説明

搬送装置用プレート、搬送装置用プレートの製造方法及び搬送装置

【課題】エアによって缶底部が浮き上がって缶体が傾くことを抑制し、缶体を安定して搬送することができる搬送装置用プレートを提供する。
【解決手段】缶体がその缶底部を接地させた状態で載置される載置面21を有し、この載置面21に形成された複数の孔22にエアを供給することにより、前記缶体をその缶底部が載置面21に沿うように搬送する構成とされた搬送装置用プレート20であって、複数の孔22は、前記缶体の缶底部に該缶体の搬送方向Fに向けてエアを噴射する第1の孔22aと、前記缶体の缶底部に搬送方向Fと反対方向に向けてエアを噴射する第2の孔22bとを備えており、載置面21には、前記缶体の搬送方向Fに延在する溝部23が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有底筒状をなす缶体を搬送する搬送装置に用いられる搬送装置用プレート、この搬送装置用プレートの製造方法及び搬送装置用プレートを備えた搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述の缶体は、筒状をなる缶胴部とこの缶胴部の下端に一体に形成された缶底部とを備えており、この缶底部には、缶軸方向内方に凹んだ凹部と、この凹部の外周縁部に連接されて缶軸方向外方に突出した環状凸部と、が形成されている。このような缶体を搬送する搬送装置として、例えば、特許文献1,2に示すように、エアを缶体の缶底部に向けて噴射して搬送するエアフローコンベアが提案されている。
【0003】
この種のエアフローコンベアは、一般に、複数の孔が形成されるとともに、缶体がその缶底部(環状凸部)を接地させた状態で載置される載置面を有するプレート部と、前記複数の孔に連通されて該孔にエアを供給する構成とされたエア供給手段と、を備えている。そして、プレート部の載置面に形成された前記複数の孔は、前記缶体の缶底部に該缶体が搬送される方向に向けてエアを噴射する第1の孔を備えており、該第1の孔に前記エア供給手段からエアを供給してこのエアを前記缶底部に衝突させることにより、前記缶体をその缶底部が前記プレート部の表面に沿うように搬送する構成とされている。
【0004】
ここで、プレート部の載置面に多くの缶体が充填されている場合には、缶体が第1の孔からのエアによって比較的安定して搬送されることになる。しかしながら、載置面上の缶体の個数が少ない場合には、第1の孔からのエアによって缶体が必要以上の速度で搬送され、他の缶体等に衝突して変形してしまうおそれがあった。
そこで、特許文献1,2に記載された搬送装置においては、前記載置面に、前記缶体の搬送方向と反対方向に向けてエアを噴射する第2の孔を備えている。これにより、缶体が必要以上の速度で搬送されることを防止している。
また、特許文献2に記載された搬送装置においては、缶体の転倒を防止するために、
缶体の上方にトップカバーが配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表平09−501900号公報
【特許文献2】特開2005−298101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のように、搬送方向に向けてエアを噴射する第1の孔と、搬送方向と反対方向に向けてエアを噴射する第2の孔と、を備えた搬送装置においては、第2の孔から噴出されたエアが缶底部に衝突した際に、缶底部の一部が浮き上がって缶体が傾くことがあり、缶体を安定して搬送することができないといった問題があった。特許文献2に記載されたように、缶体の上方にトップカバーが配設されている場合には、傾いた缶体の上端がトップカバーに衝突してしまうおそれがあった。特に、ボトル缶の場合には、缶体の上部が比較的小径とされていることから、トップカバーに引っ掛かって搬送できなくなるおそれがあった。
【0007】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであって、エアによって缶底部が浮き上がって缶体が傾くことを抑制し、缶体を安定して搬送することができる搬送装置用プレート、この搬送装置用プレートの製造方法、及び、この搬送用プレートを備えた搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る搬送装置用プレートは、缶体がその缶底部を接地させた状態で載置される載置面を有し、この載置面に形成された複数の孔にエアを供給することにより、前記缶体をその缶底部が前記載置面に沿うように搬送する構成とされた搬送装置用プレートであって、前記複数の孔は、前記缶体の缶底部に該缶体の搬送方向に向けてエアを噴射する第1の孔と、前記缶体の缶底部に前記搬送方向と反対方向に向けてエアを噴射する第2の孔とを備えており、前記載置面には、前記缶体の搬送方向に延在する溝部が形成されていることを特徴としている。
