説明

携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置および台紙なしラベル切断方法

【課題】安価かつ安全に製造および使用可能で、台紙なしラベルの切断に大きな力を必要とせず、台紙なしラベルの切断にあたってその幅方向での切断力を均一化し、切断開始から終了まで安定した切断性能を有する携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置および台紙なしラベル切断方法を提供すること。
【解決手段】台紙なしラベルの幅方向に往復動する切断コマ51を操作レバーからの連動機構52を介して作動させることに着目し、移送用無端ベルト上に移送されてくる台紙なしラベルの幅方向に往復動することにより台紙なしラベルを単葉のラベル片に切断可能な切断コマ51と、切断コマ51と操作レバーとを連動するリンクバー56を備えた連動機構52と、を有するとともに、切断コマ51による台紙なしラベルの切断動作中におけるこのリンクバー56の移送用無端ベルトの表面に対する傾斜角度の変化を小さくすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置および台紙なしラベル切断方法にかかるもので、とくに帯状の台紙なしラベルを装填して移送し、所望の被貼付け体に貼付け操作を行うための携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置および台紙なしラベル切断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯式ラベル貼付け機を用いて、各種商品その他の被貼付け体にラベルを貼り付け、商品の価格やその他必要な情報を表示することが行われている。
この携帯式ラベル貼付け機の使用にあたっては、ラベルをロール状に巻いた状態で、携帯式ラベル貼付け機における用紙ホルダーなどの保持部に装填保持するとともに、この用紙ホルダーからラベルを帯状に繰り出して、携帯式ラベル貼付け機内に挿通し、移送ないし印字する。
【0003】
携帯式ラベル貼付け機に装填するラベルとしては、帯状のラベル基材と、このラベル基材の裏面に設けた粘着剤層と、ラベル基材の表面に設けた剥離剤層と、を有する一方、台紙を持たない台紙なしラベルがあり、台紙なしラベルは、台紙を持たないことから省資源にも寄与することができる。
ただし、台紙なしラベルは台紙による裏打ちがないことから、その貼付けにあたって、所定のピッチで切断して単葉のラベル片とする必要がある。
すなわち、この台紙なしラベルを装填して使用する携帯式台紙なしラベル貼付け機において、機内に移送する帯状の台紙なしラベルを所定ピッチの部分で切断する機構が必要である。
【0004】
しかしながら、従来の携帯式台紙なしラベル貼付け機では、上記切断機構として、たとえば、焼き入れした一対のカッター刃を採用し、台紙なしラベルをその表裏面から挟み切る構造であった。
このような切断構造では、カッター刃そのものが高価であること、挟み切るための大きな力を必要とすること、カッター刃を支える強固な機体フレームが必要となること、したがって、重量も重くコスト高になること、さらにカッター刃自体が安全性に欠けること、などの諸問題がある。
【0005】
このような諸問題を解消するために、カッター刃を用いずに、台紙なしラベルの幅方向に切断コマを往復動することにより台紙なしラベルを押し切るように切断する方策が考えられる。
ただし、この方策の場合には、台紙なしラベルの切断開始時と切断終了時とで切断力が異なることは切断性能の点から望ましいものではなく、台紙なしラベルの幅方向全域において切断コマによる切断力をできるだけ均一にして切断性能の維持向上のための構成が要請されることになる。
【0006】
なおまた、あらかじめ販売促進情報や広告情報などを印刷したラベルを貼り付ける際には、印字部を設けず、操作レバーの操作のみで、ラベルを貼り付けることができるが、このように構成した携帯式台紙なしラベル貼付け機の場合であっても、台紙なしラベルの切断機構については同様の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−133259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、従来のようなカッター刃を用いずに安全に使用可能な携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置および台紙なしラベル切断方法を提供することを課題とする。
【0009】
また本発明は、高価なカッター刃を使わずに安価に製造可能な携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置および台紙なしラベル切断方法を提供することを課題とする。
【0010】
また本発明は、台紙なしラベルの切断に大きな力を必要とせず、機体フレームにもそれほど大きな強度を必要としない携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置および台紙なしラベル切断方法を提供することを課題とする。
【0011】
また本発明は、台紙なしラベルの切断にあたってその幅方向での切断力を均一化し、切断開始から終了まで安定した切断性能を有する携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置および台紙なしラベル切断方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち本発明は、台紙なしラベルの幅方向に往復動する切断コマを採用すること、この切断コマを操作レバーからの連動機構を介して作動させること、および移送用無端ベルト上を移送されてくる台紙なしラベルの幅方向における切断コマの台紙なしラベルへの切断力を均一化することに着目したもので、第一の発明は、左右一対の側板およびこの側板に形成したグリップと、このグリップとともに握持および解放する操作レバーと、この操作レバーの操作により台紙なしラベルを移送する移送ローラーと、この移送ローラーにより移送されてくる上記台紙なしラベルをさらに移送可能な移送用無端ベルトと、を有し、この移送用無端ベルトを通って上記側板の外部に移送されてきた上記台紙なしラベルを貼り付けるための携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置であって、上記移送用無端ベルト上に移送されてくる上記台紙なしラベルの幅方向に往復動することにより上記台紙なしラベルを単葉のラベル片に切断可能な切断コマと、この切断コマと上記操作レバーとを連動する連動機構と、を有し、この連動機構は、上記操作レバーに連動可能して上記切断コマを往復動可能とするリンクバーを有するとともに、上記切断コマによる上記台紙なしラベルの切断動作中におけるこのリンクバーの上記移送用無端ベルトの表面に対する傾斜角度の変化を小さくすることを特徴とする携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置である。
【0013】
第二の発明は、左右一対の側板およびこの側板に形成したグリップと、このグリップとともに握持および解放する操作レバーと、この操作レバーの操作により台紙なしラベルを移送する移送ローラーと、この移送ローラーにより移送されてくる上記台紙なしラベルをさらに移送可能な移送用無端ベルトと、を有し、この移送用無端ベルトを通って上記側板の外部に移送されてきた上記台紙なしラベルを貼り付けるための携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断方法であって、上記移送用無端ベルト上に移送されてくる上記台紙なしラベルの幅方向に往復動することにより上記台紙なしラベルを単葉のラベル片に切断可能な切断コマと、この切断コマと上記操作レバーとを連動する連動機構と、を設けるとともに、この連動機構には、上記操作レバーに連動可能して上記切断コマを往復動可能とするリンクバーを設け、上記操作レバーの握持により、このリンクバーを介して上記切断コマを上記台紙なしラベルの幅方向に往動させるとともに、上記切断コマによる上記台紙なしラベルの切断動作中においてこのリンクバーの上記移送用無端ベルトの表面に対する傾斜角度の変化を小さくするとともに、上記操作レバーの解放により、上記連動機構における上記リンクバーを介して上記切断コマを上記台紙なしラベルから離反させた状態で上記台紙なしラベルの幅方向に復動させて、元位置に復帰させることを特徴とする携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断方法である。
