説明

擬似動画作成装置、擬似動画作成方法、及び擬似動画作成プログラム

【課題】オブジェクトの経時的変化を容易に把握できるようにする。
【解決手段】同一のオブジェクトを経時的に撮影して得た2枚の静止画像を「一の静止画像」「他の静止画像」とする。本発明においては、「一の静止画像」の手前側に「他の静止画像」を重ね合わせ、該他の静止画像の透明度を図2(a) 又は(b) に示すように変化させる。これにより、表示される静止画像が徐々に切り替わることとなり、それら2枚の静止画像によって擬似的な動画が作成されることとなる。したがって、2枚の静止画像を単に並べて見比べる場合(つまり、2枚の静止画像を見比べて、経時的変化があったところを捜すような場合)に比べ、前記オブジェクトの経時的変化を把握することが容易となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一のオブジェクトを経時的に撮影して得た複数の静止画像を使って該オブジェクトの経時的変化を示す擬似動画を作成する擬似動画作成装置、擬似動画作成方法、及び擬似動画作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、経時的変化の記録(つまり、何らかのオブジェクトに関する位置や形状や色などについての経時的変化の記録)はビデオカメラ等を使った動画で行うことが一般的であるが、数日とか数ヶ月とかの長期間に亘る変化の記録はデジタルカメラ等を使った静止画像で行うことがあった。例えば、医療の分野では、不定期に撮影して得た複数枚の写真(例えば、眼底写真等)を見比べることで、病状の進行の度合いや術後の回復度合いを診断することが行われている。しかしながら、複数枚の静止画像を並べて比較しなければならないため、その比較作業が繁雑となり、経時的変化を把握するのは容易ではなかった。
【0003】
そこで、このような問題を解決する方法として、複数の静止画像を使って該オブジェクトの経時的変化を示す擬似動画を作成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、2枚の画像(先の画像と後の画像)を重ね合わせ、後の画像の透明度を0%から100%に徐々に変化させることにより、先の画像から後の画像に徐々に切り替えることで、オブジェクトの経時的変化を容易に把握できるようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−217493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、透明度の変化量は調整することができず一定であるため、作成した擬似動画は全て同じ長さとなってしまい(つまり、どの擬似動画も、透明度の変化開始から変化終了までの時間が皆同じ長さになってしまい)、擬似動画の長さを長くしたり短くしたりすることは出来なかった。
【0006】
本発明は、上述の問題を解消することのできる擬似動画作成装置、擬似動画作成方法、及び擬似動画作成プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、図1に例示するものであって、同一のオブジェクトを経時的に撮影して得た複数の静止画像を使って該オブジェクトの経時的変化を示す擬似動画を作成する擬似動画作成装置(1)において、
前記複数の静止画像を画像データとして保存する画像データ保存手段(2)と、
該画像データ保存手段(2)からの画像データを受けて、一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、所定時間が経過する度に透明度を所定量(「透明度変化量」とする)ずつ変化させながら他の静止画像を表示することにより前記擬似動画を作成する擬似動画作成手段(3)と、
前記透明度変化量を指定する変化量指定手段(7)と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記透明度変化量が、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの間、略一定となるように設定されたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、前記一の静止画像の撮影時刻と前記他の静止画像の撮影時刻との差である撮影時刻差をΔtとした場合に下式によって前記擬似動画の表示時間ΔTを演算する表示時間演算手段(6)、を備え、
【数1】

前記変化量指定手段(7)は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの時間が前記表示時間演算手段(6)にて演算された表示時間ΔTに略一致するように前記透明度変化量を指定することを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、各静止画像の撮影時刻を時刻データとして保存する時刻データ保存手段(4)と、
該時刻データ保存手段(4)に保存された時刻データに基づき前記撮影時刻差Δtを演算する時刻差演算手段(5)と、
を備え、
前記表示時間演算手段(6)は、該時刻差演算手段(5)が演算した撮影時刻差Δtに基づいて前記擬似動画の表示時間ΔTを演算することを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項3又は4に係る発明において、前記複数の静止画像を、撮影順に“第1静止画像”“第2静止画像”“第3静止画像”とした場合に、
前記擬似動画作成手段(3)は、前記第1静止画像及び前記第2静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら他の静止画像を表示することにより前記第1静止画像から前記第2静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第1擬似動画を作成し、前記第2静止画像及び前記第3静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら他の静止画像を表示することにより前記第2静止画像から前記第3静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第2擬似動画を作成し、
前記表示時間演算手段(6)は、前記第1擬似動画の表示時間である第1表示時間ΔT1と、前記第2擬似動画の表示時間である第2表示時間ΔT2とを下式を満たすように演算することを特徴とする。
【数2】