【0009】
この構成の搬送装置用プレートにおいては、缶体が載置される載置面に、搬送方向に延在する溝部が形成されているので、第1の孔及び第2の孔から缶底部に向けて噴射されたエアの一部を溝部へと逃がすことができ、缶体に必要以上の力が作用することを防止でき、エアによって缶底部が浮き上がって缶体が傾くことを抑制できる。よって、トップカバーを設けなくても缶体の転倒を防止することができる。
また、溝部が搬送方向に延在しているので、第1の孔及び第2の孔から噴出されたエアが溝部の側面等に衝突して、不規則な方向に向かうことを防止でき、缶体を搬送方向に確実に搬送することができる。さらに、溝部によって缶体と載置面との接触面積が小さくなることから、第1の孔からのエアの噴出量を少なくしても、缶体を確実に搬送することが可能となる。
【0010】
ここで、前記載置面には、前記溝部が複数形成されており、隣接する前記溝部同士の間隔が前記缶底部の接地部分の外形寸法よりも狭く設定されていることが好ましい。
この場合、載置面上に載置された缶体の下方に確実に溝部を配設することができ、缶体を安定して搬送することが可能となる。
【0011】
また、前記溝部内に前記第2の孔が配設されていることが好ましい。
この場合、第2の孔から噴射されたエアの一部を溝部へと確実に逃がすことができ、第2の孔から噴射されたエアによって缶底部が浮き上がって缶体が傾くことを確実に抑制できる。
【0012】
本発明に係る搬送装置用プレートの製造方法は、前述の搬送装置用プレートを製造する搬送装置用プレートの製造方法であって、プレート素材の表面に前記溝部を形成する溝部形成工程と、溝部を形成したプレート素材に、前記第1の孔及び前記第2の孔を穿設する孔形成工程と、を備えていることを特徴としている。
この構成の搬送装置用プレートの製造方法によれば、溝部を形成した後に、第1の孔及び第2の孔を形成するので、第1の孔及び第2の孔の周囲にバリ等が発生することを抑制でき、第1の孔及び第2の孔を精度良く形成することができる。
【0013】
本発明に係る搬送装置は、前述の搬送装置用プレートと、前記搬送装置用プレートに形成された前記複数の孔にエアを供給するエア供給手段と、を備えたことを特徴としている。
この場合、第1の孔及び第2の孔から噴射されたエアの一部が溝部へと逃げるため、缶体に必要以上の力が作用せず、エアによって缶底部が浮き上がって缶体が傾くことを抑制でき、缶体を安定して搬送することができる。
【0014】
ここで、前記エア供給手段は、前記搬送装置用プレートの載置面とは反対側の面に配設された加圧エア槽を備え、前記複数の孔は前記加圧エア槽と連通されていることが好ましい。
この場合、前記複数の孔は前記加圧エア槽と連通されているので、これらの孔へ高効率にエアを供給することが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
この発明に係る搬送装置用プレート、搬送装置用プレートの製造方法及び搬送装置によれば、エアによって缶底部が浮き上がって缶体が傾くことを抑制でき、缶体を安定して搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態である搬送装置用プレートを備えた搬送装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態である搬送装置用プレートの斜視図である。
【図3】図2におけるX−X断面矢視図である。
【図4】本発明の実施形態である搬送装置用プレートに形成された第1の孔と缶体の拡大説明図である。
【図5】本発明の実施形態である搬送装置用プレートに形成された第2の孔と缶体の拡大説明図である。
【図6】本発明の実施形態である搬送装置用プレートと缶体との位置関係を示す拡大説明図である。
【図7】本発明の他の実施形態である搬送装置用プレートと缶体との位置関係を示す拡大説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。
本実施形態である搬送装置は、図1に示すように、飲料水等が充填される缶体を縦置きにした状態で搬送するものである。
【0018】
