説明

搬送装置

【課題】往復振動によるワークの搬送を良好に行わせることができるとともに、被搬送手段側にワークを受け渡す際、当該被搬送手段の受け部に対するワークの供給を良好且つ正確に行わせることができる搬送装置を提供する。
【解決手段】駆動源にて往復振動される板バネ、及び略直線状の搬送路を有して往復振動によってワークを順次搬送可能な第1搬送手段Aと、第1搬送手段Aの先端と組付手段3との間に介装され、第1搬送手段Aから搬送されるワークを順次受け部Pに搬送可能とされた第2搬送手段Bと、第1搬送手段Aの往復振動を第2搬送手段B側に伝達可能な第1支持手段(棒状部材18及び板状部材19)と、組付手段3に対する相対的な位置ずれを抑制し得る第2支持手段(板状部材20)とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、往復振動によってワークを順次搬送可能な搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ばらの状態で貯蔵されたワーク(部品)を所望の加工装置や組付装置等の被搬送手段に供給するために振動式フィーダが多く用いられており、例えば貯蔵されたワークを振動型の直進フィーダ(振動型搬送装置)にて直線状に搬送するようになっていた。例えば、従来の振動型の直進フィーダとして、特許文献1にて開示されているように、駆動源、該駆動源にて往復振動される板バネ、及び略直線状の搬送路を有するとともに、当該往復振動によってワークを順次搬送可能な搬送手段を具備し、ベース上に固定された被搬送手段の受け部に当該搬送手段で搬送されたワークを順次受け渡し得るよう構成されたものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59−97912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の搬送装置においては、搬送手段に対して付与された往復動振動によって被搬送手段の受け部に対するワークの受け渡しを良好に行えないという問題があった。即ち、振動型の直進フィーダとしての搬送手段は、駆動源から付与される往復振動によってワークを順次搬送し得るものであるため、固定された被搬送手段側にワークを受け渡す際、当該往復振動が大きいと受け部に対するワークの供給を正確に行わせることが困難になってしまうのである。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、往復振動によるワークの搬送を良好に行わせることができるとともに、被搬送手段側にワークを受け渡す際、当該被搬送手段の受け部に対するワークの供給を良好且つ正確に行わせることができる搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、駆動源、該駆動源にて往復振動される板バネ、及び略直線状の搬送路を有するとともに、当該往復振動によってワークを順次搬送可能な第1搬送手段を具備し、ベース上に固定された被搬送手段の受け部に当該第1搬送手段で搬送されたワークを順次受け渡し得るよう構成された搬送装置において、前記第1搬送手段の先端と被搬送手段との間に介装され、当該第1搬送手段の先端部と連結されて当該第1搬送手段の搬送路に沿って搬送されるワークを順次前記被搬送手段の受け部に搬送可能とされた第2搬送手段と、該第2搬送手段の基端部と前記第1搬送手段の先端部とを連結しつつ当該第2搬送手段の基端部を支持するとともに、当該第1搬送手段の往復振動を前記第2搬送手段側に伝達可能な第1支持手段と、前記第2搬送手段の先端部を前記被搬送手段の受け部と対向させつつ支持するとともに、当該被搬送手段に対する相対的な位置ずれを抑制し得る第2支持手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の搬送装置において、前記第1支持手段は、前記第1搬送手段の先端部と前記第2搬送手段の基端部とを連結した棒状部材及び板状部材から成るとともに、当該棒状部材は、一端が前記第1搬送手段の先端部、他端が前記第2搬送手段の基端部にそれぞれ固定されて、前記第1搬送手段の往復振動を前記第2搬送手段側に伝達し得る部材から成り、当該板状部材は、前記第1搬送手段の先端部と前記第2搬送手段の基端部とを連結すべく曲げ剛性が板バネよりも小さな薄板状の部材から成ることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の搬送装置において、前記第2支持手段は、前記第2搬送手段の先端側を固定部に対して支持するとともに、曲げ剛性が板バネよりも小さな板状部材から成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、第2搬送手段の基端部と前記第1搬送手段の先端部とを連結しつつ当該第2搬送手段の基端部を支持するとともに、当該第1搬送手段の往復振動を第2搬送手段側に伝達可能な第1支持手段と、第2搬送手段の先端部を被搬送手段の受け部と対向させつつ支持するとともに、当該被搬送手段に対する相対的な位置ずれを抑制し得る第2支持手段とを備えたので、往復振動によるワークの搬送を良好に行わせることができるとともに、被搬送手段側にワークを受け渡す際、当該被搬送手段の受け部に対するワークの供給を良好且つ正確に行わせることができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、第1支持手段は、第1搬送手段の先端部と第2搬送手段の基端部とを連結した棒状部材及び板状部材から成るとともに、当該棒状部材は、一端が第1搬送手段の先端部、他端が第2搬送手段の基端部にそれぞれ固定されて、第1搬送手段の往復振動を第2搬送手段側に伝達し得る部材から成り、当該板状部材は、第1搬送手段の先端部と第2搬送手段の基端部とを連結すべく曲げ剛性が板バネよりも小さな薄板状の部材から成るので、第1搬送手段の往復振動を第2搬送手段に対してより良好に伝達させることができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、第2支持手段は、第2搬送手段の先端側を固定部に対して支持するとともに、曲げ剛性が板バネよりも小さな板状部材から成るので、被搬送手段側にワークを受け渡す際、当該被搬送手段の受け部に対するワークの供給を更に良好且つ正確に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における搬送装置及び当該搬送装置が適用される弁コッタ及びリテーナの組付け装置を示す平面図
【図2】同弁コッタ及びリテーナの組付け装置を示す正面図であって、図1におけるII−II線矢視図
【図3】同搬送装置の先端部及び弁コッタ及びリテーナの組付け装置における組付手段を示す平面図
【図4】同搬送装置の先端部及び弁コッタ及びリテーナの組付け装置における組付手段を示す正面図
【図5】同搬送装置における第1搬送手段及び第2搬送手段を示す平面図
【図6】同搬送装置における第1搬送手段及び第2搬送手段を示す正面図
【図7】同搬送装置における第2搬送手段を示す側面図
【図8】本発明の他の実施形態における搬送装置における第1搬送手段及び第2搬送手段を示す平面図
【図9】同搬送装置における第1搬送手段及び第2搬送手段を示す正面図
【図10】同搬送装置における第2搬送手段を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る搬送装置は、弁コッタ及びリテーナの組付け装置に適用されたもので、当該弁コッタ及びリテーナ組付け装置は、弁コッタWaをリテーナWbに嵌合させて組み付け可能なものであり、図1〜4に示すように、弁コッタ搬送手段1(本発明の「搬送装置」に相当)と、リテーナ搬送手段2と、係止爪10と、弁コッタ移送手段12と、組付手段3(本発明の「被搬送手段」に相当)とを具備したものである。尚、組付け対象としての弁コッタWa及びリテーナWbは、例えば自動車のエンジン等の4サイクル内燃機関における弁駆動機構を構成するものである。然るに、リテーナWbの穴部内に弁コッタWaを嵌入した状態にて仮組付け状態とされ、1部品として取り扱い可能となっている。更に、図中符号C、D、Eは、それぞれ組付装置3(被搬送手段)、弁コッタ搬送手段1(搬送装置)、及び装置全体を固設させるベースを示している。
