携帯機器および医療システム
【課題】携帯電話端末20を所有者が操作することなしに携帯電話端末20の所有者の電子カルテを参照することができる診療システム10を提供する。
【解決手段】本発明の携帯電話端末20は、電子カルテに関する情報を格納する記憶部205と、外部の機器と通信する近距離無線通信部209と、近距離無線通信部209を介して外部の機器から予め定められたサービスIDを受信した場合に、記憶部205に格納されている電子カルテに関する情報を、近距離無線通信部209を介して外部の機器へ送信する情報提供部206とを備える。
【解決手段】本発明の携帯電話端末20は、電子カルテに関する情報を格納する記憶部205と、外部の機器と通信する近距離無線通信部209と、近距離無線通信部209を介して外部の機器から予め定められたサービスIDを受信した場合に、記憶部205に格納されている電子カルテに関する情報を、近距離無線通信部209を介して外部の機器へ送信する情報提供部206とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器を利用して電子カルテを参照するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、携帯電話内に患者の電子カルテを格納し、格納された電子カルテを必要に応じて参照することにより、異なる医療機関での治療を継続することができるようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−15820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯電話などの機能の多い電子機器では、操作頻度の少ない機能についてはユーザがその操作を忘れてしまうことが多い。特に、機械操作に慣れていないお年寄り等には、その傾向が顕著である。また、救急搬送時など、本人が重篤の場合には、本人が携帯電話を操作できず、その人の携帯電話からその人の電子カルテの情報を参照することができない場合がある。
【0005】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、携帯機器を所有者が操作することなしに携帯機器の所有者の電子カルテを参照できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、本発明は、電子カルテに関する情報を格納する記憶手段と、
外部の機器と通信する通信手段と、
前記通信手段を介して外部の機器から予め定められたサービスIDを受信した場合に、前記記憶手段に格納されている電子カルテに関する情報を、前記通信手段を介して前記外部の機器へ送信する情報提供手段と
を備えることを特徴とする携帯機器を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、携帯機器をユーザが操作することなしに携帯機器の所有者の電子カルテを参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る診療システム10の構成を示すシステム構成図である。
【図2】携帯電話端末20の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】記憶部205に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図4】リーダライタ30の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図5】制御装置40の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図6】記憶部43に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図7】表示画面作成部42によって作成された受付画像60の一例を示す概念図である。
【図8】診療端末50の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図9】携帯電話端末20の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】リーダライタ30の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】制御装置40の動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】初診処理(S400)の一例を示すフローチャートである。
【図13】再診処理(S500)の一例を示すフローチャートである。
【図14】転院処理(S600)の一例を示すフローチャートである。
【図15】患者が初診の場合の診療システム10の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図16】患者が再診する場合の診療システム10の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図17】患者が転院する場合の診療システム10の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る診療システム10の構成を示すシステム構成図である。診療システム10は、電子カルテを格納するDBサーバ16、それぞれの患者が有する携帯電話端末20、ならびに、それぞれの医療機関毎に設けられたリーダライタ30、制御装置40、および診療端末50を備える。
【0011】
携帯電話端末20は、携帯電話システムにおいて用いられる無線通信方式により、最寄りの基地局14との間で無線通信を行い、ユーザの指示に応じて、電子カルテの情報等を管理するためのプログラムを携帯電話網13を介してプログラム配信サーバ11から取得して自携帯電話端末20にインストールする。
【0012】
また、携帯電話端末20は、RFIDシステムにおいて用いられる無線通信方式により、リーダライタ30との間で通信を行い、リーダライタ30を介して電子カルテに関する情報等を制御装置40から取得して保持する。また、携帯電話端末20は、リーダライタ30を介して制御装置40から要求された場合に、電子カルテに関する情報等をリーダライタ30を介して制御装置40に提供する。電子カルテに関する情報には、例えば、電子カルテを取得するためにアクセスすべきネットワーク上のアクセス先を示す情報が含まれる。
【0013】
制御装置40は、診療端末50から受け取った電子カルテを、インターネット15を介してDBサーバ16に登録し、当該電子カルテを取得するためにアクセスすべきアクセス先を示す情報を電子カルテに関する情報としてリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信する。
【0014】
また、制御装置40は、リーダライタ30を介して携帯電話端末20から電子カルテに関する情報を受け取った場合に、当該電子カルテに関する情報に基づいてインターネット15を介してDBサーバ16へアクセスし、対応する電子カルテを取得する。そして、制御装置40は、取得した電子カルテを診療端末50に提供する。
【0015】
診療端末50は、制御装置40から受け取った電子カルテを表示し、それまでの患者の治療の経緯を医師17に通知する。医師17は、表示された電子カルテに、今回の診察の内容を追記する。診療端末50は、今回の診察の内容が追記された電子カルテを再び制御装置40へ送る。
【0016】
このように、携帯電話端末20を介して取得した前回までの電子カルテの情報を参照することができるので、医師17は、今回の診察を、より効率的に行うことができる。
【0017】
図2は、携帯電話端末20の機能構成の一例を示すブロック図である。携帯電話端末20は、アンテナ200、無線通信部201、プログラム取得部202、プログラムインストール部203、失効確認部204、記憶部205、情報提供部206、認証部207、情報更新部208、近距離無線通信部209、およびアンテナ210を有する。
【0018】
無線通信部201は、アンテナ200を介して、携帯電話システムにおいて用いられる無線通信方式により、最寄りの基地局14との間で無線通信を行う。プログラム取得部202は、ユーザの指示に応じて、電子カルテに関する情報等を管理するためのプログラムを無線通信部201を介して外部のプログラム配信サーバ11から取得する。
【0019】
プログラムインストール部203は、プログラム取得部202によって取得されたプログラムを携帯電話端末20内にインストールする。プログラム配信サーバ11から取得したプログラムがインストールされることにより、図2の点線で囲まれた機能ブロック(失効確認部204、記憶部205、情報提供部206、認証部207、情報更新部208、および近距離無線通信部209)が実行可能となる。
【0020】
記憶部205には、例えば図3に示すように、データの種別2050を示す情報に対応付けて、それぞれのデータのデータ本体2051が格納される。端末識別情報とは、例えば、それぞれの携帯電話端末20を一意に識別するためにそれぞれの携帯電話端末20に予め設定されている情報である。プログラム配信サーバ11から取得したプログラムがインストールされた段階では、記憶部205内には端末識別情報が登録される。
【0021】
なお、電子カルテ情報とは、電子カルテに関する情報であり、例えば、電子カルテを取得するためにアクセスすべきアクセス先を示す情報および当該情報が作成された日時等の情報である。また、保険証情報とは、例えば、保険証の記号番号および被保険者の氏名等の情報である。また、診察券情報とは、それぞれの医療機関毎に作成された情報であり、当該医療機関が患者に割り当てた患者ID等の情報である。
【0022】
近距離無線通信部209は、アンテナ210を介して、RFIDシステムにおいて用いられる無線通信方式によりリーダライタ30との間で通信を行う。認証部207は、近距離無線通信部209を介してリーダライタ30との間で予め定められた認証手順に従って認証処理を実行する。そして、認証部207は、リーダライタ30との間の認証処理の結果を情報提供部206および情報更新部208に通知する。
【0023】
情報提供部206は、近距離無線通信部209を介してリーダライタ30から予め定められたサービスIDを受信した場合に、認証部207に指示してリーダライタ30との間で認証処理を実行させ、認証に成功した場合に、記憶部205に格納されているデータを近距離無線通信部209を介してリーダライタ30へ送信する。
【0024】
なお、サービスIDとは、例えば、無線通信により、定期券情報やクレジットカード情報をやり取りする他のサービスと、本実施形態における診療システム10によって提供される電子カルテの参照サービスとを区別するために、それぞれのサービスに割り当てられる識別情報である。
【0025】
情報更新部208は、認証部207によってリーダライタ30との間の認証が成功した後に、当該リーダライタ30から書き込み対象のデータと共に書込要求を受信した場合に、受信した書込対象のデータを記憶部205に格納する。
【0026】
失効確認部204は、記憶部205内に保険証情報が格納されている場合に、当該保険証情報の有効性を、所定のタイミングで無線通信部201を介して外部の保険証情報管理サーバ12に問い合わせる。そして、当該保険証情報が有効である旨の回答を保険証情報管理サーバ12から得られなかった場合、失効確認部204は、当該保険証情報を記憶部205から削除する。
【0027】
失効確認部204は、例えば、月末や月初毎に保険証情報の有効性を確認する。これにより、記憶部205内に保険証情報が格納されている場合、当該保険証情報は有効な情報であることが保証される。
【0028】
図4は、リーダライタ30の機能構成の一例を示すブロック図である。リーダライタ30は、アンテナ31、サービスID送信指示部32、近距離無線通信部33、認証部34、および中継部35を有する。
【0029】
近距離無線通信部33は、アンテナ31を介して、RFIDシステムにおいて用いられる無線通信方式により携帯電話端末20との間で通信を行う。サービスID送信指示部32は、所定のタイミング(例えば1秒毎)で予め定められたサービスIDを近距離無線通信部33に送信させる。
【0030】
認証部34は、近距離無線通信部33を介して携帯電話端末20との間で予め定められた認証手順に従って認証処理を実行する。そして、携帯電話端末20との認証に成功した場合、認証部34は、認証に成功した旨を中継部35および制御装置40に通知する。
【0031】
中継部35は、認証部34によって携帯電話端末20との間の認証が成功した後に、携帯電話端末20と制御装置40との通信を中継する。また、中継部35は、制御装置40から中継終了の指示を受信した場合に、携帯電話端末20と制御装置40との通信の中継を終了する。
【0032】
図5は、制御装置40の機能構成の一例を示すブロック図である。制御装置40は、診察終了判定部41、表示画面作成部42、記憶部43、登録部44、電子カルテ中継部45、および電子カルテ情報送信部46を有する。
【0033】
記憶部43には、例えば図6に示すように、複数のレコード434が格納される。それぞれのレコード434には、診察券情報430、保険証情報431、電子カルテ情報432、および端末識別情報433が格納されるフィールドが設けられている。本実施形態において、記憶部43内に端末識別情報433が登録されているということは、対応する携帯電話端末20のユーザが、診察の受付を済ませており、かつ、対応する携帯電話端末20に、今回の診察内容が記載された電子カルテの情報がまだ登録されていない状態であることを示す。
【0034】
診察終了判定部41は、リーダライタ30から認証成功を通知された場合に、リーダライタ30を介して携帯電話端末20にデータ要求を送信し、携帯電話端末20から端末識別情報等の情報を取得する。そして、診察終了判定部41は、取得した端末識別情報が記憶部43内に既に格納されているか否かを判定する。
【0035】
取得した端末識別情報が記憶部43内に既に格納されている場合、即ち、対応する携帯電話端末20のユーザが、診察の受付を済ませており、かつ、対応する携帯電話端末20に、今回の診察内容が記載された電子カルテの情報がまだ登録されていない状態である場合、診察終了判定部41は、取得した端末識別情報に対応付けられている電子カルテ情報を記憶部43から取得する。そして、診察終了判定部41は、取得した電子カルテ情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し、リーダライタ30に中継終了を指示する。
【0036】
一方、取得した端末識別情報が記憶部43内にまだ格納されていない場合、即ち、対応する携帯電話端末20のユーザが、診察の受付をまだ済ませていない場合、診察終了判定部41は、携帯電話端末20から取得した情報を表示画面作成部42へ送る。
【0037】
表示画面作成部42は、携帯電話端末20から取得した情報を診察終了判定部41から受け取った場合に、携帯電話端末20から取得した情報の中に、診察券情報、保険証情報、および電子カルテ情報の全てが含まれていれば、取得した診察券情報、保険証情報、および電子カルテ情報を44へ送る。なお、診察券情報が他の医療機関の診察券情報である場合、表示画面作成部42は、診察券情報が含まれていないと判定する。
【0038】
また、携帯電話端末20から取得した情報を診察終了判定部41から受け取った場合に、携帯電話端末20から取得した情報の中に、診察券情報、保険証情報、および電子カルテ情報の少なくともいずれかが含まれていなければ、表示画面作成部42は、当該情報の中に電子カルテ情報が含まれているか否かを判定する。
【0039】
携帯電話端末20から取得した情報の中に電子カルテ情報が含まれていない場合、即ち、携帯電話端末20のユーザがどの医療機関でも診察を受けたことが無い全くの初診か、または、ユーザが前回の診察時とは異なる携帯電話端末20を使っている場合(例えば携帯電話端末20を買い換えた場合)、表示画面作成部42は、例えば図7に示すような受付画像60を作成して液晶モニタ等の表示装置に表示させると共に、受付画像60に表示させた内容を示す情報を登録部44へ送る。
【0040】
