説明

携帯型学習教材表示装置

【課題】学習者が正解の情報を必要としない時には不用意に正解の情報が学習者の目にとまるのを防止することができる共に、学習者の意識的な操作により質問事項の情報と正解の情報とを容易に切り替えて参照することが可能な携帯型学習教材表示装置を提供すること。
【解決手段】装置筐体上の1つの面に配置した主表示手段40と、前記装置筐体上で前記主表示手段とは異なる面に配置された副表示手段50と、互いに関連性を有する質問事項の情報と正解の情報とを関連付けて管理すると共に、質問事項の情報と正解の情報とを識別し、質問事項の情報を主表示手段40に出力し、同時に前記質問事項の情報と対応付けられた正解の情報を副表示手段50に出力するデータ判別手段30とを設けた。解説用の情報は主表示手段40に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習教材のコンテンツを表示するために用いる携帯型学習教材表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な学習に用いられる書籍のような教材については、質問事項を表す文章等で構成される第1のコンテンツと、各質問事項の正解を表す文字列等で構成される第2のコンテンツとで構成される場合が多い。
【0003】
従って、学習者がこのような教材を使って自分自身で学習しようとする場合には、最初に教材から第1のコンテンツを読み取ってその内容を理解し、回答すべき事項を頭の中で考えた後、第2のコンテンツの内容を参照し、回答が正解と一致するか否かを確認することになる。
【0004】
また、最近では学習用の教材についても文字や画像のデータとして電子化されたものが多く存在する。電子化された教材は、コンピュータのような端末を用いることによりデータを読み取りコンテンツの内容を文字や画像として表示することができる。
【0005】
尚、電子書籍のコンテンツを本に似た形状の折りたたみ可能な端末を用いて表示すると共に、補助表示部を情報の表示に活用することは既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
ところで、電子化された学習用の教材を再生する機器としては、例えば携帯型無線電話端末装置(即ち、いわゆる携帯電話機)のように小型の端末装置を利用することが考えられる。携帯型無線電話端末装置を利用することにより、教材の持ち運びが極めて容易になり、ユーザは暇なときにどこででも手軽に学習を開始することが可能になる。
【0007】
しかしながら、携帯型無線電話端末装置のように小型の端末装置を利用する場合には、パーソナルコンピュータのような端末装置と比べて利用可能な表示装置の画面が極端に小さく、しかも解像度が低いという欠点がある。
【0008】
そのため、学習用の教材を携帯型無線電話端末装置で表示しようとすると、教材の質問事項の全体を画面上に一度に表示することができない可能性が高い。従って、学習者が質問事項の全体を見るためには、画面のスクロール操作を行ったり、表示頁の切り替え操作を行わざるを得ない。
【0009】
一方、質問事項の正解を表す第2のコンテンツについても必要に応じて学習者に提供する必要がある。そこで、例えば第2のコンテンツの文字列を質問事項の文の最後尾の後方に配置して表示することが考えられる。
【0010】
ところが、正解を表す第2のコンテンツを質問事項の最後尾に配置した場合には、質問事項の全体を読み取るために学習者が画面のスクロールや表示頁の切り替え操作を行っている時に、質問事項と共にその正解である第2のコンテンツの内容まで学習者の目に映ってしまう可能性が高い。
【0011】
従って、学習者が実際に考える前に正解の内容が分かってしまうので、効果的な学習ができない。
【0012】
質問事項と正解とが画面上に同時に現れるのを避けるためには、質問事項と正解を表す第2のコンテンツとの間に大きな間隔(スペース)を持たせることが考えられる。あるいは、複数の質問事項の最後尾の位置に、それぞれの回答をまとめて配置することも考えられる。
【0013】
しかし、このような対策を講じた場合には、質問事項の正解を確認するたびに、画面スクロールの操作を何回も繰り返すことになるので、質問事項と正解との表示を切り替えるために手間がかかり、無駄な時間を費やすことにもなるので、効率的な学習の妨げになる可能性が高い。
【0014】
