撮像領域拡張部材及びこれを用いた車両周辺監視装置
【課題】 撮像装置から歪みの少ない拡張された画像を得ることができる撮像領域拡張部材を提案すること。
【解決手段】 被写体と撮像装置の間に配置され、撮像装置に広角の被写体光を入射させる撮像領域拡張部材10において、入射した被写体光を撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射すると共に、当該屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるように形成するようにしたことにより、撮像装置の対物レンズで発生する水平方向での収差を補正することができ、その結果、撮像装置において、水平方向への歪曲歪みの小さな拡張画像を得ることができるようになる。
【解決手段】 被写体と撮像装置の間に配置され、撮像装置に広角の被写体光を入射させる撮像領域拡張部材10において、入射した被写体光を撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射すると共に、当該屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるように形成するようにしたことにより、撮像装置の対物レンズで発生する水平方向での収差を補正することができ、その結果、撮像装置において、水平方向への歪曲歪みの小さな拡張画像を得ることができるようになる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像手段に広角の画像光を入射させることにより撮像領域を広げるようになされた光学部材でなる撮像領域拡張部材、及びこれを用いて運転者による視認が難しい車両周辺領域を監視する車両周辺監視装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両周辺監視装置は、乗用車、バスあるいはトラックなどの車両において、運転者による視認が難しい車両側方並びに車両後方といった車両周辺を監視する装置として用いられている。
【0003】例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラやビデオカメラといった撮像装置を車両に取り付け、このCCDカメラやビデオカメラにより上述した車両周辺領域を撮像し、その撮像画像をモニタ等により表示することにより運転者などに車両周辺の情報を与えるようになっている。
【0004】このような車両周辺監視装置では、撮像領域を拡張することにより監視対象領域を広範囲とすることは安全性を高める上で有用である。そのためこの種の車両周辺監視装置では、図13に示すように、CCDカメラ1と被写体との間に撮像領域拡張部材2としてプリズムを設けることで、広角の被写体光をCCDカメラ1に取り込むことができるようになされている。
【0005】具体的には、被写体光をプリズム部2Aで屈折させることにより、撮像領域拡張部材2を設けない場合と比較して、図中の角度αだけ広角の被写体光をCCDカメラ1に入射させることができるようになっている。因みに、図13では、撮像領域拡張部材2の上部にプリズム部2Aが形成されているので、CCDカメラ1において、上部画角の拡張された画像が撮像されるようになる。これにより、撮像領域拡張部材2を用いた車両周辺監視装置においては、車両近傍(バンパ付近)から車両遠方までを一度に視認することができるようになる。
【0006】この撮像領域拡張部材2は、図14に示すように、被写体光を屈折させて広角の被写体光をCCDカメラ1のレンズに入射させるためのプリズムであるプリズム部分2Aと、被写体光を直進させてCCDカメラ1に入射させる平板部2Cと、プリズム部2Aと平板部2Cを滑らかに連結するような曲率を有する曲面部2Bとにより構成されている。このように監視領域拡張部材1で、曲面部2Bを設けたことにより、プリズム部2Aを通過した被写体光に基づく撮像画像と平板部2Cを通過した被写体光に基づく撮像画像との境界で不連続で不自然な画像が得られないようになされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、CCDカメラの対物レンズには光学的な歪曲収差が存在するため、対物レンズの中心軸(すなわち光軸)から結像位置が離れるに従って、実際の結像位置がレンズの中心に近づいて見える。
【0008】具体的には、正方格子(格子パターン)を有する格子板を用いた撮像テストを行った場合、レンズの中心から離れるに従って画角が大きくなってしまう結果、CCDカメラから得られる画像は、図15(a)に示すように、実際の格子パターンよりも上下左右に樽状に膨らんだ画像(すなわち歪んだ画像)に光学変換されることになる。
【0009】ここでCCDカメラの前面に従来の撮像領域拡張部材2を配置して、正方格子(格子パターン)を有する格子板を用いた撮像テストを行った場合のCCDカメラから得られる画像は、図15(b)に示すようになる。図15(b)からも明らかなように、撮像領域は拡大するものの、相変わらず歪曲収差が現れてしまうという問題があった。
【0010】そしてこのような撮像領域拡張部材2を車両周辺監視装置に用いた場合には、歪みのために距離感が分からない視認しにくい映像が得られ、その結果運転者は障害物の位置的な視認がし難いという問題があった。