【0014】
上記移送用無端ベルトは、上記切断コマの円周先端部を上記台紙なしラベルを切り裂くように押し込み可能な横断凹部をその上面に形成している断面凹凸形状を呈していることができる。
【0015】
上記連動機構は、上記操作レバーの握持操作時に、上記台紙なしラベルを切断可能とし、上記操作レバーの解放操作時に、上記台紙なしラベルを上記移送用無端ベルト上において移送可能とすることができる。
【0016】
上記連動機構は、上記切断コマの往動切断動作時には、上記切断コマを上記台紙なしラベルに所定の押圧力で押し付け可能であるとともに、上記切断コマの復動非切断動作時には、上記切断コマを上記台紙なしラベルから離反可能とすることができる。
【0017】
上記連動機構は、上記側板に固定した第1のレール部材と、上記操作レバーに連結しているとともに、この第1のレール部材に沿って往復動する連結プレートと、この連結プレートに取り付けているとともに、上記移送用無端ベルトの幅方向に沿って延びる駆動用溝を形成した駆動用プレートと、この駆動用プレートの上記駆動用溝に係合し上記駆動用溝に沿って移動可能なプレート連動ピンを有するとともに、上記連結プレートの往復動に応じて動作する上記リンクバーと、上記リンクバーに連結して上記移送用無端ベルトの幅方向に沿って往復動可能であるとともに、上記切断コマを回転自在に取り付けてあるバースターブラケットと、このバースターブラケットを上記台紙なしラベルの幅方向にガイドする第2のレール部材と、この第2のレール部材に取り付けているとともに、上記リンクバーの上記プレート連動ピンが係合して移動可能な制御用溝を形成した制御用プレートと、を有することができる。
【0018】
上記連動機構は、上記切断コマの往動切断動作時には、上記制御用プレートの上記制御用溝に沿って上記リンクバーの上記プレート連動ピンを上記移送用無端ベルトの表面に沿って平行に移動可能として上記切断コマを上記台紙なしラベルに所定の押圧力で押し付け可能であるとともに、上記切断コマの復動非切断動作時には、上記切断コマを上記台紙なしラベルから離反可能とすることができる。
【0019】
上記駆動用プレートの上記駆動用溝は、上記プレート連動ピンを介して上記リンクバーが上記バースターブラケットを上記移送用無端ベルトに対して回動可能とする回動駆動溝部と、この回動駆動溝部に連続しているとともに、上記リンクバーが上記バースターブラケットの上記切断コマを往動切断動作に駆動する方向に上記移送用無端ベルトの表面に対して傾斜して形成した傾斜駆動溝部と、を有することができる。
【0020】
上記制御用プレートの上記制御用溝は、上記プレート連動ピンを介して上記リンクバーが上記バースターブラケットを上記移送用無端ベルトに対して回動可能とする回動制御溝部と、この回動制御溝部に連続しているとともに、上記リンクバーが上記バースターブラケットの上記切断コマを往動切断動作に駆動する方向に上記移送用無端ベルトの表面に沿って平行に形成した平行制御溝部と、を有することができる。
【0021】
上記連動機構の上記バースターブラケットは、上記移送用無端ベルトの幅方向に沿った往復動時に、上記台紙なしラベルの表面に対して押圧する第1の姿勢、およびこの押圧を解除する第2の姿勢にその姿勢を変えることができる。
【0022】
上記バースターブラケットは、上記リンクバーに連結したブラケット本体と、上記移送用無端ベルトの幅方向に沿って上記第2のレール部材に形成したガイド窓に沿って移動可能な支点ピンと、上記第2のレール部材のこのガイド窓の上方内壁面および下方内壁面に接離して上記バースターブラケットの姿勢をガイドする姿勢規制ピンと、上記移送用無端ベルトの幅方向に沿って上記第2のレール部材に形成した姿勢制御窓に離反および摺接する弾性突起と、を有することができる。
【0023】
上記バースターブラケットは、上記第2のレール部材の、上記移送用無端ベルトの幅方向における上記バースターブラケットの切断開始位置側に形成した非ブレーキ窓と、突起当接段部を介してこの非ブレーキ窓に連続して上記バースターブラケットの切断終了位置側に延びるように形成したブレーキ窓と、の間に臨む弾性突起を有することができる。
【0024】
上記台紙なしラベルには、上記移送ローラーに係脱する移送用スリットを所定ピッチで形成するとともに、上記切断コマは、この移送用スリットに沿って往動することにより上記台紙なしラベルを単葉のラベル片に切断可能であることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置および台紙なしラベル切断方法においては、操作レバーから連動機構のリンクバーを介して切断コマを移送用無端ベルト上の台紙なしラベルの幅方向に往復動させるようにするとともに、切断コマによる台紙なしラベルの切断動作中におけるリンクバーの移送用無端ベルトの表面に対する傾斜角度の変化を小さくするように規制したので、従来のような上下(表裏面)方向から挟み切るようなカッター刃を用いることなく、安全かつ小さな力で、かつ切断開始から切断終了まで均一な切断力ないし切断性能で安定した台紙なしラベルの切断を実行することができる。
【0026】
とくに第一の発明の携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置によれば、移送用無端ベルト上に移送されてくる台紙なしラベルの幅方向に往復動することにより台紙なしラベルを単葉のラベル片に切断可能な切断コマと、この切断コマと操作レバーとを連動してする連動機構と、を設けるとともに、連動機構のリンクバーの傾斜角度変化の規制という簡単な構成で、切断性能を維持して台紙なしラベルの切断を行うことができる。
【0027】
とくに第二の発明の携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断方法によれば、操作レバーの握持により連動機構を介して切断コマを台紙なしラベルの幅方向に極力均一な切断力で往動させて台紙なしラベルを切断し、操作レバーの解放により連動機構を介して切断コマを台紙なしラベルの幅方向に復動させて元位置に復帰させるようにしたので、カッター刃を上下方向からの挟み込む作用による切断作用とは異なって、より小さな力で、しかも安定して台紙なしラベルを切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例による台紙なしラベル切断装置9(図5、図6)を装備した携帯式台紙なしラベル貼付け機1の側面図である。
【図2】同、用紙ホルダー4およびプラテンユニット6を開放した状態の側面図である。
【図3】同、一方の側板2を取り除いた状態の概略側面図である。
【図4】同、プラテンユニット6の分解斜視図である。
【図5】同、操作レバー5、連動機構52および台紙なしラベル切断装置9の斜視図である。
【図6】同、台紙なしラベル切断装置9の分解斜視図である。
【図7】同、切断コマ51、連動機構52および移送用無端ベルト23の要部説明図であって、図7(1)は、切断コマ51による台紙なしラベル3の切断動作中の切断コマ51および連動機構52の要部側面図、図7(2)は、同、切断コマ51および移送用無端ベルト23の拡大正面図である。
【図8】同、切断コマ51、連動機構52および移送用無端ベルト23の要部説明図であって、図8(1)は、台紙なしラベル3の切断を終了して元位置に復帰する途中の切断コマ51および連動機構52の要部側面図、図8(2)は、同、切断コマ51および移送用無端ベルト23の拡大正面図である。
【図9】同、操作レバー5の解放状態における切断コマ51および連動機構52の側面図および横レール部材58の底面部の水平断面図である。
【図10】同、操作レバー5およびグリップ10がわずかに握持されて、バースターブラケット57の切断コマ51が台紙なしラベル3を押圧可能な第1の姿勢となった状態における切断コマ51および連動機構52の側面図および横レール部材58の底面部の水平断面図である。