【特許文献1】特開2003−241883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、学習者が正解の情報を必要としない時には不用意に正解の情報が学習者の目にとまるのを防止することができる共に、学習者の意識的な操作により質問事項の情報と正解の情報とを容易に切り替えて参照することが可能な携帯型学習教材表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の携帯型学習教材表示装置は、
少なくとも質問事項を表す第1のコンテンツと、質問事項の正解の内容を表す第2のコンテンツと、を含む学習教材のコンテンツを表示するために用いる携帯型学習教材表示装置であって、
装置筐体上の1つの面に配置され少なくとも文字列の情報を表示可能な主表示手段と、
前記装置筐体上で前記主表示手段とは異なる面に配置され少なくとも文字列の情報を表示可能な副表示手段と、
互いに関連性を有する前記第1のコンテンツと前記第2のコンテンツとを関連付けて管理すると共に、前記第1のコンテンツと前記第2のコンテンツとを識別し、前記第1のコンテンツのデータを前記主表示手段に出力し、同時に前記第1のコンテンツと対応付けられた前記第2のコンテンツを前記副表示手段に出力するデータ判別手段と、
を備える。
【0017】
この構成では、質問事項を表す第1のコンテンツは主表示手段に表示され、同時に正解の内容を表す第2のコンテンツは異なる面に配置された副表示手段に表示される。従って、第1のコンテンツの文章等が非常に長く、画面のスクロールをしなければ全体を見ることができないような場合であっても、スクロールに伴って同じ画面上に正解の内容(第2のコンテンツ)が現れるおそれはない。しかも、副表示手段の画面には第2のコンテンツが同時に表示されているので、学習者は特別な操作を行わなくても正解の内容を瞬時に確認することができる。つまり、学習者に正解の内容を確認する意思がない場合には、学習者の視野内に正解の内容が現れることはないため、副表示手段の画面に表示される第2のコンテンツが学習の妨げになることはない。また、主表示手段の画面と副表示手段の画面とのいずれを参照するかの切替は、学習者の意志を直接反映することになり、特別なボタン操作も不要であるため、極めて効率よく学習を進めることが可能になる。
【0018】
また、本発明の携帯型学習教材表示装置では、
前記主表示手段を前記装置筐体の正面側の面に配置し、前記副表示手段を前記装置筐体の背面側の面に配置することが好ましい。
【0019】
この構成では、主表示手段の画面と副表示手段の画面とのいずれを参照するかを切り替える場合に、学習者が装置筐体を裏返すだけでよいので、簡単な操作で学習を進めることが可能になる。
【0020】
また、本発明の携帯型学習教材表示装置では、
前記データ判別手段が、前記学習教材の情報を、少なくとも前記第1のコンテンツと前記第2のコンテンツとの区別を表す種別情報と、互いに対応する前記第1のコンテンツと前記第2のコンテンツとの組で構成される組コンテンツの複数個の区別を表す組ID情報(組識別情報)と、で構成されるタグ情報を用いてそれぞれ管理することが好ましい。
【0021】
この構成では、学習教材として多数のコンテンツの情報が同時に入力されたり、記憶装置上に多数のコンテンツの情報が存在しているような場合であっても、タグ情報を参照することにより、互いに関連している第1のコンテンツと第2のコンテンツとを抽出し、それらを区別して管理することができる。
【0022】
また、本発明の携帯型学習教材表示装置では、
前記学習教材のコンテンツに前記質問事項を表す前記第1のコンテンツと、前記質問事項の正解の内容を表す前記第2のコンテンツと、前記質問事項に関連する説明を表す第3のコンテンツとが含まれている場合に、前記データ判別手段が、前記第1のコンテンツおよび前記第3のコンテンツを前記主表示手段に出力し、そして前記第2のコンテンツを前記副表示手段に出力することが好ましい。
【0023】
この構成では、同じ主表示手段の画面上に第1のコンテンツおよび第3のコンテンツが表示されるので、学習者にとって質問事項の内容が理解しにくいような場合には、例えば画面をスクロールして第3のコンテンツを表示させることにより、理解すべき事項を繰り返し学習することができる。この場合も、学習者が意識的に副表示手段の画面を見ない限り正解の内容は目に映らないので、効率的に学習を進めることができる。
【0024】