【0011】本発明は以上の点を考慮してなされたもので、撮像装置から歪みの少ない拡張された画像を得ることができる撮像領域拡張部材を提案すると共に、運転者に撮像装置の出力として得られる監視領域の映像と実際の監視領域との距離感の相違を解消した識別性に富む良好な拡張監視画像を提供し得る車両周辺監視装置を提案しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するため本発明により成された請求項1に記載の撮像領域拡張部材は、図1に示すように、被写体と撮像装置の間に設けられた光学部材でなり、当該撮像装置に広角の被写体光を入射させることにより、当該撮像装置により得られる撮像領域を拡張させる撮像領域拡張部材10において、撮像領域拡張部材10は、入射した被写体光を撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射するように形成されていると共に、当該屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるように形成されているようにする。
【0013】以上の構成において、入射した被写体光を撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射するように形成されているので、撮像装置に画角の拡張された広角の被写体光を入射させて撮像領域を拡張できると共に、屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるように形成されているので、撮像装置の対物レンズで発生する水平方向での収差を補正することができる。この結果、撮像装置において、水平方向への歪曲歪みの小さな拡張画像を得ることができるようになる。
【0014】また本発明により成された請求項2に記載の撮像領域拡張部材10は、屈折角の変化率を、撮像装置に設けられた対物レンズの収差を考慮して選定するようにした。
【0015】この結果、撮像装置の対物レンズで発生する水平方向での収差を一段と精度良く補正し得、撮像装置において一段と水平方向への歪曲歪みの小さな拡張画像を得ることができるようになる。
【0016】また本発明により成された請求項3に記載の撮像領域拡張部材10は、屈折角が部材中心から鉛直方向に離れるに従って次第に大きくなるように形成されているようにする。
【0017】以上の構成において、撮像領域拡張部材10から出射される被写体光は、部材中心から鉛直方向(y方向)に離れるほど圧縮率が大きくなる。この結果、撮像装置では画像の中心ほど縦横の歪みの小さな拡張画像が得られるようになり、周辺監視の点で重要度の高い画像中心の歪みを低減することができるようになる。
【0018】さらに本発明により成された請求項4に記載の車両周辺監視装置100は、図12に示すように、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の撮像領域拡張部材10と、撮像領域拡張部材10を通過した拡張された領域の被写体光を撮像して車両周辺の監視画像信号を生成する撮像手段102と、撮像画像信号に基づく画像を表示する表示手段103とを備えるようにする。
【0019】以上の構成において、この車両周辺監視装置100では、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の撮像領域拡張部材10を介して入射した拡張被写体光を撮像手段102によって光電変換して監視画像信号を生成し、これに基づく画像を表示手段103に表示するようにしたことにより、表示手段103には、水平方向の収差による歪曲が小さく、かつ画像中心付近での縦横の歪みの小さい拡張画像が表示されるようになる。この結果、運転者に監視領域の映像と実際の監視領域との距離感の相違を解消した識別性に富む良好な拡張監視画像を提供し得る車両周辺監視装置100を実現できるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の一実施形態を説明する。
【0021】図1(a)は実施の形態による撮像領域拡張部材10の斜視図であり、図1(b)はその撮像領域拡張部材10を水平方向(x方向)の端部付近を鉛直方向(y方向)に切った一部切欠斜視図であり、図1(c)は部材中心P付近を鉛直方向(y方向)に切った一部切欠斜視図である。この撮像領域拡張部材10は、被写体とCCDカメラ等の撮像手段との間に配置される。
【0022】図1に示すように、撮像領域拡張部材10は、撮像手段に対して被写体光を出射する出射面11が、水平方向(z−x平面)に対して所定の傾斜角をもつように形成されていると共に、部材中心(P)から水平方向(x方向)に離れるに従って傾斜角が次第に小さくなるように形成されている。
【0023】これにより撮像領域拡張部材10においては、入射した被写体光を撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射すると共に、当該屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるようにして出射するようになされている。
【0024】この結果、撮像領域拡張部材10においては、入射した被写体光を撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射するので撮像装置に画角の拡張された広角の被写体光を入射させて撮像領域を拡張できると共に、屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるようにして出射するので、撮像装置の対物レンズで発生する水平方向での収差を補正することができるようになされている。