但し、Δt1は、前記第1静止画像の撮影時刻と前記第2静止画像の撮影時刻との撮影時刻差であり、Δt2は、前記第2静止画像の撮影時刻と前記第3静止画像の撮影時刻との撮影時刻差である。
【0012】
請求項6に係る発明は、同一のオブジェクトを経時的に撮影して得た複数の静止画像を使って該オブジェクトの経時的変化を示す擬似動画を作成する擬似動画作成方法において、
前記複数の静止画像を画像データとして保存するステップと、
該保存した画像データを使って、一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、所定時間が経過する度に透明度を所定量(「透明度変化量」とする)ずつ変化させながら他の静止画像を表示することにより前記擬似動画を作成するステップと、
前記透明度変化量を指定するステップと、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、前記透明度変化量が、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの間、略一定となるように設定されたことを特徴とする。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項6又は7に係る発明において、前記一の静止画像の撮影時刻と前記他の静止画像の撮影時刻との差である撮影時刻差をΔtとした場合に下式によって前記擬似動画の表示時間ΔTを演算するステップ、を備え、
【数3】

前記透明変化量の指定は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの時間が前記演算された表示時間ΔTに略一致するように行うことを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明において、各静止画像の撮影時刻を時刻データとして保存するステップと、
該保存された時刻データに基づき前記撮影時刻差Δtを演算するステップと、
を備え、
前記表示時間ΔTの演算は、該演算された撮影時刻差Δtに基づいて行うことを特徴とする。
【0016】
請求項10に係る発明は、請求項8又は9に記載の発明において、前記複数の静止画像を、撮影順に“第1静止画像”“第2静止画像”“第3静止画像”とした場合に、
前記擬似動画を作成するステップにおいては、前記第1静止画像及び前記第2静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら他の静止画像を表示することにより前記第1静止画像から前記第2静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第1擬似動画を作成し、前記第2静止画像及び前記第3静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら他の静止画像を表示することにより前記第2静止画像から前記第3静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第2擬似動画を作成し、
前記表示時間を演算するステップにおいては、前記第1擬似動画の表示時間である第1表示時間ΔT1と、前記第2擬似動画の表示時間である第2表示時間ΔT2とを下式を満たすように演算することを特徴とする。
【数4】

但し、Δt1は、前記第1静止画像の撮影時刻と前記第2静止画像の撮影時刻との撮影時刻差であり、Δt2は、前記第2静止画像の撮影時刻と前記第3静止画像の撮影時刻との撮影時刻差である。
【0017】
請求項11に係る発明は、同一のオブジェクトを経時的に撮影して得た複数の静止画像を使って該オブジェクトの経時的変化を示す擬似動画を作成する擬似動画作成プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記複数の静止画像を画像データとして保存する画像データ保存手段(2)、
該画像データ保存手段(2)からの画像データを受けて、一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、所定時間が経過する度に透明度を所定量(「透明度変化量」とする)ずつ変化させながら他の静止画像を表示することにより前記擬似動画を作成する擬似動画作成手段(3)、及び
前記透明度変化量を指定する変化量指定手段(7)、として機能させることを特徴とする。
【0018】
請求項12に係る発明は、請求項11に係る発明において、前記透明度変化量が、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの間、略一定となるように設定されたことを特徴とする。
【0019】
請求項13に係る発明は、請求項11又は12に記載の発明において、前記コンピュータを、
前記一の静止画像の撮影時刻と前記他の静止画像の撮影時刻との差である撮影時刻差をΔtとした場合に下式によって前記擬似動画の表示時間ΔTを演算する表示時間演算手段(6)、
としても機能させ、
【数5】

前記変化量指定手段(7)は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの時間が前記表示時間演算手段(6)にて演算された表示時間ΔTに略一致するように前記透明度変化量を指定することを特徴とする。
【0020】
請求項14に係る発明は、請求項13に係る発明において、前記コンピュータを、
各静止画像の撮影時刻を時刻データとして保存する時刻データ保存手段(4)、及び
該時刻データ保存手段(4)に保存された時刻データに基づき前記撮影時刻差Δtを演算する時刻差演算手段(5)、
としても機能させ、
前記表示時間演算手段(6)は、該時刻差演算手段(5)が演算した撮影時刻差Δtに基づいて前記擬似動画の表示時間ΔTを演算することを特徴とする。
【0021】
請求項15に係る発明は、請求項13又は14に係る発明において、前記複数の静止画像を、撮影順に“第1静止画像”“第2静止画像”“第3静止画像”とした場合に、
前記擬似動画作成手段(3)は、前記第1静止画像及び前記第2静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら他の静止画像を表示することにより前記第1静止画像から前記第2静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第1擬似動画を作成し、前記第2静止画像及び前記第3静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら他の静止画像を表示することにより前記第2静止画像から前記第3静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第2擬似動画を作成し、
前記表示時間演算手段(6)は、前記第1擬似動画の表示時間である第1表示時間ΔT1と、前記第2擬似動画の表示時間である第2表示時間ΔT2とを下式を満たすように演算することを特徴とする。
【数6】

