説明

携帯電話機ユーザ間での価値転送の方法およびシステム

本発明は、携帯電話網を機能強化し、携帯電話網が価値交換媒体として働くことができるようにすることを目的とする。本発明の一実施形態では、第1携帯電話機504と、第2携帯電話機504と、音声信号およびテキスト・メッセージの交換のために第1携帯電話機を第2携帯電話機に相互接続し、第1携帯電話機の第1ユーザの代わりに第1分アカウントを維持し、第2携帯電話機の第2ユーザの代わりに第2分アカウントを維持するキャリア・サービス・プロバイダ502と、第1ユーザが第1ユーザの分アカウントから第2ユーザの分アカウントに分データを転送することを可能にするユーザ・インターフェース508とを備える、電子価値交換のシステムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引処理システムおよび無線通信システムに関し、具体的には、商取引および金融取引の基礎として働くことができる、携帯電話機ユーザ間でユーザの価値交換を提供する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信、特に携帯電話機ベースの通信の全世界での使用は、過去十年間に劇的に増加した。現在、数十億台の携帯電話機が使用されており、新しい携帯電話機の出荷が、すぐに毎年10億台を超える可能性がある。移動体通信の便利さ、ユーザへのキャリア・サービスの提供における多大な経済的効率をもたらすキャリア・サービス・プロバイダからの激しい競争、および陸線(陸上通信網)インフラストラクチャを欠く発展途上国で携帯電話機を介してユーザをすばやく安価に相互接続する能力のすべてが、全世界での携帯電話テクノロジの急速な商業的受け入れに寄与してきた。
【0003】
図1に、一般化された携帯電話通信システムの比較的高水準の図を示す。多数の異なるタイプの携帯電話システムおよびテクノロジがある。図1は、非常に高い水準で、1つのそのようなシステムすなわち、現在全世界で212を超える国および地域で20億人を超える携帯電話機ユーザにサービスしているglobal system for mobile communications(「GSM」)の基本的特徴を示すことを意図したものである。GSMは、ディジタル・データ交換と音声チャネルとの両方をサポートする、第2世代携帯電話システムである。図1の携帯電話機102および104などの携帯電話機は、ラジオ周波数信号106および108を介してGSMシステムと通信する。携帯電話機は、基地トランシーバ局(「BTS」)110および112とラジオ周波数信号を介して通信し、BTS110および112は、それぞれ、ラジオ周波数符号化情報を基地局制御装置114と交換できるパルス符号変調(「PCM」)ディジタル情報に変換し、PCM符号化情報を携帯電話機への送信のためにラジオ周波数信号に戻して変換する通信機器およびアンテナを含む、ラジオ信号を送信し受信する機器を含む。
【0004】
GSMシステムは、音声信号とパケット・ベースの情報交換との両方をサポートし、パケット・ベースの情報交換は、パケット制御ユニット116によって制御される。音声データは、基地局によってモバイル・スイッチング・センタ(「MSC」)118に送信され、パケット・ベースのデータは、パケット制御ユニット116とジェネラル・パケット・ラジオ・サービス(「GPRS」)ハードウェア120との間で交換される。音声データを、モバイル・スイッチング・センタによって携帯電話機へのブロードキャストのために同一のまたは異なる基地局にルーティングすることができ、異なる携帯電話網にルーティングすることができ、さらに、陸線ベース電話機124への送信のために公衆交換電話網122にルーティングすることができる。パケット・ベースのデータを、GPRS120によってディジタル通信網に、および最終的にインターネット125を介して、パケット・ベース・プロトコル129を介して通信するコンピュータ127および他のデバイスにルーティングすることができる。モバイル・スイッチング・センタとGPRSハードウェアとの両方が、SS7ネットワーク126を介してデータを交換することができ、このSS7ネットワークを介して、ホーム・ロケーション・レジスタ(「HLR」)、認証センタ(「AC」)、および機器識別レジスタ(EIR)128にアクセスすることができる。
【0005】
基地局制御装置(「BSC」)114は、ラジオ・チャネルを割り当て、あるBTSから別のBTSへの通信リンクのハンドオーバを制御し、ある種の実施態様では、スイッチング・センタとして働くことができる。BSC114は、複数のBTS110および1つのパケット制御ユニットと一緒に、基地局サブステーション(「BSS」)130を一緒に構成する。モバイル・スイッチング・センタ、ホーム・ロケーション・レジスタ、認証センタ、および機器識別レジスタは、PSTNおよびSS7ネットワーク接続と一緒に、ネットワーク・スイッチング・サブシステム(「NSS」)132を構成する。NSS132は、スイッチング機能を実行し、携帯電話機とPSTNとの間の通信を管理する。NSSのアーキテクチャは、電話交換機に似ているが、移動体エンド・ポイントを管理するのに必要な追加の機能性を有する。NSSは、一般に、音声データ、携帯電話機の間でのテキスト・ベースのメッセージの交換用のショート・メッセージング・サービス(「SMS」)、および回線交換データ呼を含む回線交換情報交換を処理すると考えられる。
【0006】
