説明

携帯端末装置、携帯端末装置の制御方法、およびそのプログラム

【課題】携帯端末に登録されている宛先との送受信を遠隔から柔軟に操作することが可能な携帯端末装置を提供すること。
【解決手段】メールでの通信相手のアドレスを管理可能なアドレス帳記憶手段と、メールを送信したい通信相手および通信内容を受信する送信受付手段と、前記送信受付手段により受付けた通信相手を前記アドレス帳から検索する検索手段と、前記検索手段で前記通信相手が検索できた場合に、前記通信相手に前記受付手段により受付けた通信内容を送信する送信手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
携帯端末に対して受信があった場合の動作を遠隔から設定可能とする携帯端末装置、携帯端末装置の制御方法、およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの携帯端末を携行し忘れた日に、携帯端末に対してメール受信や電話着信などのメッセージを受信する場合がある。このようなケースでは、携帯端末の持ち主は受信したメッセージの内容を確認することができない。メッセージの発信者は、携帯端末が携行されているか、また、メッセージが相手側に伝わったかどうか知ることができない。
【0003】
このように携帯電話を自宅等に置き忘れてしまった場合の対処方法として、携帯電話に対して外部からメッセージを設定し音声通話および電子メール双方の着信があった場合の対処方法が提案されている。
【0004】
特許文献1では、外出先から自動応答メッセージを設定することにより、音声通話および電子メールの着信に対して、予め設定したメッセージにて自動応答する技術が提案されている。
【0005】
特許文献2では、携帯電話に対して外部から音声通話および電子メールの着信があった場合のメッセージを設定しておき、携帯電話に対して外部から所定の操作(一定時間内に所定回数以上携帯電話に電話する等)がされると、設定したメッセージを通知する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−260416号公報
【特許文献2】特開2007−329587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、アドレス帳にとうとくされた相手からメールを受信した場合、予め設定しておいたメッセージを、遠隔操作により、予め登録しておいた相手に対して発信することはできるが、送信先はメッセ―ジの内容を柔軟に設定することができないという問題点があった。
【0008】
また特許文献2の技術では、携帯端末に所定の操作があった場合には、発信者に対してメッセージを通知することはできるが、送信するメッセージはあらかじめ設定しておく必要があるため、ひつような内容を柔軟に発信することができないという問題点があった。
【0009】
そこで、本願発明では、携帯端末に登録されている宛先との送受信を遠隔から柔軟に操作することが可能な携帯端末装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、メールの送受信機能を有する携帯端末装置であって、前記メールでの通信相手のアドレスを管理可能なアドレス帳記憶手段と、メールを送信したい通信相手および通信内容を受信する送信受付手段と、前記送信受付手段により受付けた通信相手を前記アドレス帳から検索する検索手段と、前記検索手段で前記通信相手が検索できた場合、前記通信相手に前記受付手段により受付けた通信内容を送信する送信手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、携帯端末に登録されている宛先との送受信を遠隔から操作することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における携帯端末装置を利用したシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態における携帯端末102の機能構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における携帯端末装置を適用可能な情報処理装置のハードウェア構成図である。
【図4】本発明の実施形態におけるアドレス管理情報の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における留守番機能を利用する際の携帯端末の画面遷移を示す図である。