但し、Δt1は、前記第1静止画像の撮影時刻と前記第2静止画像の撮影時刻との撮影時刻差であり、Δt2は、前記第2静止画像の撮影時刻と前記第3静止画像の撮影時刻との撮影時刻差である。
【0022】
なお、括弧内の番号などは、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【発明の効果】
【0023】
請求項1,6,及び11に係る発明によれば、他の静止画像の透明度は所定量(つまり、透明度変化量)ずつ変化されるので、一の静止画像及び他の静止画像が自然に切り替わる擬似動画が得られる。この擬似動画を見ることで、複数枚の静止画像を対比観察する場合と比べ、
・ 経時変化する前の状態や、
・ 経時変化した後の状態や、
・ 経時的変化をした箇所
などを比較的容易に把握することができる。また、上述の透明度変化量は変化量指定手段によって指定できるようになっているので、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの時間(つまり、擬似動画の長さ)を必要に応じて長くしたり短くしたりすることができる。
【0024】
請求項3,4,8,9,13及び14に係る発明によれば、例えば、撮影時刻差Δtが“1年”である2枚の静止画像を使って作成した擬似動画は、“1年”に略比例する表示時間となり、撮影時刻差が“半年”である2枚の静止画像を使って作成した擬似動画は、“半年”に略比例する表示時間となって、実際の撮影時刻差Δtの長短が擬似動画の表示時間ΔTに反映されることなる。その結果、それぞれ擬似動画を見比べるだけで、実際の変化がゆっくりと進行したのか、或いは早く進行したのかを把握することができる。
【0025】
請求項2,7及び12に係る発明によれば、静止画像が徐々に切り替えられることとなり、オブジェクトの経時的変化をより確実に把握することができる。
【0026】
請求項5,10及び15に係る発明によれば、前記第1乃至第3静止画像の撮影が不定期に行われたとしても(つまり、前記撮影時刻差Δt1と前記撮影時刻差Δt2とが等しくなくても)、その点を考慮した擬似動画(つまり、映し出されるオブジェクトの時間の流れが略一定である擬似動画)を得ることができ、該オブジェクトの経時的変化をリアルに再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明に係る擬似動画作成装置の構造の一例を示すブロック図である。
【図2】図2(a) (b) は、他の静止画像の透明度の変化の態様を示す図である。
【図3】図3(a) (b) は、一の静止画像及び他の静止画像の透明度の変化の様子の一例を示す図である。
【図4】図4(a) (b) は、一の静止画像及び他の静止画像の透明度の変化の様子の一例を示す図である。
【図5】図5は、3つの静止画像を切り替え表示する場合の透明度の変化の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図1乃至図4に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
本発明に係る擬似動画作成装置は、同一のオブジェクト(目的物)を経時的に撮影して得た複数の静止画像を使って該オブジェクトの経時的変化を示す擬似動画を作成する装置である。
【0030】
本発明に係る擬似動画作成装置は、図1に符号1で例示するものであって、
・ 前記複数の静止画像を画像データとして保存する画像データ保存手段2と、
・ 前記画像データ保存手段2からの画像データを受けて擬似動画を作成する擬似動画作成手段3と、
を備えている。そして、この擬似動画作成手段3は、
・ 一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように他の静止画像を表示するようにし、
・ 該他の静止画像を表示する際に、その透明度を徐々に変化させる、
ように構成されている。具体的には、
(a) 前記他の静止画像の透明度を最初は低く設定しておいて、所定時間(以下、適宜“単位時間”とする)dtが経過する度に透明度を所定量(「透明度変化量」とする)dcずつ高くしていく態様(例えば、図2(a)
に例示するように、透明度を略0%から略100%に階段状に変化させる態様)
(b) 前記他の静止画像の透明度を最初は高く設定しておいて、単位時間が経過する度に透明度を所定量(透明度変化量)ずつ低くしていく態様(例えば、図2(b)
に例示するように、透明度を略100%から略0%に階段状に変化させる態様)
を挙げることができる。そして、上述の透明度変化量は変化量指定手段7によって指定できるようになっている。この変化量指定手段7としては、
・ 操作者が手動で透明変化量を指定するための手段(例えば、ボリュームつまみやスライドスイッチなどの公知のスイッチ)
・ 何らかのデータに基づいて透明変化量を自動で指定するような手段(詳細は後述する)
を挙げることができる。上記(a) の場合は、初めは該他の静止画像が見えていて徐々に前記一の静止画像に切り替わっていくような擬似動画が作成されることとなり、撮影時刻が古い方の静止画像を該他の静止画像とし撮影時刻が新しい方の静止画像を該一の静止画像とすることにより、前記オブジェクトの経時的変化を示す擬似動画が作成されることとなる。一方、上記(b)
の場合は、初めは前記一の静止画像が見えていて徐々に前記他の静止画像に切り替わっていくような擬似動画が作成されることとなり、撮影時刻が古い方の静止画像を前記一の静止画像とし撮影時刻が新しい方の静止画像を前記他の静止画像とすることにより、前記オブジェクトの経時的変化を示す擬似動画が作成されることとなる。
【0031】
本発明によれば、上述した擬似動画を見ることで、複数枚の静止画像を対比観察する場合と比べ、
・ 経時変化する前の状態や、
・ 経時変化した後の状態や、
・ 経時的変化をした箇所
などを比較的容易に把握することができる。また、上述の透明度変化量は変化量指定手段7によって指定できるようになっているので、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの時間(つまり、擬似動画の長さ)を必要に応じて長くしたり短くしたりすることができる。
【0032】
ところで、前記他の静止画像の透明度が0%のときに前記一の静止画像が該他の静止画像に隠れて見えないのであれば、該一の静止画像の透明度は変化させずに一定(好ましくは、略0%で一定)にしていれば良いが(図3(a) (b) 参照)、該他の静止画像の透明度が0%であっても前記一の静止画像が見えてしまうような場合(例えば、オブジェクトの位置や形状が経時的に変化するため、後で撮影した静止画像中のオブジェクトの像が、先に撮影した静止画像中のオブジェクトの像からはみ出て表示されるような場合)には、前記一の静止画像の透明度は適宜変化させると良い(図4(a)
(b) 参照)。
【0033】
なお、上述の透明度変化量dcは、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの間、略一定となるように設定しておくと良い。透明度を略一定でなく変化させたような場合には、前記一の静止画像から前記他の静止画像へ(或いは、前記他の静止画像から前記一の静止画像へ)静止画像が急に切り替わってしまってオブジェクトの経時的変化を十分に把握できないおそれが残るが、上述のように透明度変化量を変化させずに略一定にした場合には、静止画像が徐々に切り替えられることとなり、オブジェクトの経時的変化をより確実に把握することができる。
【0034】
さらに、本発明に係る擬似動画作成装置1には、下式によって前記擬似動画の表示時間ΔTを演算する表示時間演算手段(図1の符号6参照)を設けておくと良い。
【数7】

