説明

搬送装置及び画像記録装置

【課題】シート、及び薄板形状の被記録部材を支持するトレイが搬送される搬送装置において、装置の薄型化が実現されるとともに、トレイが安定して案内される手段を提供する。
【解決手段】プリンタ部11は、側壁18において開口された胴内空間15を有する装置筐体40と、装置筐体40内に設けられており、記録用紙を案内して胴内空間15へ記録用紙を排出するための搬送路23と、胴内空間15に配置されて、搬送路23から排出された記録用紙を積層状態に支持する排紙トレイと、CD111を支持するトレイ110と、胴内空間15の内壁16,17から突出する第1姿勢と内壁16,17へ没入する第2姿勢とに姿勢変化可能であり、第1姿勢においてトレイ110を支持するトレイガイド50と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート、及び薄板形状の被記録部材を支持するトレイが搬送される搬送装置、並びに当該搬送装置を備えた画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像記録装置は、被記録媒体を搬送して画像記録を行う。インクジェット方式の画像記録装置は、様々な被記録媒体に画像記録を行い得る。インクジェット方式の画像記録装置の被記録媒体として、記録用紙などのシートや、CDやDVDなどの薄板形状の部材が挙げられる。
【0003】
また、画像記録装置においては、被記録媒体は、搬送路と称される経路を搬送されつつ画像記録が行われる。この搬送路には、Uターンパスのように湾曲されたものがある。記録用紙などのシートは、湾曲した搬送路に沿って撓むことが可能である。CDやDVDなどは、定形の記録用紙に対応した搬送路に合致するトレイなどに載置されて、搬送路を搬送されつつ画像記録が行われる。トレイの搬送路は、直線形状が採用される。このような直線形状の搬送路は、ストレートパスとも称される。
【0004】
従来より、CDなどが載置されるトレイを搬送路へ挿入するためのガイドが設けられた画像記録装置が知られている。このガイドはトレイ形状であり、水平方向を軸として上下に回動可能である。ガイド面がほぼ水平方向となるように回動された状態で、トレイが支持される。ガイドを使用しないときは、ガイド面がほぼ鉛直方向となるようにガイドが回動される(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−30304号公報
【特許文献2】特開2005−212432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2に記載された記録装置において、ガイドがトレイを安定して案内するためには、ガイド面が水平方向となるようにガイドを回動させたときに、ガイド面が搬送方向に沿ってある程度の長さを有する必要がある。その結果、ガイド面が鉛直方向となるようにガイドが回動されると、ガイドの高さの分だけ装置の高さが高くなる。これに対して、装置を薄型化するには、鉛直方向に回動されたガイドを高さ方向に小さくすることとなるが、その結果、ガイド面が小さくなり、トレイを安定して案内することが困難になる。
【0007】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シート、及び薄板形状の被記録部材を支持するトレイが搬送される搬送装置において、装置の薄型化が実現されるとともに、トレイが安定して案内される手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明に係る搬送装置は、側壁において開口された胴内空間を有する装置筐体と、上記装置筐体内に設けられており、シートを案内して上記胴内空間へ当該シートを排出するための搬送経路と、上記胴内空間に配置されて、上記搬送経路から排出されたシートを積層状態に支持する第1シート支持部材と、薄板形状の被記録部材を支持するトレイと、上記胴内空間の内壁から突出する第1姿勢と当該内壁へ没入する第2姿勢とに姿勢変化可能であり、当該第1姿勢において、当該胴内空間から上記搬送経路へ挿入される上記トレイを支持するガイド部材と、を具備する。
【0009】
シートは、搬送経路から胴内空間へ排出される。排出されたシートは、第1シート支持部材によって積層状態に支持される。トレイは、胴内空間から搬送経路へ挿入される。このとき、第1姿勢のガイド部材によって、トレイが支持されながら搬送経路へ案内される。ガイド部材が不要であるときは、ガイド部材は胴内空間の内壁へ没入されて第2姿勢とされる。
【0010】
(2) 上記胴内空間の開口付近に操作部が配置されており、当該操作部に連動して、上記ガイド部材を第1姿勢又は第2姿勢とする操作機構をさらに有するものであってもよい。
【0011】
開口付近に操作部が配置されているので、胴内空間の奥まで手を挿入することなく、操作部の操作によって、胴内空間のガイド部材が容易に姿勢変化される。
【0012】
(3) 上記操作機構として、上記操作部に連動して、上記ガイド部材を第1姿勢とする第1位置と、上記ガイド部材を第2姿勢とする第2位置とにスライド可能な操作レバーを有するものが挙げられる。
【0013】
(4) 本発明に係る搬送装置は、シートを積層状態で支持し、上記胴内空間に配置されて上記搬送経路へシートを給送可能な第2シート支持部材をさらに有するものであってもよい。上記第2シート支持部材は、上記胴内空間に挿抜可能であり、当該胴内空間へ挿入された状態において上記ガイド部材を第2姿勢とし、当該胴内空間から脱抜された状態において上記ガイド部材を第1姿勢とする連係部を有するものである。