【0025】なお出射面11の水平方向での傾斜の変化率(すなわち部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなる屈折角の変化率)は、撮像手段に設けられた対物レンズの収差を考慮して選定されている。
【0026】また撮像領域拡張部材10の出射面11は、鉛直方向(y方向)の断面が、部材中心Pから鉛直方向(y方向)に離れるに従って水平方向(z−x平面)への傾斜角が次第に大きくなるように形成されている。
【0027】これにより撮像領域拡張部材10は、部材中心Pから鉛直方向(y方向)に離れるほど圧縮率の大きな被写体光を出射できるようになる。この結果、撮像手段では、画像の中心ほど縦横の歪みの小さな拡張画像が得られるようになる。この結果、周辺監視の点で重要度の高い画像中心の歪みを低減することができるようになる。
【0028】ここで撮像領域拡張部材10の形状を、図2R>2〜図7を用いて、さらに詳述する。図2(a)は撮像領域拡張部材10の上面図であり、図2(b)は正面図である。図2(a)から分かるように、撮像領域拡張部材10の出射面11は部材中心付近で曲率Rの凸レンズとなっていると共に、部材端部にいくに従って曲率Rで滑らかに平面へと移行するようになっている。因みに、撮像領域拡張部材10の入射面12は平面となっている。
【0029】また図2(b)におけるS−S断面及びT−T断面をそれぞれ示す、図3(a)及び(b)から分かるように、撮像領域拡張部材10の出射面11は楕円形状とされており、かつ部材中心から左右両方向(x方向)に離れるに従って楕円の長径Lが大きくなるように形成されている。ここで出射面11は楕円形状とされているので、図4及び図5に示すように、出射面11の傾斜角θΔLは上部にいくほど大きくなる。
【0030】図6は、撮像領域拡張部材10を水平方向(z−x平面)で切ったときの断面図であり、この図に見られるように撮像領域拡張部材10は、部材中心部で最大厚みZmaxをもち、左右両端において最小厚みZminをもつ。また撮像領域拡張部材10の出射面11は、中心からの距離xだけ離れた厚みZxが、図7に示すように、滑らかな逆S字曲線となるように形成されている。
【0031】ここで問題となるCCDカメラの対物レンズによる歪曲収差について述べる。図8に示すように、点Q0(x0,y0)を光源とする光がレンズ13(CCDカメラの対物レンズに相当)を介して点Q(x,y)に結像されるものとすると、その収差は、次式{(x−x0)2+(y−y0)2}1/2=k(x02+y02)3/2 …… (1)
で求められる。これは、歪曲収差により移動する結像点Qのズレ量(左辺)は、レンズ光軸からの距離の3乗に比例することを示している。なお上式におけるkは収差係数である。
【0032】従って、図9に示すように、被写体が光軸(レンズ中心)から離れるほど、実際の結像位置はレンズ中心に近づくことになる。
【0033】そこでこの実施形態の撮像領域拡張部材10では、傾斜角θΔLを部材中心から水平方向(左右方向)に離れるに従って次第に小さくなるようにすることにより、撮像手段の対物レンズで発生する水平方向での収差を補正することができるようになされている。
【0034】ここで図10(a)、(b)及び(c)に示すように、対物レンズが内蔵されたCCDモジュール20の前方に透明な平板21、従来の撮像領域拡張部材2(図14)及び実施形態の撮像領域拡張部材10をそれぞれ配置して、格子が描かれた格子板22を被写体とした実験を行ったところ、CCD素子23からは図11(a)、(b)及び(c)に示すような撮像画像が得られた。
【0035】透明な平板21を配置した場合に得られる画像(図11(a))は、対物レンズの収差により樽状に歪曲したものとなる。また従来の撮像領域拡張部材2を配置した場合に得られる画像(図11(b))は、上部画角が拡張された広角の画像となるが、やはり対物レンズの収差により樽状に歪曲したものとなる。これに対して実施形態の撮像領域拡張部材10を配置した場合に得られる画像(図11(c))は、上部画角が拡張された広角の画像となると共に水平方向での歪曲歪みが有効に低減された画像となる。
【0036】次に図12に、撮像領域拡張部材10を用いた車両周辺監視装置100の構成を示す。車両周辺監視装置100は、バスやトラック等の車両101の後部に所定の俯角をもって撮像手段としてのCCDカメラ102が取り付けられていると共に、CCDカメラ102の前方には撮像領域拡張部材10が配設されている。
【0037】そしてCCDカメラ102により得られた画像信号は運転席の近傍に設けられたモニタ103に送出される。かくして運転者は、撮像領域拡張部材10を介してCCDカメラ102で撮像された水平方向の収差による歪曲が小さくかつ画像中心付近での縦横の歪みの小さい拡張画像をモニタ103で見ることができるようになる。
【0038】この結果、運転者は、監視領域の映像と実際の監視領域との距離感の相違を解消した識別性に富む良好な拡張監視画像に基づいて車両101を運転操作できるようになるので、障害物等に車両101を衝突させるといった危険を回避した安全な運転ができるようになる。