ホーム・ロケーション・レジスタ128は、ネットワーク・スイッチング・サブシステム132が属するキャリア・サービスの各携帯電話加入者を記述する情報を含む中央データベースである。携帯電話加入者すなわちユーザは、そのユーザによってそのユーザの携帯電話機に挿入される加入者識別モジュール(「SIM」)またはSIMカードを介して識別される。SIMカードは、ユーザを識別する情報、加入情報、およびユーザの電話帳を含む。SIMカードは、ユーザの携帯電話機と基地局サブステーションとの間で交換される音声信号およびデータ転送の暗号化を可能にする暗号関連秘密情報をも含む。ホーム・ロケーション・レジスタは、各ユーザのSIMカードおよびSIMカード内容の詳細を格納し、地理的位置へのユーザのマッピングを管理し、その結果、呼をユーザに向けられるようにし、また、ユーザがユーザの現在位置から発呼できるようにする。認証センタは、GSMネットワークへの接続を試みる携帯電話機のSIMカードを認証し、音声信号およびデータ信号を暗号化するために、接続ごとに暗号化鍵を生成する。認証センタは、モバイル・スイッチング・センタがユーザを認証できるようにし、MSCが携帯電話機とのセキュア情報交換を実行できるようにする情報をモバイル・スイッチング・センタ118に供給する。携帯電話機102および104は、本質的に、さまざまなアプリケーションおよび携帯電話機ユーザ・インターフェースをサポートするオペレーティング・システムを実行するコンピューティング・デバイスである。
【0007】
図2に、一般化された携帯電話システムおよびプラットフォームを示す。図2に示されているように、携帯電話システム202は、本質的に、携帯電話機ユーザが、第1携帯電話機204を介し、第2携帯電話機206または陸線ベース電話機208を介して、第2ユーザに接続し、第2ユーザと音声およびディジタル・データを交換することを可能にする、通信機器およびコンピューティング・ハードウェアを提供する。携帯電話機上で動作するアプリケーションは、ディスプレイ(たとえば、携帯電話機204のディスプレイ210)を介して携帯電話機ユーザにコンピュータ用ユーザ・インターフェースを提供でき、ユーザからデータを受け取り、受け取ったデータを表示されたユーザ・インターフェースを介してユーザに表示することができる。携帯電話機ユーザは、ショート・メッセージ・サービスを介してテキスト・メッセージを交換でき、ある種の場合に、電子メールをパーソナル・コンピュータからダウンロードし、読み、携帯電話網を介してディジタル・データを送信し、受信するために、他のソフトウェア・アプリケーションを利用することができる。
【0008】
携帯電話システムは、当初には、主にユーザ対ユーザ音声通信用に設計され、実施されたが、その後、携帯電話システムは、他のタイプのディジタル情報の交換を可能にするように機能強化された。より最近に、携帯電話システムは、さまざまな営利団体および金融機関と協力して、大量の追加サービスを携帯電話機ユーザに提供し始めた。図3に、携帯電話機ユーザすなわちキャリア・サービス加入者がユーザの携帯電話機および携帯電話網を介して現在アクセスできるさまざまな追加サービスのうちの一部を示す。携帯電話機ユーザは、携帯電話機ユーザの銀行サービス302にアクセスでき、この銀行サービス302は、ユーザの銀行口座へのアクセス、口座管理、およびさまざまな資金転送サービスを含む、さまざまなバンキング・サービスを携帯電話機ユーザに提供する。ある種の携帯電話システムでは、携帯電話機ユーザは、携帯電話機ユーザのキャリア・サービス・アカウントを介してベンディング・サービスについて支払うために、自動販売機などのベンディング・サービス304にアクセスすることができる。したがって、ベンディング・サービス料金が、ユーザのキャリア・サービスによってユーザに請求される。現在、携帯電話機ユーザは、彼らの携帯電話機で提供される製品およびサービス注文インターフェースを介してさまざまな製品およびサービス306を購入するために、さまざまな異なる商業的実体に、彼らの携帯電話機を使用してアクセスすることができる。同様に、携帯電話機ユーザは、携帯電話機ユーザが金融取引、株価および株購入、天気予報、地図、ならびにさまざまな他のタイプの情報に関連する情報を入手し、表示することを可能にする、さまざまな異なる情報プロビジョン・サービス308に、彼らの携帯電話機を使用してアクセスすることができる。
【0009】
携帯電話機ユーザがアクセス可能な機能およびサービスのこの大きい拡大は、伝統的な商業活動、金融活動、およびサービス提供の膨大な変化を生み、多数の異なる市場およびサービス・ネットワークを作成したか容易にした。しかし、携帯電話機ユーザは、他の携帯電話機ユーザと情報を交換するのに彼らの携帯電話機を日常的に使用するが、携帯電話機ユーザは、価値の交換を、主にキャリア・サービス、金融機関、および営利企業に対して実行する。言い換えると、携帯電話機ユーザは、現在、ユーザが価値交換にかかわることのできるどちらかといえば限られた数の団体よりはるかに多数の個人および団体と音声信号およびショート・テキスト・メッセージを交換することができる。携帯電話機ユーザ、キャリア・サービス・プロバイダ、サード・パーティ・ソフトウェア・デベロッパ、およびサード・パーティ・サービス・プロバイダのすべてが、より広い範囲の市場および取引ベースのネットワークを作成し、容易にするために、音声信号およびテキスト・メッセージの交換に加えて、携帯電話機ユーザが価値および他の抽象的なものを交換できる個人および団体の数を増やす必要を認めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、携帯電話機ユーザが携帯電話網を介して彼らの間での価値交換をよりやりやすくするために、携帯電話網の機能を強化することを目的とする。
【0011】
