説明

携帯型美容器具

【課題】耳等を正面から、十分な大きさで、簡単に、観察する組み合わせ鏡を提供すること。
【解決手段】複数の鏡1,2と、これらの鏡の面同士を一定または可変の角度でそれぞれの鏡の片側で保持する保持部より成り、かつ隣合う鏡を平面上に展開したときのそれぞれの任意の位置同士の距離が10cm以上30cm以下となる位置関係を含むべく構成され、該保持部に対して該隣合う鏡の面同士を結ぶ空間側が開いていることを特徴としている。また、耳たぶ掃除用具25は、ティッシュペーパー等の紙または布状の衛生用品を先端部を覆って使用する様に構成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型の美容器具に関する。この美容器具は携帯用の鏡および携帯用の耳たぶ掃除用具およびその組み合わせに関する。本発明の携帯用の鏡は、使用者が自身の耳・頭頂部・後頭部・上下あごの下・わきの下・下腹部・股間等の身体各部を観察する鏡の技術に関する。また本発明の携帯用の鏡は、身体の中でも頭頂部・耳・上下あごの下等、目視正面に対して略垂直な面を向いている身体各部を観察するのにトクに有用な鏡の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯型美容器具のひとつである携帯用の鏡では、市販されている自己の顔を観察することを主として意図した1枚の鏡や、鏡とその鏡面を不使用時に保護するカバーを組み合わせたものや、いわゆる2面鏡や3面鏡を小さくした携帯用のもの等が市販されている。
【0003】
一方で、洗面台に備え付けてある様な携帯型でない3面鏡では、左耳を左の鏡に向け、左鏡と右鏡の角度をうまく調整することにより、自己の耳を正面から観察することが可能である。
【0004】
従来の携帯用の鏡の分野で、自己の耳・後頭頚部・背中等の正面からの詳細な観察を実現したものが、組み合わせ鏡という名称で次の特許文献において出願されている。
【特許文献】 特開2002−360397号公報
【0005】
この組み合わせ鏡は、自己の耳・上下あごの下・後頭頚部・頭頂部等に合わせて背中の観察も可能であるとされ、本体鏡の背部に構成された収納部に着脱可能な第2の鏡を収納しており、使用時には第2の鏡は完全に本体鏡から自由に着脱して使用するものである。また実施例においては本体鏡には蝶番で接続したカバーが取り付けてあり、このカバーに本体鏡に対向する形で第3の鏡が取り付けてある。自己の耳・後頭頚部・背中等を自己観察する際には、本体鏡またはカバーに搭載した第3の鏡と、自由に着脱可能な第2の鏡を使って使用者がこれら2〜3枚の鏡の位置と角度を調節して使用するものである。
【0006】
また、携帯用の耳たぶ掃除用具に関しては、いわゆる耳かきというものは必ずしも美容器具の分類には入らないかもしれないが、外耳道を掃除する携帯型美容器具と解釈できないこともない。しかし、耳かきは明らかに耳たぶを掃除する様な目的で設計・製造・販売・購入・使用されるものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
簡単のために、本発明が正面から十分詳細に観察できる大きさで簡単に観察することを目的としている耳・頭頂部・後頭部・上下あごの下・股間肛門周辺部を総称して耳等と表現する。
【0008】
<課題1>耳等を正面から観察すること。
これらの携帯用の鏡は、自己の顔または斜め方向から見た自己の顔を観察することを主目的として設計されており、自己の耳等を正面から観察する様な設計にはなっていない。これは1枚の鏡ではまず不可能であるし、携帯用の2面鏡や3面鏡でも自己の耳等を正面から観察することが可能な様な鏡面の配置(中心の相対的位置と面同士の成す角度)は実現できていない。これは、自己の顔以外の部分、例えば耳・上下あごの下・後頭頚部・頭頂部を正面から詳細に観察する場合において実現できていない。これらの部位は目視正面に対して略垂直な面を向いていることを特徴としており、その幾何学的配置から原理的に1枚の鏡では正面から観察することが出来ない。また、目から観察部分の距離が少々離れてしまうが、肛門周辺部についても従来の携帯用の鏡では正面から観察することができない。
【0009】
<課題2>耳等を十分な大きさで観察すること。
携帯型でない3面鏡は、左右の鏡が離れているために、自己の耳等は小さい像でしか実現せず、自己の耳・上下あごの下・後頭頚部・頭頂部等を正面から詳細に観察することは困難である。また、肛門周辺部を正面から観察するには困難を極める。
【0010】
<課題3>耳等を簡単に観察できること。