【図6】本発明の実施形態におけるパスワードリセット機能を利用する際の携帯端末の画面遷移の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における留守番転送機能利用時の携帯端末の画面遷移の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における各種データベース(DB)の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における携帯端末102の処理全体を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態における携帯端末102留守番転送処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態における携帯端末102のフォーマット取得処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態における携帯端末102の留守番処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態におけるパスワードリセット処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態における携帯端末102の留守番機能に係る各種設定画面の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態における携帯端末102のモード切り替えに係る画面遷移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理装置および送信先指定方法およびそのプログラムの実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態における携帯端末装置を利用したシステム構成を示す図である。
【0015】
携帯端末102は、特許花子さんが所有する携帯端末であって、特許花子さんの自宅に置き忘れられたものである。携帯端末は、携帯電話であってもよいし、通信機能を有するタブレット端末のようなものでもよい。
【0016】
情報処理装置101は、特許花子さんが外出先などの外部環境から利用可能な情報処理装置であって、通信機能を有するものであれば、パソコンでも携帯端末でもよい。
【0017】
携帯端末103は、特許太郎さんが所有する携帯端末であって、携帯電話であってもよいし、通信機能を有するタブレット端末でもよいし、パソコン端末でもよい。
【0018】
このように、特許花子さんは自身が所有する携帯端末を自宅などに置き忘れた状態で、携帯端末103を利用した特許太郎さんから携帯端末102に着信があった場合に、携帯端末102は、外出先の情報処理装置101に着信を転送するように構成されている。
【0019】
また、外出先の情報処理装置101から自宅の携帯端末102に返信をすると、携帯端末102は、携帯端末103宛てに転送するように構成されている。
【0020】
情報処理装置101、携帯端末102および携帯端末103は、公衆回線104を介して接続可能な状態となっている。
【0021】
図2は、本発明の実施形態における携帯端末102の機能構成を示す図である。
【0022】
携帯装置102は、制御部201、通信部202、通信相手選択部203、アドレス記憶部204、パスワード管理部205、パスワード記憶部206、宛先確認フラグ記憶部207、自動転送フラグ記憶部208、フォーマット記憶部209、留守番情報記憶部210、表示部211から構成される。
【0023】
制御部201では、通信制御、メール送受信等、携帯電話機に必要な一般的な制御処理を実行するほか、本発明に特有な各種制御処理を実行する。
【0024】
通信部202では、変復調カイロや信号処理回路等を含み、基地局と通信する機能を有する。音声通話やメールの送受信、ブラウザでのデータの送受信などを行う。また、無線LAN通信などによるネットワーク接続も可能である。
【0025】
通信相手選択部203では、後述する留守番機能でメールを送信する通信相手を選択する機能を有する。
【0026】
アドレス帳記憶部204では、氏名、電話番号、メールアドレス等を登録したいわゆるアドレス帳を記憶する機能を有する。アドレス帳に記憶された宛先と通信する場合などに、通信相手選択部203と連携を行う。
【0027】
パスワード管理部205では、受信したメール内にパスワードがある場合は、パスワード記憶部206に保存されているパスワードと照合し、さらには、パスワードリセット機能を有する。パスワードは複数管理することが可能である。
【0028】
パスワード記憶部206は、パスワード管理部で管理するパスワードを記憶する機能を有する。本実施形態では、別のものとして記載しているが、パスワード管理部205とパスワード記憶部206はひとつの構成とすることも可能である。
【0029】
宛先確認フラグ記憶部207は、通信相手選択部203で選択した通信相手が正しいかどうか宛先確認メールをするか否かのフラグを記憶する機能を有する。宛先確認メールをするか否かはあらかじめ設定しておくことが可能な設定項目である。
【0030】
自動転送フラグ記憶部208は、留守番情報記憶部に登録されたアドレスからメールがあった際に、自動転送するか否かのフラグを記憶する機能を有する。自動転送するか否かはあらかじめ設定しておくことが可能な設定項目である。
【0031】
フォーマット記憶部209は、パスワードリセット機能、留守番機能のメールフォーマット、および各機能を判断するメールの件名を記憶する機能を有する。メールの件目に関してはあらかじめ設定しておくことが可能な設定項目である。
