説明

搬送車両

【課題】車輛(16)によって牽引される搬送車両(10)に関する。
【解決手段】搬送車両(10)は、コンテナ(12)及び荷降し用コンベア(14)を含む。コンテナ(12)は、バラ積み品を受け入れるのに役立つ。荷降し用コンベア(14)は、コンテナ(12)内のバラ積み品を荷降しするのに役立つ。荷降し用コンベア(14)を技術的に簡単な構造にし且つ可変に駆動できるようにするため、荷降し用コンベア(14)と関連した電動式駆動装置(36)を提案する。荷降し用コンベア(14)は、専ら、電動式駆動装置(36)により駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輛によって牽引される搬送車両(transfer vehicle)に関する。この搬送車両は、コンテナ及び荷降し用コンベアを含む。コンテナは、バラ積み品、詳細にはバイオマスを受け入れるのに役立つ。荷降し用コンベアは、コンテナ内のバラ積み品を荷降しするのに役立つ。
【背景技術】
【0002】
このような搬送車両は、農業で、例えば穀物や鉱質肥料等の価値の高いバラ積み品を搬送するのに使用され、詳細には、耕作(arable farming)で使用される。
コンバインで収穫される収穫物についての従来の収穫時間は、ほぼ2カ月から、ほんの数週間まで減少してきた。これは、更に強力な収穫機械で行うことができたが、この機械は、その結果、更に高価になった。かくして、収穫中、僅かな停止の全てが、高い金融的費用と関連している。従って、収穫時間を更に短縮しようとする、又は収穫時間を一杯に使用しようとする多くの試みがなされてきた。
【0003】
コンバインの停止時間をなくすため、トラクターによってコンバインの側方を駆動され且つ牽引される特定の農業用トレーラー、いわゆる搬送車両に、コンバインの貯蔵コンテナの中身を積み替える。前記搬送車両は、この場合、農場の縁部まで駆動された後、鉄道上で待機している大容積の非農業用輸送ヴィークルに穀物を積み替える。これに関し、20m3のコンテナ容量についての積み替え時間は、約2分間である。
【0004】
搬送車両は、一般的には、実質的に角柱形状のコンテナ及び/又は受け入れコンテナと、一部品又は二部品の荷降しデバイス及び/又は荷降し用コンベアとを有する。これらは、両方とも、単軸シャシー又は多軸シャシーに形成されている。これらのシャシーはフレームを有し、このフレームには、連続したアクスルが取り付けられており、左右の走行ホイールがフレームの外側に連結されており、フレームは、牽引機械、一般的にはトラクターに取り付けられるように設計された牽引フックを有する。従って、走行ホイールは、凸凹のある地面の上を走行するようになっている。かくして、コンテナの底壁は、受け入れコンテナの全長に亘って、車輛の長さ方向軸線に向かって漏斗状に延びている。二部品の荷降し用コンベア形体では、第1部品は、受け入れコンテナの下領域に内コンベアワーム(供給ワーム)として形成されており、従って、車輛の長さ方向軸線と整合している。内コンベアワームは、受け入れコンテナの前端壁の領域で外コンベアワーム(送出ワーム)に連結されている。これは、二部品荷降し用コンベアの第2部品を形成する。外コンベアワームは、チューブ状ハウジング及び/又は搬送パイプ内に配置されており、斜め方向上方に向いており、開放端を有する。従って、荷降し用コンベアの第2部品の長さ及び傾斜角度は、大容積の輸送用ヴィークルに積み替えるように設計されている。内コンベアワーム及び外コンベアワームを一定の速度で又は可変の速度で回転移動することにより、受け入れコンテナ内の穀物及び/又はバラ積み品を、回転コンベアワームの方向に、ワームの直径及びピッチに従って搬送する。
【0005】
搬送性能が高い搬送車両は、ワームの直径が大きいため、これと対応して、静加重が大きい。静加重及び受け入れられるべき穀物の重量は、かくして、農場で有用に適用する上での限度を形成する。このような搬送車両の大きさ及び重量が大きくなればなる程、前記搬送車両を農場に亘って輸送するのが、特に荷重が加わった状態では困難になる。かくして、従来の搬送車両の容量をこれ以上増大するのは困難である。しかしながら、輸送能力は、ワームの直径、及びかくしてコンベアワームの重量によって制限されるばかりでなく、ワームの速度によっても制限される。コンベアワームの速度を上昇すると、搬送されるべき穀物の負荷が高くなり、ワームで穀物の粒を傷つけてしまう。かくして、収穫の量と関連した損失が想定される。追加として、重量のあるコンベアワームが低振動で確実に作動するようにするためには、製造費が対応して高くなる。
