説明

撮像装置、空領域判定方法、プログラム

【課題】 精度よく空の領域を検知し、それにより撮影シーンの判定の精度を向上することができる撮像装置を提供すること。
【解決手段】入射光を画像信号に変換する撮像手段03と、画像信号を複数の領域に区分して、領域毎の画素値の評価値を検出する評価値検出手段04と、画像信号の撮像位置情報及び撮像日時を取得する撮像情報取得手段09,203と、撮像位置情報及び撮像日時から、昼間の空領域の画素値情報を推定する空領域画素値推定手段22と、領域毎の前記評価値と前記画素値情報を比較して該領域が前記空領域か否かを判定する空領域判定手段23と、を有することを特徴とする撮像装置100を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像を撮像する撮像装置に関し、特に、撮像したシーンを判別可能な撮像装置、空領域判定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラが撮影した画像データの撮像信号から、撮影シーンを判定することでユーザの操作性を向上させる試みがある。このような試みにおいて、撮像信号に含まれる輝度の分布から撮影シーンを判定する技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、画面上で分割した各領域毎に高輝度割合と低輝度割合を検出し、高輝度割合と低輝度割合のそれぞれについて評価値を算出し、それを基準値と比較することで、白背景、逆光、スポット、緑背景、夜景などのシーン種別を判別するシーン推定装置が開示されている。
【0003】
また、風景のシーンを判定する一つの方法として、空の領域を探すことでシーン判定することが考えられている。例えば、カメラが撮影した画像データの撮像信号から空の領域を探索して、空の領域に適した画像処理を行う技術が考案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。特許文献1には、入力画像をRGB別にブロック化し、各ブロックに対して輝度Yおよび色差B−Yが共に所定値より大きいブロックを「空を示す画像領域」と判定し逆光補正などに利用する空の判定方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、日没の時間帯内であってカラーセンサにより夕焼けに相当する色が測定された場合は夕焼けと判定し、撮像素子で得られた画像信号のホワイトバランスを、赤みを強調するように制御する空の判定方法が開示されている。
【0005】
また、撮影シーンの判定が知られる以前より、露出補正やAWB(オートホワイトバランス)補正を好適に行うために空の領域を検知することが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2、3のように、特定の色に着目すると空の領域でないので空の領域であると誤判定する可能があるという問題がある。例えば、特許文献2では単に青みがかった被写体を、特許文献3では赤みがかった被写体を、それぞれ空と誤判定することが避けられない。
【0007】
本発明は、かかる課題を鑑みてなされたもので、精度よく空の領域を検知し、それにより撮影シーンの判定の精度を向上することができる撮像装置、空領域判定方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、入射光を画像信号に変換する撮像手段と、前記画像信号を複数の領域に区分して、領域毎の画素値の評価値を検出する評価値検出手段と、前記画像信号の撮像位置情報及び撮像日時を取得する撮像情報取得手段と、前記撮像位置情報及び前記撮像日時から、昼間の空領域の画素値情報を推定する空領域画素値推定手段と、領域毎の前記評価値と前記画素値情報を比較して該領域が前記空領域か否かを判定する空領域判定手段と、を有することを特徴とする撮像装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
精度よく空の領域を検知し、それにより撮影シーンの判定の精度を向上することができる撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像処理の空の判定手順を説明する図の一例である。
【図2】デジタルスチルカメラ装置のハードウェア構成図の一例である。
【図3】システム制御部のハードウェア構成図の一例である。
【図4】デジタルスチルカメラ装置の機能ブロック図の一例である(実施例1)。
【図5】デジタルスチルカメラ装置が青空の領域を判定し、さらに領域の大きさから風景シーンを判定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図6】モニタリング画像の撮像領域の一例を示す図である。
【図7】明るさ範囲テーブルの一例を示す図である。
【図8】デジタルスチルカメラ装置の機能ブロック図の一例である(実施例2)。
【図9】デジタルスチルカメラ装置が青空と夕焼け空の領域を判定し、さらに領域の大きさから風景シーンを判定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図10】色範囲設定テーブルの一例である。
【図11】色範囲の組合せ設定テーブルの一例である。
【図12】デジタルスチルカメラ装置の機能ブロック図の一例である(実施例3)。
【図13】デジタルスチルカメラ装置が青空と夕焼け空の領域を判定し、さらに領域の大きさから風景シーンを判定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図14】明るさ&色範囲設定テーブルの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、画像処理の空の判定手順を説明する図の一例である。本実施形態のデジタルスチルカメラ装置は、各種設定(地域設定、言語設定、日付設定、時間設定)の入力を受け付ける(S1)。
【0013】