【図11】同、操作レバー5およびグリップ10がさらにごくわずかに握持されて、台紙なしラベル3の切断が開始される状態における切断コマ51および連動機構52の側面図および横レール部材58の底面部の水平断面図である。
【図12】同、操作レバー5およびグリップ10を完全に握りきって切断コマ51による台紙なしラベル3の切断が完了した状態における切断コマ51および連動機構52の側面図および横レール部材58の底面部の水平断面図である。
【図13】同、操作レバー5が解放されて、切断コマ51が元位置に復帰を開始する状態における切断コマ51および連動機構52の側面図および横レール部材58の底面部の水平断面図である。
【図14】同、操作レバー5が解放されて、切断コマ51が元位置に復帰してゆく状態における切断コマ51および連動機構52の側面図および横レール部材58の底面部の水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、台紙なしラベルの幅方向に往復動する切断コマと、操作レバーからの駆動力を切断コマに伝達するとともに台紙なしラベルに対する切断コマの切断力を均一化可能な連動機構と、を設けたので、安価かつ安全で、比較的小さな力で台紙なしラベルを安定して切断することができる携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置および台紙なしラベル切断方法を実現した。
【実施例】
【0030】
つぎに本発明の実施例による携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置および台紙なしラベル切断方法を図1ないし図14にもとづき説明する。
図1は、携帯式台紙なしラベル貼付け機1の側面図、図2は、同、用紙ホルダー4およびプラテンユニット6を開放した状態の側面図、図3は、同、一方の側板2を取り除いた状態の概略側面図である。
携帯式台紙なしラベル貼付け機1は、左右(紙面表裏)一対の側板2と、台紙なしラベル3の用紙ホルダー4と、操作レバー5と、プラテンユニット6と、印字器7と、貼付けローラー8と、台紙なしラベル切断装置9(図5、図6)と、を有する。
【0031】
左右一対の側板2は、操作者が握持可能なグリップ10を一体に形成するとともに、このグリップ10に対してレバー軸11(図3)のまわりに操作レバー5を回動操作可能としている。
なお、操作レバー5とグリップ10との間には、任意の付勢部材、たとえばコイルスプリング12を設けて、操作レバー5をグリップ10に対して、図1に示すような常時(操作レバー5の解放時)離反状態に付勢可能としている。
操作者は、コイルスプリング12の付勢力に抗してグリップ10および操作レバー5を握持して携帯式台紙なしラベル貼付け機1内の印字器7および台紙なしラベル切断装置9を駆動するとともに、この握持操作を解放してプラテンユニット6により台紙なしラベル3を一ピッチ分だけ移送後、携帯式台紙なしラベル貼付け機1の貼付けローラー8による台紙なしラベル3の貼付け操作を行うことになる。
【0032】
台紙なしラベル3は、これをロール状に巻いて用紙ホルダー4に保持するとともに、操作レバー5の操作にともなって、プラテンユニット6により印字器7方向に台紙なしラベル3を帯状に繰り出し、プラテンユニット6の先端部でプラテンユニット6から台紙なしラベル3を分離し、貼付けローラー8により台紙なしラベル3を被貼付け体(図示せず)に貼り付け可能とする。
ただし、台紙なしラベル3には所定ピッチで移送用スリット3Aなどを形成し、プラテンユニット6上を移送する際に、後述する台紙なしラベル切断装置9により、帯状の台紙なしラベル3から単葉のラベル片3Bとすることができる。
なお、移送用スリット3Aに合わせて台紙なしラベル3の両端側から内方部に向かって任意の数の切り目から構成したミシン目3Cを形成し、台紙なしラベル切断装置9による切断作用を容易にすることができる。
【0033】
用紙ホルダー4は、側板2の上面に設けたホルダー軸13のまわりに側板2に対して開閉回動可能とした断面半円弧状のホルダーカバー14と、このホルダーカバー14の内部に設けたラベル保持軸15と、側板2への固定用フック16(図2)と、を有し、ラベル保持軸15にロール状の台紙なしラベル3を装填保持可能としてある。
【0034】
図4は、プラテンユニット6の分解斜視図であり、プラテンユニット6は、用紙ホルダー4から帯状に繰り出された台紙なしラベル3をその上面に移送するもので、プラテンフレーム17と、移送ローラー18と、押付けエレメント19と、を有し、移送ローラー18と押付けエレメント19との間を接離可能とする。
【0035】
プラテンフレーム17は、側板2に設けたプラテン開閉軸20のまわりにこれを回動可能とし、側板2に対してプラテンユニット6全体を開閉し、台紙なしラベル3の挿通装填を可能とする。
プラテンフレーム17は、駆動ギア21および従動ギア22と、これら駆動ギア21および従動ギア22のまわりに掛け回した移送用無端ベルト23と、を備えており、駆動ギア21が移送ローラー18のローラーギア24に係合する。
移送用無端ベルト23は、移送ローラー18により移送されてくる台紙なしラベル3をさらに移送可能であって、その表面は、台紙なしラベル3の裏面(糊面)が接触移送されるため、非粘着性の物性を有するシリコーンあるいはフッ素系のゴム材からこれを構成するか、剥離剤などを塗布しておく。
また、このプラテンフレーム17に組み込まれた移送用無端ベルト23は、印字器7による台紙なしラベル3への押印動作の受け台、さらには台紙なしラベル切断装置9による台紙なしラベル3の切断の切断動作の受け台ともなるもので、その内方において印字器7に対向する受圧用プレート(図示せず)を配置してある。
なお、プラテンフレーム17の先端側の左右には、一対の係脱ローラー25を突出形成し、側板2に設けた開閉用つまみ26(図1、図2)に連動してつまみ軸27(図3)のまわりに回動する開閉用係脱片28の係脱用凹部28Aに係脱可能としてある。ただし、つまみ軸27には任意のバネ材(図示せず)を設けて、開閉用係脱片28が係脱ローラー25に係合する方向にこれを付勢している。
すなわち、開閉用つまみ26は、係脱ローラー25に係脱する開閉用係脱片28を操作して、プラテンユニット6と開閉用係脱片28とを互いに係脱可能としている。
【0036】
図3および図4を参照して、移送ローラー18は、プラテンフレーム17に設けたローラー軸29のまわりに移送方向に所定ピッチでこれを回転可能としてある。
操作レバー5のレバー軸11の下方部に延びる連結アーム30の連結軸31に、移送回動用爪32を往復動可能に取り付けてあり、この移送回動用爪32が移送ローラー18におけるローラーギア24の側面に放射状に設けた複数個の移送用突起33それぞれに係脱可能である。
【0037】
かくして、操作レバー5をグリップ10とともに握持および解放することにより、連結アーム30、移送回動用爪32およびローラーギア24などを介してローラー軸29のまわりに移送ローラー18を所定ピッチだけ回転して台紙なしラベル3を移送可能とするとともに、移送ローラー18のローラーギア24と駆動ギア21との連結係合により移送用無端ベルト23を回転させて台紙なしラベル3をその上面に移送可能である。
【0038】
さらに移送ローラー18は、その中央円周溝34の左右に所定ピッチで左右一対の移送用爪35を突出形成し、移送用爪35の外周側に左右一対の外周円周溝36を形成してあり、この移送用爪35を台紙なしラベル3の移送用スリット3Aに係脱可能としている。
なお、操作レバー5には、その先端側に二股状のヨーク部5Aを有し、このヨーク部5Aに印字器7(図1)を取り付けている。
【0039】
とくに図4に示すように、押付けエレメント19は、移送ローラー18に台紙なしラベル3を押し付けるためのものであり、エレメントフレーム37と、上下左右二対のバックアップローラー38と、バックアップローラー38の間で中央に位置するバックアップリング39と、ねじりコイルバネ40および左右一対の板バネ41(付勢部材)と、を有する。
ねじりコイルバネ40および左右一対の板バネ41は、プラテンユニット6が開閉用係脱片28(図3)から離脱したときに、移送ローラー18と押付けエレメント19とを互いに離反させる付勢部材として機能し、押付けエレメント19から移送ローラー18を離反させ、その間に台紙なしラベル3を挿通可能とする間隙42(図3)を形成可能とする。