【0014】
胴内空間に第2シート支持部材が挿入されているときは、第2シート支持部材からシートが搬送経路へ給送され、搬送経路から胴内空間へ排出されたシートが第1シート支持部材に支持される。このとき、ガイド部材が第2姿勢であるので、排出されたシートがガイド部材と接触することがない。胴内空間から第2シート支持部材が脱離されると、ガイド部材が第1姿勢となる。これにより、胴内空間から搬送経路へ挿入されるトレイがガイド部材によって支持される。また、胴内空間に第2シート支持部材がないので、仮に誤操作によってシートが給送されようとしても、実際に第2シート支持部材からシートが給送されることがない。
【0015】
(5) 上記ガイド部材における上記トレイの支持面に、当該トレイが上記搬送経路へ挿入される向きと直交し、かつ当該トレイの底面に沿った方向を軸とするローラが設けられてもよい。
【0016】
ローラにより、ガイド部材に支持されたトレイが円滑に移動される。
【0017】
(6) 上記ガイド部材として、上記トレイが上記搬送経路へ挿入される向きと直交し、かつ当該トレイの底面に沿った方向にスライドされることによって姿勢変化するものが挙げられる。
【0018】
(7) 上記ガイド部材として、上記トレイが上記搬送経路へ挿入される向きと直交し、かつ当該トレイの底面と直交する方向を軸として回動されることによって姿勢変化するものが挙げられる。
【0019】
(8) 本発明は、上記搬送装置と、上記搬送経路に設けられて、シート、又はトレイに支持された被記録部材に画像記録を行う記録部と、を具備する画像記録装置として捉えられてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、胴内空間から搬送経路へ挿入されるトレイが、胴内空間内に配置されたガイド部材によって支持されながら搬送経路へ安定して案内される。ガイド部材が不要であるときは、ガイド部材が胴内空間の内壁へ没入されるので、装置の薄型化が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機10の外観斜視図である。
【図2】プリンタ部11の内部構造を示す縦断面図である。
【図3】図2におけるIII-III切断面を示す断面図である。
【図4】第1姿勢のトレイガイド50を示す斜視図である。
【図5】第1姿勢のトレイガイド50にトレイ110が支持された状態を示す縦断面図である。
【図6】第2実施形態に係る操作レバー61,62を示す外観斜視図である。
【図7】図6におけるVI-VI切断面を示す断面図である。
【図8】操作レバー62が第2位置にされたときのVI-VI切断面を示す断面図である。
【図9】第1変形例に係るトレイガイド70を示す斜視図である。
【図10】第2変形例に係るトレイガイド50を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、適宜図面が参照されつつ本発明の好ましい実施形態が説明される。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一実施形態にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲でこの実施形態が適宜変更されることは言うまでもない。
【0023】
[複合機10の概略構成]
図1に示されるように、複合機10は、下部に設けられたプリンタ部11と、上部に設けられたスキャナ部12と、正面上部に設けられた操作パネル14とを備えている。なお、本実施形態においては、矢印101で示される方向が複合機10の幅方向であり、矢印102で示される方向が複合機10の高さ方向であり、矢印103で示される方向が複合機10の奥行き方向である。また、図1においては、トレイ110が挿入される状態の複合機10が示されており、給紙カセット20は胴内空間15に挿入されていない。
【0024】
複合機10は、プリント機能、スキャン機能、ファクシミリ機能及びコピー機能などの各種の機能を有している。プリント機能は、プリンタ部11によって発揮される。このプリンタ部11は、インクジェット方式によって画像記録を行う。なお、複合機10においてプリント機能以外の機能は任意であり、例えば、スキャン機能やコピー機能、ファクシミリ機能を有しないプリント機能のみを有するプリンタとして本発明の画像記録装置が実施されてもよい。
【0025】
プリンタ部11の装置筐体40における正面側の側壁18に開口13が形成されている。この開口13の内部が、プリンタ部11の胴内空間15である。胴内空間15は、装置正面側に開口13を有し、開口13から装置背面側へ延びる直方体形状の空間である。胴内空間15において、幅方向101に離間されて内壁16,17が対向されている。この内壁16,17の間に給紙カセット20が挿抜されることによって、胴内空間15に給紙カセット20が着脱可能に設けられている。給紙カセット20の詳細な構成については後述されるが、給紙カセット20に装填された記録用紙が、後述される搬送機構によってプリンタ部11内を搬送される。この搬送過程において、記録用紙に画像記録が行われる。
【0026】
スキャナ部12は、いわゆるフラットベッドスキャナとして構成されているが、スキャナ部12の構成は、本発明に直接に関係しないので、ここでは詳細な説明が省略される。
【0027】
操作パネル14は、プリンタ部11やスキャナ部12を操作するためのものであって、各種操作ボタンや液晶表示部を備えている。ユーザは、操作パネル14を操作することにより各種機能の設定や動作を実行することができる。