本発明は、携帯電話網を機能強化し、携帯電話網が価値交換媒体として働くことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態では、携帯電話機ユーザは、携帯電話機ユーザによって彼らのキャリア・サービス・プロバイダから購入された携帯電話機使用時間の分を交換することによって、彼らの間で価値を交換する。分ベース(分データ)の価値交換は、ユーザが銀行口座を有しない場合があり、伝統的な金融取引に関連するオーバーヘッドが、携帯電話機ユーザがかかわることを望む可能性がある多数の比較的低価値の取引を実行するのに伝統的な金融取引サービスを使用することを可能にするには大きすぎる、発展途上国で特に有用である。携帯電話機ユーザの間および携帯電話機ユーザと営利企業との間での分の交換は、現在存在する低価値交換市場を容易にすると同時に、伝統的な金融取引サービスを介する価値交換に起因する大きいオーバーヘッドに起因して以前には非実用的であった完全に新しいタイプの市場を作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一般化された携帯電話通信システムを示す比較的高水準の図である。
【図2】一般化された携帯電話システムおよびプラットフォームを示す図である。
【図3】携帯電話機ユーザがアクセスできるさまざまなサービスのうちの一部を示す図である。
【図4】本発明の実施形態の基礎になる概念を示す図である。
【図5】本発明のさまざまな実施形態を示す高水準のブロック図である。
【図6】本発明の価値転送サービスの一実施態様を示す図である。
【図7】図5に示された価値転送サービス強化携帯電話網内で格納されるさまざまなタイプの価値の位置を示す図である。
【図8】価値転送サービスを介する価値交換に用いられるインターフェースを示す図である。
【図9A】クライアントが価値を転送するために価値転送サービスにアクセスする、一般化された価値交換取引セッションを示す図である。
【図9B】クライアントが価値を転送するために価値転送サービスにアクセスする、一般化された価値交換取引セッションを示す図である。
【図9C】クライアントが価値を転送するために価値転送サービスにアクセスする、一般化された価値交換取引セッションを示す図である。
【図9D】クライアントが価値を転送するために価値転送サービスにアクセスする、一般化された価値交換取引セッションを示す図である。
【図9E】クライアントが価値を転送するために価値転送サービスにアクセスする、一般化された価値交換取引セッションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態は、価値ベースの取引ならびにさまざまな市場およびサービス・ネットワークを容易にするために携帯電話機ユーザが価値を交換する能力を拡張することを対象とする。背景技術のセクションで述べたように、キャリア・サービス・プロバイダは、金融機関および営利団体と組み合わさって、バンキング・サービス、製品注文サービス、および価値が交換される他のそのようなサービスなど、さまざまなサービスを携帯電話機ユーザに提供し始めた。しかし、現在、価値交換サービスは、一般に、「キャリア・サービス加入者」とも称する単一の携帯電話機ユーザと、営利企業または金融機関との間で行われる。これらの拡張された価値交換ベースのサービスは、多数の既存の市場を大幅に容易にし、より効率的にしてきたが、特に発展途上国で、携帯電話機ユーザの間および携帯電話機ユーザと小企業との間の経済的に効率的な価値交換ベースの取引によって容易にし、作成することのできる潜在的にはるかにより大きい市場がある。
【0015】
図4に、本発明の多数の実施形態の基礎になる概念を示す。図4に示されているように、本発明の実施形態は、携帯電話機ユーザが、携帯電話網を介して彼ら自身の間で価値を交換することを可能にする。言い換えると、携帯電話網が、価値交換媒体402になる。この概念を、図2および3に示された、携帯電話網によって提供される現在の通信および情報交換と対比することができる。図2に示されているように、携帯電話網は、現在、携帯電話機ユーザが、携帯電話網通信媒体202を介して彼ら自身の間で音声信号およびショート・テキスト・メッセージを簡単に交換することを可能にする。図3に示されているように、多数の携帯電話網は、サービス提供のための特定のアプリケーションを開発し、展開するリソースを有する洗練された金融機関および営利団体と組み合わさって、携帯電話機ユーザが金融機関および営利企業とのある種の価値交換ベースの取引を行うことを可能にする。したがって、図3に示されているように、価値交換は、現在、ユーザ対団体接続に限定されているが、図2に示されているように、音声信号通信およびショート・テキスト・メッセージ通信は、携帯電話機ユーザ間ならびに携帯電話機ユーザと団体との間で実行することができる。本発明の実施形態は、図4に示されているように、携帯電話網を機能強化し、その結果、携帯電話機ユーザが彼ら自身の間ならびに小企業およびより大きな団体と価値を交換することを可能にするために、携帯電話網が、価値交換媒体として働くことができるようにする。
【0016】
携帯電話網を幅広くアクセス可能な価値交換媒体に拡張するために着手することのできるさまざまな異なる手法がある。たとえば、1つの方法は、潜在的に、キャリア・サービス・プロバイダが、金融機関になることと、伝統的な金融機関の代わりに加入者の代わりに資金転送を実行することとを必要とするはずである。しかし、この手法は、世界の多くの地域で多数の政府規制に抵触するはずであり、キャリア・サービス・プロバイダが現在は彼らの専門外の複雑な金融システムを開発し、維持することをも必要とするはずである。もう1つの手法は、キャリア・サービス・インターフェースおよびバンキング・サービス・インターフェースを標準化し、その結果、異なる銀行と異なる口座所有者との間の資金転送を容易にするために、携帯電話機ユーザを、キャリア・サービス・プロバイダによって適当なバンキング・サービス・インターフェースにシームレスにルーティングできるようにすることである。しかし、そのような標準化およびインターフェース開発作業は、複雑であり、時間がかかり、高価であり、規制インフラストラクチャならびにさまざまな携帯電話網とキャリア・サービスとバンキング・サービスとの間の相違を考慮すると、実施がむずかしい可能性がある。