【0032】
留守番情報記憶部210は、通信先の宛先情報と通信元の宛先情報を対応させて記憶する機能を有する。
【0033】
表示部211は、液晶等のディスプレイを含み、制御部201の指示により、当該ディスプレイに設定画面やメール等を表示する機能を有する。
【0034】
図3は、本発明の実施形態における携帯端末装置を適用可能な情報処理装置のハードウェア構成図である。携帯端末102に適応可能である。
【0035】
プログラム用ROM303に記憶されたプログラムに基づいてシステムバス300に接続された各デバイスを制御し、情報処理装置全体を統括制御する。
【0036】
また、データ用ROM304には各種データが記憶される。302はRAMで、CPU301の主メモリ,ワークエリア等として機能する。
【0037】
305はキーボードコントローラ(KBC)で、キーボード(KB)309や図示しない、例えばテンキーやマウスなどのポインティングデバイスからの入力を制御する。キーボードやポインティングデバイスは、携帯端末の本体と一体となっていたり、携帯端末の画面内にソフトウェアキーボードなどのように表示されるものを利用することも可能である。
【0038】
306はディスプレイコントローラ(DC)で、ディスプレイ310の表示を制御する。なお、ディスプレイはCRTであってもLCD等のその他の形式の表示装置であってもよい。
【0039】
307はメモリコントローラ(MC)で、ハードディスク(HD)311とのアクセスを制御する。
【0040】
308は周辺機器接続インタフェース(USB I/F)で、図示しない可搬型記憶媒体やその他の周辺機器とのアクセスを制御する。
【0041】
320はネットワークインタフェース(NW I/F)で、ネットワークを介して他の情報処理装置との通信を制御する。ネットワークの種類としては、無線LANであってもよい。また、情報処理装置が通話機能を有する場合には、通話用インタフェースとして、電子メール機能を有する場合には、電子メール用インタフェースとして制御する。
【0042】
図4は、本発明の実施形態におけるアドレス管理情報の一例を示す図である。
【0043】
持ち主情報401、アドレス帳402は、携帯端末102のアドレス帳記憶部204で管理される。アドレス帳記憶部はHD311に記憶される。RAM302やデータROM304などに記憶するようにしてもよい。
【0044】
持ち主情報401は、この携帯端末102の持ち主に関する情報が記憶されている。登録番号はアドレス帳402と共通で利用しており、一意な番号で識別可能なように設定されている。持ち主情報の識別番号に関しては設定することもしないこともできる任意の項目である。
【0045】
電話1には、この携帯端末で着信可能な電話番号が記憶されている。メールアドレス1には、この携帯端末で着信可能なメールアドレスが記憶されている。その他、電話2欄・メールアドレス2欄などを任意の情報を記憶する項目として利用することが可能である。
【0046】
アドレス帳402は、いわゆる一般的なアドレス帳のことで、メールアドレスなどを管理することができる。グループ欄には「1(家族)」と設定されており、複数のアドレス(登録番号)を共通なグループとして管理することができる。「氏名」「ヨミ」「グループ」欄は通信相手を選択する際の検索ワードとして利用される。
【0047】
メールアドレスなどが複数登録されている場合には、(例えば電話1など)通常使うように設定されているアドレスを利用することとする。
【0048】
また、メールを作成する際にアドレス帳から相手の名前を選ぶだけでメールアドレスを入力することができる。メールアドレス以外にも電話番号や住所など、様々な個人情報を管理できるものもある。
【0049】
図5は、本発明の実施形態における留守番機能を利用する際の携帯端末の画面遷移を示す図である。
【0050】
メール画面501は、情報処理装置101(外部環境)から携帯端末102(特許花子さんの携帯)宛てに留守番機能フォーマット取得のためのメールを送信する画面である。「件名」に「留守番フォーマット取得」と設定し、「本文」にパスワードを入力して送信するものとする。
【0051】
メール画面502は、留守番機能フォーマット取得のためのメールを受信した携帯端末102の返信画面を示す画面である。この内容が携帯端末102から情報処理装置101に送信される。「差出人」が携帯端末102のアドレス、宛先が情報処理装置101のアドレスとなっており、「本文」に、パスワード(PW)、メッセージ(MS)および送信したいユーザ(US)の記載を促すようになっている。この組み合わせが「留守番機能」のフォーマットとなる。フォーマットに関する説明については後述する。
【0052】