特開2002−360397号公報に記載の組み合わせ鏡は、本発明の技術分野に記載した目的と同様に使用者自身の耳や後頭部を観察することを目的とし、本体鏡と自由に着脱可能な第2の鏡を使って使用者がこれら2枚の鏡の位置と角度を調節して使用するものである。しかし、この第2の鏡については、第1の鏡との自由な位置関係にあるために、原理的には2枚の異なる鏡を使用して耳等を観察する際と同様、耳等と2枚の鏡の位置・方向関係を調節かつ維持するのに非常に苦労を要する。
【0011】
<課題4>耳たぶを衛生的に、かつ効率よく、少ない費用で掃除すること
従来のいわゆる耳かきというものは、耳たぶ掃除機能としてははなはだ不十分である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題1〜3を解決するために、請求項1記載の携帯型美容器具は、複数の鏡と、これらの鏡の面同士を一定または可変の角度でそれぞれの鏡の片側で保持する保持部より成り、かつ隣合う鏡を平面上に展開したときのそれぞれの任意の位置同士の距離が10cm以上30cm以下となる位置関係を含むべく構成され、該保持部に対して該隣合う鏡の面同士を結ぶ空間側が開いていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項2記載の携帯型美容器具は、該複数の鏡および該保持部が略平面状の形状を成し、該隣合う鏡と該保持部が一定または可変の角度で保持される携帯用の鏡であることを特徴としている。
また、該隣合う鏡および該保持部の自己観察に使用しないときの角度が、略180度に開かれるかまたは略0度に折りたたまれるかのいずれかの保管角度となる携帯用の鏡であることを特徴としている。
【0014】
また、該隣合う鏡および該保持部が一定または可変の角度で自己観察に使用するときに、該角度において該鏡と該保持部が一定のトルクまたはストッパーで保持される携帯用の鏡であることを特徴としている。
【0015】
また、複数の鏡が2枚または3枚であり、保持部が1枚または2枚であることを特徴としている。
【0016】
また、鏡の大きさが60〜120mm×40〜80mmであり、保持部の長さが80〜160mmで固定または可変である携帯用の鏡であることを特徴としている。
【0017】
また、少なくとも1枚の鏡または1箇所の保持具に、鏡の面側に開いた空間を照明する照明装置を備える携帯用の鏡であることを特徴としている。
【0018】
また、該照明装置が、鏡または保持具から離れて折りたたみ式の照明装置保持具を介して設置されるか、鏡または保持具に対して鏡の面同士を結ぶ空間とは反対側に設置されているか、鏡間を結ぶ直線またはその延長線の方向に光線を遮断する遮蔽部材を備えている携帯用の鏡であることを特徴としている。
【0019】
また、保持部の一部が携帯電話またはデジタルカメラに取り付けられるか、携帯電話またはデジタルカメラに取り付けるための部材を含む携帯用の鏡であることを特徴としている。
【0020】
また、少なくとも1枚の鏡と、この鏡の面を一定または可変の角度で鏡の片側で保持する保持部より成り、保持部の一部が携帯電話またはデジタルカメラに取り付けられるか、携帯電話またはデジタルカメラに取り付けるための部材を含み、該携帯電話または該デジタルカメラのカメラにより該鏡に映った像を撮影するか、該携帯電話または該デジタルカメラの表示部に表示された画像を該鏡に反射して観察または記録することを特徴としている。
【0021】
また、該携帯電話またはデジタルカメラに取り付けるための部材がマジックテープ、磁石、クリップ、ばねばさみ、粘着体である携帯用の鏡であることを特徴としている。
【0022】
また、該照明装置が、携帯電話またはデジタルカメラの画像撮影用の照明装置を使用する携帯用の鏡であることを特徴としている。
【0023】
また、使用しないときまたは収納時に、該保持部または携帯電話またはデジタルカメラの本体が、鏡の鏡面を覆う様に構成される携帯用の鏡であることを特徴としている。
【0024】
また、少なくとも鏡の一部が拡大鏡になっている携帯用の鏡であることを特徴としている。
【0025】
上記課題4を解決するために、本発明による携帯型美容器具である耳たぶ掃除用具は、ティッシュペーパー等の紙または布状の衛生用品を先端部を覆って使用する様に構成されていることを特徴とする。
【0026】
また、棒状部分に支えられる先端部の、該棒状部分に垂直な方向から見た最先端部の輪郭形状および棒状部分の軸に垂直な断面の外形が3mm以上20mm以下の最大寸法を成す略円形または略楕円形または角を丸めた略長方形または略正方形または略菱形の略半分か全部を成し、棒状部分が断面外形が2mm以上20mm以下の棒部を成して全長3cm以上15cm未満で構成されるか、使用者の指をもって棒状部分とすべく先端部の最先端に対向する側に使用者の指を入れて固定可能ならしめる為の穴もしくは指を入れた際に広がる切れ目を有することを特徴としている。