【0039】なお上述の実施形態においては、撮像領域拡張部材10の被写体光の入射面12を平面とし、撮像手段に対向する出射面11を、傾斜角が左右両端に行くに従って次第に小さくなると共に上端に行くに従って次第に大きくなるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、被写体光の入射面の傾斜角が左右両端に行くに従って次第に小さくなると共に上端に行くに従って次第に大きくなるようにし、撮像手段に対向する出射面を平面とした場合(すなわち図1の出射面11を入射面とした場合)にも上述の実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0040】また上述の実施形態においては、本発明による撮像領域拡張部材10を車両周辺監視装置100に用いた場合について述べたが、本発明の撮像領域拡張部材はこれに限らず、例えば室内を監視するような監視装置にも用いることができる。
【0041】
【発明の効果】上述のように請求項1の発明によれば、被写体と撮像装置の間に設けられた光学部材でなり、当該撮像装置に広角の被写体光を入射させることにより、当該撮像装置により得られる撮像領域を拡張させる撮像領域拡張部材10において、撮像領域拡張部材を、入射した被写体光を撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射すると共に、当該屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるように形成したことにより、水平方向への歪曲歪みの小さな拡張画像を得ることができるようになる。
【0042】また請求項2の発明によれば、部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなる前記屈折角の変化率を、撮像装置に設けられた対物レンズの収差を考慮して選定するようにしたことにより、一段と水平方向への歪曲歪みの小さな拡張画像を得ることができるようになる。
【0043】また請求項3の発明によれば、屈折角が部材中心から鉛直方向に離れるに従って次第に大きくなるように形成したことにより、請求項1又は請求項2の効果に加えて、重要度の高い画像中心の歪みを低減することができるようになる。
【0044】さらに請求項4の発明によれば、請求項1、請求項2又は請求項3の撮像領域拡張部材と、撮像領域拡張部材を通過した拡張された監視領域の画像光を撮像して車両周辺の監視画像信号を生成する撮像手段と、監視画像信号に基づく画像を表示する表示手段とを備えるようにしたことにより、運転者に監視領域の映像と実際の監視領域との距離感の相違を解消した識別性に富む良好な拡張監視画像を提供し得る車両周辺監視装置を実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による撮像領域拡張部材を示す斜視図及び一部切欠斜視図である。
【図2】撮像領域拡張部材の形状の説明に供する上面図及び正面図である。
【図3】撮像領域拡張部材を部材中心付近及び部材中心から水平方向に所定距離だけ離れた位置でそれぞれ鉛直方向に切った断面図である。
【図4】撮像領域拡張部材の傾斜角の説明に供する断面図である。
【図5】撮像領域拡張部材の傾斜角の説明に供するグラフである。
【図6】撮像領域拡張部材を水平方向で切った場合の断面図である。
【図7】部材中心から距離xだけ離れたときの撮像領域拡張部材の厚みZxを示すグラフである。
【図8】対物レンズによる歪曲収差の説明に供する略線図である。
【図9】対物レンズによる歪曲収差の説明に供する略線図である。
【図10】透明な平板、従来の撮像領域拡張部材及び実施形態の撮像領域拡張部材をそれぞれ用いた撮像実験を行ったときの実験装置を示す図である。
【図11】図10の各実験により得られた撮像画像を示す図である。
【図12】実施の形態による車両周辺監視装置の構成を示す略線図である。
【図13】従来の撮像領域拡張部材の説明に供する図である。
【図14】従来の撮像領域拡張部材の斜視図である。
【図15】平板及び従来の撮像領域拡張部材を介して得られた撮像画像を示す図である。
【符号の説明】
10 撮像領域拡張部材
11 出射面
12 入射面
100 車両周辺監視装置
102 撮像手段(CCDカメラ)
103 表示手段(モニタ)
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像手段に広角の画像光を入射させることにより撮像領域を広げるようになされた光学部材でなる撮像領域拡張部材、及びこれを用いて運転者による視認が難しい車両周辺領域を監視する車両周辺監視装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両周辺監視装置は、乗用車、バスあるいはトラックなどの車両において、運転者による視認が難しい車両側方並びに車両後方といった車両周辺を監視する装置として用いられている。
【0003】例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラやビデオカメラといった撮像装置を車両に取り付け、このCCDカメラやビデオカメラにより上述した車両周辺領域を撮像し、その撮像画像をモニタ等により表示することにより運転者などに車両周辺の情報を与えるようになっている。
【0004】このような車両周辺監視装置では、撮像領域を拡張することにより監視対象領域を広範囲とすることは安全性を高める上で有用である。そのためこの種の車両周辺監視装置では、図13に示すように、CCDカメラ1と被写体との間に撮像領域拡張部材2としてプリズムを設けることで、広角の被写体光をCCDカメラ1に取り込むことができるようになされている。