そして、各種設定に基づき、今その場所でデジタルスチルカメラ装置が写真を撮影した場合に写る空の明るさを推定する(S2)。
【0014】
次に、デジタルスチルカメラ装置は、撮像信号(全ピクセルの画素値の集合であり、画像データという場合もある)の領域毎に、撮像により得られた画像信号と、予め定められた空の色を比較して領域が空の領域か否かを判定する(S3)。なお、本実施例の「空」は日中(日の出から日没まで)の空を意味しており、「夜空」は含まない。
【0015】
デジタルスチルカメラ装置は、空の領域であると判定された領域の数を計数する(S4)。
【0016】
デジタルスチルカメラ装置は、空の領域であると判定された領域の数に基づき、撮像された画像が風景シーンか否かを判定する(S5)。
【0017】
このように、撮影時の設定から空の明るさを推定するので、空の領域の判定精度を向上することができる。例えば、暗闇で撮影された明るい被写体を空の領域と誤判定することを確実に防止できる。
【0018】
図2は、デジタルスチルカメラ装置100のハードウェア構成図の一例を示す。この構成そのものは従来のカメラと大きな違いがなく、本実施形態のデジタルスチルカメラ装置100は、処理内容に特徴がある。
【0019】
デジタルスチルカメラ装置100は、LCD06、ハードキーインタフェース部09、表示制御部05、記録メディアインターフェイス部07、通信インターフェイス部10、撮像部03、画像処理部04、及び、システム制御部02を有する。主なブロックはバスを介して接続されている。
【0020】
撮像部03は、光電変換する撮像素子などを有し、光学系部品(レンズ及びレンズ駆動モータ、絞り)、ベイヤ配列からなるCCD、CCD駆動回路、A/D変換器等を有する。
【0021】
画像処理部04は、撮像部03が撮像した画像信号に種々の画像処理を施すと共に、撮像部03のCCD駆動タイミング、レンズ駆動モータを制御してズーミング、フォーカシング、露出調整等を行う。また、画像処理部04は、画像の圧縮伸長を行うために設けられた、画像処理用DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、RAM等を有する。
【0022】
表示制御部05は、画像処理部04で処理された画像信号にLCD06へ表示するための信号処理を施し、D/A変換器、オンスクリーンディスプレイコントローラ等を用いて、ユーザーインターフェイスのための種々のグラフィック画像や文字を生成しLCD06へ表示する。
【0023】
LCD06は、撮像された画像を表示し、また、ユーザーインターフェイスのためのグラフィックを表示する。記録メディアインターフェイス部07は、記録メディア08とのインターフェイスを提供するもので、記録メディア08にアクセスしてデータを読み書きするメモリカードコントローラ等を有する。
【0024】
記録メディア08は、圧縮された画像信号や、画像に関する種々の情報を所定のフォーマットで記憶する、着脱可能な可搬型の不揮発メモリ(例えばフラッシュメモリ等)である。ハードキーインタフェース部09は、図示されていないキー、ダイアル等のユーザーインターフェイスの状態検出を行う。また、ハードキーインタフェース部09は、システム制御部02のCPU201への主電源制御を行うため、サブCPU等を有する。
【0025】
通信インターフェイス部10は、USBを接続してデータ通信を行うための通信コントローラを有し、外部の機器との撮像信号を送受信する。
【0026】
外部の機器として、デジタルスチルカメラ装置100にはPC(Personal Computer)11が接続されている。PC11は、デジタルスチルカメラ装置100からの画像を受信してディスプレイに再生したり、デジタルスチルカメラ装置100へ各種設定を行うことができる。この他、プリンタと接続してダイレクトプリントすることもできる。また、接続はBluetoothなどの無線でもよい。
【0027】
図3は、システム制御部02のハードウェア構成図の一例を示す。システム制御部02は、デジタルスチルカメラ装置100全体の制御を行う。システム制御部02は、バスで互いに接続されたCPU201、NANDフラッシュメモリ203、SDRAM202、時計(RTC)204等を有する。この他、I/OやASIC等を有していることが多い。NANDフラッシュメモリ203には、CPU201が実行するプログラム20、不図示の設定値、及び、明るさ範囲テーブル等が記憶されている。
【0028】
図4は、本実施例のデジタルスチルカメラ装置100の機能ブロック図の一例を示す。設定値と明るさ範囲テーブルはNANDフラッシュメモリ203に記憶されている。また、各機能がどのハードウェアに実装されているかは制約がないが、一例として、評価値算出部21は画像処理部04に、それ以外はシステム制御部02に実装されている。システム制御部02はCPU201がNANDフラッシュメモリ203に記憶されているプログラム20を実行することで、図示する機能を実現する。
【0029】
各機能について詳細はフローチャート図にて説明するが、評価値算出部21は、撮像信号を領域に分割して領域毎に評価値(R,G,Bそれぞれの平均値)を算出する。明るさ範囲決定部22は、NANDフラッシュメモリ203から読み出した設定値に合致する明るさ範囲を明るさ範囲テーブルから取得する。空領域判定部23は、領域毎に、評価値と明るさ範囲を比較して領域が空の領域か否かを判定する。空領域計数部24は、空と判定された領域の数を計数する。風景シーン判定部25は、空と判定された領域の数に基づき撮像されたシーンが風景か否かを判定する。
【0030】
〔起動動作〕
まず、起動動作について説明する。起動動作は、従来のデジタルスチルカメラ装置100と同様である。
【0031】
ユーザが、図示されていない電源ボタンを押下すると、ハードキーインタフェース部09はシステム制御部02のCPU201への電源供給を開始する。
【0032】
システム制御部02内のCPU201は、まずNANDフラッシュメモリ203のブート部からアクセス(プログラム実行)を開始し、ブートプログラムによってプログラム・データをSDRAM202へ転送する。