ただし、プラテンフレーム17は、係脱ローラー25と開閉用係脱片28との係合により、ねじりコイルバネ40および板バネ41の付勢力に抗して側板2にこれを固定可能としている。
エレメントフレーム37は、移送ローラー18の円周部に対向する左右一対の支持フレーム43と、支持フレーム43から外方にまたがるように出た左右一対の拡幅フレーム44と、支持フレーム43に設けるとともにバックアップローラー38およびバックアップリング39を取り付ける上下一対の回転軸45と、を有する。
【0040】
バックアップローラー38およびバックアップリング39は、台紙なしラベル3の裏面(糊面)が接触移送されるため、非粘着性の物性を有するシリコーンあるいはフッ素系のゴム材からこれを構成するか、剥離剤などを塗布しておくもので、台紙なしラベル3を移送ローラー18側に押し付け可能である。
また、バックアップローラー38およびバックアップリング39は、台紙なしラベル3の糊面に線接触するため、糊面との粘着力を極力小さくすることができるとともに、所定のバネ弾性をもった押付けが可能である。
バックアップローラー38は、移送ローラー18の移送用爪35の外周部の外周円周溝36に接触回転するとともに、バックアップリング39が、移送ローラー18の移送用爪35の内周部の中央円周溝34に接触回転することにより、移送ローラー18と押付けエレメント19との間に台紙なしラベル3を挟持しつつ、また、移送用爪35が台紙なしラベル3の表面側からその移送用スリット3Aに係合し移送ローラー18の回転によって台紙なしラベル3を移送用無端ベルト23上に送り出す。
【0041】
ねじりコイルバネ40は、エレメントフレーム37における一方の支持フレーム43の外壁面に、移送ローラー18と押付けエレメント19との間において、間隙42からは側方にずれた位置に設けたバネ取付け軸46にこれを取り付けてあり、プラテンフレーム17の内壁面に設けた第1のバネ受け47と、上記一方の支持フレーム43に設けた第2のバネ受け48との間にこれを配置し、プラテンフレーム17(プラテンユニット6)全体を押付けエレメント19に対して常時開放方向(図3)に付勢する。
板バネ41は、移送ローラー18とは反対側の支持フレーム43の背面にこれを取り付け、操作レバー5のレバー軸11部分に当接して、ねじりコイルバネ40と協動して、プラテンフレーム17(プラテンユニット6)全体を押付けエレメント19に対して常時開放方向(図3)に付勢する。
【0042】
支持フレーム43は、その外方に位置している拡幅フレーム44との間に連結アーム30からの移送回動用爪32を往復動可能に配置している。
拡幅フレーム44は、プラテンフレーム17の外壁面に設けたエレメント軸49(図4)のまわりにプラテンフレーム17に対してこれを回動可能としてあり、プラテンユニット6において押付けエレメント19に対してプラテンフレーム17を相対的に開閉可能としている。
したがって、押付けエレメント19は、プラテンフレーム17に設けたエレメント軸49のまわりにこれを回動可能となっている。
【0043】
印字器7は、操作レバー5における二股状のヨーク部5Aの先端部側にこれを取り付け、インキローラー50(図1)により印字器7の活字にインキを塗布し、プラテンユニット6における移送用無端ベルト23の上面に移送されてきた台紙なしラベル3(ラベル片3B)に所定の情報を印字する。
【0044】
貼付けローラー8は、側板2の先端下方部に位置し、プラテンユニット6における移送用無端ベルト23の先端部分で移送用無端ベルト23から剥離されたラベル片3Bを、携帯式台紙なしラベル貼付け機1全体の貼付け操作にともなって、貼付けローラー8によるラベル片3Bを被貼付け体に貼り付ける。
すなわち、貼付けローラー8は、側板2の端部(図1中、左端下方端部)に位置するとともに、その円周部の一部が側板2の外部に露出しており、側板2の外部に排出するようにプラテンユニット6およびその移送用無端ベルト23を通って側板2の外部に移送されてきたラベル片3Bを、貼付けローラー8を被貼付け体に打ち付けるようにして回転させることにより、被貼付け体に貼り付け可能とする。
【0045】
図5は、操作レバー5および台紙なしラベル切断装置9の斜視図、図6は、台紙なしラベル切断装置9の分解斜視図である。
台紙なしラベル切断装置9は、切断コマ51(図6)と、連動機構52と、を有する。
切断コマ51は、移送用無端ベルト23上に移送されてくる台紙なしラベル3の幅方向に移送用スリット3Aおよびミシン目3Cに沿って往復動することにより台紙なしラベル3を単葉のラベル片3Bに切断可能である。
切断コマ51の材料としては、所定の剛性および非粘着性を有することが望ましく、たとえばポリアセタール(POM)を採用可能であり、必要であればシリコーンやフッ素系のコーティング剤(剥離剤)などを塗布したポリカーボネート(PC)やアクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)なども採用することができる。
連動機構52は、切断コマ51と操作レバー5とを連動する。
【0046】
図7および図8は、切断コマ51、連動機構52および移送用無端ベルト23の要部説明図であって、図7(1)は、切断コマ51による台紙なしラベル3の切断動作中の切断コマ51および連動機構52の要部側面図、図7(2)は、同、切断コマ51および移送用無端ベルト23の拡大正面図、図8(1)は、台紙なしラベル3の切断を終了して元位置に復帰する途中の切断コマ51および連動機構52の要部側面図、図8(2)は、同、切断コマ51および移送用無端ベルト23の拡大正面図である。
とくに図5および図6に示すように、連動機構52は、側板2に固定した縦レール部材53(第1のレール部材)と、連結プレート54と、駆動用プレート55と、リンクバー56と、バースターブラケット57と、横レール部材58(第2のレール部材)と、左右一対の制御用プレート59と、を有する。
【0047】
縦レール部材53は、一方の側板2の内壁面にこれを固定してあり、その中央部に縦ガイド溝60を形成し、この縦ガイド溝60内に連結プレート54を上下往復動可能に組み付けている。
【0048】
連結プレート54は、操作レバー5に連結しているとともに、縦レール部材53に沿って往復動するもので、操作レバー5の一方のヨーク部5Aに形成したヨーク連結孔61(図5)に嵌め込むレバー連結ピン62を有するとともに、レバー連結ピン62の下方部に側板2に沿って縦方向に駆動用プレート55を一体形成しており、操作レバー5(ヨーク部5A)からの駆動力をリンクバー56に伝達可能とする。
【0049】
駆動用プレート55は、移送用無端ベルト23の幅方向に沿って延びる上方から下方への傾斜状の駆動用溝63を形成している。
なお、リンクバー56の上端側(連結プレート54側)には、プレート連動ピン64を取り付けてあり、プレート連動ピン64の軸中央部64Aが駆動用溝63に係合して摺動可能である。
駆動用溝63は、その先端部側(図6中、右側)から基端部側(連結プレート54側)に向かって下方に(移送用無端ベルト23側に)傾斜するようにこれを形成しているもので、操作レバー5の握持操作により連結プレート54および駆動用プレート55が移送用無端ベルト23に向かって下降する際にプレート連動ピン64およびリンクバー56を駆動する。
ただし駆動用溝63は、基端部側の回動駆動溝部63Aと、回動駆動溝部63Aに連続している傾斜駆動溝部63Bと、を有する。
回動駆動溝部63Aは、操作レバー5の解放状態から握持開始時にプレート連動ピン64が係合する溝領域で、操作レバー5のさらなる握持によりプレート連動ピン64を介してリンクバー56がバースターブラケット57を移送用無端ベルト23に対してその姿勢を台紙なしラベル3の表面に対してその切断コマ51を押圧可能な第1の姿勢(図7、図10、図11、図12、後述)、および切断コマ51による台紙なしラベル3への押圧を解除可能な第2の姿勢(図8、図9、図13、図14、後述)にその姿勢を変化させるように回動可能とする。
傾斜駆動溝部63Bは、操作レバー5をさらに握持したときにプレート連動ピン64を介してリンクバー56をさらに駆動して、バースターブラケット57が上記第1の姿勢を取った状態で切断コマ51による台紙なしラベル3の切断動作を行わせる溝領域で、リンクバー56がバースターブラケット57の切断コマ51を往動切断動作に駆動する方向に移送用無端ベルト23の表面に対してこれを傾斜して形成している。