【0017】
本発明の実施形態は、携帯電話網を一般化された価値交換媒体に変換する第3の経済的で実用的な手法を表す。キャリア・サービスは、必ず、キャリア・サービス加入者用のアカウントを作成し、維持する。これらのアカウントは、世界の多くの地域で、キャリア・サービス加入者がキャリア・サービスから購入した、事前に支払われた使用の分データ(情報)を格納する場合があり、あるいはその代わりに、使用した(使用する)分ベース(分データ)のクレジット・アカウントを表す場合がある。分アカウントは、音声呼またはショート・テキスト・メッセージの送信など、携帯電話機ユーザによって行われる各接続の分単位または秒単位の持続時間によって借方記入される。したがって、分アカウントは、格納された価値の一形態である。任意の所与の瞬間に、分を、金銭的価値に変換することができ、金銭的価値を、分に変換することができる。したがって、キャリア・サービスは、既に、キャリア・サービス加入者がキャリア・サービス加入者の携帯電話機を使用することによってキャリア・サービスから分を購入し、購入された分を消費する手段を提供している。本発明の実施形態は、キャリア・サービス加入者すなわち携帯電話機ユーザが、分を別の携帯電話機ユーザにならびに製品およびサービスと交換に分を受け入れることに合意した小企業および他の団体に転送することを可能にする。本発明の多くの実施形態では、伝統的なバンキング・サービスも、携帯電話網を介して携帯電話機ユーザに提供される。しかし、小価値取引について、携帯電話機ユーザは、伝統的な資金転送に着手するのではなく、分を転送することによって、追加のバンキング・サービスおよびバンキング・サービス料金を伴わずに、キャリア・サービスを介して別の携帯電話機ユーザまたは団体に価値を転送することができる。多くの人が銀行口座を有しない発展途上国では、分ベースの電子価値交換媒体は、取引を実行するための最も効率的な手段であるだけではなく、実際に、ほとんどの人が使用可能な価値交換の唯一のセキュアな媒体である可能性がある。
【0018】
図5に、本発明のさまざまな実施形態の高水準ブロック図を示す。図5に示されているように、携帯電話網を提供し、管理する伝統的なキャリア・サービス・プロバイダ502は、携帯電話機ユーザ504などの多数の携帯電話機ユーザにキャリア・サービスを提供する。キャリア・サービスは、携帯電話機ユーザを伝統的なバンキング・サービス506に接続することができるが、現在のシステムとは異なって、バンキング・サービスは、中間の価値転送サービス508を介して提供される。価値転送サービスは、別々のリモート価値転送サービス・センタ508を含み、キャリア・サービス内で内部的に価値転送サービス・コンポーネント510を、ならびに価値転送サービス508によって仲介される価値転送交換に使用される各携帯電話機内の価値転送サービス・アプリケーションをも維持する。
【0019】
図6に、本発明の実施形態を表す価値転送サービスの一実施態様を示す。図6では、特定のハードウェア・コンポーネントが、図5に示された一般化されたブロックにマッピングされる。もちろん、異なるプロトコル、通信ハードウェア、コンピューティング・デバイス、サーバ、および通信システムを使用する、本発明のさまざまな異なる可能な実施態様がある。
【0020】
図7に、図5に示された価値転送サービス強化携帯電話網内で格納されるさまざまなタイプの価値を示す。図7に示されているように、バンキング・サービス506は、任意の特定の携帯電話機ユーザの代わりに、さまざまな異なるタイプの口座を維持することができる。そのような口座は、クレジット口座702、貯金口座704、借方口座706、資金転送口座708、特定請求支払い口座710、ローン口座712、およびさまざまな他の異なるタイプのバンキング口座およびバンキング・サービスを含む。同様に、キャリア・サービス502は、キャリア・サービス加入者の代わりに異なるタイプの格納される価値を維持することができる。これらのアカウントは、分アカウント716、格納された価値アカウント718、借方記入アカウント720、およびIOUすなわちローン・アカウント722を含む。価値転送サービス508は、どのタイプの格納される価値をも格納せず、維持しないが、その代わりに、携帯電話機ユーザが、キャリア・サービスまたはバンキング・サービス内の格納された価値にアクセスし、携帯電話機ユーザの口座(アカウント)の1つから別の口座(アカウント)に格納された価値を転送することを可能にし、携帯電話機ユーザが、あるタイプの格納された価値、最も具体的には分を、別の携帯電話機ユーザ、小企業、または他の団体のキャリア・サービス・アカウントに転送することを可能にする、相互接続、インターフェース、およびアプリケーション・プログラムを提供する。
【0021】
本発明の一実施形態では、キャリア・サービスの加入者は、特定の番号を呼び出すことによって価値転送サービスにアクセスし、この呼は、キャリア・サービスによって、キャリア・サービス502内の内部価値転送サービス・コンポーネント(図5の510)に転送される。次に、価値転送サービス・コンポーネントは、携帯電話機ユーザと価値転送サービス・センタ508との間の取引セッションを確立する。図8に、価値転送サービスを介する価値交換に用いられるインターフェースを示す。価値転送サービス508は、バンキング・インターフェース802を介してバンキング・サービス506に接続する。バンキング・サービス・インターフェース802は、特定のバンキング・サービスごとに変更することができる。価値転送サービスは、キャリア・サービス・インターフェース804を介してさまざまなキャリア・サービスにインターフェースする。携帯電話機ユーザは、価値転送サービス/キャリア・サービス/クライアント・インターフェース(「VTS/CS/クライアント・インターフェース」)806を介して価値転送サービスにインターフェースする。