尚、本発明に係る携帯型学習教材表示装置の例としては、携帯型無線電話端末装置(即ち、いわゆる携帯電話機)、PDA(即ち、Personal Digital Assistance)、電子書籍のデータを再生する端末装置、等といったように独立した複数の表示部を備える端末装置が挙げられるが、本発明に係る携帯型学習教材表示装置が、とりわけ近年世の中で非常に普及している携帯型無線電話端末装置であれば、その通信機能を利用することにより、学習教材のコンテンツをネットワーク上に接続されたサーバからダウンロードすることも可能になる。勿論、通信機能を持つ端末装置であれば同様なことが言える。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、学習者が正解の情報を必要としない時には不用意に正解の情報が学習者の目にとまるのを防止することができる共に、学習者の意識的な操作により質問事項の情報と正解の情報とを容易に切り替えて参照することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図1〜図8を参照しながら、本発明に係る複数の好適な実施形態について説明する。尚、ここでは、近年世の中で非常に普及している携帯型無線電話端末装置(即ち、いわゆる携帯電話機)を本発明に係る携帯型学習教材表示装置の実施形態として説明する。
【0027】
(第1実施形態)
まず、本発明に係る携帯型学習教材表示装置の第1実施形態について図1〜図5に基づき説明する。
【0028】
図1は携帯型無線電話端末装置の主要部の構成を示すブロック図、図2は図1の携帯型無線電話端末装置の主要動作を示すフローチャート、図3(a)〜図3(c)は図1の携帯型無線電話端末装置が扱う教材データの構成例を示す模式図、図4は図1の携帯型無線電話端末装置を正面側から見た外観の一例および表ディスプレイ表示部の表示例を示す斜視図、そして図5は図4の携帯型無線電話端末装置を背面側から見た外観の一例および裏ディスプレイ表示部の表示例を示す斜視図である。
【0029】
図1に示されるように、この携帯型無線電話端末装置は、データ読込部10、バッファ20、データ判別部30、例えば液晶表示装置等からなる表ディスプレイ表示部40、および例えば液晶表示装置等からなる裏ディスプレイ表示部50を備えている。勿論、一般的な携帯型無線電話端末装置と同様に図1に示された構成要素以外にも様々な構成要素が備わっている。
なお、表ディスプレイ表示部40及び裏ディスプレイ表示部50に、バッファ(不図示)を内蔵し、そこに書き込まれたデータを表示するようにすることもできる。
【0030】
データ読込部10は、学習対象の教材データの読み込みを行う。このデータ読込部10は、実際には、例えばメモリカード等といった記録媒体(不図示)に予め蓄積された教材データを当該記録媒体から読み込む。
【0031】
尚、携帯型無線電話端末装置の無線通信機能を利用する場合には、無線通信回線を経由して、インターネット等の通信網上のサーバと接続し、前記サーバから教材データをダウンロードしてデータ読込部10に読み込ませてもよい。
【0032】
データ読込部10が読み込む教材データは、質問事項の内容を表すデータ(問題データ)と、前記質問事項に対する正解の内容を表すデータ(正解データ)と、で構成されている。
【0033】
実際の教材データは、図3(a)〜図3(c)に示すような形式で管理される。図3(a)および図3(b)に示される例では、前記問題データと正解データとが1つのデータファイル上にまとめられて管理されている場合を想定しており、図3(c)に示される例では前記問題データと正解データとがそれぞれ独立したデータファイル上に存在する場合を想定している。
【0034】
また、図3(a)に示される例では、1つのデータファイル上にデータD1(1),D1(2),D1(3),・・・として前記問題データと正解データとが交互に並んで配置されている。データD1(1),D1(2),D1(3),・・・には、それぞれタグ情報TG(1),TG(2),TG(3),・・・が付加されている。
【0035】
各タグ情報TGは、種類ID(即ち、Identity Data:識別データ)と組IDとで構成されている。種類IDは、該当するデータの種類が問題データと正解データとのいずれに相当するかを識別するための情報である。また、組IDは互いに対応関係にある問題データと正解データとの組に割り当てられた番号であり、複数組のデータを区別するために利用される。
【0036】
例えば、図3(a)において、データD1(1)に付加されているタグ情報TG(1)の内容「Q−1」は、「Q」が問題データを表す種類IDであり、そして「1」は1番目のデータであることを表す組IDである。また、図3(a)において、データD1(2)に付加されているタグ情報TG(2)の内容「A−1」は、「A」が正解データを表す種類IDであり、そして「1」は1番目のデータであることを表す組IDである。
