説明

携帯型ユーザ端末、メッセージ送信方法、及び、メッセージ送信プログラム

【課題】音声による通話と、画面による表示及び入力を、適宜、変換可能な携帯型ユーザ端末、メッセージ送信方法、及び、メッセージ送信プログラムを提供する。
【解決手段】 携帯型ユーザ端末10であって、通話中に当該携帯型ユーザ端末10の傾きを検知するセンサと、センサが検知した傾きに応じて、当該携帯型ユーザ端末10により通話をするユーザが当該携帯型ユーザ端末10に対して、耳を離したか否かを判断する。そして、ユーザが耳を離したと判断した場合には、通話中の音声を表示メッセージに切替えて出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆回線網を介して接続されたユーザの端末間で、通話を含めたメッセージによるコニュニケーションを行う携帯型ユーザ端末、メッセージ送信方法、及び、メッセージ送信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆回線網に接続された携帯端末をWebサーバ等と接続することで、ユーザに様々なサービスが提供されている。特に、スマートフォン(高機能携帯電話)の登場により、従来、パソコンに対して行われていた高度なサービスを、携帯電話で行うことが可能になってきた。
【0003】
また、サーバが提供するサービスではなく、スマートフォン単独でも、様々な機能がそれ自体に搭載されている。したがって、ユーザは、搭載されている全ての機能を熟知するには時間がかかることが多い。例えば、ユーザが所望する機能が、スマートフォンに搭載されていても、その機能を設定する方法が不明であるため、ユーザがその機能を活用することができないといった課題も生じている。
【0004】
したがって、このような高度なWebサービスや、高度なスマートフォンの機能を最大限、利用するには、スマートフォンに対する設定操作や機能を、ユーザは熟知する必要がある。さらに、操作に不慣れなユーザが、端末に対して、初めての設定を行うと、削除すべきでない設定情報を削除してしまったり、適切でない設定を行うことでエラーを発生させてしまう場合も多い。
【0005】
このような課題に対して、ユーザの端末に対して、システムからリモートサポート(遠隔保守)を行うことで、ユーザの端末を遠隔から設定したり、遠隔からユーザを指導する方法が知られている。例えば、特許文献1では、サポート対象となる各クライアントの画面情報をサーバ側で取得し、サーバでこの画面情報を、常時、一覧表示することで、クライアントに対するサポート及び監視の効率を向上させることが開示されている。
【0006】
さらに、特許文献2のように拡張現実を利用して、携帯型のユーザ端末側に特別なエージェントソフトウェアをインストールしなくても、リモートサポートを行うことが可能な技術が開示されている。
【0007】
例えば、特許文献2のように、携帯型のユーザ端末のカメラを利用してリモートサポートを行う場合に、ユーザはこの端末を、耳から話してしまうことが多い。この場合に、ユーザは、通話の音声をスピーカ出力に切替えて、通話を聴きとることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−6062号公報
【特許文献2】特開2011−34315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ユーザが、自分の発話を周りにいる人に聴かれたくない場合や、通話をスピーカ出力に切替える操作が不明なときは、相手からの通話を、ユーザは、適切に聴きとることができない。また、通話中に、個人情報等の秘密なメッセージを、電話越しの相手に伝えなくはならない場合には、発話してしまうことで、周りにいる他人に聴かれてしまうことがある。さらに、発話する際には、ユーザは、端末をいちいち口元にあてなくてはならず、容易に会話が行えなくなる場合がある。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑み、音声による通話と、画面による表示及び入力を、適宜、変換可能な携帯型ユーザ端末、メッセージ送信方法、及び、メッセージ送信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明は、
通話中に当該携帯型ユーザ端末の傾きを検知するセンサと、
