説明

搬送ガイド及び画像形成装置

【課題】 フィルム搬送中における接触面積減少によるフィルムの傷発生確率の低減及び貼り付きの抑制を低コストで実現可能な搬送ガイド及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 この搬送ガイド3は、搬送方向Aに搬送されるシート状体Fをガイドし、基体部を形成する第1部材6と、導電性材料からなりシート状体と接触し搬送ガイド面を形成する第2部材9と、を備え、第2部材は、弾性力を発揮可能な形状を有し、搬送方向の上流側及び下流側の端部が弾性力により第1部材に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性フィルム等のシート状体を搬送するときにガイドする搬送ガイド及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
イメージャ等の画像形成装置の感光性フィルムの搬送系におけるガイド部材としては、複写機のような紙搬送系における樹脂成形ガイドと異なり、主に金属材料が用いられてきた。これは、画像を記録する感光性フィルムがPETベースに乳剤を片面あるいは両面に塗布しているため、搬送途中での摩擦帯電を抑制し、いわゆるスタチックかぶりを生じないようにするためであった。
【0003】
また、上述の金属製のガイド部材では、乳剤面やベース面に搬送過程で傷が発生すると、医療用撮影の場合には読影診断時に影響を与えかねないので、傷発生確率低減及び貼り付き抑制のために、部品加工時のバリ・カエリの除去は勿論のこと、このガイド表面を十分な滑面状態とするためバフ研磨が行われていたため、コストがかかるものであった。
【0004】
さらに、イメージャにおける潜像形成に係わるガイドや、デジタイザにおける読み取りに係わるガイドは、そのフィルム接触時の抵抗が常に一定であることが必要であり、ガイド板形状も高精度が要求されるものであった。
【0005】
下記特許文献1には、上述した潜像形成や読み取りに係わるガイドが開示されている。このガイドは、フィルムの搬送方向と斜交する多数の微小凸条を形成しており、金属材料に所定のパターンを形成するため、専用金型が必要で高価となるばかりでなく、このパターン形成時にガイド自体が反り易く、平面性が維持し難く、さらに、表面にできた金型跡のバフ研磨時に力が加わると、さらに変形してしまい、完成ガイドとしての歩留まりが大幅に低下する問題を有していた。従って、特許文献1の多数の微小凸条を形成したガイドは、主にフィルムの傷発生確率低減及び貼り付き抑制を期待されるガイドには最適なものではなかった。
【特許文献1】特開平08−34538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、フィルム搬送中における接触面積減少によるフィルムの傷発生確率の低減及び貼り付きの抑制を低コストで実現可能な搬送ガイド及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明による搬送ガイドは、搬送方向に搬送されるシート状体をガイドする搬送ガイドであって、前記搬送ガイドは、基体部を形成する第1部材と、導電性材料からなり前記シート状体と接触し搬送ガイド面を形成する第2部材と、を備え、前記第2部材は、弾性力を発揮可能な形状を有し、前記搬送方向の上流側及び下流側の端部が前記弾性力により前記第1部材に取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
この搬送ガイドによれば、シート状体と接触する第2部材を搬送方向の上流側及び下流側の端部で弾性力により基体部の第1部材に取り付けているので、シート状体の搬送中における接触面積減少によるシート状体の傷発生確率の低減及び貼り付きの抑制を低コストで実現できる。
【0009】
上記搬送ガイドにおいて前記第2部材の両端部は、前記第1部材を押圧する共通方向にかつ前記搬送方向と直交する方向に弾性力を発揮する形状とされていることが好ましい。また、前記第2部材の両端部は、前記第1部材を押圧する共通方向にかつ前記搬送方向に関して互いに相反する方向に弾性力を発揮する形状とされていることが好ましい。
