説明

携帯式台紙なしラベル貼付け機

【課題】さまざまなサイズのラベル片の貼付け操作を行うことができる携帯式台紙なしラベル貼付け機を提供する。
【解決手段】移送用ローラー18A、18Bが着脱可能に設けられ、適宜交換できるように構成される。移送用ローラー18A、18Bは、周面に形成される移送用爪38の形成間隔が異なるものが複数揃えられ、使用する台紙なしラベル連続体に合わせて交換される。これにより、さまざまなサイズのラベル片の貼付け操作を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯式台紙なしラベル貼付け機にかかるもので、ロール状に巻回された帯状の台紙なしラベル連続体を装填して、被貼付け体にラベル片を貼付ける作業を行うための携帯式台紙なしラベル貼付け機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品等に価格等の情報が表示されたラベルを貼付ける作業を行うための装置として、携帯式ラベル貼付け機が知られている。
【0003】
従来の携帯式ラベル貼付け機では、台紙(剥離紙)上にラベルを一定間隔で仮着した構成のラベル連続体を使用し、台紙からラベルを1枚1枚分離させて、被貼付け体に貼付ける構成としていた。
【0004】
近年、省資源化の観点から、台紙のないラベル連続体(台紙なしラベル連続体)が開発され、使用されるに至っている。
【0005】
特許文献1には、台紙なしラベル連続体を用いて、ラベルの貼付け操作を可能にした携帯式台紙なしラベル貼付け機が記載されている。この携帯式台紙なしラベル貼付け機では、台紙なしラベル連続体を移送するための移送用ベルトに一定の間隔で突起部を形成し、この突起部を台紙なしラベル連続体に一定の間隔で形成された移送用の穴に係合させて、台紙なしラベル連続体を移送する構成としている。
【0006】
しかしながら、特許文献1の携帯式台紙なしラベル貼付け機では、台紙なしラベル連続体に形成されている移送用の穴の間隔と、移送用ベルトに形成されている突起部の間隔とが異なると、使用することができないという問題がある。
【0007】
一般に移送用の穴は、ラベル片の形成間隔に合わせて形成される。したがって、ラベル片のサイズが変わると、移送用の穴の形成間隔も変わる。このため、さまざまなサイズのラベル片の貼付け操作をしようとした場合、特許文献1の携帯式台紙なしラベル貼付け機では、ラベル片のサイズごとに携帯式台紙なしラベル貼付け機を用意しなければならないという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−299757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上のような諸問題にかんがみなされたもので、さまざまなサイズのラベル片の貼付け操作を行うことができる携帯式台紙なしラベル貼付け機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は、長手方向に一定の間隔で移送用穴が形成され、ロール状に巻回された帯状の台紙なしラベル連続体を装填される携帯式台紙なしラベル貼付け機において、本体フレームと、前記本体フレームに設けられるグリップと、前記本体フレームに揺動可能に設けられ、前記グリップとともに握持・解放操作される操作レバーと、前記本体フレームに備えられ、ロール状に巻回された前記台紙なしラベル連続体を保持するラベル保持部と、前記本体フレームに着脱可能に設けられ、前記操作レバーの握持・開放操作により回転して、前記ラベル保持部に保持された前記台紙なしラベル連続体を長手方向に沿って移送する移送用ローラーと、前記移送用ローラーの周面に一定の間隔で設けられ、前記移送用ローラーに巻き掛けられた前記台紙なしラベル連続体の前記移送用穴に差し込まれる移送用爪と、前記本体フレームに備えられ、前記操作レバーの握持・開放操作により回転して、前記移送用ローラーによって移送された前記台紙なしラベル連続体を長手方向に沿ってさらに移送する移送用無端ベルトと、前記本体フレームに備えられ、前記移送用無端ベルトによって移送された前記台紙なしラベル連続体の先端を被貼付け体に押し当てて、前記被貼付け体に貼付ける貼付けローラーと、を備え、前記移送用ローラーは、前記移送用爪の形成間隔が異なるものが複数揃えられ、前記台紙なしラベル連続体に形成される前記移送用穴の形成間隔に合わせて、前記移送用ローラーが交換されることを特徴とする携帯式台紙なしラベル貼付け機である。
【0011】
本発明によれば、移送用ローラーが着脱可能に設けられ、適宜交換できるように構成される。移送用ローラーは、移送用爪の形成間隔が異なるものが複数揃えられ、使用する台紙なしラベル連続体に合わせて交換される。すなわち、台紙なしラベル連続体は、ラベル片のサイズによって移送用穴の形成間隔が変わる場合があるので、移送用穴の形成間隔が変わった場合は、それに合わせて移送用ローラーを交換する。これにより、さまざまなサイズのラベル片の貼付け操作を行うことができる。
【0012】
また、本発明は、長手方向に一定の間隔で移送用穴が形成され、ロール状に巻回された帯状の台紙なしラベル連続体を装填される携帯式台紙なしラベル貼付け機において、本体フレームと、前記本体フレームに設けられるグリップと、前記本体フレームに揺動可能に設けられ、前記グリップとともに握持・解放操作される操作レバーと、前記本体フレームに備えられ、ロール状に巻回された前記台紙なしラベル連続体を保持するラベル保持部と、前記本体フレームに設けられ、前記操作レバーの握持・開放操作により回転して、前記ラベル保持部に保持された前記台紙なしラベル連続体を長手方向に沿って移送する移送用ローラーと、前記移送用ローラーの周面に一定の間隔で設けられ、前記移送用ローラーに巻き掛けられた前記台紙なしラベル連続体の前記移送用穴に差し込まれる移送用爪と、前記本体フレームに備えられ、前記操作レバーの握持・開放操作により回転して、前記移送用ローラーによって移送された前記台紙なしラベル連続体を長手方向に沿ってさらに移送する移送用無端ベルトと、前記本体フレームに備えられ、前記移送用無端ベルトによって移送された前記台紙なしラベル連続体の先端を被貼付け体に押し当てて、前記被貼付け体に貼付ける貼付けローラーと、を備え、前記移送用爪は、形成間隔を調整可能に設けられ、前記台紙なしラベル連続体に形成される前記移送用穴の間隔に合わせて、前記移送用爪の形成間隔が調整されることを特徴とする携帯式台紙なしラベル貼付け機である。
