説明

携帯用音楽プレーヤ

【課題】キーロック時にメモリカードスロットに挿入されたメモリカードから所定量の音楽データをRAMに読み込み、RAMから音楽データを読み出して再生する際の電力消費を抑制する。
【解決手段】携帯用音楽プレーヤ10は、制御部11と、各部に電力を供給する電源部12と、メモリカード141が挿入されるメモリカードスロット14と、メモリカード141から読み込んだ音楽データを記憶するRAM15と、を備え、制御部11が、携帯用音楽プレーヤ10がキーロック状態にあることを検出した場合、メモリカード141から音楽データをRAM15に読み込み処理を行っている期間のみ電源部12からメモリカードスロット14に電源を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱可能な半導体メモリであるメモリカードから音楽データを音楽プレーヤ本体内のRAMに読み込み、RAMから音楽データを読み出して再生する携帯用音楽プレーヤに関するものであり、特に操作入力手段のキー操作を無効にするキーロック機能を有する携帯用音楽プレーヤにおいて、キーロック時には音楽プレーヤ本体が自動的にメモリカードスロットに挿入されたメモリカードから所定量の音楽データをRAMに読み込む間のみ当該メモリカードスロットに電源供給するようにして電力消費を抑制するようにした携帯用音楽プレーヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の各種のデジタル機器に用いられるマイクロコンピュータの小型化、処理能力向上が著しく進み、携帯電話を始め携帯用ゲーム機器、携帯用音楽プレーヤなどが提供され、多くのユーザに利用されるようになってきた。携帯用音楽プレーヤの多くは、ウエアラブル機器と称されるように洋服のポケットに本体を入れるなどして該本体を身に付け、本体で再生される音楽を該本体から延びるイヤホーンやヘッドホーンなどで聴くというように使用されている。
【0003】
携帯用音楽プレーヤでは、音楽データの記憶媒体として種々の記憶媒体が利用される。例えば、ミニディスクを用いた携帯用音楽プレーヤが提供されており、携帯用音楽プレーヤ本体は、ミニディスクと略同等の外形まで小形化されている。また、最近では、本体の側面に表示面を形成して、音楽プレーヤの動作状態が表示できるようになってきている。
【0004】
一方、最近では記憶媒体として、ミニディスクより外形が小さく、しかもミニディスクのような回転機構を必要とせずに再生が行えるメモリカードを用いて、音楽を再生する音楽プレーヤも提供されている。メモリカードを記憶媒体とすると、ミニディスクのように機械的に動く機構が不要になるので、携帯用音楽プレーヤ本体は更に小さくてすむ。そのため、携帯電話を始め多くの携帯機器に利用されている。
【0005】
このような携帯用音楽プレーヤは、例えば、下記の特許文献1(特開2001−188564号公報)に音声出力装置として開示されている。この音声出力装置はメモリカードが差込可能なスロットを一端部に有し、他端側が該スロットと略同じ幅寸法で該スロットと反対方向へ延びて細長く形成された本体に、メモリカードから音楽情報、文字情報を読取る読取り機能、音楽を音声出力端子へ出力させるプレーヤ機能、本体の側面に長手方向に延びるように形成された表示面、読取った曲のタイトル、歌手、歌詞を表示面から長手方向沿いに所定に表示させる表示制御機能を組み合せたものである。
【0006】
一般的に、携帯用の各種機器は本体内に搭載した充電可能な電池を電源として動作するものであるため、電池の無駄な消耗を抑制するための各種の省電力機能を備えている。これは携帯用音楽プレーヤにおいても同様であり、例えば、下記の特許文献2(特開2006−351133号公報)、特許文献3(特開2004−110229号公報)に省電力技術が開示されている。
【0007】
この特許文献2に開示された表示制御方法は、携帯型オーディオプレーヤは所定の順で複数の楽曲データを再生するように構成され、再生曲の切り換わりタイミングで、LCDパネルのバックライトを一定時間オンにし、その後、オフにすることによって表示のための電力を抑制するようにしたものである。
【0008】
また、特許文献3に開示された外部記憶装置の電源制御方法は、本体の電源がオンにされたとき、スイッチは開の状態を保ち、外部記憶装置であるメモリカードスロットに給電されない。次に、操作入力部において、メモリカードに対する読み書きを指示する操作が行われると、制御部はスイッチを閉じてメモリカードスロットに給電し、次にメモリカードに対して指示された読み書きを実行し、その終了後にスイッチを開いて再びメモリカードスロットに給電されないようにすることによって外部記憶装置の電力消費を抑制するようにしたものである。
【特許文献1】特開2001−188564号公報
【特許文献2】特開2006−351133号公報
【特許文献3】特開2004−110229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、携帯用音楽プレーヤをはじめとする携帯電話などの携帯機器には、多くの場合、盗難や紛失時に正規の所持者以外による不正使用を防止するためキーロック機能を備えている。キーロック機能は正規の所持者が設定した暗証番号によりオン・オフされる。キーロック機能がオンされている場合には操作入力手段として設けられた各種の操作キーや入力キーが操作されてもその入力が無効にされる。
