説明

携帯用電話機

【課題】 携帯移動の限界速度が互いに異なる複数の電話回線網に対応でき、また、その回線の切換え操作が不要な携帯用電話機を提供する。
【解決手段】 携帯用電話機1は下記の要件を備えて構成される。■複数の接続制御手段23、24:携帯用電話機1の限界移動速度が互いに異なる複数の電話回線網に対応して設けられ、それら各電話回線網に携帯用電話機1を無線接続する。■移動速度検出手段19、22:携帯用電話機1の移動速度を検出する。■接続制御選択手段25:検出された移動速度に基づいて、複数の接続制御手段23、24のいずれかのものを選択する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯用電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、使用者が携帯して持ち歩きながら、あるいは自動車に搭載して移動しながら使用することができる携帯用電話機が普及している。図4は、自動車搭載可能な電話機を使用する携帯電話システム(以下、自動車電話システムともいう)を概念的に示している。すなわち、自動車電話システム100においては、所定の通信地域内に複数の無線基地局101が分散設置されており、上記通信地域は、それら無線基地局101により複数の通信ゾーン102に分割された形でカバーされる。電話機103は、自身が存在する通信ゾーン102の無線基地局101に対し選択的に接続され、さらに無線回線制御局104及び自動車電話交換局105を介して公衆電話回線網106に接続されて通話が行われる。
【0003】ここで、自動車電話システム100においては図6に示すように、電話機103を搭載した自動車107が異なる通信ゾーン102へ移動した場合は、移動先の通信ゾーン102をカバーする無線基地局101への接続切換え処理(いわゆるハンドオーバ処理)が自動的に行われるようになっている。このハンドオーバ処理は、例えば図4に示すように、通話用電波Wとは別に制御用電波Pを電話機103から発信するとともに、図6R>6に示すように、無線基地局101のうち制御用電波Pの検出強度が最も大きいものを無線回線制御局104側で選択することにより、接続切換えを行う方式が採用されている。そして、自動車107とともに高速移動する電話機103が短時間でゾーン外に出てしまわないよう、各通信ゾーン102の大きさは、例えば直径が数km程度と比較的大きく設定されている。
【0004】一方、主に徒歩程度の低速移動での使用を前提とした、より簡易な構成の携帯電話システム(簡易型携帯電話システム;以下、PHSという)が、最近になって急速に普及しつつある。図5に概念的に構成を示すPHS110においては、無線回線制御局104が設けられず、各無線基地局111は電話局115に直結されている。それら無線基地局111からは比較的小出力の通話用電波Wが一斉に発せられ、通話品質が劣化した場合には、電話機113側に設けられた切換え機構により、より良好な回線設定が可能な無線基地局111を選択することで前述のハンドオーバ処理が行われる。ここで、PHS110の場合、小型で小出力の無線基地局111が1つの通信地域内に極めて多数設置される結果、各通信ゾーン112の大きさは例えば直径が数百m程度と、自動車電話システム100に比べてかなり小さく設定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】自動車電話システム100は、自動車等で高速移動しながらの利用が可能である反面、ハンドオーバ処理を回線網側で行うようになっているため、無線回線制御局104が必要になるなど網側の制御機構が複雑化する。また、無線基地局101は、それぞれカバーする通信ゾーン102が広いため、大出力の電波送信設備が必要である。このように、システム構成が複雑かつ大掛かりになる結果、通話コストが割高となる欠点がある。さらに、ビルや地下街の内部等、屋外に設置された無線基地局101からの電波が届かない区域では、通話ができない難点もある。一方、PHS110は網側の設備が簡易であるため、通話コストが自動車電話システム100に比べて割安である。また、小型の無線基地局111は屋内にも手軽に設置できるので、従来電波が届かなかった区域でも通話可能となる利点がある。しかしながら、各通信ゾーン112の大きさが非常に小さいため、図6に示すように、利用者Gが徒歩程度の低速で移動する場合にはハンドオーバ処理をスムーズに行うことができるが、電話機113を自動車等に搭載して高速移動すると、ハンドオーバ処理がゾーンの変化に追従できなくなって通話不能に陥る欠点がある。