前記センサが検知した傾きに応じて、当該携帯型ユーザ端末により通話をするユーザが当該携帯型ユーザ端末に対して、耳を離したか否かを判断する判断モジュールと、
前記ユーザが耳を離したと判断した場合には、通話中の音声を表示メッセージに切替えて出力する出力切替モジュールと、を備える携帯型ユーザ端末を提供する。
【0013】
第1の特徴に係る発明によれば、通話中に当該携帯型ユーザ端末の傾きを検知し、センサが検知した傾きに応じて、当該携帯型ユーザ端末により通話をするユーザが当該携帯型ユーザ端末に対して、耳を離したか否かを判断する。そして、ユーザが耳を離したと判断した場合には、通話中の音声を表示メッセージに切替えて出力する。したがって、音声による通話と、画面による表示及び入力を、適宜、変換可能な携帯型ユーザ端末を提供する。
【0014】
第1の特徴に係る発明は、発明のカテゴリにおいて携帯型ユーザ端末のみならず、方法、プログラムにおいても同様の作用・効果を奏する。
【0015】
第2の特徴に係る発明は、
通話中に当該携帯型ユーザ端末の傾きを検知するセンサと、
前記センサが検知した傾きに応じて、当該携帯型ユーザ端末により通話をするユーザが当該携帯型ユーザ端末に対して、耳を離したか否かを判断する判断モジュールと、
前記ユーザが耳を離したと判断した場合には、当該携帯型ユーザ端末が通話中の相手の端末に、前記ユーザが耳を離したことを通知する通知モジュールと、を備える携帯型ユーザ端末を提供する。
【0016】
第2の特徴に係る発明によれば、通話中に当該携帯型ユーザ端末の傾きを検知し、検知した傾きに応じて、当該携帯型ユーザ端末により通話をするユーザが当該携帯型ユーザ端末に対して、耳を離したか否かを判断し、ユーザが耳を離したと判断した場合には、当該携帯型ユーザ端末が通話中の相手の端末に、ユーザが耳を離したことを通知する。したがって、通話中の相手は、携帯型ユーザ端末に対して音声でメッセージを伝えるよりも、表示メッセージでメッセージを伝えたほうが効果的であることを認知することができる。
【0017】
第2の特徴に係る発明は、発明のカテゴリにおいて携帯型ユーザ端末のみならず、方法、プログラムにおいても同様の作用・効果を奏する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、音声による通話と、画面による表示及び入力を、適宜、変換可能な携帯型ユーザ端末、メッセージ送信方法、及び、メッセージ送信プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、コミュニケーションシステム1の全体構成図である。
【図2】図2は、制御サーバ100、携帯型ユーザ端末10、サポート端末150の機能ブロック図である。
【図3】図3は、携帯型ユーザ端末10が実行する端末型制御処理を示すフローチャート図である。
【図4】図4は、携帯型ユーザ端末10、サポート端末150が実行する端末間型制御処理を示すフローチャート図である。
【図5】図5は、携帯型ユーザ端末10に表示される画面イメージ図である。
【図6】図6は、サポート端末150に表示される画面イメージ図である。
【図7】図7は、携帯型ユーザ端末10に表示される画面イメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0021】
[コミュニケーションシステムのシステム構成]
図1は、本発明の好適な実施形態であるコミュニケーションシステム1のシステム構成図である。コミュニケーションシステム1は、携帯型ユーザ端末10a、10b(以下、単に「10」とする)、制御サーバ100(リモートサーバ)、公衆回線網3(例えば、インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)、サポート端末150(リモート端末)から構成される。後述するように、制御サーバ100は、必須の構成要素ではない。
【0022】
携帯型ユーザ端末10は、無線通信により基地局と電波を交信し、基地局から交換機に接続して、公衆回線網3に接続されている、そして、公衆回線網3を介して、制御サーバ100と通信可能に接続されている。制御サーバ100とサポート端末150は、LAN(Local Area Network)で接続されていてもよいし、公衆回線網3を介して接続されていてもよい。コミュニケーションシステム1内の通信は、無線通信、有線通信を問わない。携帯型ユーザ端末10が公衆回線網3と接続するために、ルータ等のネットワーク機器を介して通信可能であってよい。