【0014】
本発明の搬送装置としての弁コッタ搬送手段1は、弁コッタWaを左右一対を一組として整列させつつ搬送可能な搬送手段(往復動式直進フィーダ等)から成り、多数の弁コッタWaを無造作(ランダム)に収容可能な収容部1aを具備するとともに、収容部1a内の弁コッタWaを整列させつつ組付位置(受け部P)まで搬送する第1搬送手段A及び第2搬送手段Bにて構成されている。即ち、第1搬送手段Aは、第2搬送手段Bを介して、ベースC上に固定された組付手段3(被搬送手段)の受け部Pに当該第1搬送手段Aで搬送された弁コッタWa(ワーク)を順次受け渡し得るよう構成されているのである。
【0015】
より具体的には、本実施形態に係る弁コッタ搬送手段1は、図5に示すように、加振装置等から成る駆動源(不図示)、該駆動源にて往復振動される板バネ(不図示)、及び略直線状の搬送路8を有するとともに、当該往復振動によって弁コッタWa(ワーク)を搬送路8に沿って順次搬送可能な第1搬送手段Aと、第1搬送手段Aの先端Aaと組付装置3(被搬送手段)との間に介装され、当該第1搬送手段Aの先端部Aaと連結されて当該第1搬送手段Aの搬送路8に沿って搬送される弁コッタWa(ワーク)を順次組付装置3(被搬送手段)の受け部Pに搬送可能とされた第2搬送手段Bとを有して構成されている。
【0016】
尚、第1搬送手段Aには、上述の如く往復振動を生じさせる駆動源を具備している一方、第2搬送手段Bには、当該駆動源を具備しておらず、後述する棒状部材18及び板状部材19によって第1搬送手段Bの往復振動が伝達されるよう構成されている。また、本実施形態においては、図2に示すように、収容部1aが前後の板バネIa、Ibにて支持されつつ収容部1aの振動により弁コッタWaを順次、第2収容部1aaに送るよう構成されており、当該第2収容部1aaが図示しない前後の板バネにて支持されつつ第2収容部1aaの振動により弁コッタWaを第1搬送手段A側に整列して順次送り出し可能とされている。
【0017】
然るに、第2搬送手段Bは、略直線状の搬送部材から成り、幅方向中央において長手方向に延びて左右を仕切る仕切板11a(図3参照)と、上部を塞ぐ押え板7(図4参照)とを有して構成されている。かかる第2搬送手段Bにより、第1搬送手段Aから受けた弁コッタWaを左右一対を一組としてそれぞれ整列させつつ略水平面内において略直線的に連続して搬送し得るようになっており、弁コッタWaの搬送をよりスムーズ且つ正確に行わせることができる。
【0018】
リテーナ搬送手段2は、リテーナWbを整列させつつ搬送可能な搬送手段から成り、多数のリテーナWbを無造作(ランダム)に収容可能な収容部2aと、該収容部2a内のリテーナWbを整列させつつ組付位置まで搬送するシュート2bとを有している。尚、本実施形態に係るリテーナ搬送手段2は、弁コッタ搬送手段1と同様、図示しない板バネにて支持された往復動式直進フィーダ等で構成されており、振動により連続的にリテーナWbを搬送し得るものとされている。
【0019】
尚、弁コッタWaは、小径の半円面を下面及び大径の半円面を上面とした状態で且つ外周面を外側に向け、仕切板11aにて仕切られつつ搬送されるとともに、リテーナWbは、円錐状の穴部の大径側を上方に臨ませつつ一列で搬送されるようになっている。特に、左右一対の弁コッタWaは、弁コッタ搬送手段1の第2搬送手段Bにて、略直線状且つ略水平面内で搬送可能とされている。これにより、組付手段3の組付位置において、弁コッタWaの直下にリテーナWbが位置決めされた状態とすれば、当該弁コッタWaをリテーナWbの穴部に押し込んで容易且つ確実に嵌合させ得るようになっている。
【0020】