【0005】具体的には、被写体光をプリズム部2Aで屈折させることにより、撮像領域拡張部材2を設けない場合と比較して、図中の角度αだけ広角の被写体光をCCDカメラ1に入射させることができるようになっている。因みに、図13では、撮像領域拡張部材2の上部にプリズム部2Aが形成されているので、CCDカメラ1において、上部画角の拡張された画像が撮像されるようになる。これにより、撮像領域拡張部材2を用いた車両周辺監視装置においては、車両近傍(バンパ付近)から車両遠方までを一度に視認することができるようになる。
【0006】この撮像領域拡張部材2は、図14に示すように、被写体光を屈折させて広角の被写体光をCCDカメラ1のレンズに入射させるためのプリズムであるプリズム部分2Aと、被写体光を直進させてCCDカメラ1に入射させる平板部2Cと、プリズム部2Aと平板部2Cを滑らかに連結するような曲率を有する曲面部2Bとにより構成されている。このように監視領域拡張部材1で、曲面部2Bを設けたことにより、プリズム部2Aを通過した被写体光に基づく撮像画像と平板部2Cを通過した被写体光に基づく撮像画像との境界で不連続で不自然な画像が得られないようになされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、CCDカメラの対物レンズには光学的な歪曲収差が存在するため、対物レンズの中心軸(すなわち光軸)から結像位置が離れるに従って、実際の結像位置がレンズの中心に近づいて見える。
【0008】具体的には、正方格子(格子パターン)を有する格子板を用いた撮像テストを行った場合、レンズの中心から離れるに従って画角が大きくなってしまう結果、CCDカメラから得られる画像は、図15(a)に示すように、実際の格子パターンよりも上下左右に樽状に膨らんだ画像(すなわち歪んだ画像)に光学変換されることになる。
【0009】ここでCCDカメラの前面に従来の撮像領域拡張部材2を配置して、正方格子(格子パターン)を有する格子板を用いた撮像テストを行った場合のCCDカメラから得られる画像は、図15(b)に示すようになる。図15(b)からも明らかなように、撮像領域は拡大するものの、相変わらず歪曲収差が現れてしまうという問題があった。
【0010】そしてこのような撮像領域拡張部材2を車両周辺監視装置に用いた場合には、歪みのために距離感が分からない視認しにくい映像が得られ、その結果運転者は障害物の位置的な視認がし難いという問題があった。
【0011】本発明は以上の点を考慮してなされたもので、撮像装置から歪みの少ない拡張された画像を得ることができる撮像領域拡張部材を提案すると共に、運転者に撮像装置の出力として得られる監視領域の映像と実際の監視領域との距離感の相違を解消した識別性に富む良好な拡張監視画像を提供し得る車両周辺監視装置を提案しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するため本発明により成された請求項1に記載の撮像領域拡張部材は、図1に示すように、被写体と撮像装置の間に設けられた光学部材でなり、当該撮像装置に広角の被写体光を入射させることにより、当該撮像装置により得られる撮像領域を拡張させる撮像領域拡張部材10において、撮像領域拡張部材10は、入射した被写体光を撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射するように形成されていると共に、当該屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるように形成されているようにする。
【0013】以上の構成において、入射した被写体光を撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射するように形成されているので、撮像装置に画角の拡張された広角の被写体光を入射させて撮像領域を拡張できると共に、屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるように形成されているので、撮像装置の対物レンズで発生する水平方向での収差を補正することができる。この結果、撮像装置において、水平方向への歪曲歪みの小さな拡張画像を得ることができるようになる。
【0014】また本発明により成された請求項2に記載の撮像領域拡張部材10は、屈折角の変化率を、撮像装置に設けられた対物レンズの収差を考慮して選定するようにした。
【0015】この結果、撮像装置の対物レンズで発生する水平方向での収差を一段と精度良く補正し得、撮像装置において一段と水平方向への歪曲歪みの小さな拡張画像を得ることができるようになる。
【0016】また本発明により成された請求項3に記載の撮像領域拡張部材10は、屈折角が部材中心から鉛直方向に離れるに従って次第に大きくなるように形成されているようにする。
【0017】以上の構成において、撮像領域拡張部材10から出射される被写体光は、部材中心から鉛直方向(y方向)に離れるほど圧縮率が大きくなる。この結果、撮像装置では画像の中心ほど縦横の歪みの小さな拡張画像が得られるようになり、周辺監視の点で重要度の高い画像中心の歪みを低減することができるようになる。
【0018】さらに本発明により成された請求項4に記載の車両周辺監視装置100は、図12に示すように、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の撮像領域拡張部材10と、撮像領域拡張部材10を通過した拡張された領域の被写体光を撮像して車両周辺の監視画像信号を生成する撮像手段102と、撮像画像信号に基づく画像を表示する表示手段103とを備えるようにする。