なお、本実施形態では、診察を受けた場合には、診察券情報および保険証情報と共に、電子カルテの情報が携帯電話端末20内に登録されるため、携帯電話端末20内にいずれかの医療機関の診察券情報が格納されているにもかかわらず電子カルテ情報が格納されていないという状態は存在しない。ただし、携帯電話端末20内の保険証情報については、携帯電話端末20内の失効確認部204によって削除されることがあり得る。
【0041】
表示画面作成部42によって作成される受付画像60には、診察券情報を入力および表示するための領域61、保険証情報を入力および表示するための領域62、緊急ボタン63、ならびに通常診察ボタン64が含まれる。医療機関の受付担当者は、患者が緊急を要する状態にある場合に、マウスやキーボード等の入力装置を介して緊急ボタン63を押下する。
【0042】
一方、患者がそれほど緊急を要する状態にない場合、医療機関の受付担当者は、患者に保険証の提示を求め、患者から提示された保険証の情報に基づいて患者IDを作成し、患者IDや患者の氏名を受付画像60内の領域61に、保険証の情報を受付画像60内の領域62に、それぞれ入力した上で通常診察ボタン64を押下する。
【0043】
携帯電話端末20から取得した情報の中に電子カルテ情報が含まれている場合、即ち、携帯電話端末20のユーザが当医療機関も含めていずれかの医療機関で診察を受けたことがある場合、表示画面作成部42は、携帯電話端末20から取得した情報の中に当医療機関の診察券情報が含まれているか否かを判定する。
【0044】
携帯電話端末20から取得した情報の中に当医療機関の診察券情報が含まれておらず、かつ、保険証情報も含まれていない場合、即ち、過去に当医療機関で診察を受けたことがなく、かつ、保険証が失効した経験を持つ患者である場合(保険証情報が失効している場合には失効確認部204が携帯電話端末20の記憶部205から保険証情報を削除する。本実施形態において、保険証情報は、携帯電話端末20単独では保険証情報を登録できない)、表示画面作成部42は、領域61および領域62が空欄の受付画像60を表示装置に表示させると共に、受付画像60に表示させた内容を示す情報を登録部44へ送る。
【0045】
一方、携帯電話端末20から取得した情報の中に当医療機関の診察券情報が含まれていないが、保険証情報が含まれている場合、即ち、過去に当医療機関で診察を受けたことがあり、かつ、有効な保険証情報を有する患者である場合、表示画面作成部42は、領域61に保険証情報を記載した形の受付画像60を表示装置に表示させると共に、受付画像60に表示させた内容を示す情報を登録部44へ送る。
【0046】
携帯電話端末20から取得した情報の中に当医療機関の診察券情報が含まれているが、保険証情報が含まれていない場合、即ち、過去に当医療機関で診察を受けたことがあるが、保険証が失効した経験を持つ患者である場合、表示画面作成部42は、領域61に診察券情報を記載した形の受付画像60を表示装置に表示させると共に、受付画像60に表示させた内容を示す情報を登録部44へ送る。
【0047】
なお、携帯電話端末20から取得した情報の中に当医療機関の診察券情報および保険証情報が含まれている場合、即ち、携帯電話端末20から取得した情報の中に、診察券情報、保険証情報、および電子カルテ情報の全てが含まれている場合については、先に説明した通りである。
【0048】
登録部44は、表示画面作成部42から診察券情報、保険証情報、および電子カルテ情報を受け取った場合に、記憶部43を参照して、受け取った診察券情報を含むレコードを特定する。そして、登録部44は、表示画面作成部42から受け取った電子カルテ情報に含まれている作成日時と、特定したレコードに格納されている電子カルテ情報に含まれている作成日時とを比較し、新しい方の電子カルテ情報を特定したレコードに格納する。
【0049】
これにより、当院で診察を受けた後に他の医療機関で診察を受けることにより、電子カルテが更新された場合であっても、最新の電子カルテを参照して今回の診察を行うことができる。
【0050】
そして、登録部44は、特定したレコードに格納されている診察券情報に含まれている患者IDを取得すると共に、特定したレコードに含まれている電子カルテ情報を取得する。そして、登録部44は、取得した患者IDおよび電子カルテ情報を電子カルテ中継部45へ送ると共に、リーダライタ30に中継終了を指示する。
【0051】
登録部44は、受付担当者によって入力装置を介して表示装置に表示された受付画像60の緊急ボタン63が押下された場合に、電子カルテ中継部45に電子カルテの雛形の送信を指示すると共に、リーダライタ30に中継終了を指示する。一方、通常診察ボタン64が押下された場合、登録部44は、領域62に記載された保険証情報に基づいて記憶部43を参照し、同一の保険証情報を格納するレコードが既に存在するか否かを判定する。
【0052】
同一の保険証情報を格納するレコードが記憶部43内に存在しない場合、即ち、当医療機関で過去に診察を受けたことがない患者である場合、登録部44は、記憶部43内にレコードを新たに作成し、作成したレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報と共に、受付画像60に表示された診察券情報および保険証情報を格納する。登録部44は、表示画面作成部42から電子カルテ情報を受け取っていた場合には、当該電子カルテ情報も新たに作成したレコードに格納する。
【0053】
そして、新たに作成したレコード内に電子カルテ情報が格納された場合、登録部44は、当該電子カルテ情報と共に、当該レコードに格納されている診察券情報に含まれる患者IDを電子カルテ中継部45へ送る。そして、登録部44は、リーダライタ30に中継終了を指示する。
【0054】
新たに作成したレコード内に電子カルテ情報が格納されていない場合、登録部44は、電子カルテ中継部45に、当該レコードに格納されている診察券情報に含まれる患者IDを送ると共に、電子カルテの雛形の送信を指示し、リーダライタ30に中継終了を指示する。
【0055】
また、受付画像60の領域62に記載された保険証情報と同一の保険証情報を格納するレコードが記憶部43内に既に存在する場合、即ち、当医療機関で過去に診察を受けたことがある患者である場合、登録部44は、該当するレコードに格納されている診察券情報に含まれている患者IDを取得すると共に、該当するレコードに含まれている電子カルテ情報を取得する。そして、登録部44は、取得した患者IDおよび電子カルテ情報を電子カルテ中継部45へ送ると共に、リーダライタ30に中継終了を指示する。
【0056】
電子カルテ中継部45は、登録部44から患者IDと共に電子カルテの雛形の送信を指示された場合に、当該患者IDと共に、電子カルテの雛形を診療端末50へ送信する。また、登録部44から患者IDおよび電子カルテ情報を受信した場合、電子カルテ中継部45は、当該電子カルテ情報に基づいてインターネット15を介してDBサーバ16にアクセスして電子カルテを取得し、取得した電子カルテを、患者IDと共に診療端末50へ送信する。
【0057】
電子カルテ情報送信部46は、診療端末50から患者IDと共に電子カルテを受信した場合に、インターネット15を介してDBサーバ16にアクセスして受信した電子カルテを登録する。そして、電子カルテ情報送信部46は、当該電子カルテを取得するためにアクセスすべきサクセス先を示す情報を電子カルテ情報として、当該患者IDを含む診察券情報を格納する記憶部43内のレコードに格納する。
【0058】
図8は、診療端末50の機能構成の一例を示すブロック図である。診療端末50は、電子カルテ表示部51、電子カルテ編集部52、および電子カルテ送信部53を有する。
【0059】
電子カルテ表示部51は、制御装置40から患者IDと共に電子カルテまたは電子カルテの雛形を受け取り、受け取った電子カルテまたは電子カルテの雛形を液晶モニタ等の表示装置に表示させる。また、電子カルテ表示部51は、データが追加された電子カルテを電子カルテ編集部52から受け取った場合に、受け取った電子カルテを表示装置に表示させる。
【0060】
電子カルテ編集部52は、医師17による診察の過程で、キーボード等の入力装置を介して、電子カルテへのデータの入力を受け付け、受け付けた入力に基づいて電子カルテにデータを追加し、データが追加された電子カルテを電子カルテ表示部51へ送る。電子カルテ送信部53は、入力装置を介して医師17から診察の終了を指示された場合に、データが追加された電子カルテを患者IDと共に電子カルテ表示部51から取得して制御装置40へ送る。
【0061】
図9は、携帯電話端末20の動作の一例を示すフローチャートである。例えば電源が投入される等の所定のタイミングで、携帯電話端末20は本フローチャートに示す動作を開始する。
【0062】
まず、プログラム取得部202は、電子カルテの情報等を管理するためのプログラムが既に携帯電話端末20にインストールされているか否かを判定する(S100)。当該プログラムがまだ携帯電話端末20にインストールされていない場合(S100:No)、プログラム取得部202は、ユーザから当該プログラムのインストールを指示されたか否かを判定する(S101)。当該プログラムのインストールをユーザから指示されていない場合(S101:No)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0063】
当該プログラムのインストールをユーザから指示された場合(S101:Yes)、プログラム取得部202は、当該プログラムを無線通信部201を介して、携帯電話システムにおいて用いられる無線通信方式を用いて外部のプログラム配信サーバ11から取得し(S102)、取得したプログラムをプログラムインストール部203へ送る。プログラムインストール部203は、プログラム取得部202から受け取ったプログラムを自携帯電話端末20にインストールし(S103)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0064】
電子カルテの情報等を管理するためのプログラムが既に携帯電話端末20にインストールされている場合(S100:Yes)、情報提供部206は、近距離無線通信部209を介して予め定められたサービスIDを受信したか否かを判定する(S104)。予め定められたサービスIDを受信した場合(S104:Yes)、情報提供部206は、認証部207に認証処理を指示する。
【0065】
認証部207は、近距離無線通信部209を介してリーダライタ30との間で予め定められた認証手順に従って認証処理を実行し、認証処理の結果を情報提供部206および情報更新部208に通知する(S105)。そして、情報提供部206は、リーダライタ30との認証に成功したか否かを判定する(S106)。リーダライタ30との認証に失敗した場合(S106:No)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0066】
リーダライタ30との認証に成功した場合(S106:Yes)、情報提供部206は、近距離無線通信部209を介してリーダライタ30からデータ要求を受信したか否かを判定する(S107)。データ要求を受信した場合(S107:Yes)、情報提供部206は、記憶部205内に格納されているデータを近距離無線通信部209を介してリーダライタ30へ送信し(S108)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0067】
一方、データ要求を受信していない場合(S107:No)、情報更新部208は、書込対象のデータと共に書込要求を受信したか否かを判定する(S109)。書込要求を受信していない場合(S109:No)、情報提供部206は、再びステップS107に示した処理を実行する。書込要求を受信した場合(S109:Yes)、情報更新部208は、書込要求と共に受信した書込対象のデータを、項目毎に記憶部205に格納し(S110)、情報提供部206は、再びステップS107に示した処理を実行する。
【0068】
ステップS104において、予め定められたサービスIDを受信していない場合(S104:No)、失効確認部204は、記憶部205内に保険証情報が格納されているか否かを判定する(S111)。記憶部205内に保険証情報が格納されていない場合(S111:No)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0069】
記憶部205内に保険証情報が格納されている場合(S111:Yes)、失効確認部204は、保険証情報の有効性を確認すべきタイミング(例えば月末や月初等)か否かを判定する(S112)。保険証情報の有効性を確認すべきタイミングではない場合(S112:No)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0070】
保険証情報の有効性を確認すべきタイミングである場合(S112:Yes)、失効確認部204は、無線通信部201を介して外部の保険証情報管理サーバ12に保険証情報を送信してその有効性を問い合わせる(S113)。当該保険証情報が有効である旨の回答が保険証情報管理サーバ12から返信された場合(S114:Yes)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0071】
一方、当該保険証情報が有効である旨の回答が保険証情報管理サーバ12から返信されなかった場合(S114:No)、失効確認部204は、当該保険証情報を記憶部205から削除し(S115)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0072】
図10は、リーダライタ30の動作の一例を示すフローチャートである。例えば電源が投入される等の所定のタイミングで、リーダライタ30は本フローチャートに示す動作を開始する。
【0073】
まず、サービスID送信指示部32は、予め定められたサービスIDの送信タイミングか否かを判定する(S200)。サービスIDの送信タイミングではない場合(S200:No)、サービスID送信指示部32は再びステップS200に示した処理を実行する。一方、サービスIDの送信タイミングである場合(S200:Yes)、サービスID送信指示部32は、サービスIDの送信を近距離無線通信部33に指示する。近距離無線通信部33は、アンテナ31を介してサービスIDを送信する(S201)。
【0074】
次に、認証部34は、近距離無線通信部33を介して携帯電話端末20から認証要求を受信したか否かを判定する(S202)。認証要求を受信していない場合(S202:No)、サービスID送信指示部32は再びステップS200に示した処理を実行する。一方、認証要求を受信した場合(S202:Yes)、認証部34は、近距離無線通信部33を介して携帯電話端末20との間で予め定められた認証手順に従って認証処理を実行する(S203)。携帯電話端末20との認証に失敗した場合(S204:No)、サービスID送信指示部32は再びステップS200に示した処理を実行する。
【0075】
携帯電話端末20との認証に成功した場合(S204:Yes)、認証部34は、認証に成功した旨を中継部35および制御装置40に通知する(S205)。そして、中継部35は、携帯電話端末20と制御装置40との通信の中継を開始する(S206)。中継部35が制御装置40から中継終了の指示を受信した場合(S207:Yes)、中継部35は、携帯電話端末20と制御装置40との通信の中継を終了し、サービスID送信指示部32は再びステップS200に示した処理を実行する。
【0076】
図11は、制御装置40の動作の一例を示すフローチャートである。例えば電源が投入される等の所定のタイミングで、制御装置40は本フローチャートに示す動作を開始する。
【0077】
まず、診察終了判定部41は、リーダライタ30から認証成功が通知されたか否かを判定する(S300)。リーダライタ30から認証成功が通知されていない場合(S300:No)、電子カルテ情報送信部46は、診療端末50から患者IDと共に電子カルテを受信したか否かを判定する(S301)。診療端末50から電子カルテを受信していない場合(S301:No)、診察終了判定部41は再びステップS300に示した処理を実行する。
【0078】
診療端末50から患者IDと共に電子カルテを受信した場合(S301:Yes)、電子カルテ情報送信部46は、インターネット15を介してDBサーバ16にアクセスして受信した電子カルテを登録し、当該電子カルテを取得するためにアクセスすべきアクセス先を示す情報を電子カルテ情報として作成する(S302)。そして、電子カルテ情報送信部46は、作成した電子カルテ情報を、当該患者IDを含む診察券情報を格納する記憶部43内のレコードに格納し(S303)、診察終了判定部41は再びステップS300に示した処理を実行する。