【0013】
本発明によれば、移送用爪の形成間隔を調整することができる。移送用爪は、使用する台紙なしラベル連続体に合わせて、形成間隔が調整される。これにより、さまざまなサイズのラベル片の貼付け操作を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、移送用ローラーに形成される移送用爪の形成間隔を変えることができるので、さまざまなサイズのラベル片の貼付け操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例による携帯式台紙なしラベル貼付け機1の側面図である。
【図2】同、用紙ホルダー4およびプラテンユニット6を開放した状態の側面図である。
【図3】同、一方の側板2Aを取り除いた状態の概略側面図である。
【図4】同、プラテンユニット6および台紙なしラベル分離装置9の分解斜視図である。
【図5】同、プラテンユニット6における台紙なしラベル分離装置9、移送用ローラー18および押付けエレメント19の斜視図である。
【図6】同、台紙なしラベル連続体3を装填した状態のプラテンユニット6における台紙なしラベル分離装置9、移送用ローラー18および押付けエレメント19の斜視図である。
【図7】同、プラテンユニット6における台紙なしラベル分離装置9を開放した状態の斜視図である。
【図8】同、プラテンユニット6における台紙なしラベル分離装置9を開放した状態の縦断面図である。
【図9】同、台紙なしラベル連続体3を装填した状態のプラテンユニット6における台紙なしラベル分離装置9、移送用ローラー18、押付けエレメント19および移送用無端ベルト23の、分離爪片53部分における縦断面図である。
【図10】同、台紙なしラベル連続体3を装填した状態のプラテンユニット6における台紙なしラベル分離装置9、移送用ローラー18、押付けエレメント19および移送用無端ベルト23の、逆転防止片54部分における縦断面図である。
【図11】台紙なしラベル連続体3の平面図である。
【図12】第1の移送用ローラー18Aと第2の移送用ローラー18Bの縦断面図である。
【図13】台紙なしラベル連続体3の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、移送用ローラーを交換可能とすることにより、さまざまなサイズのラベル片の貼付け操作を行うことができる携帯式台紙なしラベル貼付け機を実現した。
【0017】
また、本発明は、移送用爪の形成間隔を調整可能とすることにより、さまざまなサイズのラベル片の貼付け操作を行うことができる携帯式台紙なしラベル貼付け機を実現した。
【実施例】
【0018】
つぎに本発明の実施例による携帯式台紙なしラベル貼付け機を図1ないし図13
にもとづき説明する。
[構成]
【0019】
まず、携帯式台紙なしラベル貼付け機1の構成について説明する。
【0020】
図1は、携帯式台紙なしラベル貼付け機1の側面図、図2は、同、用紙ホルダー4およびプラテンユニット6を開放した状態の側面図、図3は、同、一方の側板2Aを取り除いた状態の概略側面図、図4は、プラテンユニット6および台紙なしラベル分離装置9の分解斜視図である。
【0021】
この携帯式台紙なしラベル貼付け機1は、ロール状に巻回された帯状の台紙なしラベル連続体3を装填して、被貼付け体(図示せず)にラベル片Lを貼付ける作業を行うための装置であり、本体フレーム2と、用紙ホルダー4と、操作レバー5と、プラテンユニット6と、印字器7と、貼付けローラー8と、台紙なしラベル分離装置9と、を有する。
【0022】
本体フレーム2は、左右(紙面表裏)一対の側板2Aで構成される。左右一対の側板2Aは、操作者が握持可能なグリップ10を一体に形成するとともに、このグリップ10に対してレバー軸11(図3)の周りに操作レバー5を回動操作可能としている。
【0023】
なお、操作レバー5とグリップ10との間には、任意の付勢部材、たとえばコイルスプリング12を設けて、操作レバー5をグリップ10に対して、図1に示すような常時(操作レバー5の解放時)離反状態に付勢可能としている。
【0024】
操作者は、コイルスプリング12の付勢力に抗してグリップ10および操作レバー5を握持して携帯式台紙なしラベル貼付け機1内のプラテンユニット6および印字器7を駆動するとともに、この握持操作を解放後、携帯式台紙なしラベル貼付け機1の貼付けローラー8によるラベルの貼付け操作を行うことになる。
【0025】
図11は、台紙なしラベル連続体3の平面図である。なお、同図(a)は、大サイズのラベル片で構成される台紙なしラベル連続体を示しており、同図(b)は、小サイズのラベル片で構成される台紙なしラベル連続体を示している。
【0026】
図11に示すように、台紙なしラベル連続体3は、裏面が糊面とされた同一サイズのラベル片Lが帯状に連なって構成される。
【0027】
台紙なしラベル連続体3には、前後のラベル片Lの境界にミシン目(切り取り用の破線状の孔)3Aが形成される。1つの台紙なしラベル連続体3を構成する個々のラベル片Lは、すべて同じサイズなので、ミシン目3Aは、台紙なしラベル連続体3の長手方向に一定の間隔で形成される。
【0028】
したがって、ラベル片Lのサイズが変わると、ミシン目3Aの形成間隔も変わる。図11(a)に示す大サイズのラベル片Lで構成される台紙なしラベル連続体3は、一定の間隔P1でミシン目3Aが形成され、図11(b)に示す小サイズのラベル片Lで構成される台紙なしラベル連続体3は、一定の間隔P2でミシン目3Aが形成される。
