説明

摂取栄養管理装置、摂取栄養管理方法及び摂取栄養管理プログラム

【課題】 家族等のグループを構成するメンバー間で購入した食材等に関する情報を共有し、各メンバーの摂取栄養の管理を簡便に行う摂取栄養管理装置を提供すること。
【解決手段】 摂取栄養管理装置は、グループを構成するメンバーの情報を記憶するメンバー記憶部と、摂取栄養情報を記憶する摂取栄養情報記憶部と、購入した食材毎に、食材に関する食材情報を取得する食材情報取得部と、食材情報を栄養情報に変換する情報変換部と、栄養情報をメンバーに配信する情報配信部と、配信された栄養情報を含む摂取栄養情報を管理する摂取栄養管理部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家族等のグループを構成するメンバー間で購入した食材等に関する情報を共有し、各メンバーの摂取栄養の管理を簡便に行う摂取栄養管理装置、摂取栄養管理方法及び摂取栄養管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、顧客が料理をする際に、顧客が食料品を購入した際に食料品に係る種々の情報が記録されたレシートから情報を読み取ると共に必要な食料品の重量を計測し、既存の貯蔵食料品データを処理して最適なメニューを選択する栄養診断用情報処理装置について開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、携帯電話機の使用者が外食に関するデータを携帯電話機から家庭用コンピュータに送信すると、家庭用コンピュータが、実際に摂取される外食の栄養価を推定し、その推定結果に基づいてその外食の栄養バランスを評価する外食栄養バランス評価プログラムについて開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開昭59−153253号公報
【特許文献2】特開2002−230175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数人で構成される家族等のグループで食品が共有される場合には、各個人が摂取する栄養の管理やカロリー等のデータの入力を簡便に行うことができない。また、各個人の食事の形態が外食かそうでないかに応じて、各個人の栄養管理項目や全体的な管理項目をその都度修正する必要があるが、この修正に手間がかかる。
【0006】
本発明の目的は、家族等のグループを構成するメンバー間で購入した食材等に関する情報を共有し、各メンバーの摂取栄養の管理を簡便に行う摂取栄養管理装置、摂取栄養管理方法及び摂取栄養管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、グループを構成するメンバーの情報を記憶するメンバー記憶部と、摂取栄養情報を記憶する摂取栄養情報記憶部と、購入した食材毎に、食材に関する食材情報を取得する食材情報取得部と、前記食材情報を栄養情報に変換する情報変換部と、前記栄養情報を前記メンバーに配信する情報配信部と、前記配信された栄養情報を含む前記摂取栄養情報を管理する摂取栄養管理部と、を備えた摂取栄養管理装置を提供する。
【0008】
上記摂取栄養管理装置では、前記食材情報は、前記購入した食材の総栄養価に関する情報を含み、前記情報変換部は、前記購入した食材毎の、1人が1食当たり平均的にどれだけの栄養価を摂取するかを示す摂取量情報、及び平均的にどれだけの期間でその食材を消費しきるかを示す摂取期間情報を含む摂取情報と、前記購入した食材毎の、その食材を共有するメンバーに関する食材共有グループ情報と、に基づいて、前記食材情報を前記栄養情報に変換する。
【0009】
上記摂取栄養管理装置では、前記栄養情報は、前記購入した食材毎の、前記摂取量情報、前記摂取期間情報が示す期間を前記食材共有グループ情報が示す共有人数で割った消費期間情報、及び前記食材共有グループ情報を含む。
【0010】
上記摂取栄養管理装置では、前記摂取量情報は、前記購入した食材毎の、1人が1食当たり平均してどれだけの栄養価を摂取するかを示す情報である。
【0011】
上記摂取栄養管理装置では、前記摂取期間情報が示す期間は、1人が平均してどれだけの期間でその食材を消費しきるかの期間であって、食事数によって示される。
【0012】