弁コッタ搬送手段1における第2搬送手段Bの先端Bb側には、図3に示すように、左右一対の挿入ブロック6が配設されている。この挿入ブロック6には、その送路底を左右に区画して仕切るための仕切板9が配設されている。当該仕切板9における組付用孔6aが形成された位置には、当該組付用孔6aに向かって下方に突出した突起部が形成されており、リテナ押上部材17にて押し上げられたリテーナWbの穴部を当該突起部が左右に仕切り得るようになっている。
【0021】
また、弁コッタ搬送手段1で搬送された弁コッタWaを待機位置にて待機させるために当該弁コッタWaを係止可能とすべく、左右それぞれの弁コッタWaの上部外周面及び下部外周面に当接して当該弁コッタWaを係止可能な左右一対の係止爪10と、該係止爪10を係止方向に付勢するスプリング等から成る付勢手段(不図示)とを有している。然るに、係止爪10の先端側が弁コッタ搬送手段1にて連続的に搬送される左右一対のそれぞれの弁コッタWaと当接し、これらを係止して、それより前進するのを規制しているのである。
【0022】
弁コッタ移送手段12は、係止爪10で係止されて待機位置にある弁コッタWaを一組毎に順次切り出して組付位置まで移送するためのものであり、移送爪15は、駆動機構13にて駆動可能とされている。即ち、各移送爪15は、挟持位置において係止爪10の離間部に位置して係止爪10の間に挟持された状態とされており、その状態から組付位置まで前進し得るよう構成されているのである。尚、図3においては、便宜上、一対の移送爪15のそれぞれが同期していない状態となっているが、実際は、同一方向に同一タイミングで動作するようになっている。
【0023】
シリンダ13bは、連結板14に連結されており、当該連結板14と共に動作可能とされている。この連結板14は、駆動機構13を構成するシリンダ13aにより同図中左右方向に移動可能とされており、これにより、移送爪15は、左右方向(図3中上下方向)及び前後方向(同図中左右方向)に移動自在となっている。
【0024】
そして、左右一対の弁コッタWaを一組毎に順次切り出して組付位置まで移送するには、シリンダ13bを駆動することにより、係止された最前列の弁コッタWaの外周面に移送爪15の先端を当接させ、その状態でシリンダ13aを駆動して移送爪15を組付位置に向かって前進させる。これにより、弁コッタWaの切り出しがなされるのである。その後、シリンダ13aを駆動し続けて移送爪15を更に前進させ、弁コッタWaを組付位置まで移送する。尚、移送される過程において、弁コッタWaは、挿入ブロック6の上面に形成された摺動溝6bに沿って摺動することとなる。組付位置に至った左右それぞれの弁コッタWaは、挿入ブロック6の組付用孔6aの上方において、移送爪15と仕切板9との間で挟持された状態となっている。
【0025】
更に、シリンダ13bを駆動して移送爪15を互いに離間する方向に後退させると、左右それぞれの弁コッタWaが挿入ブロック6の組付用孔6a内に至るようになっている。そして、シリンダ13aを駆動して移送爪15を初期位置まで後退させれば、弁コッタ移送手段12による弁コッタWaの1回の切り出し動作が終了することとなる。
【0026】
一方、シュート2bの先端側には、モータM1にて回転可能な円板状部材から成るインデックス5が配設されており、当該インデックス5には円周方向に略等間隔で複数の切欠き5aが形成されている。かかる切欠き5aは、リテーナWbを嵌入し得る大きさとされており、シュート2bの先端に達したリテーナWbが切欠き5aに嵌入され、その状態でモータM1を間欠的に駆動させれば、当該リテーナWbを1個毎に切り出して組付位置の下方の位置(後述する挿入ブロック6における組付用孔6aの直下)まで移送可能とされている。
【0027】
即ち、インデックス5は、所謂ターンテーブルから成るもので、間欠的に回転駆動されることにより、リテーナ搬送手段2のシュート2bで連続的に搬送されるリテーナWbの最前列のものを切り出して、組付位置の下方(組付用孔6aの直下)まで搬送し得るよう構成されているのである。尚、図4中符号4は、搬出手段を示しており、インデックス5が間欠的に回転駆動される過程において、リテーナWbに弁コッタWaを嵌合させた状態のものを当該搬出手段4によって取り出し可能となっている。