【0028】
[プリンタ部11の内部構成]
図2に示されるように、プリンタ部11は、排紙トレイ22が設けられた給紙カセット20と、給紙カセット20から給送された記録用紙が搬送される搬送路23と、搬送路23に設けられた記録部25と、胴内空間15に設けられたトレイガイド50とを備えている。
【0029】
本実施形態に係るプリンタ部11の特徴とするところは、搬送路23を搬送される記録用紙が排紙トレイ22に排出されるときには、トレイガイド50が第2姿勢となって内壁16,17に没入され、CD111が載置されたトレイ110が搬送路23へ挿入されるときには、トレイガイド50が第1姿勢となって、トレイ110を案内する点にある。
【0030】
搬送路23が、本発明における搬送経路に相当する。排紙トレイ22が、本発明における第1シート支持部材に相当する。トレイガイド50が、本発明におけるガイド部材に相当する。給紙カセット20が、本発明における第2シート支持部材に相当する。CD111は、本発明における被記録部材の一例である。記録用紙は、本発明におけるシートの一例である。
【0031】
[給紙カセット20]
図2に示されるように、給紙カセット20は、プリンタ部11の開口13を通じて胴内空間15へ挿抜可能に設けられている。給紙カセット20は、上面の一部が開口された矩形の箱状である。給紙カセット20の内部空間21には、複数枚の記録用紙が積層された状態に載置される。給紙カセット20に積載された記録用紙は、給紙ローラ30によって搬送路23に給送される。
【0032】
排紙トレイ22は、給紙カセット20の上面の一部として構成されている。搬送路23から排出された記録用紙は、排紙トレイ22に積載される。
【0033】
図2及び図3に示されるように、給紙カセット20における幅方向101の両側壁の一部は、排紙トレイ22より上側へ突出されて連係部26,27を構成している。連係部26,27は、給紙カセット20が胴内空間15へ挿抜されるに伴って、トレイガイド50を姿勢変化させるものである。
【0034】
連係部26,27は、給紙カセット20が胴内空間15へ挿入された状態において、内壁16,17と若干の隙間を介してそれぞれが対向する。つまり、連係部26が内壁16と対向し、連係部27が内壁17と対向する。また、連係部26,27は、給紙カセット20における正面側の一部において、ほぼ鉛直方向に沿って上向きに突出されている。連係部26、27が突出される範囲は、トレイガイド50の配置に対応されている。本実施形態では、胴内空間15の両内壁16,17のそれぞれにおいて、奥行き方向103に離間されて2つのトレイガイド50が配置されており、胴内空間15全体として4つのトレイガイド50が設けられている。連係部26は、給紙カセット20が胴内空間15に挿入された状態において、その上端部が内壁16に設けられた2つのトレイガイド50に当接可能な範囲に渡って設けられており、連係部27は、その上端部が内壁17に設けられた2つのトレイガイド50に当接可能な範囲に渡って設けられている。
【0035】
トレイガイド50の姿勢変化については後述されるが、給紙カセット20が胴内空間15へ挿入されて連係部26,27が各トレイガイド50に当接することによって、各トレイガイド50が内壁16,17に対して没入され、給紙カセット20が胴内空間15から脱抜されて連係部26,27が各トレイガイド50から離れることによって、各トレイガイド50が内壁16,17から胴内空間15側へ突出される。本明細書において、トレイガイド50が内壁16,17から胴内空間15側へ突出された姿勢が第1姿勢と称され、内壁16,17に対して没入された姿勢が第2姿勢と称される。
【0036】
[搬送路23]
図2に示されるように、搬送路23は、記録用紙が湾曲されて案内される湾曲部32と、記録用紙が直線状に延びて案内される直線部33とを有する。湾曲部32は、給紙カセット20の奥側から上方へ向かって延びながら装置正面側(図2における右側)へ湾曲している。直線部33は、湾曲部32から装置正面側へ向かって排紙トレイ22付近まで直線状に延びている。記録用紙は給紙カセット20から湾曲部32及び直線部33へ順次搬送される。つまり、湾曲部32及び直線部33は、記録用紙が搬送される向きに沿って順に連続して配置されている。この湾曲部32及び直線部33によって、搬送路23は、いわゆるUターンパスを形成している。
【0037】
湾曲部32は、外側ガイド面と内側ガイド面とによって区画形成されている。外側ガイド面は、ガイド部材28によって構成されている。ガイド部材28は、装置背面側に設けられた蓋19に支持されており、図5に示されるように、蓋19と共に回動される。内側ガイド面は、ガイド部材29によって構成されている。ガイド部材29は、図に示されていないフレームに支持されている。
【0038】
蓋19は、その下端付近に設けられて幅方向102へ突出する軸によって回動可能に設けられており、上端側が装置外側へ回動して開かれる。蓋19は、記録用紙が搬送されるときには閉じられており(図2参照)、トレイ110が搬送されるときには開けられる(図5参照))。蓋19が開けられると、装置背面側の側壁が開口される。また、蓋19と共にガイド部材28が回動されて、湾曲部32が開放される。これによって、直線部33から装置背面側へ直線形状の搬送経路、すなわちストレートパスが形成される。トレイ110は、このストレートパスを搬送される。
【0039】
[搬送機構]