【0006】そこで、高速移動時には自動車電話システム対応の電話機を使用し、低速移動時にはPHS対応の電話機を使用する等、移動速度に応じて2種類の電話機を使い分けることも考えられるが、これでは2台の電話機を常時携帯していなければならず不便であり、電話機の購入費用もかさむ問題がある。
【0007】本発明の課題は、自動車電話システムとPHS等、携帯移動の限界速度が互いに異なる複数の電話回線網に対応でき、また、その回線の切換え操作が不要な携帯用電話機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】本発明は、電話回線網に対し無線により接続される携帯用電話機に係るものであり、上述の課題を解決するために下記の要件を備えて構成されることを特徴とする。
■複数の接続制御手段:携帯用電話機の限界移動速度が互いに異なる複数の電話回線網に対応して設けられ、それら各電話回線網に携帯用電話機を無線接続する。
■移動速度検出手段:携帯用電話機の移動速度を検出する。
■接続制御選択手段:検出された移動速度に基づいて、複数の接続制御手段のいずれかのものを選択する。
【0009】上述の構成によれば、電話機の移動速度が移動速度検出手段により検出され、その検出された移動速度に基づいて、複数の接続制御手段のうちのいずれかのものが選択される。このように、電話機の移動速度に応じて最適の電話回線網が自動選択されるので、快適かつ経済的な電話利用が可能となる。
【0010】具体的には、接続制御選択手段は、限界移動速度が検出された移動速度を下回らない範囲内で、該限界移動速度が最も小さい電話回線網を選択するものとすることができる。さらに具体的には、電話回線網として限界移動速度が互いに異なる2種類のものを使用し、検出された移動速度が予め定められた基準値を越えた場合には限界移動速度の大きい電話回線網が、そうでない場合には限界移動速度が小さい電話回線網が選択されるように構成することができる。例えば、電話回線網が前述の自動車電話システム回線網とPHS回線網である場合、検出された移動速度がPHS回線網の限界移動速度に対応して設定された基準値を越えた場合には自動車電話システム回線網が選択され、逆に移動速度が上記基準値を下回った場合にはPHS回線網が選択されるように構成することができる。
【0011】移動速度検出手段は、具体的には、携帯用電話機に作用する加速度を検出する加速度検出部を備え、その検出された加速度に基づいて携帯用電話機の移動速度を検出するものとすることができる。こうすれば、移動速度検出手段を簡便かつ安価に構成することができる。
【0012】また、各電話回線網は、前述の自動車電話システムの回線網(以下、自動車電話回線網という)やPHS回線網等のように、所定の通信地域内に分散設置された複数の無線基地局をそれぞれ有するものとすることができる。この場合、上記通信地域は、それら各無線基地局と対応付けて設定された複数の通信ゾーンに分割され、携帯用電話機は、自身の存在する通信ゾーンの無線基地局に対し選択的に接続されるとともに、通信地域の通信ゾーンへの分割数は、各電話回線網毎に互いに異なるものとされる。そして、接続制御選択手段は、携帯用電話機の移動速度が小さくなるほど、より多くの通信ゾーンに分割された電話回線網と接続するように、接続制御手段の選択を行うものとされる。すなわち、自動車電話回線網及びPHS回線網に例示されるように、高速移動対応のために通信ゾーンの大きさを大きくする(すなわち分割数を少なくする)ほど、網側の制御設備や通話用電波の送信設備は大掛かりかつ複雑なものとなり、通話コストも上昇する傾向にある。そこで、上述のように、移動速度が小さい場合にはPHS回線網等の通信ゾーン分割数の多い回線網を選択し、移動速度がある程度大きくなった場合にのみ自動車電話回線網等の、通信ゾーン分割数の少ない回線網を選択するようにすることで、より効率的かつ経済的な通話が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施例である携帯用電話機(以下、単に電話機という)1の外観を示している。電話機1は、通常の携帯用電話機とほぼ同様の外観を有しており、縦長の本体2の上寄りに受話器3が、同じく下寄りに送話器4が配置されており、両者の間には、プッシュボタンで構成されたダイアル入力部5と、電話機1をオンフック状態とオフフック状態との間で切り換えるオンフック/オフフック切換スイッチ6とが設けられている。また、本体2の側面には回線網切換スイッチ7と、その作動状態を示すLED等のインジケータ8とが設けられている。