【0037】
従って、図3(a)の教材データの場合には、例えばデータD1(1)とデータD1(2)とが互いに組になる1番目の問題データと正解データであり、そしてデータD1(3)とデータD1(4)とが互いに組になる2番目の問題データと正解データである。
【0038】
一方、図3(b)に示される例でも、各データD2(1),D2(2),D2(3),・・・に上記と同様のタグ情報TGが付加されている。タグ情報TGの内容から分かるように、図3(b)に示す例では、データD2(1),D2(2),D2(3),・・・として複数の問題データ(Q−1,Q−2,・・・)が並び、それらの後に複数の正解データ(A−1,A−2,・・・)が並んで配置されている。
【0039】
また、図3(c)に示される例でも、それぞれのデータファイルに含まれている各データD3(1),D3(2),D3(3),・・・およびデータD4(1),D4(2),D4(3),・・・に上記と同様のタグ情報TGが付加されている。タグ情報TGの内容から分かるように、図3(c)に示す例では、1つのデータファイル上にデータD3(1),D3(2),D3(3),・・・として複数の問題データ(Q−1,Q−2,・・・)が並んで配置され、そして別のデータファイル上にデータD4(1),D4(2),D4(3),・・・として複数の正解データ(A−1,A−2,・・・)が並んで配置されている。
【0040】
図1に示すデータ読込部10は、各データに付加されているタグ情報TGを参照することにより、図3(a)、図3(b)、および図3(c)に示されるいずれの形式の教材データも同じように扱うことができる。
【0041】
ユーザ(学習者)が携帯型無線電話端末装置の操作部を操作すると、操作されたキーに応じた組IDが生成され、この組IDがデータ読込部10に入力される。データ読込部10は、入力された組IDに対応するタグ情報TGを備えたデータ、即ち1組の問題データと正解データとを読み込む。
【0042】
データ読込部10が読み込んだデータはバッファ20上に一時的に保存され、その後、データ判別部30によって処理される。データ判別部30は、バッファ20上に存在する各データに付加されているタグ情報TGの内容を調べ、各タグ情報TGに含まれている前記種類IDから、該当するデータが問題データと正解データとのいずれに属するのかを識別し、その識別結果を表示に反映する。
【0043】
即ち、データ判別部30は、問題データを表ディスプレイ表示部40に出力し、そして正解データを裏ディスプレイ表示部50に出力する。従って、図4に示されるように携帯型無線電話端末装置の筺体正面側に存在する表ディスプレイ表示部40の画面には問題データの内容が文字等によって表示され、それと同時に、携帯型無線電話端末装置の筺体背面側に存在する裏ディスプレイ表示部50の画面には図5に示されるように問題データと関係付けられた正解データの内容が文字等によって表示される。
【0044】
このため、ユーザが問題データの全体の内容を確認するために例えば表ディスプレイ表示部40の画面をスクロール操作したとしても、正解データの内容がユーザの目に映ることはない。
【0045】
また、ユーザが問題データの内容を理解した上で、回答の内容を考え、この回答が正しいか否かを確認しようとする場合、即ち、ユーザに正解の内容を参照する意志がある場合には、携帯型無線電話端末装置の筺体を図5に示すように裏返して裏ディスプレイ表示部50の画面を参照することにより、簡単に正解の内容を見ることができる。
【0046】
尚、図4および図5では、1軸ヒンジを用いた折り畳みタイプの筺体を有する携帯型無線電話端末装置が例示されているが、この場合の表ディスプレイ表示部40が配置される正面側の面は、携帯型無線電話端末装置の筺体が折り畳まれた際には該筺体の内側に位置する。
【0047】
また、近年、折り畳みタイプの筺体を有する携帯型無線電話端末装置の中でも、2軸ヒンジを用いて、表ディスプレイ表示部40と裏ディスプレイ表示部50とを反転できる(つまり、ひっくり返すことができる)ものが知られているが、この場合でも、表ディスプレイ表示部40と裏ディスプレイ表示部50との相互の位置関係に変わりはなく、表ディスプレイ表示部40が携帯型無線電話端末装置の筺体の正面側の面に配置され、そして裏ディスプレイ表示部50が携帯型無線電話端末装置の筺体の背面側の面に配置されるものとする。
【0048】