図2に示されるように、給紙ローラ30は、アーム31の先端に回転自在に軸支されている。給紙ローラ30は、アーム31の回動によって給紙カセット20の内部空間21へ進入して、内部空間21に積載された最上位置の記録用紙と接触する。給紙ローラ30は、図に示されていないモータから駆動伝達されて回転される。給紙ローラ30が給紙カセット20の記録用紙に圧接された状態で給紙ローラ30が回転されると、給紙ローラ30との摩擦力によって、最上位置の記録用紙が搬送路23へ給送される。
【0040】
搬送路23の直線部33には、搬送ローラ41及びピンチローラ42が設けられている。搬送ローラ41及びピンチローラ42は、記録用紙の搬送向きにおいて記録部25より上流側に配置されている。搬送ローラ41及びピンチローラ42は対をなしている。ピンチローラ42は、搬送ローラ41に対して接離可能であって、搬送ローラ41に圧接するようにバネ付勢されている。搬送ローラ41は、図に示されていないモータから駆動伝達されて回転される。搬送ローラ41及びピンチローラ42に挟持された記録用紙は、搬送ローラ41の回転を受けて記録部25へ向かって搬送される。
【0041】
搬送路23の直線部33には、排紙ローラ43及び拍車44が設けられている。排紙ローラ43及び拍車44は、記録用紙の搬送向きにおいて記録部25より下流側に配置されている。排紙ローラ43及び拍車44は対をなしている。拍車44は、排紙ローラ43に対して接離可能であって、排紙ローラ43に圧接するようにバネ付勢されている。排紙ローラ43は、図に示されていないモータから駆動伝達されて回転される。排紙ローラ43の回転は搬送ローラ41の回転と同期されている。排紙ローラ43及び拍車44に挟持された記録用紙は、排紙ローラ43の回転を受けて排紙トレイ22へ向かって搬送される。
【0042】
[記録部25]
図2に示されるように、記録部25は、搬送路23の直線部33に配置されており、キャリッジ46及びプラテン47を備えている。キャリッジ46は、直線部33を挟んでプラテン47の上側に配置されている。キャリッジ46には、記録ヘッド48が搭載されている。同図には現れていないが、記録ヘッド48は、インク滴を吐出するノズルを有している。このノズルの開口がプラテン47側へ露出された状態で、記録ヘッド48がキャリッジ46に搭載されている。キャリッジ46は、図に示されていないモータから駆動伝達されて、記録ヘッド48とともに幅方向101(図2において紙面に垂直な方向)へ往復移動する。キャリッジ46が移動されながら、記録ヘッド48から微小なインク滴がプラテン47上の記録用紙又はCD111へ向かって選択的に吐出される。吐出されたインク滴が記録用紙又はCD111に着弾することによって、記録用紙又はCD111に画像が記録される。なお、インクは、図示されていないインクカートリッジから記録ヘッド48へ供給される。
【0043】
[トレイガイド50]
図2及び図3に示されるように、トレイガイド50は、胴内空間15の各内壁16,17それぞれに奥行き方向103に離間されて2個が設けられており、胴内空間15全体で4個のトレイガイド50が配置されている。各トレイガイド50の高さ位置は、高さ方向102に対してほぼ同じであり、搬送路23の直線部33とほぼ同等の高さ位置に配置されている。各トレイガイド50は、内壁16,17に対する配置や奥行き方向103に対する配置が異なる他は同様の構成のものなので、以下、内壁17に設けられた1個のトレイガイド50を例に詳細な構成が説明される。
【0044】
図4に示されるように、トレイガイド50は、内壁17に設けられた孔51を通じて胴内空間15に対して出没可能である。なお、図4においては、胴内空間15側へ突出する第1姿勢のトレイガイド50が示されている。また、図4においては、内壁17は一部のみが切り取られた状態が示されている。
【0045】
図4(B)に示されるように、内壁17の裏面側には、孔51の上下側それぞれに軸受け部52,53が設けられている。軸受け部52,53は、孔51に対して、装置正面側に配置されている。軸受け部52,53は、上下方向102に離間されている。軸受け部52,53に、トレイガイド50の軸54が回転自在に支持されている。この軸54は、上下方向102に沿って延出されている。
【0046】
トレイガイド50は、軸54と、軸54から径方向へ突出された羽根板55と、羽根板55に設けられた一対のガイド板56,57を有する。軸54周りに羽根板55が回動されると、ガイド板56,57が孔51に対して出入されて、トレイガイド50が姿勢変化される。軸54の軸線方向は、上下方向102に沿っている。つまり、軸54の軸線方向は、トレイ110が搬送路23へ挿入される向き(奥行き方向103の背面向き)と直交し、かつそのトレイ110の底面と直交する。
【0047】
羽根板55は、軸54の軸線方向に沿って延びる平板形状である。この羽根板55に、軸54の軸線方向と直交する方向へ延びる一対のガイド板56,57が設けられている。ガイド板56,57は、高さ方向に離間されており、この離間距離は、トレイ110の厚みに応じて、トレイ110を案内するに適した距離に設定されている。
【0048】
上下方向102の下側に配置されたガイド板57は、ほぼ水平方向へ延びる平板形状である。このガイド板57にトレイ110が載置されて、トレイガイド50が支持される。上下方向102の上側に配置されたガイド板56は、開口13側から搬送路23側へ向かって下降する傾斜面とほぼ水平方向へ延びる面とを有する湾曲板である。このガイド板56の形状によって、一対のガイド板56,57の離間距離は、開口13側で長く、搬送路23側で短くなっている。一対のガイド板56,57の離間距離のうち最も短い箇所は、トレイ110の厚みより若干長い。一対のガイド板56,57の離間距離が、開口13側において、トレイ110の厚みより十分に長くされているので、開口13側からトレイ110をガイド板56,57の間に挿入することが容易である。