【0023】
携帯型ユーザ端末10は、ユーザがコミュニケーションを行うための一般的な情報端末であってよく、通話機能を含め、後述する機能を備える情報機器や電化製品である。携帯型ユーザ端末10は、例えば、スレート端末10a、スマートフォン10b、携帯電話、コンピュータであってもよいし、家庭用電話機、ネットブック端末、電子書籍端末、電子辞書端末等の一般的な情報家電であってよい。
【0024】
サポート端末150は、携帯型ユーザ端末10に対してサポートを行うサポート者が使用する一般的な情報端末である。なお、本実施例では、携帯型ユーザ端末10とコミュニケーションを行う相手側端末が、サポート端末150である場合で説明するが、本発明の使用用途がリモートサポートのように、サポート端末150に限定されることはないことは明白である。
【0025】
[各機能の説明]
図2は、サポート端末150、制御サーバ100、携帯型ユーザ端末10の機能ブロックを示す図である。図2を参照して、各装置のハードウェア構成について説明する。
【0026】
携帯型ユーザ端末10は、コミュニケーションを行うユーザが使用する端末である。携帯型ユーザ端末10は、制御部11、データ記憶部12、データ通信部13、タッチ入力表示部14、加速度センサ15、音声通話部16を備えていれば、家庭用電化製品、業務用電化製品、携帯端末、業務用端末のいずれであってもよい。
【0027】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、データ通信部13として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える。データ通信部13は、有線によるLAN接続であってもよい。
【0028】
データ記憶部12として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリ等のいずれか又は双方を備える。さらに、タッチ入力表示部14として、画像や文字のメッセージを表示する液晶モニタ等の表示部と、ユーザからの入力を受付けるキーボードやタッチパネル、音声入力等の入力部を備える。
【0029】
音声通話部16は、コミュニケーションを行う相手側端末(サポート端末150)からの発話をデジタル信号として受信し、ユーザが聴くことが可能となる音声データ受信出力機能と、ユーザの発話をデジタル信号として入力し音声データとして、相手側端末に送信する音声データ送信機能を備える装置である。
【0030】
加速度センサ15は、携帯型ユーザ端末10の加速度を計測するセンサであって、機械式、光学式、半導体式といずれであってもよく、検知軸数は、X軸,Y軸,Z軸の3軸であることが望ましい。地球の重力加速度を計測することで、携帯型ユーザ端末10の傾きを検知して、タッチ入力表示部14がユーザに対してどのような向きを向いているか判断する。そして、加速度センサ15は、当該向きに応じて、ユーザが携帯型ユーザ端末10を耳にあてているか、否かを決定する。
【0031】
具体的には、ユーザが携帯型ユーザ端末10を耳にあてている時に計測される加速度の大きさ、向きから、耳から離して使用しようとするまでの間に、経時的に変化する加速度の大きさと向きが予め携帯型ユーザ端末10に記憶されており、この経時的に変化する加速度を検知した場合には、ユーザが携帯型ユーザ端末10を耳から離したと判断してよい。以下では、この耳を携帯型ユーザ端末10から離したか否かを決定するセンサとして、加速度センサ15を用いて説明するが、同様の効果を得られれば、センサは、ジャイロセンサや接触センサ等の所定のセンサであってよい。
【0032】
サポート端末150は、ユーザをサポートするサポート者が使用する端末である。サポート端末150は、通常のパソコン等のコンピュータであってよい。サポート端末150のハードウェア構成は、携帯型ユーザ端末10と同様であってよいので、説明を省略する。なお、入力表示部154は、携帯型ユーザ端末10と異なり、タッチパネルに限定されることなく、通常のキーボードやモニタであってよいので、そのように記載している。入力表示部154は、画像や文字の入力を受付けて、表示する装置である。
【0033】