メール画面503は、フォーマットを取得した情報処理装置101が「PW」、「MS」および「US」を記入したメールの送信画面を示す画面である。ここで「PW」に入力された値はあらかじめ本機能を利用するために設定されたパスワードである。「MS」は、携帯端末103(特許太郎さんの携帯)に送信したいメッセージである。「US」は送信したいユーザの宛先であり、この場合は、携帯端末102のアドレス帳に記憶されている氏名である。「US」欄は、アドレスを直接入力することや、氏名をカナで入力することや、グループを利用することが可能となっている。グループが選択された場合、グループに登録されているアドレスに送信されることになる。
【0053】
ここで、携帯端末103に送信する前に携帯端末102で内容を確認することができる。送信前に宛先を確認するか否かをあらかじめ設定する機能であって、詳細については、後述する。
【0054】
メール画面504は、宛先の確認機能が「ON」になっていた場合に、携帯端末102から情報処理装置102に送信される画面である。「US」には特許太郎さんのグループ(GP)が表示されるようになっている。またセキュリティチェック(SE)として確認内容が正しいかどうかのフラグの入力を促すようになっている。
【0055】
メール画面505は、宛先の確認に対する返信画面である。「SE」にOKを表わす「1」を入力して返信する。「0」を入力して返信すると、携帯端末103(特許太郎さんの携帯端末)には送信されないことになる。
【0056】
メール画面506は、携帯端末102から携帯端末103へのメール画面である。宛先確認が「OFF」になっていた場合、メール画面503の画面から遷移される。
【0057】
これにより、携帯端末102(特許花子さんの携帯端末)を遠隔の情報処理装置(外部環境)から操作して、携帯端末103(特許太郎さんの携帯端末)にメールを送信することができる。
【0058】
また、特許太郎さんのメールアドレスが携帯端末102のアドレス帳にしか控えていないような場合でも、遠隔から特許太郎さんにメールを送信することができる。
【0059】
図6は、本発明の実施形態におけるパスワードリセット機能を利用する際の携帯端末の画面遷移の一例を示す図である。
【0060】
メール画面601で、情報処理装置101(外部環境)から携帯端末102(特許花子さんの携帯)宛てにパスワードリセットフォーマット取得のためのメールを送信する画面である。「件名」に「パスワードフォーマット取得」と設定し、「本文」にパスワードを入力して送信するものとする。
【0061】
メール画面602は、パスワードリセットフォーマット取得のためのメールを受信した携帯端末102の返信画面を示す画面である。この内容が携帯端末102から情報処理装置101に送信される。「差出人」が携帯端末102のアドレス、宛先が情報処理装置101のアドレスとなっており、「本文」に、パスワード(PW)、リセット確認(RS)の記載を促すようになっている。この組み合わせが「パスワードリセット」のフォーマットとなる。フォーマットに関する説明については後述する。
【0062】
メール画面603は、フォーマットを取得した情報処理装置101が「PW」、「RS」を記入したメールの送信画面を示す画面である。ここで「PW」に入力された値はあらかじめ本機能を利用するために設定されたパスワードである。「RS」は、パスワードがリセットされることへの確認のフラグであり、OKであれば「1」、NGであれば「0」を記入するようになっている。
【0063】
図7は、本発明の実施形態における留守番転送機能利用時の携帯端末の画面遷移の一例を示す図である。
【0064】
後述の転送DBに登録されているアドレスから携帯端末102がメールを受信した際に、情報処理装置101で利用可能な外部環境へメールを転送する機能である。
【0065】
メール画面701で、携帯端末103(特許太郎さんの携帯端末)から携帯端末102(特許花子さんの携帯端末)がメールを受信した画面である。
【0066】
ここで、留守番転送DBに留守番宛先情報として特許太郎さんの携帯端末のアドレスが登録されていた場合に、対応して登録されている転送先のアドレスへメールを転送する。
【0067】
メール画面702は、留守番転送DBに登録されている内容と一致した場合に、情報処理装置101にメール画面701のメールが転送された画面である。本文に、「From」にアドレス(この場合はアドレス帳に登録されている表示名)、「To」には元メールで指定されたアドレス(この場合は、特許花子さんの携帯端末のアドレス)、「MS」には、元メールの本文として書かれた内容が記載されている。
【0068】
このメールを、情報処理装置101を利用した外部環境で特許花子さんが受信することができる。
【0069】
図8は、本発明の実施形態における各種データベース(DB)の一例を示す図である。
【0070】
留守番転送DB801、フォーマットDB802およびパスワードDB803が管理されており、それぞれ、留守番情報記憶部210フォーマット記憶部209およびパスワード記憶部206に記憶されている。
【0071】
留守番転送DB801には、留守番宛先情報と転送先宛先情報が記憶されている。これは、留守番機能が「ON」の状態で、留守番宛先情報のメールアドレスから、携帯端末102のアドレスにメールを受信した際に、転送するメールアドレスを転送先宛先情報として記憶したものである。
【0072】
メール画面701の差出人である「taro@mobi.ne.jp」が留守番宛先情報として設定されており、転送先宛先情報として「gaibu@test.ne.jp」が設定されているので、メール画面702で、外部環境である情報処理装置101にメールが転送される。
【0073】
留守番転送DBへのアドレスの登録は、事前に設定しておくことも可能であるし、後述する留守番機能を使ってメールを送信した際に登録するようにすることも可能である。
【0074】
フォーマットDB802は、メールを受信した際に参照されるDBで、メールの件名が設定されている。メールの件名がフォーマットの取得の場合には、そのフォーマットについても登録されている。後述する図14の件名設定画面により設定された件名が登録されている。
【0075】
フォーマットタイプには、「留守番機能用」、「パスワードリセット用」、「留守番機能」および「パスワードリセット」の4種類があり、「留守番機能用」および「パスワードリセット用」のフォーマットについては、図5の502、図6の602で説明したとおりであり、この件名のメールを受信した際には、対応したフォーマットタイプのメールを送信元に返信する。
【0076】
件名が「お留守番メール」および「パスワードリセット依頼」のメールを受信した際は、それぞれの件名に対応した処理を実行する。
【0077】
パスワードDB803は、あらかじめ設定されたパスワードが記憶されている。バージョン管理を行うこともできる。用途ごとに複数のパスワード設定することもできる。パスワードリセットメールによりパスワードをリセットすることも可能である。
【0078】
以下、図9〜13のフローチャートを利用して携帯端末102の処理手順について説明する。
【0079】
図9は、本発明の実施形態における携帯端末102の処理全体を示すフローチャートである。
【0080】
ステップS901で携帯端末102にメールなどの着信があった時に処理が開始される。ステップS902で、受信したメールの送信元が留守番DB801の「留守番宛先情報」に登録されているかどうかを確認する。登録されている場合は、ステップS903に進み、留守番転送処理を実行する。各処理の詳細ついては後述する。
【0081】
一方、登録されていな場合には、ステップS904に進む。ステップS904では、受信したメールの件名や本文を確認(解析)する。受信した内容から、「フォーマット取得」なのか「留守番メール」なのか「パスワードリセット」なのか通常のメールなのかを判定する。
【0082】
メールの件名から「フォーマット取得」と判断した場合にはステップS905に進みフォーマット取得処理を実行する。本実施形態では、メールの件名が、「留守番フォーマット取得」となっている場合と「パスワードフォーマット取得」となっている場合に、「フォーマット取得」であると判定している。その他、「フォーマット取得」が含まれるものを対象とするように設定することもできるし、本文に特定のキーワードが含まれる場合に対象とするように設定することもできる。他の処理かどうかの判定方法についても同様である。メールの件名から判定する場合には、フォーマットDBが利用される。
【0083】
メールの内容から「留守番メール」と判定した場合には、ステップS906に進み留守番処理を実行する。
【0084】
メールの内容から「パスワードリセット」を判定した場合には、ステップS907に進みパスワードリセット処理を実行する。
【0085】
それ以外のメールの場合には、通常のメールを受信したときと同様に通常のメール処理を行い、処理を終了する。
【0086】
図11は、本発明の実施形態における携帯端末102のフォーマット取得処理の一例を示すフローチャートである。図9のステップS905の処理に対応し、画面イメージは図6に示したとおりである。
【0087】
ステップS1101で、メールの本文を解析し、ステップS1102で本文の「PW」に書かれた文字列がパスワードDB803に登録してあるものと一致するかどうかの判定を行う。一致しない場合処理を終了する一方、一致する場合は、ステップS1103に進む。
【0088】
ステップS1103では、どの種類のフォーマット取得なのかを判定する。本実施形態では、フォーマットDB802に2種類のタイプ「留守番機能」と「パスワードリセット」が設定されているので、メールの件名からどちらの種類なのかを判定する。
【0089】
「留守番機能」であった場合、ステップS1104に進み、留守番機能用のフォーマットをフォーマットDBから取得する。フォーマットは、例えばメール画面502に示されるような内容であり、「PW」や「MS」や「US」を含むものである。ステップS1105では、返信を行うために、受信したメールアドレスを宛先に設定する。ステップS1106で件名に「留守番依頼」と設定しステップS1107に進む。
【0090】
ステップS1103で、「パスワードリセット」と判定された場合は、ステップS1109に進み、パスワードリセット用のフォーマットをフォーマットDBから取得する。フォーマットは例えばメール画面602に示されるような内容であり、「PW」や「RS」を含むものである。ステップS1110では、返信を行うために、受信したメールアドレスを宛先に設定する。ステップS1111で件名に「パスワードリセット依頼」と設定しステップS1107に進む。