【0014】図2に示すように、電話機1の内部には、I/Oポート11と、これに接続されたCPU12、ROM13、RAM14等からなる制御部10が設けられている。I/Oポート11には、前述のダイアル入力部5、オンフック/オフフック切換スイッチ6、回線網切換スイッチ7が接続される。また、受話器3はアンプ15とD/A変換器16を介して、送話器4はアンプ17とA/D変換器18を介してそれぞれI/Oポート11に接続されている。
【0015】また、I/Oポート11には、移動速度の変化に伴い電話機1に作用する加速度を検出するために、加速度検出部としての加速度センサ19がアンプ20及びA/D変換器21を介して接続されている。また、検出される加速度Aを時間の関数A(t)として測定するために、タイマー22がI/Oポート11に接続されている。加速度センサ19としては、例えば図3に示すように、加速度発生に伴いおもり26に作用する荷重を圧電素子27に伝達し、その圧電素子27からの出力電圧に基づいて加速度を検出する形式のものを使用することができる。また、このほかにも、圧電素子27の代わりにコンデンサの静電容量の変化を利用するもの、ひずみゲージを利用するもの、作動トランスを利用するもの、おもりに取り付けた磁石とコイルとの相対位置が変化したときに発生する起電力から加速度を検出するもの、おもりの変位をサーボ機構を利用してゼロに戻し、そのときの駆動コイルに流れる電流により加速度を検出するものなど、各種公知の加速度センサを採用することができる。これら加速度センサ19とタイマー22が、移動速度検出手段の要部をなす。
【0016】次に、I/Oポート11には、接続制御手段としての自動車電話接続回路23とPHS接続回路24とが、接続制御選択手段としての接続切換回路25を介して相互に切換可能に接続されている。自動車電話接続回路23は、接続切換回路25と接続するための接続インターフェース31と、これに接続された変調器32、送信機33、周波数シンセサイザ34、受信機35、復調器36及び共用器37等により構成されている。送話器4から入力された音声は、アンプ17で増幅され、さらにA/D変換器18によりデジタル変換された後、変調器32により変調され、さらに送信機33により共用器37を介してアンテナ39から送信される。一方、受信電波はアンテナ39及び共用器37を介して受信機35により受信され、復調器36で復調された後、D/A変換器16及びアンプ15を介して受話器3から出力される。ここで、送受信のための周波数帯は、自動車電話システムの場合、例えば800MHzないし1.5GHz帯が使用され、図4に示す各通信ゾーン102毎に周波数チャンネルが設定される。
【0017】一方、接続インターフェース31には、図4R>4に示す制御用電波Pを発信する制御用電波発信器38がつながれている。制御用電波Pは共用器37を介してアンテナ39から発信される。そして、電話機1が別の通信ゾーン102に移動した場合、網側の無線回線制御局104が制御用電波Pの受信状況に基づいて、前述の機構によりハンドオーバ処理を行う。ここで、各通信ゾーン102のチャンネル周波数に対する同調は周波数シンセサイザ34を用いて行われる。その方式としては、例えばROM13に格納された周波数チャンネルリストに基づいて周波数サーチを行い、送信機33及び受信機35を、電話機1が存在する通信ゾーン102の周波数チャンネルに同調させる方法を例示することができる。一方、制御用電波Pのチャンネルを用いて、無線基地局101側から電話機1側へ移動先ゾーンの周波数を予め通知しておき、その通知された周波数情報に基づいてチャンネルを切り換える方式も可能である。
【0018】次に、PHS接続回路24は、制御用電波発信器38を含まない点を除いて、自動車電話接続回路23とほとんど同一の構成を有しているので、共通する要素には同一の符号を付して細部の説明は省略する。PHSでは、自動車電話システムとは異なる周波数帯、例えば1.8GHz帯が使用される。また、ハンドオーバ処理の方式は、現在ゾーンの無線基地局111(図5)からの電波受信レベルが所定の値以下になったか否かを制御部10側で判定し、所定の値以下になっていれば異なる通信ゾーン112に移ったと判断して、周波数サーチによりそのゾーンの周波数に同調させる方式が採用される。ここで、変調器32、送信機33、周波数シンセサイザ34、受信機35及び復調器36の少なくとも1つのものを、自動車電話接続回路23とPHS接続回路24との間で共用するようにしてもよい。