【0029】
台紙なしラベル連続体3は、ミシン目3Aの部分で切断することにより、個々のラベル片Lに分離される。
【0030】
また、台紙なしラベル連続体3には、移送用スリット3Bが形成される。移送用スリット3Bは、台紙なしラベル連続体3の長手方向に直交して形成され、各ラベル片Lの間のミシン目3Aに重ねて形成される。したがって、移送用スリット3Bも台紙なしラベル連続体3の長手方向に一定の間隔で形成される。
【0031】
後述するように、移送用スリット3Bには、移送用ローラー18の周面に突出して形成された移送用爪38が差し込まれる。したがって、移送用スリット3Bは、移送用爪38が嵌入可能な幅(移送用爪38の幅とほぼ同じ幅)で形成される。
【0032】
なお、本実施例の携帯式台紙なしラベル貼付け機1では、移送用ローラー18に一対の移送用爪38が設けられる。このため、台紙なしラベル連続体3には、一対の移送用スリット3Bが形成される。一対の移送用爪38は、幅方向に一定の間隔を持って並列して配置される。したがって、一対の移送用スリット3Bも、一対の移送用爪38と同じ間隔を持って、幅方向に並列して配置される。
【0033】
ところで、上記のように、台紙なしラベル連続体3は、台紙なしラベル連続体3を構成する個々のラベル片Lのサイズが変わると、ミシン目3Aの形成間隔が変わる。ミシン目3Aの形成間隔が変わると、これに合わせて移送用スリット3Bの形成間隔も変わる。移送用爪38は、移送用スリット3Bと同じ間隔で形成されていないと、差し込むことができないので、装填する台紙なしラベル連続体3を変えた場合は、これに合わせて移送用スリット3Bの形成間隔も変える必要がある。本実施例の携帯式台紙なしラベル貼付け機1では、移送用爪の形成間隔が異なる移送用ローラー18が複数用意されており(本例では、第1の移送用ローラー18Aと、第2の移送用ローラー18Bの2つ)、必要に応じて交換できるように構成されている。この点については、後に詳述する。
【0034】
台紙なしラベル連続体3は、ロール状に巻回されて、携帯式台紙なしラベル貼付け機1に装填される。
【0035】
図3に示すように、用紙ホルダー(ラベル保持部)4は、ロール状に巻回された台紙なしラベル連続体3を保持する。この用紙ホルダー4は、本体フレーム2の上面部に設けたホルダー軸13と、このホルダー軸13の周りに回動可能に設けられ、本体フレーム2に対して開閉可能な断面半円弧状のホルダーカバー14と、このホルダーカバー14の内部に設けたラベル保持軸15と、本体フレーム2への固定用フック16(図2)と、を有し、ラベル保持軸15にロール状の台紙なしラベル連続体3を装填保持可能としてある。
【0036】
プラテンユニット6は、図4に示すように、用紙ホルダー4から帯状に繰り出された台紙なしラベル連続体3をその上面に移送するもので、プラテンフレーム17と、移送用ローラー18と、押付けエレメント19と、を有する。本実施例の携帯式台紙なしラベル貼付け機1では、移送用ローラー18が交換可能に設けられている。移送用ローラー18は、第1の移送用ローラー18Aと、第2の移送用ローラー18Bの2つが用意されており、搭載する台紙なしラベル連続体3に応じて交換される。なお、移送用ローラー18については、とくに区別する場合を除いて、「第1の移送用ローラー18A」と「第2の移送用ローラー18B」とを「移送用ローラー18」として説明する。
【0037】
プラテンフレーム17は、本体フレーム2に設けたプラテン開閉軸20の周りにこれを回動可能とし、本体フレーム2に対してプラテンユニット6全体を開閉し、台紙なしラベル連続体3の挿通装填を可能とする。
【0038】
プラテンフレーム17は、駆動プーリー21および従動プーリー22と、これら駆動プーリー21および従動プーリー22の周りに掛け回した移送用無端ベルト23と、を備えている。駆動プーリー21には、同軸上に駆動ギア21Aが連結されている。この駆動ギア21Aには、移送用ローラー18のローラーギア24が噛み合わされる。
【0039】
移送用無端ベルト23は、移送用ローラー18により移送されてくる台紙なしラベル連続体3をさらに移送可能であって、その表面は、台紙なしラベル連続体3の裏面(糊面)が接触移送される(仮着された状態で移送される)ため、非粘着性の物性を有するシリコーンあるいはフッ素系のゴム材からこれを構成するか、剥離剤などを塗布しておく。このプラテンフレーム17に組み込まれた移送用無端ベルト23は、印字器7による台紙なしラベル連続体3への押印動作の受け台ともなるもので、その内方には、印字器7に対向する受圧用プレート23A(図8)が配置されている。
【0040】
なお、プラテンフレーム17の先端側の左右には、一対の係脱ボス25を突出形成し、本体フレーム2に設けた開閉用ツマミ26(図1、図2)に連動してツマミ軸27(図3)の周りに回動する開閉用係脱片28の係脱用凹部28Aに係脱可能としてある。ただし、ツマミ軸27には任意のバネ材(図示せず)を設けて、開閉用係脱片28が係脱ボス25に係合する方向にこれを付勢している。すなわち、開閉用ツマミ26は、係脱ボス25に係脱する開閉用係脱片28を操作して、プラテンユニット6と開閉用係脱片28とを互いに係脱可能としている。
【0041】
移送用ローラー18は、プラテンフレーム17に設けたローラー軸29の周りに移送方向に所定ピッチでこれを回転可能としてある。移送用ローラー18には、用紙ホルダー4から繰り出された台紙なしラベル連続体3が巻き掛けられる。この際、台紙なしラベル連続体3は、表面側が移送用ローラー18の周面に巻き掛けられる。台紙なしラベル連続体3は、この移送用ローラー18が、所定ピッチで回転することにより、所定の送り量で送りが与えられる。ここで、この送り量は、台紙なしラベル連続体3を構成する個々のラベル片Lの形成間隔(長手方向の形成間隔)に合わせて設定される。すなわち、1回の送りで、ラベル片Lが1枚送られるように設定される。したがって、1回の送りで、ラベル片Lの長さ(台紙なしラベル連続体3の長手方向の長さ)の分だけ送られる。