制御サーバ100は、本発明の必須の構成要素ではないが、携帯型ユーザ端末10とサポート端末150とのコミュニケーションを中継するサーバである。制御サーバ100は、制御部101、データ記憶部102、データ通信部103を備える。
【0034】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、データ通信部103として、有線又は無線対応の通信デバイスを備え、データ記憶部102として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のいずれか又は双方を備える。
【0035】
[端末型制御処理]
図3は、携帯型ユーザ端末10が実行する端末型制御処理のフローチャートである。本処理は、携帯型ユーザ端末10が相手側の電話機(サポート端末150でもよい)と、音声通話部16を使用して通話を行っていることを前提とする。すなわち、ユーザは携帯型ユーザ端末10を耳にあてて通話していることを前提としており、通話の音声を、耳から離しても聞こえるようスピーカ出力するスピーカフォンの機能を利用していないとする。
【0036】
最初に、携帯型ユーザ端末10は、通話中に、携帯型ユーザ端末10自身が計測する重力加速度を基準として、携帯型ユーザ端末10の傾きを検知する(ステップS01)。傾きを検知すると、その傾きが所定の大きさ、向きであるかを判断して、ユーザが携帯型ユーザ端末10を耳から離したか否かを判断する(ステップS02)。
【0037】
なお、ステップ02の処理は、単純に、携帯型ユーザ端末10の接触センサが、ユーザが耳を離したか否かを判断する処理であってもよい。この場合は、ステップS01の処理は必要ない。
【0038】
携帯型ユーザ端末10は、傾きが所定の大きさ、向きであると判断した場合は、ユーザが携帯型ユーザ端末10を耳から離したか否かを判断し(ステップS02:「YES」)て、ステップS03に処理を移す。一方、携帯型ユーザ端末10は、傾きが所定の大きさ、向きではないと判断した場合は、ユーザが携帯型ユーザ端末10を耳から離していないと判断し(ステップS02:「NO」)、ステップS01に処理を移す。ここで、傾きが所定の大きさ、向きであると判断するとは、上述のように、携帯型ユーザ端末10に予め記憶された、経時的に変化する加速度を検知したか否かで判断してよい。
【0039】
次に、携帯型ユーザ端末10は、相手側端末からの音声入力の待ち受けとなるが、相手側端末から音声を受信した場合(ステップS03:「YES」)は、ステップS04に処理を移す。相手側端末から音声を受信するまで(ステップS03:「NO」)は、処理の待受けとなる。
【0040】
携帯型ユーザ端末10は、相手側端末から受信した音声を、音声認識して、文字表示のためのテキスト化処理を行う(ステップS04)。そして、携帯型ユーザ端末10は、テキスト化処理した文字を画面表示する(ステップS05)。
【0041】
図5は、一例として、携帯型ユーザ端末10に、通話により入力された音声を音声認識して、ここで抽出されたテキスト文字を画面表示したことを示す図である。図5に示すように、ステップS02が「YES」の場合には、携帯型ユーザ端末10に、「通話を、音声出力から画面表示に切替えます」と表示される。相手側端末から「ホームボタンを押して、設定画面を出力してください・・」という音声を受信すると、これを、テキスト文字に変換して、図5に示すように、「ホームボタンを押して、設定画面を出力してください・・」と文字表示を行う。
【0042】
次に、任意のタイミングで、携帯型ユーザ端末10は、入力受付インターフェースの画面表示を行う(ステップS06)。入力受付インターフェースは、ユーザからのキー入力を受付けるための機能を有し、画面上では、図7に示すように、「はい」、「いいえ」などのボタン54に相当する。
【0043】
携帯型ユーザ端末10は、ユーザからの入力受付インターフェースに対する入力を受付けた場合(ステップS07:「YES」)は、ステップS08に処理を移す。携帯型ユーザ端末10は、ユーザからの入力受付インターフェースに対する入力を受付けるまで(ステップS07:「NO」)は、待受けとなる。
【0044】
次に、携帯型ユーザ端末10は、音声出力処理を実行する(ステップS08)。すなわち、図7の例では、「はい」のボタンを、ユーザが押した場合は、「はい」と音声出力を行うことで、相手側端末に、音声で「はい」というメッセージを伝える。すなわち、「はい」のタッチ操作で、携帯型ユーザ端末10が「はい」の音声を出力し、相手側端末に、ユーザに代わって、音声応答をさせることができる。