【0019】以上の構成において、この車両周辺監視装置100では、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の撮像領域拡張部材10を介して入射した拡張被写体光を撮像手段102によって光電変換して監視画像信号を生成し、これに基づく画像を表示手段103に表示するようにしたことにより、表示手段103には、水平方向の収差による歪曲が小さく、かつ画像中心付近での縦横の歪みの小さい拡張画像が表示されるようになる。この結果、運転者に監視領域の映像と実際の監視領域との距離感の相違を解消した識別性に富む良好な拡張監視画像を提供し得る車両周辺監視装置100を実現できるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の一実施形態を説明する。
【0021】図1(a)は実施の形態による撮像領域拡張部材10の斜視図であり、図1(b)はその撮像領域拡張部材10を水平方向(x方向)の端部付近を鉛直方向(y方向)に切った一部切欠斜視図であり、図1(c)は部材中心P付近を鉛直方向(y方向)に切った一部切欠斜視図である。この撮像領域拡張部材10は、被写体とCCDカメラ等の撮像手段との間に配置される。
【0022】図1に示すように、撮像領域拡張部材10は、撮像手段に対して被写体光を出射する出射面11が、水平方向(z−x平面)に対して所定の傾斜角をもつように形成されていると共に、部材中心(P)から水平方向(x方向)に離れるに従って傾斜角が次第に小さくなるように形成されている。
【0023】これにより撮像領域拡張部材10においては、入射した被写体光を撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射すると共に、当該屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるようにして出射するようになされている。
【0024】この結果、撮像領域拡張部材10においては、入射した被写体光を撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射するので撮像装置に画角の拡張された広角の被写体光を入射させて撮像領域を拡張できると共に、屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるようにして出射するので、撮像装置の対物レンズで発生する水平方向での収差を補正することができるようになされている。
【0025】なお出射面11の水平方向での傾斜の変化率(すなわち部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなる屈折角の変化率)は、撮像手段に設けられた対物レンズの収差を考慮して選定されている。
【0026】また撮像領域拡張部材10の出射面11は、鉛直方向(y方向)の断面が、部材中心Pから鉛直方向(y方向)に離れるに従って水平方向(z−x平面)への傾斜角が次第に大きくなるように形成されている。
【0027】これにより撮像領域拡張部材10は、部材中心Pから鉛直方向(y方向)に離れるほど圧縮率の大きな被写体光を出射できるようになる。この結果、撮像手段では、画像の中心ほど縦横の歪みの小さな拡張画像が得られるようになる。この結果、周辺監視の点で重要度の高い画像中心の歪みを低減することができるようになる。
【0028】ここで撮像領域拡張部材10の形状を、図2R>2〜図7を用いて、さらに詳述する。図2(a)は撮像領域拡張部材10の上面図であり、図2(b)は正面図である。図2(a)から分かるように、撮像領域拡張部材10の出射面11は部材中心付近で曲率Rの凸レンズとなっていると共に、部材端部にいくに従って曲率Rで滑らかに平面へと移行するようになっている。因みに、撮像領域拡張部材10の入射面12は平面となっている。
【0029】また図2(b)におけるS−S断面及びT−T断面をそれぞれ示す、図3(a)及び(b)から分かるように、撮像領域拡張部材10の出射面11は楕円形状とされており、かつ部材中心から左右両方向(x方向)に離れるに従って楕円の長径Lが大きくなるように形成されている。ここで出射面11は楕円形状とされているので、図4及び図5に示すように、出射面11の傾斜角θΔLは上部にいくほど大きくなる。
【0030】図6は、撮像領域拡張部材10を水平方向(z−x平面)で切ったときの断面図であり、この図に見られるように撮像領域拡張部材10は、部材中心部で最大厚みZmaxをもち、左右両端において最小厚みZminをもつ。また撮像領域拡張部材10の出射面11は、中心からの距離xだけ離れた厚みZxが、図7に示すように、滑らかな逆S字曲線となるように形成されている。
【0031】ここで問題となるCCDカメラの対物レンズによる歪曲収差について述べる。図8に示すように、点Q0(x0,y0)を光源とする光がレンズ13(CCDカメラの対物レンズに相当)を介して点Q(x,y)に結像されるものとすると、その収差は、次式{(x−x0)2+(y−y0)2}1/2=k(x02+y02)3/2 …… (1)
で求められる。これは、歪曲収差により移動する結像点Qのズレ量(左辺)は、レンズ光軸からの距離の3乗に比例することを示している。なお上式におけるkは収差係数である。