上記摂取栄養管理装置では、前記摂取栄養管理部は、所定の時刻が経過毎に、前記摂取栄養情報記憶部が記憶する前記摂取栄養情報に含まれる各栄養情報の前記消費期間情報が示す期間を所定分ずつ減ずる。
【0013】
上記摂取栄養管理装置では、前記摂取栄養管理部は、前記所定の時刻の経過前に、前記摂取栄養情報に示された1食当たりの栄養価を前記購入した食材から摂取しない旨の情報が得られたとき、前記摂取栄養情報に含まれる各栄養情報に示された1食当たりの栄養価を、前記消費期間情報が示す期間を所定分減らした期間と前記食材共有グループ情報が示す共有人数の乗算値で割った値を示す補正栄養情報を生成し、前記情報配信部は、前記補正栄養情報を前記食材共有グループ情報が示す共有メンバーに配信し、前記摂取栄養管理部は、前記配信された補正栄養情報を前記摂取栄養情報に含める。
【0014】
上記摂取栄養管理装置では、前記摂取栄養管理部は、前記所定の時刻の経過後に、前記配信された補正栄養情報を前記摂取栄養情報に含める。
【0015】
本発明は、グループを構成するメンバーの情報を記憶するメンバー記憶部と、摂取栄養情報を記憶する摂取栄養情報記憶部と、購入した食材毎に、食材に関する食材情報を取得する食材情報取得部と、前記食材情報を栄養情報に変換する情報変換部と、前記栄養情報を前記メンバーに配信する情報配信部と、前記配信された栄養情報を含む前記摂取栄養情報を管理する摂取栄養管理部と、を備えた摂取栄養管理装置が行う摂取栄養管理方法であって、前記食材情報取得部が、購入した食材毎に、食材に関する食材情報を取得するステップと、前記情報変換部が、前記食材情報を栄養情報に変換するステップと、前記情報配信部が、前記栄養情報を前記メンバーに配信するステップと、前記摂取栄養管理部が、前記配信された栄養情報を前記摂取栄養情報に含めるステップと、を有する摂取栄養管理方法を提供する。
【0016】
本発明は、コンピュータに、上記摂取栄養管理方法に記載の各ステップを実行させるための摂取栄養管理プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る摂取栄養管理装置、摂取栄養管理方法及び摂取栄養管理プログラムによれば、家族等のグループを構成するメンバー間で購入した食材に関する情報を共有し、各メンバーの摂取栄養の管理を簡便に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、一実施形態の摂取栄養管理装置を含むシステムを示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の摂取栄養管理装置は携帯電話等のメンバー端末として構成されており、複数のメンバー端末が無線通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。なお、家族等のグループを構成する各メンバーが、メンバー端末を所有している。
【0020】
図2は、メンバー端末の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、メンバー端末は、時計101と、制御処理部103と、メモリ105と、通信部107と、バーコード読取部109と、表示部111と、操作部113と、近距離通信部115とを備える。なお、制御処理部103、通信部107及び近距離通信部115はチップセット等によって構成され、プログラムが実行されることにより動作しても良い。
【0021】
時計101は、時刻情報を制御処理部103に供給する。制御処理部103は、通信部107が行う通信の制御、メモリ105へのデータの記録、参照及び更新、並びに、バーコード読取部109、表示部111、操作部113及び近距離通信部115が行う各動作の制御を行う。メモリ105は、グループを構成する各メンバーに関する情報や、通信部107や近距離通信部115から得られた情報、制御処理部103によって処理された情報等を記憶する。各メンバーに関する情報は、例えば、各メンバーが有するメンバー端末の識別情報である。通信部107は、無線通信ネットワークを介して、情報サーバや他のメンバー端末との通信を行う。
【0022】