【0045】
なお、携帯型ユーザ端末10にて、タッチ操作でボタン54を押した際に、携帯型ユーザ端末10自身では、音声出力がされずに、相手側端末にのみ、音声が送信されてもよい。すなわち、携帯型ユーザ端末10で音声出力をしたくない場合に、相手側端末にのみ、音声出力をして、自身では音声出力をしないことで、ユーザの周辺の他人にメッセージを聴かれないというメリットがある。
【0046】
[端末間型制御処理]
次に、上記のように携帯型ユーザ端末10単独での処理ではなく、サポート端末150との連携で実行される端末間型制御処理について説明する。図4は、携帯型ユーザ端末10、サポート端末150が実行する端末間型制御処理のフローチャートである。
本処理は、携帯型ユーザ端末10が相手側の電話機(サポート端末150でもよい)と、音声通話部16を使用して通話を行っていることを前提とする。すなわち、ユーザは携帯型ユーザ端末10を耳にあてて通話していることを前提としており、通話の音声を、耳から離しても聞こえるようスピーカ出力するスピーカフォンの機能を利用していないとする。
【0047】
最初は、端末型制御処理と同様に、携帯型ユーザ端末10は、通話中に、携帯型ユーザ端末10自身が計測する重力加速度を基準として、携帯型ユーザ端末10の傾きを検知する(ステップS10)。傾きを検知すると、その傾きが所定の大きさ、向きであるかを判断して、ユーザが携帯型ユーザ端末10を耳から離したか否かを判断する(ステップS11)。
【0048】
なお、ステップS11の処理は、単純に、携帯型ユーザ端末10の接触センサが、ユーザが耳を離したか否かを判断する処理であってもよい。この場合は、ステップS10の処理は必要ない。
【0049】
携帯型ユーザ端末10は、傾きが所定の大きさ、向きであると判断した場合は、ユーザが携帯型ユーザ端末10を耳から離したか否かを判断し(ステップS11:「YES」)て、ステップS12に処理を移す。一方、携帯型ユーザ端末10は、傾きが所定の大きさ、向きではないと判断した場合は、ユーザが携帯型ユーザ端末10を耳から離していないと判断し(ステップS11:「NO」)、ステップS10に処理を移す。ここで、傾きが所定の大きさ、向きであると判断するとは、上述のように、携帯型ユーザ端末10に予め記憶された、経時的に変化する加速度を検知したか否かで判断してよい。
【0050】
次に、携帯型ユーザ端末10は、ユーザが携帯型ユーザ端末10を耳から離したか否かを判断したこと(判断結果)をサポート端末150に通知する(ステップS12)。これに応じて、サポート端末150は、この判断結果に関するメッセージを表示する(ステップS13)。このメッセージとは、サポート端末150を操作するサポート者に注意喚起をするためのメッセージであって、例えば、図6に示すように、「ユーザが、端末を耳から離したと想定されます。メッセージ送信方法を、出力表示に切り替えますか?」等のメッセージであってよい。
【0051】
次に、サポート端末150は、サポート者からのメッセージに対する指示を受付ける(ステップS14)。すなわち、サポート者からメッセージ送信方法を、通話による音声出力から画面表示に切替えるか否かの判断を受付ける。ここで、サポート者から画面表示に切替えるように指示を受けた場合(ステップS13:「YES」)には、ステップS15に処理を移す。サポート者から画面表示に切替えないように指示を受けた場合(ステップS13:「NO」)は、引き続き、通話による音声出力を利用するため、処理を終了する。
【0052】
次に、サポート者の指示に応じて、サポート端末150は、表示メッセージを送信する(ステップS15)。具体的には、チャットのようなテキスト文字が表示メッセージに相当して、この表示メッセージが送信されてよい。また、サポート端末150上に表示されている所定のアイコンをクリックすると、所定の文字(例えば、ホームボタンを押して、設定画面を出力してください)を送信する態様であってもよい。
【0053】
携帯型ユーザ端末10は、サポート端末150から送信された表示メッセージを受信し、画面表示する(ステップS16)。
【0054】