【0049】
ガイド板56には、上下方向102の上方へ突出するピン58が設けられている。このピン58は、内壁17の裏面側において孔51の周縁と係合し得る。図4(B)に示されるように、孔51の周縁にピン58が係合することによって、ガイド板56,57が孔51から胴内空間15側へ突出する回転方向への軸54の回転が制止される。ピン58が孔51の周縁に係合した状態が、トレイガイド50の第1姿勢である。
【0050】
軸54には、ネジリコイルバネ59が設けられている。ネジリコイルバネ59の一方のアームは内壁17の裏面に当接されており、他方のアームはピン58に当接されている。これにより、ネジリコイルバネ59は、ピン58を通じて、ガイド板56,57が孔51から胴内空間15側へ突出する回転方向へトレイガイド50を付勢する。つまり、トレイガイド50は、ネジリコイルバネ59に付勢されて、外力を受けない限り第1姿勢を維持する。また、後述されるように、装置正面側から給紙カセット20の連係部27が当接されて、ガイド板56,57が孔51へ没入される側へ押圧されることによって、トレイガイド50は、ネジリコイルバネ59の付勢力に抗して第2姿勢に姿勢変化される。
【0051】
[記録用紙への画像記録]
図2に示されるように、記録用紙に画像記録が行われるときには、蓋19は閉じられている。また、胴内空間15には、給紙カセット20が挿入されている。給紙カセット20が胴内空間15へ挿入されるときに、給紙カセット20の連係部26,27が、内壁16,17に設けられた4個のトレイガイド50に当接する。これにより、4個のトレイガイド50は、ネジリコイルバネ59の付勢力に抗して、内壁16,17に対して没入するように回動されて、第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変化されて、第2姿勢に維持される。この状態で、操作パネル14に対して、又は複合機10に接続されているコンピュータなどのプリンタドライバに対して、記録用紙への印刷開始の指令が行われる。
【0052】
印刷開始の指令によって、図に示されていないモータの回転を受けて給紙ローラ30、搬送ローラ41及び排紙ローラ43が所定のタイミングで回転されて、給紙カセット20から搬送路23へ記録用紙が給送される。
【0053】
記録用紙は、湾曲部32に案内されて直線部33へ進入する。直線部33において搬送ローラ41及びピンチローラ42に挟持された記録用紙は、プラテン47上へ搬送される。プラテン47上に記録用紙が搬送されると、搬送ローラ41が間欠して回転される。搬送ローラ41が停止されている間に、キャリッジ46が幅方向101へ往復移動され、その往復移動の間に記録ヘッド48からプラテン47上の記録用紙へインク滴が選択的に吐出される。このような搬送ローラ41の間欠した回転とキャリッジ46の往復移動が繰り返されることによって、記録用紙の所望の位置に所望の画像が記録される。
【0054】
画像記録が行われた記録用紙は、排紙ローラ43及び拍車44に挟持されて、搬送路23から排紙トレイ22上へ排出される。前述されたように、各トレイガイド50は、内壁16,17に対して没入されているので、排紙トレイ22へ排出される記録用紙が、トレイガイド50と接触することがない。
【0055】
[トレイ110に載置されたCD111の画像記録]
図1に示されるように、CD111は、予めトレイ110に載置される。トレイ110は、CD111より大きな平板であり、その上面にトレイ110が嵌め込まれる凹嵌が形成されている。この凹嵌にCD111が嵌め込まれることによって、トレイ110にCD111が固定される。この固定状態において、CD111の印刷領域が上面側に露出されている。
【0056】
CD111に画像記録が行われるときには、図5に示されるように、蓋19が開かれる。蓋19が開かれると、蓋19に固定されたガイド部材28も同様に開かれる。これにより、搬送路23の湾曲部32において、内側のガイド部材29から外側のガイド部材28が離間されて、湾曲部32が開放される。
【0057】
また、図5に示されるように、CD111に画像記録をおこなうときには、胴内空間15から給紙カセット20が引き抜かれる。給紙カセット20が引き抜かれると、連係部26,27がトレイガイド50から離れるので、4個のトレイガイド50は、ネジリコイルバネ59に付勢されて、内壁16,17から胴内空間15側へ突出するように回動されて、第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変化する。
【0058】
ユーザは、CD111が載置されたトレイ110を、搬送路23の直線部33の高さ位置に概ね合わせながら、開口13から胴内空間15へ挿入する。胴内空間15へ挿入されたトレイ110の幅方向101の両端部分は、トレイガイド50のガイド板56,57の間に進入する。4個のトレイガイド50は、幅方向101に対をなして奥行き方向103へ離間されて配置されているので、この4個のトレイガイド50に支持されたトレイ110は、上面及び底面がほぼ水平となって、搬送路23の直線部33に合致する高さ位置に支持される。トレイ110の先端(図5における左端)が搬送路23の直線部33に挿入された状態で、操作パネル14に対して、又は複合機10に接続されているコンピュータなどのプリンタドライバに対して、CD111への印刷開始の指令が行われる。