バーコード読取部109は、購入した食材の包装等に印刷されたバーコードを読み取る。なお、バーコード読取部109が読み取ったバーコードを制御処理部103が解析したり、バーコードが示す外部サーバに通信部107を介してアクセスすることによって、購入した食材に関する情報が得られる。なお、食材に関する情報には、その食材の熱量(カロリー)、各栄養素及び成分の含有量から構成される栄養価量が含まれる。本実施形態では、栄養価量としてカロリーを例に説明する。
【0023】
表示部111は、制御処理部103から指示された情報を表示する。操作部113は、メンバー端末のユーザにとっての入力インターフェイスである。近距離通信部115は、ユーザが食材等を購入した際に、購入情報の取得をレジ端末等に要求すると、データとして送信される購入情報を受け取る。購入情報には、購入した食材等の購入日時やメーカー、品名等が含まれる。
【0024】
以下、メンバーが食材を購入したときのメンバー端末又は図1に示したシステムの動作について、図3を参照して説明する。図3は、メンバーが食材を購入したときのメンバー端末又はシステムの動作を示すフローチャートである。メンバーが食材を購入した(ステップS101)とき、このメンバーが有するメンバー端末は、購入した食材のカロリー情報等を取得する(ステップS103)。次に、同メンバー端末は、ステップS103で取得したカロリー情報等から、後述する共有カロリー情報を導出する(ステップS105)。次に、同メンバー端末は、同じグループに属するメンバー端末に、ステップS105で導出した共有カロリー情報を配信する(ステップS107)。共有カロリー情報を受け取ったメンバー端末は、共有カロリー情報をメモリ105に格納して(ステップS109)、一連の処理を終了する。
【0025】
次に、食事の時刻(食事を終えていると想定される時刻)を過ぎたとき又はメンバーが外食をしたときのメンバー端末又は図1に示したシステムの動作について、図4を参照して説明する。図4は、食事の時刻を過ぎたとき又はメンバーが外食をしたときのメンバー端末又はシステムの動作を示すフローチャートである。メンバー端末は、食事の時刻を経過したかを判断し(ステップS201)、食事の時刻を経過していればステップS203に進み、経過していなければステップS205に進む。ステップS203では、同メンバー端末は、メモリ105に保存されている累積カロリー情報を更新して、一連の処理を終了する。
【0026】
一方、ステップS205では、メンバー端末は、当該メンバー端末のメンバーが外食をしたことを示す情報(外食情報)が入力されたか否かを判別し、外食情報が入力された場合はステップS207に進み、入力されていなければステップS201に戻る。ステップS207では、同メンバーのメンバー端末は、後述する補正共有カロリー情報を同じグループに属するメンバーのメンバー端末に送信する。次に、ステップS209では、メンバー端末は、受信した補正共有カロリー情報を累積共有カロリー情報に追加して、一連の処理を終了する。
【0027】
以下、メンバーが食材を購入したときにメンバー端末が行う処理について、詳細に説明する。なお、メンバーが食材を購入したときにメンバー端末が行う処理は、主に、「食材毎の平均摂取情報の決定」、「共有食材情報の生成」、及び「共有カロリー情報の生成と送信」の3つである。以下、各処理について図5を参照して説明する。図5は、メンバーが食材を購入したときにメンバー端末が行う処理を示す概念図である。
【0028】
<食材毎の平均摂取情報の決定>
メンバー端末の制御処理部103が行う平均摂取情報の決定について説明する。まず、平均摂取情報の決定は、メンバーが購入した食材毎に行われる。平均摂取情報には、1人がその食材に対応するカロリーを1食当たり平均してどれだけ摂取するかを示す情報(以下「平均摂取カロリー」という。)と、何食かけてその食材を消費するかを示す情報(以下「平均摂取期間」という。)とが含まれる。例えば、総カロリーが600Kカロリーの牛乳が平均して12食分の期間(4日)で摂取されるとすれば、平均摂取情報は<50Kカロリー,12食>である。なお、本実施形態では平均的な数値を用いるため、実際には1食おきに100Kカロリーずつ6食で、4日かけて消費しても良い。
【0029】
また、平均摂取情報は、メンバーが食材の栄養成分表を参照し操作部113を用いて手動で入力しても、通信部107によって食品メーカーの情報サーバ等から標準的な数値を取得しても良い。さらに、制御処理部103は、宅配牛乳等の都度購入手続きなく入手する食材に対しては、予め所定の間隔を設定しておくか、過去の入手履歴から平均的な間隔を求め、これらの間隔によって決められる所定の時刻に上記処理を行っても良い。
