説明

撮影指示装置、撮影指示方法、プログラム及び撮像装置

【課題】 被験者の体の動きから自動的に撮影の開始に必要な信号を発生する。
【解決手段】 撮影指示装置(3)は、圧力検出手段(5)から出力される圧力情報を取り込む取り込み手段(9)と、前記取り込み手段によって第1の時点で取り込まれた前記圧力情報を基準情報として保持する保持手段(12)と、前記第1の時点とは異なる第2の時点で前記取り込み手段によって取り込まれた前記圧力情報と前記基準情報との類似性を判定する判定手段(12)と、前記判定手段によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生手段(12)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影指示装置、撮影指示方法、プログラム及び撮像装置に関し、たとえば、各種スポーツ等における画像分析に用いて好適な撮影指示装置、撮影指示方法、プログラム及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種スポーツにおける画像分析は効果的な練習法の1つである。たとえば、ゴルフを例にすると、スイングの良否は、アドレスやテークバック、ダウンスイング、フォロースルー、フィニッシュなどのポイントごとに判断することができるので、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置を用いて任意のポイントを静止画で撮影したり、スイングの一部を連写で撮影したり、あるいは、スイング全体を動画で撮影したりして、その場で画像を再生して自分で確認することにより、個癖の修正などを効果的に行うことができる。
【0003】
ところで、各種スポーツの分析には目に見える情報だけでなく、体重移動などの不可視情報も欠かせない。たとえば、ゴルフの練習では体重移動の良否判断も重要であるが、単に画像を撮影しただけでは、こうした不可視情報が得られない。
【0004】
この点に関し、下記の特許文献1や特許文献2には、ゴルフスイングの動画を撮影しながら、そのスイング中における不可視情報(体重移動の情報)を同時に記録する技術が記載されている。以下、特許文献1に記載の技術を関連技術1といい、特許文献2に記載の技術を関連技術2ということにすると、これらの関連技術1、2では、被験者(ゴルファー)の足下にマット状の圧力検出手段を敷き、この圧力検出手段によって検出された重心位置の移動情報をゴルフスイングの動画と一緒に記録している。これによれば、体の動きのみならず、体重移動の情報も視覚化して確認できるので、より効果的な練習を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2712055号公報
【特許文献2】特開2002−346015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の関連技術1、2は、体の動きのみならず、体重移動の情報も視覚化して確認でき、より効果的な練習を行うことができるという点で優れているが、以下の不都合がある。
【0007】
すなわち、前記の関連技術1、2では、撮影の開始指示について、以下のとおり記載されている。
<関連技術1>
「被験者は、床反力計1,2に左右の足を載せた状態でアドレス姿勢に入り、手動または自動でシステムから与えられるスイング開始指示信号に従ってゴルフスィングを行う・・・・」(第4頁右欄第10行〜第13行)
<関連技術2>
「・・・・スイング動作開始前にこのスタートスイッチを押すと・・・・重心計による荷重データの計測が開始されると共に・・・・荷重データとスイング動作の映像データ・・・・記録される。」(段落〔0030〕)
【0008】
これらの記載内容から、関連技術1にあっては、撮像装置からの指示に従ってスイングを開始するものと認められ、また、関連技術2にあっては、撮像装置のスタートスイッチを押した後にスイングを開始するものと認められる。
【0009】
したがって、関連技術1では、撮像装置からの指示に応答して速やかにスイングを始めなければならず、たとえば、呼吸を整えた後にスイングを始めるといった被験者の都合に合わせた柔軟な練習を行うことができないという欠点がある。また、関連技術2では、スタートスイッチを押してからスイングを開始するまでの間に無駄な撮影が行われてしまうという欠点があり、さらに、その欠点を解消するためには、撮影専任者(スタートスイッチを押す役目の人)、つまり、被験者以外の第三者が必要になるという欠点がある。
【0010】
そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被験者の体の動きから自動的に撮影の開始に必要な信号(静止画や連写の撮影であればシャッタ信号/動画であれば少なくとも撮影スタート信号)を発生することができる撮影指示装置、撮影指示方法、プログラム及び撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、圧力検出手段から出力される圧力情報を取り込む取り込み手段と、前記取り込み手段によって第1の時点で取り込まれた前記圧力情報を基準情報として保持する保持手段と、前記第1の時点とは異なる第2の時点で前記取り込み手段によって取り込まれた前記圧力情報と前記基準情報との類似性を判定する判定手段と、前記判定手段によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生手段とを備えたことを特徴とする撮影指示装置である。
請求項2に記載の発明は、前記信号発生手段は、前記静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号の発生に伴い、この信号の出力先である撮像装置のフォーカスモードをコンティニアスAFモードに設定すための信号を発生することを特徴とする請求項1に記載の撮影指示装置である。