【0033】
SDRAM202への転送が完了すると、CPU201は、プログラム20の実行ポインタ(プログラムカウンタ)を、転送したSDRAM202上のプログラム20(アドレス)に設定して、以降はSDRAM202上のプログラム20により起動処理を開始する。
【0034】
起動処理には、OS(オペレーティングシステム)の初期化や鏡胴の繰りだし処理、記録メディア08の初期化処理などが含まれる。鏡胴の繰り出し処理は、CPU201が画像処理部04を介して撮像部03のレンズ駆動モータに所定の間隔(2mS)毎にパルス信号を与える事で行う。また、記録メディア08の初期化処理は、CPU201が記録メディアインターフェイス部07を介して記録メディア08への電源とクロックを供給した後、記録メディア08へ初期化コマンドを発行することで行う。実際の初期化処理は記録メディア08内で行われ、システム制御部02はその完了を検知するために記録メディア08のステータスを10m・s間隔でポーリングする。
【0035】
ユーザは、撮影に先立ち(例えば、購入した当初や旅行先で)、図示されていない種々のキー、ダイヤルを操作し、撮影を行う地域や現在日時の設定を行う。または、地域や現在日時は測定衛星からの電波により取得してもよい。
【0036】
ユーザの操作内容はハードキーインタフェース部09が受け付け、システム制御部02にて判別される。システム制御部02は、操作に応じて表示制御部05へガイダンスグラフィックを生成して、ユーザに次操作を促す。
【0037】
システム制御部02は、設定された地域をNANDフラッシュメモリ203へ記憶し、次回のガイダンスグラフィックスの生成時には設定された地域に応じた言語を用いて表示する。
【0038】
また、設定された日時は時計(RTC204)に設定され、システム制御部02は内部のクロックを用いて計時を開始する。
【0039】
〔撮影時の動作〕
続いて撮影時の動作について説明する。
ユーザは、図示されていない種々のキー、ダイヤルを操作し、撮影モード(高画質モード、低画質モード等)を決定する。
【0040】
ユーザの操作内容はハードキーインタフェース部09が受け付け、システム制御部02で判別される。システム制御部02は、操作に応じて表示制御部05へガイダンスグラフィックを生成して、ユーザに次操作を促す。
【0041】
システム制御部02は、撮影モードが決定されると、モードに応じた処理パラメータを画像処理部04へ設定する。
【0042】
また、ユーザは、必要に応じて、図示されていないズームレバーを操作し、画角(構図)を決定する。ユーザの操作内容はハードキーインタフェース部09が受け付け、システム制御部02で判別される。システム制御部02は、操作に応じて撮像部03を制御しレンズを駆動する。
【0043】
撮像部03は画像処理部04からの制御に従い、実際の撮影に先だって、モニタリング画像をLCD06に表示するための撮像動作を開始する。撮像部03が撮像した撮像信号は連続的に画像処理部04へ送られ、画像処理部04は信号処理や露出制御のための評価値を演算すると共に、色空間変換、ガンマ補正、ホワイトバランス調整、コントラスト調整などの処理を施し、撮像信号を表示制御部05へ送る。
【0044】
表示制御部05では、撮像信号を信号処理してLCD06へ表示し、ユーザへ撮像状態を提示する。
【0045】
ユーザが図示されていないレリーズボタンを押下すると、その操作はモード設定と同様にハードキーインタフェース部09が受け付け、システム制御部02で判別される。
【0046】
撮像部03は画像処理部04からの制御に従い、撮像された撮像信号を取り込み画像処理部04へ送り、画像処理部04は、撮影モードに応じた画像処理、圧縮処理を行う。
【0047】
システム制御部02は、画像処理部04のRAMから圧縮された画像データを読み出し、ヘッダー情報を付加した後、記録メディアインターフェイス部07を通じて記録メディア08へ書き込む。以上で一連の撮影動作を完了する。
【0048】
〔青空の領域の判定〕
続いて、本実施形態の特徴部の1つとして、青空の領域の判定及び風景シーンの判定について説明する。
【0049】
図5は、デジタルスチルカメラ装置100が青空の領域を判定し、さらに領域の大きさから風景シーンを判定する手順を示すフローチャート図の一例である。青空領域の判定とそれに基づいた風景シーンの判定は、モニタリング中に行われるため、図5はモニタリング中の動作を示している。
【0050】
画像処理部04がモニタリング動作を開始して、表示制御部05に撮像信号を送出すると、システム制御部02は画像処理部04から評価値と、現在の露出制御値(露光時間、絞り値、ISO感度)を取得する(step01-001)。
【0051】
ここで評価値について説明する。
図6はモニタリング画像の撮像領域30の一例を示す。画像処理部04の評価値算出部21は撮像領域30を図示するように複数の領域に区分して、領域ごとに評価値を算出する。図6の各ブロック31は、評価値が与えられる1つの領域を示している。
【0052】
評価値は、撮像領域30を水平16、垂直12、合計192の領域に分割した、各々の領域のR画素値の平均値、G画素の平均値、及び、B画素の平均値であり、それぞれ0〜1023の値を持つ。
評価値=(R画素値の平均値、G画素の平均値、B画素の平均値)
この評価値は、各ブロックが青空の領域かどうかを判定するために利用される。なお、領域の分割数は一例であり、より小さい領域(又はより大きな領域)に分割して領域数を増やしても(又は減らしても)よい。
【0053】
続いてシステム制御部02は、設定されている地域をNANDフラッシュメモリ203から、現在日時を時計(RTC204)からそれぞれ読みだす(step01-002)。
【0054】
システム制御部02の明るさ範囲決定部22は、読み出した地域と日時から、明るさ範囲テーブルを用いて明るさ範囲を決定する(step01-003)。
【0055】
図7は、明るさ範囲テーブルの一例を示す。明るさ範囲テーブルはシステム制御部02内に予め記憶されている。不図示のサーバからダウンロードしたり記憶媒体を介してインストールすることもできる。