【0030】
<共有食材情報の生成>
メンバー端末の制御処理部103が行う共有食材情報の生成について説明する。制御処理部103は、食材毎に決定された平均摂取情報及び食材共有グループ情報に基づいて、共有食材情報を生成する。食材共有グループ情報は、食材を購入したメンバーのメンバー端末のみが生成する情報であって、購入した食材毎にその食材を共有するメンバーを定義する。
【0031】
食材共有グループ情報は、下記表1に示すように、「メーカー」、「品名」、「共有人数」及び「共有先」の4項目から構成され、この情報を生成したメンバー端末のメモリ105に保存される。なお、食材共有グループ情報を構成する4項目の内、「メーカー」及び「品名」の情報は、メンバーが食材を購入した際に近距離通信部115を介してレジ端末から得られる購入情報に含まれている。
【0032】
【表1】

【0033】
食材共有グループ情報は、表1に示すように、例えば、<××飲料>の<ビール>という食材が<メンバーA>のみによって消費される場合、<××飲料,ビール,1,メンバーA>と定義する。なお、メーカーを特定せず、<全メーカー,ビール,1,メンバーA>と定義しても良い。また、グループに属する全員のメンバーが消費する食材については、食材共有グループ情報で定義されなくても良い。
【0034】
メンバー端末の制御処理部103は、メンバーが購入した各食材と食材共有グループ情報を照らし合わせて共有先を判別し、下記表2に一例を示す共有食材情報を生成する。共有食材情報は、下記表2に示すように、「購入日時」、「メーカー」、「品名」、「総カロリー」、「平均摂取カロリー」、「平均摂取期間」、「共有人数」及び「共有先」の8項目から構成される。
【0035】
【表2】

【0036】
共有食材情報を構成する8項目の内、「購入日時」の情報は、メンバーが食材を購入した際にメンバー端末内の時計101から得られる時刻情報から生成される。また、「メーカー」及び「品名」の各情報は、近距離通信部115を介してレジ端末から得られる購入情報に含まれている。また、「総カロリー」、「平均摂取カロリー」及び「平均摂取期間」の各情報は、メンバー端末のバーコード読取部109が読み取ったバーコードから得られた情報、又は外部サーバにアクセスして得られた情報に含まれている。さらに、「共有人数」及び「共有先」の各情報は、食材共有グループ情報に含まれている情報を転用する。もし該当する食材が食材共有グループ情報に含まれていない場合は、グループのメンバー全員で共有するものとする。
【0037】
なお、これら一連の処理で、レジ端末、バーコードまたは外部サーバから必要な情報が得られない場合は、ユーザが表示部111を見ながら操作部113で入力を行うことによって補完してもよい。また、端末以外の決済手段、例えばクレジットカードで決済を行ったために端末が購入情報を取得できなかった場合、クレジットカード会社の決済システムから通信部107を介してメンバー端末に食材の購入情報を与えてもよい。
【0038】
<共有カロリー情報の生成と送信>
メンバー端末の制御処理部103は、生成した共有食材情報に基づいて、当該メンバー端末のメンバーが購入した全ての食材に対する共有カロリー情報を生成する。共有カロリー情報は、下記表3に示すように、上記説明した共有食材情報に含まれる「平均摂取カロリー」、「共有人数」及び「共有先」の各情報、及び「消費期間」の情報から構成される。「消費期間」は、共有食材情報に含まれる「平均摂取期間」を「共有人数」で割った値である。例えば、平均摂取情報<50Kカロリー、12食>の牛乳が2人のメンバーで共有される場合、「消費期間」は6食である。このように、共有カロリー情報は、一メンバーが、その食材に対応するカロリーを1食当たり平均してどれだけ摂取し、どれだけの期間かけて摂取しきるかを表し、さらに、その食材を何人で誰が共有しているかを表している。
【0039】
【表3】

【0040】
