説明

搾乳用バケットを用いた搾乳システム及び搾乳方法

【課題】搾乳終了後に真空チューブの接続部を集乳配管から外す際の騒音の発生を防ぐ搾乳システムであり、搾乳用バケットの蓋が運搬時等に外れる事故を減らすことのできる搾乳システムを提供する。
【解決手段】真空源と、搾乳用バケットBと、該搾乳用バケットBに接続され手動で開閉可能な乳路遮断機構を備えた搾乳ユニットと、前記真空源に接続されて前記搾乳用バケットBの上部に真空圧を導入する真空導入手段と、前記真空源からの真空圧の分配を受けて脈動真空圧を発生し搾乳ユニットに供給するパルセータPを備え、前記真空導入手段はさらに真空源側へ向かって開く逆止弁を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搾乳用バケットを用いた搾乳システム及び搾乳方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
搾乳用バケットは搾乳後の乳を一時貯溜しておく運搬可能な容器であり、ミルククロー等の搾乳ユニット及び真空導入手段と共に簡易な搾乳システム(バケットミルカー)として用いられる。真空配管式搾乳機を使用する牛舎では、牛舎の真空配管を搾乳用バケットの上部に連結することで上記の搾乳システムを構成できるので、乳房炎にかかった治療牛の生乳や子牛分娩後の牛から分泌される初乳を、出荷可能な生乳と独立して管理するために広く利用されている。
【0003】
広く用いられる真空配管式搾乳機では、真空ポンプより真空圧を供給された真空配管を牛舎に配設し、牛床に隣接する箇所にタップを設けてある。通常の搾乳であれば、ミルククロー、ティートカップ、パルセータを含む可搬式の搾乳ユニットをタップに接続して、真空圧をミルククロー及びパルセータに供給し、搾った生乳を真空配管を介して牛舎のレシーバージャーに回収する。別の改良された真空配管式搾乳機では、パルセータに送られる搾乳用真空圧が送乳量により変化しないように真空圧調節手段により個別に調整される真空配管と集乳配管の二種類の配管を備えており、真空配管から搾乳用真空圧がパルセータに供給され、搾った生乳は集乳配管から供給される送乳用真空圧によりレシーバージャーに回収される。搾乳用バケットの真空源としてはいずれの配管を用いてもよい。
【0004】
図5は真空配管式搾乳機と搾乳用バケットを併用する搾乳システム(バケットミルカー)の一例である。真空配管Vと集乳配管Mの二種類の配管が牛舎の上部に配設されており、各牛床Aに隣接して真空供給と集乳の機能を有するタップTが設けられている。搾乳用バケットBは口部が絞られた略円筒形のステンレス製又はプラスチック製の容器であり、上部には運搬用のハンドルHが設けられ、口部には外部機器に接続するための接続構造を備えた取り外し可能な蓋Lが設けられている。コネクタCをタップTに接続すると、集乳配管Mから搾乳用バケットBの内部に真空圧が供給される。蓋Lに設けられた生乳入口は生乳チューブmを介して搾乳ユニットUのミルククローcに接続されており、搾乳用バケットB内の真空圧の一部が蓋Lの上部に設置したパルセータPに分配され、搾乳用の脈動真空圧が搾乳ユニットUのティートカップtに供給される。ティートカップtの内部は不図示の柔軟なライナーにより乳路と周囲の空間に区分されており、周囲の空間に脈動真空圧が供給されることによりライナーが作動し、搾乳が行われる。ティートカップtで搾られた生乳は真空圧によりミルククローcを介して搾乳用バケットBに吸引され、搾乳用バケットBの内部に貯留される。
【0005】
図2はこのバケットミルカーで使用されるミルククローcの一例である。ミルククロー本体50の上部にはティートカップに連通する4個の生乳入口51が設けられ、下部には搾乳用バケットBに連通する生乳出口52が設けられている。上部にはまた脈動真空圧を中継するための接続機構が設けられているが説明を省略する。
【0006】