【0079】
ステップS300において、リーダライタ30から認証成功が通知された場合(S300:Yes)、診察終了判定部41は、リーダライタ30を介して携帯電話端末20にデータ要求を送信し(S304)、携帯電話端末20から端末識別情報等の情報を取得する。そして、診察終了判定部41は、取得した端末識別情報が記憶部43内に既に格納されているか否かを判定する(S305)。
【0080】
取得した端末識別情報が記憶部43内に既に格納されている場合(S305:Yes)、即ち、対応する携帯電話端末20のユーザが、診察の受付を済ませており、かつ、対応する携帯電話端末20に、今回の診察内容が記載された電子カルテの情報がまだ登録されていない状態である場合、診察終了判定部41は、取得した端末識別情報が格納されているレコードに含まれている電子カルテ情報を記憶部43から取得する。そして、診察終了判定部41は、取得した電子カルテ情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信する(S306)。
【0081】
次に、診察終了判定部41は、記憶部43内の該当するレコードから端末識別情報を削除する(S307)。そして、診察終了判定部41は、リーダライタ30に中継終了を指示し(S308)、診察終了判定部41は再びステップS300に示した処理を実行する。
【0082】
ステップS305において、携帯電話端末20から取得した端末識別情報が記憶部43内に格納されていない場合(S305:No)、即ち、対応する携帯電話端末20のユーザが、診察の受付をまだ済ませていない場合、診察終了判定部41は、携帯電話端末20から取得した情報を表示画面作成部42へ送る。
【0083】
そして、表示画面作成部42は、携帯電話端末20から取得した情報を診察終了判定部41から受け取り、受け取った情報の中に電子カルテ情報が含まれているか否かを判定する(S309)。電子カルテ情報が含まれていない場合(S309:No)、即ち、携帯電話端末20のユーザがどの医療機関でも診察を受けたことが無い全くの初診か、または、ユーザが前回の診察時とは異なる携帯電話端末20を使っている場合、携帯電話端末20は後述する初診処理を実行し(S400)、診察終了判定部41は再びステップS300に示した処理を実行する。
【0084】
一方、携帯電話端末20から取得した情報の中に電子カルテ情報が含まれている場合(S309:Yes)、即ち、携帯電話端末20のユーザが当医療機関も含めていずれかの医療機関で診察を受けたことがある場合、表示画面作成部42は、携帯電話端末20から取得した情報の中に診察券情報が含まれているか否かを判定する(S310)。
【0085】
携帯電話端末20から取得した情報の中に診察券情報が含まれている場合(S310:Yes)、即ち、当院での診察を受けたことがある患者である場合、携帯電話端末20は、後述する再診処理を実行し(S500)、診察終了判定部41は再びステップS300に示した処理を実行する。
【0086】
一方、携帯電話端末20から取得した情報の中に診察券情報が含まれていない場合(S310:No)、即ち、当医療機関で過去に診察を受けたことがない患者である場合、携帯電話端末20は、後述する転院処理を実行し(S600)、診察終了判定部41は再びステップS300に示した処理を実行する。
【0087】
図12は、初診処理(S400)の一例を示すフローチャートである。
【0088】
まず、表示画面作成部42は、例えば図7に示すような受付画像60を作成して液晶モニタ等の表示装置に表示させると共に、携帯電話端末20から取得した端末識別情報を登録部44へ送る(S401)。なお、ステップS401において表示される受付画像60内の領域61および領域62は空欄となる。そして、登録部44は、緊急ボタン63または通常診察ボタン64が押下されたか否かを判定する(S402)。
【0089】
押下されたボタンが緊急ボタン63である場合(S403:Yes)、登録部44はステップS412で後述する処理を実行する。一方、押下されたボタンが通常診察ボタン64である場合(S403:No)、登録部44は、受付画像60内の領域62に保険証情報が記載されているか否かを判定する(S404)。
【0090】
領域62内に保険証情報が記載されていない場合(S404:No)、即ち、保険証が失効中などの場合、登録部44は、記憶部43内にレコードを新たに作成し、作成したレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報と共に、受付画像60に表示された診察券情報を格納する(S405)。
【0091】
そして、登録部44は、新たに作成したレコードに格納されている診察券情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し(S406)、登録部44はステップS412で後述する処理を実行する。
【0092】
ステップS404において、領域62内に保険証情報が記載されている場合(S404:Yes)、即ち、患者が窓口で保険証を提示した場合、登録部44は、記載された保険証情報が記憶部43内に既に登録されているか否かを判定する(S407)。保険証情報が記憶部43内に既に登録されている場合(S407:Yes)、登録部44は、該当するレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報を格納する(S408)。
【0093】
なお、この場合、受付画像60内の領域61に新たに入力された診察券情報と、記憶部43内に既に登録されていた診察券情報とで、情報(特に患者ID)が一部異なる場合には、登録部44は、入力された保険証情報に対応する患者の診察券情報が既に登録されていることを、表示装置等を介して受付担当者に通知することが好ましい。
【0094】
そして、登録部44は、該当するレコードに格納されている診察券情報および保険証情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し(S409)、登録部44はステップS412で後述する処理を実行する。
【0095】
ステップS407において、保険証情報が記憶部43内にまだ登録されていない場合(S407:No)、登録部44は、記憶部43内に新たにレコードを作成し、作成したレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報と共に、受付画像60に表示された診察券情報および保険証情報を格納する(S410)。そして、登録部44は、新たに作成したレコードに格納されている診察券情報および保険証情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信する(S411)。
【0096】
次に、登録部44は、リーダライタ30に中継終了を指示する(S412)。そして、登録部44は、今回新たに作成したレコードあるいは入力された保険証情報を含むレコード内の保険証情報に含まれる患者IDと共に、電子カルテの雛形の送信を電子カルテ中継部45に指示する。電子カルテ中継部45は、登録部44から受け取った患者IDと共に、電子カルテの雛形を診療端末50へ送信し(S413)、携帯電話端末20は本フローチャートに示した初診処理(S400)を終了する。
【0097】
図13は、再診処理(S500)の一例を示すフローチャートである。
【0098】
まず、表示画面作成部42は、携帯電話端末20から取得したデータの中に保険証情報が含まれているか否かを判定する(S501)。携帯電話端末20から取得したデータの中に保険証情報が含まれている場合(S501:Yes)、即ち、携帯電話端末20から取得したデータの中に電子カルテ情報、診察券情報、および保険証情報の全てが含まれている場合、表示画面作成部42は、携帯電話端末20から取得したデータを登録部44へ送る。登録部44は、ステップS508で後述する。
【0099】
一方、携帯電話端末20から取得したデータの中に保険証情報が含まれていない場合(S501:No)、表示画面作成部42は、例えば、図7に示すような受付画像60を作成して液晶モニタ等の表示装置に表示させると共に、携帯電話端末20から取得した端末識別情報および診察券情報を登録部44へ送る(S502)。なお、ステップS502において表示される受付画像60内の領域62は空欄となる。そして、登録部44は、緊急ボタン63または通常診察ボタン64が押下されたか否かを判定する(S503)。
【0100】
押下されたボタンが緊急ボタン63である場合(S504:Yes)、登録部44はステップS508で後述する処理を実行する。一方、押下されたボタンが通常診察ボタン64である場合(S504:No)、登録部44は、受付画像60内の領域62に保険証情報が記載されているか否かを判定する(S505)。
【0101】
領域62内に保険証情報が記載されている場合(S505:Yes)、即ち、保険証が失効した経験がある患者である場合、登録部44は、携帯電話端末20から取得した診察券情報を格納するレコードを記憶部43内で特定する。そして、登録部44は、特定したレコードに保険証情報が登録されていれば、登録されている保険証情報を、領域62内に記載されている保険証情報で更新し(S506)、ステップS508で後述する処理を実行する。
【0102】
領域62内に保険証情報が記載されていない場合(S505:No)、即ち、保険証が失効中などの場合、登録部44は、携帯電話端末20から取得した診察券情報を格納するレコードを記憶部43内で特定し、特定したレコードに保険証情報が登録されていれば、保険証情報を当該レコードから削除する(S507)。
【0103】
次に、登録部44は、表示画面作成部42から通知された端末識別情報を、特定したレコードに格納し(S508)、リーダライタ30に中継終了を指示する(S509)。そして、登録部44は、特定したレコードに格納されている診察券情報に含まれる患者IDを抽出すると共に、特定したレコードに格納されている電子カルテ情報を抽出し、抽出した患者IDおよび電子カルテ情報を電子カルテ中継部45へ送る。
【0104】
電子カルテ中継部45は、登録部44から受け取った電子カルテ情報に基づいてインターネット15を介してDBサーバ16にアクセスし、対応する電子カルテを取得する(S510)。そして、電子カルテ中継部45は、取得した電子カルテを、登録部44から受け取った患者IDと共に診療端末50へ転送し(S511)、携帯電話端末20は本フローチャートに示した再診処理(S500)を終了する。
【0105】
図14は、転院処理(S600)の一例を示すフローチャートである。
【0106】
まず、表示画面作成部42は、例えば図7に示すような受付画像60を作成して液晶モニタ等の表示装置に表示させると共に、携帯電話端末20から取得した端末識別情報および電子カルテ情報を(携帯電話端末20から保険証情報を取得していればさらに保険証情報も)登録部44へ送る(S601)。なお、ステップS601において表示される受付画像60内の領域61は空欄となり、携帯電話端末20から保険証情報を取得していれば領域62にはその情報が記載される。
【0107】
そして、登録部44は、緊急ボタン63または通常診察ボタン64が押下されたか否かを判定する(S602)。押下されたボタンが緊急ボタン63である場合(S603:Yes)、登録部44はステップS611で後述する処理を実行する。一方、押下されたボタンが通常診察ボタン64である場合(S603:No)、登録部44は、表示画面作成部42から保険証情報を受け取った(携帯電話端末20内に保険証情報が格納されている)か否かを判定する(S604)。
【0108】
表示画面作成部42から保険証情報を受け取った場合(S604:Yes)、即ち、有効な保険証情報が携帯電話端末20内に格納されている場合、登録部44は、記憶部43内にレコードを新たに作成する。そして、登録部44は、作成したレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報および保険証情報と共に、受付画像60内の領域61に表示された診察券情報を格納し(S605)、ステップS608で後述する処理を実行する。
【0109】
表示画面作成部42から保険証情報を受け取っていない場合(S604:No)、即ち、保険証が失効した経験を持つ患者である場合、登録部44は、受付画像60内の領域62に保険証情報が記載されているか否かを判定する(S606)。領域62内に保険証情報が記載されていない場合(S606:No)、即ち、保険証が失効中などの場合、登録部44は、記憶部43内にレコードを新たに作成する。
【0110】
そして、登録部44は、作成したレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報および保険証情報を格納する(S608)。そして、登録部44は、当該診察券情報と共に書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し(S608)、ステップS611で後述する処理を実行する。
【0111】
ステップS606において、領域62内に保険証情報が記載されている場合(S606:Yes)、即ち、失効中であった保険証が再び有効になった場合、登録部44は、記憶部43内にレコードを新たに作成する。
【0112】
そして、登録部44は、作成したレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報と共に、受付画像60の領域61に表示された診察券情報および領域62に表示された保険証情報を格納し(S609)、当該診察券情報および保険証情報と共に書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信する(S610)。
【0113】
次に、登録部44は、リーダライタ30に中継終了を指示する(S611)。そして、登録部44は、新たに作成したレコードに格納されている診察券情報に含まれる患者IDを抽出すると共に、特定したレコードに格納されている電子カルテ情報を抽出し、抽出した患者IDおよび電子カルテ情報を電子カルテ中継部45へ送る。
【0114】
電子カルテ中継部45は、登録部44から受け取った電子カルテ情報に基づいてインターネット15を介してDBサーバ16にアクセスし、対応する電子カルテを取得する(S612)。そして、電子カルテ中継部45は、取得した電子カルテを、登録部44から受け取った患者IDと共に診療端末50へ転送し(S613)、携帯電話端末20は本フローチャートに示した転院処理(S600)を終了する。
【0115】
図15は、患者が初診の場合の診療システム10の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0116】
まず、携帯電話端末20は、リーダライタ30の近くに置かれることによりリーダライタ30から発信される電波を十分な強度で受信することが可能となり、リーダライタ30からサービスIDを受信する(S700)。そして、携帯電話端末20は、リーダライタ30との間で認証処理を実行し(S701)、認証に成功した場合に、リーダライタ30は、認証成功を制御装置40に通知し(S702)、携帯電話端末20と制御装置40との通信の中継を開始する。
【0117】
次に、制御装置40は、リーダライタ30を介して携帯電話端末20へデータ要求を送信し、携帯電話端末20は、記憶部205内のデータ(図15に示す例の場合、端末識別情報のみ)を、リーダライタ30を介して制御装置40へ送信する(S704)。制御装置40は、携帯電話端末20の端末識別情報が記憶部43内に登録されていないため、領域61および領域62が空欄の受付画像60を表示装置に表示させ(S705)、データの入力を待つ。
【0118】
次に、受付担当者が、患者に保険証の提示を求め、提示された保険証の情報を受付画像60の領域62に入力し、当該保険証を元に診察券情報を作成して受付画像60の領域61に入力し、通常診察ボタン64を押下する(S706)。なお、緊急ボタン63が押下された場合には、制御装置40は、後述するステップS710以降の処理を実行する。
【0119】