【0028】
組付手段3(被搬送手段)は、組付位置の弁コッタWaをインデックス5で移送されたリテーナWbの穴部に嵌合させて組付けるものであり、図3に示すように、第1搬送手段A及び第2搬送手段Bにて搬送された弁コッタWaを受け得る受け部Pが形成されている。また、組付手段3は、図4で示すように、シリンダS1にて上下動可能な棒状の弁コッタ押込部材16と、シリンダS2にて上下動可能な棒状のリテナ押上部材17とを有している。
【0029】
そして、弁コッタWaとリテーナWbとを組付けるには、シリンダS2を駆動してリテナ押上部材17を上昇させ、リテーナWbの下面にリテナ押上部材17の肩部を当接させる。その状態にて更にリテナ押上部材17を上昇させることにより、リテーナWbをインデックス5の切欠き5aから上昇させ、その後、シリンダS1を駆動して弁コッタ押込部材16を下降させ、当該弁コッタ押込部材16の先端にて左右一対の弁コッタWaを同時に下方へ押し込む。これにより、リテーナWbの穴部内に左右一対の弁コッタWaを挿入して嵌合させることができる。
【0030】
ここで、本実施形態に係る搬送装置(弁コッタ搬送手段1)は、図5〜7に示すように、第2搬送手段Bの基端Ba部と第1搬送手段Aの先端Aa部とを連結しつつ当該第2搬送手段Bの基端Ba部を支持するとともに、当該第1搬送手段の往復振動を前記第2搬送手段側に伝達可能な第1支持手段(棒状部材18及び板状部材19)と、第2搬送手段Bの先端Bb部を組付手段3(被搬送手段)の受け部Pと対向させつつ支持するとともに、当該組付手段3(被搬送手段)に対する相対的な位置ずれを抑制し得る第2支持手段(板状部材20)とを具備している。
【0031】
第1支持手段は、第1搬送手段Aの先端Aa部と第2搬送手段Bの基端Ba部とを連結した棒状部材18及び板状部材19から成る。棒状部材18は、例えばステンレスなど比較的軟質な金属から成るものであり、一端が第1搬送手段Aの先端Aa部に形成された固定部a、他端が第2搬送手段Bの基端Ba部に形成された固定部bにそれぞれ固定されて、第1搬送手段Aの往復振動を第2搬送手段側Bに伝達し得る部材から成る。
【0032】
而して、棒状部材18は、その一端と他端とが固定部a、bのボルトを締め付けることによりそれぞれ固定され得るので、当該棒状部材18の延設方向に対する固定位置が可変とされている。これにより、第2搬送手段Bを移動させた際に当該第2搬送手段Bの固定部a、bの相対的位置が変化しても、当該変化に合致した棒状部材18の固定を図ることができる。同時に、棒状部材18は、その一端と他端とが固定部a、bのボルトを締め付けることによりそれぞれ固定され得るので、当該棒状部材18の径が多少異なるものを使用する場合であっても容易に固定させることができ、汎用性をより向上させることができる。また、径が異なる棒状部材18に容易に適用できるため、第2搬送手段Bの質量の変更などにも対応することができる。
【0033】
板状部材19は、第1搬送手段Aの先端Aa部と第2搬送手段Bの基端Ba部とを連結すべく曲げ剛性が板バネよりも小さな薄板状の部材から成るものとされている。即ち、第2搬送手段Bを駆動するには板状部材19による支持が通常の板バネのように大きな剛性と抵抗を持っていると良好な動作を得ることができないので、当該板状部材19は屈曲を許容しつつ支持するものであるのが好ましい。従って、板状部材19は、鋼板等を焼き入れしたばね鋼材ではなく、軟鋼の薄い板状部材で構成し、曲げ剛性が極めて小さくバネ特性をほとんど有さないものである。
【0034】
更に、第2支持手段は、第2搬送手段Bの先端Bb側を固定部(本実施形態においてはベースC)に対して支持するとともに、板状部材19と同様、曲げ剛性が板バネよりも小さな板状部材20から成るものである。かかる板状部材20は、一端が第2搬送手段Bの先端Bb部に形成された固定部e、他端がベースCの如き固定部に固設された取付架台21にそれぞれ固定された板状の部材から成る。尚、板状部材20は、第1支持手段としての板状部材19と同様に、鋼板等を焼き入れしたばね鋼材ではなく、軟鋼の薄い板状部材で構成し、曲げ剛性が極めて小さくバネ特性をほとんど有さないものが好ましい。