【0006】
搬送車両は、収穫に対して使用されるばかりでなく、播種及び施肥中に適当な機械を充填するためにも使用される。これは、これらの機械が全て、極めて小さい貯蔵コンテナしか備えていないためである。肥料や種子による充填は、搬送車両を、損傷を生じない方法で空にすることに更に多くを依存する。
【0007】
牽引車又はトラクターによって牽引される従来の搬送車両は、純粋に機械的に駆動される。これに関し、荷降し用コンベアの機械的駆動は、トラクターの動力取り出しシャフトを介して行われた。これには比較的複雑な構造が必要とされる。大きな減速比が必要とされる。これは、特に、比較的頻繁に生じるトルクインパルスに関して重要であり、一般的には過負荷クラッチを必要とする。荷降し用コンベアのコンベアワームの速度は、トラクターの動力取り出しシャフトの速度に関して所定の比をなし、夫々の状態に対して制限された態様でしか適用できない。動力取り出しシャフトと搬送車両び機械式駆動装置との間の連結シャフトに過負荷が加わらないようにするため、場合によっては、コーナーを曲がるときに駆動力を切らなければならない。これにより、荷降し用コンベアを再び始動するときに高い負荷が生じ、これは、場合によっては、再び始動することを不可能にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上述の種類の搬送車両を、上述の問題点が解決されるように形成することである。詳細には、簡単な技術的構造により、荷降し用コンベアを、静止モード及び輸送モードの両方で可変に駆動できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、本発明によって、請求項1の教示によって達成される。本発明の有利な実施例及び発展は、従属項から出現する。
本発明によれば、上述の種類の搬送車両は、電動式駆動装置が荷降し用コンベアと関連しており、荷降し用コンベアは、専ら、電動式駆動装置によって駆動される、ことを特徴とする。
【0010】
これに関し、搬送車両は、車輛によって、例えば農業用トラクターによって牽引されてもよい。原理的には、搬送車両を自走式ヴィークルとして形成することも考えるが、これは好ましくない。この関連で、ほとんど専ら搬送車両の機能を行う。自走式搬送車両では、移動装置として電動モータ(例えば、単ホイール駆動モータ)を使用してもよい。
【0011】
牽引車輛又は自走式ヴィークルに取り付けられていてもよく、内燃エンジンによって駆動されてもよい発電機又は電気エネルギアキュムレータ(バッテリー、スーパーコンデンサー、フライホイールエネルギ貯蔵システム、等)は、例えば牽引車輛又は搬送車両に取り付けられていてもよい電気エネルギ源と考えられ、又は電力出力部を持つ定置の電力供給装置が考えられる。牽引車輛なしで、電力出力部で、定置の作動が可能である。
【0012】
本発明による搬送車両は、以下の一連の利点を有する。機械式駆動装置をなくすことによって、連結シャフトが必要なくなり、これらのシャフトの上述の欠点(コーナーを曲がるときの力の伝達)がなくなる。連結シャフトをなくすことによって、牽引車輛と搬送車両との間の結合プロセスを手早く且つ自動で行うことができる。更に、従来の駆動シャフト及び動力分割器をなくすことにより、簡単であり且つ空間を節約する構造が得られる。この構造では、構成要素を比較的低いレベルに配置できる。例えば、その結果、搬送車両の重心が、従来よりも低くなり、大型のコンテナを使用でき、隙間高さ(clearance height)を低くできる。コンテナの壁を通して駆動シャフト用のブッシュを設ける必要がなく、コンテナ用の対応する開口部を持つ外部コンベアワームを必要としない。これは、構造上の観点から見て、更なる簡略化に繋がる。
【0013】