【0056】
明るさ範囲テーブルでは、「地域」「月(季節情報)」「時間」に対応づけて「明るさ範囲」が登録されている。
「地域」は、NANDフラッシュメモリ203に記憶されている地域の設定(本実施例では都市名)、「月」は、同じく日時情報のうちの月、「時間」は、時計(RTC204)が計時する日時情報のうちの時間、「明るさ範囲」は、地域、月、時間により決定する明るさの範囲を示す。「明るさ範囲」は、この「地域」のある「月」のある「時間」帯における空の明るさの目安である。「明るさ範囲」は、後述する領域の明るさEと同じ算出方法で算出されているため、単位はRGBから明るさを求める数式により定まる。
【0057】
明るさ範囲テーブルには、撮影の時間が地域ごとの日の出や日の入りに近い時間帯の場合には小さい値が(暗いこと意味する)、日中の場合には大きい値が(明るいことを意味する)、登録されている。
【0058】
また、明るさ範囲テーブルには、撮影の時間が日の入り後から日の出前の夜であった場合には「0〜0」が登録されている。これにより、後述する判定において明るい被写体であっても、空領域判定部23が被写体を昼間の空と誤検知しないようにしている。
【0059】
また、明るさ範囲テーブルには、ユーザが撮影した時期における「月」が地域ごとの冬の時期に合致する場合には小さい値が、夏の時期に合致する場合には大きい値が登録されている。明るさ範囲決定部22は、設定されている地域、現在日時に該当する明るさ範囲を明るさ範囲テーブルから読みだす。
【0060】
なお、明るさ範囲テーブルには必ずしも「月(季節情報)」毎に明るさ範囲を登録しなくても、昼間か夜間かのおよその判別は可能である。
【0061】
図5に戻り、システム制御部02の空領域計数部24は、撮像信号の各領域毎に空かどうかの判定を行うために、領域の数nと空を判定した数sを初期化する(step01-004)。
【0062】
また、空領域判定部23は、step01−001で得られた評価値から、領域の色が青空を示す色範囲内にあるかどうかを判定する(step01-005)。
この判定は、例えば、
「G画素の平均値/R画素の平均値」の演算結果が、0.8〜1.2の範囲内にあり、
かつ、
「G画素の平均値/B画素の平均値」の演算結果が、2.1〜2.3の範囲内にある、
領域を、範囲内として判定する。これら色範囲はほぼ青空と呼ばれる色を表す。なお、さらに、夕焼け空の色を表す色範囲を定めておき、領域の色が夕焼け空を示す色範囲内にあるかどうかを判定することもできる。
【0063】
同様にしてシステム制御部02の空領域判定部23は、step01−001で得られた評価値から、領域の明るさが明るさ範囲テーブルで求めた青空を示す明るさの範囲内にあるかどうかを判定する(step01-006)。
領域の明るさEは、下式で求める。
E=((3xR画素の平均値+G画素の平均値x6+B画素の平均値)/10)x(露光時間の逆数)x(絞り値(Fナンバー))x(絞り値(Fナンバー))/(ISO感度)
これは、撮像部03が撮像した撮像信号の各領域の明るさを、露出制御値で補正することで、被写体の明るさを類推することに相当する。
【0064】
システム制御部02の空領域判定部23は、領域毎に、明るさEの値が、明るさ範囲テーブルから得られた明るさ範囲の値の範囲内にあるか否かを判定する。
【0065】
領域の色が青空を示す所定の範囲内にあり(step01-005)、かつ、領域の明るさが明るさ範囲テーブルで求めた青空を示す明るさの範囲内にある(step01-006)場合、システム制御部02の空領域計数部24はその領域を空と判定してsの値を1つ増やす(step01-007)。
【0066】
このように、固定の明るさ範囲で判定するのではなく、撮影場所と日時に応じた明るさ範囲で判定することによって、空の判定を精度よく行うことができる。
【0067】
空領域計数部24は1つの領域を判定する毎に、nを1つ大きくする(step01-008)。システム制御部は、step01-005~008の処理を、192個の全ての領域に対して行う(step01-009)。
【0068】
全ての領域について色判定と明るさ判定を行うと(step01-009のYes)、システム制御部02の風景シーン判定部25は、得られた空の領域の数sが所定の値64以上あるかどうかを判定する(step01-010)。
【0069】
これは空と推定される領域が全体の1/3以上あるかどうかを判定している。1/3としたのは、空の領域が占める面積を考慮したものであり、1/5〜1/2などの範囲で変更することができる。
【0070】
判定結果が64以上であった場合(step01-010のYes)、風景シーン判定部25は、撮影シーンを風景のシーンであると判定し、システム制御部02は、風景の撮影に好適なホワイトバランスとコントラストを画像処理部04に設定する(step01−011)。また、システム制御部02は表示制御部05にユーザに風景シーンであることを示すためのガイダンスグラフィックス(アイコン)を表示させる(step01-012)。
【0071】
システム制御部02は以上の動作を、モニタリングが停止されるまで継続する(step01-013)。
【0072】
以上説明したように、本実施例のデジタルスチルカメラ装置100は、固定の明るさ範囲で判定するのではなく、撮影時の場所(地域)、季節(月)、及び、時間に応じた空の明るさ範囲に基いて空の領域と推定されるかどうかを判定するため、撮影画像に空が含まれているかどうかの判定を精度よく行うことができる。
【0073】
付言すると、夜の時間帯においては明るさの範囲を「0〜0」にするため、たとえ被写体が明るい被写体であっても空の領域と判定されず、誤検知を防止することができる。
【実施例2】
【0074】
本実施例では、推定した色範囲に応じて青空と夕焼け空を判定し、さらに領域の大きさから風景シーンを判定するデジタルスチルカメラ装置100について説明する。ハードウェア構成図、起動動作及び撮影時の動作は実施例1と同様なので説明を省略する。