【0091】
ステップS1107では、本文にフォーマットDBから取得したフォーマットを設定し、ステップS1108で返信先(受信したメールアドレス)にメールを送信し、処理を終了する。
【0092】
図12は、本発明の実施形態における携帯端末102の留守番処理の一例を示すフローチャートである。図9のステップS906の処理に対応し、携帯端末での画面イメージは図5に示したとおりである。
【0093】
まずステップS1201で携帯端末が受信したメールの本文を解析し、ステップS1202では「PW」に記入された文字列がパスワードDBに登録してあるパスワードと一致するか確認する。一致しない場合は処理を終了する。
【0094】
一致する場合は、ステップS1203にて「US」に記入された文字列がアドレス帳402に登録されているかどうか確認する。ここで、アドレス帳に登録されているとは、メールアドレス、氏名、ヨミ、グループ名などが登録されていればよい。アドレス帳に登録されていない場合には、処理を終了する。
【0095】
アドレス帳に登録がある場合は、ステップS1204にてアドレス帳に対応する宛先情報が設定されているか確認する。宛先情報とは例えばメールアドレスである。宛先情報が設定されていない場合は、処理を終了する。
【0096】
宛先情報が設定されている場合は、ステップS1205にて「SE」キーワードが設定されているかを確認する。「SE」キーワードとは、セキュリティチェックのことで、メールの送信元(ここでは、外部環境の情報処理装置)に対して送信する前にメール内容の確認を行わせるべくメールを送信しておき、返信時に付与されるものである。
【0097】
ステップS1205にて「SE」キーワードがあると判定された場合には、ステップS1211に進み、このチェックがOK(実施例中のフラグでは「1」)になっていれば、メールの内容の確認済みでOKということが分かるのでステップS1207に進む。一方、NG(実施例中のフラグでは「0」)になっていれば、メール内容に不備があると判断し、処理を終了する。
【0098】
ステップS1206では、宛先確認フラグの確認を行う。宛先確認フラグは後述する携帯端末の各種設定で設定することが可能な項目である。このフラグが「ON」になっている場合は、ステップS1212に進み、メールの送信元(gaibu@test.ne.jp)を宛先として設定する。
【0099】
ステップS1213では、ステップ1201で受信したメールのから「PW」を削除して本文に設定する。ステップS1214では、「US」キーワードに設定されていた宛先のグループを「GP」として設定する。ここでグループ情報を設定するかどうかは任意の項目となる。次にステップS1215で、本文に「SE」キーワードの入力を求める旨の文字列を設定し、ステップS1216で、ステップS1212〜S1215において設定された内容のメールを送信して処理を終了する。ここで送信されたメールへの返信が、ステップS1205で「SE」キーワードがあると判定されることになる。
【0100】
一方、ステップS1206で宛先確認フラグが「OFF」であると判定された場合、ステップS1207でメールの宛先に、ステップS1204で確認したアドレス帳から取得した宛先情報(特許太郎に対応したメールアドレス)を設定する。
【0101】
ステップS1208では、本文に、「MS」キーワードとして設定されたメッセージを設定する。図5のメール画面503では「今日の約束18時に変更!」と記載されているキーワードである。
【0102】
ステップS1209で、留守番DBの「留守番宛先情報」にステップS1207で設定した宛先情報を設定し、「転送先宛先情報」にステップS1201で受信したメールの送信元(gaibu@test.ne.jp)を宛先情報として登録する。
【0103】
ステップS1210で留守番転送モードに移行し、ステップS1216で、ステップS1207〜S1209において設定された内容のメールを送信して処理を終了する。
【0104】
なお、留守番転送モードとは、留守番DBに「留守番宛先情報」や「転送先宛先情報」が設定されている状態としてもよいし、留守番転送モードが「ON」か「OFF」を意味する不図示のフラグを持つようにしてもよい。この状態で「留守番宛先情報」に指定されたアドレスからメールを受信すると、外部環境の情報処理装置で利用可能な「転送先宛先情報」へメールを転送する。留守番転送モード時に実行される留守番転送処理について詳細に説明する。
【0105】
図10は、本発明の実施形態における携帯端末102留守番転送処理の一例を示すフローチャートである。図9のステップS903に対応し、携帯端末での画面イメージは図7に示したとおりである。
【0106】
ステップS1001で、留守番DBに受信したメールの差出人(taro@mobi.ne.jp)である「留守番宛先情報」に対応した「転送先宛先情報」が設定されているかを確認する。