【0010】
また、前記シート状体の通過領域外で前記第2部材が前記第1部材に着脱自在に取り付けられていることが好ましい。
【0011】
また、前記第1部材が前記第2部材の両端部に作用し前記搬送方向と直交する方向ヘの移動を規制する規制部を有することが好ましい。
【0012】
また、前記第2部材を接地する接地手段を有することで、搬送途中でのシート状体における摩擦帯電を抑制でき、シート状体が感光性フィルムの場合、いわゆるスタチックかぶりの発生を防止できる。この場合、前記接地手段が金属材料からなることが好ましい。
【0013】
また、前記第1部材が前記搬送方向に延びて比較的長く構成され、複数の前記第2部材が前記第1部材に対し前記搬送方向に所定間隔で配置されるように構成することが好ましい。
【0014】
本発明による画像形成装置は、上述の搬送ガイドを有し前記シート状体としての熱現像感光フィルムを搬送する搬送部と、前記熱現像感光フィルムを副走査搬送し走査露光を行うことで前記熱現像感光フィルムに潜像を形成する露光部と、前記潜像を可視像化するために前記熱現像感光フィルムを加熱して熱現像する熱現像部と、を備える画像形成装置であって、前記搬送ガイドが前記熱現像感光フィルムの副走査搬送に関与しない位置に配置されている。
【0015】
この画像形成装置によれば、上述の搬送ガイドでガイドしながら熱現像感光フィルムを搬送するので、熱現像感光フィルムの搬送中における接触面積減少による熱現像感光フィルムの傷発生確率低減及び貼り付き抑制を低コストで実現できるとともに、搬送ガイドは副走査搬送には関与しないので、搬送ガイドで搬送むらが例え生じたとしても熱現像感光フィルムに形成される潜像に影響はない。また、接地手段を有することで、搬送途中での熱現像感光フィルムにおける摩擦帯電を抑制でき、感光性フィルムにおける、いわゆるスタチックかぶりの発生を防止できる。
【0016】
上記画像形成装置において前記搬送部は、露光前の熱現像感光フィルムを載置して保持する載置台から前記熱現像感光フィルムを前記露光部に搬送する第1搬送路と、前記露光部から前記露光後の熱現像感光フィルムを前記熱現像部に搬送する第2搬送路と、を備え、前記第1搬送路及び前記第2搬送路の少なくとも一方に前記搬送ガイドを設けるように構成できる。
【0017】
また、前記第2部材は、直径0.5〜2mm、平均表面粗さRa0.1〜10μmのステンレス鋼の丸棒部材からなるとともに前記熱現像感光フィルムの非乳剤面と係合する側に配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の搬送ガイドによれば、シート状体の搬送中における接触面積減少によるシート状体の傷発生確率の低減及び貼り付きの抑制を低コストで実現できる。
【0019】
また、本発明の画像形成装置によれば、熱現像感光フィルムの搬送中における接触面積減少による熱現像感光フィルムの傷発生確率低減及び貼り付き抑制を低コストで実現できるとともに、搬送ガイドは副走査搬送には関与しないので、搬送むらが例え生じたとしても熱現像感光フィルムに形成される潜像に影響はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0021】
〈第1の実施の形態〉
【0022】
図1は第1の実施の形態による搬送ガイドを示す要部斜視図である。図2は図1の搬送ガイドのガイド補助部材を示す平面図である。図3は図1の搬送ガイドを図の方向Xから見た図である。
【0023】
図1〜図3に示すように、搬送ガイド3は、一般金属材料からなり平板状のガイド基体部6と、自身の有する形状弾性を利用してガイド基体部6に取り付けられており表面が滑面性を有し導電性材料からなるガイド補助部材9と、を備え、図1の搬送方向Aに搬送される図3の破線で示すシート状体Fをガイドする。
【0024】