次に、制御装置40は、記憶部43内に新たにレコードを作成し、作成したレコードに、携帯電話端末20から通知された端末識別情報、領域61に記載された診察券情報、および領域62に記載された保険証情報を格納する(S707)。そして、制御装置40は、領域61に記載された診察券情報および領域62に記載された保険証情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し(S709)、リーダライタ30に中継終了を指示する(S710)。携帯電話端末20は、リーダライタ30を介して制御装置40から受け取った診察券情報および保険証情報を記憶部205に格納する(S710)。制御装置40は、電子カルテの雛形を患者IDと共に診療端末50へ送信する(S711)。
【0120】
次に、医師17の診察によって電子カルテが作成され、診療端末50は、作成された電子カルテを制御装置40へ送る(S712)。制御装置40は、受け取った電子カルテをDBサーバ16に登録し(S713)、当該電子カルテのアクセス先を示す電子カルテ情報を作成し(S714)、作成した電子カルテ情報を、記憶部43内に格納する(S715)。
【0121】
会計時等に、患者は、自身の携帯電話端末20を再びリーダライタ30の近くに置くと、携帯電話端末20、リーダライタ30、および制御装置40は、ステップS700からS704までの処理を実行する。そして、制御装置40は、携帯電話端末20から取得した端末識別情報が記憶部43内に格納されていることを検出し、当該端末識別情報に対応付けられている電子カルテ情報を記憶部43から抽出し、抽出した電子カルテ情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信する(S716)。
【0122】
携帯電話端末20は、リーダライタ30を介して受け取った電子カルテ情報を記憶部205に格納する(S717)。制御装置40は、リーダライタ30に中継終了を指示し(S718)、記憶部43から当該携帯電話端末20の端末識別情報を削除する(S719)。
【0123】
図16は、患者が再診する場合の診療システム10の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0124】
まず、携帯電話端末20、リーダライタ30、および制御装置40は、図15で説明したステップS700からS704までの処理を実行する。そして、受付担当者が、患者に保険証の提示を求め、提示された保険証の情報を受付画像60の領域62に入力し、通常診察ボタン64を押下する(S720)。なお、緊急ボタン63が押下された場合、または、電子カルテ情報、診察券情報、および保険証情報を全て携帯電話端末20から取得した場合には、制御装置40は、後述するステップS725以降の処理を実行する。
【0125】
次に、制御装置40は、携帯電話端末20から取得した診察券情報を含むレコードを記憶部43内で特定し、特定したレコードに、携帯電話端末20から通知された端末識別情報、および、領域62に記載された保険証情報を格納する(S721)。そして、制御装置40は、領域62に記載された保険証情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し(S722)、リーダライタ30に中継終了を指示する(S723)。携帯電話端末20は、リーダライタ30を介して制御装置40から受け取った保険証情報を記憶部205に格納する(S724)。
【0126】
次に、制御装置40は、携帯電話端末20から取得した電子カルテ情報に基づいてDBサーバ16にアクセスし(S725)、DBサーバ16から電子カルテを取得する(S726)。そして、制御装置40は、取得した電子カルテを、患者IDと共に診療端末50へ転送する(S727)。それ以降の処理については、図15に示したステップS712からS719と同様であるため、説明を省略する。
【0127】
図17は、患者が転院する場合の診療システム10の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0128】
まず、携帯電話端末20、リーダライタ30、および制御装置40は、図15で説明したステップS700からS704までの処理を実行する。そして、受付担当者が、患者に保険証の提示を求め、提示された保険証の情報を受付画像60の領域62に入力し、当該保険証を元に診察券情報を作成して受付画像60の領域61に入力し、通常診察ボタン64を押下する(S730)。なお、緊急ボタン63が押下された場合には、制御装置40は、後述するステップS735以降の処理を実行する。
【0129】
次に、制御装置40は、記憶部43内に新たにレコードを作成し、作成したレコードに、携帯電話端末20から通知された端末識別情報、領域61に記載された診察券情報、および領域62に記載された保険証情報を格納する(S731)。そして、制御装置40は、領域61に入力された診察券情報および領域62に記載された保険証情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し(S732)、リーダライタ30に中継終了を指示する(S733)。携帯電話端末20は、リーダライタ30を介して制御装置40から受け取った診察券情報および保険証情報を記憶部205に格納する(S734)。
【0130】
次に、制御装置40は、携帯電話端末20から取得した電子カルテ情報に基づいてDBサーバ16にアクセスし(S735)、DBサーバ16から電子カルテを取得する(S736)。そして、制御装置40は、取得した電子カルテを、患者IDと共に診療端末50へ転送する(S737)。それ以降の処理については、図15に示したステップS712からS719と同様であるため、説明を省略する。
【0131】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0132】
上記説明から明らかなように、本実施形態の診療システム10によれば、携帯電話端末20を所有者が操作することなしに携帯電話端末20の所有者の電子カルテを参照することができる。
【0133】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0134】
例えば、上記した実施形態では、各医療機関で作成された電子カルテは、ネットワーク上のDBサーバ16に登録されたが、本発明はこれに限られない。例えば、各医療機関で作成された電子カルテは、診察を行った各医療機関が、その診察時までの診察内容が記載された電子カルテ本体を、所有する制御装置40内に格納し、当該制御装置40を外部からアクセス可能とすると共に、当該電子カルテ本体へのアクセス先を電子カルテ情報として携帯電話端末20に保存するようにしてもよい。
【0135】
これにより、患者が複数の医療機関で診察を受けた場合に、患者の電子カルテのデータが複数の医療機関に分散されて保存されるため、患者の電子カルテのデータが全て失われる危険性を低く抑えることができる。
【0136】
また、上記した実施形態では、携帯機器として携帯電話端末20を一例に説明したが、本発明はこれに限られず、通信機能を持つ携帯可能な電子機器であれば、携帯音楽プレーヤや携帯ゲーム機等であってもよい。
【0137】
また、上記した実施形態では、近距離通信としてRFIDシステムにおいて用いられる無線通信方式を一例に説明したが、本発明はこれに限られず、近距離無線通信方式であれば、Bluetoothや無線LAN等であってもよく、近距離通信であれば、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394等であってもよい。
【0138】
また、上記した実施形態では、携帯電話端末20内に端末識別情報、診察券情報、保険証情報、および電子カルテ情報を格納するが、さらに、所有者の属性を表わし、携帯することが好ましい情報(運転免許証やパスポート、社員証等の情報)を携帯電話端末20内に格納して、所有者の操作なしに必要なときに参照できるようにしてもよい。近年、時計や財布などよりも携帯している可能性が高くなっている携帯電話端末20にこれらの情報を格納することにより、これらの情報を確実に携帯し、必要なときに簡単に参照することができる。
【符号の説明】
【0139】
10・・・診療システム、11・・・プログラム配信サーバ、12・・・保険証情報管理サーバ、13・・・携帯電話網、14・・・基地局、15・・・インターネット、16・・・DBサーバ、17・・・医師、20・・・携帯電話端末、200・・・アンテナ、201・・・無線通信部、202・・・プログラム取得部、203・・・プログラムインストール部、204・・・失効確認部、205・・・記憶部、206・・・情報提供部、207・・・認証部、208・・・情報更新部、209・・・近距離無線通信部、210・・・アンテナ、30・・・リーダライタ、31・・・アンテナ、32・・・サービスID送信指示部、33・・・近距離無線通信部、34・・・認証部、35・・・中継部、40・・・制御装置、41・・・診察終了判定部、42・・・表示画面作成部、43・・・記憶部、44・・・登録部、45・・・電子カルテ中継部、46・・・電子カルテ情報送信部、50・・・診療端末、51・・・電子カルテ表示部、52・・・電子カルテ編集部、53・・・電子カルテ送信部、60・・・受付画像、61・・・診察券情報表示領域、62・・・保険証情報表示領域、63・・・緊急ボタン、64・・・通常診察ボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器を利用して電子カルテを参照するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、携帯電話内に患者の電子カルテを格納し、格納された電子カルテを必要に応じて参照することにより、異なる医療機関での治療を継続することができるようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−15820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯電話などの機能の多い電子機器では、操作頻度の少ない機能についてはユーザがその操作を忘れてしまうことが多い。特に、機械操作に慣れていないお年寄り等には、その傾向が顕著である。また、救急搬送時など、本人が重篤の場合には、本人が携帯電話を操作できず、その人の携帯電話からその人の電子カルテの情報を参照することができない場合がある。
【0005】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、携帯機器を所有者が操作することなしに携帯機器の所有者の電子カルテを参照できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、本発明は、電子カルテに関する情報を格納する記憶手段と、
外部の機器と通信する通信手段と、
前記通信手段を介して外部の機器から予め定められたサービスIDを受信した場合に、前記記憶手段に格納されている電子カルテに関する情報を、前記通信手段を介して前記外部の機器へ送信する情報提供手段と
を備えることを特徴とする携帯機器を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、携帯機器をユーザが操作することなしに携帯機器の所有者の電子カルテを参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る診療システム10の構成を示すシステム構成図である。
【図2】携帯電話端末20の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】記憶部205に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図4】リーダライタ30の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図5】制御装置40の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図6】記憶部43に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図7】表示画面作成部42によって作成された受付画像60の一例を示す概念図である。
【図8】診療端末50の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図9】携帯電話端末20の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】リーダライタ30の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】制御装置40の動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】初診処理(S400)の一例を示すフローチャートである。
【図13】再診処理(S500)の一例を示すフローチャートである。
【図14】転院処理(S600)の一例を示すフローチャートである。
【図15】患者が初診の場合の診療システム10の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図16】患者が再診する場合の診療システム10の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図17】患者が転院する場合の診療システム10の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る診療システム10の構成を示すシステム構成図である。診療システム10は、電子カルテを格納するDBサーバ16、それぞれの患者が有する携帯電話端末20、ならびに、それぞれの医療機関毎に設けられたリーダライタ30、制御装置40、および診療端末50を備える。
【0011】
携帯電話端末20は、携帯電話システムにおいて用いられる無線通信方式により、最寄りの基地局14との間で無線通信を行い、ユーザの指示に応じて、電子カルテの情報等を管理するためのプログラムを携帯電話網13を介してプログラム配信サーバ11から取得して自携帯電話端末20にインストールする。
【0012】
また、携帯電話端末20は、RFIDシステムにおいて用いられる無線通信方式により、リーダライタ30との間で通信を行い、リーダライタ30を介して電子カルテに関する情報等を制御装置40から取得して保持する。また、携帯電話端末20は、リーダライタ30を介して制御装置40から要求された場合に、電子カルテに関する情報等をリーダライタ30を介して制御装置40に提供する。電子カルテに関する情報には、例えば、電子カルテを取得するためにアクセスすべきネットワーク上のアクセス先を示す情報が含まれる。
【0013】
制御装置40は、診療端末50から受け取った電子カルテを、インターネット15を介してDBサーバ16に登録し、当該電子カルテを取得するためにアクセスすべきアクセス先を示す情報を電子カルテに関する情報としてリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信する。
【0014】
また、制御装置40は、リーダライタ30を介して携帯電話端末20から電子カルテに関する情報を受け取った場合に、当該電子カルテに関する情報に基づいてインターネット15を介してDBサーバ16へアクセスし、対応する電子カルテを取得する。そして、制御装置40は、取得した電子カルテを診療端末50に提供する。
【0015】
診療端末50は、制御装置40から受け取った電子カルテを表示し、それまでの患者の治療の経緯を医師17に通知する。医師17は、表示された電子カルテに、今回の診察の内容を追記する。診療端末50は、今回の診察の内容が追記された電子カルテを再び制御装置40へ送る。
【0016】
このように、携帯電話端末20を介して取得した前回までの電子カルテの情報を参照することができるので、医師17は、今回の診察を、より効率的に行うことができる。
【0017】
図2は、携帯電話端末20の機能構成の一例を示すブロック図である。携帯電話端末20は、アンテナ200、無線通信部201、プログラム取得部202、プログラムインストール部203、失効確認部204、記憶部205、情報提供部206、認証部207、情報更新部208、近距離無線通信部209、およびアンテナ210を有する。
【0018】