請求項3に記載の発明は、さらに、前記第1の時点をユーザ指定するための指定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮影指示装置である。
請求項4に記載の発明は、前記圧力検出手段は、圧力情報として面的な圧力分布を示す荷重パターンを検出し、前記判定手段は、前記第1の時点と第2の時点の荷重パターンの類似を判断することを特徴とする請求項1に記載の撮影指示装置である。
請求項5に記載の発明は、前記判定手段は、前記第1の時点と第2の時点の荷重パターンを図形化するとともに、それら図形の形態的違いを数値化し、その数値に基づいて荷重パターンの類似を判断することを特徴とする請求項4に記載の撮影指示装置である。
請求項6に係る発明は、圧力検出手段から出力される面的な圧力分布を示す圧力情報を取り込む取り込み手段と、前記圧力情報と比較するための基準情報を保持する保持手段と、前記取り込み手段によって取り込まれた前記圧力情報と前記基準情報との類似性を判定する判定手段と、前記判定手段によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生手段とを備えたことを特徴とする撮影指示装置である。
請求項7に係る発明は、圧力検出手段から出力される圧力情報を取り込む取り込み手段と、前記圧力情報と比較するための基準情報を複数保持する保持手段と、前記保持手段に保持されている複数の基準情報の1つをユーザに選択させる選択手段と、前記取り込み手段によって取り込まれた前記圧力情報と前記ユーザによって選択された前記基準情報との類似性を判定する判定手段と、前記判定手段によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生手段とを備えたことを特徴とする撮影指示装置である。
請求項8に記載の発明は、圧力検出手段から出力される圧力情報を取り込む取り込み工程と、前記取り込み工程によって第1の時点で取り込まれた前記圧力情報を基準情報として保持する保持工程と、前記第1の時点とは異なる第2の時点で前記取り込み工程によって取り込まれた前記圧力情報と前記基準情報との類似性を判定する判定工程と、前記判定工程によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生工程とを含むことを特徴とする撮影指示方法である。
請求項9に記載の発明は、撮影指示装置のコンピュータに、圧力検出手段から出力される圧力情報を取り込む取り込み手段、前記取り込み手段によって第1の時点で取り込まれた前記圧力情報を基準情報として保持する保持手段、前記第1の時点とは異なる第2の時点で前記取り込み手段によって取り込まれた前記圧力情報と前記基準情報との類似性を判定する判定手段、前記判定手段によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生手段としての機能を与えることを特徴とするプログラムである。
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の取り込み手段、保持手段、判定手段及び信号発生手段を含むことを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被験者の体の動きから自動的に撮影の開始に必要な信号を発生することができ、たとえば、呼吸を整えた後にスイングを始めるといった被験者の都合に合わせた柔軟な練習を行うことができることに加え、無駄な撮影を回避し、また、撮影専任者を不要にできるなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態のシステム構成図である。
【図2】撮像装置3の概念構成図である。
【図3】圧力センサ部5の概念構成図である。
【図4】圧力検出情報格納テーブルの構造模式図である。
【図5】圧力センサ部5における圧力検出の説明図である。
【図6】ゴルフスィングと荷重パターンとの関係図である。
【図7】被験者による撮影タイミングの指定の仕方を示す概念図である。
【図8】荷重パターンの類似性判定の説明図である。
【図9】制御部12で実行される制御プログラムの要部動作フローを示す図である。
【図10】自動撮影処理の動作フロー説明図である。
【図11】撮影タイムラグαを短くするように改良した動作フロー説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態のシステム構成図である。この図において、システム1は、三脚等の固定具2の上に取り付けられたデジタルカメラやデジタルビデオカメラまたはその他の撮影機器などの撮像装置3と、被験者(ここではゴルファー)4の足下に敷かれた(置かれた)シート状の圧力センサ部5と、これらの撮像装置3と圧力センサ部5との間を接続する信号ケーブル6とを含む。なお、ここでは、信号ケーブル6による有線式の接続態様を示しているが、これに限定されない。BluetoothやWiFiなどの近距離通信技術による無線接続の態様であってもよい。
【0015】
図2は、撮像装置3の概念構成図である。この図において、撮像装置3は、撮像部7と、操作部8と、入力部9と、表示部10と、記憶部11と、制御部12とを含む。なお、これら以外にも不図示のバッテリ部(電源部)を含み、さらに、必要であれば、外部機器(パーソナルコンピュータなど)との間で画像ファイルなどのやりとりを仲介する入出力インターフェース部などを含んでいてもよい。
【0016】
撮像部7は、所定の画角(撮像範囲θ)に含まれる光学的な被写体像(図1の被験者4などの像)を電気信号に変換して二次元の撮像信号を生成出力する部分であり、一般的には、撮影レンズやフォーカスレンズ及びフォーカス機構などを収めた鏡筒部と、その鏡筒部の背面に設けられたCCDやCMOS等の半導体イメージセンサからなる撮像デバイスとを含んで構成されている。