【0022】
バンキング・サービス・インターフェース802は、価値転送サービスが、携帯電話機ユーザをバンキング・サービスに対して識別し、携帯電話機ユーザによるバンキング・サービスへのアクセスを許可し、特定の携帯電話機ユーザの代わりにバンキング・サービスによって維持される口座を識別することを可能にする呼び出しまたは機能のコレクションと、価値転送サービスが携帯電話機ユーザの代わりに資金を転送し、口座(アカウント)を管理することを可能にするのに必要なさまざまな機能および呼び出しとを提供する。同様に、キャリア・サービス・インターフェース804は、価値転送サービスが携帯電話機ユーザ・キャリア・サービス・アカウントにアクセスし、これらのアカウントを管理し、携帯電話機ユーザの代わりにアカウント(口座)の間で価値を転送することを可能にする機能および呼び出しを提供する。バンキング・サービス・インターフェース802とキャリア・サービス・インターフェース804との両方が、価値転送サービス・センタ(図5の508)、キャリア・サービス(図5の502)、およびバンキング・サービス(図5の506)内のハイ・エンド・コンピューティング・プラットフォーム上で動作する特殊目的エンタープライズ・アプリケーションとして実施される。
【0023】
VTS/CS/クライアント・インターフェース806は、本発明の一実施形態で、携帯電話機上で動作し、キャリア・サービス内および価値転送サービス・センタ内の価値転送サービス・サーバと通信する、SIMアプリケーションとして実施される。VTS/CS/クライアント・インターフェースは、携帯電話機ユーザが、格納された価値アカウント、借方記入アカウント、分アカウント、およびIOUアカウントを含むさまざまな異なるタイプのキャリア・サービスによって提供されるアカウントのいずれかを作成し、適当な変換を伴って、これらの異なるタイプのアカウントの間で格納された価値を転送し、口座(アカウント)に資金を追加するか、あるいは分(分データ)を購入し、携帯電話機ユーザの分アカウントから別の携帯電話機ユーザ、小企業、または団体の分アカウントに分を転送することを可能にする。さらに、VTS/CS/クライアント・インターフェース806は、携帯電話機ユーザが、バンキング・サービスによって提供される追加のバンキング口座にアクセスし、これを管理することを可能にする類似する機能性を提供する。価値転送サービスは、キャリア・サービスを介する携帯電話機ユーザへのリアル・タイム取引接続を提供し、価値転送サービスがキャリア・サービス・インターフェース804およびバンキング・サービス・インターフェース802を介して携帯電話機ユーザの代わりにVTS/CS/クライアント・インターフェースを介して携帯電話機ユーザに提供されるサービスのすべてを実行することを可能にする。
【0024】
本発明の多数の実施形態の価値転送サービスは、複数のキャリア・サービスおよびバンキング・サービスを含む大規模で柔軟な価値交換ネットワークを作成するために、さまざまな異なるキャリア・サービスおよびバンキング・サービスに一様な一群のサービスを提供する。さらに、価値転送サービスは、キャリア・サービスまたはバンキング・サービスのいずれかによって提供されるものより厳重であり、より取引指向の追加の認証サービスおよびセキュリティ・サービスを提供することができる。
【0025】
携帯電話機ユーザの観点から、VTS/CS/クライアント・インターフェースを介して入手される価値転送サービスは、携帯電話機ユーザが、他の携帯電話機ユーザ、小企業、および団体との極端に効率的で低オーバーヘッドの価値交換を行うことを可能にする。携帯電話機ユーザは、たとえば、携帯電話機ユーザの分アカウントからタクシー運転手の分アカウントに合意された数の分を転送することによって、タクシー・サービスに対して支払うことができる。そのような取引のすべてが、規制と税との両方の目的でならびに後の論争解決、取引検証および口座残高検証で支援することのできる忠実で頑健な取引記録を提供するために、価値転送サービスによってログ記録される。分ベースの価値交換は、加入者との長期関係を促進し、かつ/または適度なサービス料金を介する追加収入を生成するために、キャリア・サービス・プロバイダによって提供できる望ましい特徴である。携帯電話機ユーザと小企業との間および携帯電話機ユーザの間での、価値転送システムを介して行われる小価値取引は、現金ベースの取引よりはるかに安全であり、検証可能である。
【0026】
おそらく、一般化された価値交換ベースの取引を容易にするための媒介物として価値転送サービスがどのように働くかの最もよい説明は、携帯電話機ユーザすなわちクライアント、キャリア・サービス、および価値転送サービスの観点からの一般化された価値交換取引の例に詳細に従うことである。図9A〜Eに、キャリア・サービス加入者すなわちクライアントが価値を転送するために価値転送サービスにアクセスする、一般化された価値交換取引セッションを示す。
【0027】
図9Aのステップ902で、クライアントは、クライアントの携帯電話機を使用して、価値転送サービスに発呼する。ステップ904で、キャリア・サービスは、通常のGSM機構を介してその呼を受信し、その呼をキャリア・サービス・ファシリティ内の内部VTSコンポーネントに転送する。ステップ906で、キャリア・サービス・ファシリティ内の内部VTSコンポーネントは、キャリア・サービスからの呼に対応する接続要求を受信し、クライアントへのセキュアSMSベース接続を確立する。さらに、キャリア・サービス内の内部VTSコンポーネントは、接続要求を価値転送サービス・センタに転送する。ステップ908で、価値転送サービス・センタは、接続要求を受信し、キャリア・サービス加入者すなわちクライアントの代わりに取引コンテキストを確立する。取引コンテキスト確立の一部として、価値転送サービスは、キャリア・サービスの加入者のアイデンティティを確立し、キャリア・サービスによる携帯電話機の認証を検証するために、キャリア・サービスのインターフェース(図8の804)を介してキャリア・サービスと相互作用することができる。