【0027】
【0028】
また、該先端部が、先端部各部に分布的に加わる圧力に応じて弾性変形または粘弾性変形をする素材で構成されている耳たぶ掃除用具であることを特徴としている。
【0029】
また、ティッシュペーパー等の紙または布状の衛生用品を該先端部を覆う様に固定する突起または留め具を備えるか、または該衛生用品の該先端部を覆う部分を送るガイド機構を備えた耳たぶ掃除用具であることを特徴とする。
【0030】
また、本発明による携帯型美容器具である携帯用の鏡と耳たぶ掃除用具を組み合わせて構成されることを特徴とする。
【0031】
また、本発明による携帯型美容器具である携帯用の耳たぶ掃除用具を使って耳たぶの内側を掃除する際の手順を示した文章もしくはイラストを発明による携帯型美容器具である携帯用の鏡の保持部に記載していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明は次のような効果を奏する。
【0033】
請求項1に記載されている発明は、複数の鏡が、これらの鏡の面同士を一定または可変の角度でそれぞれの鏡の片側で保持する保持部より保持され、かつ隣合う鏡のそれぞれの任意の位置同士の距離が12cm以上20cm以下となる位置関係を含むべく構成され、該保持部に対して該隣合う鏡の面同士を結ぶ空間側が開いている様に構成されていることにより、すなわち、耳等を正面から・十分な大きさで・簡単に観察できるものである。特に耳・頭頂部・上下あごの下についてはこれらの部位は目視正面に対して略垂直な面を向いていることを特徴としており、その幾何学的配置から1枚の鏡では正面から観察することが出来ないこれらの部位を正面から・十分な大きさで・簡単に観察することができる。
【0034】
また、請求項13に記載されている発明は、少なくとも鏡の一部が拡大鏡になっていることにより、肛門周辺以外の耳等について、正面から・拡大したさらに十分な大きさで・簡単に観察できる。さらに肛門周辺について、正面から・十分な大きさで・簡単に観察できる。
【0035】
請求項2に記載されている発明は、該複数の鏡および該保持部が略平面状の形状を成し、該隣合う鏡と該保持部が一定または可変の角度で保持されることにより、従来の携帯用の手鏡と同様のコンパクトな構造を可能にし、耳等を正面から・十分な大きさで・簡単に観察するために補助的な効果を持つものである。
【0036】
請求項3に記載されている発明は、該隣合う鏡および該保持部の自己観察に使用しないときの角度が、略180度に開かれるかまたは略0度に折りたたまれるかのいずれかの保管角度となることにより、従来の携帯用の手鏡の一部に見られる折り畳み式の機能を持つことを可能にし、耳等を正面から・十分な大きさで・簡単に観察するために補助的な効果を持つものである。
【0037】
請求項4に記載されている発明は、該隣合う鏡および該保持部が一定または可変の角度で自己観察に使用するときに、該角度において該鏡と該保持部が一定のトルクまたはストッパーで保持されることにより、使用時に2枚の鏡および保持部の位置・角度が使用者の意図に反して動いてしまい耳等の目的部位を写せなくなることを防止し、耳等を正面から・十分な大きさで・簡単に観察するために補助的な効果を持つものである。
【0038】
請求項5に記載されている発明は、複数の鏡が2枚または3枚であり、保持部が1枚または2枚であることにより、目と正反対にある後頭部を、正面から・十分な大きさで・簡単に観察するために効果を持つものである。
【0039】
請求項6に記載されている発明は、鏡の大きさを60〜120mm×40〜80mmとし、保持部の長さを80〜160mmで固定または可変とすることにより、手の平やポケットに納まる程度から鞄に収納できる程度の十分な携帯性を保ちつつ、使用者自身の耳等の関心部位の必要最低限の十分な範囲を、正面から・必要最低限の十分な大きさで・簡単に観察するために効果を持つものである。なお、鏡の大きさをこれ以上大きくすると携帯性が損なわれ、これ以上小さくすると目的の部位の十分な範囲を観察できなくなる。また、保持部の長さをこれ以上短くすると、観察目的の部位を正面から観察することが困難になり、これ以上長くすると携帯性が損なわれるだけでなく、観察目的部位の像が小さくなるという問題が生じる。
【0040】
請求項7に記載されている発明は、少なくとも1枚の鏡または1箇所の保持具に、鏡の面側に開いた空間を照明する照明装置を備えることにより、照明の無い場所や、ロングヘアーで耳が隠れる様な使用者に対しても、十分な明るさで耳等、目的の部位を観察できる様にするものである。本発明によると、耳が隠れる様なロングヘアーの使用者でも、保持部もしくは、観察目的部位に近いほうの鏡を髪の毛と耳の間に差し込み、観察可能な各鏡の角度・位置を決めることにより、髪の毛がどかされる形になって耳の観察は可能である。ただし、その場合に、その使用場所の照明がうまく耳に当てられるという保証はないので、鏡または保持具に照明装置を備えることを考案したものである。
【0041】
請求項8に記載されている発明は、該照明装置が、鏡または保持具から離れて折りたたみ式の照明装置保持具を介して設置されるか、鏡または保持具に対して鏡の面同士を結ぶ空間とは反対側に設置されているか、鏡間を結ぶ直線またはその延長線の方向に光線を遮断する遮蔽部材を備えていることにより、目的部位を観察する際に、使用者の目に直接照明光が入るのを防ぐことにより、耳等を正面から・十分な大きさで・簡単に観察するために補助的な効果を持つものである。
【0042】
請求項9に記載されている発明は、保持部の一部が携帯電話またはデジタルカメラに取り付けられるか、携帯電話またはデジタルカメラに取り付けるための部材を含むこと、つまり携帯電話またはデジタルカメラが本発明による携帯型美容器具を兼用または一部を兼用することにより、耳等を正面から・十分な大きさで・簡単に観察するために補助的な効果を持つものである。
【0043】
請求項10に記載されている発明は、少なくとも1枚の鏡と、この鏡の面を一定または可変の角度で鏡の片側で保持する保持部より成り、保持部の一部が携帯電話またはデジタルカメラに取り付けられるか、携帯電話またはデジタルカメラに取り付けるための部材を含み、該携帯電話または該デジタルカメラのカメラにより該鏡に映った像を撮影するか、該携帯電話または該デジタルカメラの表示部に表示された画像を該鏡に反射して観察または記録すること、つまり携帯電話またはデジタルカメラが本発明による携帯型美容器具の少なくとも1枚の鏡の機能をカメラまたはディスプレイで代替することにより、耳等を正面から・十分な大きさで・簡単に観察するために補助的な効果を持つものである。
【0044】
請求項11に記載されている発明は、該携帯電話またはデジタルカメラに取り付けるための部材として、マジックテープ・磁石・クリップ・ばねばさみ・粘着体を使うこと、つまり携帯電話またはデジタルカメラが本発明による携帯型美容器具を兼用または一部を兼用するために取り付けのためにより簡便な部材を用いることにより、耳等を正面から・十分な大きさで・簡単に観察するために補助的な効果を持つものである。
【0045】
請求項12に記載されている発明は、該照明装置が、携帯電話またはデジタルカメラの画像撮影用の照明装置を使用することにより、耳等を正面から・十分な大きさで・簡単に観察するための補助的な効果を持つものである。
【0046】
請求項13に記載されている発明は、使用しないときまたは収納時に、該保持部または携帯電話またはデジタルカメラの本体が、鏡の鏡面を覆う様に構成することで鏡の面を保護することにより、耳等を正面から・十分な大きさで・簡単に観察するための補助的な効果を持つものである。
【0047】
請求項13に記載されている発明の効果は、既に記載している。
【0048】
請求項14に記載されている発明の効果は、鏡の一部を拡大鏡にすることで、耳・上下あごの下・後頭頚部・頭頂部を正面から拡大して観察可能にすると共に、距離が離れて観察しづらい肛門周辺部を正面から拡大して観察可能にするものである。
【0049】
請求項15〜17に記載されている発明は、耳たぶの内側を衛生的に、かつ効率よく、少ない費用で掃除することを可能にするものである。また、耳の付け根部分の掃除も同様に可能とするものである。
【0050】
請求項18に記載されている発明は、本発明による携帯型の耳たぶ掃除具を用いて耳たぶの内側を掃除する際に、本発明の携帯型の鏡により掃除する部位を確認することで、より確実に耳たぶの内側を掃除するものである。
【0051】
請求項19に記載されている発明は、使用者が直視できない耳たぶの掃除をする際に、その手順を文章またはイラストで示すことにより、耳たぶ掃除に注意を集中していない場合等でも、掃除忘れの部位や、同じ場所を2度以上にわたって過剰に掃除してしまうことを防止し、短時間に確実に耳たぶの掃除をすることを可能とするものである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下に本発明の携帯型美容器具の形態として、携帯用の鏡と耳たぶ掃除用具の実施例を示す。
【0053】
まず、図1に本発明の請求項1〜8、13、14に関する実施例を示す。図1に於いて、1および2は本発明の請求項1に関わる2枚の鏡Aと鏡B、3は鏡Aと鏡Bを保持する保持部、4および5は保持部に対して鏡Aおよび鏡Bが一定の角度範囲で旋回可能ならしめるための蝶番Aおよび蝶番B、7は照明装置で8は照明装置を保持する折りたたみ式アーム、9は折りたたみ式アームを一定の2次元の角度範囲で旋回かつ軸のまわりに回転可能ならしめるボールジョイントである。
【0054】
また、図2−1に本発明の請求項1〜8、13、14に関する実施例および本発明による携帯用の鏡の使用例を示す。図2−1において6は保持部3に対して鏡A1を任意の角度で固定するストッパー、6−1はストッパー6を一定の力で保持すると共にその力以上の力が加わったときにストッパー6がスライドする様にしたストッパー溝、11は、鏡A1から照明装置7の照明が見えないようにするために照明装置7のまわりに回転可能な様に取り付けてある遮蔽部材である。
【0055】
図1および図2−1に示した様に、複数の鏡A1と鏡B2は、蝶番A4および蝶番B5または必要に応じてストッパー6により一定または可変の角度でそれぞれの鏡の片側で保持する保持部3より保持され、かつ隣合う鏡の面同士を結ぶ空間側が開いており、さらに鏡A4または鏡B5と保持部3が平面を成し、隣合う鏡A1または鏡B2と保持部3が一定または可変の角度で保持されるものであり、この空間を使用者の目および観察したい自身の部位に位置づけることにより、耳等の観察部位を正面から・十分な大きさで・簡単に観察できるものである。
【0056】
本実施例においては、鏡は2枚であるが保持部の該空間側が鏡になっていてもよい。さらに、可変の角度を実現する機構として蝶番を例として示したが、この機構は鏡または保持部のどちらかが軸受けを持ちもう一方の軸受けに挟み込みこまれる軸を持ち、互いに保持し合う機構でも良いし、可変の角度を実現する機構であればどの様なものでも良い。
【0057】
また、角度を一時的に固定する機構としてストッパー6を示したが、これは前述の蝶番や軸・軸受けが、鏡や保持部により発生する重量やトルクに対しては固定されるが、手で容易に旋回可能な程度の適度な固さを持つものでも良いし、角度を一時的に固定する機構であればどの様なものでも良い。
【0058】
なお、これらの鏡の大きさは60〜120mm×40〜80mmの範囲のものであり、保持部の長さは80〜160mmの範囲のものが、使用者が自身の耳等の観察部位を正面から・十分な大きさで・簡単に観察できるものである。上記範囲というのは鏡の大きさがこの範囲内に内接するものからこの範囲を内接するものまでを含み、鏡または鏡を裏側で保持する裏板の形状がハート形や動物の形状等のものを含む。
【0059】
また、照明装置7が蝶番B5に固定されたボールジョイント9に接続する折りたたみ式アーム8に取り付けられているものである。この照明装置7は豆電球のようなランプでも良いが、白色のLEDが好適である。この照明装置7は図1および図2−1の双方により示される様に使用時に使用者の視界である鏡Aに映りこまない様に位置づけられているものである。さらに照明装置7は図1の様な折りたたみ式アーム8が無く蝶番B5に直接固定されていても、図2−1の様に遮蔽部材11により、鏡Aに映り込まない様に構成されるものである。この様に、照明装置7は目側の鏡にその光が映りこまない位置または照明方向であればどの様に配置されても良い。
【0060】
次に、図2−2および図2−3に本発明の請求項6による携帯用の鏡に関する実施例を示す。また図2−3は本発明の請求項3にも関する。図2−2において3−1および3−2は保持部3を互いにスライドする2枚の保持部Aおよび保持部Bに分割したものである。また、図3−2は蝶番A4と蝶番B5を完全に閉じて、携帯用の鏡全体を折りたたんだ状態を示すものである。図に示す様に保持部A3−1は保持部B3−2と鏡B2の厚み分蝶番の取り付け部分をL字形に張り出した構造になっているのが望ましい。保持部A3−1と保持部B3−2によるスライド機構は例えば片方にピンまたはレール状の突き出した構造をもち、もう片方にこれを包みこむ様なガイド状の構造を持つことで実現するが、スライドする機構であればどの様なものでも良い。またこのスライド機構には使用者の意図に応じた位置で固定できる様にストッパーが設けられてもよいし、一定以上の力でスライドする様なものでも良い。この様に保持部3を構成することにより、保持部の長さを可変にすることが可能であり、頭の大きな人や小さな人に可変に対応するだけでなく、折りたたんだ状態をよりコンパクトにするものである。
【0061】
また、図1および図2−3が示す様に使用しないときまたは収納時に、該保持部または携帯電話の本体は鏡の鏡面を覆う様に構成されている。また、図には示していないが、鏡Aまたは鏡Bのいずれかまたは双方を拡大鏡にすることにより、肛門付近等、使用者本人の目から離れた部位も拡大して観察が可能になる。この場合、拡大鏡側を目の方に持ってくるほうが良い。