【0050】
リンクバー56は、上述のように、駆動用プレート55の駆動用溝63に係合し駆動用溝63に沿って移動可能なプレート連動ピン64を有するとともに、連結プレート54の往復動に応じて動作するもので、縦レール部材53と横レール部材58との間に傾斜した姿勢で位置しており、プレート連動ピン64とは反対側の端部に、バースターブラケット57と連結するブラケット連結ピン65を設けている。
【0051】
バースターブラケット57は、ブラケット連結ピン65を介してリンクバー56にこれを連結して移送用無端ベルト23の幅方向に沿って横レール部材58内において往復動可能であるとともに、切断コマ51を回転自在に取り付けてあるもので、ブラケット本体66と、左右一対の支点ピン67と、左右一対の姿勢規制ピン68と、左右一対の弾性突起69と、を有する。
ブラケット本体66には、バー連結孔70を形成し、このバー連結孔70にリンクバー56のブラケット連結ピン65を嵌め込んで、ブラケット本体66にリンクバー56を連結する。したがって、リンクバー56を縦レール部材53および横レール部材58の間に傾斜した状態で稼働させることにより、バースターブラケット57(切断コマ51)を台紙なしラベル3の幅方向に往復動させることができる。
【0052】
横レール部材58は、バースターブラケット57を台紙なしラベル3の幅方向にガイドするとともにその動作範囲を規制するもので、縦レール部材53に対して直角に移送用無端ベルト23の上部に位置するように移送用無端ベルト23の幅方向に沿ってこれを配置し、バースターブラケット57の支点ピン67および姿勢規制ピン68が案内されるガイド窓71をその左右側壁面に開口形成している。
すなわち、支点ピン67および姿勢規制ピン68は、横レール部材58に形成したガイド窓71に沿って移動可能である。
姿勢規制ピン68は、ガイド窓71の上方内壁面71Aおよび下方内壁面71Bに接離してバースターブラケット57の姿勢、ないし切断コマ51の台紙なしラベル3に対する接離(押付けおよび離反)態勢を規制する。
【0053】
さらに、横レール部材58の底面部には、図9ないし図14の水平断面図に示すように、移送用無端ベルト23の幅方向に沿って姿勢制御窓72を開口形成している。
図9は、操作レバー5の解放状態における切断コマ51および連動機構52の側面図および横レール部材58の底面部の水平断面図である。
図10は、操作レバー5およびグリップ10がわずかに握持されて、バースターブラケット57の切断コマ51が台紙なしラベル3を押圧可能な第1の姿勢となった状態における切断コマ51および連動機構52の側面図および横レール部材58の底面部の水平断面図である。
図11は、操作レバー5およびグリップ10がさらにごくわずかに握持されて、台紙なしラベル3の切断が開始される状態における切断コマ51および連動機構52の側面図および横レール部材58の底面部の水平断面図である。
図12は、操作レバー5およびグリップ10を完全に握りきって切断コマ51による台紙なしラベル3の切断が完了した状態における切断コマ51および連動機構52の側面図および横レール部材58の底面部の水平断面図である。
図13は、操作レバー5が解放されて、切断コマ51が元位置に復帰を開始する状態における切断コマ51および連動機構52の側面図および横レール部材58の底面部の水平断面図である。
図14は、操作レバー5が解放されて、切断コマ51が元位置に復帰してゆく状態における切断コマ51および連動機構52の側面図および横レール部材58の底面部の水平断面図である。
【0054】
とくに図9の水平断面図に示すように、姿勢制御窓72は、横レール部材58の、移送用無端ベルト23の幅方向におけるバースターブラケット57の切断開始位置側に形成した非ブレーキ窓72Aと、互いの境界である突起当接段部72Bを介して非ブレーキ窓72Aに連続してバースターブラケット57の切断終了位置側に延びるように形成したブレーキ窓72Cと、からなる。
バースターブラケット57の下方に位置する切断コマ51および弾性突起69が、姿勢制御窓72(非ブレーキ窓72Aとブレーキ窓72C)に臨んで往復動するとともに、非ブレーキ窓72Aおよびブレーキ窓72Cに離反および摺接することになる。
ただし、左右の弾性突起69の姿勢制御窓72に組み付けられていない状態すなわち、非ブレーキ窓72Aに臨んでいるフリーな状態の幅Hは、非ブレーキ窓72Aの幅W1と、ブレーキ窓72Cの幅W2との間にある(W2<H<W1)。
なお、バースターブラケット57の弾性突起69は、姿勢制御窓72の壁面に離反および摺接するが、とくに図10から図11の水平断面図に示すように、リンクバー56の下降にともなって弾性突起69が突起当接段部72Bに当接した時に、この弾性突起69がバースターブラケット57全体の支点となってバースターブラケット57の姿勢を、切断コマ51が台紙なしラベル3を切断可能な第1の姿勢に回動させる(後述)。
【0055】
なお、とくに図5に示すように、横レール部材58の底部にはラベル押付け部材73を固定し、このラベル押付け部材73の底部にラベル押付けプレート74を取り付けてあって、移送用無端ベルト23に移送されてきた台紙なしラベル3をラベル押付けプレート74の底面により移送用無端ベルト23の上面方向に押し付け可能として台紙なしラベル3の浮上がりを防止し、台紙なしラベル切断装置9による台紙なしラベル3の切断作用を確実化している。
【0056】
とくに、図7(2)および図8(2)に示すように、移送用無端ベルト23は、切断コマ51の円周先端部51Aを台紙なしラベル3を切り裂くように押し込み可能な横断凹部23Aをその上面に形成している断面凹凸形状を呈している。
さらに、この円周先端部51Aのテーパー形状は、移送用無端ベルト23における横断凹部23Aのテーパー形状と同等にしてある。
【0057】
とくに図6に示すように、制御用プレート59は、横レール部材58および縦レール部材53にかけてそれぞれに直交してこれを取り付けているとともに、リンクバー56のプレート連動ピン64の左右一対の軸端部64Bが係合して移動可能な制御用溝75を形成している。
制御用溝75は、縦レール部材53側の回動制御溝部75Aと、回動制御溝部75Aに連続している平行制御溝部75Bと、を有する。
回動制御溝部75Aは、操作レバー5の解放状態から握持開始時にプレート連動ピン64が駆動用プレート55における駆動用溝63の回動駆動溝部63Aとともに係合する溝領域で、プレート連動ピン64を介してリンクバー56がバースターブラケット57を移送用無端ベルト23に対してその姿勢を台紙なしラベル3の表面に対してその切断コマ51を押圧する第1の姿勢(図7)および切断コマ51による台紙なしラベル3への押圧を解除する第2の姿勢(図8)にその姿勢を変化させるように回動可能とする。
平行制御溝部75Bは、操作レバー5をさらに握持したときにプレート連動ピン64を介してリンクバー56をさらに駆動して切断コマ51による台紙なしラベル3の切断動作を行わせる溝領域で、リンクバー56がバースターブラケット57の切断コマ51を往動切断動作に駆動する方向に移送用無端ベルト23の表面に沿って平行に形成してある。
【0058】
かくして連動機構52は、切断コマ51の往動切断動作時には、制御用プレート59の制御用溝75に沿ってリンクバー56のプレート連動ピン64を移送用無端ベルト23の表面に沿って平行に移動可能として切断コマ51を台紙なしラベルに所定の押圧力で押し付け可能であるとともに、切断コマ51の復動非切断動作時には、切断コマ51を台紙なしラベルから離反可能とする。
すなわち、操作レバー5の握持により、連動機構52における駆動用プレート55の駆動用溝63にリンクバー56のプレート連動ピン64を摺動させるとともに、制御用プレート59の制御用溝75にリンクバー56のプレート連動ピン64を移送用無端ベルト23の表面に対して平行に摺動させ、バースターブラケット57の切断コマ51を横レール部材58に沿って台紙なしラベルの幅方向に往動させて、台紙なしラベルを切断し、操作レバー5の解放により、連動機構52におけるリンクバー56を介してバースターブラケット57の切断コマ51を台紙なしラベルから離反させた状態で台紙なしラベルの幅方向に復動させて、元位置に復帰させる。
【0059】