荷降し用コンベアの駆動装置は、車輛の内燃エンジンに機械的に連結されていない。そのため、電気式駆動装置を無断階で、内燃エンジンの現在の速度から独立して駆動できる。荷降し用コンベアを作動するため、一般的には、車輛の内燃エンジンのアイドリング速度で生じる性能で十分である。荷降しプロセスは、一般的には、車輛及び搬送車両の対を含む状態で行われる。従って、本発明による搬送車両で荷降しプロセスを加速するため、内燃エンジンの速度を僅かに上昇してもよい。しかしながら、もはや、アクセルペダルを使用して内燃エンジンの速度を大幅に上昇する必要はない。これは、不必要な騒音を発生し、燃料消費を上昇する。
【0014】
かくして、一般的には、内燃エンジンの現在の速度とは無関係に電気式駆動装置を作動することにより、効率を最適にする。電気式駆動装置は、荷降し用コンベアに実質的に一体化してあってもよく、これにより、構成要素がモジュール構造のコンパクトな構造が得られる。シャフト及びリンクを大幅に減少したため、本発明による設計は、潤滑箇所が周知の搬送車両よりも遥かに少なくなり、そのため、保守に要する費用が大幅に減少する。電気式駆動装置は、全ての作動条件で無断階に調節でき、所定の速度で作動でき、速度を逆転できる。これは、特に、周波数が制御可能なコンバータによって電動モータの電気エネルギが供給される場合に適用される。複数の電気式駆動装置が設けられている場合には、全てのスイッチのオン/オフを他の駆動装置と独立して行うことができる。本発明に従って形成された搬送車両は、エネルギアキュムレータで作動される場合には、エミッション(排気ガス及び騒音)を大幅に減少して作動できる。
【0015】
搬送車両は、最も簡単な場合には、搬送パイプ及びコンベアワームを備えている。そのため、一部品搬送車両が形成される。しかしながら、上文中に説明したように、二部品搬送車両は、受け入れコンテナの下領域に配置された内コンベアワームを含む。内コンベアワームは、従って、車輛の長さ方向軸線と整合している。内コンベアワームは、受け入れコンテナの前端壁の領域で、外コンベアワームに連結されていてもよい。内コンベアワームは第1電動モータによって駆動されてもよく、外コンベアワームは別の電動モータによって駆動されてもよい。両コンベアワームを一つの電動モータだけで駆動することも考えられ、及びおそらくは中間歯車が設けられる。
【0016】
経験によれば、非同期モータ又は同期モータを電気式駆動装置として使用してもよい。これらのモータは、周波数コンバータによって供給される。これとは対照的に、非同期モータは、必要とされる技術上の複雑さが低く、低価格である。しかしながら、非同期モータは電力密度が低く、及びかくして同期モータよりも大きな空間を必要とする。
【0017】
極めて、特に好ましい実施例によれば、電気式駆動装置は、無断階で作動できるように形成される。その結果、例えば、荷降し用コンベア及び/又はコンベアワームの始動を滑らかに行うことができる。無断階に制御できる電気式駆動装置によって、例えば、できるだけ高い及び/又は最大の荷降し速度を得ることができるようにコンベアワームの速度を調節することもできる。
【0018】
好ましい実施例によれば、荷降し用コンベアを可逆的に作動できる。これは、構造上の観点から、電気式駆動装置によって容易に行うことができる。荷降し用コンベアの逆転作動は、例えば荷降し用コンベア及び/又はコンベアワームのクリーニングを行う目的で行ってもよい。
【0019】
特に好ましくは、電気式駆動装置が消費した電流を計測するための計測デバイスを設ける。電流を計測することにより、荷降し用コンベアが現在駆動されているトルクを検出できる。これに関し、例えば、簡単で費用のかからない方法で電気式駆動装置を過負荷から保護できる。かくして、この目的のため、荷降し用コンベアが現在駆動されている現在のトルクだけを所定の最大トルクと比較し、現在のトルクが、常に、所定の最大トルクよりも小さいように調節する。これに関し、収穫した収穫物及び/又はバラ積み品は、上文中に説明したように、荷降しプロセス中に損傷を受けない。
【0020】
本発明の、極めて、特に好ましい実施例によれば、電気式駆動装置は、搬送車両の荷降しプロセス中に最大の又はできるだけ高い荷降し速度に達するように制御及び/又は調節される。例えば、荷降し用コンベアを、所定の最大トルクよりも低いトルク及び/又は能力、及び/又は最大能力で作動させたとき、最大荷降し速度が発生する。従って、収穫した収穫物の荷降しを、有利には、短時間で行うことができ、そのため、収穫用ヴィークルをほんの短時間しか停止しないか或いは全く停止しない理想的状況が得られる。