【0062】
次に、図3に本発明の請求項9、11〜12に関する実施例を示す。図3は請求項1の概念を携帯電話を利用して実現するもので、3−3および3−4は本発明による携帯用の鏡を、本発明の構成によらない携帯電話13にとりつけるための固定部材であり、蝶番C4−1および蝶番D5−1は保持部C3−3および保持部D3−4を携帯電話に取り付けた状態で、鏡Aおよび鏡Bの角度を調整するためのもの、マジックテープ12は保持部A3−3および保持部B3−4を携帯電話13に固定するためのもので、使用者等により、携帯電話にも装着されることを前提にしている。この携帯電話に固定するための部材は磁石、クリップ、ばねばさみ、粘着体であってもよい。また、照明装置16は携帯電話に備えられたものを利用することができる。
【0063】
この様に構成することにより、耳等を正面から・十分な大きさで・簡単に観察するために補助的な効果を持つものである。
【0064】
次に、本発明の請求項10〜12に関する実施例を図4に示す。図4において、13は本発明の構成によらない携帯電話、12は携帯電話にとりつけるためのマジックテープであり、これは携帯電話側にも装着されていることを前提としている。5−2は蝶番Eである。15は携帯電話に備えられたカメラ、14は携帯電話にそなえられた液晶モニタである。この様に構成された携帯用の鏡において、図に示す様に、鏡に映った耳の像を携帯電話のカメラ15で撮影し、その画像を携帯電話の液晶モニタ14で観察するべく、本発明による携帯用の鏡を図の様にマジックテープで携帯電話に固定し、図の様に蝶番の角度と折りたたみ式携帯電話の角度をセットすることで、使用者が自己の耳を観察することができる。この場合、使用者は自己の耳を観察しつつ撮影してその画像を保存することもできる。この様にして、携帯電話またはデジタルカメラが本発明による携帯型美容器具の少なくとも1枚の鏡の機能をカメラまたはディスプレイで代替することにより、耳等を正面から・十分な大きさで・簡単に観察するために補助的な効果を持つものである。
【0065】
なお、図4に示した実施例に記載の携帯電話とはカメラとディスプレイの配置が異なる携帯電話に対しても、本発明の異なる構成によって同様の効果を得ることができることは言うまでもない。特に、カメラとディスプレイが反対側にある様な携帯電話に関しては、2枚の鏡を利用することで同様の効果を得ることができる。
【0066】
また、カメラで直接撮影し液晶モニタに表示された画像を本発明による携帯用の鏡に映して目視で観察することも同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、照明装置16は携帯電話に備えられたものを利用することができる。
【0068】
次に、本発明の請求項15〜16に関する携帯用の耳たぶ掃除用具25の実施例を図5に示す。図5において18はティッシュペーパー等をかぶせて耳たぶに当てるための弾性の樹脂またはスポンジ状の樹脂によりなる先端部、19は先端部を支えつつ全体を手指でつかむための棒部である。また、棒部19が無い構成においては先端部18の片側に切れ目20が入っており、指をここに入れて保持することが可能である。この様に構成された携帯用の耳たぶ掃除用具の先端部18にティッシュペーパー等をかぶせ、耳たぶの凹部に沿わせて拭くことにより、より簡便かつ効率よく耳たぶの掃除を行うものである。耳たぶ掃除の自然な方法としては、ティッシュ等を指の先にかぶせて同様の操作を行えば可能であるが、耳たぶをまめに掃除する様な人は、美容に関心のある女性である場合が多く、この場合その女性のつめの形状によってはこの作業は非常に困難である。さらに、つけづめやネールアート等をしている使用者の場合もこの自然な方法は不可能であり、この様な携帯用の耳たぶ掃除用具により、痛みもなく安全に安心して耳たぶの掃除を行うことが可能である。
【0069】
なお、この先端部20は、棒部19または指に垂直な方向から見た最先端部の輪郭形状および棒部19または指の軸に垂直な断面の外形が3mm以上20mm以下の最大寸法を成す略円形または略楕円形または角を丸めた略長方形または略正方形または略菱形の略半分か全部を成す様な形状であることが好ましい。この様な形状をとることで、耳たぶの凹部に自然に等しい圧力で優しく接することができる。また、狭い凹部と広い凹部に対して先端部の移動方向を90度まわすことで、凹部の幅に合った使い方が可能である。
【0070】
さらに、棒部19は、断面外形が2mm以上20mm以下で全長3cm以上15cm未満で構成されることが好適である。