無線通信部201は、アンテナ200を介して、携帯電話システムにおいて用いられる無線通信方式により、最寄りの基地局14との間で無線通信を行う。プログラム取得部202は、ユーザの指示に応じて、電子カルテに関する情報等を管理するためのプログラムを無線通信部201を介して外部のプログラム配信サーバ11から取得する。
【0019】
プログラムインストール部203は、プログラム取得部202によって取得されたプログラムを携帯電話端末20内にインストールする。プログラム配信サーバ11から取得したプログラムがインストールされることにより、図2の点線で囲まれた機能ブロック(失効確認部204、記憶部205、情報提供部206、認証部207、情報更新部208、および近距離無線通信部209)が実行可能となる。
【0020】
記憶部205には、例えば図3に示すように、データの種別2050を示す情報に対応付けて、それぞれのデータのデータ本体2051が格納される。端末識別情報とは、例えば、それぞれの携帯電話端末20を一意に識別するためにそれぞれの携帯電話端末20に予め設定されている情報である。プログラム配信サーバ11から取得したプログラムがインストールされた段階では、記憶部205内には端末識別情報が登録される。
【0021】
なお、電子カルテ情報とは、電子カルテに関する情報であり、例えば、電子カルテを取得するためにアクセスすべきアクセス先を示す情報および当該情報が作成された日時等の情報である。また、保険証情報とは、例えば、保険証の記号番号および被保険者の氏名等の情報である。また、診察券情報とは、それぞれの医療機関毎に作成された情報であり、当該医療機関が患者に割り当てた患者ID等の情報である。
【0022】
近距離無線通信部209は、アンテナ210を介して、RFIDシステムにおいて用いられる無線通信方式によりリーダライタ30との間で通信を行う。認証部207は、近距離無線通信部209を介してリーダライタ30との間で予め定められた認証手順に従って認証処理を実行する。そして、認証部207は、リーダライタ30との間の認証処理の結果を情報提供部206および情報更新部208に通知する。
【0023】
情報提供部206は、近距離無線通信部209を介してリーダライタ30から予め定められたサービスIDを受信した場合に、認証部207に指示してリーダライタ30との間で認証処理を実行させ、認証に成功した場合に、記憶部205に格納されているデータを近距離無線通信部209を介してリーダライタ30へ送信する。
【0024】
なお、サービスIDとは、例えば、無線通信により、定期券情報やクレジットカード情報をやり取りする他のサービスと、本実施形態における診療システム10によって提供される電子カルテの参照サービスとを区別するために、それぞれのサービスに割り当てられる識別情報である。
【0025】
情報更新部208は、認証部207によってリーダライタ30との間の認証が成功した後に、当該リーダライタ30から書き込み対象のデータと共に書込要求を受信した場合に、受信した書込対象のデータを記憶部205に格納する。
【0026】
失効確認部204は、記憶部205内に保険証情報が格納されている場合に、当該保険証情報の有効性を、所定のタイミングで無線通信部201を介して外部の保険証情報管理サーバ12に問い合わせる。そして、当該保険証情報が有効である旨の回答を保険証情報管理サーバ12から得られなかった場合、失効確認部204は、当該保険証情報を記憶部205から削除する。
【0027】
失効確認部204は、例えば、月末や月初毎に保険証情報の有効性を確認する。これにより、記憶部205内に保険証情報が格納されている場合、当該保険証情報は有効な情報であることが保証される。
【0028】
図4は、リーダライタ30の機能構成の一例を示すブロック図である。リーダライタ30は、アンテナ31、サービスID送信指示部32、近距離無線通信部33、認証部34、および中継部35を有する。
【0029】
近距離無線通信部33は、アンテナ31を介して、RFIDシステムにおいて用いられる無線通信方式により携帯電話端末20との間で通信を行う。サービスID送信指示部32は、所定のタイミング(例えば1秒毎)で予め定められたサービスIDを近距離無線通信部33に送信させる。
【0030】
認証部34は、近距離無線通信部33を介して携帯電話端末20との間で予め定められた認証手順に従って認証処理を実行する。そして、携帯電話端末20との認証に成功した場合、認証部34は、認証に成功した旨を中継部35および制御装置40に通知する。
【0031】
中継部35は、認証部34によって携帯電話端末20との間の認証が成功した後に、携帯電話端末20と制御装置40との通信を中継する。また、中継部35は、制御装置40から中継終了の指示を受信した場合に、携帯電話端末20と制御装置40との通信の中継を終了する。
【0032】
図5は、制御装置40の機能構成の一例を示すブロック図である。制御装置40は、診察終了判定部41、表示画面作成部42、記憶部43、登録部44、電子カルテ中継部45、および電子カルテ情報送信部46を有する。
【0033】
記憶部43には、例えば図6に示すように、複数のレコード434が格納される。それぞれのレコード434には、診察券情報430、保険証情報431、電子カルテ情報432、および端末識別情報433が格納されるフィールドが設けられている。本実施形態において、記憶部43内に端末識別情報433が登録されているということは、対応する携帯電話端末20のユーザが、診察の受付を済ませており、かつ、対応する携帯電話端末20に、今回の診察内容が記載された電子カルテの情報がまだ登録されていない状態であることを示す。
【0034】
診察終了判定部41は、リーダライタ30から認証成功を通知された場合に、リーダライタ30を介して携帯電話端末20にデータ要求を送信し、携帯電話端末20から端末識別情報等の情報を取得する。そして、診察終了判定部41は、取得した端末識別情報が記憶部43内に既に格納されているか否かを判定する。
【0035】
取得した端末識別情報が記憶部43内に既に格納されている場合、即ち、対応する携帯電話端末20のユーザが、診察の受付を済ませており、かつ、対応する携帯電話端末20に、今回の診察内容が記載された電子カルテの情報がまだ登録されていない状態である場合、診察終了判定部41は、取得した端末識別情報に対応付けられている電子カルテ情報を記憶部43から取得する。そして、診察終了判定部41は、取得した電子カルテ情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し、リーダライタ30に中継終了を指示する。
【0036】
一方、取得した端末識別情報が記憶部43内にまだ格納されていない場合、即ち、対応する携帯電話端末20のユーザが、診察の受付をまだ済ませていない場合、診察終了判定部41は、携帯電話端末20から取得した情報を表示画面作成部42へ送る。
【0037】
表示画面作成部42は、携帯電話端末20から取得した情報を診察終了判定部41から受け取った場合に、携帯電話端末20から取得した情報の中に、診察券情報、保険証情報、および電子カルテ情報の全てが含まれていれば、取得した診察券情報、保険証情報、および電子カルテ情報を44へ送る。なお、診察券情報が他の医療機関の診察券情報である場合、表示画面作成部42は、診察券情報が含まれていないと判定する。
【0038】
また、携帯電話端末20から取得した情報を診察終了判定部41から受け取った場合に、携帯電話端末20から取得した情報の中に、診察券情報、保険証情報、および電子カルテ情報の少なくともいずれかが含まれていなければ、表示画面作成部42は、当該情報の中に電子カルテ情報が含まれているか否かを判定する。
【0039】
携帯電話端末20から取得した情報の中に電子カルテ情報が含まれていない場合、即ち、携帯電話端末20のユーザがどの医療機関でも診察を受けたことが無い全くの初診か、または、ユーザが前回の診察時とは異なる携帯電話端末20を使っている場合(例えば携帯電話端末20を買い換えた場合)、表示画面作成部42は、例えば図7に示すような受付画像60を作成して液晶モニタ等の表示装置に表示させると共に、受付画像60に表示させた内容を示す情報を登録部44へ送る。
【0040】
なお、本実施形態では、診察を受けた場合には、診察券情報および保険証情報と共に、電子カルテの情報が携帯電話端末20内に登録されるため、携帯電話端末20内にいずれかの医療機関の診察券情報が格納されているにもかかわらず電子カルテ情報が格納されていないという状態は存在しない。ただし、携帯電話端末20内の保険証情報については、携帯電話端末20内の失効確認部204によって削除されることがあり得る。
【0041】
表示画面作成部42によって作成される受付画像60には、診察券情報を入力および表示するための領域61、保険証情報を入力および表示するための領域62、緊急ボタン63、ならびに通常診察ボタン64が含まれる。医療機関の受付担当者は、患者が緊急を要する状態にある場合に、マウスやキーボード等の入力装置を介して緊急ボタン63を押下する。
【0042】
一方、患者がそれほど緊急を要する状態にない場合、医療機関の受付担当者は、患者に保険証の提示を求め、患者から提示された保険証の情報に基づいて患者IDを作成し、患者IDや患者の氏名を受付画像60内の領域61に、保険証の情報を受付画像60内の領域62に、それぞれ入力した上で通常診察ボタン64を押下する。
【0043】
携帯電話端末20から取得した情報の中に電子カルテ情報が含まれている場合、即ち、携帯電話端末20のユーザが当医療機関も含めていずれかの医療機関で診察を受けたことがある場合、表示画面作成部42は、携帯電話端末20から取得した情報の中に当医療機関の診察券情報が含まれているか否かを判定する。
【0044】
携帯電話端末20から取得した情報の中に当医療機関の診察券情報が含まれておらず、かつ、保険証情報も含まれていない場合、即ち、過去に当医療機関で診察を受けたことがなく、かつ、保険証が失効した経験を持つ患者である場合(保険証情報が失効している場合には失効確認部204が携帯電話端末20の記憶部205から保険証情報を削除する。本実施形態において、保険証情報は、携帯電話端末20単独では保険証情報を登録できない)、表示画面作成部42は、領域61および領域62が空欄の受付画像60を表示装置に表示させると共に、受付画像60に表示させた内容を示す情報を登録部44へ送る。
【0045】
一方、携帯電話端末20から取得した情報の中に当医療機関の診察券情報が含まれていないが、保険証情報が含まれている場合、即ち、過去に当医療機関で診察を受けたことがあり、かつ、有効な保険証情報を有する患者である場合、表示画面作成部42は、領域61に保険証情報を記載した形の受付画像60を表示装置に表示させると共に、受付画像60に表示させた内容を示す情報を登録部44へ送る。
【0046】
携帯電話端末20から取得した情報の中に当医療機関の診察券情報が含まれているが、保険証情報が含まれていない場合、即ち、過去に当医療機関で診察を受けたことがあるが、保険証が失効した経験を持つ患者である場合、表示画面作成部42は、領域61に診察券情報を記載した形の受付画像60を表示装置に表示させると共に、受付画像60に表示させた内容を示す情報を登録部44へ送る。
【0047】
なお、携帯電話端末20から取得した情報の中に当医療機関の診察券情報および保険証情報が含まれている場合、即ち、携帯電話端末20から取得した情報の中に、診察券情報、保険証情報、および電子カルテ情報の全てが含まれている場合については、先に説明した通りである。
【0048】
登録部44は、表示画面作成部42から診察券情報、保険証情報、および電子カルテ情報を受け取った場合に、記憶部43を参照して、受け取った診察券情報を含むレコードを特定する。そして、登録部44は、表示画面作成部42から受け取った電子カルテ情報に含まれている作成日時と、特定したレコードに格納されている電子カルテ情報に含まれている作成日時とを比較し、新しい方の電子カルテ情報を特定したレコードに格納する。
【0049】
これにより、当院で診察を受けた後に他の医療機関で診察を受けることにより、電子カルテが更新された場合であっても、最新の電子カルテを参照して今回の診察を行うことができる。
【0050】
そして、登録部44は、特定したレコードに格納されている診察券情報に含まれている患者IDを取得すると共に、特定したレコードに含まれている電子カルテ情報を取得する。そして、登録部44は、取得した患者IDおよび電子カルテ情報を電子カルテ中継部45へ送ると共に、リーダライタ30に中継終了を指示する。
【0051】
登録部44は、受付担当者によって入力装置を介して表示装置に表示された受付画像60の緊急ボタン63が押下された場合に、電子カルテ中継部45に電子カルテの雛形の送信を指示すると共に、リーダライタ30に中継終了を指示する。一方、通常診察ボタン64が押下された場合、登録部44は、領域62に記載された保険証情報に基づいて記憶部43を参照し、同一の保険証情報を格納するレコードが既に存在するか否かを判定する。
【0052】
同一の保険証情報を格納するレコードが記憶部43内に存在しない場合、即ち、当医療機関で過去に診察を受けたことがない患者である場合、登録部44は、記憶部43内にレコードを新たに作成し、作成したレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報と共に、受付画像60に表示された診察券情報および保険証情報を格納する。登録部44は、表示画面作成部42から電子カルテ情報を受け取っていた場合には、当該電子カルテ情報も新たに作成したレコードに格納する。
【0053】
そして、新たに作成したレコード内に電子カルテ情報が格納された場合、登録部44は、当該電子カルテ情報と共に、当該レコードに格納されている診察券情報に含まれる患者IDを電子カルテ中継部45へ送る。そして、登録部44は、リーダライタ30に中継終了を指示する。
【0054】
新たに作成したレコード内に電子カルテ情報が格納されていない場合、登録部44は、電子カルテ中継部45に、当該レコードに格納されている診察券情報に含まれる患者IDを送ると共に、電子カルテの雛形の送信を指示し、リーダライタ30に中継終了を指示する。
【0055】
また、受付画像60の領域62に記載された保険証情報と同一の保険証情報を格納するレコードが記憶部43内に既に存在する場合、即ち、当医療機関で過去に診察を受けたことがある患者である場合、登録部44は、該当するレコードに格納されている診察券情報に含まれている患者IDを取得すると共に、該当するレコードに含まれている電子カルテ情報を取得する。そして、登録部44は、取得した患者IDおよび電子カルテ情報を電子カルテ中継部45へ送ると共に、リーダライタ30に中継終了を指示する。
【0056】
電子カルテ中継部45は、登録部44から患者IDと共に電子カルテの雛形の送信を指示された場合に、当該患者IDと共に、電子カルテの雛形を診療端末50へ送信する。また、登録部44から患者IDおよび電子カルテ情報を受信した場合、電子カルテ中継部45は、当該電子カルテ情報に基づいてインターネット15を介してDBサーバ16にアクセスして電子カルテを取得し、取得した電子カルテを、患者IDと共に診療端末50へ送信する。
【0057】
電子カルテ情報送信部46は、診療端末50から患者IDと共に電子カルテを受信した場合に、インターネット15を介してDBサーバ16にアクセスして受信した電子カルテを登録する。そして、電子カルテ情報送信部46は、当該電子カルテを取得するためにアクセスすべきサクセス先を示す情報を電子カルテ情報として、当該患者IDを含む診察券情報を格納する記憶部43内のレコードに格納する。
【0058】
図8は、診療端末50の機能構成の一例を示すブロック図である。診療端末50は、電子カルテ表示部51、電子カルテ編集部52、および電子カルテ送信部53を有する。
【0059】
電子カルテ表示部51は、制御装置40から患者IDと共に電子カルテまたは電子カルテの雛形を受け取り、受け取った電子カルテまたは電子カルテの雛形を液晶モニタ等の表示装置に表示させる。また、電子カルテ表示部51は、データが追加された電子カルテを電子カルテ編集部52から受け取った場合に、受け取った電子カルテを表示装置に表示させる。
【0060】
電子カルテ編集部52は、医師17による診察の過程で、キーボード等の入力装置を介して、電子カルテへのデータの入力を受け付け、受け付けた入力に基づいて電子カルテにデータを追加し、データが追加された電子カルテを電子カルテ表示部51へ送る。電子カルテ送信部53は、入力装置を介して医師17から診察の終了を指示された場合に、データが追加された電子カルテを患者IDと共に電子カルテ表示部51から取得して制御装置40へ送る。