尚、携帯型無線電話端末装置は、ヒンジを用いた筺体を有するものに限らず、ストレートタイプの筺体を有するものであってもよいことは言うまでもない。
【0049】
尚、表ディスプレイ表示部40および裏ディスプレイ表示部50のそれぞれの表示能力が十分にある場合には、逆に問題データを裏ディスプレイ表示部50の画面に表示し、そして正解データを表ディスプレイ表示部40の画面に表示してもよい。
【0050】
次に、図2を参照しながら、この形態の携帯型無線電話端末装置の動作を説明する。
【0051】
ステップS11では、ユーザからの入力操作に従って、表示すべきデータの組IDをデータ読込部10が決定する。
【0052】
ステップS12では、ステップS11で決定した組IDに該当する全てのデータをデータ読込部10が読み込み、これらのデータをバッファ20に一時的に保存する。
【0053】
ステップS13では、表示する情報を新しい情報に更新するために、表ディスプレイ表示部40の内部バッファおよび裏ディスプレイ表示部50の内部バッファの内容をそれぞれクリアする。なお、ステップS13は省略することもできる。
【0054】
ステップS13に続くステップS14〜S17またはS18の処理は、バッファ20上の全てのデータについて実行される。
【0055】
即ち、バッファ20上に未処理のデータが残っている場合(即ち、ステップS14が“Yes”の場合)には、ステップS14からステップS15に進み、バッファ20上の1つのデータを参照する。
【0056】
尚、バッファ20上に未処理のデータが残っている場合(即ち、ステップS14が“Yes”の場合)は、ステップS14〜S17またはS18の処理が(未処理のデータが無くなるまで)繰り返し行われるが、バッファ20上に未処理のデータが残っていない場合(即ち、ステップS14が“No”の場合)には、ステップS14からステップS19に進む。
【0057】
ステップS15で参照したデータの種類IDの内容が「問題データ」を示すものである場合(即ち、ステップS16が“問題”の場合)には、ステップS16からS17に進む。他方、ステップS15で参照したデータの種類IDの内容が「正解データ」を示すものである場合(即ち、ステップS16が“正解”の場合)には、ステップS16からS18に進む。
【0058】
ステップS17では、ステップS15でバッファ20から入力された1つのデータ(問題データ)をデータ判別部30が表ディスプレイ表示部40の内部バッファに追加書き込みする。
【0059】
また、ステップS18では、ステップS15でバッファ20から入力された1つのデータ(正解データ)をデータ判別部30が裏ディスプレイ表示部50の内部バッファに追加書き込みする。
【0060】
ステップS19では、表ディスプレイ表示部40および裏ディスプレイ表示部50が、それぞれの内部バッファに書き込まれているデータを各々の画面上に表示する。
【0061】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る携帯型学習教材表示装置の第2実施形態について図6〜図8に基づき説明する。
【0062】
図6は携帯型無線電話端末装置の主要部の構成を示すブロック図、図7は図6の携帯型無線電話端末装置の主要動作を示すフローチャート、そして図8(a)〜図8(c)は図6の携帯型無線電話端末装置が扱う教材データの構成例を示す模式図である。
【0063】
第2実施形態は第1実施形態の変形例である。図6〜図8において第1実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付して示し、明確化を図っている。従って、第1実施形態と異なる第2実施形態の構成および動作のみについて以下に説明する。
【0064】
図6に示されるように、この携帯型無線電話端末装置は、データ読込部10B、バッファ20、データ判別部30B、表ディスプレイ表示部40、および裏ディスプレイ表示部50を備えている。勿論、一般的な携帯型無線電話端末装置と同様に図6に示された要素以外にも様々な構成要素が備わっている。
【0065】
データ読込部10Bは、第1実施形態と同様に、学習対象の教材データの読み込みを行う。但し、この形態では扱う教材データに解説データが含まれる場合を想定している。解説データは、個別の学習対象事項を説明するための文章や画像で構成されるデータである。前述の「問題データ」および「正解データ」の内容は、解説データの内容に基づいて1つまたは複数作成される。即ち、データ読込部10Bは教材データとして解説データと問題データと正解データとを読み込む。
【0066】