生乳出口52にはさらに、乳路遮断機構としてミルククローの外から手動で開閉を切り替えることのできる切替弁6が設けられている。切替弁6の構造は、半球状の樹脂製の弁体61と嵌合する弁座62が生乳出口52の内側に設けられ、接続桿63が弁体61に一端を固定され弁座を貫通しており、他端はミルククロー外部の円板状の樹脂製の操作部64に固定されている。操作部64はミルククローの対応する爪部65に縁を挟持されて、弁を開く上側位置と切替弁を閉じる下側位置のいずれかに保持される。作業者は手動で操作部64を変形させて上下移動させることにより、ミルククローの生乳出口52を開閉する。従って搾乳終了後、ティートカップを取り外す前にこの切替弁6で乳路を遮断することにより、ティートカップの口部から搾乳用バケットBに大気が流入して真空圧を消費するのを防ぐことができる。
【0007】
この搾乳システムを使用して搾乳を行うには、牛床Aの近くに搾乳用バケットBを設置し、乳牛の各乳頭にそれぞれ搾乳ユニットUのティートカップtを接続する。そして集乳配管Mの所定箇所に設けられた接続口Tに、コネクタCを接続すると、搾乳用バケットB内部が真空圧になり、またパルセータPから搾乳ユニットUの各ティートカップtに搾乳用の真空圧が供給され、搾乳が開始し、ミルククローcの切替弁を開くことで内部の生乳が搾乳用バケット本体Bに送られる。作業者は搾乳用バケットBのミルク量を見ながら泌乳終了を確認し、ミルククローcの切替弁を閉じて搾乳用バケットからの真空圧を遮断し、乳頭からティートカップtを取り外し、最後にコネクタCを接続口Tから取り外して搾乳作業を終了する。真空圧の消費防止のため、コネクタCが取り外されるとタップTの開口は自動的に閉じられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
バケットミルカーによる搾乳では、真空の浪費を防ぐため、ミルククローに切替弁が設けられており、ティートカップを乳頭から外した後も搾乳用バケットの内部は負圧に保つ工夫がされている。ところが従来の搾乳用バケットの接続構造では、搾乳終了後に真空側ミルクチューブのミルクタップを集乳配管から外す際に、搾乳用バケット及びミルクチューブ内に一気に大気が流入して騒音を発する問題があった。ミルクタップは乳牛のすぐ近くにあるため、この音で牛が驚いて暴れ、搾乳機器を破損したり、乳牛のストレスの元になる。また無駄な騒音は作業者自身にとっても気持ちの良いものではない。そこで本発明は、搾乳終了後にミルクタップを集乳配管から外す際の騒音の発生を防ぐ搾乳システムを提供することを第一の目的とする。
【0009】
またタップを外した後は大気の流入により搾乳用バケット内の気密が低下し、バケットの蓋を保持する力が弱まるため、搬送中に落下した場合や、牛がバケットを蹴倒した場合に外れてしまうことがあり、衛生上問題があった。本発明は、搾乳後に蓋が外れる事故を減らすことのできる搾乳システムを提供することを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、真空源と、搾乳用バケットと、該搾乳用バケットに接続され手動で開閉可能な乳路遮断機構を備えた搾乳ユニットと、前記真空源に接続されて前記搾乳用バケットに真空圧を導入する真空導入手段と、前記真空源からの真空圧の分配を受けて脈動真空圧を発生し搾乳ユニットに供給するパルセータを備え、前記真空導入手段はさらに真空源側へのみ開く逆止弁を備えていることを特徴とする搾乳システムにより、上記の課題を解決する。
【0011】
本発明に係る真空導入手段は真空源側へ向かって開く逆止弁を備えている。この逆止弁は、真空源側へ向かう空気を通し、搾乳用バケット側に向かう空気を遮断するもので、搾乳時には弁が開いて真空を通し、接続部(コネクタ)をタップから外すと、弁を閉じて搾乳用バケットの方向に大気が流入するのを防ぐ。従って、搾乳後に接続部をタップから外した時に急激な空気の流入で大きな音が生じるのを防ぐことができる。また搾乳用バケット内の負圧を維持することにより、蓋の保持力を維持し、蓋が外れる事故を減らすことができる。
【0012】