【0017】
操作部8は、シャッタボタンやメニューボタン、カーソル移動ボタン及び各種モードボタンなどのボタン群(図7のボタン群8a参照)を含み、それらのボタン操作に応じた信号を発生して制御部12に出力する。
入力部9は、圧力センサ部5からの信号を取り込むための入力インターフェースであり、当該信号中に含まれるノイズ等の不要信号を除去し、さらに、所要の信号整形を行ってから制御部12に出力する。
表示部10は、液晶パネルや有機パネルあるいはELパネル等の高精細な平面表示デバイスからなり、制御部12から適宜に出力される画像や文字等の情報を表示する。
記憶部11は、撮影済みの画像(静止画や連写または動画)ファイルを記憶保存する大容量記憶デバイスであり、たとえば、フラッシュメモリやシリコンディスクまたはハードディスクなどで構成されている。この記憶部11は固定式または着脱式であってもよい。
制御部12は、コンピュータ(以下、CPU)12aや不揮発性半導体メモリ(以下、ROM)12b及び高速半導体メモリ(以下、RAM)12c並びに不図示の周辺回路からなり、ROM12bに格納されている制御プログラム等のソフトウェアをRAM12cにロードしてCPU12aで実行することによって、この撮像装置3の各部の動作を統括制御するプログラム制御方式の制御要素である。
【0018】
図3は、圧力センサ部5の概念構成図である。この図において、圧力センサ部5は、シート状の本体部13と、この本体部13の主面(表の面)に配設された所定面積(少なくとも、肩幅程度に開かれた被験者4の両足が余裕をもって乗る程度の面積)の踏み板部14と、列選択部15及び行選択部16と、駆動部17及びアンプ部18とを含んで構成されている。
踏み板部14の内部には多数の圧力センサ19が行と列のマトリクス状に配列されており、それらの圧力センサ19は行配線20と列配線21を介して、それぞれ行単位及び列単位に列選択部15と行選択部16に接続されている。
列選択部15は各列を順次に選択する列スイッチ15aを含み、行選択部16は各行を順次に選択する行スイッチ16aを含む。駆動部17は選択中の列スイッチ15aを介して列順次に圧力センサ19を駆動し、アンプ部18は選択中の行スイッチ16aを介して行順次に圧力センサ19の出力を取り出して増幅し、信号ケーブル6を介して、図2の撮像装置3(の入力部9)に出力する。
【0019】
図4は、圧力検出情報格納テーブルの構造模式図である。この図において、圧力センサ部5からの圧力情報を格納するための圧力検出情報格納テーブル22は、撮像装置3の内部(たとえば、RAM12cの一部)に形成されるテーブル形式の記憶領域であり、特に限定しないが、図示の例では、時刻フィールド22a、センサ座標フィールド22b及び圧力値フィールド22cからなるレコードを多数配列して構成されている。時刻フィールド22aには、圧力情報の検出時刻が格納され、センサ座標フィールド22bには、圧力を検出した圧力センサ19の座標情報(行番号と列番号)が格納され、圧力値フィールド22cにはその圧力センサ19の出力値(圧力値)が格納される。
【0020】
図5は、圧力センサ部5における圧力検出の説明図である。この図において、丸図形はマトリクス状に配列された多数の圧力センサ19を表している。ここで、いくつかの丸図形がハッチングで塗りつぶされているが、それらのハッチング付き圧力センサ19は、被験者4(図1参照)の足(図では左足23)の下に位置しているものを示している。なお、図示の圧力センサ19は、そのサイズを大きく描いているが、これは説明上の便宜である。実際の圧力センサ19は相当に小さい。圧力センサ19の大ききは圧力検出の精度(分解能)に影響するので、できるだけ小さなものを短間隔で均一に敷き詰めることが望ましい。
【0021】
ハッチング付き圧力センサ19には、被験者4によって力(荷重)が加えられている。それぞれの圧力センサ19の出力値(圧力値)は荷重の大きさに対応したものとなり、たとえば、つま先荷重であればつま先部分に位置する圧力センサ19の出力値(圧力値)が大きくなり、それ以外のハッチング付き圧力センサ19の出力値(圧力値)は相対的に小さくなる。あるいは、かかと荷重であればかかと部分に位置する圧力センサ19の出力値(圧力値)が大きくなり、それ以外のハッチング付き圧力センサ19の出力値(圧力値)は相対的に小さくなる。
【0022】
若しくは、足裏右荷重であれば足裏右部分に位置する圧力センサ19の出力値(圧力値)が大きくなり、それ以外のハッチング付き圧力センサ19の出力値(圧力値)は相対的に小さくなるし、足裏左荷重であれば足裏左部分に位置する圧力センサ19の出力値(圧力値)が大きくなり、それ以外のハッチング付き圧力センサ19の出力値(圧力値)は相対的に小さくなる。
【0023】
また、この図では一方の足(左足23)しか示していないが、左右両足を考慮すると、両足の荷重が均等な両足均等荷重パターンや、左足の荷重が大きい左足荷重パターン、右足の荷重が大きい右足荷重パターンなどもある。なお、荷重パターンとは、面的な圧力分布を示す圧力情報パターンのことをいう。
【0024】
実施形態の課題は、前記発明の課題と同様に「被験者の体の動きから自動的に撮影の開始に必要な信号(静止画や連写の撮影であればシャッタ信号/動画であれば少なくとも撮影スタート信号)を発生する」ことにある。
【0025】
この課題を達成するために、実施形態では、要するに、事前に被験者が分析対象のスポーツ動作(たとえば、ゴルフスィング)を行いながら動画撮影し、その再生画像を見ながら、被験者が画像の撮影タイミング(静止画撮影タイミング又は連写撮影タイミング等)を指定すると、次回からは、ただ同じスポーツ動作を行うだけで、自動的に指定したタイミングで静止画撮影または連写撮影を行うことができるようにしたものであり、具体的には、以下の(1)〜(3)の過程を経るものである。
【0026】
(1)本番の撮影に先立ち、分析対象となるスポーツ動作(ゴルフスィング)を行いながら、そのスポーツ動作を動画で事前撮影して記録すると共に、そのスポーツ動作中の圧力センサ部5の出力信号を時系列的に取り込んで圧力検出情報格納テーブル22に格納する。
(2)事前撮影の動画を再生しながら、被験者自らが所望の撮影タイミング(静止画等で撮影したいポイント)のフレームを指定する。撮像装置3は、圧力検出情報格納テーブル22に格納されている圧力情報のうち、そのフレームの時刻に対応した荷重パターンを撮影タイミング指定用の基準パターンとして設定する。
(3)本番のスポーツ動作を行うと、撮像装置3は、そのスポーツ動作中の圧力センサ部5の出力信号を時系列的に取り込み、その荷重パターンが(2)の基準パターンと一致したとき(正確には類似していたとき)に、前記(2)で被験者が指定した撮影タイミングであると判断し、静止画撮影または連写撮影を自動実行する。
【0027】
これによれば、1回目のスポーツ動作を撮影した画像の再生時に所望の撮影タイミングを指定するだけで、2回目のスポーツ動作中の所定のタイミング(1回目のスポーツ動作で指定した撮影タイミング)のときに静止画撮影または連写撮影を自動的に行うことができるから、被験者が希望したときにスポーツ動作(たとえばゴルフスイング)を始めることができ、しかも、撮影専任者も必要ないという格別の利点が得られる。
【0028】
以下、本実施形態の作用について具体的に説明する。
図6は、ゴルフスィングと荷重パターンとの関係図である。この図において、ゴルフスィングの動画像は多数のコマ画像(以下、フレームという)、たとえば、典型的にはテークバックのフレームF1や、トップのフレームF2、ダウンスイングのフレームF3、フォロースルーのフレームF4、フィニッシュのフレームF5などを含んで構成されている。
【0029】
各々のフレームに対応した荷重パターン(圧力センサ部5の検出パターン)は、図に示すようにそれぞれ特異なものになる。たとえば、テークバック(F1)ではほぼ両足均等荷重から右足への荷重移動が生じる(以下、第1の特異荷重パターンという)。また、トップ(F2)では明確な右足荷重になるが、子細に見るとその右足内側の荷重が大きくなる(以下、第2の特異荷重パターンという)。さらに、ダウンスイング(F3)では右足から左足への荷重移動が生じ、特に左足の内側の荷重が大きくなる(以下、第3の特異荷重パターンという)。そして、フォロースルー(F4)では左足の内側から外側への荷重移動が生じると共に、左足の向きが若干変化しはじめ(以下、第4の特異荷重パターンという)、フィニッシュ(F5)ではさらに左足の向きが大きく変化する(以下、第5の特異荷重パターンという)。
なお、これらの特異荷重パターンは一例を示しているに過ぎない。被験者4ごとに個人差があることはもちろんである。
【0030】
ここで、同一人物(同じ被験者4)に同じスポーツ動作(図示の例ではゴルフスィング)をさせた場合、ほぼ類似の荷重パターンが再現される。当然ながら再現の精度は被験者4の技量に依存する。つまり、高技量者の再現性は高く、それ以下の技量者の再現性は低いが、それでも同一人物(同じ被験者4)の荷重パターンに着目すると、ほぼ類似の荷重パターンが再現されるといって差し支えない。
【0031】
実施形態の技術思想は、この荷重パターンの再現性に着目したものであって、事前のスポーツ動作(以下、単に事前動作という)における任意タイミング(発明の要旨に記載の第1の時点に相当)の荷重パターンを基準パターンとして保持しておき、本番のスポーツ動作(以下、単に本番動作という)における荷重パターンが、この基準パターンに一致若しくは類似したとき(発明の要旨に記載の第2の時点に相当)に静止画または連写の撮影指示(シャッタ信号の発生)を行い、あるいは、動画の撮影スタート指示を行うことにしたものであり、これによって、被験者4の希望するタイミングで分析対象のスポーツ動作を始めさせることができ、しかも、無駄な撮影を回避し、且つ、撮影専任者も不要にできるようにしたものである。
【0032】
図7は、被験者による撮影タイミングの指定の仕方を示す概念図である。この図において、撮像装置3の表示部10には、事前動作を撮影した動画の任意フレームが表示されている。たとえば、(a)ではテークバックのフレームF1が表示されており、(b)ではダウンスイングのフレームF3が表示されている。
【0033】
ここで、被験者4が動画と静止画(または連写)の2つの撮影タイミングを指定するものとする。一般的に動画の撮影タイミング(動画撮影スタートのタイミング)は、一連のスポーツ動作の開始タイミングであるので、この場合の撮影タイミングは、(a)のテークバックのフレームF1になることが多い。したがって、被験者4は、動画のフレームを前後移動させて、(a)の表示、つまり、テークバックのフレームF1が表示されたときに所定のタイミング指定操作を行えばよい。このタイミング指定操作については特に限定しない。たとえば、ボタン操作(操作部8のボタン群8aのいずれかの操作)で行ってもよいし、あるいは、タッチパネル付きの表示部10であれば、タッチパネルへのタッチ操作で行ってもよい。
【0034】
一方、静止画や連写の撮影タイミング(静止画や連写のシャッタタイミング)は、一連のスポーツ動作中の注目ポイント(テークバックやトップ、ダウンスイング、フォロースルー、フィニッシュなど)のタイミングであり、このタイミングは被験者4によって異なるが、たとえば、ダウンスイングとすると、被験者4は、動画のフレームを前後移動させて、(b)の表示、つまり、ダウンスイングのフレームF3が表示されたときに所定のタイミング指定操作を行えばよい。このタイミング指定操作についても特に限定しない。前記の動画撮影時と同様にボタン操作やタッチ操作で行ってもよい。
【0035】
これらのタイミング指定により、たとえば、図示の例であれば、(c)に示すように、事前に撮影された動画のテークバックのフレームF1を動画の撮影タイミング(動画撮影スタートのタイミング:第1のタイミング)として指定することができ、また、ダウンスイングのフレームF3を静止画や連写の撮影タイミング(静止画や連写のシャッタタイミング:第2のタイミング)として指定することができる。
【0036】
そして、前記の図6に示したとおり、テークバックのフレームF1に対応する荷重パターンは「第1の特異荷重パターン」であり、ダウンスイングのフレームF3に対応する荷重パターンは「第3の特異荷重パターン」であるので、この例では、前記の撮影タイミングの指定に伴い、動画の撮影タイミング(動画撮影スタートのタイミング:第1のタイミング)用の基準パターンとして「第1の特異荷重パターン」を、また、静止画や連写の撮影タイミング(静止画や連写のシャッタタイミング:第2のタイミング)用の基準パターンとして「第3の特異荷重パターン」を指定することができる。
【0037】
したがって、事前動作と同一のスポーツ動作を行う本番動作において、圧力センサ部5からの検出信号をモニタし、前記の「第1の特異荷重パターン」と類似の荷重パターンが検出された場合には、撮像装置3で動画の撮影スタート信号を発生することができると共に、前記の「第3の特異荷重パターン」と類似の荷重パターンが検出された場合には、撮像装置3で静止画や連写のシャッタ信号を発生することができ、その結果、被験者4の希望する時期(たとえば、呼吸を整えた後の任意の時期)に分析対象動作を開始することができ、また、無駄な撮影を回避できると共に、撮影専任者も不要にできるという格別の効果を奏することができる。
【0038】
図8は、荷重パターンの類似性判定の説明図である。圧力検出情報格納テーブル22に格納される圧力情報は、圧力情報の検出時刻や、圧力を検出した圧力センサ19の座標情報、及び、その圧力センサ19の出力値である。これら3つの情報のうち、圧力情報それ自体を示すものは「圧力センサ19の出力値」であり、他の2つの情報は荷重パターンの識別に利用するための付帯的情報である。すなわち、「圧力情報の検出時刻」は同一の時刻に検出された一群の「圧力センサ19の出力値」をグループ化するための情報であり、また、「圧力センサ19の座標情報」はグループ化された「圧力センサ19の出力値」を二次元的な図形に変換するための情報である。
【0039】
これらの付帯的情報を用いた類似の荷重パターン判定の一例は、以下のとおりである。
【0040】
まず、図の左側に示すように、多数の圧力センサ19のそれぞれの検出値を平均化して図形化する。左の楕円図形24は右足下に位置する圧力センサ19の検出値を平均化して図形化したものを示し、右の楕円図形25は左足下に位置する圧力センサ19の検出値を平均化して図形化したものを示しており、説明の便宜上、左の楕円図形24の圧力を小(荷重小)、右の楕円図形25の圧力を大(荷重大)としている。
【0041】
ここで、楕円図形24、25を類似性判定のための基準パターンとする。すなわち、楕円図形24、25を、前述した動画の撮影タイミング(動画撮影スタートのタイミング)用の基準パターン、または、静止画や連写の撮影タイミング(静止画や連写のシャッタタイミング)用の基準パターンに相当するものとする。
【0042】
次いで、それらの基準パターン(楕円分布範囲を示す楕円図形24、25)と比較対象の荷重パターン(本番動作中に検出される荷重パターン)との形態的な違いを数値的に定量化する。定量化の方法は、たとえば、図形の大きさのずれ(A)、図形の位置のずれ(B)、図形間距離のずれ(C)、平均圧力の違い(D)などを数値化したものである。もちろん、これらの定量化は一例に過ぎないが、これらの数値(A〜D)に適切な閾値を適用することにより、類似する荷重パターンであるか否かを判定することができる。また、A〜Dの各々に重要度に応じた適切な重み付けを行い、その重み付け結果を加算した値が閾値を超えたときに類似した荷重パターンであると判定するようにしてもよい。重要度の判断や重要度に応じた重み値の設定は、実験などを通して試行錯誤で設定してもよい。
または、図示の4つの数値化例(数値化1〜数値化4)に加えて、あるいは、それらの数値化例のいずれかと入れ替えて、時間軸での圧力変化を数値化(E)したもの(数値化5)を用いてもよい。数値化1〜数値化4は、ある時点における瞬間的な基準パターンと荷重パターンとの形態的な違いを数値化したものであるが、この数値化5は時間軸という概念が加えられるため、より一層、基準パターンと荷重パターンとの形態的な違いを適正に数値化することができ、荷重パターンの類似性判定の精度向上を図ることができる。
【0043】
図9は、制御部12で実行される制御プログラムの要部動作フローを示す図である。この図において、撮像装置3の電源をオンにすると、まず、所定の初期化処理(圧力検出情報格納テーブル22の初期化など)を実行し(ステップS1)、次いで、自動撮影モードがオンになっているか否かを判定する(ステップS2)。ここで、自動撮影モードとは、実施形態特有のモードであって、ゴルフスィング等のスポーツ動作を画像分析することができるモードのことをいう。
【0044】
ステップS2の判定結果が“NO”の場合、つまり、自動撮影モードがオンになっていない場合は、その他の処理(通常撮影処理または通常再生処理など)を実行し(ステップS3)、一方、ステップS2の判定結果が“YES”の場合、つまり、自動撮影モードがオンになっている場合は、以下に説明する自動撮影処理を実行する(ステップS4)。
【0045】
図10は、自動撮影処理の動作フロー説明図である。この図において、まず、撮影タイミング指定モードであるか否かを判定する(ステップS5)。撮影タイミング指定モードとは、被験者4によって行われる動画の撮影タイミング(動画撮影スタートのタイミング:第1のタイミング)指定、または、静止画や連写の撮影タイミング(静止画や連写のシャッタタイミング:第2のタイミング)指定のためのモードのことをいう(図7参照)。