実際の教材データは、図8(a)〜図8(c)に示すような形式で管理される。図8(a)および図8(b)に示される例は、前記解説データと問題データと正解データとが1つのデータファイル上にまとめられて管理されている場合であり、そして図8(c)に示される例は前記解説データと問題データと正解データとがそれぞれ独立したデータファイル上に存在する場合である。
【0067】
また、図8(a)に示される例では、1つのデータファイル上にデータD1(1),D1(2),D1(3),・・・として前記解説データと問題データと正解データとが循環的に並んで配置されている。データD1(1),D1(2),D1(3),・・・には、それぞれタグ情報TG(1),TG(2),TG(3),・・・が付加されている。
【0068】
各タグ情報TGは、種類IDと組IDとで構成されている。種類IDは、該当するデータの種類が解説データと問題データと正解データとのいずれに相当するかを識別するための情報である。また、組IDは互いに対応関係にある解説データと問題データと正解データとの組に割り当てられた番号であり、複数組のデータを区別するために利用される。
【0069】
例えば、図8(a)において、データD1(1)に付加されているタグ情報TG(1)の内容「E−1」は、「E」が解説データを表す種類IDであり、そして「1」は1番目のデータであることを表す組IDである。また、図8(a)において、データD1(2)に付加されているタグ情報TG(2)の内容「Q−1」は、「Q」が問題データを表す種類IDであり、そして「1」は1番目のデータであることを表す組IDである。また、図8(a)において、データD1(3)に付加されているタグ情報TG(3)の内容「A−1」は、「A」が正解データを表す種類IDであり、そして「1」は1番目のデータであることを表す組IDである。
【0070】
従って、図8(a)の教材データの場合には、例えばデータD1(1)とデータD1(2)とデータD1(3)とが互いに組になる1番目の解説データと問題データと正解データである。そして、これらに続く位置に、2番目の解説データと問題データと正解データとが順番に並んで配置されている。
【0071】
一方、図8(b)に示される例でも、各データD2(1),D2(2),D2(3),・・・に上記と同様のタグ情報TGが付加されている。タグ情報TGの内容から分かるように、図8(b)に示す例では、データD2(1),D2(2),D2(3),・・・として複数の解説データ(E−1,E−2,・・・)が並び、これらの次に問題データ(Q−1,Q−2,・・・)が並び、これらの後に、複数の正解データ(A−1,A−2,・・・)が並んで配置されている。
【0072】
また、図8(c)に示される例でも、それぞれのデータファイルに含まれているデータ毎に上記と同様のタグ情報TGが付加されている。タグ情報TGの内容から分かるように、図8(c)に示す例では、1つのデータファイル上にデータD3(1),D3(2),D3(3),・・・として複数の解説データ(E−1,E−2,・・・)が並んで配置され、別のデータファイル上にデータD4(1),D4(2),D4(3),・・・として複数の問題データ(Q−1,Q−2,・・・)が並んで配置され、もう1つのデータファイル上にデータD5(1),D5(2),D5(3),・・・として複数の正解データ(A−1,A−2,・・・)が並んで配置されている。
【0073】
図6に示されるデータ読込部10Bは、各データに付加されているタグ情報TGを参照することにより、図8(a)、図8(b)、および図8(c)に示されるいずれの形式の教材データも同じように扱うことができる。
【0074】
ユーザ(学習者)が携帯型無線電話端末装置の操作部を操作すると、操作されたキーに応じた組IDが生成され、この組IDがデータ読込部10Bに入力される。データ読込部10Bは、入力された組IDに対応するタグ情報TGを備えたデータ、即ち1組の解説データと問題データと正解データとを読み込む。
【0075】
データ読込部10Bが読み込んだデータはバッファ20上に一時的に保存され、その後、データ判別部30Bによって処理される。データ判別部30Bは、バッファ20上に存在する各データに付加されているタグ情報TGの内容を調べ、各タグ情報TGに含まれている前記種類IDから、該当するデータが解説データと問題データと正解データとのいずれに属するのかを識別し、その識別結果を表示に反映する。
【0076】