【0042】
移送用ローラー18が保持されるローラー軸29は、プラテンフレーム17に形成された一対の軸受部60に両端部が軸支されて、プラテンフレーム17に回動自在に支持される。ローラー軸29は、この一対の軸受部60に着脱自在に取り付けられる。したがって、移送用ローラー18は、このローラー軸29ごと軸受部60から取り外すことにより、プラテンフレーム17から取り外すことができる。すなわち、移送用ローラー18は、交換可能に設けられている。
【0043】
操作レバー5のレバー軸11の下方部に延びる連結アーム30の連結軸31に、移送回動用爪32を往復動可能に取り付けてあり、この移送回動用爪32が移送用ローラー18におけるローラーギア24の側面に放射状に設けた複数個の移送用突起33それぞれに係脱可能である。
【0044】
なお、連結軸31には、連結ガイドプレート34を取り付けて、連結ガイドプレート34の左右先端部の連結突起35をプラテンフレーム17の底部におけるガイド溝36内に往復摺動可能に嵌め込み、操作レバー5の握持およびその解放にともなう連結軸31および移送回動用爪32の往復作動を保証している。
【0045】
かくして、操作レバー5をグリップ10とともに握持および解放することにより、連結アーム30、移送回動用爪32およびローラーギア24などを介してローラー軸29の周りに移送用ローラー18を所定ピッチだけ回転して、台紙なしラベル連続体3を所定ピッチで移送可能とするとともに、移送用ローラー18のローラーギア24と駆動ギア21Aとの連結係合により移送用無端ベルト23を回転させて台紙なしラベル連続体3をその上面に所定ピッチで移送可能である。
【0046】
移送用ローラー18の周面には、幅方向の中央部分に中央円周溝37が周方向に沿って形成されている。また、移送用ローラー18の周面には、中央円周溝37を挟んで左右に一対の移送用爪38が周方向に一定の間隔で突出形成されている。さらに、移送用ローラー18の周面には、左右一対の移送用爪38を挟んで左右一対の外周円周溝39が周方向に沿って形成されている。
【0047】
一対の移送用爪38は、移送用ローラー18に巻き掛けられた台紙なしラベル連続体3の移送用スリット3Bに差し込まれる。したがって、移送用爪38の形成間隔は、ラベル連続体3に形成されている移送用スリット3Bの形成間隔と同じでなければならない。
【0048】
上記のように、本実施例の携帯式台紙なしラベル貼付け機1では、移送用ローラーが2つ用意されているが、2つの移送用ローラー(第1の移送用ローラー18Aと第2の移送用ローラー18B)は、この移送用爪38の形成間隔が異なっている。図12に示すように、第1の移送用ローラー18Aは、その周面に6つの移送用爪38が等間隔(60度間隔)に形成されている。一方、第2の移送用ローラー18Bは、その周面に8つの移送用爪38が等間隔(45度間隔)に形成されている。
【0049】
第1の移送用ローラー18Aと第2の移送用ローラー18Bとは、使用する台紙なしラベル連続体3に応じて交換される。すなわち、移送用スリット3Bの形成間隔と一致するものが使用される。
【0050】
一対の移送用爪38の間に形成される中央円周溝37には、周方向に沿って一定ピッチで逆転防止凹部58が形成される。この逆転防止凹部58は、移送用爪38の形成間隔と同じ間隔で形成される。すなわち、第1の移送用ローラー18Aと第2の移送用ローラー18Bとは、逆転防止凹部58の形成間隔と、移送用爪38の形成間隔とが異なるだけで、その他の構成は同じである(外径も同じ)。したがって、特別なアダプター等を用いなくても、そのまま交換して装着することができる。
【0051】
操作レバー5には、その先端側に二股状のヨーク部5Aを有し、このヨーク部5Aに印字器7(図1)を取り付けている。
【0052】
図5は、プラテンユニット6における台紙なしラベル分離装置9、移送用ローラー18および押付けエレメント19の斜視図、図6は、台紙なしラベル連続体3を装填した状態のプラテンユニット6における台紙なしラベル分離装置9、移送用ローラー18および押付けエレメント19の斜視図、図7は、プラテンユニット6における台紙なしラベル分離装置9を開放した状態の斜視図、図8は、プラテンユニット6における台紙なしラベル分離装置9を開放した状態の縦断面図である。
【0053】
押付けエレメント19は、移送用ローラー18に台紙なしラベル連続体3を押し付けるためのものであり、エレメントフレーム40と、上下左右二対のバックアップローラー41と、バックアップローラー41の間で中央に位置するバックアップリング42と、ねじりコイルバネ43(図5)および左右一対の板バネ44と、を有する。
【0054】
ねじりコイルバネ43および左右一対の板バネ44は、プラテンユニット6が開閉用係脱片28から離脱したときに、移送用ローラー18と押付けエレメント19とを互いに離反させる付勢部材として機能し、押付けエレメント19から移送用ローラー18を離反させ、その間に台紙なしラベル連続体3を挿通可能とする間隙45(図3)を形成可能とする。
【0055】
ただし、プラテンフレーム17は、係脱ボス25と開閉用係脱片28との係合により、ねじりコイルバネ43および板バネ44の付勢力に抗して本体フレーム2にこれを固定可能としている。
【0056】
なお、エレメントフレーム40は、プラテンフレーム17の外壁面に設けたエレメント軸46(図4)の周りにプラテンフレーム17に対してこれを回動可能としてあり、プラテンユニット6において押付けエレメント19に対してプラテンフレーム17を相対的に開閉可能としている。また、エレメントフレーム40は、バックアップローラー41およびバックアップリング42を取り付ける上下一対の回転軸47を有する。
【0057】