【0059】
印刷開始の指令を受けて、搬送ローラ41及び排紙ローラ43が所定のタイミングで回転される。トレイ110は、装置の正面側の開口13から搬送路23の直線部33へ挿入されるているので、搬送ローラ41及び排紙ローラ43が回転される向きは、記録用紙が搬送される向きと逆向きである。搬送路23の直線部33に挿入されたトレイ110は、排紙ローラ43及び拍車44に挟持されて、プラテン47上へ搬送され、続いて搬送ローラ41及びピンチローラ42に挟持されて装置正面側から背面側(図5における左側)へ搬送される。
【0060】
前述されたように、蓋19が開かれることによって、湾曲部32が開放されているので、直線部33から湾曲部32へ到達したトレイ110の先端(図5における左端)は、ガイド部材28に当接することなく、装置筐体40の背面から外側へ飛び出される。トレイ110は、CD111の印刷領域が、記録ヘッド48の直下を通過するまで背面側へ搬送される。そして、CD111の印刷領域が、記録ヘッド48の直下を通過すると、搬送ローラ41及び排紙ローラ43が停止され、その後に回転方向が逆転される。これにより、トレイ110は、先端と後端とが逆転して、装置背面側から装置正面側(図5における右側)へ搬送される。
【0061】
トレイ110に載置されたCD111の印刷領域が記録ヘッド48の直下へ搬送されると、搬送ローラ41が間欠して回転される。搬送ローラ41が停止されている間に、キャリッジ46が幅方向101へ往復移動され、その往復移動の間に記録ヘッド48からトレイ110上のCD111の印刷領域へインク滴が選択的に吐出される。このような搬送ローラ41の間欠した回転とキャリッジ46の往復移動が繰り返されることによって、CD111の印刷領域に所望の画像が記録される。画像記録が行われたCD111は、トレイ110に載置された状態で、装置正面側へ排出されて、再びトレイガイド50に支持される。
【0062】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態に係るプリンタ部11によれば、胴内空間15から搬送路23へ挿入されるトレイ110が、胴内空間15内に配置されたトレイガイド50によって支持されながら搬送路23へ安定して案内される。トレイガイド50が不要であるときは、胴内空間15の内壁16,17へトレイガイド50が没入される。これにより、従来のように、複合機10の正面側において高さ方向103へ回動されるトレイガイドを設ける必要がないので、複合機10の薄型化が実現される。
【0063】
また、胴内空間15に給紙カセット20が挿入されると、給紙カセット20の連係部26,27がトレイガイド50を第2姿勢に姿勢変化させるので、画像記録が行われて搬送路23から排出された記録用紙がトレイガイド50と接触することがない。一方、胴内空間15から給紙カセット20が引き抜かれると、トレイガイド50が第1姿勢となる。これにより、胴内空間15から搬送路23へ挿入されるトレイ110がトレイガイド50によって支持される。また、胴内空間15に給紙カセット20がないので、仮に誤操作などによって給紙ローラ30が回転されて記録用紙が給送されようとしても、実際に給紙カセット20から記録用紙が給送されることがない。
【0064】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態が説明される。第2実施形態では、第1実施形態のように給紙カセット20に連係部26,27が設けられず、胴内空間15に操作レバー61、62が設けられている点において、第1実施形態と異なる。この操作レバー61,62が、本発明における操作機構に相当する。以下には、第1実施形態と異なる操作レバー61,62の構成が主として説明され、第1実施形態と同様の構成については詳細な説明が省略される。なお、以下において、第1実施形態と同じ参照符号で説明される部材は、第1実施形態と同じ部材である。また、図6においては、プリンタ部11の主要な部分が省略されている。
【0065】
[操作レバー61,62]
図6に示されるように、操作レバー61,62は、胴内空間15の内壁16,17に沿って、奥行き方向103に延出された細長な平板形状である。各操作レバー61,62は、奥行き方向103にスライドされることによって、トレイガイド50を姿勢変化させるものである。各操作レバー61,62は、内壁16,17において対称な形状であるので、以下、操作レバー62を例に詳細な構成が説明される。
【0066】
操作レバー62は、奥行き方向103を長手方向として帯状に延びる平板である。操作レバー62は、内壁17に設けられた2個のトレイガイド50を覆うことができる位置に配置されている。内壁17には、操作レバー62を奥行き方向103へスライド可能に支持する爪63,64が設けられており、この爪63,64に操作レバー62の下端側が支持されている。なお、図6には現れていないが、内壁17には爪63,64の上側に同様の爪が対向して設けられており、操作レバー62の上端側が当該爪によって掛止されている。これら爪63,64に支持或いは掛止された操作レバー62は、内壁17と若干の隙間を介して対向されている。
【0067】
操作レバー62の装置正面側の端部65は、開口13から外側へ突出されている。この突出した端部65は、操作レバー62をスライドさせる際にユーザに把持される。この端部65が、本発明における操作レバーの操作部に相当する。
【0068】