メンバー端末は、生成した共有カロリー情報を、同じグループに属するメンバーのメンバー端末に送信する。但し、その送信先は、「共有先」の情報が示すメンバーに限られる。すなわち、先述した平均摂取情報<50Kカロリー、12食>の牛乳はメンバーA及びメンバーBで共有されるため、この食材に関して生成された共有カロリー情報<50Kカロリー,6食,2,メンバーA,B>は、メンバーAのメンバー端末及びメンバーBのメンバー端末に送信される。なお、共有カロリー情報が示す共有先に自分自身が含まれている場合、メンバー端末は、自端末に共有カロリー情報を送信する。
【0041】
なお、大人と子供のように、摂取するカロリーがメンバー間で異なる場合、メンバー毎に分配割合を予め設定しておき、平均摂取カロリーを補正しても良い。例えば、<50Kカロリー,6食,2,メンバーA,B>をメンバーA及びメンバーBに配分するところを、メンバーAには<60Kカロリー,6食,2,メンバーA,B>と配分し、メンバーBには<40Kカロリー,6食,2,メンバーA,B>と配分しても良い。
【0042】
また、食材廃棄時は、メンバー端末は、廃棄した食材に関する負の共有カロリー情報を共有メンバーのメンバー端末に送信する。例えば、メンバーA及びメンバーBによって消費されるはずの平均摂取情報<50Kカロリー,12食>の食材を廃棄した場合、負の共有カロリー情報<−50Kカロリー,6食,2,メンバーA,B>をメンバーA及びメンバーBの各メンバー端末に送信する。なお、当該食材を半分廃棄した場合、負の共有カロリー情報は<−25Kカロリー,6食,2,メンバーA,B>である。
【0043】
以上説明した少なくとも1つの共有カロリー情報を受信したメンバー端末は、メモリ105に保存されている累積共有カロリー情報に、受信した共有カロリー情報を加える。累積共有カロリー情報は、下記表4に示すように、共有カロリー情報を受信した日時情報である「受信日時」と、共有カロリー情報の各項目とから構成される。
【0044】
【表4】

【0045】
次に、食事の時刻を過ぎたときにメンバー端末が行う処理について図6を参照して、また、メンバーが外食をしたときにメンバー端末が行う処理について図7を参照して、詳細に説明する。なお、弁当等の一部の食材は外食とみなす。図6は、食事の時刻を過ぎたときにメンバー端末が行う処理を示す概念図である。図7は、メンバーが外食をしたときにメンバー端末が行う処理を示す概念図である。
【0046】
<食事の時刻を過ぎた際の累積共有カロリー情報の更新>
メンバー端末の制御処理部103は、メモリ105に予め設定された食事時刻情報が示す食事を終えていると想定される時刻を過ぎると、累積共有カロリー情報の平均摂取カロリーが示すカロリーをメンバーが摂取したものと推定し、累積有カロリー情報の消費期間を1食分減算する。例えば、メンバーAのメンバー端末が食事の時刻を過ぎたと判断したとき、制御処理部103共有カロリー情報に含まれる各共は、メモリ105に保存されている累積共有カロリー情報の共有カロリー情報<50Kカロリー,6食,2,メンバーA,B>を<50Kカロリー,5食,2,メンバーA,B>に変更し、他の共有カロリー情報に対しても同様の処理を行う。消費期間が<0食>になった共有カロリー情報については、累積共有カロリー情報から削除する。
【0047】
1回の食事でメンバーが摂取したと推定されるカロリー(推定摂取カロリー)は、各メンバーのメンバー端末のメモリ105に保存された累積共有カロリー情報に含まれる全ての共有カロリー情報が示す推定摂取カロリーの合計である。推定摂取カロリー情報は、下記表5に示すように、各食事の日時、食事の種別、推定摂取カロリー、メーカー、品名及び補足情報の6項目から構成される。
【0048】
【表5】

【0049】
<メンバーが外食をした際の累積共有カロリー情報の更新>
メンバーが外食を行った場合、当該メンバーのメンバー端末は、外食時に入力された外食情報が示すカロリーを推定摂取カロリーとして処理する。また、メンバー端末は、外食時にこのメンバーが摂取するはずだったカロリーは次回以降の食事で摂取されるものと推定し、累積共有カロリー情報の消費期間を1食分減算する。さらに、メンバー端末は、各共有カロリー情報の未摂取カロリーを1食分減算された消費期間と共有人数の乗算値で割った値を、各共有メンバーの平均摂取カロリーに追加すべく、補正共有カロリー情報を各共有メンバーのメンバー端末に送信する。
【0050】