但し、Δtは、前記一の静止画像の撮影時刻と前記他の静止画像の撮影時刻との差(撮影時刻差)であり、kは定数である。
【0035】
そして、前記変化量指定手段7は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの時間が前記表示時間演算手段6にて演算された表示時間ΔTに略一致するように前記透明度変化量を指定するようにすると良い。この場合、
・ 各静止画像の撮影時刻を時刻データとして保存する時刻データ保存手段4と、
・ 該時刻データ保存手段4に保存された時刻データに基づき前記撮影時刻差Δtを演算する時刻差演算手段5と、
を設けておき、前記表示時間演算手段6は、該時刻差演算手段が演算した撮影時刻差Δtに基づいて前記擬似動画の表示時間ΔTを演算するようにすると良い。
【0036】
上述のように構成した場合、例えば、撮影時刻差Δtが“1年”である2枚の静止画像を使って作成した擬似動画は、“1年”に略比例する表示時間となり、撮影時刻差が“半年”である2枚の静止画像を使って作成した擬似動画は、“半年”に略比例する表示時間となって、実際の撮影時刻差Δtの長短が擬似動画の表示時間ΔTに反映されることなる。その結果、それぞれ擬似動画を見比べるだけで、実際の変化がゆっくりと進行したのか、或いは早く進行したのかを把握することができる。
【0037】
なお、前記擬似動画作成手段3は、一の静止画像の手前側に略重なるように他の静止画像を表示する(つまり、2つの静止画像を重畳させる)が、その位置合わせは公知の技術を用いると良い。
【0038】
ところで、3つの静止画像を使って擬似動画を作成するようにしても良い。いま、3つの静止画像を、その撮影順に“第1静止画像”“第2静止画像”“第3静止画像”と称することとする。この場合、前記擬似動画作成手段3は、前記第1静止画像と前記第2静止画像とを使って一つの擬似動画(以下、“第1擬似動画”とする)を作成し、前記第2静止画像と前記第3静止画像とを使ってもう一つの擬似動画(以下、“第2擬似動画”とする)を作成する。これらの第1及び第2擬似動画をつなぎ合わせて表示すれば、前記第1静止画像→前記第2静止画像→前記第3静止画像に掛けて経時的に変化するオブジェクトの擬似動画を得ることができる。
【0039】
具体的には、前記擬似動画作成手段3は、前記第1静止画像及び前記第2静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら(つまり、透明度を徐々に高くするか又は透明度を徐々に低くしながら)他の静止画像を表示することにより前記第1静止画像から前記第2静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第1擬似動画を作成し、前記第2静止画像及び前記第3静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら(つまり、透明度を徐々に高くするか又は透明度を徐々に低くしながら)他の静止画像を表示することにより前記第2静止画像から前記第3静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第2擬似動画を作成すると良い。
【0040】
この場合、前記表示時間演算手段6は、前記第1擬似動画の表示時間である第1表示時間ΔT1と、前記第2擬似動画の表示時間である第2表示時間ΔT2とを下式を満たすように演算するようにすると良い。
【数8】