【0046】
撮影タイミング指定モードである場合は、次に、被験者4を被写体とした事前の動画撮影を実行する(ステップS6)。このとき、被験者4は、撮像装置3の撮影範囲θに置かれた圧力センサ部5の上に立ち、所定のスポーツ動作(画像解析の対象となるスポーツ動作であって、たとえば、ゴルフスィング)を行う。
【0047】
撮像装置3は、被験者4のスポーツ動作を動画撮影し、その動画ファイルを記憶部11に保存すると共に、それと並行して、圧力センサ部5からの圧力情報を取り込み、圧力検出情報格納テーブル22に保存する(ステップS7)。
【0048】
このステップS7では、圧力情報と動画ファイルの各フレームとの関連づけも行われる。すなわち、前記のとおり、圧力検出情報格納テーブル22には、圧力センサ19の座標情報や圧力センサ19の出力値と一緒に圧力情報の取得時刻が格納されるが、一方の画像ファイルにも同様の時刻情報(フレームごとの時刻情報)が含まれているので、それらの時刻情報をキーにして圧力情報と動画ファイルの各フレームとの関連づけが行われる。
【0049】
事前動作の動画撮影を完了すると、次に、撮影した動画を再生して表示部10に表示する(ステップS8)。被験者4は、その再生動画を見ながら撮影タイミングの指定、すなわち、動画の撮影タイミング(動画撮影スタートのタイミング:第1のタイミング)指定、または、静止画や連写の撮影タイミング(静止画や連写のシャッタタイミング:第2のタイミング)指定を行う(ステップS9)。撮像装置3は、指定されたタイミングの荷重パターン(図6の第1の特異荷重パターンや第3の特異荷重パターン参照)を基準パターンとして設定する(ステップS10)。
【0050】
ステップS5の判定結果が“NO”の場合、つまり、撮影タイミング指定モードでない場合、被験者4は事前動作と同様に圧力センサ部5の上に乗って同じスポーツ動作(本番動作)を行う(ステップS11)。撮像装置3は、被験者4がスポーツ動作を行っている間の荷重パターンを取り込み(ステップS12)、基準パターンとの類似を判定する(ステップS13)。
【0051】
そして、その判定結果がNOであれば、本番動作の終了を判定し(ステップS15)、本番動作終了であれば図9のフローに戻る一方、本番動作終了でなければ再びステップS12を実行する。
【0052】
ステップS13の判定結果がYESの場合、つまり、ステップS12で検出された荷重パターンと、先のステップS10で設定された基準パターンとの類似が判定された場合は、撮影信号(静止画や動画撮影であればシャッタ信号、動画撮影であれば撮影スタート信号)を発生(ステップS14)した後、本番動作の終了を判定し(ステップS15)、本番動作終了であれば図9のフローに戻る一方、本番動作終了でなければ再びステップS12を実行する。
【0053】
以上のとおりであるから、実施形態によれば、事前動作を行いながら動画を撮影するとともに、その動画を再生して所望のフレームを指定するだけで、本番動作時の所望タイミングで静止画撮影や連写撮影あるいは動画撮影を自動実行することができる。したがって、呼吸を整えた後に本番動作を始めるといった被験者の都合に合わせた練習を行うことができることに加え、無駄な撮影を回避でき、しかも、撮影専任者を不要にできるという格別の効果が得られる。
【0054】
ところで、実施形態では、基準パターンとの類似が判定されたとき(図10のステップS13の“YES”判定)に、撮影信号(静止画や動画撮影であればシャッタ信号、動画撮影であれば撮影スタート信号)を発生する(図10のステップS14)としているが、多くの場合、撮影信号の発生から実際に撮影が行われるまでの間に若干の待ち時間(撮影タイムラグ)が生じる。この撮影タイムラグは、撮影装置の性能によって様々であるが、とりわけ普及型の撮影装置にあっては無視し得ない程度の大きな撮影タイムラグが生じることがある。実施形態にとってこの撮影タイムラグの存在は障害である。撮影タイムラグをαとしたとき、撮影信号の発生から時間α後に実際の撮影が行われるからであり、所望のタイミングから時間αだけ遅れた撮影が行われてしまうからである。
【0055】
撮影タイムラグαは、主にオートフォーカスに要する時間によって与えられる。撮像部7に含まれるフォーカスレンズは、モータ等の駆動力を受けて鏡筒の軸方向に前後移動するようになっており、これによって、撮像部7のフォーカス合わせ(焦点合わせまたはピント合わせ)を行っているが、フォーカスレンズの駆動に少なくない時間を要するからである。
【0056】
一般的に、フォーカス合わせは、手動(マニュアルフォーカス:MF)と自動(オートフォーカス:AF)のいずれかで行っており、さらに、AFは、ピント合わせを1回だけ行う通常モード(シングルAF)と、ピント合わせを連続的に行うコンティニアスAFの二種類ある。
【0057】
撮影タイムラグαの長短で見た場合、シングルAFが長く、コンティニアスAFがそれに次ぐ。シングルAFの場合はフォーカスレンズの移動にある程度長い時間がかかるが、コンティニアスAFの場合はフォーカスレンズの移動量が微小で、それほど時間がからないからである。なお、MFの撮影タイムラグαはほぼゼロであるものの、MFは、撮影に先立って手動によるフォーカス合わせを必要とする特殊用途モードであり、一般的にはあまり用いられないモードであるから除外する。
【0058】
このように、AFのモードによっては、撮影タイムラグαに開きがあることから、できるだけ撮影タイムラグαが短いモード、つまり、コンティニアスAFを使用することが望ましい。
【0059】