例えば、メンバーAのメンバー端末のメモリ105に保存された累積共有カロリー情報に共有カロリー情報<50Kカロリー,6食,2,メンバーA,B>が含まれている状態でメンバーAが外食した場合、図8に示すように、メンバーAのメンバー端末は、外食時にメンバーAが摂取するはずだった50Kカロリーは次回以降の食事でメンバーA及びメンバーBによって摂取されるものと推定し、補正共有カロリー情報<5Kカロリー,5食,2,メンバーA,B>をメンバーA及びメンバーBの各メンバー端末に送信する。この結果、メンバーAのメンバー端末の制御処理部103は、更新された共有カロリー情報<50Kカロリー,5食,2,メンバーA,B>に加えて、補正共有カロリー情報<5Kカロリー,5食,2,メンバーA,B>が累積共有カロリー情報に追加される。
【0051】
ここで、消費期間が1食の共有カロリー情報に関しては、外食時に次回以降の食事で摂取されるものと推定すると、当初の消費想定期間を超えてしまうため上記処理を行わず、累積共有カロリー情報から削除する。また、メンバーによって食事の時間は異なるため、各メンバーのメンバー端末は、補正共有カロリー情報を受信してもすぐには累積共有カロリー情報に追加せず、補正共有カロリー情報が送信された時刻に対応した食事を終えていると想定される時刻に追加する。例えば、夕食時前後に補正共有カロリー情報を受信した場合は、夕食を終えていると想定される時刻に追加する。こうすることにより、当該補正共有カロリー情報が翌日の朝食時の処理から反映される。
【0052】
さらに、メンバーが絶食したときは、当該メンバーが操作部113を介して推定摂取カロリーを0と入力する。このとき摂取されなかったカロリーは、外食時と同様の処理によってメンバーに再配分される。
【0053】
なお、以上説明した摂取栄養管理装置では、食品購入時や外食時にすぐに配分を行うことでメンバーにもそのことが判るというコミュニケーションツールとしての効果もあるが、プライバシーの問題が生じることもありうるため、配分は直後ではなく、一定時間後やあらかじめ決められた時刻にしても良い。また、情報の処理や配信に関しては、キャラクターがグッズをもってくるようなデコレーションを行い、子供にも受け入れやすい形態にすることも可能である。さらに、カロリー以外に、塩分や糖分、脂質等に関しても同様に応用することが可能である。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の摂取栄養管理装置によれば、家族等のグループを構成するメンバー間で購入した食材や食事等に関する情報が共有され、当該情報に基づいて各メンバーの摂取栄養の管理をメンバーの手間をほとんどかけることなく行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係る摂取栄養管理装置は、家族等のグループを構成するメンバー間で購入した食材等に関する情報を共有し、各メンバーの摂取栄養の管理を簡便に行う電子機器等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】一実施形態の摂取栄養管理装置を含むシステムを示すブロック図
【図2】メンバー端末の内部構成を示すブロック図
【図3】メンバーが食材を購入したときのメンバー端末又はシステムの動作を示すフローチャート
【図4】食事の時刻を過ぎたとき又はメンバーが外食をしたときのメンバー端末又はシステムの動作を示すフローチャート
【図5】メンバーが食材を購入したときにメンバー端末が行う処理を示す概念図
【図6】食事の時刻を過ぎたときにメンバー端末が行う処理を示す概念図
【図7】メンバーが外食をしたときにメンバー端末が行う処理を示す概念図
【図8】外食時の共有カロリー情報と補正共有カロリー情報の関係を示す図
【符号の説明】
【0057】
101 時計
103 制御処理部
105 メモリ
107 通信部
109 バーコード読取部
111 表示部
113 操作部
115 近距離通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループを構成するメンバーの情報を記憶するメンバー記憶部と、
摂取栄養情報を記憶する摂取栄養情報記憶部と、
購入した食材毎に、食材に関する食材情報を取得する食材情報取得部と、
前記食材情報を栄養情報に変換する情報変換部と、
前記栄養情報を前記メンバーに配信する情報配信部と、
前記配信された栄養情報を含む前記摂取栄養情報を管理する摂取栄養管理部と、