【0021】
電気エネルギを発生することにより及び/又は電気式駆動装置を作動させたとき、最大の及び/又はできるだけ高い効率を得ることができる、搬送車両の電気式駆動装置の別の又は追加の制御及び/又は調節方法を提供できる。本発明による搬送車両の現在の設計により、有利には、トラクターのディーゼルエンジンと、動力取り出しシャフトの速度、及びかくして荷降し用コンベアの機械式駆動装置との間には、しっかりとした及び/又は機械的な結合がない。その代わりに、トラクターのディーゼルエンジンは、速度が低く、負荷、即ち、例えば、電気式駆動装置用の電流を発生するためにディーゼルエンジンによって駆動される発電機の負荷が高い所定の作動点で作動する。これに関し、有利には、燃費が向上する。従来の搬送車両での荷降しプロセス中に高速のディーゼルエンジンが発生する、周囲近傍に及ぼされる騒音汚染が減少する。
【0022】
速度及びトルクの変換について、本発明の好ましい実施例による電気式駆動装置は、歯車システム、詳細には遊星歯車システム、又は減速歯車システムを下流に備えた電動モータを有する。歯車システムは、電動モータ、歯車システム、及び荷降し用コンベアを含むユニットに組み込まれていてもよい。歯車システムは、好ましくは、減速歯車システムとして形成されており、そのため、電動モータを有利な速度範囲内で作動できる。
【0023】
好ましくは、少なくとも一つの周波数コンバータが設けられている。詳細には、整流器ユニットが、供給された電力の三送出交流を整流し、この際、整流器ユニットの下流のインバータが、非同期モータ又は同期モータに対して周波数変換を行う。この際、電流は、例えば牽引車輛に設けられた発電機によって供給され、インバータユニットは、牽引車輛又は搬送車両に配置される。定置の交流システムを使用する場合には、整流器ユニットは、牽引車輛自体に配置されているか或いは定置に配置されているのかのいずれであってもよい。かくして、搬送車両及び/又は搬送車両を牽引する車輛は、少なくとも一つの整流器ユニット及び/又は一つのインバータユニットを含む。
【0024】
有利には、本発明の教示を実施し、顕現するために様々な方法を利用できる。この目的のため、一方では、請求項1に従属する請求項を参照し、他方では、添付図面と関連して以下の本発明の好ましい実施例の説明を参照する。添付図面を参照した本発明の好ましい実施例の説明と関連して、本教示の好ましい実施例及びその顕現を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
添付図面には、バラ積み品を受け入れるためのコンテナ12を含む搬送車両10が示してある。更に、搬送車両10は、コンテナ内のバラ積み品(図示せず)を荷降しするための荷降し用コンベア14を含む。搬送車両10は、別の車両に相当するトラクター16に連結されていて、このトラクターによって牽引されてもよい。
【0026】
添付図面に示す搬送車両10は、実質的に角柱形体のコンテナ12を有する。このコンテナ12及び荷降し用コンベア14は、単軸シャシー18上に形成されている。シャシー18はフレーム20を有し、このフレームに連続したアクスル22が設けられている。アクスルには左右のホイールが設けられており、これらの2つのホイール24のうちの一方だけを示す。フレーム20は、トラクター16に取り付けられるように設計された、概略に示す牽引バー26を有する。従って、コンテナ12の底壁28は、受け入れコンテナ12の全長に亘って、ヴィークルの長さ方向軸線に向かって漏斗状に延びていることが概略に示してある。荷降し用コンベア14は一部品をなして形成されており、搬送パイプ30内にその長さ方向軸線を中心として回転自在に配置されたコンベアワーム32を備えている。搬送パイプ30は開放端34を有し、この開放端34上で、上方に搬送された収穫された収穫物は、コンベアワーム32を介してコンテナ12内に放出される。従って、搬送パイプ30の長さ及び傾斜角度は、大容積の搬送車両に積み替えるように設計されている。垂直方向及び/又は水平方向に対する搬送パイプ30の傾斜角度は、可変に調節できる。コンベアワーム32を一定の又は可変の速度で回転すると、受け入れコンテナ12内の穀物及び/又はバイオマスがコンベアワーム32の回転によって開放端34まで送出される。