【0010】
従って、携帯機器を紛失してもキーロック機能をオンしておけば、この携帯用機器を取得した第3者が操作入力手段を操作してもその入力が無効にされるから不正に使用することはできない。キーロック機能をオフしようとしても暗証番号を入力しない限りオフすることはできず、第3者に容易に類推できない暗証番号を設定しておけばキーロック機能をオフにされることもない。
【0011】
携帯用音楽プレーヤにおいては、メモリカードスロットにメモリカードを挿入して携帯用音楽プレーヤ本体内のRAMに音楽データを読み込み、RAMから音楽データを読み出して再生する。そして、再生が終わった音楽データはRAMから削除される。通常、この操作は操作入力手段により行われる。この場合、上記特許文献3に開示された省電力機能を適用することができる。
【0012】
すなわち、キーロック機能がオフされていれば、メモリカードに対する読み書きを指示する操作が行われた場合に、メモリカードスロットに給電してメモリカードに対して指示された読み書きを実行し、その終了後に再びメモリカードスロットに給電されないようにすることによって外部記憶装置の電力消費を抑制することができる。
【0013】
しかしながら、キーロック機能がオンされた状態でメモリカードスロットにメモリカードが挿入されている場合、自動的にメモリカードから携帯用音楽プレーヤ本体内のRAMに音楽データを読み込み、RAMから音楽データを読み出して再生する動作をするように構成される場合がある。この場合、キーロック機能がオンされているため、メモリカードに対する読み書きを指示する操作が行われた場合にメモリカードスロットに給電してメモリカードに対して指示された読み書きを実行し、その終了後に再びメモリカードスロットへの給電を停止するようなメモリカードスロットの給電制御を行うことができないという問題点がある。
【0014】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、キーロック状態では、携帯用音楽プレーヤが自動的にメモリカードからRAMに大量の音楽データを読み込み、RAMから音楽データを読み出して再生中は、メモリカードからの読み込み動作を停止する点に着目し、キーロック時にはメモリカードから音楽データを読み込む時だけメモリカードスロットに電源供給し、その他の状態では電源供給を停止すれば消費電力を抑制し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0015】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、特に操作入力手段のキー操作を無効にするキーロック機能を有する携帯用音楽プレーヤにおいて、キーロック時にメモリカードスロットに挿入されたメモリカードから所定量の音楽データをRAMに読み込み、RAMから音楽データを読み出して再生する際の電力消費を抑制するようにした携帯用音楽プレーヤを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
各部に電力を供給する電源部と、メモリカードが挿入されるメモリカードスロットと、メモリカードから読み込んだ音楽データを記憶するRAMと、前記RAMに記憶された音楽データを読み出して再生処理する再生処理部と、操作入力部と、前記操作入力部による操作入力を無効にするキーロック制御部と、制御部と、を備えた携帯用音楽プレーヤにおいて、
前記制御部は、前記キーロック制御部により操作入力が無効にされている場合、前記メモリカードから音楽データを前記RAMに読み込む期間のみ前記電源部から前記メモリカードスロットに電源を供給することを特徴とする。
【0017】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる携帯用音楽プレーヤにおいて、前記制御部は、前記キーロック制御部により操作入力が無効にされている場合、前記メモリカードから音楽データを前記RAMに読み込んだ後、該読み込んだ音楽データを前記RAMより読み出して再生処理部により再生処理されている期間は前記電源部から前記メモリカードスロットへの電源供給を停止することを特徴とする。
【0018】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる携帯用音楽プレーヤにおいて、前記制御部は、前記キーロック制御部により操作入力が無効にされていない場合は、前記電源部から前記メモリカードスロットに常時電源を提供することを特徴とする。

【発明の効果】
【0019】
請求項1にかかる発明においては、携帯用音楽プレーヤは制御部を備え、前記制御部が、前記携帯用音楽プレーヤがキーロック状態にあることを検出した場合、前記制御部は、前記メモリカードから音楽データを前記RAMに読み込み処理を行っている期間のみ前記電源部から前記メモリカードスロットに電源を供給する。
【0020】