但し、Δt1は、前記第1静止画像の撮影時刻と前記第2静止画像の撮影時刻との撮影時刻差であり、Δt2は、前記第2静止画像の撮影時刻と前記第3静止画像の撮影時刻との撮影時刻差である。
【0041】
上述のように構成した場合には、前記第1乃至第3静止画像の撮影が不定期に行われたとしても(つまり、前記撮影時刻差Δt1と前記撮影時刻差Δt2とが等しくなくても)、その点を考慮した擬似動画(つまり、映し出されるオブジェクトの時間の流れが略一定である擬似動画)を得ることができ、該オブジェクトの経時的変化をリアルに再現することができる。
【0042】
なお、上述の擬似動画作成装置1にはモニター10を接続しておいて、該装置1で作成した擬似動画を該モニター10で表示するようにしても良い。また、該装置1で作成した擬似動画を可搬性メモリー(例えば、USBメモリー)に、例えばAVI、DCR、DIR、DXR、MPEG、MOVといった形式の動画データファイルとして保存できるようにし、他の再生装置(例えば、パソコンやDVDプレーヤー)で再生できるようにしても良い。
【0043】
一方、本発明に係る擬似動画作成方法は、同一のオブジェクトを経時的に撮影して得た複数の静止画像を使って該オブジェクトの経時的変化を示す擬似動画を作成する方法である。
【0044】
該擬似動画作成方法は、
・ 前記複数の静止画像を画像データとして保存するステップと、
・ 該保存した画像データを使って前記擬似動画を作成するステップと、
・ 該擬似動画を作成する際の透明度変化量を指定するステップと、
を備えている。この場合の擬似動画の作成は上述した通りのものである。また、前記透明度変化量は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの間、略一定となるように設定しておくと良い。
【0045】
さらに、本発明に係る擬似動画作成方法においては、下式によって前記擬似動画の表示時間ΔTを演算するステップを実施するようにすると良い。そして、前記透明変化量の指定は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの時間が前記演算された表示時間ΔTに略一致するように行うと良い。
【数9】

但し、Δtは、前記一の静止画像の撮影時刻と前記他の静止画像の撮影時刻との差(撮影時刻差)である。
【0046】
またさらに、
・ 各静止画像の撮影時刻を時刻データとして保存するステップと、
・ 該保存された時刻データに基づき前記撮影時刻差Δtを演算するステップと、
を実施し、前記表示時間ΔTの演算は、該演算された撮影時刻差Δtに基づいて行うようにすると良い。
【0047】
ところで、上述のように3つの静止画像(第1乃至第3静止画像)を使って擬似動画を作成するようにしても良い。その場合、前記擬似動画を作成するステップにおいては、前記第1静止画像及び前記第2静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら(つまり、透明度を徐々に高くしていくか又は透明度を徐々に低くしていきながら)他の静止画像を表示することにより前記第1静止画像から前記第2静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第1擬似動画を作成し、前記第2静止画像及び前記第3静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら(つまり、透明度を徐々に高くしていくか又は透明度を徐々に低くしていきながら)他の静止画像を表示することにより前記第2静止画像から前記第3静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第2擬似動画を作成すると良い。また、前記表示時間を演算するステップにおいては、前記第1擬似動画の表示時間である第1表示時間ΔT1と、前記第2擬似動画の表示時間である第2表示時間ΔT2とを下式を満たすように演算するようにすると良い。
【数10】

但し、Δt1は、前記第1静止画像の撮影時刻と前記第2静止画像の撮影時刻との撮影時刻差であり、Δt2は、前記第2静止画像の撮影時刻と前記第3静止画像の撮影時刻との撮影時刻差である。
【0048】
また一方、本発明に係る擬似動画作成プログラムは、同一のオブジェクトを経時的に撮影して得た複数の静止画像を使って該オブジェクトの経時的変化を示す擬似動画を作成するプログラムである。
【0049】
そして、該プログラムは、コンピュータを、
・ 前記複数の静止画像を画像データとして保存する画像データ保存手段2、
・ 各静止画像の撮影時刻を時刻データとして保存する時刻データ保存手段4、
・ 前記画像データ保存手段2からの画像データを受けて、一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、所定時間(前記単位時間)が経過する度に透明度を所定量(「透明度変化量」とする)ずつ変化させながら(つまり、透明度を徐々に高くしていくか又は透明度を徐々に低くしていきながら)他の静止画像を表示することにより前記擬似動画を作成する擬似動画作成手段3、及び
・ 前記透明度変化量を指定する変化量指定手段7、
として機能させるものである。上述したように、前記透明度変化量は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの間、略一定となるように設定すると良い。
【0050】
また、本発明に係る擬似動画作成プログラムは、前記コンピュータを、下式によって前記擬似動画の表示時間ΔTを演算する表示時間演算手段6、としても機能させるようにすると良い。そして、前記変化量指定手段7は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの時間が前記表示時間演算手段6にて演算された表示時間ΔTに略一致するように前記透明度変化量を指定するようにすると良い。
【数11】