【0027】
本発明による方法では、電動式駆動装置36が荷降し用コンベア14と関連している。荷降し用コンベア14、及び従ってコンベアワーム32は、専ら、電動式駆動装置36によって駆動される。
【0028】
電動式駆動装置36は、非同期モータを有し、無断階に作動できるように形成されている。電動式駆動装置36は、その制御に応じて二つの逆の回転方向に駆動できる。一方の回転方向により、コンテナ12内を空にさせることができる。逆回転方向に回転させるときは、クリーニング目的で使用できる。電動式駆動装置36とコンベアワーム32との間には減速歯車システム38が設けられており、これにより、電動式駆動装置36の比較的高い回転速度をコンベアワーム32の低い速度に減速できる。電動式駆動装置36、減速歯車システム38、並びに搬送パイプ30は、コンベアワーム32とともに、予め組み立てたユニット及び/又はアッセンブリとして、搬送車両10に取り付けることができる。添付図面による実施例では、電動式駆動装置36は、搬送パイプ30の開放端34に配置されている。しかしながら、電動式駆動装置36を減速歯車システム38とともに搬送車両10の下部領域に配置してもよい。
【0029】
トラクター16は内燃エンジン40を有し、このエンジンにより、トラクターのホイール42を駆動できる。内燃エンジン40によって駆動される発電機44が設けられている。この発電機は、電流、実際には三相電流を発生する。発電機44が発生した三相電流は整流器ユニット46に供給され、このユニットが三相電流を直流に変換し、直流リンク48に供給する。
【0030】
コンバータ50及び/又はインバータユニットが直流リンク48に接続されており、これにより、直流リンク48の直流を所定周波数の三相電流変換する。更に、コンバータ50により、電動式駆動装置36での電流出力レベル及び/又は電動式駆動装置36の回転方向を設定してもよい。この目的のために制御デバイス52が設けられており、この制御デバイスによりコンバータ50を制御してもよい。コンバータ50は、計測デバイス(図示せず)を有し、この計測デバイスにより、電動式駆動装置36での電流出力のレベルを計測できる。結果的に得られた計測値を制御デバイス52に供給する。計測した電流により、荷降し用コンベア14が現在駆動されているときのトルクを検出できる。かくして、制御デバイス52はコンバータ50、及びかくして電動式駆動装置36を、一方では、荷降し用コンベア14が最大荷降し速度に達するように、作動できる。他方では、搬送車両10の荷降しプロセス中にトルクのピークに達した場合又は詰まりが生じた場合に電動式駆動装置36並びに荷降し用コンベア14の構成要素を過負荷から保護する。これは、例えば、電動式駆動装置36が利用できる電流を低下するか或いはなくすことによって、又は詰まりをなくすためにコンベアワーム32を逆転することによって行われる。
【0031】
概略に示すプラグ接続部54は、搬送車両10及び電動式駆動装置36のプラグ58とトラクター16のソケット60との間を可逆的に接続できる。従って、トラクター16と搬送車両10との間、及びトラクター16の動力取り出しシャフトと荷降し用コンベア14との間には、機械的トルク伝達装置は必要でない。この実施例では、コンバータ50がトラクター16に配置されているが、コンバータ50を搬送車両10に配置することも考えられる。
【0032】
電気エネルギが発生しており、電動式駆動装置36が作動している場合に、搬送車両10及びトラクター16が形成する対の効率が最大になるように、電動式駆動装置36を制御し及び/又は調節するのが特に好ましい。
【0033】
最後に、以上の実施例は、特許請求の範囲の教示を開示するのに役立つだけであって、前記教示は、しかしながら、上記実施例に限定されないということを極めて特定的に指摘しておかなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、車輛によって牽引される、本発明による搬送車両10の一実施例の概略図である。
【符号の説明】
【0035】
10 搬送車両
12 コンテナ
14 荷降し用コンベア
16 トラクター
18 シャシー
20 フレーム
22 アクスル
24 ホイール
26 牽引バー
28 底壁
30 搬送パイプ