このような構成によれば、キーロック時には、制御部が前記メモリカードから音楽データを前記RAMに読み込み処理を行っている期間のみ前記電源部から前記メモリカードスロットに電源を供給するものであるから、キーロック時にメモリカードスロットに挿入されたメモリカードから所定量の音楽データをRAMに読み込み、RAMから音楽データを読み出して再生する際の電力消費を抑制することができるようになる。
【0021】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、キーロック制御部により操作入力が無効にされている場合、前記制御部は、メモリカードから音楽データをRAMに読み込んだ後、該読み込んだ音楽データを前記RAMより読み出して再生処理部により再生処理されている期間は前記電源部から前記メモリカードスロットへの電源供給を停止する。
【0022】
このような構成によれば、キーロック時には、制御部が前記メモリカードから音楽データを前記RAMに読み込み処理を停止し、制御部が前記RAMから音楽データの読み出しを行っている期間は前記電源部から前記メモリカードスロットへの電源供給を停止するものであるから、キーロック時にメモリカードスロットに挿入されたメモリカードから所定量の音楽データをRAMに読み込み、RAMより音楽データを読み出して再生処理部により再生処理する際の電力消費を抑制することができるようになる。
【0023】
請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる発明において、前記制御部が、前記携帯用音楽プレーヤがキーロック状態にないことを検出した場合、前記前記メモリカードスロットに常時、電源を供給する。
【0024】
このような構成によれば、携帯用音楽プレーヤがキーロック状態にない場合には、電源部は、前記メモリカードスロットに常時電源を供給するものであるから、通常の操作入力部の操作によるメモリカードからRAMへの音楽データの読み込み、および、RAMに記憶された音楽データの読み出し、再生ができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための携帯用音楽プレーヤを例示するものであって、本発明をこの携帯用音楽プレーヤに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の携帯用音楽プレーヤにも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0026】
図1は本発明の実施例にかかる携帯用音楽プレーヤの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の実施例にかかる携帯用音楽プレーヤ10は、制御部11、電源部12、キーロック制御部13、メモリカードスロット14、外部記憶装置(メモリカード)141、RAM15、再生処理部16、ROM17、操作入力部18、スピーカ19などを備えて構成されている。
【0027】
制御部11はマイクロプロセッサ等のコンピュータ装置で構成され、ROM17やEEPROMのような記憶手段に蓄積された制御プログラムや各種設定値に基づいて各部の制御を行う。また、制御部11はRAM15に各部の処理において必要なデータ類を一時記憶する他、タイマー制御、RAM読み込み制御、RAM読み出し制御、キーロック検出、電源制御、を行う。
【0028】
タイマー制御とは、メモリカードスロット14に挿入されたメモリカード141から音楽データをRAM15に読み込みを行う時間又はRAM15に読み込まれた再生するための音楽データを読み出す時間のことであり、この時間のカウントを行うのがタイマー制御である。
【0029】
RAM読み込み制御とは、メモリカード141がメモリカードスロット14に挿入された状態でメモリカード141から音楽データをRAM15に読み込むことであり、RAM読み出し制御とは、RAM15に記憶された音楽データを再生のために読み出すことである。キーロック検出とは、携帯用音楽プレーヤ10がキーロック機能オンに設定されているか、キーロック機能オフに設定されているかを検出することであり、キーロック機能がオフに設定され、メモリカード141がメモリカードスロット14に挿入された状態にある場合、制御部11は、操作入力部18による操作に基づいてメモリカード141から音楽データをRAM15に読み込むRAM読み込みを行い、また、操作入力部18による操作に基づいてRAM15に記憶された音楽データから再生すべき音楽データを読み出すRAM読み出しを行う。
【0030】
一方、キーロック機能がオンに設定され、メモリカード141がメモリカードスロット14に挿入された状態にある場合、制御部11は、タイマー制御によりカウントした所定の時間、メモリカード141から音楽データをRAM15に読み込む制御を行い、タイマー制御によりカウントした所定の時間、RAM15に記憶された音楽データから再生すべき音楽データの読み出しを行う。
【0031】
先に述べたように、メモリカード141からRAM15に音楽データを読み込む速度は、RAM15から音楽データを読み出して再生する速度に比べて高速である。また、RAM15から音楽データを読み出して再生している間は、メモリカード141からRAM15への音楽データの読み込み処理は停止される。従って、メモリカード141からRAM15への音楽データの読み込みデータ量は、RAM15から再生のために読み出されるデータ量より大きなデータ量である。タイマー制御のカウントにより、メモリカード141からRAM15への読み込みデータ量と、RAM15からの読み出しデータ量が制御される。
【0032】
キーロック機能がオンされた状態において、制御部11は、次のようにメモリカードスロット14への電源供給を制御する。先ず、タイマー制御によりカウントした所定の時間、制御部11は電源部12をメモリカードスロット14に接続して電源供給を行う。すなわち、メモリカード141から音楽データをRAM15に読み込む間、電源部12をメモリカードスロット14に接続して電源供給を行う。
【0033】
そして、メモリカード141から音楽データをRAM15に読み込む処理を停止している間は、メモリカードスロット14への電源部12の接続を切断して電源供給を停止する。この間は、タイマー制御によりカウントした所定の時間、RAM15に記憶された音楽データから再生すべき音楽データを読み出す処理を行う。
【0034】
電源部12は充電可能な電池を備えており、図示していないAC電源から電源供給を受けない携帯時にはこの電源部から各部に必要な電力が供給される。操作入力部18は、テンキー、各種機能キー、スイッチ等からなり、携帯用音楽プレーヤ10を操作するための入力を行うものである。機能キーにはキーロック機能をオンまたはオフするキーロックキーが設定されている。
【0035】
正規の所持者は任意の文字数字を組み合わせて暗証番号を入力して登録し、キーロックキーを操作することにより携帯用音楽プレーヤ10をキーロックすることができる。キーロック機能がオン状態にあると、操作入力部18からキー入力が行われてもその入力は無効にされる。利用者がキーロックキーを操作して暗証番号を入力するとキーロック機能はオフされ、通常の入力操作が可能になる。キーロック制御部13はこのようなキーロックのオン・オフの制御を行う。
【0036】
メモリカードスロット14はメモリカード141をセットしてメモリカード141に記録された音楽データを携帯用音楽プレーヤ10に読み込み再生することができる。メモリカードスロット14には通常は、電源部12から常時電力が供給されている。メモリカード141から読み込んだ音楽データはRAM15に記憶される。音楽データを再生する場合、再生処理部(音声再生部)16はRAM15から音楽データを読み出して再生し、スピーカ19から出力される。再生を終えた音楽データはRAM15から削除される。
【0037】
RAM15から音楽データを読み出して再生している間は、メモリカード141からRAM15への音楽データの読み込処理は停止される。メモリカード141からRAM15に音楽データを読み込む速度は、RAM15から音楽データを読み出して再生する速度に比べて高速である。従って、メモリカード141からRAM15に音楽データを読み込む場合、大量の音楽データをメモリカード141からRAM15に読み込んでおき、RAM15から音楽データ読み出して再生する処理速度にあわせて読み出し、再生が行われる。
【0038】
携帯用音楽プレーヤ10がキーロックされた状態でメモリカードスロット14にメモリカード141が挿入されている場合、制御部11は所定のデータ読み込み量に従って、メモリカード141から音楽データをRAM15に読み込む。RAM15に読み込まれた音楽データは、再生処理部16の処理速度に応じたデータ量に従って読み出される。再生処理部16はRAM15から読み出された音楽データを再生処理し、スピーカ19から出力される。音楽データの再生処理が行われている間はメモリカード141からRAM15への音楽データの読み込みは停止される。
【0039】
本実施例の携帯用音楽プレーヤ10は、キーロック時にはキー操作が無効にされ、メモリカード141からRAM15への音楽データの読み込みがキー操作により制御されることなく、制御部11の制御により行われること、および、メモリカード141からRAM15への音楽データの読み込みと、再生処理とが同時に行われないことに着目して、キーロック時にはメモリカードスロット14への電力供給を、メモリカード141からRAM15に音楽データを読み込む処理を行う間のみ行い、RAM15に記憶されたと音楽データを再生処理している間はメモリカードスロット14への電力供給を停止するようにして電力消費を抑制する。勿論、キーロック状態が解除(キーロック機能がオフ)された場合は、通常の電源供給に戻る。
【0040】
図3は、以上説明した携帯用音楽プレーヤ10の動作手順を示すフローチャートである。先ずステップS11の処理において制御部11は携帯用音楽プレーヤ10がキーロック状態にあるか否かを検出する。キーロック状態にない場合は、ステップS12の処理に進み、制御部11は電源部12をメモリカードスロット14に接続し、常時外部記憶装置(メモリカードスロット14)の電源供給を行うようにしてステップS11のキーロック検出処理に戻る。
【0041】