【0071】
さらに、先端部18は、先端部各部に分布的に加わる圧力に応じて弾性変形または粘弾性変形をする素材で構成されていることが好適である。
【0072】
次に、本発明の請求項17に関する実施例を図6に示す。図6において、23は本発明構成外であるティシュペーパーで、使用者により、耳たぶ掃除用具の幅に合わせて細く切り取ったものを想定しているが、専用の細い幅のティッシュペーパーを巻き取ったリールから供給しても良い。21はティッシュペーパー23を引っ掛けるための突起、22はティッシュペーパーをその幅に合わせて保持し、先端部18に供給するためのガイドである。この様に構成することで、耳たぶの内側を衛生的に、かつ効率よく、少ない費用で掃除することを可能にするものである。また、耳の付け根部分の掃除も同様に可能とするとともに、例えば市販の大きさの1枚のティッシュペーパーを使用する場合であれば、それを有効に使用することができるものである。
【0073】
次に、本発明の請求以降17に関する実施例を図7に示す。図7において24は耳たぶ掃除用具25を固定するための留め具である。この様に携帯型美容器具である携帯用の鏡と耳たぶ掃除用具25を組み合わせることにより、単に観察するだけでなく、耳たぶの観察と掃除を同時に、簡便に、効率よく行うことを可能とするものである。
【0074】
最後に、本発明の請求項19に関する実施例を図8に示す。イラスト17は本発明による携帯用の鏡の保持部に表示されるイラストであり、本実施例では耳観察用のイラストとなっている。このイラストに示しているのは本携帯用の鏡で耳たぶの掃除を行う場合に、耳たぶの形状に合わせ、効率的な掃除方法の手順▲1▼▲2▼▲3▼と掃除の方向をイラスト中の矢印によって示すものである。このイラスト17は、耳掃除に神経を集中させずとも、掃除し忘れたり、同じ部位を何回も掃除することを防止し、簡単確実に耳たぶの掃除を遂行する助けとなるものである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】請求項1〜8、13、14に関する携帯用の鏡の基本構成となる実施例を示す。
【図2−1】請求項1〜8、13、14に関する携帯用の鏡の使用例と、請求項2、4、7、8の実施例であるストッパーおよび照明装置を示す。
【図2−2】請求項6に関する実施例である保持部のスライド機構を示す。
【図2−3】請求項3に関する実施例で、0度に閉じている状態を示す。
【図3】請求項9、11、12に関し、携帯電話を保持部として、さらに携帯電話の照明を照明装置として利用した実施例を示す。
【図4】請求項10〜12に関する実施例として、携帯電話のカメラにより本発明による携帯用の鏡に映った耳を撮影し、ディスプレイを使用者が観察するための構成例を示す。
【図5】請求項15〜16に関する耳たぶ掃除用具の実施例を示す。
【図6】請求項17に関する耳たぶ掃除用具に使用するティッシュペーパーのガイドの実施例を示す。
【図7】請求以降18に関する携帯用の鏡と耳たぶ掃除用具の組み合わせの実施例を示す。
【図8】請求項19に関する携帯用の鏡と耳たぶ掃除用具の組み合わせの際に好適な耳たぶ掃除の際の手順を描いたイラストの実施例を示す。
【符号の説明】
【0076】
1 鏡A
2 鏡B
3 保持部
3−1 保持部A
3−2 保持部B
3−3 保持部C
3−4 保持部D
4 蝶番A
4−1 蝶番C
5 蝶番B
5−1 蝶番D
5−2 蝶番E
6 ストッパー
6−1 ストッパー溝
7 照明装置
8 折りたたみ式アーム
9 ボールジョイント
10 スライド機構
11 遮蔽部材
12 マジックテープ
13 携帯電話
14 液晶モニタ
15 カメラ
16 (携帯電話の)照明装置
17 イラスト
18 先端部
19 棒部
20 切れ目
21 突起
22 ガイド
23 ティッシュペーパー
24 留め具
25 耳たぶ掃除用具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鏡と、これらの鏡の面同士を一定または可変の角度でそれぞれの鏡の片側で保持する保持部より成り、かつ隣合う鏡を平面上に展開したときのそれぞれの任意の位置同士の距離が10cm以上30cm以下となる位置関係を含むべく構成され、該保持部に対して該隣合う鏡の面同士を結ぶ空間側が開いていることを特徴とする美容器具。
【請求項2】
該複数の鏡および該保持部が略平面状の形状を成し、該隣合う鏡と該保持部が一定または可変の角度で保持されることを特徴とする請求項1記載の携帯型美容器具。
【請求項3】
該隣合う鏡および該保持部の自己観察に使用しないときの角度が、略180度に開かれるかまたは略0度に折りたたまれるかのいずれかの保管角度となることを特徴とする請求項2記載の携帯型美容器具。