即ち、データ判別部30Bは、解説データおよび問題データを表ディスプレイ表示部40に出力し、そして正解データを裏ディスプレイ表示部50に出力する。従って、携帯型無線電話端末装置の正面側に存在する表ディスプレイ表示部40の画面には解説データの内容および問題データの内容が文字等によって表示され、それと同時に、携帯型無線電話端末装置の背面側に存在する裏ディスプレイ表示部50の画面には問題データと関係付けられた正解データの内容が文字等によって表示される(尚、表ディスプレイ表示部40および裏ディスプレイ表示部50の配置関係については図4および図5を参照)。
【0077】
このため、ユーザが解説データや問題データの全体の内容を確認するために例えば表ディスプレイ表示部40の画面をスクロール操作したとしても、正解データの内容がユーザの目に映ることはない。
【0078】
また、ユーザが問題データの内容を理解した上で、回答の内容を考え、この回答が正しいか否かを確認しようとする場合、即ち、ユーザに正解の内容を参照する意志がある場合には、装置を図5に示すように裏返して裏ディスプレイ表示部50の画面を参照することにより、簡単に正解の内容を見ることができる。
【0079】
次に、図7を参照しながら、この形態の携帯型無線電話端末装置の動作を説明する。
【0080】
ステップS21では、ユーザからの入力操作に従って、表示すべきデータの組IDをデータ読込部10Bが決定する。
【0081】
ステップS22では、ステップS21で決定した組IDに該当する全てのデータをデータ読込部10Bが読み込み、これらのデータをバッファ20に一時的に保存する。
【0082】
ステップS23では、表示する情報を新しい情報に更新するために、表ディスプレイ表示部40の内部バッファおよび裏ディスプレイ表示部50の内部バッファの内容をそれぞれクリアする。
【0083】
ステップS24〜S27またはS28またはS29の処理は、バッファ20上の全てのデータについて実行される。
【0084】
即ち、バッファ20上に未処理のデータが残っている場合(即ち、ステップS24が“Yes”の場合)には、ステップS24からステップS25に進み、バッファ20上の1つのデータを参照する。
【0085】
尚、バッファ20上に未処理のデータが残っている場合(即ち、ステップS24が“Yes”の場合)は、ステップS24〜S27またはS28またはS29の処理が(未処理のデータが無くなるまで)繰り返し行われるが、バッファ20上に未処理のデータが残っていない場合(即ち、ステップS24が“No”の場合)には、ステップS24からステップS30に進む。
【0086】
ステップS25で参照したデータの種類IDの内容が「問題データ」を示すものである場合(即ち、ステップS26が“問題”の場合)には、ステップS26からS27に進む。
【0087】
また、ステップS25で参照したデータの種類IDの内容が「解説データ」を示すものである場合(即ち、ステップS26が“解説”の場合)には、ステップS26からS28に進む。
【0088】
そして、ステップS25で参照したデータの種類IDの内容が「正解データ」を示すものである場合(即ち、ステップS26が“正解”の場合)には、ステップS26からS29に進む。
【0089】
ステップS27では、ステップS25でバッファ20から入力された1つのデータ(問題データ)をデータ判別部30Bが表ディスプレイ表示部40の内部バッファに追加書き込みする。
【0090】
また、ステップS28ではステップS25でバッファ20から入力された1つのデータ(解説データ)をデータ判別部30Bが表ディスプレイ表示部40の内部バッファに追加書き込みする。
【0091】
そして、ステップS29ではステップS25でバッファ20から入力された1つのデータ(正解データ)をデータ判別部30Bが裏ディスプレイ表示部50の内部バッファに追加書き込みする。
【0092】
ステップS30では、表ディスプレイ表示部40および裏ディスプレイ表示部50が、それぞれの内部バッファに書き込まれているデータを各々の画面上に表示する。
【0093】
尚、学習データとして解説データのみが存在し、問題データおよび正解データが存在しないような場合であっても、例えば問題データおよび正解データのそれぞれに事前にタグ情報TGだけを割り当てておくことにより、図7に示す動作を問題なく実行することができる。
また、表ディスプレイ表示部40に表示すべきデータのうち、解説データを問題データより必ず先に表示するような制御を付加することも考えられる。そのためにはS25において解説情報があるかないかを検索し、ある場合には先に読み出すようにすればよい。
【0094】