ステップS11のキーロック検出処理において制御部11がキーロック状態であることを検出すと、ステップS13の処理において制御部11はメモリカードスロット14に挿入されているメモリカード141からRAM15に所定のデータ量の音楽データを読み込む。次いで、ステップS14の処理においてメモリカード141の全ての音楽データのRAM15への読み込みが完了しているかを判定する。
【0042】
この判定処理でメモリカード141の全ての音楽データの読み込みが完了していれば処理を終了し、全ての音楽データの読み込みが完了していなければ、制御部11はメモリカードスロット14に挿入されているメモリカード141からRAM15に所定のデータ量の音楽データを読み込む。そしてステップS15の処理に進み、電源部12とメモリカードスロット14の接続を切断して電源供給を停止する。
【0043】
次に、ステップS16で制御部11においてキーロック状態が解除された(キーロック機能がオフされた)ことを検出すると、ステップS17の処理に進み、電源部12をメモリカードスロット14に接続して電源供給を再開する。一方、ステップS16でキーロック検出部113においてキーロック状態が解除されていないことを判別すると、ステップS18の処理に進み、制御部11のRAM読み出し制御によりRAM15に読み込まれている再生データが所定量以下となったことを判定する。
【0044】
ステップS18の判定処理において、RAM15に読み込まれている再生データが所定量以上残っていることを検出すると、ステップS15の処理に戻り、メモリカードスロット14への電源供給を停止したまま、RAM15に記憶された音楽データの読み出し、再生処理を続行する。
【0045】
ステップS18の判定処理において、RAM15に読み込まれている再生データが所定量以下となったことを検出すると、ステップS17の処理に進み、制御部11は電源部12をメモリカードスロット14に接続して電源供給を再開して、ステップS11のキーロック状態検出処理に戻る。キーロック状態が継続していれば、ステップS13の処理に進み、メモリカード141からRAM15への音楽データの読み込みを継続する。
【0046】
以上、詳細に説明したように本発明の実施例にかかる携帯用音楽プレーヤにおいては、操作入力部18のキー操作を無効にするキーロック機能を有する携帯用音楽プレーヤにおいて、キーロック時にはメモリカードから音楽データを読み込む時だけメモリカードスロットに電源供給し、その他の状態では電源供給を停止してメモリカード141から音楽データをRAMに読み込、再生する際の電力消費を抑制することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例にかかる携帯用音楽プレーヤの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかる携帯用音楽プレーヤの動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
10・・・・・携帯用音楽プレーヤ
11・・・・・制御部
12・・・・・電源部
13・・・・・キーロック制御部
14・・・・・メモリカードスロット
141・・・・外部記憶装置(メモリカード)
15・・・・・RAM
16・・・・・再生処理部
17・・・・・ROM
18・・・・・操作入力部
19・・・・・スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各部に電力を供給する電源部と、メモリカードが挿入されるメモリカードスロットと、メモリカードから読み込んだ音楽データを記憶するRAMと、前記RAMに記憶された音楽データを読み出して再生処理する再生処理部と、操作入力部と、前記操作入力部による操作入力を無効にするキーロック制御部と、制御部と、を備えた携帯用音楽プレーヤにおいて、
前記制御部は、前記キーロック制御部により操作入力が無効にされている場合、前記メモリカードから音楽データを前記RAMに読み込む期間のみ前記電源部から前記メモリカードスロットに電源を供給することを特徴とする携帯用音楽プレーヤ。
【請求項2】
前記制御部は、前記キーロック制御部により操作入力が無効にされている場合、前記メモリカードから音楽データを前記RAMに読み込んだ後、該読み込んだ音楽データを前記RAMより読み出して再生処理部により再生処理されている期間は前記電源部から前記メモリカードスロットへの電源供給を停止することを特徴とする請求項1に記載の携帯用音楽プレーヤ。
【請求項3】
前記制御部は、前記キーロック制御部により操作入力が無効にされていない場合は、前記電源部から前記メモリカードスロットに常時電源を提供することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯用音楽プレーヤ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−180787(P2008−180787A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12613(P2007−12613)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)