図1,図3のように、平板状のガイド基体部6は、搬送対象のシート状体Fの搬送方向Aに延びかつ搬送方向Aに直交する方向に所定幅を有しシート状体Fと対向する平板部6aと、平板部6aの直交方向の両端部でシート状体Fと反対側に略直角に折り曲がった折曲部7,8と、を有する。ガイド基体部6は、例えば、鉄鋼やアルミニウム等に防錆処理を施したものが使用可能であり、除電ブラシ等が設けてあれば樹脂製でもよい。
【0025】
平板部6aと折曲部7,8との間の各角部には部分的に矩形状に切り欠かれた切欠部7aと8aが平板部6aの両端部に対向して形成されている。ガイド基体部6の切欠部7a、8aにはガイド補助部材9が着脱自在に取り付けられる。切欠部7a、8aは搬送方向Aに沿って所定間隔で設けられている。
【0026】
図1〜図3のように、ガイド補助部材9は、ステンレス鋼の丸棒部材から構成され、ガイド基体部6の平板部6aに対応する直線部9aと、各端で略1回転巻くようにしてコイル状に曲げられたコイル状端部9b,9cと、コイル状端部9b,9cから直線状に突き出た直線端部9d、9cと、を有する。
【0027】
コイル状端部9b,9cの各巻き方向は互いに逆であり、直線端部9d、9cは各突き出し方向が互いにほぼ平行にかつ直線部9aに対し斜めであるが、向きが互いに逆になっており、ガイド補助部材9はガイド基体部6の切欠部7a、8aに差し込まれると、弾性力を発揮可能な形状となっている。なお、ガイド補助部材9の丸棒部材は、例えば直径0.5〜2mm、表面粗さRa0.1〜10μmであることが好ましい。
【0028】
ガイド補助部材9はガイド基体部6に次のようにして取り付けられる。ガイド補助部材9の例えば一方の直線端部9dをガイド基体部6の切欠部7a内に差し込むとともに、他方の直線端部9eを反対側の切欠部8aに差し込む。この差し込みは、直線部9a・直線端部9d,9eの曲げ弾性変形及びコイル状端部9b,9cのねじり弾性変形により可能であり、各直線端部9d,9eが矩形状の各切欠部7a,8aで固定される。このとき作用する直線部9a及びコイル状端部9b,9cの弾性力により、直線部9aがガイド基体部6の平板部6aに押圧されて密着するとともに直線部9aの外向き方向c、c’に力が作用し、更にコイル状端部9b,9cで搬送方向Aに関して直交し互いに相反する方向b、b’に力が作用し、ガイド補助部材9が各切欠部7a,8aで方向b、b’への移動が規制される。
【0029】
上述のようにして、ガイド補助部材9はガイド基体部6に対しガタ・弛みなくしっかりと堅く固定されることになる。なお、ガイド補助部材9をガイド基体部6から取り外すときは、いずれか一方の例えば直線端部9dをガイド基体部6の切欠部7aから引き抜くようにして外すことでガイド補助部材9を容易に取り外すことができる。
【0030】
以上のように、図1〜図3の搬送ガイド3によれば、各ガイド補助部材9の直線部9aの各上面がシート状体Fと接触し搬送ガイド面を構成し、かかるシート状体Fと接触するガイド補助部材9を搬送方向Aの上流側及び下流側の端部で弾性力によりガイド基体部6に着脱自在に取り付けているので、シート状体Fの搬送中における接触面積減少によるシート状体の傷発生確率を低減できかつ貼り付きを抑制できる。
【0031】
また、ガイド基体部6の平板部6aにはシート状体Fが接触せず、ガイド補助部材9に接触するので、平板部6aを十分な滑面状態とするためのバフ研磨等が不要でありまた従来のようなバリ・カエリ除去も不要であり、ガイド補助部材9の丸棒部材が所定の表面粗さに加工されていればよいので、コストがかからない。また、ガイド補助部材9の直線端部9d、9eは、直線部9aとガイド基体部6の平板部6aを挟んで反対側の切欠部7a、8aで固定され、シート状体Fの通過領域外に位置するので、シート状体Fの搬送の妨げとはならない。
【0032】
〈第2の実施の形態〉
【0033】
次に、図1乃至図3で説明した搬送ガイドを備える画像形成装置について図4,図5,図6を参照して説明する。
【0034】
図4は第2の実施の形態による画像形成装置の要部を示す正面図である。図5は図4の画像形成装置の露光部を概略的に示す図である。図6は図1〜図3の搬送ガイドを配置した図4の画像形成装置の第1搬送路の一部を示す斜視図である。
【0035】
図4に示すように画像形成装置100は、シート状の熱現像感光材料である熱現像感光フィルム(以下、「フィルム」という場合もある。)を所定枚数でパッケージした包装体を装填する第1及び第2の装填部11,12と、フィルムを1枚づつ露光・現像のために搬送する搬送部5とを有する供給部110と、供給部110から給送されたフィルムを露光し潜像を形成する露光部120と、潜像を形成されたフィルムを熱現像する熱現像部130と、現像されたフィルムの濃度を測定し濃度情報を得る濃度計200や搬送ローラ144A等を含む冷却搬送部150と、を備える。
【0036】
供給部110の第1及び第2の装填部11,12には、サイズの異なるフィルムをそれぞれ装填し、第1の装填部11または第2の装填部12からフィルムが1枚づつ搬送部5、搬送ローラ対139,140,141により図4の矢印方向(1)に搬送される。搬送ローラ対139,140,141がフィルムを露光部120に向け下降搬送する。
【0037】
次に、フィルムは、矢印方向(2)に搬送ローラ対4で水平搬送され、更に搬送ローラ対142で副走査搬送されながら露光部120でレーザ光が照射され潜像が形成される。
【0038】
次に、搬送ローラ対146,145,144,143により矢印方向(3)へ搬送される。搬送ローラ対146,145,144,143が潜像の形成されたフィルムを熱現像部130に向け上昇搬送する。
【0039】
次に、フィルムは熱現像部130で潜像が可視像化され、更に矢印方向(4)へ搬送ローラ144Aにより搬送され冷却搬送部150で冷却されてから排出部160に排出される。なお、搬送ローラ対139,141,4,142,146,145,144,143は、モータ等により回転駆動される。
【0040】
次に、露光部について説明する。図5のように、露光部120は、画像信号Sに基づき強度変調されたレーザ光Lを、回転多面鏡113によって偏向して、フィルムF上を主走査すると共に、フィルムFをレーザ光Lに対して主走査の方向と略直角な方向に相対移動させることにより副走査し、レーザ光Lを用いてフィルムFに潜像を形成する。
【0041】
露光部120のより具体的な構成を以下に述べる。図5において、外部の画像出力装置121から出力された画像データをネットワーク等を介して受信し、その画像データのデジタル信号である画像信号Sは、D/A変換器122においてアナログ信号に変換され、変調回路123に入力される。変調回路123は、かかるアナログ信号に基づき、レーザ光源部110aのドライバ124を制御して、レーザ光源部110aから変調されたレーザ光Lを照射させる。
【0042】
レーザ光源部110aから照射されたレーザ光Lは、レンズ112を通過し、シリンドリカルレンズ115により上下方向にのみ収束されて、図中矢印A’方向に回転する回転多面鏡113に対し、その駆動軸に垂直な線像として入射するようになっている。回転多面鏡113は、レーザ光Lを主走査方向に反射し偏向し、偏向されたレーザ光Lは、2枚のレンズを組み合わせてなるシリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を通過した後、光路上に主走査方向に延在して設けられたミラー116で反射されて、搬送ローラ対142により、矢印Y方向に搬送されている(副走査される)フィルムFの被走査面117上を、矢印X方向に繰り返し主走査する。すなわち、レーザ光Lを、フィルムF上の被走査面117の全面にわたって走査する。このようにして、フィルムFに画像信号Sに基づく潜像が形成される。
【0043】
図4のように、熱現像部130は、フィルムFを外周にほぼ密着して保持しつつ加熱可能な加熱ドラム14を有し、加熱ドラム14は回転自在な円筒形状のアルミニウム製のスリーブの内周面に貼り付けられた加熱源であるヒータに対する通電制御により所定温度に加熱される。
【0044】
図4のように、加熱ドラム14の外方には、案内部材かつ押圧部材として加熱ドラム14に比べて小径の回転自在の対向ローラ16が複数本設けられており、加熱ドラム14の回転中心軸に対して平行にかつ加熱ドラム14の外周面に対向するように配置されている。
【0045】
加熱ドラム14は、対向ローラ16との間にフィルムFを挟んだ状態で回転しながら、フィルムFを所定の最低熱現像温度以上に、所定の熱現像時間維持することで、フィルムFに形成された潜像を可視画像として形成する。ここで、最低熱現像温度とは、フィルムFに形成された潜像が熱現像され始める最低温度のことであり、例えば95℃以上である。一方、熱現像時間とは、フィルムFの潜像を所望の現像特性に現像するために、最低熱現像温度以上に維持するべき時間をいう。なお、フィルムFは、40℃以下では実質的に熱現像されないものであることが好ましい。
【0046】
図4において露光部120の上流側の搬送ローラ対139,140,141の間に第1搬送路101が形成され、露光部120の下流側の搬送ローラ対146,145,144,143の間に第2搬送路102が形成されているが、図6のように第1搬送路101に図1〜図3の搬送ガイド3が配置されている。図6のように、搬送ガイド3ではガイド基体部6に対し複数のガイド補助部材9が取り付けられており、フィルムFはガイド補助部材9に接触しながらガイドされ搬送方向Aに搬送される。搬送ローラ対4から搬送ローラ対142との間及び搬送ローラ対142と搬送ローラ対146との間の各搬送路は、フィルムFの露光時にその副走査搬送に関与するので、搬送ガイド3を配置していない。
【0047】
以上のように、第1搬送路101において搬送ガイド3を配置することにより、フィルムの搬送中における接触面積減少による傷発生確率低減及び貼り付き抑制を低コストで実現できるとともに、搬送ガイド3でフィルムFの搬送時に多少の搬送むらが生じたとしても、搬送ガイド3は露光部120の上流・下流の近傍におけるほどには精度が要求されない搬送路に配置されるので、フィルムに形成される潜像に影響はない。
【0048】
また、フィルムFが搬送されるとき、その乳剤面が図4の露光部120でレーザ光Lが照射される側に位置するようになっているが、搬送ガイド3はフィルムFに対し非乳剤面(バックコート面)側に位置するように配置されている。このように、搬送ガイド3を熱現像感光フィルム(片面乳剤)の特にバックコート面側に配置することで、バックコート面側の表面に通常分散されているマット剤と協働して傷発生が効果的に抑制され好ましい。
【0049】
また、ガイド基体部6及びガイド補助部材9は、金属材料からなり導電性であり、接地手段を構成するので、搬送途中での熱現像感光フィルムにおける摩擦帯電を抑制でき、熱現像感光フィルムにおけるいわゆるスタチックかぶりの発生を防止できる。
【0050】
また、ガイド補助部材9は、コイル状端部9b、9cのねじり等のばね力でガイド基体部6に押圧して取り付けられ、かかるばね力で搬送方向Aに平行かつ互いに向きの反対の方向b、b’及びそれと直交する方向c、c’に堅く固定されるので、搬送中のフィルムFに対して位置が変わらず、フィルムFの搬送に伴う移動や振動が生じなく、また、装置輸送時にも自身の弾性で固定されるので好ましい。
【0051】
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図4の画像形成装置100において第2搬送路102にも第1搬送路101と同様に搬送ガイド3を配置してもよく、また、第2搬送路102だけに搬送ガイド3を配置してもよい。また、第1搬送路101、第2搬送路102の全搬送路に配置しなくともよく、部分的に配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】第1の実施の形態による搬送ガイドを示す要部斜視図である。
【図2】図1の搬送ガイドのガイド補助部材を示す平面図である。
【図3】図1の搬送ガイドを図の方向Xから見た図である。
【図4】第2の実施の形態による画像形成装置の要部を示す正面図である。
【図5】図4の画像形成装置の露光部を概略的に示す図である。
【図6】図1〜図3の搬送ガイドを配置した図4の画像形成装置の第1搬送路の一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