【0075】
図8は、本実施例のデジタルスチルカメラ装置100の機能ブロック図の一例を示す。図8において図4と同一部の説明は省略する。本実施例では、明るさ範囲テーブルでなく色範囲設定テーブルを有する点と、明るさ範囲決定部22でなく色範囲決定部27を有する点で異なる。
【0076】
色範囲決定部27は、NANDフラッシュメモリ203から読み出した設定値に合致する色範囲を色範囲設定テーブルから取得する。空領域判定部23は、領域毎に、評価値と色範囲を比較して領域が空の領域か否かを判定する。
【0077】
図9は、デジタルスチルカメラ装置100が青空と夕焼け空の領域を判定し、さらに領域の大きさから風景シーンを判定する手順を示すフローチャート図の一例である。図5と同様に図9はモニタリング中に行われるため、図9はモニタリング中の動作を示している。主に図5と異なる点を説明する。
【0078】
step02-001~002の動作は、実施例1のstep01-001~002と同じである。
【0079】
step02-003において、システム制御部02の色範囲決定部27は、読み出した地域と日時から、色範囲設定テーブルを用いて色範囲を決定する。
図10は、色範囲設定テーブルの一例を示す。色範囲設定テーブルは、予めシステム制御部02内に記憶されている。色範囲設定テーブルは、「地域」「月」「時間」に対応づけて「色範囲G/R)」「色範囲(G/B)」が登録されている。
【0080】
「地域」は、NANDフラッシュメモリ203に記憶されている地域の設定(本実施例では都市名)、「月」は、同じく日時情報のうちの月、「時間」は、時計(RTC204)が計時する日時情報のうちの時間、「色範囲」は、地域、月、時間により決定する色の範囲でありG/RとG/Bを指標とする。「色範囲」は、この「地域」のある「月」のある「時間」帯における空の色の目安を示す。
【0081】
色範囲設定テーブルには、撮影の時間が、地域ごとの日の出や日の入りに近い時間帯の場合には夕焼け空(時間帯によっては朝焼けと呼ばれるが、本実施例では区別せずに夕焼けという)の色の色範囲が、日中の場合には青空の色の範囲が、それぞれ登録されている。例えば、東京の「4〜9」月の「4〜7」時間には色範囲(G/R)=0.8〜1.2、色範囲(G/B)=2.1〜2.3という夕焼け空の色範囲が登録されている。東京の「4〜9」月の「8〜15」時間には色範囲(G/R)=1.9〜2.1、色範囲(G/B)=1.1〜1.5という青空の色の色範囲が登録されている。
【0082】
また、色範囲設定テーブルには、撮影の時間が日の入り後から日の出前の夜であった場合には、色の範囲「0〜0」が登録されている。これにより、空領域判定部23は青い被写体であっても空と誤検知しないで判定することができる。
【0083】
また、色範囲設定テーブルには、撮影の月が地域ごとの冬の時期の場合には日中の色の範囲が濃い青の色範囲が、夏の時期の場合には日中の色の範囲が薄い青になる色範囲が、それぞれ登録されている。
例えば、東京の「4〜9」月の「8〜15」時間には色範囲(G/R)=1.9〜2.1、色範囲(G/B)=1.1〜1.5という薄い青色の色範囲が登録されている。東京の「10〜3」月の「9〜15」時間には色範囲(G/R)=1.9〜2.1、色範囲(G/B)=1.0〜1.4という濃い青色の色範囲が登録されている。
【0084】
図9に戻り、続いてシステム制御部02の空領域計数部24は、実施例1と同様に、領域の数nと空であると推定された領域の数sを初期化する(step02-004)。
そして、空領域判定部23は、step02−001で得られた領域の評価値が、色範囲設定テーブルから求めた色の範囲内にあるかどうかを判定する(step02-005)。
【0085】
領域の評価値からG/R、G/Bは、下式で求められる。
G/R=G画素の平均値/R画素の平均値
G/B=G画素の平均値/B画素の平均値
システム制御部02の空領域判定部23は、G/R、G/Bの値が共に、色範囲設定テーブルから得られた色範囲の値の範囲内にあるかどうかを判定する。
【0086】
同様にシステム制御部02の空領域判定部23は、step02−001で得られた評価値から、領域の明るさが所定の範囲内にあるかどうかを判定する(step02-006)。
明るさEの算出方法は実施例1と同様である。
E=((3xR画素の平均値+G画素の平均値x6+B画素の平均値)/10)x(露光時間の逆数)x(絞り値(Fナンバー))x(絞り値(Fナンバー))/(ISO感度)
本実施例では明るさEが、8000〜56000の範囲内にある場合、範囲内として判定する。明るさの8000〜56000の数値は、少なくとも夜空ではない明るさの範囲である。
【0087】
以降の処理は実施例1と同じである。すなわち、システム制御部02は、192個の全ての領域でstep02-005~008の処理を行い(step01-009)、sの数が所定の値64以上ある場合に、風景シーン判定部25は撮影シーンを風景の撮影であると判定する。そして、システム制御部02は風景の撮影に好適なホワイトバランスとコントラストを画像処理部04に設定すると共に(step02−011)、表示制御部05にユーザに風景シーンであることを示すためのガイダンスグラフィックス(アイコン)を表示させる(step02-012)。
【0088】
以上説明したように、本実施例のデジタルスチルカメラ装置100は、領域の色が空の色かどうかを固定の色範囲で判定するのではなく、撮影時の場所(地域)、季節(月)、時間に応じた定めた空の色範囲に基いて判定するため、撮影画像に空が含まれているかどうかの判定を精度よく行うことができる。
【0089】
付言すると、夜の時間帯においては色範囲を「0〜0」にするため、たとえ被写体が青い被写体や赤い被写体であっても空と判定されず、誤検知を防止することができる。
【0090】
〔青空と夕焼け空の組み合わせ判定〕
本実施例では、時間帯で夕焼けの空と青空を分けて判定する構成を示したが、同じ時間帯に夕焼け空と青空の両方を判定可能としてもよい。