【0028】
次に、ステップ910で、価値転送サービスは、初期ディスプレイ画面を準備し、その初期ディスプレイ画面をクライアントに送信することができる。図9A〜Eでは、価値転送サービスとクライアントとの間の情報の送信は、破線の箱912など、図9A〜Eで破線の箱として表されているように、キャリア・サービスを通過するものとして図示されている。言い換えると、価値転送サービスは、クライアントに直接に情報を送信するのではなく、その代わりに、クライアントの携帯電話機にキャリア・サービスによって転送するために、キャリア・サービスに情報を送信する。初期画面を準備するのではなく、価値転送サービスが、その代わりに、単純に、クライアントの携帯電話機で動作するSIMアプリケーションに取引コンテキスト確立メッセージを送信してもよく、このSIMアプリケーションは、その後、格納された初期画面を表示することができる。どちらの場合でも、ステップ914で、クライアントの携帯電話機は、初期画面をクライアントに表示する。クライアントは、ステップ916での携帯電話機への入力および入力データの価値転送サービスへの送信によってメニュー・オプションを選択するか追加画面にナビゲートすることができる。価値転送サービスは、ステップ918で、入力データを受信し、その後、ステップ920で、次の画面を準備して、ステップ922でのクライアントの携帯電話機での表示のためにクライアントに送信することができる。したがって、クライアントおよび価値転送サービスは、クライアントが特定のタイプの価値転送を要求するのに適当な画面にナビゲートすることを可能にするために、そのようなステップによってメニュー駆動ダイアログを実行することができる。
【0029】
正しい画面がクライアントに表示された時に、ステップ924で、クライアントは、転送すべき分の数およびクライアントが分をそこに転送することを望む携帯電話機ユーザの携帯電話番号などの要求された情報を入力し、この情報は、価値転送サービスに返される。その情報を受信した時に、ステップ926で、価値転送サービスは、情報を処理し、ステップ928(図9B)で、ダイアログを実行し、ステップ930〜938で、キャリア・サービスが、クライアントのアカウントにアクセスするためにキャリア・サービス・インターフェース(図8の804)を介して、転送に関する十分な残高を検証し、クライアントがそこに分を転送することを望む携帯電話機ユーザが存在することを判定し、他のそのような情報関連作業を実行する。
【0030】
ステップ938で、価値転送サービスは、分の要求された転送が有効であり、実行され得ると判定し、したがって、ステップ940で、個人識別番号(「PIN」)要求画面をクライアントに送信する。ステップ942で、クライアントは、PIN要求を受信し、PIN要求をユーザに表示する。ステップ944(図9C)で、クライアントは、クライアントのPIN番号を入力し、そのPIN番号を価値転送サービスに送り返す。ステップ946で、価値転送サービスは、PINを受信し、格納された認証データベースにアクセスすることによって、PINが正しいかどうかを判定する。そうでない場合には、ステップ948で、価値転送サービスは、エラー画面を準備し、これをクライアントに返し、このエラー画面は、ステップ950でユーザに表示される。この時点で、ステップ952によって表されるように、さまざまなエラー回復ダイアログまたは取引終了ダイアログのいずれもが発生し得る。PINが正しい場合には、ステップ954で、価値転送サービスは、価値転送要求を準備し、その要求をキャリア・サービス・インターフェース(図8の804)を介してキャリア・サービスに転送する。ステップ956では、キャリア・サービスが、取引要求を受信し、ステップ958で、取引を準備し、成功の取引準備応答を価値転送サービスに返す。価値転送サービスは、ステップ960で応答を受信し、ステップ962で、取引進行画面を準備し、この取引進行画面は、クライアントに送り返される。ステップ964で、クライアントは、取引進行画面を受信し、取引進行画面をユーザに表示し、ユーザは、ステップ966(図9D)で、取引進行画面に適当な入力を入力することによって、取引を進行すべきか否かを決定することができる。
【0031】
ユーザが、取引を継続することを望むことを示す時に、ステップ968で、肯定の応答が、価値転送サービスに返される。価値転送サービスは、ステップ970で、肯定の応答を受信し、ステップ972で、コミット要求を準備して、キャリア・サービスに送信する。キャリア・サービスは、ステップ974で、コミット要求を受信し、ステップ976で、取引をコミットし、成功のコミット応答を価値転送サービスに返す。価値転送サービスは、ステップ978で、成功の応答を受信し、ステップ980で、成功完了画面を準備して、クライアントに送信する。クライアントは、ステップ982で成功完了画面を受信し、ユーザに成功完了画面を表示し、ユーザは、ステップ984によって表されるように、価値転送サービスとの追加ダイアログを介して追加取引を実行することができる。
【0032】