操作レバー62には、幅方向101(操作レバー62の厚み方向)へ貫通する孔66,67が形成されている。孔66,67は、奥行き方向103に離間されている。孔66,67の離間距離は、内壁17に設けられた2個のトレイガイド50の離間距離と同じである。また、各孔66,67は、トレイガイド50が挿通可能な形状及び大きさである。
【0069】
図6及び図7に示されるように、操作レバー62が装置正面側へスライドされると、孔66,67が内壁17の各孔51に対向する位置となって、各トレイガイド50が孔66,67から胴内空間15側へ突出する。つまり、各トレイガイド50が第1姿勢となる。このような操作レバー62のスライド位置が本明細書において第1位置と称される。
【0070】
図8に示されるように、操作レバー62が装置背面側へスライドされると、孔66,67が内壁17の各孔51より装置背面側へ位置されて、孔66,67が各孔51と対向しなくなる。操作レバー62がスライドされる過程において、孔66,67の周縁が各トレイガイド50に装置正面側から当接する。これにより、各トレイガイド50が操作レバー62に押圧されて、コイルバネ59の付勢力に抗して内壁17側へ没入される。つまり、各トレイガイド50が第2姿勢となる。このような操作レバー62のスライド位置が本明細書において第2位置と称される。
【0071】
記録用紙へ画像記録を行うときには、操作レバー61,62が第2位置へスライドされる。これにより、トレイガイド50が第2姿勢に姿勢変化されるので、画像記録が行われて搬送路23から排出された記録用紙がトレイガイド50と接触することがない。一方、CD111に画像記録を行うときには、操作レバー61,62が第1位置へスライドされる。これにより、トレイガイド50が第1姿勢となり、胴内空間15から搬送路23へ挿入されるトレイ110がトレイガイド50によって支持される。
【0072】
[第2実施形態の作用効果]
第2実施形態によれば、開口13付近に端部65が配置されているので、ユーザが胴内空間15の奥まで手を挿入することなく、胴内空間15の外側において端部65が把持されて操作されることによって、胴内空間15内のトレイガイド50が容易に姿勢変化される。
【0073】
なお、本実施形態では、操作レバー61,62は、幅方向101に離間して配置された各々が独立して操作されるものであるが、2つの操作レバー61,62が連結されて、一体としてスライドされるように構成されてもよい。
【0074】
また、操作レバー61,62をユーザが把持する操作部の位置やその操作方向は適宜変更されてよい。例えば、幅方向101の中央に操作部が設けられて幅方向101に沿って操作部がスライドされることによって、操作レバー61,62が一体としてスライドされるように構成されてもよい。また、開口13のうちトレイ110が挿入される部分を開閉する蓋が、操作レバー61,62の操作部として連動するように構成され、蓋の開閉によって操作レバー61,62がスライドされてもよい。
【0075】
また、本発明に係る操作機構は、本実施形態の操作レバー61,62のようにスライドされるものに限定されず、例えば回転されることによって、トレイガイド50を姿勢変化させるものも含まれる。
【0076】
[第1実施形態及び第2実施形態の第1変形例]
前述された各実施形態では、トレイガイド50は、軸54周りに回動するものであるが、以下に示されるトレイガイド70のように、内壁17に対して出没するようにスライドするように構成されてもよい。
【0077】
[トレイガイド70]
図には示されていないが、トレイガイド70も、トレイガイド50の配置と同様に、胴内空間15の各内壁16,17それぞれに奥行き方向103に離間されて2個が設けられて、胴内空間15全体で4個のトレイガイド50が配置されている。各トレイガイド70の高さ位置は、高さ方向102に対してほぼ同じであり、搬送路23の直線部33とほぼ同等の高さ位置に配置されている。
【0078】
図9に示されるように、トレイガイド70は、内壁17に設けられた孔51を通じて胴内空間15に対して出没可能である。なお、図9(A)には、胴内空間15側へ突出する第1姿勢のトレイガイド70が示されており、図9(B)においては、内壁17に対して没入された第2姿勢のトレイガイド70が示されている。また、図9においては、内壁17は一部のみが切り取られた状態が示されている。
【0079】
図9に示されるように、内壁17の裏面側には、U字形状の裏板71が孔51を覆うように設けられている。裏板71は、内壁17との間にトレイガイド70が没入するための空間72を形成している。
【0080】
トレイガイド70は、基板73と、基板73に設けられた一対のガイド板74,75とを有する。基板73は、内壁17に沿って延びる平板形状である。基板73は、孔51を通過できない形状及び大きさであり、空間72において、内壁17に接離する方向へ移動可能である。この基板73の移動方向は、幅方向101に沿っており、換言すると、トレイ110が搬送路23へ挿入される向き(奥行き方向103の背面向き)と直交し、かつトレイ110の底面に沿った方向である。
【0081】
基板73に、基板73が移動される方向へ延びる一対のガイド板74,75が設けられている。ガイド板74,75の配置などは、前述されたガイド板56,57と同様なので、ここでは詳細な説明が省略される。なお、ガイド板75には、給紙カセット20の連係部27又は操作レバー62が当接する位置に、基板73が移動される方向に対して傾斜したガイド面77が形成されている。
【0082】