バックアップローラー41およびバックアップリング42は、台紙なしラベル連続体3の裏面(糊面)が接触移送されるため、非粘着性の物性を有するシリコーンあるいはフッ素系のゴム材からこれを構成するか、剥離剤などを塗布しておくもので、台紙なしラベル連続体3を移送用ローラー18側に押付け可能である。
【0058】
また、バックアップローラー41およびバックアップリング42は、台紙なしラベル連続体3の糊面に線接触するため、糊面との粘着力を極力小さくすることができるとともに、所定のバネ弾性を持った押付けが可能である。
【0059】
バックアップローラー41は、移送用ローラー18の移送用爪38の外周部の外周円周溝39に接触回転するとともに、バックアップリング42が、移送用ローラー18の移送用爪38の内周部の中央円周溝37に接触回転することにより、移送用ローラー18と押付けエレメント19との間に台紙なしラベル連続体3を挟持しつつ、また、移送用爪38が台紙なしラベル連続体3の表面側からその移送用スリット3Bに係合し移送用ローラー18の回転によって台紙なしラベル連続体3を移送用無端ベルト23上に送り出す。
【0060】
ねじりコイルバネ43は、移送用ローラー18と押付けエレメント19との間において、間隙45からは側方にずれた位置に設けたバネ取付軸(図示せず)にこれを取り付けてあり、プラテンフレーム17(プラテンユニット6)全体を押付けエレメント19に対して常時開放方向(図3)に付勢する。
【0061】
板バネ44は、移送用ローラー18とは反対側のエレメントフレーム40の背面にこれを取り付け、操作レバー5のレバー軸11部分に当接して、ねじりコイルバネ43と協動して、プラテンフレーム17(プラテンユニット6)全体を押付けエレメント19に対して常時開放方向(図3)に付勢する。
【0062】
印字器7は、操作レバー5における二股状のヨーク部5Aの先端部側にこれを取り付け、インキローラー48(図1)により印字器7の活字にインキを塗布し、プラテンユニット6における移送用無端ベルト23の上面に移送されてきた台紙なしラベル連続体3(ラベル片L)に所定の情報を印字する。
【0063】
貼付けローラー8は、本体フレーム2の先端下方部に配置される。具体的には、本体フレーム2の端部(図1中、左端下方端部)に配置されるとともに、その円周部の一部が本体フレーム2の外部に露出して配置される。この貼付けローラー8は、移送用無端ベルト23の先端まで移送されてきた台紙なしラベル連続体3の先端部分を携帯式台紙なしラベル貼付け機1全体の貼付け操作によって押圧し(具体的には、台紙なしラベル連続体3の先端に位置するラベル片Lを押圧する。)、台紙なしラベル連続体3の先端部分を被貼付け体に押し付けて貼付ける。携帯式台紙なしラベル貼付け機1全体の貼付け操作は、貼付けローラー8を被貼付け体に打ち付けるようにして回転させることにより行われる。
【0064】
一定ピッチで移送される台紙なしラベル連続体3は、移送用無端ベルト23の先端まで移送されると、先端部分が移送用無端ベルト23から剥離される(先端部分に位置するラベル片Lが移送用無端ベルト23から剥離される。)。剥離された先端部分は、貼付けローラー8の下に配置される(剥離された先端部分が、貼付けローラー8の下にもぐり込む。)。この状態で携帯式台紙なしラベル貼付け機1全体の貼付け操作を行い、貼付けローラー8を被貼付け体に打ち付けるようにして回転させることにより、台紙なしラベル連続体3の先端部分が貼付けローラー8に押圧されて、被貼付け体に押し付けられ、被貼付け体に貼付けられる。
【0065】
ここで、台紙なしラベル連続体3は、その先端部分が貼付けローラー8に押圧されて、被貼付け体に押し付けられた段階では、まだ先端部分のラベル片Lが繋がったままの状態であるが、一連の貼付け操作を行う中で、携帯式台紙なしラベル貼付け機1全体を被貼付け体から引き離す際、先端部分のラベル片Lがミシン目3Aの部分で切断され、切り離される。すなわち、上記のように、貼付け操作は、貼付けローラー8を被貼付け体に打ち付けるようにして回転させることにより行われるので、一旦、貼付けローラー8を被貼付け体に押し付けた後、被貼付け体から引き離すことにより、ミシン目3Aを破断させる力が働く。このとき、携帯式台紙なしラベル貼付け機1側で台紙なしラベル連続体3が保持されている必要がある。本実施例の携帯式台紙なしラベル貼付け機1では、移送用無端ベルト23上の台紙なしラベル連続体3が、移送用無端ベルト23に仮着されるとともに、移送用ローラー18に巻き掛けられた台紙なしラベル連続体3が、移送用ローラー18に設けられた移送用爪38に係合されて保持される。したがって、台紙なしラベル連続体3の先端部分を被貼付け体に貼付けた後、携帯式台紙なしラベル貼付け機1を被貼付け体から引き離す操作を行っても、台紙なしラベル連続体3が引き出されることはなく、被貼付け体に貼付けられたラベル片Lの部分のみをミシン目3Aの部分で切断させて、切り離すことができる。これにより、単葉のラベル片Lを被貼付け体に貼付けることができる。
【0066】
台紙なしラベル分離装置9は、図4に示すように、プラテンユニット6のプラテンフレーム17に回動可能に設けた分離爪エレメント49を有する。
【0067】
分離爪エレメント49は、移送用ローラー18と移送用無端ベルト23との間にこれを配置するとともに、押付けエレメント19により移送用ローラー18に押し付けられていた台紙なしラベル連続体3を移送用ローラー18から確実に分離可能とし、移送用ローラー18と移送用無端ベルト23との間において台紙なしラベル連続体3を移送用ローラー18から移送用無端ベルト23に移行させることができるようにしている。
【0068】
具体的に、分離爪エレメント49は、左右一対の回動アーム50およびその間の横断アーム51を有する爪エレメント本体52と、横断アーム51から移送用ローラー18に向かって突出形成した左右一対の分離爪片53と、分離爪片53に対してほぼ直角方向に分離爪片53の間に形成した逆転防止片54と、回動アーム50の基部に弾性的に形成した爪エレメント係脱片55と、を有する。