図11は、撮影タイムラグαを短くするように改良した動作フロー説明図である。前出の図10との違いは、ステップS5とステップS11の間に、フォーカスモードをコンティニアスAFに切り換えるための処理(ステップS16)を追加した点にある。このようにすると、撮影タイムラグαを短くすることができ、実際の撮影タイミングのずれを少なくできるので、実用上好ましいものとすることができる。
【0060】
なお、実施形態は前記の説明に限定されず、様々な変形や発展が可能である。たとえば、実施形態では、比較のための基準情報(基準パターン)を圧力センサ部5から取り込む、としているが、基準情報(基準パターン)を取り込まない態様への変形も可能である。すなわち、実施形態における基準情報(基準パターン)と同様のものを予め撮像装置3の内部(ROM12bまたは記憶部11)に記憶保存しておいてもよい。実施形態と同様に、圧力センサ部5で検出された荷重パターンと、装置内に予め保持されている基準パターンとの類似を判定し、その判定結果に従って、撮影信号(静止画や動画撮影であればシャッタ信号、動画撮影であれば撮影スタート信号)を発生することができる。
また、この変形例をさらに発展させて、たとえば、予め撮像装置3の内部に記憶保存する基準情報(基準パターン)を「複数」とし、それら複数の基準パターンをユーザに選択させるようにしてもよい。この発展態様では、特に被験者4の技量の違いに柔軟に対応できるというメリットが得られる。すなわち、実施形態における基準情報(基準パターン)と同様のものを予め撮像装置3の内部(ROM12bまたは記憶部11)に記憶保存しておく場合、その基準情報(基準パターン)は、あらゆる技量の被験者4に適合するとはいい切れない。このことは、たとえば、プロレベルの基準情報(基準パターン)を記憶保存した場合に、その基準情報が超初心者レベルの被験者4に適合しない(または適合しないはずである)ことからも明らかである。複数の基準パターンを記憶保存しておき、それらをユーザに選択させるようにしておけば、技量の違いによる不適合を解消できる。たとえば、技量のレベルをハンデキャップごとに高技量、中技量、低技量などにグループ分けし、各グループごとに、そのグループに適した基準情報(基準パターン)を記憶保存しておき、ユーザの自己申告ハンデキャップに基づき、適切な基準情報(基準パターン)を読み出して比較に用いるようにすればよい。
【0061】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、この発明は、これらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本件出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0062】
(付記1)
請求項1に記載の発明は、圧力検出手段から出力される圧力情報を取り込む取り込み手段と、前記取り込み手段によって第1の時点で取り込まれた前記圧力情報を基準情報として保持する保持手段と、前記第1の時点とは異なる第2の時点で前記取り込み手段によって取り込まれた前記圧力情報と前記基準情報との類似性を判定する判定手段と、前記判定手段によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生手段とを備えたことを特徴とする撮影指示装置である。
(付記2)
請求項2に記載の発明は、前記信号発生手段は、前記静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号の発生に伴い、この信号の出力先である撮像装置のフォーカスモードをコンティニアスAFモードに設定すための信号を発生することを特徴とする請求項1に記載の撮影指示装置である。
(付記3)
請求項3に記載の発明は、さらに、前記第1の時点をユーザ指定するための指定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮影指示装置である。
(付記4)
請求項4に記載の発明は、前記圧力検出手段は、圧力情報として面的な圧力分布を示す荷重パターンを検出し、前記判定手段は、前記第1の時点と第2の時点の荷重パターンの類似を判断することを特徴とする請求項1に記載の撮影指示装置である。
(付記5)
請求項5に記載の発明は、前記判定手段は、前記第1の時点と第2の時点の荷重パターンを図形化するとともに、それら図形の形態的違いを数値化し、その数値に基づいて荷重パターンの類似を判断することを特徴とする請求項4に記載の撮影指示装置である。
(付記6)
請求項6に係る発明は、圧力検出手段から出力される面的な圧力分布を示す圧力情報を取り込む取り込み手段と、前記圧力情報と比較するための基準情報を保持する保持手段と、前記取り込み手段によって取り込まれた前記圧力情報と前記基準情報との類似性を判定する判定手段と、前記判定手段によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生手段とを備えたことを特徴とする撮影指示装置である。
(付記7)
請求項7に係る発明は、圧力検出手段から出力される圧力情報を取り込む取り込み手段と、前記圧力情報と比較するための基準情報を複数保持する保持手段と、前記保持手段に保持されている複数の基準情報の1つをユーザに選択させる選択手段と、前記取り込み手段によって取り込まれた前記圧力情報と前記ユーザによって選択された前記基準情報との類似性を判定する判定手段と、前記判定手段によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生手段とを備えたことを特徴とする撮影指示装置である。
(付記8)
請求項8に記載の発明は、圧力検出手段から出力される圧力情報を取り込む取り込み工程と、前記取り込み工程によって第1の時点で取り込まれた前記圧力情報を基準情報として保持する保持工程と、前記第1の時点とは異なる第2の時点で前記取り込み工程によって取り込まれた前記圧力情報と前記基準情報との類似性を判定する判定工程と、前記判定工程によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生工程とを含むことを特徴とする撮影指示方法である。