【0032】従って、図9に示すように、被写体が光軸(レンズ中心)から離れるほど、実際の結像位置はレンズ中心に近づくことになる。
【0033】そこでこの実施形態の撮像領域拡張部材10では、傾斜角θΔLを部材中心から水平方向(左右方向)に離れるに従って次第に小さくなるようにすることにより、撮像手段の対物レンズで発生する水平方向での収差を補正することができるようになされている。
【0034】ここで図10(a)、(b)及び(c)に示すように、対物レンズが内蔵されたCCDモジュール20の前方に透明な平板21、従来の撮像領域拡張部材2(図14)及び実施形態の撮像領域拡張部材10をそれぞれ配置して、格子が描かれた格子板22を被写体とした実験を行ったところ、CCD素子23からは図11(a)、(b)及び(c)に示すような撮像画像が得られた。
【0035】透明な平板21を配置した場合に得られる画像(図11(a))は、対物レンズの収差により樽状に歪曲したものとなる。また従来の撮像領域拡張部材2を配置した場合に得られる画像(図11(b))は、上部画角が拡張された広角の画像となるが、やはり対物レンズの収差により樽状に歪曲したものとなる。これに対して実施形態の撮像領域拡張部材10を配置した場合に得られる画像(図11(c))は、上部画角が拡張された広角の画像となると共に水平方向での歪曲歪みが有効に低減された画像となる。
【0036】次に図12に、撮像領域拡張部材10を用いた車両周辺監視装置100の構成を示す。車両周辺監視装置100は、バスやトラック等の車両101の後部に所定の俯角をもって撮像手段としてのCCDカメラ102が取り付けられていると共に、CCDカメラ102の前方には撮像領域拡張部材10が配設されている。
【0037】そしてCCDカメラ102により得られた画像信号は運転席の近傍に設けられたモニタ103に送出される。かくして運転者は、撮像領域拡張部材10を介してCCDカメラ102で撮像された水平方向の収差による歪曲が小さくかつ画像中心付近での縦横の歪みの小さい拡張画像をモニタ103で見ることができるようになる。
【0038】この結果、運転者は、監視領域の映像と実際の監視領域との距離感の相違を解消した識別性に富む良好な拡張監視画像に基づいて車両101を運転操作できるようになるので、障害物等に車両101を衝突させるといった危険を回避した安全な運転ができるようになる。
【0039】なお上述の実施形態においては、撮像領域拡張部材10の被写体光の入射面12を平面とし、撮像手段に対向する出射面11を、傾斜角が左右両端に行くに従って次第に小さくなると共に上端に行くに従って次第に大きくなるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、被写体光の入射面の傾斜角が左右両端に行くに従って次第に小さくなると共に上端に行くに従って次第に大きくなるようにし、撮像手段に対向する出射面を平面とした場合(すなわち図1の出射面11を入射面とした場合)にも上述の実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0040】また上述の実施形態においては、本発明による撮像領域拡張部材10を車両周辺監視装置100に用いた場合について述べたが、本発明の撮像領域拡張部材はこれに限らず、例えば室内を監視するような監視装置にも用いることができる。
【0041】
【発明の効果】上述のように請求項1の発明によれば、被写体と撮像装置の間に設けられた光学部材でなり、当該撮像装置に広角の被写体光を入射させることにより、当該撮像装置により得られる撮像領域を拡張させる撮像領域拡張部材10において、撮像領域拡張部材を、入射した被写体光を撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射すると共に、当該屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるように形成したことにより、水平方向への歪曲歪みの小さな拡張画像を得ることができるようになる。
【0042】また請求項2の発明によれば、部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなる前記屈折角の変化率を、撮像装置に設けられた対物レンズの収差を考慮して選定するようにしたことにより、一段と水平方向への歪曲歪みの小さな拡張画像を得ることができるようになる。
【0043】また請求項3の発明によれば、屈折角が部材中心から鉛直方向に離れるに従って次第に大きくなるように形成したことにより、請求項1又は請求項2の効果に加えて、重要度の高い画像中心の歪みを低減することができるようになる。
【0044】さらに請求項4の発明によれば、請求項1、請求項2又は請求項3の撮像領域拡張部材と、撮像領域拡張部材を通過した拡張された監視領域の画像光を撮像して車両周辺の監視画像信号を生成する撮像手段と、監視画像信号に基づく画像を表示する表示手段とを備えるようにしたことにより、運転者に監視領域の映像と実際の監視領域との距離感の相違を解消した識別性に富む良好な拡張監視画像を提供し得る車両周辺監視装置を実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による撮像領域拡張部材を示す斜視図及び一部切欠斜視図である。
【図2】撮像領域拡張部材の形状の説明に供する上面図及び正面図である。
【図3】撮像領域拡張部材を部材中心付近及び部材中心から水平方向に所定距離だけ離れた位置でそれぞれ鉛直方向に切った断面図である。