【0107】
設定されていない場合は、処理を終了し、設定されている場合は、ステップS1002に進む。
【0108】
ステップS1002では、留守番転送モードが「ON」になっているかを判定し、「OFF」の場合は処理を終了する。一方、「ON」であった場合、ステップS1003に進み、留守番DBから対応する転送先宛先情報を取得する。なお、ステップS1101とステップS1102の処理順序は逆になっても構わない。
【0109】
ステップS1004で、取得した転送先宛先情報(gaibu@test.ne.jp)を宛先に知っていし、ステップS1005で、件名に「留守番転送:渋谷(受信したメールの件名)」を設定する。
【0110】
ステップS1006で、本文に「From:特許太郎(受信したメールの送信者)」「To:hanako@mobi.ne.jp(受信したメールの宛先)」、「MS:りょーかい!!(受信したメールの本文)」を設定し、ステップS1007で設定した内容のメールを送信する。
【0111】
これによれば、特許太郎さんは、特許花子さんの携帯端末のアドレス宛てにメールを送信し、そのメールを別のアドレスを利用する外部環境で受信することができるので、特許太郎さんは、特許花子さんが利用する外部環境のメールアドレスを意識せずにメールを送信することができる。また、外部環境のメールアドレスを相手に知られることなくメールの送受信をすることができる。
【0112】
外部環境に受信したメールの送信者を知られたくないような場合には、Fromを記載しないように設定することで対応可能である。
【0113】
図13は、本発明の実施形態におけるパスワードリセット処理の一例を示すフローチャートである。図9のステップS907に対応し、携帯端末での画面イメージは図6に示したとおりである。
【0114】
ステップS1301で、メール本文を解析し、ステップS1302では、「PW」に記入された文字列がパスワードDBに登録してあるパスワードと一致するか確認する。一致しない場合は処理を終了する。
【0115】
一致する場合は、ステップS1303にて「RS」キーワードに「1」が設定してあるかを確認する。「1」以外が設定されているもしくは何も設定されていない場合は、処理を終了する。「1」が設定されている場合は、ステップS1304に進む。
【0116】
ステップS1304では、パスワード管理部205は、現在のパスワードDBに設定されているパスワードをリセットする。パスワードDBから削除するようにしてもよいし、バージョンを付与し残すようにしてもよい。
【0117】
ステップS1305では、新しいパスワードを作成し、ステップS1306にてメールの宛先に自分自身の携帯端末102のアドレス(hanako@mobi.ne.jp)を設定し、ステップS1307で、件名に「パスワードの再設定」を設定する。
【0118】
ステップS1308で携帯端末に新しく作成したパスワードを設定し、ステップS1309にてメールを送信する。なお、ここで作成するパスワードは、携帯端末がランダムに作成するようにしてもよいし、規則性ももって作成するようにしてもよい。
【0119】
図14は、本発明の実施形態における携帯端末102の留守番機能に係る各種設定画面の一例を示す図である。
【0120】
不図示のメニューを選択することで、携帯端末102上に留守番設定画面1401が表示されるものである。登録ボタン1402を押下すると設定した情報を登録し終了し、キャンセルボタン1403を押下すると設定した情報を保存せずに終了する。
【0121】
パスワードタブ1411、件名タブ1421および、その他タブ1431から構成されている。
【0122】
パスワードタブ1411では、パスワード関連の情報を設定することができる。現在のパスワード1421、新しいパスワード1413および新しいパスワード(確認用)1414を入力することでパスワードの設定/変更を行うことができる。入力した現在のパスワードがパスワードDBに登録されているパスワードと一致した場合にパスワードを変更することができる。設定した内容はパスワードDBに記憶される。
【0123】
件名設定タブは1421では、各種機能に移行するための件名を設定することができる。フォーマット取得(留守番機能)1422、フォーマット取得(パスワードリセット)1423、お留守番機能1424、パスワードリセット機能1425の各種機能を利用するための件名を設定することができる。ここで設定された内容がフォーマットDBに登録される。
【0124】
登録ボタン1402押下時、チェックボックス1426にチェックがある項目のみフォーマットDBの件名に登録される。
【0125】
その他設定1431タブでは、その他の情報を設定する。本実施形態では、宛先確認1432、留守番転送1433の設定ができる。
【0126】
宛先確認1432にチェックをすると、留守番メール受信時に宛先確認メールを送信する。チェックをしない場合はお留守番メール受信時に、送信先に確認なしでメールを送信する。図12のステップS1206の判定に利用される。
【0127】