【0061】
図9は、携帯電話端末20の動作の一例を示すフローチャートである。例えば電源が投入される等の所定のタイミングで、携帯電話端末20は本フローチャートに示す動作を開始する。
【0062】
まず、プログラム取得部202は、電子カルテの情報等を管理するためのプログラムが既に携帯電話端末20にインストールされているか否かを判定する(S100)。当該プログラムがまだ携帯電話端末20にインストールされていない場合(S100:No)、プログラム取得部202は、ユーザから当該プログラムのインストールを指示されたか否かを判定する(S101)。当該プログラムのインストールをユーザから指示されていない場合(S101:No)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0063】
当該プログラムのインストールをユーザから指示された場合(S101:Yes)、プログラム取得部202は、当該プログラムを無線通信部201を介して、携帯電話システムにおいて用いられる無線通信方式を用いて外部のプログラム配信サーバ11から取得し(S102)、取得したプログラムをプログラムインストール部203へ送る。プログラムインストール部203は、プログラム取得部202から受け取ったプログラムを自携帯電話端末20にインストールし(S103)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0064】
電子カルテの情報等を管理するためのプログラムが既に携帯電話端末20にインストールされている場合(S100:Yes)、情報提供部206は、近距離無線通信部209を介して予め定められたサービスIDを受信したか否かを判定する(S104)。予め定められたサービスIDを受信した場合(S104:Yes)、情報提供部206は、認証部207に認証処理を指示する。
【0065】
認証部207は、近距離無線通信部209を介してリーダライタ30との間で予め定められた認証手順に従って認証処理を実行し、認証処理の結果を情報提供部206および情報更新部208に通知する(S105)。そして、情報提供部206は、リーダライタ30との認証に成功したか否かを判定する(S106)。リーダライタ30との認証に失敗した場合(S106:No)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0066】
リーダライタ30との認証に成功した場合(S106:Yes)、情報提供部206は、近距離無線通信部209を介してリーダライタ30からデータ要求を受信したか否かを判定する(S107)。データ要求を受信した場合(S107:Yes)、情報提供部206は、記憶部205内に格納されているデータを近距離無線通信部209を介してリーダライタ30へ送信し(S108)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0067】
一方、データ要求を受信していない場合(S107:No)、情報更新部208は、書込対象のデータと共に書込要求を受信したか否かを判定する(S109)。書込要求を受信していない場合(S109:No)、情報提供部206は、再びステップS107に示した処理を実行する。書込要求を受信した場合(S109:Yes)、情報更新部208は、書込要求と共に受信した書込対象のデータを、項目毎に記憶部205に格納し(S110)、情報提供部206は、再びステップS107に示した処理を実行する。
【0068】
ステップS104において、予め定められたサービスIDを受信していない場合(S104:No)、失効確認部204は、記憶部205内に保険証情報が格納されているか否かを判定する(S111)。記憶部205内に保険証情報が格納されていない場合(S111:No)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0069】
記憶部205内に保険証情報が格納されている場合(S111:Yes)、失効確認部204は、保険証情報の有効性を確認すべきタイミング(例えば月末や月初等)か否かを判定する(S112)。保険証情報の有効性を確認すべきタイミングではない場合(S112:No)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0070】
保険証情報の有効性を確認すべきタイミングである場合(S112:Yes)、失効確認部204は、無線通信部201を介して外部の保険証情報管理サーバ12に保険証情報を送信してその有効性を問い合わせる(S113)。当該保険証情報が有効である旨の回答が保険証情報管理サーバ12から返信された場合(S114:Yes)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0071】
一方、当該保険証情報が有効である旨の回答が保険証情報管理サーバ12から返信されなかった場合(S114:No)、失効確認部204は、当該保険証情報を記憶部205から削除し(S115)、プログラム取得部202は再びステップS100に示した処理を実行する。
【0072】
図10は、リーダライタ30の動作の一例を示すフローチャートである。例えば電源が投入される等の所定のタイミングで、リーダライタ30は本フローチャートに示す動作を開始する。
【0073】
まず、サービスID送信指示部32は、予め定められたサービスIDの送信タイミングか否かを判定する(S200)。サービスIDの送信タイミングではない場合(S200:No)、サービスID送信指示部32は再びステップS200に示した処理を実行する。一方、サービスIDの送信タイミングである場合(S200:Yes)、サービスID送信指示部32は、サービスIDの送信を近距離無線通信部33に指示する。近距離無線通信部33は、アンテナ31を介してサービスIDを送信する(S201)。
【0074】
次に、認証部34は、近距離無線通信部33を介して携帯電話端末20から認証要求を受信したか否かを判定する(S202)。認証要求を受信していない場合(S202:No)、サービスID送信指示部32は再びステップS200に示した処理を実行する。一方、認証要求を受信した場合(S202:Yes)、認証部34は、近距離無線通信部33を介して携帯電話端末20との間で予め定められた認証手順に従って認証処理を実行する(S203)。携帯電話端末20との認証に失敗した場合(S204:No)、サービスID送信指示部32は再びステップS200に示した処理を実行する。
【0075】
携帯電話端末20との認証に成功した場合(S204:Yes)、認証部34は、認証に成功した旨を中継部35および制御装置40に通知する(S205)。そして、中継部35は、携帯電話端末20と制御装置40との通信の中継を開始する(S206)。中継部35が制御装置40から中継終了の指示を受信した場合(S207:Yes)、中継部35は、携帯電話端末20と制御装置40との通信の中継を終了し、サービスID送信指示部32は再びステップS200に示した処理を実行する。
【0076】
図11は、制御装置40の動作の一例を示すフローチャートである。例えば電源が投入される等の所定のタイミングで、制御装置40は本フローチャートに示す動作を開始する。
【0077】
まず、診察終了判定部41は、リーダライタ30から認証成功が通知されたか否かを判定する(S300)。リーダライタ30から認証成功が通知されていない場合(S300:No)、電子カルテ情報送信部46は、診療端末50から患者IDと共に電子カルテを受信したか否かを判定する(S301)。診療端末50から電子カルテを受信していない場合(S301:No)、診察終了判定部41は再びステップS300に示した処理を実行する。
【0078】
診療端末50から患者IDと共に電子カルテを受信した場合(S301:Yes)、電子カルテ情報送信部46は、インターネット15を介してDBサーバ16にアクセスして受信した電子カルテを登録し、当該電子カルテを取得するためにアクセスすべきアクセス先を示す情報を電子カルテ情報として作成する(S302)。そして、電子カルテ情報送信部46は、作成した電子カルテ情報を、当該患者IDを含む診察券情報を格納する記憶部43内のレコードに格納し(S303)、診察終了判定部41は再びステップS300に示した処理を実行する。
【0079】
ステップS300において、リーダライタ30から認証成功が通知された場合(S300:Yes)、診察終了判定部41は、リーダライタ30を介して携帯電話端末20にデータ要求を送信し(S304)、携帯電話端末20から端末識別情報等の情報を取得する。そして、診察終了判定部41は、取得した端末識別情報が記憶部43内に既に格納されているか否かを判定する(S305)。
【0080】
取得した端末識別情報が記憶部43内に既に格納されている場合(S305:Yes)、即ち、対応する携帯電話端末20のユーザが、診察の受付を済ませており、かつ、対応する携帯電話端末20に、今回の診察内容が記載された電子カルテの情報がまだ登録されていない状態である場合、診察終了判定部41は、取得した端末識別情報が格納されているレコードに含まれている電子カルテ情報を記憶部43から取得する。そして、診察終了判定部41は、取得した電子カルテ情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信する(S306)。
【0081】
次に、診察終了判定部41は、記憶部43内の該当するレコードから端末識別情報を削除する(S307)。そして、診察終了判定部41は、リーダライタ30に中継終了を指示し(S308)、診察終了判定部41は再びステップS300に示した処理を実行する。
【0082】
ステップS305において、携帯電話端末20から取得した端末識別情報が記憶部43内に格納されていない場合(S305:No)、即ち、対応する携帯電話端末20のユーザが、診察の受付をまだ済ませていない場合、診察終了判定部41は、携帯電話端末20から取得した情報を表示画面作成部42へ送る。
【0083】
そして、表示画面作成部42は、携帯電話端末20から取得した情報を診察終了判定部41から受け取り、受け取った情報の中に電子カルテ情報が含まれているか否かを判定する(S309)。電子カルテ情報が含まれていない場合(S309:No)、即ち、携帯電話端末20のユーザがどの医療機関でも診察を受けたことが無い全くの初診か、または、ユーザが前回の診察時とは異なる携帯電話端末20を使っている場合、携帯電話端末20は後述する初診処理を実行し(S400)、診察終了判定部41は再びステップS300に示した処理を実行する。
【0084】
一方、携帯電話端末20から取得した情報の中に電子カルテ情報が含まれている場合(S309:Yes)、即ち、携帯電話端末20のユーザが当医療機関も含めていずれかの医療機関で診察を受けたことがある場合、表示画面作成部42は、携帯電話端末20から取得した情報の中に診察券情報が含まれているか否かを判定する(S310)。
【0085】
携帯電話端末20から取得した情報の中に診察券情報が含まれている場合(S310:Yes)、即ち、当院での診察を受けたことがある患者である場合、携帯電話端末20は、後述する再診処理を実行し(S500)、診察終了判定部41は再びステップS300に示した処理を実行する。
【0086】
一方、携帯電話端末20から取得した情報の中に診察券情報が含まれていない場合(S310:No)、即ち、当医療機関で過去に診察を受けたことがない患者である場合、携帯電話端末20は、後述する転院処理を実行し(S600)、診察終了判定部41は再びステップS300に示した処理を実行する。
【0087】
図12は、初診処理(S400)の一例を示すフローチャートである。
【0088】
まず、表示画面作成部42は、例えば図7に示すような受付画像60を作成して液晶モニタ等の表示装置に表示させると共に、携帯電話端末20から取得した端末識別情報を登録部44へ送る(S401)。なお、ステップS401において表示される受付画像60内の領域61および領域62は空欄となる。そして、登録部44は、緊急ボタン63または通常診察ボタン64が押下されたか否かを判定する(S402)。
【0089】
押下されたボタンが緊急ボタン63である場合(S403:Yes)、登録部44はステップS412で後述する処理を実行する。一方、押下されたボタンが通常診察ボタン64である場合(S403:No)、登録部44は、受付画像60内の領域62に保険証情報が記載されているか否かを判定する(S404)。
【0090】
領域62内に保険証情報が記載されていない場合(S404:No)、即ち、保険証が失効中などの場合、登録部44は、記憶部43内にレコードを新たに作成し、作成したレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報と共に、受付画像60に表示された診察券情報を格納する(S405)。
【0091】
そして、登録部44は、新たに作成したレコードに格納されている診察券情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し(S406)、登録部44はステップS412で後述する処理を実行する。
【0092】
ステップS404において、領域62内に保険証情報が記載されている場合(S404:Yes)、即ち、患者が窓口で保険証を提示した場合、登録部44は、記載された保険証情報が記憶部43内に既に登録されているか否かを判定する(S407)。保険証情報が記憶部43内に既に登録されている場合(S407:Yes)、登録部44は、該当するレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報を格納する(S408)。
【0093】
なお、この場合、受付画像60内の領域61に新たに入力された診察券情報と、記憶部43内に既に登録されていた診察券情報とで、情報(特に患者ID)が一部異なる場合には、登録部44は、入力された保険証情報に対応する患者の診察券情報が既に登録されていることを、表示装置等を介して受付担当者に通知することが好ましい。
【0094】
そして、登録部44は、該当するレコードに格納されている診察券情報および保険証情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し(S409)、登録部44はステップS412で後述する処理を実行する。
【0095】
ステップS407において、保険証情報が記憶部43内にまだ登録されていない場合(S407:No)、登録部44は、記憶部43内に新たにレコードを作成し、作成したレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報と共に、受付画像60に表示された診察券情報および保険証情報を格納する(S410)。そして、登録部44は、新たに作成したレコードに格納されている診察券情報および保険証情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信する(S411)。
【0096】
次に、登録部44は、リーダライタ30に中継終了を指示する(S412)。そして、登録部44は、今回新たに作成したレコードあるいは入力された保険証情報を含むレコード内の保険証情報に含まれる患者IDと共に、電子カルテの雛形の送信を電子カルテ中継部45に指示する。電子カルテ中継部45は、登録部44から受け取った患者IDと共に、電子カルテの雛形を診療端末50へ送信し(S413)、携帯電話端末20は本フローチャートに示した初診処理(S400)を終了する。
【0097】
図13は、再診処理(S500)の一例を示すフローチャートである。
【0098】
まず、表示画面作成部42は、携帯電話端末20から取得したデータの中に保険証情報が含まれているか否かを判定する(S501)。携帯電話端末20から取得したデータの中に保険証情報が含まれている場合(S501:Yes)、即ち、携帯電話端末20から取得したデータの中に電子カルテ情報、診察券情報、および保険証情報の全てが含まれている場合、表示画面作成部42は、携帯電話端末20から取得したデータを登録部44へ送る。登録部44は、ステップS508で後述する。
【0099】
一方、携帯電話端末20から取得したデータの中に保険証情報が含まれていない場合(S501:No)、表示画面作成部42は、例えば、図7に示すような受付画像60を作成して液晶モニタ等の表示装置に表示させると共に、携帯電話端末20から取得した端末識別情報および診察券情報を登録部44へ送る(S502)。なお、ステップS502において表示される受付画像60内の領域62は空欄となる。そして、登録部44は、緊急ボタン63または通常診察ボタン64が押下されたか否かを判定する(S503)。
【0100】
押下されたボタンが緊急ボタン63である場合(S504:Yes)、登録部44はステップS508で後述する処理を実行する。一方、押下されたボタンが通常診察ボタン64である場合(S504:No)、登録部44は、受付画像60内の領域62に保険証情報が記載されているか否かを判定する(S505)。
【0101】
領域62内に保険証情報が記載されている場合(S505:Yes)、即ち、保険証が失効した経験がある患者である場合、登録部44は、携帯電話端末20から取得した診察券情報を格納するレコードを記憶部43内で特定する。そして、登録部44は、特定したレコードに保険証情報が登録されていれば、登録されている保険証情報を、領域62内に記載されている保険証情報で更新し(S506)、ステップS508で後述する処理を実行する。
【0102】
領域62内に保険証情報が記載されていない場合(S505:No)、即ち、保険証が失効中などの場合、登録部44は、携帯電話端末20から取得した診察券情報を格納するレコードを記憶部43内で特定し、特定したレコードに保険証情報が登録されていれば、保険証情報を当該レコードから削除する(S507)。
【0103】
次に、登録部44は、表示画面作成部42から通知された端末識別情報を、特定したレコードに格納し(S508)、リーダライタ30に中継終了を指示する(S509)。そして、登録部44は、特定したレコードに格納されている診察券情報に含まれる患者IDを抽出すると共に、特定したレコードに格納されている電子カルテ情報を抽出し、抽出した患者IDおよび電子カルテ情報を電子カルテ中継部45へ送る。
【0104】
電子カルテ中継部45は、登録部44から受け取った電子カルテ情報に基づいてインターネット15を介してDBサーバ16にアクセスし、対応する電子カルテを取得する(S510)。そして、電子カルテ中継部45は、取得した電子カルテを、登録部44から受け取った患者IDと共に診療端末50へ転送し(S511)、携帯電話端末20は本フローチャートに示した再診処理(S500)を終了する。
【0105】
図14は、転院処理(S600)の一例を示すフローチャートである。
【0106】
まず、表示画面作成部42は、例えば図7に示すような受付画像60を作成して液晶モニタ等の表示装置に表示させると共に、携帯電話端末20から取得した端末識別情報および電子カルテ情報を(携帯電話端末20から保険証情報を取得していればさらに保険証情報も)登録部44へ送る(S601)。なお、ステップS601において表示される受付画像60内の領域61は空欄となり、携帯電話端末20から保険証情報を取得していれば領域62にはその情報が記載される。
【0107】
そして、登録部44は、緊急ボタン63または通常診察ボタン64が押下されたか否かを判定する(S602)。押下されたボタンが緊急ボタン63である場合(S603:Yes)、登録部44はステップS611で後述する処理を実行する。一方、押下されたボタンが通常診察ボタン64である場合(S603:No)、登録部44は、表示画面作成部42から保険証情報を受け取った(携帯電話端末20内に保険証情報が格納されている)か否かを判定する(S604)。
【0108】
表示画面作成部42から保険証情報を受け取った場合(S604:Yes)、即ち、有効な保険証情報が携帯電話端末20内に格納されている場合、登録部44は、記憶部43内にレコードを新たに作成する。そして、登録部44は、作成したレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報および保険証情報と共に、受付画像60内の領域61に表示された診察券情報を格納し(S605)、ステップS608で後述する処理を実行する。
【0109】
表示画面作成部42から保険証情報を受け取っていない場合(S604:No)、即ち、保険証が失効した経験を持つ患者である場合、登録部44は、受付画像60内の領域62に保険証情報が記載されているか否かを判定する(S606)。領域62内に保険証情報が記載されていない場合(S606:No)、即ち、保険証が失効中などの場合、登録部44は、記憶部43内にレコードを新たに作成する。
【0110】
そして、登録部44は、作成したレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報および保険証情報を格納する(S608)。そして、登録部44は、当該診察券情報と共に書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し(S608)、ステップS611で後述する処理を実行する。
【0111】
ステップS606において、領域62内に保険証情報が記載されている場合(S606:Yes)、即ち、失効中であった保険証が再び有効になった場合、登録部44は、記憶部43内にレコードを新たに作成する。
【0112】
そして、登録部44は、作成したレコードに、表示画面作成部42から通知された端末識別情報と共に、受付画像60の領域61に表示された診察券情報および領域62に表示された保険証情報を格納し(S609)、当該診察券情報および保険証情報と共に書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信する(S610)。
【0113】
次に、登録部44は、リーダライタ30に中継終了を指示する(S611)。そして、登録部44は、新たに作成したレコードに格納されている診察券情報に含まれる患者IDを抽出すると共に、特定したレコードに格納されている電子カルテ情報を抽出し、抽出した患者IDおよび電子カルテ情報を電子カルテ中継部45へ送る。
【0114】
電子カルテ中継部45は、登録部44から受け取った電子カルテ情報に基づいてインターネット15を介してDBサーバ16にアクセスし、対応する電子カルテを取得する(S612)。そして、電子カルテ中継部45は、取得した電子カルテを、登録部44から受け取った患者IDと共に診療端末50へ転送し(S613)、携帯電話端末20は本フローチャートに示した転院処理(S600)を終了する。
【0115】
図15は、患者が初診の場合の診療システム10の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0116】
まず、携帯電話端末20は、リーダライタ30の近くに置かれることによりリーダライタ30から発信される電波を十分な強度で受信することが可能となり、リーダライタ30からサービスIDを受信する(S700)。そして、携帯電話端末20は、リーダライタ30との間で認証処理を実行し(S701)、認証に成功した場合に、リーダライタ30は、認証成功を制御装置40に通知し(S702)、携帯電話端末20と制御装置40との通信の中継を開始する。
【0117】
次に、制御装置40は、リーダライタ30を介して携帯電話端末20へデータ要求を送信し、携帯電話端末20は、記憶部205内のデータ(図15に示す例の場合、端末識別情報のみ)を、リーダライタ30を介して制御装置40へ送信する(S704)。制御装置40は、携帯電話端末20の端末識別情報が記憶部43内に登録されていないため、領域61および領域62が空欄の受付画像60を表示装置に表示させ(S705)、データの入力を待つ。
【0118】
次に、受付担当者が、患者に保険証の提示を求め、提示された保険証の情報を受付画像60の領域62に入力し、当該保険証を元に診察券情報を作成して受付画像60の領域61に入力し、通常診察ボタン64を押下する(S706)。なお、緊急ボタン63が押下された場合には、制御装置40は、後述するステップS710以降の処理を実行する。
【0119】
次に、制御装置40は、記憶部43内に新たにレコードを作成し、作成したレコードに、携帯電話端末20から通知された端末識別情報、領域61に記載された診察券情報、および領域62に記載された保険証情報を格納する(S707)。そして、制御装置40は、領域61に記載された診察券情報および領域62に記載された保険証情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し(S709)、リーダライタ30に中継終了を指示する(S710)。携帯電話端末20は、リーダライタ30を介して制御装置40から受け取った診察券情報および保険証情報を記憶部205に格納する(S710)。制御装置40は、電子カルテの雛形を患者IDと共に診療端末50へ送信する(S711)。
【0120】
次に、医師17の診察によって電子カルテが作成され、診療端末50は、作成された電子カルテを制御装置40へ送る(S712)。制御装置40は、受け取った電子カルテをDBサーバ16に登録し(S713)、当該電子カルテのアクセス先を示す電子カルテ情報を作成し(S714)、作成した電子カルテ情報を、記憶部43内に格納する(S715)。
【0121】
会計時等に、患者は、自身の携帯電話端末20を再びリーダライタ30の近くに置くと、携帯電話端末20、リーダライタ30、および制御装置40は、ステップS700からS704までの処理を実行する。そして、制御装置40は、携帯電話端末20から取得した端末識別情報が記憶部43内に格納されていることを検出し、当該端末識別情報に対応付けられている電子カルテ情報を記憶部43から抽出し、抽出した電子カルテ情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信する(S716)。
【0122】
携帯電話端末20は、リーダライタ30を介して受け取った電子カルテ情報を記憶部205に格納する(S717)。制御装置40は、リーダライタ30に中継終了を指示し(S718)、記憶部43から当該携帯電話端末20の端末識別情報を削除する(S719)。
【0123】
図16は、患者が再診する場合の診療システム10の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0124】
まず、携帯電話端末20、リーダライタ30、および制御装置40は、図15で説明したステップS700からS704までの処理を実行する。そして、受付担当者が、患者に保険証の提示を求め、提示された保険証の情報を受付画像60の領域62に入力し、通常診察ボタン64を押下する(S720)。なお、緊急ボタン63が押下された場合、または、電子カルテ情報、診察券情報、および保険証情報を全て携帯電話端末20から取得した場合には、制御装置40は、後述するステップS725以降の処理を実行する。
【0125】
次に、制御装置40は、携帯電話端末20から取得した診察券情報を含むレコードを記憶部43内で特定し、特定したレコードに、携帯電話端末20から通知された端末識別情報、および、領域62に記載された保険証情報を格納する(S721)。そして、制御装置40は、領域62に記載された保険証情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し(S722)、リーダライタ30に中継終了を指示する(S723)。携帯電話端末20は、リーダライタ30を介して制御装置40から受け取った保険証情報を記憶部205に格納する(S724)。
【0126】
次に、制御装置40は、携帯電話端末20から取得した電子カルテ情報に基づいてDBサーバ16にアクセスし(S725)、DBサーバ16から電子カルテを取得する(S726)。そして、制御装置40は、取得した電子カルテを、患者IDと共に診療端末50へ転送する(S727)。それ以降の処理については、図15に示したステップS712からS719と同様であるため、説明を省略する。
【0127】
図17は、患者が転院する場合の診療システム10の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0128】
まず、携帯電話端末20、リーダライタ30、および制御装置40は、図15で説明したステップS700からS704までの処理を実行する。そして、受付担当者が、患者に保険証の提示を求め、提示された保険証の情報を受付画像60の領域62に入力し、当該保険証を元に診察券情報を作成して受付画像60の領域61に入力し、通常診察ボタン64を押下する(S730)。なお、緊急ボタン63が押下された場合には、制御装置40は、後述するステップS735以降の処理を実行する。
【0129】
次に、制御装置40は、記憶部43内に新たにレコードを作成し、作成したレコードに、携帯電話端末20から通知された端末識別情報、領域61に記載された診察券情報、および領域62に記載された保険証情報を格納する(S731)。そして、制御装置40は、領域61に入力された診察券情報および領域62に記載された保険証情報と共に、書込要求をリーダライタ30を介して携帯電話端末20へ送信し(S732)、リーダライタ30に中継終了を指示する(S733)。携帯電話端末20は、リーダライタ30を介して制御装置40から受け取った診察券情報および保険証情報を記憶部205に格納する(S734)。
【0130】
次に、制御装置40は、携帯電話端末20から取得した電子カルテ情報に基づいてDBサーバ16にアクセスし(S735)、DBサーバ16から電子カルテを取得する(S736)。そして、制御装置40は、取得した電子カルテを、患者IDと共に診療端末50へ転送する(S737)。それ以降の処理については、図15に示したステップS712からS719と同様であるため、説明を省略する。
【0131】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0132】
上記説明から明らかなように、本実施形態の診療システム10によれば、携帯電話端末20を所有者が操作することなしに携帯電話端末20の所有者の電子カルテを参照することができる。
【0133】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0134】
例えば、上記した実施形態では、各医療機関で作成された電子カルテは、ネットワーク上のDBサーバ16に登録されたが、本発明はこれに限られない。例えば、各医療機関で作成された電子カルテは、診察を行った各医療機関が、その診察時までの診察内容が記載された電子カルテ本体を、所有する制御装置40内に格納し、当該制御装置40を外部からアクセス可能とすると共に、当該電子カルテ本体へのアクセス先を電子カルテ情報として携帯電話端末20に保存するようにしてもよい。
【0135】
これにより、患者が複数の医療機関で診察を受けた場合に、患者の電子カルテのデータが複数の医療機関に分散されて保存されるため、患者の電子カルテのデータが全て失われる危険性を低く抑えることができる。
【0136】
また、上記した実施形態では、携帯機器として携帯電話端末20を一例に説明したが、本発明はこれに限られず、通信機能を持つ携帯可能な電子機器であれば、携帯音楽プレーヤや携帯ゲーム機等であってもよい。
【0137】
また、上記した実施形態では、近距離通信としてRFIDシステムにおいて用いられる無線通信方式を一例に説明したが、本発明はこれに限られず、近距離無線通信方式であれば、Bluetoothや無線LAN等であってもよく、近距離通信であれば、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394等であってもよい。
【0138】
また、上記した実施形態では、携帯電話端末20内に端末識別情報、診察券情報、保険証情報、および電子カルテ情報を格納するが、さらに、所有者の属性を表わし、携帯することが好ましい情報(運転免許証やパスポート、社員証等の情報)を携帯電話端末20内に格納して、所有者の操作なしに必要なときに参照できるようにしてもよい。近年、時計や財布などよりも携帯している可能性が高くなっている携帯電話端末20にこれらの情報を格納することにより、これらの情報を確実に携帯し、必要なときに簡単に参照することができる。
【符号の説明】
【0139】
10・・・診療システム、11・・・プログラム配信サーバ、12・・・保険証情報管理サーバ、13・・・携帯電話網、14・・・基地局、15・・・インターネット、16・・・DBサーバ、17・・・医師、20・・・携帯電話端末、200・・・アンテナ、201・・・無線通信部、202・・・プログラム取得部、203・・・プログラムインストール部、204・・・失効確認部、205・・・記憶部、206・・・情報提供部、207・・・認証部、208・・・情報更新部、209・・・近距離無線通信部、210・・・アンテナ、30・・・リーダライタ、31・・・アンテナ、32・・・サービスID送信指示部、33・・・近距離無線通信部、34・・・認証部、35・・・中継部、40・・・制御装置、41・・・診察終了判定部、42・・・表示画面作成部、43・・・記憶部、44・・・登録部、45・・・電子カルテ中継部、46・・・電子カルテ情報送信部、50・・・診療端末、51・・・電子カルテ表示部、52・・・電子カルテ編集部、53・・・電子カルテ送信部、60・・・受付画像、61・・・診察券情報表示領域、62・・・保険証情報表示領域、63・・・緊急ボタン、64・・・通常診察ボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子カルテに関する情報を格納する記憶手段と、
外部の機器と通信する通信手段と、
前記通信手段を介して外部の機器から予め定められたサービスIDを受信した場合に、前記記憶手段に格納されている電子カルテに関する情報を、前記通信手段を介して前記外部の機器へ送信する情報提供手段と
を備えることを特徴とする携帯機器。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯機器であって、
前記通信手段を介して外部の機器との間で予め定められた認証処理を実行する認証手段をさらに備え、
前記情報提供手段は、
前記通信手段を介して外部の機器から予め定められたサービスIDを受信した場合に、前記認証手段に当該外部の機器との間で予め定められた認証処理を実行させ、当該認証処理の結果、認証に成功した場合に、前記記憶手段に格納されている電子カルテに関する情報を、前記通信手段を介して前記外部の機器へ送信することを特徴とする携帯機器。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯機器であって、
前記認証手段によって外部の機器との間で実行された認証処理の結果、認証に成功した後に、当該外部機器から電子カルテに関する情報を受信した場合に、前記記憶手段内に電子カルテに関する情報が存在しなければ、受信した電子カルテに関する情報を前記記憶手段に格納し、前記記憶手段内に電子カルテに関する情報が既に格納されていれば、受信した情報で前記記憶手段内の電子カルテに関する情報を更新する情報更新手段をさらに備えることを特徴とする携帯機器。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯機器であって、
前記記憶手段には、保険証に関する情報がさらに格納され、
前記情報提供手段は、
前記認証手段によって外部の機器との間で実行された認証処理の結果、認証に成功した場合に、前記記憶手段に格納されている保険証に関する情報を、前記通信手段を介して前記外部の機器へさらに送信することを特徴とする携帯機器。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯機器であって、
前記情報更新手段は、
前記認証手段によって外部の機器との間で実行された認証処理の結果、認証に成功した後に、当該外部機器から保険証に関する情報を受信した場合に、前記記憶手段内に保険証に関する情報が存在しなければ、受信した保険証に関する情報を前記記憶手段に格納し、前記記憶手段内に保険証に関する情報が既に格納されており、かつ、受信した保険証に関する情報と前記記憶手段内に既に格納されている保険証に関する情報とが異なれば、受信した保険証に関する情報で前記記憶手段内に既に格納されている保険証に関する情報を更新することを特徴とする携帯機器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の携帯機器であって、
前記電子カルテに関する情報は、
対応する電子カルテを取得するためにアクセスすべきネットワーク上のアクセス先を示す情報であることを特徴とする携帯機器。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の携帯機器であって、
当該携帯機器が携帯電話端末であることを特徴とする携帯機器。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯機器であって、
前記通信手段は、
近距離無線通信方式により、外部の機器と通信することを特徴とする携帯機器。
【請求項9】
請求項8に記載の携帯機器であって、
前記近距離無線通信方式とは、RFID(Radio Frequency Identification)システムで用いられる無線通信方式であることを特徴とする携帯機器。
【請求項10】
携帯機器と、
リーダライタと、
前記リーダライタを制御する制御装置と、
電子カルテを作成する医療端末と
を備え、
前記携帯機器は、
電子カルテに関する情報を格納する記憶手段と、
前記リーダライタとの間で、RFIDシステムにおいて用いられる無線通信方式により通信を行う機器側通信手段と、
前記通信手段を介して前記リーダライタとの間で予め定められた認証処理を実行する機器側認証手段と、
前記通信手段を介して前記リーダライタから予め定められたサービスIDを受信した場合に、前記機器側認証手段に当該リーダライタとの間で予め定められた認証処理を実行させ、当該認証処理の結果、認証に成功した場合に、前記記憶手段に格納されている電子カルテに関する情報を、前記通信手段を介して前記リーダライタへ送信する情報提供手段と、
前記機器側認証手段によって前記リーダライタとの間で実行された認証処理の結果、認証に成功した後に、当該リーダライタから電子カルテに関する情報を受信した場合に、前記記憶手段内に電子カルテに関する情報が存在しなければ、受信した電子カルテに関する情報を前記記憶手段に格納し、前記記憶手段内に電子カルテに関する情報が既に格納されていれば、受信した情報で前記記憶手段内の電子カルテに関する情報を更新する情報更新手段と
を有し、
前記リーダライタは、
前記携帯機器との間で、RFIDシステムにおいて用いられる無線通信方式により通信を行うリーダライタ側通信手段と、
所定のタイミングで予め定められたサービスIDを前記リーダライタ側通信手段に送信させるサービスID送信指示手段と、
前記リーダライタ側通信手段を介して前記携帯機器との間で予め定められた認証処理を実行するリーダライタ側認証手段と、
前記リーダライタ側認証手段によって前記携帯機器との間で実行された認証処理の結果、認証に成功した後に、前記携帯機器と前記制御装置との通信を中継する中継手段と
を有し、
前記制御装置は、
前記リーダライタを介して前記携帯機器から電子カルテに関する情報を受信し、受信した電子カルテに関する情報に対応する電子カルテを前記医療端末へ送信する電子カルテ中継手段と、
前記医療端末から電子カルテを受信した場合に、受信した電子カルテに関する情報を前記携帯機器へ送信する電子カルテ情報送信手段と
を有し、
前記医療端末は、
前記制御装置から受信した電子カルテを表示する電子カルテ表示手段と、
ユーザの入力に応じて電子カルテに情報を追加する電子カルテ編集手段と、
情報が追加された電子カルテを前記制御装置へ送信する電子カルテ送信手段と
を有することを特徴とする医療システム。
【請求項11】
請求項10に記載の医療システムであって、
電子カルテを格納するデータベースサーバをさらに備え、
前記電子カルテに関する情報は、
対応する電子カルテを取得するためにアクセスすべきネットワーク上のアクセス先を示す情報であり、
前記制御装置の電子カルテ中継手段は、
前記リーダライタを介して前記携帯機器から電子カルテに関する情報を受信した場合に、受信した電子カルテに関する情報で示されるネットワーク上のアクセス先の前記データベースサーバから対応する電子カルテを取得し、取得した電子カルテを前記医療端末へ送信し、
前記制御装置の電子カルテ情報送信手段は、
前記医療端末から電子カルテを受信した場合に、受信した電子カルテを前記データベースサーバに格納すると共に、当該電子カルテを取得するためにアクセスすべきネットワーク上のアクセス先を示す情報を、電子カルテに関する情報として前記リーダライタを介して前記携帯機器へ送信することを特徴とする医療システム。
【請求項1】
電子カルテに関する情報を格納する記憶手段と、
外部の機器と通信する通信手段と、
前記通信手段を介して外部の機器から予め定められたサービスIDを受信した場合に、前記記憶手段に格納されている電子カルテに関する情報を、前記通信手段を介して前記外部の機器へ送信する情報提供手段と
を備えることを特徴とする携帯機器。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯機器であって、
前記通信手段を介して外部の機器との間で予め定められた認証処理を実行する認証手段をさらに備え、
前記情報提供手段は、
前記通信手段を介して外部の機器から予め定められたサービスIDを受信した場合に、前記認証手段に当該外部の機器との間で予め定められた認証処理を実行させ、当該認証処理の結果、認証に成功した場合に、前記記憶手段に格納されている電子カルテに関する情報を、前記通信手段を介して前記外部の機器へ送信することを特徴とする携帯機器。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯機器であって、
前記認証手段によって外部の機器との間で実行された認証処理の結果、認証に成功した後に、当該外部機器から電子カルテに関する情報を受信した場合に、前記記憶手段内に電子カルテに関する情報が存在しなければ、受信した電子カルテに関する情報を前記記憶手段に格納し、前記記憶手段内に電子カルテに関する情報が既に格納されていれば、受信した情報で前記記憶手段内の電子カルテに関する情報を更新する情報更新手段をさらに備えることを特徴とする携帯機器。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯機器であって、
前記記憶手段には、保険証に関する情報がさらに格納され、
前記情報提供手段は、
前記認証手段によって外部の機器との間で実行された認証処理の結果、認証に成功した場合に、前記記憶手段に格納されている保険証に関する情報を、前記通信手段を介して前記外部の機器へさらに送信することを特徴とする携帯機器。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯機器であって、
前記情報更新手段は、
前記認証手段によって外部の機器との間で実行された認証処理の結果、認証に成功した後に、当該外部機器から保険証に関する情報を受信した場合に、前記記憶手段内に保険証に関する情報が存在しなければ、受信した保険証に関する情報を前記記憶手段に格納し、前記記憶手段内に保険証に関する情報が既に格納されており、かつ、受信した保険証に関する情報と前記記憶手段内に既に格納されている保険証に関する情報とが異なれば、受信した保険証に関する情報で前記記憶手段内に既に格納されている保険証に関する情報を更新することを特徴とする携帯機器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の携帯機器であって、
前記電子カルテに関する情報は、
対応する電子カルテを取得するためにアクセスすべきネットワーク上のアクセス先を示す情報であることを特徴とする携帯機器。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の携帯機器であって、
当該携帯機器が携帯電話端末であることを特徴とする携帯機器。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯機器であって、
前記通信手段は、
近距離無線通信方式により、外部の機器と通信することを特徴とする携帯機器。
【請求項9】
請求項8に記載の携帯機器であって、
前記近距離無線通信方式とは、RFID(Radio Frequency Identification)システムで用いられる無線通信方式であることを特徴とする携帯機器。
【請求項10】
携帯機器と、
リーダライタと、
前記リーダライタを制御する制御装置と、
電子カルテを作成する医療端末と
を備え、
前記携帯機器は、
電子カルテに関する情報を格納する記憶手段と、
前記リーダライタとの間で、RFIDシステムにおいて用いられる無線通信方式により通信を行う機器側通信手段と、
前記通信手段を介して前記リーダライタとの間で予め定められた認証処理を実行する機器側認証手段と、
前記通信手段を介して前記リーダライタから予め定められたサービスIDを受信した場合に、前記機器側認証手段に当該リーダライタとの間で予め定められた認証処理を実行させ、当該認証処理の結果、認証に成功した場合に、前記記憶手段に格納されている電子カルテに関する情報を、前記通信手段を介して前記リーダライタへ送信する情報提供手段と、
前記機器側認証手段によって前記リーダライタとの間で実行された認証処理の結果、認証に成功した後に、当該リーダライタから電子カルテに関する情報を受信した場合に、前記記憶手段内に電子カルテに関する情報が存在しなければ、受信した電子カルテに関する情報を前記記憶手段に格納し、前記記憶手段内に電子カルテに関する情報が既に格納されていれば、受信した情報で前記記憶手段内の電子カルテに関する情報を更新する情報更新手段と
を有し、
前記リーダライタは、
前記携帯機器との間で、RFIDシステムにおいて用いられる無線通信方式により通信を行うリーダライタ側通信手段と、
所定のタイミングで予め定められたサービスIDを前記リーダライタ側通信手段に送信させるサービスID送信指示手段と、
前記リーダライタ側通信手段を介して前記携帯機器との間で予め定められた認証処理を実行するリーダライタ側認証手段と、
前記リーダライタ側認証手段によって前記携帯機器との間で実行された認証処理の結果、認証に成功した後に、前記携帯機器と前記制御装置との通信を中継する中継手段と
を有し、
前記制御装置は、
前記リーダライタを介して前記携帯機器から電子カルテに関する情報を受信し、受信した電子カルテに関する情報に対応する電子カルテを前記医療端末へ送信する電子カルテ中継手段と、
前記医療端末から電子カルテを受信した場合に、受信した電子カルテに関する情報を前記携帯機器へ送信する電子カルテ情報送信手段と
を有し、
前記医療端末は、
前記制御装置から受信した電子カルテを表示する電子カルテ表示手段と、
ユーザの入力に応じて電子カルテに情報を追加する電子カルテ編集手段と、
情報が追加された電子カルテを前記制御装置へ送信する電子カルテ送信手段と
を有することを特徴とする医療システム。
【請求項11】
請求項10に記載の医療システムであって、
電子カルテを格納するデータベースサーバをさらに備え、
前記電子カルテに関する情報は、
対応する電子カルテを取得するためにアクセスすべきネットワーク上のアクセス先を示す情報であり、
前記制御装置の電子カルテ中継手段は、
前記リーダライタを介して前記携帯機器から電子カルテに関する情報を受信した場合に、受信した電子カルテに関する情報で示されるネットワーク上のアクセス先の前記データベースサーバから対応する電子カルテを取得し、取得した電子カルテを前記医療端末へ送信し、
前記制御装置の電子カルテ情報送信手段は、
前記医療端末から電子カルテを受信した場合に、受信した電子カルテを前記データベースサーバに格納すると共に、当該電子カルテを取得するためにアクセスすべきネットワーク上のアクセス先を示す情報を、電子カルテに関する情報として前記リーダライタを介して前記携帯機器へ送信することを特徴とする医療システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−186580(P2011−186580A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48779(P2010−48779)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
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