まず、搬送される缶体30について、図4及び図5を用いて説明する。
缶体30は、筒状をなす缶胴部31と、この缶胴部31の下端に形成された缶底部32と、を備えている。缶底部32には、缶軸方向内方側へ凹むドーム部33と、このドーム部33の外周縁部に連接されるとともに、缶軸方向外方に向けて突出する環状凸部34と、が設けられている。環状凸部34は、先端のノーズ部34aと、ノーズ部34aより半径方向内側の内周壁34bと、ノーズ部34aより半径方向外方の外周壁34cとを備えている。そして、内周壁34bは環状の凹曲面部35を介してドーム部33に連なり、ノーズ部34aは外周壁34cを介して缶胴部31に連なっている。
【0019】
次に、搬送装置10について説明する。図1に示す搬送装置10は、缶体30が載置される載置面21を有する搬送装置用プレート20と、この搬送装置用プレート20の下部に設置されたエア供給手段11と、載置面21に載置された缶体30を案内するサイドガイド18と、を備えている。
【0020】
エア供給手段11は、搬送装置用プレート20の下面に配設される第1加圧エア槽12と、この第1加圧エア槽12の下面に配設された第2加圧エア槽13と、この第2加圧エア槽13の下面に配設されるとともに、図示しないエアポンプと連通されたエア供給管14とを備えている。本実施形態では、図1に示すように、第1加圧エア槽12が複数に分割されている。
第1加圧エア槽12と第2加圧エア槽13との連通部には、ダンパ15が配設されており、第2加圧エア槽13から第1加圧エア槽12に供給されるエアEの量を調整できるようになっている。本実施形態では、分割された第1加圧エア槽12にダンパ15がそれぞれ配設されており、分割された第1加圧エア槽12毎に、エアの圧力を調整することが可能な構成とされている。
【0021】
搬送装置用プレート20は、図2に示すように、缶体30が載置される載置面21を有し、この載置面21には複数の孔22が形成されている。この複数の孔22は、缶体30の搬送方向Fに向けてエアを噴射する第1の孔22aと、搬送方向Fと反対側に向けてエアを噴射する第2の孔22bと、を備えている。
【0022】
そして、搬送装置用プレート20の載置面21には、図2に示すように、搬送方向Fに延在する複数の溝部23が形成されている。
図3及び図6に示すように、溝部23の溝幅Wは、缶体30の環状凸部34の半径D/2よりも小さくされており、3mm≦W≦7mmの範囲内とされている。本実施形態では、W=5mmとされている。また、溝部23の溝深さHは、0.5mm≦H≦1.5mmの範囲内とされている。
さらに、隣接する溝部23同士の間隔Pは、缶底部32の外形寸法、すなわち、環状凸部34の直径Dよりも狭く設定されており、8mm≦P≦25mmの範囲内とされている。本実施形態では、P=10mmとされている。
【0023】
ここで、本実施形態においては、図2及び図6に示すように、溝部23以外の部分に第1の孔22aが穿設され、溝部23の溝底に第2の孔22bが穿設されている。
第1の孔22aの搬送方向Fのピッチと、第2の孔22bの搬送方向Fのピッチは同一とされている。ただし、図6に示すように、搬送方向Fにおいて、第1の孔22aと第2の孔22bとが互いに異なった位置となるように配列されている。
【0024】
第1の孔22aは、図4に示すように、搬送装置用プレート20の載置面21に、搬送方向Fに対して上流から下流に向けて傾斜した方向に穿設されたノズル孔とされている。この第1の孔22aは、前述の第1加圧エア槽12に連通されている。
ここで、第1の孔22aの搬送装置用プレート20の載置面21に直交する鉛直軸に対する傾斜角度θ1は、30°≦θ1≦60°の範囲内とされ、本実施形態ではθ1=45°とされている。また、第1の孔22aの孔径d1は、2.0mm≦d1≦4.0mmの範囲内とされ、本実施形態ではd1=3.2mmとされている。
【0025】
第2の孔22bは、図5に示すように、搬送装置用プレート20の載置面21に、搬送方向Fに対して下流から上流に向けて傾斜した方向に穿設されたノズル孔とされている。この第2の孔22bは、前述の第1加圧エア槽12に連通されている。
ここで、第2の孔22bの搬送装置用プレート20の載置面21に直交する鉛直軸に対する傾斜角度θ2は、30°≦θ2≦60°の範囲とされ、本実施形態ではθ2=45°とされている。また、第2の孔22bの孔径d2は、1.0mm≦d2≦3.0mmの範囲内とされ、かつ、第1の孔22aの孔径d1に対してd2≦d1とされている。本実施形態ではd2=2.4mmとされている。