対照的に、ユーザが、取引を進行しないと判断する場合には、ステップ986で、ユーザは、価値転送サービスに否定応答を返す。ステップ988で、価値転送サービスは、否定応答を受信し、ステップ990で、取引取消画面を準備し、クライアントに返す。ステップ992で、クライアントは、取引取消画面を受信し、これをユーザに表示し、ユーザは、その後、ステップ994によって表されるように、価値転送サービスとのさらなる取引を実行するか、取引セッションを終了することを選択することができる。その後、ステップ996(図9E)で、価値転送サービスは、ロールバック要求を準備し、そのロールバック要求をキャリアに送信する。キャリアは、ステップ998で、ロールバック要求を受信し、ステップ999で、準備された取引をロール・バックし、ロールバック成功応答を価値転送サービスに返し、価値転送サービスは、ステップ1000でロールバック応答を受信し、ステップ1002でさらなる要求を待つために進行する。
【0033】
最終的に、クライアントは、ステップ1004で、クライアントが取引セッションを終了することを望むことの表示を携帯電話機に入力する。キャリア・サービスは、ステップ1006でその表示を受信し、その表示を内部VTSに転送し、内部VTSは、ステップ1008で、クライアントへのセキュアSMS接続をクローズし、終了要求をVTSセンタに転送する。VTSセンタは、ステップ1010で終了要求を受信し、取引セッションをクローズする。その後、価値転送サービスは、ステップ1012でさらなる要求およびイベントを待つ。
【0034】
もちろん、一般化された価値交換取引の多数の異なる可能な実施態様がある。たとえば、ディスプレイ画面が、図9A〜Eでは価値転送サービスによって準備されるものとして図示されているが、代替実施形態では、これらのディスプレイ画面を、既に準備され、携帯電話機内またはキャリア・サービス内の内部価値転送サービス・コンポーネント内に格納されるものとしてもよい。図9A〜Eの例示的な価値交換ベースの取引では、価値転送の受信側が、取引において連絡されないが、代替実施形態では、受信側に、転送に合意するか転送を許可するためにキャリア・サービスを介して価値転送サービスによって連絡することができる。本発明のさまざまな実施形態は、上で述べた分転送に加えて、金銭的価値への分の変換、ユーザの口座(アカウント)の間での価値の転送、およびあるユーザの口座(アカウント)と別のユーザの口座(アカウント)との間での価値の転送を含む、さまざまな異なる価値交換ベースの取引を提供する。すべてのシステムと同様に、本発明の価値交換を可能にするシステムは、異なるタイプの通信媒体を用いて相互接続されたさまざまな異なるタイプのハードウェア上の任意の個数の異なるソフトウェア・プログラム実行プラットフォーム上の任意の個数の異なるソフトウェア・プログラム内で実施することができる。追加の異なるタイプの口座(アカウント)および格納される価値を、携帯電話機ユーザの代わりに作成し、維持することができ、さまざまな異なるタイプのインターフェースを設計し、実施して、携帯電話機ユーザが口座(アカウント)へおよび口座(アカウント)から資金を転送することを可能にすることができる。
【0035】
本発明を、特定の実施形態に関して説明したが、本発明がこれらの実施形態に限定されることは、意図されていない。本発明の趣旨に含まれる変更は、当業者に明白であろう。たとえば、上で述べたように、本質的に無制限の個数の異なる実施態様を、異なるプログラミング言語、プログラム実行プラットフォーム、通信ネットワーク、通信ハードウェア、ならびに他の異なるデバイスおよび方法を使用して考案することができる。多数の異なるタイプの格納された価値の格納および転送を、キャリア・サービス・プロバイダによって実施し、さまざまな加入プラン内でキャリア・サービス加入者に提供することができる。
【0036】
前述の説明は、説明のために、本発明の完全な理解を提供するために特定の命名法を使用した。しかし、特定の詳細が、本発明を実践するために必要ではないことが、当業者には明白であろう。本発明の特定の実施形態の前述の説明は、例示および説明のために提示されたものである。これらは、網羅的であること、または本発明を開示された正確な形に限定することを意図されたものではない。多数の修正形態および変形形態が、上の教示に鑑みて可能である。これらの実施形態は、本発明の原理およびその実用的応用を最もよく説明し、これによって、当業者が本発明およびさまざまな実施形態を企図される特定の使用に適するさまざまな変更を加えて最もよく利用することを可能にするために図示され、説明される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその同等物によって定義されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話網ユーザの分アカウントに分データを格納するステップと、
第1携帯電話網ユーザの分アカウントから第2携帯電話網ユーザに属する分アカウントに分データを転送することを可能にするインターフェースを前記第1携帯電話網ユーザに提供するステップと
を含む、携帯電話網を介して価値交換を提供する方法。
【請求項2】
第1携帯電話網ユーザに提供される前記インターフェースは、前記第1携帯電話網ユーザが、分アカウントを作成し、現金取引または資金転送を介して分データを購入し、購入された分データを前記分アカウントに追加し、分データを他の形の価値に変換し、前記変換された分データを他の格納された価値アカウントに転送することを可能にする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記インターフェースが、第2携帯電話網ユーザの分アカウントに加えて、前記第1携帯電話網ユーザの分アカウントから小企業、営利企業、および金融機関に分データを転送することを可能にする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記分アカウントが、キャリア・サービス・プロバイダによって維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