【0035】
即ち、第2支持手段としての板状部材20は、先端Bbを中心とした第2搬送手段Bの3次元的な揺動動作を許容しつつ支持することができ、これにより固定側である組付手段3(被搬送手段)(具体的には、先端Bbと対向した組付手段3の受け部P)に対して、相対的に位置ずれが生じてしまうのを抑制することができるのである。
【0036】
上記実施形態によれば、第1支持手段(棒状部材18及び板状部材19)にて第2搬送手段Bの基端Ba側を支持しているので、往復振動によるワーク(弁コッタWa)の搬送を良好に行わせることができるとともに、第2支持手段(板状部材20)にて第2搬送手段Bの先端Bb側を支持しているので、組付手段3(被搬送手段)に対する相対的な位置ずれを抑制することができ、組付手段3(被搬送手段)側にワーク(弁コッタWa)を受け渡す際、当該組付手段3(被搬送手段)の受け部Pに対するワーク(弁コッタWa)の供給を良好且つ正確に行わせることができる。
【0037】
また、第1支持手段は、第1搬送手段Aの先端Aa部と第2搬送手段Bの基端Ba部とを連結した棒状部材18及び板状部材19から成るとともに、当該棒状部材18は、一端が第1搬送手段Aの先端Aa部、他端が第2搬送手段Bの基端Ba部にそれぞれ固定されて、第1搬送手段Aの往復振動を第2搬送手段B側に伝達し得る部材から成り、当該板状部材19は、第1搬送手段Aの先端Aa部と第2搬送手段Bの基端Ba部とを連結すべく曲げ剛性が板バネよりも小さな薄板状の部材から成るので、第1搬送手段Aの往復振動を第2搬送手段Bに対してより良好に伝達させることができる。
【0038】
また更に、第2支持手段は、第2搬送手段Bの先端Bb側をベースC(固定部)に対して支持するとともに、曲げ剛性が板バネよりも小さな板状部材20から成るので、組付手段3(被搬送手段)側にワークを受け渡す際、当該組付手段3(被搬送手段)の受け部Pに対するワークの供給を更に良好且つ正確に行わせることができる。尚、上記実施形態においては、ベースCに固設された取付架台21に第2支持手段としての板状部材20が形成されているが、これに代えて、図8〜10に示すように、第2搬送手段B’よりも上方に位置する固定部f’と第2搬送手段B’の先端B’b部に形成された固定部e’とに亘って第2支持手段としての板状部材20’を取り付けるようにしてもよい。
【0039】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば上記の如き弁コッタ及びリテーナの組付け装置以外の装置に適用してもよい。即ち、往復振動にてワーク(弁コッタ及びリテーナ等に限定されず他の部品であってもよい)を搬送する搬送装置において、搬送手段を第1搬送手段と第2搬送手段とに分けるとともに、第1支持手段(第2搬送手段の基端部と第1搬送手段の先端部とを連結しつつ当該第2搬送手段の基端部を支持するとともに当該第1搬送手段の往復振動を前記第2搬送手段側に伝達可能な支持手段)と、第2支持手段(第2搬送手段の先端部を被搬送手段の受け部と対向させつつ支持するとともに、当該被搬送手段に対する相対的な位置ずれを抑制し得る支持手段)とを具備したものであれば、他の形態の搬送装置であってもよいのである。
【0040】
また、第1支持手段は、上記の如き棒状部材18及び板状部材19に限定されず、第2搬送手段の基端部と第1搬送手段の先端部とを連結しつつ当該第2搬送手段の基端部を支持するとともに当該第1搬送手段の往復振動を第2搬送手段側に伝達可能な支持手段であれば、他の形態のものであってもよい。更に、第2支持手段は、上記の如き板状部材20に限定されず、第2搬送手段の先端部を被搬送手段の受け部と対向させつつ支持するとともに、当該被搬送手段に対する相対的な位置ずれを抑制し得る支持手段であれば、他の形態のものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
