説明

携帯電話端末

【課題】通話を行うときに一切手を使うことなく利用することができる携帯電話端末を提供する。
【解決手段】指向性を有するハンズフリーマイク131と、ハンズフリーマイク131により得た音声から特定の音声を認識する音声認識部154と、音声認識部154による認識結果に応じて携帯電話端末100の動作を制御する携帯電話制御部151とを設ける。ハンズフリーマイク131及びスピーカ132は、携帯電話端末100の収納形態における上端に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンズフリー通話を行うことができる携帯電話端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から携帯電話端末を用いてハンズフリー通話を行うことが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、この特許文献1の機器では、指向性スピーカを用いて即時性と秘話性とを高めることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−112213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の機器では、例えば、着信があったときや通話を終了するとき等には、機器を手で操作することが必要であった。したがって、手を使わずにハンズフリーとなるのは、通話を行っているときだけであった。
【0005】
本発明の課題は、通話を行うときに一切手を使うことなく利用することができる携帯電話端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0007】
(1)本発明は、無線通信により音声通話を行う携帯電話端末(100)であって、指向性を有する指向性マイク(131)と、前記指向性マイクにより得た音声から特定の音声を認識する音声認識部(154)と、当該携帯電話端末の向きを所定の向きに保持するホルダ(500)に対して当該携帯電話端末が保持されたことを認証する認証部(164)と、前記音声認識部による認識結果及び前記認証部による認証結果に応じて当該携帯電話端末の動作を制御する制御部(151)と、を備える携帯電話端末を提案している。
【0008】
この発明によれば、指向性マイクは、指向性を有する。音声認識部は、指向性マイクにより得た音声から特定の音声を認識する。認証部は、携帯電話端末の向きを所定の向きに保持するホルダに対して携帯電話端末が保持されたことを認証する。制御部は、音声認識部による認識結果及び前記認証部による認証結果に応じて当該携帯電話端末の動作を制御する。したがって、利用者が発する音声を明瞭に集音でき、その音声のうちの特定の音声をコマンドとして認識して、携帯電話端末の動作を行うことができる。よって、通話を行うときに一切手を使うことなく利用することができる。また、指向性マイクを用いるので、利用者は、大きな声を発する必要が無く、秘話性を高めることができる。
【0009】
(2)本発明は、(1)に記載の携帯電話端末(100)において、前記指向性マイク(131)は、当該携帯電話端末の上端又は当該携帯電話端末の収納形態における上端に配置されていること、を特徴とする携帯電話端末を提案している。
【0010】
この発明によれば、指向性マイクは、当該携帯電話端末の上端又は当該携帯電話端末の収納形態における上端に配置されている。したがって、携帯電話端末をポケットに入れたり腰に装着したりした状態で、指向性マイクが利用者の顔に近い側となり、ハンズフリーで通話を行うときに集音しやすくなる。
【0011】
(3)本発明は、(2)に記載の携帯電話端末(100)において、当該携帯電話端末の姿勢を検出する姿勢検出部を有し、前記制御部(151)は、前記姿勢検出部によって前記指向性マイク(131)の集音性の高い方向が上方を向いていないと判断されるときに、その旨の警告を行うこと、を特徴とする携帯電話端末を提案している。
【0012】
この発明によれば、姿勢検出部は、当該携帯電話端末の姿勢を検出する。制御部は、姿勢検出部によって指向性マイクの集音性の高い方向が上方を向いていないと判断されるときに、その旨の警告を行う。したがって、指向性マイクによって利用者の音声を集音しにくい方向に携帯電話端末が傾く等しても、そのことを利用者に知らせることができる。
【0013】
(4)本発明は、(1)から(3)までのいずれか1項に記載の携帯電話端末(100)において、指向性を有する指向性スピーカ(132)を備えること、を特徴とする携帯電話端末を提案している。
【0014】
この発明によれば、指向性スピーカは、指向性を有する。したがって、利用者に対してのみ聞こえるように音声を発することができ、秘話性を高めることができる。また、小さな音量であっても利用者が聞き取ることが可能となり、消費電力の低減も図ることができる。
【0015】
(5)本発明は、(4)に記載の携帯電話端末(100)において、前記指向性スピーカ(132)は、当該携帯電話端末の上端又は当該携帯電話端末の収納形態における上端に配置されていること、を特徴とする携帯電話端末を提案している。
【0016】
この発明によれば、指向性スピーカは、当該携帯電話端末の上端又は当該携帯電話端末の収納形態における上端に配置されている。したがって、携帯電話端末をポケットに入れたり腰に装着したりした状態で、指向性スピーカが利用者の顔に近い側となり、ハンズフリーで通話を行うときに小さな音量であっても利用者に音声を届かせることができる。
【0017】
(6)本発明は、(4)又は(5)に記載の携帯電話端末(100)において、前記指向性スピーカ(132)による音声の到達効率が高い方向は、前記指向性マイク(131)による音声の集音効率が高い方向と同一の方向であること、を特徴とする携帯電話端末を提案している。
【0018】
この発明によれば、指向性スピーカによる音声の到達効率が高い方向は、指向性マイクによる音声の集音効率が高い方向と同一の方向である。したがって、ハンズフリー通話を行うときに、指向性スピーカと指向性マイクの指向性の方向を利用者の顔方向に一致させることにより、より効率のよい集音と音声の発生を行うことができる。
【0019】
(7)本発明は、(1)から(6)までのいずれか1項に記載の携帯電話端末(100)において、前記音声認識部(154)は、少なくとも、通話開始と通話終了とを指示する音声を認識すること、を特徴とする携帯電話端末を提案している。
【0020】
この発明によれば、音声認識部は、少なくとも、通話開始と通話終了とを指示する音声を認識する。したがって、着信してから通話の終了まで一切手を使わずに通話を行うことが可能となる。
【0021】
(8)本発明は、(1)から(7)までのいずれか1項に記載の携帯電話端末(100)において、前記音声認識部(154)は、利用者個人の音声を特定して音声を認識すること、を特徴とする携帯電話端末を提案している。
【0022】
この発明によれば、音声認識部は、利用者個人の音声を特定して音声を認識する。したがって、利用者以外の人の声により誤動作してしまうことを防止できる。
【0023】
(9)本発明は、(1)から(8)までのいずれか1項に記載の携帯電話端末(100)において、着信があったときに通話開始を利用者が操作して指示を行う通話操作部(111a)と、前記通話操作部が操作されたこと、及び/又は、前記音声認識部(154)により通話開始を指示する音声が認識されたことによって、通話モードを通常モードとハンズフリーモードとのいずれを利用者が選択したのかを検出する通話モード検出部(152)と、を備え、前記制御部(151)は、前記通話モード検出部による検出結果に応じて通話モードを通常モードとハンズフリーモードとのいずれかに切り替えること、を特徴とする携帯電話端末を提案している。
【0024】
この発明によれば、通話操作部は、着信があったときに通話開始を利用者が操作して指示を行う。通話モード検出部は、通話操作部が操作されたこと、及び/又は、音声認識部により通話開始を指示する音声が認識されたことによって、通話モードを通常モードとハンズフリーモードとのいずれを利用者が選択したのかを検出する。制御部は、通話モード検出部による検出結果に応じて通話モードを通常モードとハンズフリーモードとのいずれかに切り替える。したがって、通常モードとハンズフリーモードとの切り替えを利用者が特に意識することなく簡単に両方のモードを使い分けることができる。
【0025】
(10)本発明は、(1)から(9)までのいずれか1項に記載の携帯電話端末(100)において、前記指向性マイク(131)が集音する音声から、利用者の音声以外の雑音を軽減するために環境音を集音する環境音マイク(131b)を備えること、を特徴とする携帯電話端末を提案している。
【0026】
この発明によれば、環境音マイクは、指向性マイクが集音する音声から、利用者の音声以外の雑音を軽減するために環境音を集音する。したがって、雑音成分を抑制して利用者の音声をより明瞭に集音することができ、音声認識の精度を向上することができる。また、通話の音質も向上できる。
【0027】
(11)本発明は、(1)から(10)までのいずれか1項に記載の携帯電話端末(100)において、前記ホルダ(500)との間で無接点充電を行う無接点充電部(161,162,163)を備えること、を特徴とする携帯電話端末を提案している。
【0028】
この発明によれば、無接点充電部は、ホルダとの間で無接点充電を行う。したがって、認証部は、本発明において必要なホルダへの取り付けの認証を、充電認証と兼ねることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、通話を行うときに一切手を使うことなく携帯電話端末を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施形態の携帯電話端末100の収納形態における表面側を示す図である。
【図2】本実施形態の携帯電話端末100の収納形態における裏面側を示す図である。
【図3】本実施形態の携帯電話端末100の展開形態を示す図である。
【図4】本実施形態の携帯電話端末100の保持に用いるホルダ500を示す図である。
【図5】本実施形態の携帯電話端末100の内部構成を示すブロック図である。
【図6】携帯電話端末100の使用形態の一例を示す図である。
【図7】携帯電話端末100の着信から通話終了までの動作を示すフローチャートである。
【図8】携帯電話端末100とホルダ500との間における認証動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0032】
(実施形態)
図1は、本実施形態の携帯電話端末100の収納形態における表面側を示す図である。
図2は、本実施形態の携帯電話端末100の収納形態における裏面側を示す図である。
図3は、本実施形態の携帯電話端末100の展開形態を示す図である。
本実施形態の携帯電話端末100は、第1の筐体110と、第2の筐体120とが軸部130を中心として折りたたみ可能な携帯電話端末である。
図1には、第1の筐体110及び第2の筐体120を折りたたんだ収納形態を示している。一方、図2には、第1の筐体110及び第2の筐体120を開いた展開形態を示している。以下、第1の筐体110及び第2の筐体120それぞれが折りたたんだときに対向し合う面、すなわち、図2において見えている側の面を表面と呼ぶ。
【0033】
第1の筐体110の表面には、操作キー111と、通常モードマイク112とが設けられている。なお、第1の筐体110の裏面は、図示していないが、カメラのレンズ等を設けてあってもよい。
操作キー111は、数字や文字入力、各種選択等を行える操作部材である。操作キー111には、発信キー111aと、終了キー111bとが含まれている。
【0034】
発信キー111aは、電話を発信するときに操作したり、着信があり電話に出るときに操作して通話開始の指示を行ったりする通話操作部である。なお、着信があったときには、発信キー111aに限らず、終了キー111b以外の操作キー111を操作することによっても、電話に出ることが可能である。したがって、本実施形態では、終了キー111b以外の操作キー111は、全て通話操作部として機能する。
【0035】
終了キー111bは、通話中に操作することにより、通話を終了する操作キーである。また、終了キー111bは、各種機能の終了を行うときにも用いられる。さらに、終了キーは、電源のON/OFFにも用いられる。
【0036】
通常モードマイク112は、通話モードとして通常モードを実行しているときに、通話時の音声を入力するマイクである。ここで、通常モードとは、携帯電話端末100を利用者が手に持って、通常モードマイク112が利用者の口元付近にあり、後述の通常モードスピーカ122が利用者の耳元にある状態で通話を行う通話モードである。これに加えて、本実施形態の携帯電話端末100は、ハンズフリーモードを実行可能である。ハンズフリーモードとは、利用者が携帯電話端末100を手に持つことなく、利用者の顔から離れた位置に携帯電話端末100があっても通話が可能な通話モードである。本実施形態の携帯電話端末100は、通話モードとして通常モードとハンズフリーモードとを切り替えて実行可能である。
【0037】
第1の筐体110の裏面側の内部には、コイル113が設けられている。
コイル113は、後述するホルダ500のコイル511から、後述する充電池163の充電に必要なエネルギを伝えられる。
【0038】
第2の筐体120の表面には、メインディスプレイ121と、通常モードスピーカ122とが設けられている。一方、第2の筐体120の裏面には、サブディスプレイ123が設けられている。
【0039】
メインディスプレイ121は、携帯電話端末100の各種情報を表示する表示部である。
通常モードスピーカ122は、通常モードを実行しているときの通話時の音声を出力するスピーカである。
サブディスプレイ123は、収納形態において各種情報を表示する表示部である。
【0040】
携帯電話端末100の収納形態における上端となる軸部130には、ハンズフリーマイク131と、ハンズフリースピーカ132とが設けられている。ここで、ハンズフリーマイク131及びハンズフリースピーカ132を上端に配置したのは、携帯電話端末100を後に図4及び図5に示すように、ポケットに入れたり腰に装着したりした状態で、ハンズフリーマイク131及びハンズフリースピーカ132が利用者の顔に近い側となるようにするためである。したがって、上端に限らず、例えば、下端にこれらをまとめて配置し、ハンズフリーモードを使用する場合に携帯電話端末を逆さに置いたり装着したりするような形態としてもよい。
【0041】
ハンズフリーマイク131は、通話モードとしてハンズフリーモードを実行しているときに、通話時の音声を入力するマイクである。ハンズフリーマイク131は、携帯電話端末100の収納形態における上方からの音声のみを効率よく集音できるように、指向性の高いマイクが用いられており、集音性の高い方向が上方を向くように配置されている。また、本実施形態のハンズフリーマイク131は、指向性マイク131aと無指向性マイク131bとを組み合わせて1つのマイクとして配置されている。指向性マイク131aは、集音性の高い方向が上方を向くように配置されている。一方の無指向性マイク131bは、上方を含む広範囲からの音声を集音する。この無指向性マイク131bは、利用者の声以外の雑音である環境音を集音する環境音マイクである。ハンズフリーマイク131では、指向性マイク131aにより得られた音声成分と、無指向性マイク131bにより得られた音声成分とを比較して、雑音成分(環境音成分)を音声処理により抑制して後述のマイク入力制御部155へと出力する。
【0042】
ハンズフリースピーカ132は、通話モードとしてハンズフリーモードを実行しているときに、通話時の音声を出力するスピーカである。ハンズフリースピーカ132は、携帯電話端末100の収納形態における上方へのみ音声を効率よく伝えることができるように、指向性の高いスピーカが用いられており、指向性のピーク方向が上方を向くように配置されている。
【0043】
図4は、本実施形態の携帯電話端末100の保持に用いるホルダ500を示す図である。
ホルダ500は、本体部510と、コイル511と、側端規制部520と、下端規制部530と、ベルト穴540とを備えている。ホルダ500は、携帯電話端末100を保持して人体に装着可能とするものであるが、携帯電話端末100に対して充電を行うことができる充電装置としての機能も有している。
【0044】
本体部510は、充電面510aを有している。本体部510は、充電面510aの内部に後述のコイル511を内包しており、携帯電話端末100のコイル113が設けられている第1の筐体110の裏面を載せる面が形成されている。
【0045】
コイル511は、携帯電話端末100のコイル113との間で電磁誘導を生じさせる。コイル511とコイル113との間で生じる電磁誘導によって、コイル511からコイル113へエネルギが伝えられ、携帯電話端末100の充電池163への充電が行われる。
【0046】
側端規制部520は、ホルダ500が保持する携帯電話端末100の左右方向の位置、及び、充電面510aに直交する方向の位置を規制する規制手段である。
【0047】
下端規制部530は、充電面510aに載せられる携帯電話端末100の上下方向の位置を規制する規制手段である。下端規制部530は、支持部材531を充電面510aの下方に左右一組ずつ備えている。
支持部材531は、充電面510aに直交する方向に突出した円柱形状の部材である。
【0048】
図5は、本実施形態の携帯電話端末100の内部構成と、ホルダ500の内部構成とを示すブロック図である。
携帯電話端末100は、上述した操作キー111と、通常モードマイク112と、通常モードスピーカ122と、メインディスプレイ121と、サブディスプレイ123と、ハンズフリーマイク131と、ハンズフリースピーカ132と、コイル161との他に、携帯電話制御部151と、通話モード検出部152と、スピーカ制御部153と、音声認識部154と、マイク入力制御部155と、充電部162と、充電池163と、認証部164とを備えている。
【0049】
携帯電話制御部151は、CPUやメモリと、これらにより実行されるコンピュータプログラムにより構成され、携帯電話端末100の動作を統括して制御する制御部である。携帯電話制御部151は、操作キー111による操作入力結果、及び、音声認識部154による認識結果に応じて制御を行う。また、携帯電話制御部151は、通話モード検出部152による検出結果に応じて通話モードを通常モードとハンズフリーモードとのいずれかに切り替える。
また、携帯電話制御部151は、認証部164の認証結果に応じて、通話モードのハンズフリーモードへの切り替えを行わせずに、強制的に通常モードとする。
【0050】
通話モード検出部152は、通話モードとして通常モードとハンズフリーモードとのいずれを利用者が選択したのかを検出する。具体的には、通話モード検出部152は、着信があったときに、終了キー111b以外の操作キー111が操作されたか、及び、音声認識部154により通話開始を指示する音声が認識されたかによって、利用者が選択した通話モードを検出する。通話モード検出部152は、検出結果を携帯電話制御部151へ伝える。
【0051】
スピーカ制御部153は、通話モード検出部152の検出結果に応じて、ハンズフリースピーカ132の制御を行う。
【0052】
音声認識部154は、マイク入力制御部155を介して得たハンズフリーマイク131からの音声から、利用者が指示する内容を、利用者の音声を音声認識処理して認識する。本実施形態では、「電話に出る」という音声と、「電話を切る」という音声とを認識する。音声認識部154は、音声認識の結果、上記「電話に出る」又は「電話を切る」という音声を認識した場合に、その結果を通話モード検出部152へ伝える。また、本実施形態の音声認識部154は、利用者個人の音声を認識する。したがって、利用者以外の人物が「電話に出る」又は「電話を切る」という音声を発しても、その場合は、利用者がその旨のコマンド(音声)を発していないものとして取り扱う。
【0053】
マイク入力制御部155は、通話モード検出部152の検出結果に応じて、ハンズフリーマイク131の制御を行う。
【0054】
充電部162は、コイル161を介して得た電力を用いて充電池163への充電を行う回路である。
【0055】
充電池163は、携帯電話端末100が用いる電力を供給する電源であり、充電部162により充電が行われる。
【0056】
上述したコイル161と、充電部162と、充電池163とにより、ホルダ500との間で無接点充電を行う無接点充電部が形成されている。
【0057】
認証部164は、ホルダ500に対して携帯電話端末100が保持されたことを認証する。本実施形態では、ホルダ500が充電機能を備えていることから、携帯電話端末100とホルダ500との組み合わせで充電を行えるのか否かの判断をするためにも、この認証部164の認証結果を用いている。認証部164の認証結果は、携帯電話制御部151へ送られる。
【0058】
次に、本実施形態の携帯電話端末100の使用方法と動作について説明する。
図6は、携帯電話端末100の使用形態の一例を示す図である。
本実施形態の携帯電話端末100は、ハンズフリーモードを実行可能であることから、図6に示すようにベルト600に取り付けたホルダ500に装着した形態でハンズフリー通話を行える。
【0059】
図7は、携帯電話端末100の着信から通話終了までの動作を示すフローチャートである。
図7の動作を開始する前には、予め、利用者が通常モードスピーカ122の音量設定と、ハンズフリーマイク131の入力設定として雑音抑制を行うか否かの設定とを行う。なお、ハンズフリースピーカ132の音量設定についても、予め行うようにしてもよい。
【0060】
ステップ(以下、単にSとする)101では、携帯電話端末100に電話の着信がある。
【0061】
S102では、携帯電話端末100がホルダ500に装着されており、充電認証が正しくなされているか否かの判断を行う。この充電認証とは、携帯電話端末100とホルダ500との間で正しく充電が行えるものであるのか否かを確認するための認証である。
この充電認証が正しく行われている場合には、携帯電話端末100がホルダ500に正しく装着されており、携帯電話端末100の向きが所定の向きに保持されている。よって、S102において、充電認証が正しくされている場合(Yes)には、ハンズフリーモードの利用が可能であることから、S103へ進む。
一方、充電認証が正しく行われていない場合には、携帯電話端末100の向きが所定の向きにある保証がない。よって、S102において、充電認証が正しく行われていない場合(No)には、強制的に通常モードとするために、S105へ進む。
【0062】
ここで、認証を行うときの携帯電話端末100とホルダ500との間における情報のやり取りについて説明する。
図8は、携帯電話端末100とホルダ500との間における認証動作を説明する図である。
ホルダ500に携帯電話端末100が装着されると、ホルダ500から携帯電話端末100へ充電に関わる制御信号が送られる。携帯電話端末100は、ホルダ500からの制御信号に対する応答をホルダ500に対して返送することにより、pingが実行される。ホルダ500は、携帯電話端末100からの応答が無い場合、pingを停止する。また、携帯電話端末100が既に十分に充電されている場合には、携帯電話端末100は、電力伝送完了の信号をホルダ500へ送る。
ホルダ500は、携帯電話端末100を受電デバイスとして検出(pingが成功)すると、受電デバイスとしての携帯電話端末100の認証と構成の確認とを行う。ホルダ500は、「電力伝送契約なし」、「予期せぬパケット」、「伝送エラー」、「タイムアウト」等の情報を検出すると、充電面510a上の物体を検出する初期状態へ戻る。
デバイスの認証、構成の確認が完了すると、電力伝送が実施される。このとき、ホルダ500が「電力伝送契約違反」、「予期せぬパケット」、「タイムアウト」等の情報を検出すると、充電面510a上の物体を検出する初期状態へ戻る。また、携帯電話端末100が既に十分に充電された場合には、携帯電話端末100は、電力伝送完了の信号をホルダ500へ送る。
【0063】
S103では、音声認識部154が、ハンズフリーマイク131からの音声入力に対する音声認識を開始する。
【0064】
S104では、通話モード検出部152が、通話モードとして通常モードとハンズフリーモードとのいずれを利用者が選択したのかを検出する。操作キー111が押されたことにより、通常モードが選択されたときには、S105へ進む。一方、「電話に出る」という音声によりコマンド入力されたことにより、ハンズフリーモードが選択されたときには、S107へ進む。
【0065】
S105では、携帯電話制御部151は、通話モードとして通常モードを選択して実行する。
S106では、携帯電話制御部151は、通常モードスピーカ122の音量を利用者による設定値とする等、通常モードによる通話に必要な各種設定を行う。
S107では、通常モードによる通話を開始する。
【0066】
S108では、音声認識部154が、音声認識を継続する。
S109では、携帯電話制御部151は、通話モードとしてハンズフリーモードを選択して実行する。
【0067】
S110では、携帯電話制御部151は、音声の出力先をハンズフリースピーカ132とし、このハンズフリースピーカ132の音量を大音量に設定する等、ハンズフリーモードによる通話に必要な各種設定を行う。
【0068】
S111では、ハンズフリーモードにより通話を開始する。
S112では、通話を終了する。ここで、通常モードとハンズフリーモードとのいずれのモードにおいても、終了キー111bが押された場合には、通話を終了する。また、ハンズフリーモードの場合には、「電話を切る」という音声を認識したときに終了させるように設定することもできる。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、着信があったときに、手を使うことなく電話に出ることができる。また、「電話を切る」という音声を認識すれば、着信応答から通話終了まで一切手を使うことなく携帯電話端末100を利用することが可能となる。さらに、ハンズフリーマイク131及びハンズフリースピーカ132に指向性を持たせたので、音声認識の精度が高くなり、また、秘話性も高めることができる。さらにまた、ハンズフリーマイク131は、雑音成分を抑制することができるので、より正確に利用者の音声を認識できるとともに、通話をより明瞭な音声で行うことができる。本実施形態の携帯電話端末100は、上述したようにハンズフリーで着信から通話終了まで行えるので、例えば、手に障害を持つ障害者にとっても有益な装置となる。その上、携帯電話端末100は、ホルダ500に装着されていることを認証して、認証が正しく行われていない場合には、強制的に通常モードとするので、携帯電話端末100がハンズフリーモードに適した状態で保持されている状態で、ハンズフリーモードを実行できる。
【0070】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0071】
(変形形態)
(1)本実施形態において、ハンズフリーマイク131及びハンズフリースピーカ132を上端に設けた形態を例に挙げて説明した。これに限らず、例えば、ハンズフリーマイク及びハンズフリースピーカは、携帯電話端末の側端部や下端部等、他の場所に設けられていてもよい。その場合、通常使用されるときの利用者の顔の向きにハンズフリーマイク及びハンズフリースピーカの指向性の軸方向を合わせるとよい。
【0072】
(2)本実施形態において、携帯電話端末の姿勢を検出する姿勢検出部を設けて、姿勢検出結果に応じて携帯電話制御部が、警告等を行うようにしてもよい。具体的には、姿勢検出部によってハンズフリーマイク及びハンズフリースピーカの指向性の方向が上方を向いていないと判断される場合に、携帯電話制御部が、ハンズフリースピーカから警告音やガイド音声等を発するとよい。
【0073】
(3)本実施形態において、携帯電話端末は、折りたたみ可能な形態である例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、2つの筐体が互いにスライド移動するいわゆるスライド型であってもよいし、移動可能な筐体部分を持たない、いわゆるストレート型の形態をした携帯電話端末であってもよい。
【0074】
(4)本実施形態において、携帯電話端末100は、ホルダ500との間で無接点充電を行うことができる例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、ホルダに充電機能が無く、単に携帯電話端末100が装着されたことを認証することができるように構成されているものであってもよい。
【0075】
(5)本実施形態において、携帯電話端末100は、ホルダ500との間で、コイルを利用して認証情報をやり取りする例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、他の形態の近距離無線通信を利用してもよいし、接点を介した通信により認証情報のやり取りを行うようにしてもよい。
【0076】
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0077】
100 携帯電話端末
110 第1の筐体
111 操作キー
111a 発信キー
111b 終了キー
112 通常モードマイク
113 コイル
120 第2の筐体
121 メインディスプレイ
122 通常モードスピーカ
123 サブディスプレイ
130 軸部
131 ハンズフリーマイク
131a 指向性マイク
131b 無指向性マイク
132 ハンズフリースピーカ
151 携帯電話制御部
152 通話モード検出部
153 スピーカ制御部
154 音声認識部
155 マイク入力制御部
161 コイル
162 充電部
163 充電池
164 認証部
500 ホルダ
510 本体部
510a 充電面
511 コイル
520 側端規制部
530 下端規制部
531 支持部材
540 ベルト穴
600 ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信により音声通話を行う携帯電話端末であって、
指向性を有する指向性マイクと、
前記指向性マイクにより得た音声から特定の音声を認識する音声認識部と、
当該携帯電話端末の向きを所定の向きに保持するホルダに対して当該携帯電話端末が保持されたことを認証する認証部と、
前記音声認識部による認識結果及び前記認証部による認証結果に応じて当該携帯電話端末の動作を制御する制御部と、
を備える携帯電話端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯電話端末において、
前記指向性マイクは、当該携帯電話端末の上端又は当該携帯電話端末の収納形態における上端に配置されていること、
を特徴とする携帯電話端末。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯電話端末において、
当該携帯電話端末の姿勢を検出する姿勢検出部を有し、
前記制御部は、前記姿勢検出部によって前記指向性マイクの集音性の高い方向が上方を向いていないと判断されるときに、その旨の警告を行うこと、
を特徴とする携帯電話端末。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の携帯電話端末において、
指向性を有する指向性スピーカを備えること、
を特徴とする携帯電話端末。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯電話端末において、
前記指向性スピーカは、当該携帯電話端末の上端又は当該携帯電話端末の収納形態における上端に配置されていること、
を特徴とする携帯電話端末。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の携帯電話端末において、
前記指向性スピーカによる音声の到達効率が高い方向は、前記指向性マイクによる音声の集音効率が高い方向と同一の方向であること、
を特徴とする携帯電話端末。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の携帯電話端末において、
前記音声認識部は、少なくとも、通話開始と通話終了とを指示する音声を認識すること、
を特徴とする携帯電話端末。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の携帯電話端末において、
前記音声認識部は、利用者個人の音声を特定して音声を認識すること、
を特徴とする携帯電話端末。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の携帯電話端末において、
着信があったときに通話開始を利用者が操作して指示を行う通話操作部と、
前記通話操作部が操作されたこと、及び/又は、前記音声認識部により通話開始を指示する音声が認識されたことによって、通話モードを通常モードとハンズフリーモードとのいずれを利用者が選択したのかを検出する通話モード検出部と、
を備え、
前記制御部は、前記通話モード検出部による検出結果に応じて通話モードを通常モードとハンズフリーモードとのいずれかに切り替えること、
を特徴とする携帯電話端末。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の携帯電話端末において、
前記指向性マイクが集音する音声から、利用者の音声以外の雑音を軽減するために環境音を集音する環境音マイクを備えること、
を特徴とする携帯電話端末。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の携帯電話端末において、
前記ホルダとの間で無接点充電を行う無接点充電部を備えること、
を特徴とする携帯電話端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−74574(P2013−74574A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213990(P2011−213990)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】