但し、Δtは、前記一の静止画像の撮影時刻と前記他の静止画像の撮影時刻との撮影時刻差である。
【0051】
さらに、本発明に係る擬似動画作成プログラムは、前記コンピュータを、
・ 各静止画像の撮影時刻を時刻データとして保存する時刻データ保存手段4、及び
・ 該時刻データ保存手段に保存された時刻データに基づき前記撮影時刻差Δtを演算する時刻差演算手段5、
としても機能させるようにすると良い。そして、前記表示時間演算手段6は、該時刻差演算手段5が演算した撮影時刻差Δtに基づいて前記擬似動画の表示時間ΔTを演算するようにすると良い。
【0052】
ところで、上述のように3つの静止画像(第1乃至第3静止画像)を使って擬似動画を作成するようにしても良い。その場合、前記擬似動画作成手段3は、前記第1静止画像及び前記第2静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら(つまり、透明度を徐々に高くしていくか又は透明度を徐々に低くしていきながら)他の静止画像を表示することにより前記第1静止画像から前記第2静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第1擬似動画を作成し、前記第2静止画像及び前記第3静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら(つまり、透明度を徐々に高くしていくか又は透明度を徐々に低くしていきながら)他の静止画像を表示することにより前記第2静止画像から前記第3静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第2擬似動画を作成すると良い。また、前記表示時間演算手段6は、前記第1擬似動画の表示時間である第1表示時間ΔT1と、前記第2擬似動画の表示時間である第2表示時間ΔT2とを下式を満たすように演算すると良い。
【数12】

但し、Δt1は、前記第1静止画像の撮影時刻と前記第2静止画像の撮影時刻との撮影時刻差であり、Δt2は、前記第2静止画像の撮影時刻と前記第3静止画像の撮影時刻との撮影時刻差である。
【実施例1】
【0053】
本発明の一つの実施例を説明する。
【0054】
本実施例では、あるオブジェクトについて3回の写真撮影を行って3つの静止画像を取得した(撮影順に第1静止画像、第2静止画像及び第3静止画像とする)。そして、1回目の撮影から2回目の撮影までの間隔(撮影時刻差)は半年であり、2回目の撮影から3回目の撮影までの間隔(撮影時刻差)は1年であった。
【0055】
上述した擬似動画作成装置1においては、前記時刻差演算手段5が、
・ 前記第1静止画像の撮影時刻と前記第2静止画像の撮影時刻との撮影時刻差Δt1が半年であること、及び
・ 前記第2静止画像の撮影時刻と前記第3静止画像の撮影時刻との撮影時刻差Δt2が1年であること
を演算し、前記表示時間演算手段6は、下式を満たすような第1表示時間ΔT1及び第2表示時間ΔT2を演算する。
【数13】

【0056】
そして、前記変化量指定手段7は、各静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの時間が前記表示時間に略一致するように前記透明度の透明度変化量を指定することとなる。本実施例においては、第1表示時間ΔT1と第2表示時間ΔT2との比が1:2であるため、前記第1表示時間ΔT1における透明度変化量dc1と前記第2表示時間ΔT2における透明度変化量dc2との比は2:1とされる。例えば、図5に例示するように、第1表示時間ΔT1においては透明度は5%ずつ0%から100%まで階段状に変化され、第2表示時間ΔT2においては透明度は2.5%ずつ0%から100%まで階段状に変化される。単位時間(つまり、透明度が一定に保持される時間)をdtとすると、第1表示時間ΔT1=20dtとなり、第2表示時間ΔT2=40dtとなり、全表示時間は60dtとなる。
【0057】
本実施例の場合、前記第1静止画像及び前記第2静止画像は定期的に撮影されたものではなく、前記撮影時刻差Δt1と前記撮影時刻差Δt2は等しくないが、その点を考慮した擬似動画が作成されるので、オブジェクトの経時的変化をリアルに再現することができる。
【実施例2】
【0058】
上記実施例1において、前記第1表示時間ΔT1における透明度変化量dc1を5%でなく4%にしても良い。その場合、前記第1表示時間ΔT1における透明度変化量dc1と前記第2表示時間ΔT2における透明度変化量dc2との比を2:1とするには、前記第2表示時間ΔT2における透明度変化量dc2を2%にする必要があり、第1表示時間ΔT1=25dtとなり、第2表示時間ΔT2=50dtとなり、全表示時間は75dtとなる。
【実施例3】
【0059】
上記実施例2において単位時間dt(つまり、透明度が一定に保持される時間dt)を変更しても良い。例えば、単位時間dtをdt’=4/5dtに変更すると良い。そのようにした場合には、第1表示時間ΔT1=20dtとなり、第2表示時間ΔT2=40dtとなり、全表示時間は60dtとなる。これにより、透明度変化量dcを変えても擬似動画の長さ(前表示時間)を同じにしたいというニーズを満たすことができる。
【実施例4】
【0060】
いま、あるオブジェクトを経時的に撮影して、撮影順に、第1静止画像、第2静止画像、第3静止画像、…を得たとする。そして、
・ 前記第1静止画像から前記第2静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第1擬似動画を表示する時間を第1表示時間ΔT1
・ 前記第2静止画像から前記第3静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第2擬似動画を表示する時間を第2表示時間ΔT2
・ 前記第3静止画像から前記第4静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第3擬似動画を表示する時間を第3表示時間ΔT3
…とし、
・ 前記第1表示時間ΔT1における透明度変化量をdc1とし、
・ 前記第2表示時間ΔT2における透明度変化量をdc2とし、
・ 前記第3表示時間ΔT3における透明度変化量をdc3
……とし、単位時間をdtとし、各表示時間においていずれか一方の静止画像の透明度を0%から100%に変化させるものとすると、各表示時間は、次式で表される。すなわち、
【数14】