こうした構成の携帯式台紙なしラベル貼付け機1および台紙なしラベル切断装置9において、開閉用つまみ26を操作し、開閉用係脱片28の係脱用凹部28Aと係脱ローラー25との間の係合を解除することにより、プラテンユニット6を側板2に対して開放すると、板バネ41を介してレバー軸11ないしは側板2からの反力を受けて、ねじりコイルバネ40が押付けエレメント19から移送ローラー18部分を離反させ、移送ローラー18と押付けエレメント19との間が最大限に開いて間隙42が形成される。
したがって、移送ローラー18の円周部における中央円周溝34、移送用爪35および外周円周溝36と、押付けエレメント19のバックアップローラー38およびバックアップリング39との間に形成される間隙42の部分に台紙なしラベル3の先頭部を挿通することができる。
ついで、プラテンユニット6を図1の状態に閉鎖して、開閉用係脱片28の係脱用凹部28Aと係脱ローラー25とを係合させ、操作レバー5およびグリップ10を何回か握持して、台紙なしラベル3の移送用スリット3Aに移送用爪35を係合させれば、台紙なしラベル3の移送を可能として装填を完了する。
【0060】
プラテンユニット6を閉鎖した状態の携帯式台紙なしラベル貼付け機1において、操作レバー5およびグリップ10を握持することにより、印字器7が移送用無端ベルト23上の台紙なしラベル3に印字を行うとともに、移送回動用爪32が移送ローラー18におけるローラーギア24の移送用突起33から隣りの(図3中、左側の)移送用突起33側に移行し、ついで操作レバー5の解放によって、移送回動用爪32がこの移送用突起33を前方に(図3中、右方向に)回動させて、移送ローラー18を所定ピッチで回動して台紙なしラベル3を移送する。
さらに移送ローラー18に係合している駆動ギア21が回動することにより移送用無端ベルト23を回動させて、その上面の台紙なしラベル3を側板2の外方に送り出し可能とする。
移送用無端ベルト23の先頭部(下流側)において側板2の外方に送り出された台紙なしラベル3のラベル片3Bを貼付けローラー8により所定の被貼付け体に貼り付けることができる。
【0061】
上述のような台紙なしラベル3の印字および移送にともなって、操作レバー5およびグリップ10の握持により、台紙なしラベル切断装置9による台紙なしラベル3の切断が行われる。
台紙なしラベル切断装置9による台紙なしラベル3の切断工程を図9ないし図14にもとづき、以下説明する。
図9に示すように、操作レバー5を解放した状態では、コイルスプリング12(図3)による操作レバー5のヨーク部5Aからの引き上げ力により、連動機構52における連結プレート54が縦レール部材53の縦ガイド溝60内で最上位に位置している。
したがって、連結プレート54および駆動用プレート55からリンクバー56を介して、バースターブラケット57が支点ピン67のまわりに反時計方向にわずかに回動し、姿勢規制ピン68が横レール部材58のガイド窓71の上方内壁面71Aに当接している結果、図8に示すように、ブラケット本体66が切断コマ51が台紙なしラベル3の表面からわずかに上方に離反している状態(第2の姿勢)にある。
また、図9の水平断面図に示すように、横レール部材58の姿勢制御窓72においては、バースターブラケット57の弾性突起69が非ブレーキ窓72A内に位置して突起当接段部72Bにわずかに当接しているとともに、切断コマ51はブレーキ窓72Cの部位に臨んでいる。
【0062】
図10に示すように、操作レバー5およびグリップ10が握持されて、ヨーク部5Aからの駆動力(矢印A1)が連結プレート54からリンクバー56に伝達され、リンクバー56は制御用プレート59に制御されつつ、その姿勢規制ピン68が支点ピン67のまわりに時計方向にわずかに回動して(矢印A2)、下方内壁面71Bに当接し、切断コマ51が移送用無端ベルト23上の台紙なしラベル3より下方の横断凹部23Aに入り込むことができるレベル位置に下がる(第1の姿勢)。
ただし、図10の水平断面図において一部を拡大して示すように、姿勢制御窓72内においてバースターブラケット57は、わずかに後退位置(図10中左方位置)に一度後退する結果、弾性突起69が突起当接段部72Bからわずかに離れる。
操作レバー5およびグリップ10のさらなるわずかな握持(矢印A3、図11)により、図11の水平断面図に示すように、弾性突起69が非ブレーキ窓72Aとブレーキ窓72Cとの間の突起当接段部72Bに当接し、この支点ピン67を支点としてバースターブラケット57(ブラケット本体66)が第1の姿勢に確実に移行し、切断コマ51が姿勢制御窓72内を移動して、台紙なしラベル3が切断し始められる状態になる。
すなわち、図11の水平断面図に示すように、切断コマ51は、台紙なしラベル3の図中、左端縁部よりわずかに左方に位置しており、操作レバー5およびグリップ10のさらなる握持により、切断コマ51がこの状態から右方に移動してゆく結果、台紙なしラベル3の側面部から切断コマ51が切り込んでゆくことになる。
【0063】
図12に示すように、操作レバー5およびグリップ10のさらなる握持により操作レバー5からの駆動力の伝達により連結プレート54がさらに下降し(矢印A4)、リンクバー56を介してバースターブラケット57が横レール部材58のガイド窓71の端まで移動し、切断コマ51が、移送用無端ベルト23の横断凹部23Aに沿って移動し(矢印A5)、台紙なしラベル3の移送用スリット3Aおよびミシン目3C(図3)の部分に所定の押圧力で移送用無端ベルト23の横断凹部23A内にその円周先端部51Aが入り込み、とくに両端部に切り目が臨むように位置しているミシン目3Cの端から順々に破断させてゆく結果、台紙なしラベル3を単葉のラベル片3Bに比較的小さな力で切断する。
なお、移送用無端ベルト23の横断凹部23Aは、切断コマ51の円周先端部51Aに合わせて比較的細くこれを形成しているので、円周先端部51Aと移送用スリット3Aおよびミシン目3Cとの相対的位置が多少ずれても、移送用スリット3Aおよびミシン目3Cないしその近傍が横断凹部23Aに入り込むことができ、上述のような切断作用を的確に行うことができる。
なお、図11および図12の水平断面図に示すように、弾性突起69は、上述の切断作用中、姿勢制御窓72のブレーキ窓72Cに臨んでその壁面に所定の摩擦力で摺接してゆくことになるが、操作レバー5およびグリップ10による握持力の方がはるかに大きいので、バースターブラケット57自体の姿勢すなわち切断コマ51のレベルを一定に保持可能であり、切断作用自体を安定して行うことができ、切断が終了した時点で、姿勢制御窓72の一方(図12の右方のブレーキ窓72C)側に位置し、所定の摩擦力で入り込むことになる。
【0064】
上述のように、切断コマ51による台紙なしラベル3の切断の開始から終了までの工程において、切断コマ51を移動させたリンクバー56のプレート連動ピン64が駆動用プレート55の駆動用溝63(傾斜駆動溝部63B)からの駆動力を受けつつ、制御用プレート59の制御用溝75(平行制御溝部75B)にその軌道を移送用無端ベルト23に対して平行に規制されるので、移送用無端ベルト23上の台紙なしラベル3に対するリンクバー56の切断開始から切断終了までの間における傾斜角度の変化をできるだけ少なくすることができ、切断コマ51にかかる切断力の分力(台紙なしラベル3方向にかかるベクトルの分力)の変化を小さくして、ほぼ一定化することが可能となる。
かくして、リンクバー56およびバースターブラケット57を介して移送用無端ベルト23の幅方向に移動してゆく切断コマ51は、その切断開始から切断終了まで、ほぼ均等な切断力を台紙なしラベル3に付与することができる。
【0065】
図12に示すように、操作レバー5およびグリップ10を完全に握りきった状態で、切断コマ51が台紙なしラベル3を切断しきって、つぎの操作レバー5の解放操作をまつことになる。
【0066】
図13に示すように、操作レバー5の解放にともなって、コイルスプリング12による連結プレート54に作用する引き上げ力(矢印A6)により、連動機構52を介して切断コマ51が台紙なしラベル3から離反し始める。
具体的には、リンクバー56が連結プレート54を介して引き上げられてゆくと、図13の水平断面図に示すように、弾性突起69がブレーキ窓72Cに所定の摩擦力で停止状態にあるため、バースターブラケット57(ブラケット本体66)自体が支点ピン67のまわりに反時計方向に回動し(矢印A7)、バー連結孔70(ブラケット連結ピン65)の部分からわずかに上方に引き上げられ、姿勢規制ピン68がガイド窓71の上方内壁面71Aに当接し、切断コマ51が台紙なしラベル3の表面から浮き上がった態勢となる(第2の姿勢、図8も参照)。
したがって、操作レバー5の解放時には、既述のように、移送ローラー18により台紙なしラベル3が所定ピッチで移送されるとともに、移送用無端ベルト23上に台紙なしラベル3が同ピッチで移送される最中、すなわち、台紙なしラベル3自体が移送用無端ベルト23上を移動している最中であり、この移動中には、切断コマ51が台紙なしラベル3とは接触ないし干渉せず、台紙なしラベル3の移送用無端ベルト23上での移送に支障がないようにしている。
ただし、操作レバー5の握持および解放による台紙なしラベル3の切断作用および移送作用のわずかなタイミング差によって、切断コマ51が台紙なしラベル3ないし移送用無端ベルト23の横断凹部23Aに係合している状態のままで、台紙なしラベル3が万が一移送されても、切断コマ51における円周先端部51Aのテーパー形状と移送用無端ベルト23における横断凹部23Aのテーパー形状とはほぼ同等の傾斜面に形成されているので(とくに図8(2)を参照)、台紙なしラベル3の移送を停止させてしまうことなく、切断コマ51は横断凹部23Aから上方へ離反することができる。
【0067】
図14に示すように、操作レバー5の解放にともない、連結プレート54およびリンクバー56が上方に復帰し(矢印A8)、バースターブラケット57が元位置に復帰する(矢印A9)。
なお図13に示す状態から図14に示す状態に移行する際、とくに図13の水平断面図に示すように、非ブレーキ窓72Aの壁面に所定の摩擦力で係合している弾性突起69は、この摩擦力よりはるかに大きなコイルスプリング12の付勢力によって、ブレーキ窓72Cさらには反対側(図中、左側)の非ブレーキ窓72Aまで容易に移動することができる。
すなわち、コイルスプリング12による引き上げ力により、リンクバー56を介してバースターブラケット57の姿勢規制ピン68が上方にわずかに引き上げられ、姿勢規制ピン68がガイド窓71の上方内壁面71Aに当接して、バースターブラケット57がわずかに上方へ傾斜したままの元位置に復帰し、つぎの操作レバー5およびグリップ10の握持操作を待つことになる。
【0068】
かくして、連動機構52は、操作レバー5の握持操作時に、台紙なしラベル3を切断可能とし、操作レバー5の解放操作時に、台紙なしラベル3を移送用無端ベルト23上において移送可能とする。
さらに連動機構52は、切断コマ51の往動切断動作時には、切断コマ51を台紙なしラベル3に所定の押圧力で押し付け可能であるとともに、切断コマ51の復動非切断動作時には、切断コマ51を台紙なしラベル3から離反可能とする。
換言すれば、操作レバー5の握持により連動機構52を介して切断コマ51を台紙なしラベル3の幅方向に往動させて、台紙なしラベル3を切断可能であり、バースターブラケット57は、連動機構52による移送用無端ベルト23の幅方向に沿った往復動時に、台紙なしラベル3の表面に対してその切断コマ51を押圧する第1の姿勢(図7)を取る。
また、操作レバー5の解放により連動機構52を介して切断コマ51を台紙なしラベル3の幅方向に復動させて元位置に復帰させるときには、バースターブラケット57は、切断コマ51による台紙なしラベル3への押圧を解除する第2の姿勢(図8)にその姿勢を変える。
【0069】
以上のように、台紙なしラベル切断装置9によれば、台紙なしラベル3の幅方向に切断コマ51を移動させて移送用無端ベルト23上における横断凹部23Aに入れ込ませ、台紙なしラベル3の移送用スリット3Aおよびミシン目3Cなどを切り裂いてゆくようにしたので、従来のようにカッター刃を用いることなく、安全で、かつ簡単に比較的小さな力で台紙なしラベル3の切断を実現し、全体の機体フレームへの負担も低減することができる。
さらに、切断コマ51による台紙なしラベル3の切断動作中は、リンクバー56のプレート連動ピン64が制御用プレート59の制御用溝75における平行制御溝部75Bによって移動の軌道を平行に規制される結果、切断コマ51による切断力が移送用無端ベルト23の表面に幅方向にわたって均等に付加されるので、切断コマ51の台紙なしラベル3への押付け力が切断開始から切断終了までほぼ同等に維持することができ、切断性能を安定して維持することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 携帯式台紙なしラベル貼付け機(図1)
2 左右一対の側板
3 台紙なしラベル
3A 台紙なしラベル3の移送用スリット(図3)
3B 台紙なしラベル3の単葉のラベル片
3C 台紙なしラベル3のミシン目
4 用紙ホルダー
5 操作レバー
5A 操作レバー5の二股状のヨーク部
6 プラテンユニット(図4)
7 印字器
8 貼付けローラー
9 携帯式台紙なしラベル貼付け機1の台紙なしラベル切断装置(実施例、図5、図6)
10 グリップ
11 レバー軸
12 コイルスプリング
13 ホルダー軸
14 ホルダーカバー
15 ラベル保持軸
16 固定用フック
17 プラテンフレーム(図4)
18 移送ローラー
19 押付けエレメント(図4)
20 プラテン開閉軸
21 駆動ギア
22 従動ギア
23 移送用無端ベルト
23A 移送用無端ベルト23の横断凹部(図7、図8)
24 ローラーギア
25 係脱ローラー
26 開閉用つまみ
27 つまみ軸
28 開閉用係脱片
28A 開閉用係脱片28の係脱用凹部
29 ローラー軸
30 連結アーム
31 連結軸
32 移送回動用爪
33 移送ローラー18の移送用突起
34 中央円周溝
35 左右一対の移送用爪
36 左右一対の外周円周溝
37 エレメントフレーム
38 上下左右二対のバックアップローラー
39 バックアップリング
40 ねじりコイルバネ(付勢部材)
41 左右一対の板バネ(付勢部材)
42 移送ローラー18と押付けエレメント19との間の間隙(図3)
43 左右一対の支持フレーム
44 左右一対の拡幅フレーム
45 上下一対の回転軸
46 バネ取付け軸
47 第1のバネ受け
48 第2のバネ受け
49 エレメント軸
50 インキローラー
51 切断コマ(図6)
51A 切断コマ51の円周先端部(図7、図8)
52 連動機構(図6)
53 縦レール部材(第1のレール部材)
54 連結プレート
55 駆動用プレート
56 リンクバー
57 バースターブラケット
58 横レール部材(第2のレール部材)
59 制御用プレート
60 縦ガイド溝
61 ヨーク連結孔
62 レバー連結ピン
63 駆動用溝
63A 駆動用溝63の回動駆動溝部
63B 駆動用溝63の傾斜駆動溝部
64 プレート連動ピン
64A プレート連動ピン64の軸中央部
64B プレート連動ピン64の軸端部
65 ブラケット連結ピン
66 ブラケット本体
67 支点ピン
68 姿勢規制ピン
69 弾性突起
70 バー連結孔
71 ガイド窓
71A ガイド窓71の上方内壁面
71B ガイド窓71の下方内壁面
72 姿勢制御窓
72A 姿勢制御窓72の非ブレーキ窓
72B 姿勢制御窓72の突起当接段部
72C 姿勢制御窓72のブレーキ窓
73 ラベル押付け部材
74 ラベル押付けプレート
75 制御用溝
75A 制御用溝75の回動制御溝部
75B 制御用溝75の平行制御溝部
A1〜A9 切断コマ51による台紙なしラベル3の切断作用を説明するための矢印(図10〜図14)
H 左右の弾性突起69の姿勢制御窓72に組み付けられていないフリーな状態の幅
W1 非ブレーキ窓72Aの幅
W2 ブレーキ窓72Cの幅(W2<H<W1)(図9)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の側板およびこの側板に形成したグリップと、
このグリップとともに握持および解放する操作レバーと、
この操作レバーの操作により台紙なしラベルを移送する移送ローラーと、
この移送ローラーにより移送されてくる前記台紙なしラベルをさらに移送可能な移送用無端ベルトと、を有し、
この移送用無端ベルトを通って前記側板の外部に移送されてきた前記台紙なしラベルを貼り付けるための携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置であって、
前記移送用無端ベルト上に移送されてくる前記台紙なしラベルの幅方向に往復動することにより前記台紙なしラベルを単葉のラベル片に切断可能な切断コマと、
この切断コマと前記操作レバーとを連動する連動機構と、
を有し、
この連動機構は、
前記操作レバーに連動可能して前記切断コマを往復動可能とするリンクバーを有するとともに、
前記切断コマによる前記台紙なしラベルの切断動作中におけるこのリンクバーの前記移送用無端ベルトの表面に対する傾斜角度の変化を小さくすることを特徴とする携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置。
【請求項2】
前記移送用無端ベルトは、前記切断コマの円周先端部を前記台紙なしラベルを切り裂くように押し込み可能な横断凹部をその上面に形成している断面凹凸形状を呈していることを特徴とする請求項1記載の携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置。
【請求項3】
前記連動機構は、
前記操作レバーの握持操作時に、前記台紙なしラベルを切断可能とし、
前記操作レバーの解放操作時に、前記台紙なしラベルを前記移送用無端ベルト上において移送可能とすることを特徴とする請求項1または2記載の携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置。
【請求項4】
前記連動機構は、
前記切断コマの往動切断動作時には、前記切断コマを前記台紙なしラベルに所定の押圧力で押し付け可能であるとともに、
前記切断コマの復動非切断動作時には、前記切断コマを前記台紙なしラベルから離反可能とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置。
【請求項5】
前記連動機構は、
前記側板に固定した第1のレール部材と、
前記操作レバーに連結しているとともに、この第1のレール部材に沿って往復動する連結プレートと、
この連結プレートに取り付けているとともに、前記移送用無端ベルトの幅方向に沿って延びる駆動用溝を形成した駆動用プレートと、
この駆動用プレートの前記駆動用溝に係合し前記駆動用溝に沿って移動可能なプレート連動ピンを有するとともに、前記連結プレートの往復動に応じて動作する前記リンクバーと、
前記リンクバーに連結して前記移送用無端ベルトの幅方向に沿って往復動可能であるとともに、前記切断コマを回転自在に取り付けてあるバースターブラケットと、
このバースターブラケットを前記台紙なしラベルの幅方向にガイドする第2のレール部材と、
この第2のレール部材に取り付けているとともに、前記リンクバーの前記プレート連動ピンが係合して移動可能な制御用溝を形成した制御用プレートと、
を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置。
【請求項6】
前記連動機構は、
前記切断コマの往動切断動作時には、前記制御用プレートの前記制御用溝に沿って前記リンクバーの前記プレート連動ピンを前記移送用無端ベルトの表面に沿って平行に移動可能として前記切断コマを前記台紙なしラベルに所定の押圧力で押し付け可能であるとともに、
前記切断コマの復動非切断動作時には、前記切断コマを前記台紙なしラベルから離反可能とすることを特徴とする請求項5記載の携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置。
【請求項7】
前記駆動用プレートの前記駆動用溝は、
前記プレート連動ピンを介して前記リンクバーが前記バースターブラケットを前記移送用無端ベルトに対して回動可能とする回動駆動溝部と、
この回動駆動溝部に連続しているとともに、前記リンクバーが前記バースターブラケットの前記切断コマを往動切断動作に駆動する方向に前記移送用無端ベルトの表面に対して傾斜して形成した傾斜駆動溝部と、を有することを特徴とする請求項5または6記載の携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置。
【請求項8】
前記制御用プレートの前記制御用溝は、
前記プレート連動ピンを介して前記リンクバーが前記バースターブラケットを前記移送用無端ベルトに対して回動可能とする回動制御溝部と、
この回動制御溝部に連続しているとともに、前記リンクバーが前記バースターブラケットの前記切断コマを往動切断動作に駆動する方向に前記移送用無端ベルトの表面に沿って平行に形成した平行制御溝部と、を有することを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置。
【請求項9】
前記連動機構の前記バースターブラケットは、
前記移送用無端ベルトの幅方向に沿った往復動時に、前記台紙なしラベルの表面に対して押圧する第1の姿勢、およびこの押圧を解除する第2の姿勢にその姿勢を変えることを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置。
【請求項10】
前記バースターブラケットは、
前記リンクバーに連結したブラケット本体と、
前記移送用無端ベルトの幅方向に沿って前記第2のレール部材に形成したガイド窓に沿って移動可能な支点ピンと、
前記第2のレール部材のこのガイド窓の上方内壁面および下方内壁面に接離して前記バースターブラケットの姿勢をガイドする姿勢規制ピンと、
前記移送用無端ベルトの幅方向に沿って前記第2のレール部材に形成した姿勢制御窓に離反および摺接する弾性突起と、を有することを特徴とする請求項5ないし9のいずれかに記載の携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置。
【請求項11】
前記バースターブラケットは、
前記第2のレール部材の、前記移送用無端ベルトの幅方向における前記バースターブラケットの切断開始位置側に形成した非ブレーキ窓と、突起当接段部を介してこの非ブレーキ窓に連続して前記バースターブラケットの切断終了位置側に延びるように形成したブレーキ窓と、の間に臨む弾性突起を有することを特徴とする請求項5ないし10のいずれかに記載の携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置。
【請求項12】
前記台紙なしラベルには、前記移送ローラーに係脱する移送用スリットを所定ピッチで形成するとともに、
前記切断コマは、この移送用スリットに沿って往動することにより前記台紙なしラベルを単葉のラベル片に切断可能であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断装置。
【請求項13】
左右一対の側板およびこの側板に形成したグリップと、
このグリップとともに握持および解放する操作レバーと、
この操作レバーの操作により台紙なしラベルを移送する移送ローラーと、
この移送ローラーにより移送されてくる前記台紙なしラベルをさらに移送可能な移送用無端ベルトと、を有し、
この移送用無端ベルトを通って前記側板の外部に移送されてきた前記台紙なしラベルを貼り付けるための携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断方法であって、
前記移送用無端ベルト上に移送されてくる前記台紙なしラベルの幅方向に往復動することにより前記台紙なしラベルを単葉のラベル片に切断可能な切断コマと、
この切断コマと前記操作レバーとを連動する連動機構と、
を設けるとともに、
この連動機構には、前記操作レバーに連動可能して前記切断コマを往復動可能とするリンクバーを設け、
前記操作レバーの握持により、このリンクバーを介して前記切断コマを前記台紙なしラベルの幅方向に往動させるとともに、前記切断コマによる前記台紙なしラベルの切断動作中においてこのリンクバーの前記移送用無端ベルトの表面に対する傾斜角度の変化を小さくするとともに、
前記操作レバーの解放により、前記連動機構における前記リンクバーを介して前記切断コマを前記台紙なしラベルから離反させた状態で前記台紙なしラベルの幅方向に復動させて、元位置に復帰させることを特徴とする携帯式台紙なしラベル貼付け機の台紙なしラベル切断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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