【図4】撮像領域拡張部材の傾斜角の説明に供する断面図である。
【図5】撮像領域拡張部材の傾斜角の説明に供するグラフである。
【図6】撮像領域拡張部材を水平方向で切った場合の断面図である。
【図7】部材中心から距離xだけ離れたときの撮像領域拡張部材の厚みZxを示すグラフである。
【図8】対物レンズによる歪曲収差の説明に供する略線図である。
【図9】対物レンズによる歪曲収差の説明に供する略線図である。
【図10】透明な平板、従来の撮像領域拡張部材及び実施形態の撮像領域拡張部材をそれぞれ用いた撮像実験を行ったときの実験装置を示す図である。
【図11】図10の各実験により得られた撮像画像を示す図である。
【図12】実施の形態による車両周辺監視装置の構成を示す略線図である。
【図13】従来の撮像領域拡張部材の説明に供する図である。
【図14】従来の撮像領域拡張部材の斜視図である。
【図15】平板及び従来の撮像領域拡張部材を介して得られた撮像画像を示す図である。
【符号の説明】
10 撮像領域拡張部材
11 出射面
12 入射面
100 車両周辺監視装置
102 撮像手段(CCDカメラ)
103 表示手段(モニタ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被写体と撮像装置の間に設けられた光学部材でなり、当該撮像装置に広角の被写体光を入射させることにより、当該撮像装置により得られる撮像領域を拡張させる撮像領域拡張部材において、前記撮像領域拡張部材は、入射した前記被写体光を前記撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射するように形成されていると共に、当該屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるように形成されていることを特徴とする撮像領域拡張部材。
【請求項2】 前記屈折角の変化率を、前記撮像装置に設けられた対物レンズの収差を考慮して選定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の撮像領域拡張部材。
【請求項3】 前記屈折角が部材中心から鉛直方向に離れるに従って次第に大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像領域拡張部材。
【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3に記載の撮像領域拡張部材と、前記撮像領域拡張部材を通過した拡張された領域の被写体光を撮像して車両周辺の監視画像信号を生成する撮像手段と、前記監視画像信号に基づく画像を表示する表示手段とを具えることを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項1】 被写体と撮像装置の間に設けられた光学部材でなり、当該撮像装置に広角の被写体光を入射させることにより、当該撮像装置により得られる撮像領域を拡張させる撮像領域拡張部材において、前記撮像領域拡張部材は、入射した前記被写体光を前記撮像装置の対物レンズの光軸の方向に屈折させて出射するように形成されていると共に、当該屈折角が部材中心から水平方向に離れるに従って次第に小さくなるように形成されていることを特徴とする撮像領域拡張部材。
【請求項2】 前記屈折角の変化率を、前記撮像装置に設けられた対物レンズの収差を考慮して選定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の撮像領域拡張部材。
【請求項3】 前記屈折角が部材中心から鉛直方向に離れるに従って次第に大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像領域拡張部材。
【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3に記載の撮像領域拡張部材と、前記撮像領域拡張部材を通過した拡張された領域の被写体光を撮像して車両周辺の監視画像信号を生成する撮像手段と、前記監視画像信号に基づく画像を表示する表示手段とを具えることを特徴とする車両周辺監視装置。
【図9】
【図13】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図11】
【図7】
【図8】
【図10】
【図12】
【図14】
【図15】
【図13】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図11】
【図7】
【図8】
【図10】
【図12】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開平11−34739
【公開日】平成11年(1999)2月9日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−190007
【出願日】平成9年(1997)7月15日
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【公開日】平成11年(1999)2月9日
【国際特許分類】
【出願日】平成9年(1997)7月15日
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
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