【0069】
分離爪エレメント49は、プラテンユニット6のプラテンフレーム17においてこれをその周りに回動可能な回動突起56を回動アーム50の先端部に有する。
【0070】
すなわち、プラテンフレーム17におけるローラー軸29近傍には、回動用凹部57を形成してあり、この回動用凹部57に回動突起56が係合し、この回動突起56の周りにおいて、分離爪エレメント49が、移送用ローラー18から台紙なしラベル連続体3を分離可能な第1の姿勢(図5および図6を参照)と、移送用ローラー18から離脱し、移送用ローラー18の周りにおける台紙なしラベル連続体3の状態を確認可能な第2の姿勢(図7および図8を参照)との間に、回動可能である。
【0071】
図9は、台紙なしラベル連続体3を装填した状態のプラテンユニット6における台紙なしラベル分離装置9、移送用ローラー18、押付けエレメント19および移送用無端ベルト23の、分離爪片53部分における縦断面図、図10は、台紙なしラベル連続体3を装填した状態のプラテンユニット6における台紙なしラベル分離装置9、移送用ローラー18、押付けエレメント19および移送用無端ベルト23の、逆転防止片54部分における縦断面図である。
【0072】
とくに、図10に示すように、逆転防止片54は、移送用ローラー18の中央円周溝37に移送用爪38と同じ所定ピッチで形成した逆転防止凹部58それぞれに係脱可能である。
【0073】
爪エレメント係脱片55は、プラテンフレーム17に形成した爪エレメント係脱孔部59(爪エレメント係脱部)に弾性的に係脱可能であって、分離爪エレメント49の上記第2の姿勢を解除可能にロックする。
【0074】
既述のように、移送用ローラー18の移送用爪38を台紙なしラベル連続体3の移送用スリット3Bに係脱可能としているとともに、分離爪エレメント49の分離爪片53は、移送用ローラー18の外周円周溝39の部位、ないしは、外周円周溝39と押付けエレメント19におけるバックアップローラー41との間に臨むことができるようにしているとともに、分離爪片53の先端部は、移送用爪38と移送用スリット3Bとの係合部位より上流側に位置可能としている。
[作用]
【0075】
つぎに、携帯式台紙なしラベル貼付け機1の作用について説明する。
〔台紙なしラベル連続体3の装填〕
【0076】
開閉用ツマミ26を操作し、開閉用係脱片28の係脱用凹部28Aと係脱ボス25との間の係合を解除することにより、プラテンユニット6を本体フレーム2に対して開放すると、板バネ44を介してレバー軸11ないしは本体フレーム2からの反力を受けて、ねじりコイルバネ43が押付けエレメント19から移送用ローラー18部分を離反させ、移送用ローラー18と押付けエレメント19との間が最大限に開いて間隙45が形成される。
【0077】
したがって、移送用ローラー18の円周部における中央円周溝37、移送用爪38および外周円周溝39と、押付けエレメント19のバックアップローラー41およびバックアップリング42との間に形成される間隙45の部分に台紙なしラベル連続体3の先頭部を挿通することができる。
【0078】
ついで、プラテンユニット6を図1の状態に閉鎖して、開閉用係脱片28の係脱用凹部28Aと係脱ボス25とを係合させ、操作レバー5およびグリップ10を何回か握持して、台紙なしラベル連続体3の移送用スリット3Bに移送用爪38を係合させれば、台紙なしラベル連続体3の移送を可能として装填を完了する。
〔貼付け操作〕
【0079】
プラテンユニット6を閉鎖した状態の携帯式台紙なしラベル貼付け機1において、操作レバー5およびグリップ10を握持することにより、印字器7が移送用無端ベルト23上の台紙なしラベル連続体3に印字を行うとともに、移送回動用爪32が移送用ローラー18におけるローラーギア24の移送用突起33から隣の(図3中、右側の)移送用突起33側に移行し、ついで操作レバー5の解放によって、移送回動用爪32がこの移送用突起33を前方に(図3中、左方向に)回動させて、移送用ローラー18を所定ピッチで回動して台紙なしラベル連続体3を所定の送り量で移送する。
【0080】
さらに移送用ローラー18に係合している駆動ギア21Aを介して駆動プーリー21が回動することにより移送用無端ベルト23を所定ピッチで回動させて、その上面の台紙なしラベル連続体3を本体フレーム2の外方に所定ピッチで送り出し可能とする。
【0081】
これにより、移送用無端ベルト23の先頭部(下流側)において本体フレーム2の外方に送り出された台紙なしラベル連続体3のラベル片Lを貼付けローラー8により所定の被貼付け体に貼付けることができる。
【0082】
貼付け操作は、貼付けローラー8を被貼付け体に打ち付けるようにして回転させることにより行われる。この操作により、台紙なしラベル連続体3の先端部分が貼付けローラー8に押圧されて、被貼付け体に押し付けられ、ミシン目3Aの部分で切断されて、被貼付け体に貼付けられる。すなわち、貼付けローラー8を被貼付け体に押し当てる操作により、台紙なしラベル連続体3の先端部分が被貼付け体に貼付けられ、貼付けローラー8を被貼付け体から引き離す操作(携帯式台紙なしラベル貼付け機1を被貼付け体から引き離す操作)により、先端部分のラベル片Lがミシン目3Aの部分で切断され、切り離される。これにより、単葉のラベル片Lを被貼付け体に貼付けることができる。
【0083】
ここで、被貼付け体に貼付けたラベル片Lをミシン目3Aの部分で切断して切り離すには、携帯式台紙なしラベル貼付け機1側で台紙なしラベル連続体3が保持されている必要があるが、本実施例の携帯式台紙なしラベル貼付け機1では、移送用無端ベルト23上の台紙なしラベル連続体3が、移送用無端ベルト23に仮着されるとともに、移送用ローラー18に巻き掛けられた台紙なしラベル連続体3が、移送用ローラー18に設けられた移送用爪38に係合されて保持されるので、台紙なしラベル連続体3の先端部分を被貼付け体に貼付けた後、携帯式台紙なしラベル貼付け機1を被貼付け体から引き離す操作を行っても、台紙なしラベル連続体3が引き出されることはなく、被貼付け体に貼付けられたラベル片Lの部分のみをミシン目3Aの部分で切断させて、切り離すことができる。
【0084】
このように、ラベル片Lを被貼付け体に貼付ける操作でラベル片Lを切り離す構成とすることにより、携帯式台紙なしラベル貼付け機1にラベル片Lの切断機構を搭載する必要がなくなる。これにより、携帯式台紙なしラベル貼付け機1の構成を簡素化することができるとともに、コンパクト化を図ることができる。
【0085】
なお、上述した、操作レバー5およびグリップ10の握持により、移送回動用爪32が移送用ローラー18におけるローラーギア24の移送用突起33から隣の(図3中、右側の)移送用突起33側に移行する際に、とくに図10に示すように、分離爪エレメント49の逆転防止片54が、移送用ローラー18の逆転防止凹部58に係合しているので、移送用ローラー18が図10中、反時計方向には回動(逆転)することがなく、移送用ローラー18による台紙なしラベル連続体3の安定した移送を保証している。
【0086】
もちろん、操作レバー5およびグリップ10の解放により移送用ローラー18が時計方向(移送方向)に回動する際に、逆転防止片54は、次の逆転防止凹部58に移行して係合することになる。
【0087】
さらに台紙なしラベル分離装置9により、移送用ローラー18における左右一対の外周円周溝39と台紙なしラベル連続体3との間には、分離爪エレメント49の左右一対の分離爪片53がそれぞれ位置しているので(第1の姿勢)、移送用ローラー18の移送用爪38と係合して分離爪片53の部分まで移送されてきた台紙なしラベル連続体3は、その表面側が分離爪片53の底面に接触しつつ、移送用爪38から台紙なしラベル連続体3の移送用スリット3Bが離脱する結果、移送用爪38から強制的に分離され、移送用無端ベルト23上に移行することになる。
【0088】
移送用ローラー18のローラーギア24と、移送用無端ベルト23の駆動プーリー21との係合回転により、移送用無端ベルト23上の台紙なしラベル連続体3はさらに従動プーリー22の方向に向かって移送されることになる。
【0089】
また、移送用ローラー18と移送用無端ベルト23との間において台紙なしラベル連続体3がジャミングしたり、あるいは、その周りの部品や機構への糊の付着などを除去清掃する作業その他のためにメンテナンスが必要なときには、図7および図8に示すように、台紙なしラベル分離装置9における分離爪エレメント49(回動アーム50)を回動突起56の周りに上方へ引っ張り上げるように回動開放して、移送用ローラー18と移送用無端ベルト23との間から退避させて第2の姿勢とし、すなわち、分離爪エレメント49を簡単にその作動位置から解除して、移送用ローラー18の周りにおける台紙なしラベル連続体3の状態を確認可能とするとともに、糊が付着した部分の必要な清掃その他の作業を行うことができる。
〔移送用ローラー18の交換〕
【0090】
移送用ローラー18は、台紙なしラベル連続体3の移送時に、その周面に形成された移送用爪38が、台紙なしラベル連続体3に形成された移送用スリット3Bに差し込まれる。これにより、台紙なしラベル連続体3を安定して移送することができる。
【0091】
台紙なしラベル連続体3を構成する個々のラベル片Lのサイズが変わると、移送用スリット3Bの形成間隔も変わるので、台紙なしラベル連続体3を変更する場合は、必要に応じて移送用ローラー18も交換する必要がある。すなわち、その台紙なしラベル連続体3に形成されている移送用スリット3Bの形成間隔に合致した移送用ローラー18に交換する必要がある。
【0092】
移送用ローラー18の交換は、次のように行われる。まず、開閉用ツマミ26を操作し、開閉用係脱片28の係脱用凹部28Aと係脱ボス25との間の係合を解除して、プラテンユニット6を本体フレーム2に対して開放する。つぎに、現在、プラテンフレーム17に装填されている移送用ローラー18をローラー軸29ごとプラテンフレーム17から取り外す。つぎに、交換対象の移送用ローラー18にローラー軸29を取り付けて、プラテンフレーム17に装着する。以上により、移送用ローラー18の交換が完了する。この後、プラテンユニット6を図1の状態に閉鎖して、開閉用係脱片28の係脱用凹部28Aと係脱ボス25とを係合させる。
【0093】
このように、本実施例の携帯式台紙なしラベル貼付け機1によれば、使用する台紙なしラベル連続体3に応じて移送用ローラー18を交換することができる。これにより、さまざまなサイズの台紙なしラベル連続体3の貼付け操作を行うことができる。
【0094】
なお、本例では、説明の便宜上、2つの移送用ローラー18A、18Bを用意する例で説明したが、用意する移送用ローラーの数は、これに限定されるものではない。使用が想定される台紙なしラベル連続体3に合わせて、複数用意することが好ましい。
【0095】
また、本例では、台紙なしラベル連続体3に形成する移送用の穴(移送用穴)をスリットとしているが、移送用穴の形状は、これに限定されるものではない。たとえば、丸穴等で形成する態様でもよい。この場合、移送用爪は、移送用穴に対応した形状で形成される。
【0096】
また、本例では、移送用穴(移送用スリット)を一対で形成しているが、移送用穴は、必ずしも一対で形成する必要はない。たとえば、幅方向の中央の1カ所にのみ形成するようにしてもよい。
【0097】
また、台紙なしラベル連続体3については、図13に示すように、ミシン目3Aの両端部分に切欠き3Cを形成することが好ましい。これにより、ミシン目3Aに沿って切断する際、より破断させやすくすることができる。
[その他の実施例]
【0098】