次に、任意のタイミングで、サポート端末150は、入力受付インターフェースを携帯型ユーザ端末10に送信する(ステップS15)。入力受付インターフェースは、ユーザからのキー入力を受付けるための機能を有し、携帯型ユーザ端末10の画面上では、図7に示すように、「はい」、「いいえ」などのボタン54に相当する。例えば、サポート者がユーザからの承諾や意思確認を所望した際に、サポート端末150からこの入力受付インターフェースを送信する。
【0055】
携帯型ユーザ端末10は、サポート端末150から送信された入力受付インターフェースを受信し、画面表示を行う(ステップS18)。
【0056】
携帯型ユーザ端末10は、ユーザからの入力受付インターフェースに対する入力を受付けた場合(ステップS19:「YES」)は、入力された内容を携帯型ユーザ端末10に送信して、ステップS20に処理を移す。携帯型ユーザ端末10は、ユーザからの入力受付インターフェースに対する入力を受付けるまでは(ステップS19:「NO」)、待受けとなる。
【0057】
サポート端末150は、入力受付インターフェースに対する、ユーザからの入力内容があったことを表示する(ステップS20)。
【0058】
この入力受付インターフェースの例としては、図7に示すように、入力受付インターフェースのボタン54により、設定の変更を許可するか否かの承諾に対する入力を受付ける。そして、この入力に応じて、サポート端末150が、承諾を受信した場合には、サポート者が設定変更をする作業を行うことができる。
【0059】
なお、端末間型制御処理において、サポート端末150と携帯型ユーザ端末10の間の処理を、制御サーバ100が制御してもよい。すなわち、サポート端末150は、サポート者からの入力を受付けて、画面表示するのみであって、表示メッセージや入力受付インターフェースが制御サーバ100に記憶されて、サポート端末150や携帯型ユーザ端末10に表示されてもよい。
【0060】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0062】
1 コミュニケーションシステム、3 公衆回線網、10 携帯型ユーザ端末、100 制御サーバ、150 サポート端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話中に当該携帯型ユーザ端末の傾きを検知するセンサと、
前記センサが検知した傾きに応じて、当該携帯型ユーザ端末により通話をするユーザが当該携帯型ユーザ端末に対して、耳を離したか否かを判断する判断モジュールと、
前記ユーザが耳を離したと判断した場合には、通話中の音声を表示メッセージに切替えて出力する出力切替モジュールと、
を備える携帯型ユーザ端末。
【請求項2】
通話中に当該携帯型ユーザ端末の傾きを検知するセンサと、
前記センサが検知した傾きに応じて、当該携帯型ユーザ端末により通話をするユーザが当該携帯型ユーザ端末に対して、耳を離したか否かを判断する判断モジュールと、
前記ユーザが耳を離したと判断した場合には、当該携帯型ユーザ端末が通話中の相手の端末に、前記ユーザが耳を離したことを通知する通知モジュールと、
を備える携帯型ユーザ端末。
【請求項3】
携帯型ユーザ端末が実行するメッセージ送信方法であって、
通話中に当該携帯型ユーザ端末の傾きを検知するステップと、
前記センサが検知した傾きに応じて、当該携帯型ユーザ端末により通話をするユーザが当該携帯型ユーザ端末に対して、耳を離したか否かを判断するステップと、
前記ユーザが耳を離したと判断した場合には、通話中の音声を表示メッセージに切替えて出力するステップと、
を備えるメッセージ送信方法。
【請求項4】
携帯型ユーザ端末に、
通話中に当該携帯型ユーザ端末の傾きを検知するステップ、
前記センサが検知した傾きに応じて、当該携帯型ユーザ端末により通話をするユーザが当該携帯型ユーザ端末に対して、耳を離したか否かを判断するステップ、
前記ユーザが耳を離したと判断した場合には、通話中の音声を表示メッセージに切替えて出力するステップ、
を実行させるためのメッセージ送信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−38569(P2013−38569A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172545(P2011−172545)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(500521522)株式会社オプティム (73)
【Fターム(参考)】