【0026】
次に、上述の搬送装置用プレート20の製造方法について説明する。
まず、板状のプレート素材を準備し、このプレート素材の一方の表面にエンドミル等によって溝部23を形成する(溝部形成工程)。そして、ドリル等によって、溝部23以外の部分に第1の孔22aを穿設し、溝部23の溝底に第2の孔22bを穿設する(孔形成工程)。
このようにして、溝部23、複数の孔22(第1の孔22a、第2の孔22b)が形成された搬送装置用プレート20が製造されることになる。
【0027】
次に、上述の構成とされた搬送装置10によって缶体30を搬送する方法について説明する。
まず、搬送装置用プレート20の載置面21に、缶体30を載置する。このとき、缶体30の環状凸部34(ノーズ部34a)が載置面21に接地されることになる。
ここで、図6に示すように、載置面21に複数の溝部23が形成されていることから、環状凸部34の一部のみが載置面21に接触することになる。図6に示す例では、例えば環状凸部34の直径Dが55mmとされ、溝幅Wが5mmで溝部23同士の間隔Pが10mmとされており、環状凸部34の接地長さが環状凸部34全体の35.3%程度とされている。
【0028】
次に、前記エアポンプ(図示なし)からエア供給管14を介して第2加圧エア槽13にエアEが供給される。この第2加圧エア槽13からダンパ15を介して第1加圧エア槽12へとエアEが供給される。このとき、ダンパ15の開度によって第1加圧エア槽12の内部圧力が調整されることになる。
【0029】
第1加圧エア槽12に供給されたエアEは、複数の孔22(第1の孔22a及び第2の孔22b)を介して、搬送装置用プレート20の載置面21から噴出されることになる。
この際、図4に示すように、第1の孔22aからのエアEは、環状凸部34の内周壁34bのうち搬送方向F下流側に位置する部分およびドーム部33に対して搬送方向Fに向けて衝突する。また、図5に示すように、第2の孔22bからのエアEは、環状凸部34の内周壁34bのうち搬送方向F上流側に位置する部分およびドーム部33に対して搬送方向Fとは反対方向に向けて衝突する。
【0030】
ここで、第1の孔22aの孔径d1が第2の孔22bの孔径d2よりも大きく設定されており、これら第1の孔22a及び第2の孔22bが同一の第1加圧エア槽12に連通されていることから、缶体30に対して、第1の孔22aにより搬送方向Fに作用する推力が、第2の孔22bにより搬送方向Fと反対の方向に作用する推力より大きくなる。これにより、缶体30が搬送方向Fに向けて搬送されることになる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態である搬送装置用プレート20及び搬送装置10によれば、缶体30が載置される載置面21に搬送方向Fに延在する溝部23が形成されているので、第1の孔22a及び第2の孔22bから噴射されたエアEの一部が溝部23へと逃げるため、缶体30に必要以上の力が作用せず、エアEによって缶底部32が浮き上がって缶体30が傾くことを抑制できる。
特に、本実施形態では、搬送方向Fと反対側に向けてエアEを噴出する第2の孔22bが、溝部23の溝底に穿設されているので、この第2の孔22bからのエアEが溝部23へと逃げ易くなり、第2の孔22bから噴射されたエアによって缶底部32が浮き上がって缶体30が傾くことを確実に抑制できる。
よって、トップカバーを設けなくても、缶体30の転倒を防止することができる。
【0032】
また、溝部23が搬送方向Fに延在しているので、第1の孔22a及び第2の孔22bから噴出されたエアが溝部23の側面に衝突して、不規則な方向に向かうことを防止でき、缶体30を搬送方向Fに確実に搬送することができる。
さらに、載置面21に溝部23が形成されていることから、缶体30と載置面21との接触面積が小さくなっており、本実施形態においては、図6に示すように、環状凸部34の接地長さが環状凸部34全体の35.3%程度とされているので、エアEの噴出量を少なくしても缶体30を搬送することができる。
【0033】
また、隣接する溝部23同士の間隔Pが、缶底部32の接地部分の外形寸法、すなわち、環状凸部34の直径Dよりも狭く設定されており、8mm≦P≦25mmの範囲内とされているので、載置面21上に配設された缶体30の下方に確実に溝部23を配設することができ、缶体30を安定して搬送することができる。
さらに、本実施形態では、溝部23の溝幅Wは、缶体30の環状凸部34の半径D/2よりも小さくされているので、缶体30を安定して搬送することができる。