3 搬送ガイド
6 ガイド基体部(第1部材)
6a 平板部
7,8 折曲部
7a,8a 切欠部(規制部)
9 ガイド補助部材(第2部材)
9a 直線部
9b,9c コイル状端部
9d,9e 直線端部
100 画像形成装置
101 第1搬送路
102 第2搬送路
110 供給部
120 露光部
130 熱現像部
139,141,4,142,146,145,144,143 搬送ローラ対
A 搬送方向
F シート状体、フィルム、熱現像感光フィルム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に搬送されるシート状体をガイドする搬送ガイドであって、
前記搬送ガイドは、
基体部を形成する第1部材と、
導電性材料からなり前記シート状体と接触し搬送ガイド面を形成する第2部材と、を備え、
前記第2部材は、弾性力を発揮可能な形状を有し、前記搬送方向の上流側及び下流側の端部が前記弾性力により前記第1部材に取り付けられていることを特徴とする搬送ガイド。
【請求項2】
前記第2部材の両端部は、前記第1部材を押圧する共通方向にかつ前記搬送方向と直交する方向に弾性力を発揮する形状とされている請求項1に記載の搬送ガイド。
【請求項3】
前記第2部材の両端部は、前記第1部材を押圧する共通方向にかつ前記搬送方向に関して互いに相反する方向に弾性力を発揮する形状とされている請求項1に記載の搬送ガイド。
【請求項4】
前記シート状体の通過領域外で前記第2部材が前記第1部材に着脱自在に取り付けられている請求項1,2または3に記載の搬送ガイド。
【請求項5】
前記第1部材が前記第2部材の両端部に作用し前記搬送方向と直交する方向ヘの移動を規制する規制部を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の搬送ガイド。
【請求項6】
前記第2部材を接地する接地手段を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の搬送ガイド。
【請求項7】
前記接地手段が金属材料からなる前記第1部材である請求項6に記載の搬送ガイド。
【請求項8】
前記第1部材が前記搬送方向に延びて比較的長く構成され、複数の前記第2部材が前記第1部材に対し前記搬送方向に所定間隔で配置されている請求項1乃至7のいずれか1項に記載の搬送ガイド。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の搬送ガイドを有し前記シート状体としての熱現像感光フィルムを搬送する搬送部と、前記熱現像感光フィルムを副走査搬送し走査露光を行うことで前記熱現像感光フィルムに潜像を形成する露光部と、前記潜像を可視像化するために前記熱現像感光フィルムを加熱して熱現像する熱現像部と、を備える画像形成装置であって、
前記搬送ガイドが前記熱現像感光フィルムの副走査搬送に関与しない位置に配置されている画像形成装置。
【請求項10】
前記搬送部は、露光前の熱現像感光フィルムを載置して保持する載置台から前記熱現像感光フィルムを前記露光部に搬送する第1搬送路と、前記露光部から前記露光後の熱現像感光フィルムを前記熱現像部に搬送する第2搬送路と、を備え、
前記第1搬送路及び前記第2搬送路の少なくとも一方に前記搬送ガイドを設けた請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第2部材は、直径0.5〜2mm、平均表面粗さRa0.1〜10μmのステンレス鋼の丸棒部材からなるとともに前記熱現像感光フィルムの非乳剤面と係合する側に配置されている請求項9または10に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−8326(P2006−8326A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187987(P2004−187987)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】