図10は、色範囲設定テーブルの別の一例を示す。なお図10は図9から、東京地域の4〜9月のテーブルに相当する部分を抜き出したものである。
【0091】
図9と比べると、図10では「組み合わせ判定」と2つの色範囲(色範囲A、色範囲B)が登録されている点で異なる。「組み合わせ判定」には「あり」又は「なし」が登録されており、組合せ判定が「あり」の時間帯には、領域の色が色範囲A又は色範囲Bの範囲のいずれかの範囲内であった場合に空の領域と判定される。つまり、東京の時間「4〜7」時を例にすると、色範囲Aには夕焼け空に相当する色範囲が、色範囲Bには青空に相当する色範囲が設定されている。
【0092】
このように色範囲設定テーブルに色範囲を登録しておくことで、撮影の時間が日の出や日の入りに近い時間帯での空の判定において、夕焼けと青空が混在しているような空を判定することができ、更に空の判定精度を高めることができる。
【実施例3】
【0093】
実施例1では明るさ範囲テーブルを用いて領域が空の明るさであることを、実施例2では色範囲設定テーブルを用いて領域が空の色を有することを、それぞれ判定した。本実施例では、明るさ範囲と色範囲を組み合わせて判定するデジタルスチルカメラ装置100について説明する。
【0094】
図12は、本実施例のデジタルスチルカメラ装置100の機能ブロック図の一例を示す。図12において図4と同一部の説明は省略する。本実施例では、明るさ範囲テーブルでなく明るさ&色範囲設定テーブルを有する点と、明るさ範囲決定部22でなく明るさ&色範囲決定部28を有する点で異なる。
【0095】
明るさ&色範囲決定部28は、NANDフラッシュメモリ203から読み出した設定値に合致する色範囲と明るさ範囲を明るさ&色範囲設定テーブルから取得する。空領域判定部23は、領域毎に、評価値と明るさ範囲及び色範囲を比較して領域が空の領域か否かを判定する。
【0096】
図13は、デジタルスチルカメラ装置100が青空と夕焼け空の領域を判定し、さらに領域の大きさから風景シーンを判定する手順を示すフローチャート図の一例である。図5と同様に図13はモニタリング中に行われるため、図13はモニタリング中の動作を示している。主に図5と異なる点を説明する。
【0097】
step03-001~002の動作は、実施例1のstep01-001~002と同じである。
【0098】
step03-003において、システム制御部02の明るさ&色範囲決定部28は、読み出した地域と日時に合致する明るさ範囲と色範囲を、明るさ&色範囲テーブルから読み出す。
【0099】
図14は、明るさ&色範囲設定テーブルの一例を示す。明るさ&色範囲設定テーブルは、予めシステム制御部02内に記憶されている。明るさ&色範囲設定テーブルは、「地域」「月」「時間」に対応づけて「明るさ範囲」「色範囲(G/R)」「色範囲(G/B)」が登録されている。
【0100】
「地域」は、NANDフラッシュメモリ203に記憶されている地域の設定(本実施例では都市名)、「月」は、同じく日時情報のうちの月、「時間」は、時計(RTC204)が計時する日時情報のうちの時間、「明るさ範囲」は、地域、月、時間により決定する明るさの範囲であり、「色範囲」は、地域、月、時間により決定する色の範囲でありG/RとG/Bを指標とする。
【0101】
明るさ&色範囲設定テーブルの「明るさ範囲」には、撮影の時間が地域ごとの日の出や日の入りに近い時間帯の場合には小さい値が、日中の場合には大きい値が、それぞれ登録されている。また、「明るさ範囲」だけでなく、撮影の時間が地域ごとの日の出や日の入りに近い時間帯の場合には夕焼け空の色の色範囲が、日中の時間帯には青空の色範囲が、それぞれ登録されている。
【0102】
また、撮影の時間が日の入り後から日の出前の夜であった場合には明るさ範囲も色範囲も「0〜0」が登録されている。これにより、明るい被写体や青い被写体であっても空と誤検知しないようにすることができる。
【0103】
なお、明るさ&色範囲設定テーブルは、明るさ範囲テーブルと色範囲設定テーブルを合成した構成に近いが、明るさ範囲テーブルよりも明るさ範囲が狭く、色範囲設定テーブルよりも色範囲が狭い。これは明るさと色の両方の範囲を、撮影時の場所(地域)、季節(月)、時間に基いて決定するために、明るさと色の範囲をより狭い範囲で限定することができるためである。したがって、本実施例では、実施例1,2よりもさらに空の判定精度を高めることができる。
【0104】
図13に戻り、続いてシステム制御部02の空領域計数部24は、実施例1と同様に、領域の数nと空であると推定された領域の数sを初期化する(step03-004)。
【0105】
また、空領域判定部23はstep03-001で得られた評価値から、領域の明るさが明るさ&色範囲設定テーブルから求めた明るさの範囲内にあるかどうかを判定する(step03-005)。
【0106】
また、空領域判定部23は、step03-001で得られた評価値から、領域の色が明るさ&色範囲設定テーブルから求めた色の範囲内にあるかどうかを判定する(step03-006)。
【0107】
そして、領域の明るさが明るさ範囲にあり、かつ、色が色範囲にある場合に、空領域判定部23は空の領域と判定する。
【0108】
以降の処理は実施例1と同じである。すなわち、システム制御部02は192個の全ての領域でstep03-005~008の処理を行い(step03-009)、数sの値が所定の値64以上ある場合に、風景シーン判定部25は撮影シーンを風景の撮影であると判定する。そして、システム制御部02は、風景の撮影に好適なホワイトバランスとコントラストを画像処理部04に設定すると共に(step03-011)、表示制御部05にユーザに風景シーンであることを示すためのガイダンスグラフィックス(アイコン)を表示させる(step03-012)。
【0109】
以上説明したように、本実施例のデジタルスチルカメラ装置100は、実施例1,2の効果に加え、さらに、明るさ&色範囲設定テーブルの明るさ範囲と色範囲が狭いので、撮影画像に空が含まれているかどうかの判定を精度よく行うことができる。
【0110】