【0061】
ここで、
・ 前記第1静止画像の撮影時刻と前記第2静止画像の撮影時刻との撮影時刻差をΔt1とし、
・ 前記第2静止画像の撮影時刻と前記第3静止画像の撮影時刻との撮影時刻差をΔt2とし、
・ 前記第3静止画像の撮影時刻と前記第4静止画像の撮影時刻との撮影時刻差をΔt3
……とすると、
【数15】

より、
【数16】

となる。したがって、前記擬似動画をつなぎ合わせた場合の全表示時間Tは下式で表されることとなる。
【数17】

【0062】
なお、透明度変化量dc1を別の変化量dc1’に変更し、単位時間dtを別の時間dt’に変更した場合であっても、
【数18】

上式を満たす関係にあれば、全表示時間は以下のように同じである。
【数19】

【符号の説明】
【0063】
1 擬似動画作成装置
2 画像データ保存手段
3 擬似動画作成手段
4 時刻データ保存手段
5 時刻差演算手段
6 表示時間演算手段
7 変化量指定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のオブジェクトを経時的に撮影して得た複数の静止画像を使って該オブジェクトの経時的変化を示す擬似動画を作成する擬似動画作成装置において、
前記複数の静止画像を画像データとして保存する画像データ保存手段と、
該画像データ保存手段からの画像データを受けて、一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、所定時間が経過する度に透明度を所定量(「透明度変化量」とする)ずつ変化させながら他の静止画像を表示することにより前記擬似動画を作成する擬似動画作成手段と、
前記透明度変化量を指定する変化量指定手段と、
を備えたことを特徴とする擬似動画作成装置。
【請求項2】
前記透明度変化量は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの間、略一定となるように設定された、
ことを特徴とする請求項1に記載の擬似動画作成装置。
【請求項3】
前記一の静止画像の撮影時刻と前記他の静止画像の撮影時刻との差である撮影時刻差をΔtとした場合に下式によって前記擬似動画の表示時間ΔTを演算する表示時間演算手段、を備え、
【数1】

前記変化量指定手段は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの時間が前記表示時間演算手段にて演算された表示時間ΔTに略一致するように前記透明度変化量を指定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の擬似動画作成装置。
【請求項4】
各静止画像の撮影時刻を時刻データとして保存する時刻データ保存手段と、
該時刻データ保存手段に保存された時刻データに基づき前記撮影時刻差Δtを演算する時刻差演算手段と、
を備え、
前記表示時間演算手段は、該時刻差演算手段が演算した撮影時刻差Δtに基づいて前記擬似動画の表示時間ΔTを演算する、
ことを特徴とする請求項3に記載の擬似動画作成装置。
【請求項5】
前記複数の静止画像を、撮影順に“第1静止画像”“第2静止画像”“第3静止画像”とした場合に、
前記擬似動画作成手段は、前記第1静止画像及び前記第2静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら他の静止画像を表示することにより前記第1静止画像から前記第2静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第1擬似動画を作成し、前記第2静止画像及び前記第3静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら他の静止画像を表示することにより前記第2静止画像から前記第3静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第2擬似動画を作成し、
前記表示時間演算手段は、前記第1擬似動画の表示時間である第1表示時間ΔT1と、前記第2擬似動画の表示時間である第2表示時間ΔT2とを下式を満たすように演算する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の擬似動画作成装置。
【数2】

但し、Δt1は、前記第1静止画像の撮影時刻と前記第2静止画像の撮影時刻との撮影時刻差であり、Δt2は、前記第2静止画像の撮影時刻と前記第3静止画像の撮影時刻との撮影時刻差である。
【請求項6】
同一のオブジェクトを経時的に撮影して得た複数の静止画像を使って該オブジェクトの経時的変化を示す擬似動画を作成する擬似動画作成方法において、
前記複数の静止画像を画像データとして保存するステップと、
該保存した画像データを使って、一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、所定時間が経過する度に透明度を所定量(「透明度変化量」とする)ずつ変化させながら他の静止画像を表示することにより前記擬似動画を作成するステップと、
前記透明度変化量を指定するステップと、
を備えたことを特徴とする擬似動画作成方法。
【請求項7】
前記透明度変化量は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの間、略一定となるように設定された、
ことを特徴とする請求項6に記載の擬似動画作成方法。
【請求項8】
前記一の静止画像の撮影時刻と前記他の静止画像の撮影時刻との差である撮影時刻差をΔtとした場合に下式によって前記擬似動画の表示時間ΔTを演算するステップ、を備え、
【数3】