尚、図1に示したデータ読込部10およびデータ判別部30の機能や、図6に示したデータ読込部10Bおよびデータ判別部30Bの機能については、マイクロプロセッサで所定のプログラムを実行することにより実現することもできるし、専用の電気回路等のハードウェアを用いて実現することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明の携帯型学習教材表示装置は、学習者が正解の情報を必要としない時には不用意に正解の情報が学習者の目にとまるのを防止することができる共に、学習者の意識的な操作により質問事項の情報と正解の情報とを容易に切り替えて参照することが可能であるので、学習教材のコンテンツを表示するために用いる携帯型学習教材表示装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明に係る携帯型学習教材表示装置の第1実施形態(携帯型無線電話端末装置)の装置主要部の構成を示すブロック図
【図2】本発明に係る携帯型学習教材表示装置の第1実施形態の主要動作を示すフローチャート
【図3】本発明に係る携帯型学習教材表示装置の第1実施形態が扱う教材データの構成例を示す模式図
【図4】本発明に係る携帯型学習教材表示装置の第1実施形態を正面側から見た外観の一例および表ディスプレイ表示部の表示例を示す斜視図
【図5】本発明に係る携帯型学習教材表示装置の第1実施形態を背面側から見た外観の一例および裏ディスプレイ表示部の表示例を示す斜視図
【図6】本発明に係る携帯型学習教材表示装置の第2実施形態の装置主要部の構成を示すブロック図
【図7】本発明に係る携帯型学習教材表示装置の第2実施形態の主要動作を示すフローチャート
【図8】本発明に係る携帯型学習教材表示装置の第2実施形態が扱う教材データの構成例を示す模式図
【符号の説明】
【0097】
10,10B データ読込部
20 バッファ
30,30B データ判別部
40 表ディスプレイ表示部
50 裏ディスプレイ表示部
D1,D2,D3,D4,D5 データ
TG タグ情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも質問事項を表す第1のコンテンツと、質問事項の正解の内容を表す第2のコンテンツと、を含む学習教材のコンテンツを表示するために用いる携帯型学習教材表示装置であって、
装置筐体上の1つの面に配置され少なくとも文字列の情報を表示可能な主表示手段と、
前記装置筐体上で前記主表示手段とは異なる面に配置され少なくとも文字列の情報を表示可能な副表示手段と、
互いに関連性を有する前記第1のコンテンツと前記第2のコンテンツとを関連付けて管理すると共に、前記第1のコンテンツと前記第2のコンテンツとを識別し、前記第1のコンテンツのデータを前記主表示手段に出力し、同時に前記第1のコンテンツと対応付けられた前記第2のコンテンツを前記副表示手段に出力するデータ判別手段と、
を備える携帯型学習教材表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の携帯型学習教材表示装置であって、
前記主表示手段を前記装置筐体の正面側の面に配置し、前記副表示手段を前記装置筐体の背面側の面に配置した携帯型学習教材表示装置。
【請求項3】
請求項1記載の携帯型学習教材表示装置であって、
前記データ判別手段が、前記学習教材の情報を、少なくとも前記第1のコンテンツと前記第2のコンテンツとの区別を表す種別情報と、互いに対応する前記第1のコンテンツと前記第2のコンテンツとの組で構成される組コンテンツの複数個の区別を表す組ID情報と、で構成されるタグ情報を用いてそれぞれ管理する携帯型学習教材表示装置。
【請求項4】
請求項1記載の携帯型学習教材表示装置であって、
前記学習教材のコンテンツに前記質問事項を表す前記第1のコンテンツと、前記質問事項の正解の内容を表す前記第2のコンテンツと、前記質問事項に関連する説明を表す第3のコンテンツとが含まれている場合に、前記データ判別手段が、前記第1のコンテンツおよび前記第3のコンテンツを前記主表示手段に出力し、そして前記第2のコンテンツを前記副表示手段に出力する携帯型学習教材表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項記載の携帯型学習教材表示装置である携帯型無線電話端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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