キャリア・サービスを介して携帯電話網ユーザと通信する価値転送サービス・センタが、
前記携帯電話網ユーザの携帯電話機上のユーザ・インターフェースによって表示されるデータを提供するステップと、
前記携帯電話網ユーザの携帯電話機から前記ユーザ・インターフェースを介して入力されるデータを受信するステップと、
キャリア・サービス・インターフェースを介して前記携帯電話網ユーザの代わりに前記キャリア・サービスとインターフェースするステップと
を含むことにより、分データが、第1分アカウントから、第2分アカウント、小企業、営利企業、または金融機関に転送される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第1携帯電話機と、
第2携帯電話機と、
音声信号およびテキスト・メッセージの交換のために前記第1携帯電話機を前記第2携帯電話機に相互接続し、
前記第1携帯電話機の第1ユーザの代わりに第1分アカウントを維持し、
前記第2携帯電話機の第2ユーザの代わりに第2分アカウントを維持する
キャリア・サービス・プロバイダと、
前記第1ユーザが前記第1ユーザの分アカウントから前記第2ユーザの分アカウントに分データを転送することを可能にするユーザ・インターフェースと
を備える、電子価値交換のシステム。
【請求項7】
前記ユーザ・インターフェースが、価値転送サービス・センタによって提供される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記価値転送サービス・センタが、
当該価値転送サービス・センタ内のコンピューティング・ハードウェア上で動作する価値転送サービス・アプリケーションと、
前記キャリア・サービス内で動作する価値転送サービス・サーバおよび価値転送サービス・アプリケーションと、
前記第1携帯電話機および前記第2携帯電話機上で動作する価値転送サービス・アプリケーションと
を提供する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記価値転送サービス・センタが、第1携帯電話機の前記第1ユーザからの呼に応答して前記キャリア・サービスによる前記価値転送サービスに向けられる要求に応答して、第1携帯電話機の前記第1ユーザとの取引セッションをオープンし、前記第1ユーザから分データの転送要求を受信するために前記第1ユーザとのダイアログを実行し、前記第1ユーザの代わりに前記要求された分データの転送を実行するためにキャリア・サービス・インターフェースを介して前記キャリア・サービス・プロバイダと相互通信する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ユーザ・インターフェースは、前記第1ユーザが、セキュアなテキスト・メッセージ・ベースの取引セッションをオープンし、前記第1ユーザのアカウントから前記第2ユーザの分アカウントへの前記分データの転送を要求することを可能にする、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記ユーザ・インターフェースが、前記第1ユーザのアカウントから前記第2ユーザの分アカウントへの前記分データの転送を許可するために、前記第1ユーザに、個人識別番号を供給するように要求する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ユーザ・インターフェースが、前記第1ユーザのアカウントから前記第2ユーザの分アカウントへの前記分データの転送を許可し、準備した後に、前記第1ユーザが前記分データの転送を受け入れるか前記分データの転送を拒否するかのいずれかを行うことを可能にする、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記ユーザ・インターフェースは、分データを別のキャリア・サービス加入者に転送することに加えて、キャリア・サービス加入者が、分アカウントを作成し、前記分アカウントから他の格納された価値アカウントに分データを転送し、格納された価値を他の格納された価値アカウントから前記分アカウントに転送し、前記分アカウントへの追加のために分データを購入することを可能にする、請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
複数の携帯電話機と、
音声信号およびテキスト・メッセージの交換のために前記複数の携帯電話機を相互接続し、
キャリア・サービス加入者の代わりに分アカウント、格納された価値アカウント、貸方記入アカウント、およびIOUアカウントを維持する、キャリア・サービス・プロバイダと、
キャリア・サービス加入者が、
分アカウント、IOUアカウント、および格納された価値アカウントを作成し、
キャリア・サービス加入者に属するさまざまなアカウントの間で分データおよび他の格納された価値を転送し、
あるキャリア・サービス加入者の分アカウントから別のキャリア・サービス加入者の分アカウントへ分データを転送する
ことを可能にするユーザ・インターフェースと
を備える、電子価値交換のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【公表番号】特表2010−507143(P2010−507143A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532465(P2009−532465)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/022008
【国際公開番号】WO2008/048559
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(509103417)
【氏名又は名称原語表記】PHILLIPS, Mark
【Fターム(参考)】