付言すると、夜の時間帯においては明るさ範囲と色範囲を「0〜0」にするため、たとえ被写体が明るい被写体又は青い被写体若しくは赤い被写体であっても空と判定されず、誤検知を防止することができる。
【0111】
なお、本実施例においても、実施例2のように、明るさ&色範囲設定テーブルの同じ時間帯に夕焼け空と青空の色範囲を登録しておき、夕焼け空と青空がの色が混在している領域を空の領域と判定することができる。
【実施例4】
【0112】
本実施例では、実施例1~3に共通に適用できる、いくつかの変形例について説明する。
【0113】
〔地域の設定〕
実施例1〜3では、地域の設定を利用して、明るさ範囲や色範囲を決定したが、地域の設定に変えて言語の設定を利用して、明るさ範囲や色範囲を決定してもよい。上記のように、起動動作においてユーザは、撮影に先立ち種々のキーやダイヤルを操作し、撮影を行う地域や現在日時の設定を行うが、この時、言語を設定することもできる。
【0114】
システム制御部02は、モニタリングの前に、NANDフラッシュメモリ203から言語の設定を読み出し、言語から地域を推定する。例えば、言語と地域の対応テーブルがNANDフラッシュメモリ203に記憶されている。
【0115】
〔明るさ範囲や色範囲の決定〕
実施例1〜3では、地域から各種のテーブルを用いて明るさ範囲や色範囲を決定したが、テーブルを用いずに地域から明るさ範囲や色範囲を算出することもできる。手順は以下のようになる。
(i)まず、システム制御部02は、地域の設定に基づきその地域の中心を示す緯度、経度を決定する。
(ii)演算によって撮影日時の太陽高度を求める。
(iii)太陽高度から明るさ範囲や色範囲を決定する。
【0116】
(iii)では、太陽高度に応じた明るさ範囲や色範囲のテーブルを利用してもよいし、太陽高度から演算により範囲を決定してもよい。
【0117】
なお、緯度、経度、日時から太陽高度を演算する方法は周知である。例えば、「http://www.es.ris.ac.jp/~nakagawa/met_cal/solar.html」に開示されている。緯度、経度、日時が分かれば、任意の緯度φ、経度λの地点における任意の日時の太陽方位ψ、高度α、大気外全天日射量Qは、計算で求めることができる。
まず、次式により元旦からの通し日数dnに基いて定めたθoを用いて、当該日の太陽赤緯δ、地心太陽距離r/r*、均時差Eqを以下の式により求める。
θo=2π(dn-1)/365δ=0.006918-0.399912cos(θo)+0.070257sin(θo)-0.006758cos(2θo)+0.000907sin(2θo)-0.002697cos(3θo)+0.001480sin(3θo)
r/r*=1/{1.000110+0.034221cos(θo)+0.001280sin(θo)+0.000719cos(2θo)+0.000077sin(2θo)}^0.5
Eq=0.000075+0.001868cos(θo)-0.032077sin(θo)-0.014615cos(2θo)-0.040849sin(2θo)
日本標準時間JSTから、太陽の時角hを求める。
h=(JST-12)π/12+標準子午線からの経度差+均時差(Eq)
太陽赤緯δ、緯度φ、時角hの値が既知となったので、太陽方位ψ、高度αは、それぞれ以下のように求められる。
α=arcsin{sin(φ)sin(δ)+cos(φ)cos(δ)cos(h)}
ψ=arctan[cos(φ)cos(δ)sin(h)/{sin(φ)sin(α)-sin(δ)}]
〔地域の設定〕
実施例1〜3では、ユーザが起動動作において、地域や言語を設定するとしたが、GPS機能を備えたデジタルスチルカメラ装置100であれば、GPS衛星から得られる緯度、経度及び時刻に基づいて、明るさ範囲や色範囲を決定することができる。
【0118】
〔空の領域の重み付け判定〕
実施例1〜3では、空の領域と推定される領域の数sが所定の値(64)以上あるかどうかで風景のシーンか否かを判定したが、判定の際、LCD06の上側の領域に重み付けを行ってもよい。例えば、上部の領域の評価値に1より大きい値を乗じるなどである。空の領域は通常、撮像信号の上部にあるため、重み付けすることで空の判定精度を高めることができる。
【0119】
また、重力センサー(加速度センサー)を具備する撮像装置であれば、撮像装置の向きを判定して、上部の(重力と反対方向の)領域に重み付けを行うとさらに好ましい。ユーザは、カメラの向きを縦横に変えることができるが、重力センサにより撮影される画像データと被写体の縦横の対応を検出できるので、デジタルスチルカメラ装置100の向きによらず、空の領域に重み付けでき判定精度を高めることができる。
【0120】
〔デジタルスチルカメラ装置以外への適用〕
以上の風景の判定は、デジタルスチルカメラ装置100以外にも、入射した光を光電変換して撮像信号を生成する撮像手段を備えた装置に適用できる。例えば、デジタルビデオカメラ装置、携帯電話、スマートフォン、Webカメラ等である。したがって、装置の呼称は問わない。
【符号の説明】
【0121】
02 システム制御部
03 撮像部
04 画像処理部
05 表示制御部
06 LCD
07 記録メディアインターフェイス部
08 記録メディア
09 ハードキーインタフェース部
10 通信インターフェイス部
11 PC
21 評価値算出部
22 明るさ範囲決定部
23 空領域判定部
24 空領域計数部
25 風景シーン判定部
27 色範囲決定部
28 明るさ&色範囲決定部
100 デジタルスチルカメラ装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0122】
【特許文献1】特開2009-147520号公報
【特許文献2】特開2009-89357号公報
【特許文献3】特開2008-219128号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を画像信号に変換する撮像手段と、
前記画像信号を複数の領域に区分して、領域毎の画素値の評価値を検出する評価値検出手段と、