前記透明変化量の指定は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの時間が前記演算された表示時間ΔTに略一致するように行う、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の擬似動画作成方法。
【請求項9】
各静止画像の撮影時刻を時刻データとして保存するステップと、
該保存された時刻データに基づき前記撮影時刻差Δtを演算するステップと、
を備え、
前記表示時間ΔTの演算は、該演算された撮影時刻差Δtに基づいて行う、
ことを特徴とする請求項8に記載の擬似動画作成方法。
【請求項10】
前記複数の静止画像を、撮影順に“第1静止画像”“第2静止画像”“第3静止画像”とした場合に、
前記擬似動画を作成するステップにおいては、前記第1静止画像及び前記第2静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら他の静止画像を表示することにより前記第1静止画像から前記第2静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第1擬似動画を作成し、前記第2静止画像及び前記第3静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら他の静止画像を表示することにより前記第2静止画像から前記第3静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第2擬似動画を作成し、
前記表示時間を演算するステップにおいては、前記第1擬似動画の表示時間である第1表示時間ΔT1と、前記第2擬似動画の表示時間である第2表示時間ΔT2とを下式を満たすように演算する、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の擬似動画作成方法。
【数4】

但し、Δt1は、前記第1静止画像の撮影時刻と前記第2静止画像の撮影時刻との撮影時刻差であり、Δt2は、前記第2静止画像の撮影時刻と前記第3静止画像の撮影時刻との撮影時刻差である。
【請求項11】
同一のオブジェクトを経時的に撮影して得た複数の静止画像を使って該オブジェクトの経時的変化を示す擬似動画を作成する擬似動画作成プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記複数の静止画像を画像データとして保存する画像データ保存手段、
該画像データ保存手段からの画像データを受けて、一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、所定時間が経過する度に透明度を所定量(「透明度変化量」とする)ずつ変化させながら他の静止画像を表示することにより前記擬似動画を作成する擬似動画作成手段、及び
前記透明度変化量を指定する変化量指定手段、
として機能させることを特徴とする擬似動画作成プログラム。
【請求項12】
前記透明度変化量は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの間、略一定となるように設定された、
ことを特徴とする請求項11に記載の擬似動画作成プログラム。
【請求項13】
前記コンピュータを、
前記一の静止画像の撮影時刻と前記他の静止画像の撮影時刻との差である撮影時刻差をΔtとした場合に下式によって前記擬似動画の表示時間ΔTを演算する表示時間演算手段、
としても機能させ、
【数5】

前記変化量指定手段は、前記他の静止画像の透明度の変化開始から変化終了までの時間が前記表示時間演算手段にて演算された表示時間ΔTに略一致するように前記透明度変化量を指定する、
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の擬似動画作成プログラム。
【請求項14】
前記コンピュータを、
各静止画像の撮影時刻を時刻データとして保存する時刻データ保存手段、及び
該時刻データ保存手段に保存された時刻データに基づき前記撮影時刻差Δtを演算する時刻差演算手段、
としても機能させ、
前記表示時間演算手段は、該時刻差演算手段が演算した撮影時刻差Δtに基づいて前記擬似動画の表示時間ΔTを演算する、
ことを特徴とする請求項13に記載の擬似動画作成プログラム。
【請求項15】
前記複数の静止画像を、撮影順に“第1静止画像”“第2静止画像”“第3静止画像”とした場合に、
前記擬似動画作成手段は、前記第1静止画像及び前記第2静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら他の静止画像を表示することにより前記第1静止画像から前記第2静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第1擬似動画を作成し、前記第2静止画像及び前記第3静止画像の内の一の静止画像の手前側に該静止画像に重なるように、かつ、透明度を変化させながら他の静止画像を表示することにより前記第2静止画像から前記第3静止画像に徐々に切り替え表示されてなる第2擬似動画を作成し、
前記表示時間演算手段は、前記第1擬似動画の表示時間である第1表示時間ΔT1と、前記第2擬似動画の表示時間である第2表示時間ΔT2とを下式を満たすように演算する、
ことを特徴とする請求項13又は14に記載の擬似動画作成プログラム。
【数6】

但し、Δt1は、前記第1静止画像の撮影時刻と前記第2静止画像の撮影時刻との撮影時刻差であり、Δt2は、前記第2静止画像の撮影時刻と前記第3静止画像の撮影時刻との撮影時刻差である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−138042(P2012−138042A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291599(P2010−291599)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【Fターム(参考)】