【請求項4】
該隣合う鏡および該保持部が一定または可変の角度で自己観察に使用するときに、該角度において該鏡と該保持部が一定のトルクまたはストッパーで保持されることを特徴とする請求項2または3記載の携帯型美容器具。
【請求項5】
複数の鏡が2枚または3枚であり、保持部が1枚または2枚であることを特徴とする請求項2〜4記載のいずれかの携帯型美容器具。
【請求項6】
鏡の大きさが60〜120mm×40〜80mmであり、保持部の長さが80〜160mmで固定または可変である請求項1〜6記載の携帯型美容器具。
【請求項7】
少なくとも1枚の鏡または1箇所の保持具に、鏡の面側に開いた空間を照明する照明装置を備えた請求項1〜6記載のいずれかの携帯型美容器具。
【請求項8】
該照明装置が、鏡または保持具から離れて折りたたみ式の照明装置保持具を介して設置されるか、鏡または保持具に対して鏡の面同士を結ぶ空間とは反対側に設置されているか、鏡間を結ぶ直線またはその延長線の方向に光線を遮断する遮蔽部材を備えていることを特徴とする請求項7記載の携帯型美容器具。
【請求項9】
保持部の一部が携帯電話またはデジタルカメラに取り付けられるか、携帯電話またはデジタルカメラに取り付けるための部材を含むことを特徴とする請求項1〜8記載のいずれかの携帯型美容器具。
【請求項10】
少なくとも1枚の鏡と、この鏡の面を一定または可変の角度で鏡の片側で保持する保持部より成り、保持部の一部が携帯電話またはデジタルカメラに取り付けられるか、携帯電話またはデジタルカメラに取り付けるための部材を含み、該携帯電話または該デジタルカメラのカメラにより該鏡に映った像を撮影するか、該携帯電話または該デジタルカメラの表示部に表示された画像を該鏡に反射して観察または記録することを特徴とする携帯型美容器具。
【請求項11】
該携帯電話またはデジタルカメラに取り付けるための部材がマジックテープ、磁石、クリップ、ばねばさみ、粘着体であることを特徴とする請求項9または10記載の携帯型美容器具。
【請求項12】
該照明装置が、携帯電話またはデジタルカメラの画像撮影用の照明装置を使用することを特徴とする請求項9〜11記載のいずれかの携帯型美容器具。
【請求項13】
使用しないときまたは収納時に、該保持部または携帯電話またはデジタルカメラの本体が、鏡の鏡面を覆う様に構成された請求項1〜12記載のいずれかの携帯型美容器具。
【請求項14】
少なくとも鏡の一部が拡大鏡になっている請求項1〜13記載のいずれかの携帯型美容器具。
【請求項15】
棒状部分に支えられる先端部の、該棒状部分に垂直な方向から見た最先端部の輪郭形状および棒状部分の軸に垂直な断面の外形が3mm以上20mm以下の最大寸法を成す略円形または略楕円形または角を丸めた略長方形または略正方形または略菱形の略半分か全部を成し、棒状部分が断面外形が2mm以上20mm以下の棒部を成して全長3cm以上15cm未満で構成されるか、使用者の指をもって棒状部分とすべく先端部の最先端に対向する側に使用者の指を入れて固定可能ならしめる為の穴もしくは指を入れた際に広がる切れ目を有することを特徴とする先端部携帯型美容器具。
【請求項16】
該先端部が、先端部各部に分布的に加わる圧力に応じて弾性変形または粘弾性変形をする素材で構成されていることを特徴とする請求項15記載の携帯型美容器具。
【請求項17】
ティッシュペーパー等の紙または布状の衛生用品を該先端部を覆う様に固定する突起または留め具を備えるか、または該衛生用品の該先端部を覆う部分を送るガイド機構を備えたことを特徴とする請求項15または16記載の携帯型美容器具。
【請求項18】
請求項1〜14のいずれかの携帯型美容器具と請求項15〜17記載のいずれかの携帯型美容器具を組み合わせて構成される携帯型美容器具。
【請求項19】
請求項15〜17記載のいずれかの携帯型美容器具を使って耳たぶの内側を掃除する際の手順を示した文章もしくはイラストを請求項1〜14、18記載のいずれかの携帯型美容器具の保持部に記載していることを特徴とする請求項1〜14、18記載のいずれかの携帯型美容器具。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−219841(P2009−219841A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104113(P2008−104113)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(508111143)
【出願人】(508111154)
【Fターム(参考)】