駆動源、該駆動源にて往復振動される板バネ、及び略直線状の搬送路を有するとともに、当該往復振動によってワークを順次搬送可能な第1搬送手段と、第1搬送手段の先端と被搬送手段との間に介装され、当該第1搬送手段の先端部と連結されて当該第1搬送手段の搬送路に沿って搬送されるワークを順次前記被搬送手段の受け部に搬送可能とされた第2搬送手段と、第2搬送手段の基端部と第1搬送手段の先端部とを連結しつつ当該第2搬送手段の基端部を支持するとともに、当該第1搬送手段の往復振動を第2搬送手段側に伝達可能な第1支持手段と、第2搬送手段の先端部を被搬送手段の受け部と対向させつつ支持するとともに、当該被搬送手段に対する相対的な位置ずれを抑制し得る第2支持手段とを備えた搬送装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 弁コッタ搬送手段(搬送装置)
2 リテーナ搬送手段
3 組付手段(被搬送手段)
4 搬出手段
5 インデックス
6 挿入ブロック
7 押え板
8 搬送路
9 仕切板
10 係止爪
11 搬送路
12 弁コッタ移送手段
13 駆動機構
14 連結板
15 移送爪
16 弁コッタ押込部材
17 リテナ押上部材
18 棒状部材(第1支持手段)
19 板状部材(第1支持手段)
20 板状部材(第2支持手段)
21 取付架台
A 第1搬送手段
B 第2搬送手段
P 受け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源、該駆動源にて往復振動される板バネ、及び略直線状の搬送路を有するとともに、当該往復振動によってワークを順次搬送可能な第1搬送手段を具備し、ベース上に固定された被搬送手段の受け部に当該第1搬送手段で搬送されたワークを順次受け渡し得るよう構成された搬送装置において、
前記第1搬送手段の先端と被搬送手段との間に介装され、当該第1搬送手段の先端部と連結されて当該第1搬送手段の搬送路に沿って搬送されるワークを順次前記被搬送手段の受け部に搬送可能とされた第2搬送手段と、
該第2搬送手段の基端部と前記第1搬送手段の先端部とを連結しつつ当該第2搬送手段の基端部を支持するとともに、当該第1搬送手段の往復振動を前記第2搬送手段側に伝達可能な第1支持手段と、
前記第2搬送手段の先端部を前記被搬送手段の受け部と対向させつつ支持するとともに、当該被搬送手段に対する相対的な位置ずれを抑制し得る第2支持手段と、
を備えたことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記第1支持手段は、前記第1搬送手段の先端部と前記第2搬送手段の基端部とを連結した棒状部材及び板状部材から成るとともに、
当該棒状部材は、一端が前記第1搬送手段の先端部、他端が前記第2搬送手段の基端部にそれぞれ固定されて、前記第1搬送手段の往復振動を前記第2搬送手段側に伝達し得る部材から成り、
当該板状部材は、前記第1搬送手段の先端部と前記第2搬送手段の基端部とを連結すべく曲げ剛性が板バネよりも小さな薄板状の部材から成ることを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第2支持手段は、前記第2搬送手段の先端側を固定部に対して支持するとともに、曲げ剛性が板バネよりも小さな板状部材から成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−111246(P2011−111246A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266392(P2009−266392)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(501393586)ナックフィーディング株式会社 (12)
【Fターム(参考)】