を備えたことを特徴とする摂取栄養管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の摂取栄養管理装置であって、
前記食材情報は、前記購入した食材の総栄養価に関する情報を含み、
前記情報変換部は、前記購入した食材毎の、1人が1食当たり平均的にどれだけの栄養価を摂取するかを示す摂取量情報、及び平均的にどれだけの期間でその食材を消費しきるかを示す摂取期間情報を含む摂取情報と、前記購入した食材毎の、その食材を共有するメンバーに関する食材共有グループ情報と、に基づいて、前記食材情報を前記栄養情報に変換することを特徴とする摂取栄養管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の摂取栄養管理装置であって、
前記栄養情報は、前記購入した食材毎の、前記摂取量情報、前記摂取期間情報が示す期間を前記食材共有グループ情報が示す共有人数で割った消費期間情報、及び前記食材共有グループ情報を含むことを特徴とする摂取栄養管理装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の摂取栄養管理装置であって、
前記摂取量情報は、前記購入した食材毎の、1人が1食当たり平均してどれだけの栄養価を摂取するかを示す情報であることを特徴とする摂取栄養管理装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載の摂取栄養管理装置であって、
前記摂取期間情報が示す期間は、1人が平均してどれだけの期間でその食材を消費しきるかの期間であって、食事数によって示されることを特徴とする摂取栄養管理装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか一項に記載の摂取栄養管理装置であって、
前記摂取栄養管理部は、所定の時刻が経過毎に、前記摂取栄養情報記憶部が記憶する前記摂取栄養情報に含まれる各栄養情報の前記消費期間情報が示す期間を所定分ずつ減ずることを特徴とする摂取栄養管理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の摂取栄養管理装置であって、
前記摂取栄養管理部は、前記所定の時刻の経過前に、前記摂取栄養情報に示された1食当たりの栄養価を前記購入した食材から摂取しない旨の情報が得られたとき、前記摂取栄養情報に含まれる各栄養情報に示された1食当たりの栄養価を、前記消費期間情報が示す期間を所定分減らした期間と前記食材共有グループ情報が示す共有人数の乗算値で割った値を示す補正栄養情報を生成し、
前記情報配信部は、前記補正栄養情報を前記食材共有グループ情報が示す共有メンバーに配信し、
前記摂取栄養管理部は、前記配信された補正栄養情報を前記摂取栄養情報に含めることを特徴とする摂取栄養管理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の摂取栄養管理装置であって、
前記摂取栄養管理部は、前記所定の時刻の経過後に、前記配信された補正栄養情報を前記摂取栄養情報に含めることを特徴とする摂取栄養管理装置。
【請求項9】
グループを構成するメンバーの情報を記憶するメンバー記憶部と、
摂取栄養情報を記憶する摂取栄養情報記憶部と、
購入した食材毎に、食材に関する食材情報を取得する食材情報取得部と、
前記食材情報を栄養情報に変換する情報変換部と、
前記栄養情報を前記メンバーに配信する情報配信部と、
前記配信された栄養情報を含む前記摂取栄養情報を管理する摂取栄養管理部と、を備えた摂取栄養管理装置が行う摂取栄養管理方法であって、
前記食材情報取得部が、購入した食材毎に、食材に関する食材情報を取得するステップと、
前記情報変換部が、前記食材情報を栄養情報に変換するステップと、
前記情報配信部が、前記栄養情報を前記メンバーに配信するステップと、
前記摂取栄養管理部が、前記配信された栄養情報を前記摂取栄養情報に含めるステップと、
を有することを特徴とする摂取栄養管理方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項9に記載の各ステップを実行させるための摂取栄養管理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate