 開口部
14b 移動範囲
15 軸受部
16 アーム駆動装置
17 可動アーム
18 設置台
19 開閉シャッター
20 開閉シャッター
21 排出ガイド
22 排気ファン
23 排気ダクト
24 回収用搬送コンベア
25 ガイド部
26 スイングガード
27 車輪
28 鉛直ガイド板
29 ガイド板
29a 開放端縁
30 前端
31 後端
32 従動ローラ
33 従動ローラ
34 駆動モータ
35 駆動ローラ
36 本体部
37 軸受機構
38 駆動モータ
39 揺動体
40 保護壁材
40a 貫通穴
41 横管
42 縦管
43 L字管
44 結束バンド
45 締付具
46 金属ワイヤ
47 貫通穴
48 開閉アーム
49 回転軸
50 軸受部
51 扉ロック装置
52 吊下金具
53 貫通穴
54 金属ワイヤ
55 カシメ部材
70 制御部
71 マイクロプロセッサ
72 ROM
73 RAM
74 駆動制御装置
75 駆動制御装置
76 制御部
77 制御部
78 制御部
79 管理コンピュータ
F 床面
F1 開成移動力
F2 閉成移動力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容物品に対し処理を行う扉付処理装置から、前記扉を開放して前記扉付処理装置内の処理済み物品を、搬送方向に沿った両側部に側壁を設けた搬送路に放出して移し替えるとき、前記搬送路の受入れ箇所から放出物品を脱落させずに保護する物品受入保護装置であって、枠体又は平板からなる揺動体と、上端部を前記揺動体の上部に片持ち支持した保護壁材とを有し、前記揺動体を前記側壁のうち前記受入れ箇所に位置する前方側壁の外側に揺動可能に吊設し、且つ前記前方側壁の内側に前記保護壁材を垂下した静止状態において前記揺動体を前記放出物品又は前記扉に当接しながら前記前方側壁の外側又は内側に揺動させ、前記扉の開閉動作を行った後には前記吊設による振り子運動によって前記静止状態に復帰可能にしたことを特徴とする揺動式物品受入保護装置。
【請求項2】
前記保護壁材は前記放出物品の衝突に際して前記放出物品の外部への脱落を防止する板材又はシート材からなる請求項1に記載の揺動式物品受入保護装置。
【請求項3】
前記保護壁材の前記上端部を可動自在に前記揺動体の上部に片持ち支持した請求項1又は2に記載の揺動式物品受入保護装置。
【請求項4】
前記揺動体は枠材により矩形状に組み付けた矩形枠体からなり、前記矩形枠体の上辺又はその近傍に前記保護壁材の前記上端部を吊支した請求項1、2又は3に記載の揺動式物品受入保護装置。
【請求項5】
前記枠材は木材、樹脂又は金属の軽量骨材からなる請求項4に記載の揺動式物品受入保護装置。
【請求項6】
前記扉付処理装置は前記扉を外側に向け横開き方向に開閉する開閉軸を備え、前記搬送路は、前記扉に対向する前端部に受け入れた前記放出物品を所定方向に搬送する搬送コンベアにより構成され、一組の前記前方側壁を前記前端部の両側部に設け、前記揺動体及び前記保護壁材を少なくとも前記開閉軸側に位置する前記前方側壁に配設した請求項1〜5のいずれかに記載の揺動式物品受入保護装置。
【請求項7】
前記揺動体及び前記保護壁材を前記開閉軸と反対側の扉開放側に位置する前記前方側壁にも配設した請求項6に記載の揺動式物品受入保護装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の揺動式物品受入保護装置が配設され、前記扉付処理装置からの放出物品を前記扉付処理装置と異なる別の処理装置に移送する処理装置間搬送コンベアにより前記搬送路を形成したことを特徴する物品移送処理システム。
【請求項9】
前記物品はカーペット、マット、払拭体を含むダストコントロール製品であり、前記扉付処理装置は前記ダストコントロール製品の洗浄処理を行う洗浄装置であり、前記別の処理装置は前記洗浄装置により洗浄されたダストコントロール製品を前記処理装置間搬送コンベアを介して搬入して乾燥処理する乾燥装置である請求項8に記載の物品移送処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−246125(P2012−246125A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121448(P2011−121448)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000133445)株式会社ダスキン (119)
【Fターム(参考)】