【0019】以下、電話機1の作動をフローチャートを用いて説明する。まずS1において電話機1の電源をオン状態にすると、S2においてRAM14に記憶されている移動速度Vの値がクリアされる。これと同時にS3において、加速度センサ19の出力サンプリングが所定の時間間隔により開始され、そのサンプリング結果に基づいて電話機1に作用する加速度が時間の関数A(t)として検出される。次に、S4において、サンプリング開始から現在時間までA(t)を積分することにより、電話機1の移動速度Vが算出される。そして、接続切換回路25は、算出された移動速度Vが基準値V0を超えた場合には、自動車電話接続回路23が選択されるように接続設定(必要な場合には接続切換)を行い、V0以下の場合にはPHS接続回路24の接続設定(必要な場合には接続切換)を行う(S5〜S11)。なお、いずれの場合においても、通話中は接続回路の切換えは実行されない。次いでS3に返り、以下同様の処理が繰り返される。以上の制御は、ROM13内の切換制御プログラム13a(図2)が司る。なお、電話機1を使用した通話の方法は従来の携帯用電話機と全く同様であるので説明は省略する。なお、通話のための通信制御は、ROM13に格納された自動車電話用通信制御プログラム13b及びPHS用通信プログラム13cが司る。
【0020】ここで、図1に示すように、回線網切換スイッチ7を操作することにより、自動車電話接続回路23又はPHS接続回路24のいずれか一方を固定的に選択することができる。この場合は、Vの値によらず接続回路の切換えは実行されない。
【0021】例えばPHS回線網では、ハンドオーバ処理のレスポンスと精度により異なるが、電話機1の移動速度Vがおおむね16km/h程度(以下、これをPHSの限界移動速度VLとする)までであれば支障なく通話が可能であり、これを越えると通話途切れ等の問題が徐々に生ずるようになる。従って、上記限界移動速度VLを目安として切換えの基準値V0を設定することができる。ここで、基準値V0を限界移動速度VLよりも多少小さく設定しておけば、電話機1の移動速度が増大した場合に、上記問題が生ずる前に自動車電話回線網への切り換えを確実に行うことができ、ひいては通話の安定性を確保することができる。
【0022】なお、電話機1が自動車等に搭載されていて、基準値V0を超える速度VH で移動している状態から、減速してV0以下の移動速度VLに移行した場合には、算出される速度Vもそれに応じて減少しなければならない。換言すれば、減速時に作用する加速度Aは負の値として検出する必要がある。例えば、専用の搭載場所が自動車内に確保されている場合など、自動車に対する電話機1の位置及び向きが常に固定されていれば、加速度センサ19の出力の符号により加速度Aの向きを判別することができる。しかしながら、利用者が携帯して車内に持ち込む場合のように、車内での電話機1の位置及び向きは一定しないことの方が多い。この場合は、例えば以下のような方法を採用することができる。
(1)VがV0以下の状態で、かつ加速度Aの絶対値が所定の加減速判断基準値A0以下に維持されている場合には、歩行等による低速移動の状態が継続していると判断して、Vを周期的にクリアするようにする。これにより、PHS接続回路24が選択された状態が維持される。
(2)VがV0以下の状態で、加速度Aの絶対値がA0を超えた場合には、自動車等が加速中であると判断してVのクリアを停止するとともに、Aの符号を正に設定する。これによりVが増大し、V0 を超えれば自動車電話接続回路23に切り替わる。
(3)VがV0を超えた後、加速度Aの絶対値がA0未満となれば定常的な移動状態に移った判断する。そして、その状態から予め定められた時間t1が経過した後に、加速度Aの絶対値が再びA0を超えて増大した場合は、自動車等が減速中であると判断してAの符号を負に設定する。これによりVが減少し、V0 以下になるとPHS接続回路24に切り替わる。なお、加速時と減速時とでV0の値を互いに異なる値に設定してもよい。
【0023】一方、以下に述べるより簡便な方法を採用することもできる。例えば、電話機1の電源投入後、Aが加減速判断基準値A0以上となった状態が所定時間t2以上継続した場合には、移動速度VがV0以上になったと判断して自動車電話接続回路23を選択する。そして、その状態からAが一旦A0未満となって所定時間t1が経過後に再びA0以上となり、その状態が所定時間t3以上継続した場合には、移動速度VがV0未満になったと判断してPHS接続回路24を選択するようにする。こうすれば、VをA(t)の積分値として算出する必要がなくなる。