裏板71と基板73との間にはコイルバネ76が介設されている。このコイルバネ76は、圧縮されており、基板73を内壁17に近づく向きへ付勢している。トレイガイド70に外力が付与されないと、トレイガイド70は、コイルバネ76に付勢されて、ガイド板74,75を孔51から胴内空間15側へ突出した姿勢、つまり第1姿勢に維持される。また、前述されたように、給紙カセット20の連係部27又は操作レバー62が、ガイド板75のガイド面77に当接されることによって、ガイド板73,74が孔51へ没入される側へ押圧される。これにより、トレイガイド70は、コイルバネ76の付勢力に抗して第2姿勢に姿勢変化される。
【0083】
前述されたように構成されたトレイガイド70が用いられた実施態様においても、第1実施形態及び第2実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0084】
[第1実施形態及び第2実施形態の第2変形例]
図10に示されるように、前述された各実施形態におけるトレイガイド50のガイド板57に、ローラ60が設けられてもよい。
【0085】
ローラ60は、一対のガイド板56,57のうち、下側に配置されたガイド板57に設けられている。ローラ60は、幅方向101に沿った方向を軸方向として回転可能である。つまり、ローラ60は、トレイ110が搬送路23へ挿入される向き(奥行き方向103の背面向き)と直交し、かつトレイ110の底面に沿った方向を軸方向として回転可能である。ローラ60は、そのローラ面の一部がガイド板57の上面から膨出するように露出されている。したがって、ガイド板57によって支持されるトレイ110が奥行き方向103へ移動されるに伴って、ローラ60が回転される。このローラ60により、トレイガイド50に支持されたトレイ110が円滑に移動される。
【符号の説明】
【0086】
11・・・プリンタ部(画像記録装置、搬送装置)
13・・・開口
15・・・胴内空間
16,17・・・内壁
18・・・側壁
20・・・給紙カセット(第2シート支持部材)
22・・・排紙トレイ(第1シート支持部材)
23・・・搬送路(搬送経路)
25・・・記録部
40・・・装置筐体
50,70・・・トレイガイド(ガイド部材)
60・・・ローラ
61,62・・・操作レバー(操作機構)
65・・・端部(操作部)
110・・・トレイ
111・・・CD(被記録部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁において開口された胴内空間を有する装置筐体と、
上記装置筐体内に設けられており、シートを案内して上記胴内空間へ当該シートを排出するための搬送経路と、
上記胴内空間に配置されて、上記搬送経路から排出されたシートを積層状態に支持する第1シート支持部材と、
薄板形状の被記録部材を支持するトレイと、
上記胴内空間の内壁から突出する第1姿勢と当該内壁へ没入する第2姿勢とに姿勢変化可能であり、当該第1姿勢において、当該胴内空間から上記搬送経路へ挿入される上記トレイを支持するガイド部材と、を具備する搬送装置。
【請求項2】
上記胴内空間の開口付近に操作部が配置されており、当該操作部に連動して、上記ガイド部材を第1姿勢又は第2姿勢とする操作機構をさらに有する請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
上記操作機構は、上記操作部に連動して、上記ガイド部材を第1姿勢とする第1位置と、上記ガイド部材を第2姿勢とする第2位置とにスライド可能な操作レバーを有するものである請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
シートを積層状態で支持し、上記胴内空間に配置されて上記搬送経路へシートを給送可能な第2シート支持部材をさらに有し、
上記第2シート支持部材は、上記胴内空間に挿抜可能であり、当該胴内空間へ挿入された状態において上記ガイド部材を第2姿勢とし、当該胴内空間から脱抜された状態において上記ガイド部材を第1姿勢とする連係部を有するものである請求項1に記載の搬送装置。
【請求項5】
上記ガイド部材における上記トレイの支持面に、当該トレイが上記搬送経路へ挿入される向きと直交し、かつ当該トレイの底面に沿った方向を軸とするローラが設けられた請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
上記ガイド部材は、上記トレイが上記搬送経路へ挿入される向きと直交し、かつ当該トレイの底面に沿った方向にスライドされることによって姿勢変化するものである請求項1から5のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項7】
上記ガイド部材は、上記トレイが上記搬送経路へ挿入される向きと直交し、かつ当該トレイの底面と直交する方向を軸として回動されることによって姿勢変化するものである請求項1から5のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の搬送装置と、
上記搬送経路に設けられて、シート、又はトレイに支持された被記録部材に画像記録を行う記録部と、を具備する画像記録装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−11372(P2011−11372A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155327(P2009−155327)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】