真空導入手段は、例えば搾乳用バケットの蓋部に接続された真空チューブと、真空チューブの他端に連結されたコネクタと、これらの経路の中に配設された逆止弁とからなる。搾乳中は真空チューブが真空圧の変動により不意に移動して逆止弁を破損する可能性があるので、逆止弁の装着位置は、接続部又は搾乳用バケットの付近とすることが好ましい。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の搾乳システムにおいて、前記パルセータを前記搾乳用バケットの蓋に一体的に設けたものである。パルセータを搾乳用バケットの蓋に一体的に設けた場合にも、真空導入手段に逆止弁を追加することにより同様の騒音防止作用と真空保持作用を実現できる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の搾乳システムにおいて、前記逆止弁を前記真空導入手段が前記真空源に接続される接続部付近に設けたものである。逆止弁を接続部付近に設けたことにより、真空チューブ内に残留した真空圧により騒音を発生する心配がなく、また多くの真空を残すので蓋の保持力の上で有利である。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の搾乳システムにおいて、前記逆止弁を前記搾乳用バケット付近に設けたものである。逆止弁を搾乳用バケット付近に設けたことにより、逆止弁が落下する恐れが少ないので衛生上有利である。
【0016】
なお、搾乳用バケット内部の真空導入手段の開口部に、搾乳用バケットの底部付近に届く延長部材を装着するとともに、洗浄液を貯留した洗浄槽にティートカップの先端を沈めることにより、搾乳ユニット、搾乳用バケット、真空配管を含む洗浄回路を形成し、真空配管式搾乳機のポンプを利用して洗浄液を循環させて洗浄を行う自動洗浄システムが知られているが、真空導入手段に逆止弁を配設した本搾乳システムにおいても、逆止弁が洗浄液の流れを妨げることはなく同様の手順で自動洗浄を行うことができ、それにより逆止弁の内部も自動洗浄される。
【0017】
請求項5記載の発明は、真空源と、搾乳用バケットと、手動で開閉可能な乳路遮断機構を備えた搾乳ユニットと、真空源より前記搾乳用バケットに真空圧を導入する機能を有しかつ真空源側へのみ開く逆止弁を備えた真空導入手段と、前記真空源から真空圧の分配を受けて脈動真空圧を搾乳ユニットに供給するパルセータとを用いて搾乳する方法であって、少なくとも次の工程
(1)搾乳ユニットのティートカップを牛の乳頭に装着する工程、
(2)真空導入手段を真空源に接続して搾乳用バケットに真空圧を導入する工程、
(3)泌乳終了を確認後、搾乳ユニットの乳路遮断機構により乳路を遮断させる工程、
(4)乳頭から搾乳ユニットのティートカップを取り外す工程、
(5)真空源から真空導入手段を取り外す工程
を有することを特徴とする搾乳方法により、上記の課題を解決する。
【0018】
工程(3)において搾乳ユニットからの生乳・大気の流入が遮断されるため、ティートカップを取り外しても搾乳用バケットの内部は真空圧に維持されている。しかし真空導入手段には真空源側へ向かって開く逆止弁が配設されているため、工程(5)で真空導入手段を真空源から取り外しても搾乳用バケット側への大気の流入がなく、騒音の発生が防がれる。また搾乳用バケット内の負圧が運搬時も維持されるので、バケット蓋部の保持力が失われず、脱落による汚染のおそれが少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の具体的な実施形態について説明する。
【0020】
図1は本発明に係る搾乳システムの一例を示す。図5と同様に、真空配管Vと集乳配管Mの二種類の配管が牛舎の上部に配設されており、各牛床Aに隣接して真空供給と集乳の機能を有するタップTが設けられている。搾乳用バケットBは口部が絞られた略円筒形のステンレス製又はプラスチック製の容器であり、上部には運搬用のハンドルHが設けられ、口部には外部機器に接続するための接続構造を備えた取り外し可能な蓋Lが設けられている。また蓋Lを貫くパイプ部材の上端に真空チューブvが接続され、真空チューブvの他端はコネクタCに連通して真空導入手段を構成している。蓋Lに設けられた生乳入口は生乳チューブmを介して搾乳ユニットUのミルククローcの生乳出口に接続されている。蓋Lの上部には、搾乳用バケットBから真空圧の分配を受けて脈動真空圧を供給する電磁式のパルセータPが設置されている。さらに真空チューブvとコネクタCの間に、コネクタC側に向かう一方向にのみ開く弁体を備えた逆止弁組立体1が配設されている。
【0021】