【0024】次に、電話機1の移動速度の検出は、人工衛星を用いた全地球測位システム(Grobal Positioning System)を利用して行うこともできる。その概念図を図8に(a)に示している。すなわち、互いに異なる軌道で地球Eの上空を周回する複数の人工衛星50から、それぞれ地表に向けて測位データを乗せた電波(以下、測位電波という)が発信されており、このうちの3つ以上の人工衛星50からの測位データを受信・解析することにより、受信機の地球E上における位置を特定することができる。この場合、図2に示す電話機1の構成は、図8(b)に示すように、測位電波受信機41と測位データの復調器42とが、加速度センサ19に代えてI/Oポート11に接続される点で異なるものとなる。上記構成では、アンテナ40を介して測位電波受信機41により測位電波が受信されるとともに、復調器42で復調された測位データに基づいて、ROM13に格納された測位・速度算出プログラム13dにより電話機1の位置が特定され、その時間変化に基づいて該電話機1の移動速度Vが算出されることとなる。
【0025】なお、本発明に適用可能な電話回線網は、自動車電話システム及びPHSの各電話回線網に限られるものではなく、他の携帯電話回線網であってもよい。また、移動限界速度が異なる3以上の電話回線網の間で接続切り換えが可能な電話機を構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の携帯用電話機の一例を示す外観図。
【図2】その内部構成を示すブロック図。
【図3】加速度センサの一例を示す断面図。
【図4】自動車電話システムの構成説明図。
【図5】簡易型携帯電話システムの構成説明図。
【図6】自動車電話システムと簡易型携帯電話システムとの通信ゾーンの違いを説明する概念図。
【図7】図2の電話機の作動の流れを示すフローチャート。
【図8】全地球測位システムの概念図と、それを利用した携帯用電話機の構成の、図2に示すものとの相違点を示すブロック図。
【符号の説明】
1 携帯用電話機
19 加速度センサ(加速度検出部、移動速度検出手段)
22 タイマー(移動速度検出手段)
23 自動車電話接続回路(接続制御手段)
24 PHS接続回路(接続制御手段)
25 接続切換回路(接続制御選択手段)
100 自動車電話システム(電話回線網)
101、111 無線基地局
102、112 通信ゾーン
110 簡易型携帯電話システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電話回線網に対し無線により接続される携帯用電話機であって、前記携帯用電話機の限界移動速度が互いに異なる複数の電話回線網に対応して設けられ、それら各電話回線網に該携帯用電話機を無線接続するための複数の接続制御手段と、前記携帯用電話機の移動速度を検出する移動速度検出手段と、その検出された移動速度に基づいて、前記複数の接続制御手段のいずれかのものを選択する接続制御選択手段と、を備えたことを特徴とする携帯用電話機。
【請求項2】 前記移動速度検出手段は、前記携帯用電話機に作用する加速度を検出する加速度検出部を備え、その検出された加速度に基づいて前記携帯用電話機の移動速度を検出するものである請求項1記載の携帯用電話機。
【請求項3】 前記各電話回線網は、所定の通信地域内に分散設置された複数の無線基地局をそれぞれ有し、前記通信地域は、それら各無線基地局と対応付けて設定された複数の通信ゾーンに分割され、前記携帯用電話機は、自身の存在する通信ゾーンの無線基地局に対し選択的に接続されるとともに、前記通信地域の前記通信ゾーンへの分割数は、前記各電話回線網毎に互いに異なるものとされ、前記接続制御選択手段は、前記携帯用電話機の移動速度が小さくなるほど、より多くの通信ゾーンに分割された電話回線網と接続するように、前記接続制御手段の選択を行うものである請求項1又は2に記載の携帯用電話機。

【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開平9−200827
【公開日】平成9年(1997)7月31日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−25883
【出願日】平成8年(1996)1月18日
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)