留守番転送1433にチェックをすると、留守番の留守番宛先情報に登録した相手からのメールを受信した場合、それに対応した転送先宛先情報に登録した相手にメールを転送する。図10のステップS1002の判定に利用される。

【0128】
図15は、本発明の実施形態における携帯端末102のモード切り替えに係る画面遷移の一例を示す図である。
【0129】
留守番転送モード1501と通常モード1502の画面遷移図である。通常モード1502時に、留守番機能が実行されると留守番転送モード1501に遷移する。留守番転送モード1501時に、ユーザによりOKボタン1503が押下されると、通常モード402に遷移するようになっている。
【0130】
以上説明したように、本実施の形態によれば、携帯端末に登録されている宛先との送受信を遠隔から操作することが可能になる。
【0131】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0132】
また、本発明におけるプログラムは、各フローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は各フローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。
【0133】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0134】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0135】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0136】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0137】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0138】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0139】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0140】
101 情報処理装置
102 携帯端末装置
103 携帯端末装置
104 公衆回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メールの送受信機能を有する携帯端末装置であって、
前記メールでの通信相手のアドレスを管理可能なアドレス帳記憶手段と、
メールを送信したい通信相手および通信内容を受信する送信受付手段と、
前記送信受付手段により受付けた通信相手を前記アドレス帳から検索する検索手段と、
前記検索手段で前記通信相手が検索できた場合、前記通信相手に前記受付手段により受付けた通信内容を送信する送信手段と、
を有することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記通信相手は、前記アドレス帳に登録されている文字列であることを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記送信受付手段は電子メールにより受付けをするものであって、
前記送信手段により送信した相手から返信メールを受付けた場合、前記送信受付手段が受付けた受付元のアドレスへ前記返信メールを転送する返信メール転送手段と、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の携帯端末装置。
【請求項4】
メールの送受信機能および前記メールでの通信相手のアドレスを管理可能なアドレス帳記憶手段を有する携帯端末装置の制御方法であって、
メールを送信したい通信相手および通信内容を受信する送信受付ステップと、
前記送信受付ステップにより受付けた通信相手を前記アドレス帳から検索する検索ステップと、
前記検索ステップで前記通信相手が検索できた場合、前記通信相手に前記受付ステップにより受付けた通信内容を送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする携帯端末装置の制御方法。
【請求項5】
メールの送受信機能および前記メールでの通信相手のアドレスを管理可能なアドレス帳記憶手段を有する携帯端末装置を、
メールを送信したい通信相手および通信内容を受信する送信受付手段と、
前記送信受付手段により受付けた通信相手を前記アドレス帳から検索する検索手段と、
前記検索手段で前記通信相手が検索できた場合、前記通信相手に前記受付手段により受付けた通信内容を送信する送信手段と、
を有することを特徴とする携帯端末装置として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−51642(P2013−51642A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189724(P2011−189724)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】