(付記9)
請求項9に記載の発明は、撮影指示装置のコンピュータに、圧力検出手段から出力される圧力情報を取り込む取り込み手段、前記取り込み手段によって第1の時点で取り込まれた前記圧力情報を基準情報として保持する保持手段、前記第1の時点とは異なる第2の時点で前記取り込み手段によって取り込まれた前記圧力情報と前記基準情報との類似性を判定する判定手段、前記判定手段によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生手段としての機能を与えることを特徴とするプログラムである。
(付記10)
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の取り込み手段、保持手段、判定手段及び信号発生手段を含むことを特徴とする撮像装置である。
【符号の説明】
【0063】
3 撮像装置(撮影指示装置)
5 圧力センサ部(圧力検出手段)
8a ボタン群(指定手段)
9 入力部(取り込み手段)
12 制御部(保持手段、判定手段、信号発生手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力検出手段から出力される圧力情報を取り込む取り込み手段と、
前記取り込み手段によって第1の時点で取り込まれた前記圧力情報を基準情報として保持する保持手段と、
前記第1の時点とは異なる第2の時点で前記取り込み手段によって取り込まれた前記圧力情報と前記基準情報との類似性を判定する判定手段と、
前記判定手段によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生手段と
を備えたことを特徴とする撮影指示装置。
【請求項2】
前記信号発生手段は、前記静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号の発生に伴い、この信号の出力先である撮像装置のフォーカスモードをコンティニアスAFモードに設定すための信号を発生することを特徴とする請求項1に記載の撮影指示装置。
【請求項3】
さらに、前記第1の時点をユーザ指定するための指定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮影指示装置。
【請求項4】
前記圧力検出手段は、圧力情報として面的な圧力分布を示す荷重パターンを検出し、前記判定手段は、前記第1の時点と第2の時点の荷重パターンの類似を判断することを特徴とする請求項1に記載の撮影指示装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記第1の時点と第2の時点の荷重パターンを図形化するとともに、それら図形の形態的違いを数値化し、その数値に基づいて荷重パターンの類似を判断することを特徴とする請求項4に記載の撮影指示装置。
【請求項6】
圧力検出手段から出力される面的な圧力分布を示す圧力情報を取り込む取り込み手段と、
前記圧力情報と比較するための基準情報を保持する保持手段と、
前記取り込み手段によって取り込まれた前記圧力情報と前記基準情報との類似性を判定する判定手段と、
前記判定手段によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生手段と
を備えたことを特徴とする撮影指示装置。
【請求項7】
圧力検出手段から出力される圧力情報を取り込む取り込み手段と、
前記圧力情報と比較するための基準情報を複数保持する保持手段と、
前記保持手段に保持されている複数の基準情報の1つをユーザに選択させる選択手段と、
前記取り込み手段によって取り込まれた前記圧力情報と前記ユーザによって選択された前記基準情報との類似性を判定する判定手段と、
前記判定手段によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生手段と
を備えたことを特徴とする撮影指示装置。
【請求項8】
圧力検出手段から出力される圧力情報を取り込む取り込み工程と、
前記取り込み工程によって第1の時点で取り込まれた前記圧力情報を基準情報として保持する保持工程と、
前記第1の時点とは異なる第2の時点で前記取り込み工程によって取り込まれた前記圧力情報と前記基準情報との類似性を判定する判定工程と、
前記判定工程によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生工程と
を含むことを特徴とする撮影指示方法。
【請求項9】
撮影指示装置のコンピュータに、
圧力検出手段から出力される圧力情報を取り込む取り込み手段、
前記取り込み手段によって第1の時点で取り込まれた前記圧力情報を基準情報として保持する保持手段、
前記第1の時点とは異なる第2の時点で前記取り込み手段によって取り込まれた前記圧力情報と前記基準情報との類似性を判定する判定手段、
前記判定手段によって所定の類似性が判定されたときに静止画または連写もしくは動画の撮影を指示する信号を発生する信号発生手段
としての機能を与えることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項1に記載の取り込み手段、保持手段、判定手段及び信号発生手段を含むことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−74591(P2013−74591A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214183(P2011−214183)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】