上記実施例では、移送用爪の形成間隔が異なる移送用ローラーを複数用意する態様としているが、移送用ローラーは、その移送用爪の形成間隔が調整可能であればよい。したがって、1つの移送用ローラーであっても、その移送用爪の形成間隔を調整できる構成であれば、同様の効果を得ることができる。たとえば、移送用ローラーの周面に一定の間隔で移送用爪の取付部を形成し、移送用爪の取り付け位置を任意に調整できるようにしてもよい(たとえば、一定の間隔で取付穴を形成し、その取付穴に移送用爪を差し込んで取り付ける構成とすることができる。)。
【符号の説明】
【0099】
1 携帯式台紙なしラベル貼付け機(図1)
2 本体フレーム
2A 左右一対の側板
3 台紙なしラベル連続体
3A 台紙なしラベル連続体3のミシン目
3B 台紙なしラベル連続体3の移送用スリット
4 用紙ホルダー
5 操作レバー
5A 操作レバー5の二股状のヨーク部
6 プラテンユニット(図4)
7 印字器
8 貼付けローラー
9 携帯式台紙なしラベル貼付け機1の台紙なしラベル分離装置(実施例、図4、図6、図7)
10 グリップ
11 レバー軸
12 コイルスプリング
13 ホルダー軸
14 ホルダーカバー
15 ラベル保持軸
16 固定用フック
17 プラテンフレーム(図4)
18 移送用ローラー
19 押付けエレメント(図4)
20 プラテン開閉軸
21 駆動プーリー
21A 駆動ギア
22 従動プーリー
23 移送用無端ベルト
23A 移送用無端ベルト23内方の受圧用プレート(図8)
24 ローラーギア
25 係脱ボス
26 開閉用ツマミ
27 ツマミ軸
28 開閉用係脱片
28A 開閉用係脱片28の係脱用凹部
29 ローラー軸
30 連結アーム
31 連結軸
32 移送回動用爪
33 移送用ローラー18の移送用突起
34 連結ガイドプレート
35 連結突起
36 プラテンフレーム17の底部におけるガイド溝
37 中央円周溝
38 左右一対の移送用爪
39 左右一対の外周円周溝
40 エレメントフレーム
41 上下左右二対のバックアップローラー
42 バックアップリング
43 ねじりコイルバネ
44 左右一対の板バネ
45 移送用ローラー18と押付けエレメント19との間の間隙(図7)
46 エレメント軸
47 上下一対の回転軸
48 インキローラー
49 分離爪エレメント(図4)
50 左右一対の回動アーム
51 横断アーム
52 爪エレメント本体
53 左右一対の分離爪片
54 逆転防止片
55 左右一対の爪エレメント係脱片
56 左右一対の回動突起
57 左右一対の回動用凹部
58 逆転防止凹部
59 爪エレメント係脱孔部(爪エレメント係脱部)
60 軸受部
L ラベル片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に一定の間隔で移送用穴が形成され、ロール状に巻回された帯状の台紙なしラベル連続体を装填される携帯式台紙なしラベル貼付け機において、
本体フレームと、
前記本体フレームに設けられるグリップと、
前記本体フレームに揺動可能に設けられ、前記グリップとともに握持・解放操作される操作レバーと、
前記本体フレームに備えられ、ロール状に巻回された前記台紙なしラベル連続体を保持するラベル保持部と、
前記本体フレームに着脱可能に設けられ、前記操作レバーの握持・開放操作により回転して、前記ラベル保持部に保持された前記台紙なしラベル連続体を長手方向に沿って移送する移送用ローラーと、
前記移送用ローラーの周面に一定の間隔で設けられ、前記移送用ローラーに巻き掛けられた前記台紙なしラベル連続体の前記移送用穴に差し込まれる移送用爪と、
前記本体フレームに備えられ、前記操作レバーの握持・開放操作により回転して、前記移送用ローラーによって移送された前記台紙なしラベル連続体を長手方向に沿ってさらに移送する移送用無端ベルトと、
前記本体フレームに備えられ、前記移送用無端ベルトによって移送された前記台紙なしラベル連続体の先端を被貼付け体に押し当てて、前記被貼付け体に貼付ける貼付けローラーと、
を備え、前記移送用ローラーは、前記移送用爪の形成間隔が異なるものが複数揃えられ、前記台紙なしラベル連続体に形成される前記移送用穴の形成間隔に合わせて、前記移送用ローラーが交換されることを特徴とする携帯式台紙なしラベル貼付け機。
【請求項2】
長手方向に一定の間隔で移送用穴が形成され、ロール状に巻回された帯状の台紙なしラベル連続体を装填される携帯式台紙なしラベル貼付け機において、
本体フレームと、
前記本体フレームに設けられるグリップと、
前記本体フレームに揺動可能に設けられ、前記グリップとともに握持・解放操作される操作レバーと、
前記本体フレームに備えられ、ロール状に巻回された前記台紙なしラベル連続体を保持するラベル保持部と、
前記本体フレームに設けられ、前記操作レバーの握持・開放操作により回転して、前記ラベル保持部に保持された前記台紙なしラベル連続体を長手方向に沿って移送する移送用ローラーと、
前記移送用ローラーの周面に一定の間隔で設けられ、前記移送用ローラーに巻き掛けられた前記台紙なしラベル連続体の前記移送用穴に差し込まれる移送用爪と、
前記本体フレームに備えられ、前記操作レバーの握持・開放操作により回転して、前記移送用ローラーによって移送された前記台紙なしラベル連続体を長手方向に沿ってさらに移送する移送用無端ベルトと、
前記本体フレームに備えられ、前記移送用無端ベルトによって移送された前記台紙なしラベル連続体の先端を被貼付け体に押し当てて、前記被貼付け体に貼付ける貼付けローラーと、
を備え、前記移送用爪は、形成間隔を調整可能に設けられ、前記台紙なしラベル連続体に形成される前記移送用穴の間隔に合わせて、前記移送用爪の形成間隔が調整されることを特徴とする携帯式台紙なしラベル貼付け機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−95425(P2013−95425A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236591(P2011−236591)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】