前記画像信号の撮像位置情報及び撮像日時を取得する撮像情報取得手段と、
前記撮像位置情報及び前記撮像日時から、昼間の空領域の画素値情報を推定する空領域画素値推定手段と、
領域毎の前記評価値と前記画素値情報を比較して該領域が前記空領域か否かを判定する空領域判定手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記空領域画素値推定手段は、前記画素値情報として前記撮像位置情報及び前記撮像日時から前記空領域の明るさ情報を推定し、
前記空領域判定手段は、領域毎の前記評価値と前記明るさ情報を比較して該領域が前記空領域か否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記空領域画素値推定手段は、前記画素値情報として前記撮像位置情報及び前記撮像日時から前記空領域の色情報を推定し、
前記空領域判定手段は、領域毎の前記評価値と前記色情報を比較して該領域が前記空領域か否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記空領域画素値推定手段は、前記画素値情報として前記撮像位置情報及び前記撮像日時から前記空領域の明るさ情報及び色情報を推定し、
前記空領域判定手段は、領域毎の前記評価値と前記明るさ情報及び前記色情報をそれぞれ比較して該領域が前記空領域か否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
地域識別情報及び1日の時間がいくつかの時間帯に区分された時間帯情報に対応づけて、前記空領域の前記明るさ情報が登録されたテーブルを有し、
前記空領域画素値推定手段は、前記撮像位置情報及び前記撮像日時に合致する前記明るさ情報を前記テーブルから読み出す、
ことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項6】
地域識別情報及び1日の時間がいくつかの時間帯に区分された時間帯情報に対応づけて、前記空領域の前記色情報が登録されたテーブルを有し、
前記空領域画素値推定手段は、前記撮像位置情報及び前記撮像日時に合致する前記色情報を前記テーブルから読み出す、
ことを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項7】
前記テーブルには、地域識別情報及び1日の時間がいくつかの時間帯に区分された時間帯情報に対応づけて、青空の空領域の前記色情報と夕焼け空の空領域の前記色情報が登録されており、
前記空領域画素値推定手段は、前記撮像位置情報及び前記撮像日時に合致する青空の空領域の前記色情報と夕焼け空の空領域の前記色情報を前記テーブルから読み出し、
前記空領域判定手段は、領域毎の前記評価値と、青空の空領域の前記色情報と夕焼け空の空領域の前記色情報を比較していずれかの結果が略一致すれば該領域が前記空領域であると判定する、
ことを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
【請求項8】
地域識別情報及び1日の時間がいくつかの時間帯に区分された時間帯情報に対応づけて、前記空領域の前記明るさ情報及び前記色情報が登録されたテーブルを有し、
前記空領域画素値推定手段は、前記撮像位置情報及び前記撮像日時に合致する前記明るさ情報と前記色情報を前記テーブルから読み出す、
ことを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
【請求項9】
前記テーブルには、季節情報毎に、地域識別情報及び時間帯情報が登録されている、ことを特徴とする請求項5〜8いずれか1項記載の撮像装置。
【請求項10】
前記テーブルの夜間の時間帯情報には明るさがゼロの前記明るさ情報が登録されている、ことを特徴とする請求項5又は8記載の撮像装置。
【請求項11】
前記テーブルの夜間の時間帯情報には黒色を示す前記色情報が登録されている、ことを特徴とする請求項6〜8いずれか1項記載の撮像装置。
【請求項12】
前記撮像情報取得手段は、予め設定されている前記撮像位置情報を記憶手段から読み出すか、又は、衛星測位装置が測位した前記撮像位置情報を取得し、
計時手段から前記撮像日時を取得する、
ことを特徴とする請求項1〜11いずれか1項記載の撮像装置。
【請求項13】
前記空領域判定手段が前記空領域と判定した領域の数に基づき、前記画像信号の撮影シーンが風景シーンであると判定する風景シーン判定手段、
を有することを特徴とする請求項1〜12いずれか1項記載の撮像装置。
【請求項14】
撮像手段が入射光を画像信号に変換するステップと、
評価値検出手段が、前記画像信号を複数の領域に区分して、領域毎の画素値の評価値を検出するステップと、
撮像情報取得手段が、前記画像信号の撮像位置情報及び撮像日時を取得するステップと、
空領域画素値推定手段が、前記撮像位置情報及び撮像日時から日中の空領域の画素値情報を推定するステップと、
空領域判定手段が、領域毎の前記評価値と前記画素値情報を比較して該領域が前記空領域か否かを判定するステップと、
を有することを特徴とする空領域判定方法。
【請求項15】
入射光を画像信号に変換する撮像手段と、
前記画像信号を複数の領域に区分して、領域毎の画素値の評価値を検出する評価値検出手段と、が接続されたコンピュータに、
前記画像信号の撮像位置情報及び撮像日時を取得する撮像情報取得ステップと、
前記撮像位置情報及び撮像日時から日中の空領域の画素値情報を推定する空領域画素値推定ステップと、
領域毎の前記評価値と前記画素値情報を比較して該領域が前記空領域か否かを判定する空領域判定ステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−49709(P2012−49709A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188605(P2010−188605)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】