コネクタCをタップTに接続すると、集乳配管Mから搾乳用バケットBの内部に真空圧が供給され、その一部がパルセータPに分配され、搾乳用の脈動真空圧が搾乳ユニットUのティートカップtに供給される。ティートカップtの内部は不図示の柔軟なライナーにより乳路と周囲の空間に区分されており、周囲の空間に脈動真空圧が供給されることによりライナーが作動し、搾乳が行われる。ティートカップtで搾られた生乳は真空圧によりミルククローcを介して搾乳用バケットBに吸引され、搾乳用バケットBの内部に貯留される。
【0022】
本実施例のミルククローcの乳路遮断機構は図2のものと同様であるから、同じ符号を用いて説明すると、ミルククロー本体50の上部にはティートカップに連通する4個の生乳入口51が設けられ、下部には搾乳用バケットBに連通する生乳出口52が設けられている。また生乳出口52には乳路遮断機構としてミルククローの外から手動で開閉を切り替えることのできる切替弁6が設けられている。切替弁6の構造は、半球状の樹脂製の弁体61と嵌合する弁座62が生乳出口52の内側開口部に設けられ、接続桿63が弁体61に一端を固定されて弁座62を貫通しており、他端はミルククロー外部の円板状の弾力ある樹脂製の操作部64に固定されている。操作部64はミルククローの対応する爪部65に縁を挟持されて、弁を開く上側位置と切替弁を閉じる下側位置のいずれかに保持される。作業者は手動で操作部64を変形させて上下移動させることにより、ミルククローの生乳出口52を開閉することができる。
【0023】
作業者は、生乳の流れ及び貯留量を見ながら泌乳終了を確認した後、ミルククローcの切替弁6の操作部64を押し上げて乳路を遮断し、搾乳用バケットBの真空圧の影響を受けないようにしてから、乳頭から各ティートカップtを取り外す。その後作業者はコネクタCをタップTから取り外して搾乳作業を終了する。このとき逆止弁1が真空チューブvの入口を遮断し、搾乳用バケットB内部に大気が流入するのを防ぐので、コネクタCからの騒音の発生が防止される。その後、搾乳用バケットBに収容された生乳に対して、必要な後処理を行うが、作業者が蓋Lを取り外すまでバケット内部の負圧が維持されているので、搬送中の落下や牛の蹴倒しにより蓋Lが外れる事故が防止される。
【0024】
図3及び4は本実施例に係る逆止弁組立体1の組立時及び分解時の外観を示す。逆止弁組立体1は、弁体101、第一ニップル102、第二ニップル103、レジューサナット104からなる。弁体101はゴムから成形された略円筒形の部材であり、不図示の内面には管路を閉じる隔壁が設けられており、隔壁の一部を第一ニップル102の内部へ開くことにより管内の流体を一方のみに流すことができる。第一及び第二のニップルは硬質のプラスチックから成形された略円筒形の部材であり、第一ニップル102は弁体101と隣接する側に拡径部102aを有し、さらに開口周囲に環状突起102bが設けられている。第二ニップル103は弁体101と隣接する側に拡径された螺設部103aを有している。レジューサナット104は硬質のプラスチックから成形された円筒形の部材であり、内面には前記環状突起102b及び螺設部103aの外径と対応する内径を有する拡径部104a、及び螺設部103aの螺条と対応する溝部104bが設けられている。また外面には把握を容易にするための凹凸部104cが設けられている。
【0025】
逆止弁組立体1を組み立てるには、図4に示すごとく弁体101を第一ニップル102と第二ニップル103の間に配置して各端面を当接又は嵌合させ、レジューサナット104の拡径部104aを第一ニップル102の側から外嵌し、凹凸部104cを握って第二ニップル103に対して回転させることにより、内面の溝部104bが第二ニップル103の螺設部103aに螺合して固定する。逆止弁組立体1は、第一ニップル102が真空源側、第二ニップル103が搾乳用バケット側となるように真空チューブを接続することにより、容易に既存の搾乳システムに追加することができる。逆止弁組立体1の取り付け位置は、真空チューブvの振動によって故障したり搾乳用バケットBを破損しないようにチューブの長さを調節する必要があるため、例えばコネクタcから10cm以内とすることが好ましい。
【0026】
搾乳用バケットB内部のパイプ部材の下端開口部に搾乳用バケットの底部付近まで届く延長部材を装着するとともに、洗浄液を貯留した洗浄槽(不図示)にティートカップtの先端を沈め、コネクタcをタップTに接続することにより、搾乳ユニットU、搾乳用バケットB、真空チューブv、集乳配管Mを含む洗浄回路を形成し、真空配管式搾乳機のポンプを利用して洗浄液を循環させれば、逆止弁を含めて自動洗浄を行うことができる。
【0027】
なお本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成、形状、素材、数量、手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更、追加、削除することができる。例えば真空源は牛舎の集乳配管以外のものでもよい。また逆止弁の構成は別のものであってもよく、逆止弁を配設する位置をコネクタ付近でなく、搾乳用バケットの付近にしたり、コネクタ又は搾乳用バケットと一体に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明では、従来のバケットミルカーに対しても逆止弁の追加のみでコネクタ取り外し時の騒音や不都合な蓋の脱落を防止することができるので、大きな意義がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る搾乳システムの全体図である。
【図2】ミルククローの乳路遮断機構の構成を示す縦断面図である。
【図3】実施例に係る逆止弁を組み立てた状態を示す側面図である。
【図4】実施例に係る逆止弁を分解した状態を示す側面図である。
【図5】搾乳用バケットを用いた従来の搾乳システムの全体図である。
【符号の説明】
【0030】
A 牛床
B 搾乳用バケット
C コネクタ
H ハンドル
L 蓋
M 集乳配管
P パルセータ
T タップ
V 真空配管

c ミルククロー
m 生乳チューブ
v 真空チューブ
t ティートカップ

1 逆止弁組立体
101 弁体
102 第一ニップル
102a 拡径部
102b 環状突起
103 第二ニップル
103a 螺設部
104 レジューサナット
104a 拡径部
104b 溝部
104c 凹凸部

50 ミルククロー本体
51 生乳入口
52 生乳出口

61 弁体
62 弁座
63 接続桿
64 操作部
65 爪部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空源と、搾乳用バケットと、該搾乳用バケットに接続され手動で開閉可能な乳路遮断機構を備えた搾乳ユニットと、前記真空源に接続されて前記搾乳用バケットに真空圧を導入する真空導入手段と、前記真空源からの真空圧の分配を受けて脈動真空圧を発生し搾乳ユニットに供給するパルセータを備え、前記真空導入手段はさらに真空源側へのみ開く逆止弁を備えていることを特徴とする搾乳システム。
【請求項2】
前記パルセータを前記搾乳用バケットの蓋に一体的に設けたことを特徴とする請求項1記載の搾乳システム。
【請求項3】
前記逆止弁を前記真空導入手段が前記真空源に接続される接続部付近に設けたことを特徴とする請求項1または2記載の搾乳システム。
【請求項4】
前記逆止弁を前記搾乳用バケット付近に設けたことを特徴とする請求項1または2記載の搾乳システム。
【請求項5】
真空源と、搾乳用バケットと、手動で開閉可能な乳路遮断機構を備えた搾乳ユニットと、真空源より前記搾乳用バケットに真空圧を導入する機能を有しかつ真空源側へのみ開く逆止弁を備えた真空導入手段と、前記真空源から真空圧の分配を受けて脈動真空圧を搾乳ユニットに供給するパルセータとを用いて搾乳する方法であって、少なくとも次の工程
(1)搾乳ユニットのティートカップを牛の乳頭に装着する工程、
(2)真空導入手段を真空源に接続して搾乳用バケットに真空圧を導入する工程、
(3)泌乳終了を確認後、搾乳ユニットの乳路遮断機構により乳路を遮断させる工程、
(4)乳頭から搾乳ユニットのティートカップを取り外す工程、
(5)真空源から真空導入手段を取り外す工程
を有することを特徴とする搾乳方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−217684(P2011−217684A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91293(P2010−91293)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)