【0034】
また、本実施形態である搬送装置10においては、エア供給手段11が、第1加圧エア槽12を備えており、この第1加圧エア槽12に第1の孔22a及び第2の孔22bが連通されているので、第1の孔22a及び第2の孔22bに対してエアを効率良く供給することができる。
さらに、本実施形態では、第1加圧エア槽12が分割されており、分割された第1加圧エア槽12毎にダンパ15が配設されているので、第1加圧エア槽12の内部圧力を精度良く調整することが可能となる。
【0035】
また、本実施形態である搬送装置用プレート20の製造方法においては、プレート素材に対して溝部23を形成した後に、第1の孔22a及び第2の孔22bを形成するので、第1の孔22a及び第2の孔22bの周囲にバリ等が発生することを抑制でき、第1の孔22a及び第2の孔22bを精度良く形成することができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、溝部の溝底に第2の孔を穿設したもので説明したが、これに限定されることはなく、図7に示すように、溝部123以外の箇所に複数の孔122(第1の孔122a及び第2の孔122b)を配設してもよい。
【0037】
また、溝部の溝幅W、隣接する溝部同士の間隔Pは本実施形態に限定されることはなく、適宜変更してもよい。例えば、図7に示すように、溝部123の溝幅WをW=5mm、隣接する溝部123同士の間隔PをP=12.5mmとし、環状凸部34の直径DをD=55mmとした場合には、環状凸部34の接地長さが、環状凸部34全体の72.1%となる。この場合でも、缶体30を安定して搬送することが可能となる。
【符号の説明】
【0038】
10 搬送装置
11 エア供給手段
12 第1加圧エア槽(加圧エア槽)
20 搬送装置用プレート
21 載置面
22、122 複数の孔
22a、122a 第1の孔
22b、122b 第2の孔
23、123 溝部
30 缶体
32 缶底部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶体がその缶底部を接地させた状態で載置される載置面を有し、この載置面に形成された複数の孔にエアを供給することにより、前記缶体をその缶底部が前記載置面に沿うように搬送する構成とされた搬送装置用プレートであって、
前記複数の孔は、前記缶体の缶底部に該缶体の搬送方向に向けてエアを噴射する第1の孔と、前記缶体の缶底部に前記搬送方向と反対方向に向けてエアを噴射する第2の孔とを備えており、
前記載置面には、前記缶体の搬送方向に延在する溝部が形成されていることを特徴とする搬送装置用プレート。
【請求項2】
前記載置面には、前記溝部が複数形成されており、隣接する前記溝部同士の間隔が前記缶底部の接地部分の外形寸法よりも狭く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置用プレート。
【請求項3】
前記溝部内に、前記第2の孔が配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の搬送装置用プレート。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の搬送装置用プレートを製造する搬送装置用プレートの製造方法であって、
プレート素材の表面に前記溝部を形成する溝部形成工程と、溝部を形成したプレート素材に、前記第1の孔及び前記第2の孔を穿設する孔形成工程と、を備えていることを特徴とする搬送装置用プレートの製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の搬送装置用プレートと、前記搬送装置用プレートに形成された前記複数の孔にエアを供給するエア供給手段と、を備えたことを特徴とする搬送装置。
【請求項6】
前記エア供給手段は、前記搬送装置用プレートの載置面とは反対側の面に配設された加圧エア槽を備え、前記複数の孔は前記加圧エア槽と連通されていることを特徴とする請求項5記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−6657(P2013−6657A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140343(P2011−140343)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(305060154)ユニバーサル製缶株式会社 (219)