32 コンベアワーム
34 開放端
36 電動式駆動装置
38 減速歯車システム
40 内燃エンジン
42 トラクターのホイール
44 発電機
46 整流器ユニット
48 直流リンク
50 コンバータ
52 制御デバイス
54 プラグ接続部
58 プラグ
60 ソケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
別の車輛によって牽引される搬送車両(10)であって、バラ積み品を受け入れるのに役立つコンテナ(12)、及び前記コンテナ(12)内のバラ積み品の荷降しを行う荷降し用コンベア(14)を含む、搬送車両において、
電動式駆動装置(36)が前記荷降し用コンベア(14)と関連しており、前記荷降し用コンベア(14)は、専ら、前記電動式駆動装置(36)によって駆動される、ことを特徴とする搬送車両。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送車両において、
前記荷降し用コンベア(14)は、搬送パイプ(30)及びコンベアワーム(32)を含む、ことを特徴とする搬送車両。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の搬送車両において、
前記電動式駆動装置(36)は、非同期モータ又は同期モータを含む、ことを特徴とする搬送車両。
【請求項4】
請求項3に記載の搬送車両において、
前記電動式駆動装置(36)は、無断階で作動できるように形成されている、ことを特徴とする搬送車両。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の搬送車両において、
前記荷降し用コンベア(14)は、例えばクリーニングを目的として可逆的に作動できる、ことを特徴とする搬送車両。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の搬送車両において、
前記電動式駆動装置(36)が消費した電流を計測するため、計測デバイス(50)が設けられており、計測した電流により、前記荷降し用コンベア(14)が現在駆動されているときのトルクを検出する、ことを特徴とする搬送車両。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の搬送車両において、
前記電動式駆動装置(36)は、最大の荷降し速度が得られるように制御及び/又は調節される、ことを特徴とする搬送車両。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の搬送車両において、
前記電動式駆動装置(36)は、電気エネルギが発生された状態で、前記電動式駆動装置(36)を作動するときに最大の効率が得られるように制御及び/又は調節される、ことを特徴とする搬送車両。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の搬送車両において、
前記電動式駆動装置(36)は、歯車システム(38)、特に遊星歯車システム、又は減速歯車システムを下流に備えた電動モータを含む、ことを特徴とする搬送車両。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載の搬送車両において、
少なくとも一つの周波数コンバータ(46、50)が設けられている、ことを特徴とする搬送車両。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載の搬送車両において、
少なくとも一つの整流器ユニット及び/又はインバータユニットを備えている、ことを特徴とする搬送車両。

【図1】
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【公開番号】特開2008−100672(P2008−100672A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222163(P2007−222163)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(591005165)ディーア・アンド・カンパニー (109)
【氏名又は名称原語表記】DEERE AND COMPANY