説明

擬似太陽光照射装置

【課題】照度の均一性が高く、有効測定領域が大きい擬似太陽光照射装置を提供すること。
【解決手段】擬似太陽光照射装置10は、キセノン光源9、集光素子2、テーパカプラ3、光学フィルタ4、導光板16、光取り出し部材17とを備え、導光板16の少なくとも1つの側端面に設けられ、導光板16から出射された一部の光を反射し、照射面に向かわせる側面反射部材15を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、擬似太陽光を照射面に照射する擬似太陽光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、クリーンなエネルギー源としての重要性が認められ、その需要が高まりつつある。太陽電池の利用分野は、大型機器類のパワーエネルギー源から、精密な電子機器類の小型電源まで、多岐に渡っている。太陽電池が様々な分野で広く利用されるには、当該電池の特性、とりわけ出力特性が正確に測定されていないと、太陽電池を使用する側においても様々な不都合が予測される。このため、太陽電池の検査、測定、および実験に利用可能な、高精度の擬似太陽光を大面積に照射できる技術が特に求められている。
【0003】
そこで、近年では、擬似太陽光を照射できる装置として、擬似太陽光照射装置が開発されている。当該擬似太陽光照射装置は、一般的に、パネル状の太陽電池の受光面に均一な照度の人工光(擬似太陽光)を照射して、太陽電池の出力特性等を測定するために使用される。
【0004】
擬似太陽光に求められる主要な要素は、その発光スペクトルを基準太陽光(日本工業規格により制定)に近づけることである。しかしながら、擬似太陽光照射装置は、光源ランプが点または線とみなされる形態であるため、面状の受光面を有する太陽電池の受光面の全面(または全域)に対して均一照度での光の照射は極めて困難であるという問題がある。そこで、擬似太陽光照射装置の照度ムラを調整する工夫を行った技術が、特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1では、隣接する個々の室にハロゲンランプとキセノンランプとを設置した擬似太陽光照射装置が開示されている。具体的には、各ランプの上方開放部に専用の光学フィルタを設置し、太陽電池の下方からランプの点灯による擬似太陽光を照射するように構成されている。これによれば、ランプを設置した各室内部に、適宜反射板を設置してランプの照度ムラを調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−48704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1に開示されている技術では、擬似太陽光照射装置の照度分布の均一性が不十分である。その理由を以下に説明する。
【0008】
特許文献1に開示されている技術では、特許文献1の図2から分かるように、4本取付けられたキセノンランプ(もしくは、ハロゲンランプ)の内、中ほどの2本の上部に太陽電池が配置されている。この場合、これらのキセノンランプ(すなわち、他のキセノンランプが両隣に配置されているキセノンランプ)の上部では、隣接するキセノンランプの光量の影響で光強度が増す。
【0009】
一方、4本のキセノンランプのうち、両端に配置されている2本のキセノンランプ(すなわち、他のキセノンランプが両隣に配置されていないキセノンランプ)の上部では、隣接するランプが1つしかないため、中ほどの2本のキセノンランプと比較して光強度が減る。
【0010】
したがって、特許文献1に開示されている技術では、中ほどの2本のキセノンランプ上部の光強度は高くて均一であるが、端になるにつれてキセノンランプ上部の光強度は弱くなるような所謂台形型の光強度プロファイルになる。よって、光強度が均一な場所で太陽電池の出力特性等を測定しようとすると、中ほどの2本のキセノンランプ上部しか使えないという欠点があった。
【0011】
なお、特許文献1では、ハロゲンランプとキセノンランプとの2光源式の擬似太陽光照射装置を開示しているが、キセノンランプあるいはハロゲンランプのみで構成された1光源方式の擬似太陽光照射装置において、複数本のキセノンランプあるいはハロゲンランプをその長手方向に配列して取付ける構成でも同様の課題が現われる。
【0012】
現在、太陽電池は住宅の屋根への設置はもとより、発電プラント等への展開も始まりつつある。すなわち、太陽電池の用途が広がると共に、太陽電池が大面積化している。擬似太陽光照射装置では、大面積(例えば、1650mm×1000mm)の太陽電池を測定できることが好ましく、その測定面積をできるだけ大きくし、かつ測定面積内でスペクトルを均一化する必要がある。
【0013】
そこで、本発明は上記のような課題を鑑みて成されたものであり、その目的は、照度の均一性が高く、有効測定領域が大きい擬似太陽光照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る擬似太陽光照射装置は、上記の課題を解決するために、光源と、上記光源からの出射光に指向性を付与する光学部材と、上記指向性が付与された上記出射光の発光スペクトルを調整する光学フィルタと、上記発光スペクトルが調整された上記出射光が入射する導光板と、上記導光板に設けられ、上記導光板に入射した上記出射光を照射面に取り出す光取り出し部材と、上記導光板の少なくとも1つの側端面に設けられた側面反射部材とを備えていることを特徴としている。
【0015】
本発明に係る擬似太陽光照射装置は、上記の課題を解決するために、光源と、上記光源からの出射光に指向性を付与する光学部材と、上記指向性が付与された上記出射光の発光スペクトルを調整する光学フィルタと、上記発光スペクトルが調整された上記出射光が入射する導光板と、上記導光板に設けられ、上記導光板に入射した上記出射光を照射面に取り出す光取り出し部材と、上記導光板の少なくとも1つの側端面に設けられ、上記導光板から出射された一部の光を反射し、上記照射面に向かわせる側面反射部材とを備えていることを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、側面反射部材が導光板の側端面に設けられていることによって、導光板の端部(側端面)から照射領域(測定領域)の外部に出射してロスとなる光は、それぞれ側面反射部材によって反射されて導光板内に戻り、照射面側に向かって立ち上がる。結果、導光板の端部から照射面側に向かって立ち上がる光の強度を、導光板の中ほどから照射面側に向かって立ち上がる光の強度と同程度にまで増強することができる。それにより、側面反射部材を導光板に設けなかった場合と比較して、均一な光強度を安定して得ることができる測定領域を拡大することができる。また、側面反射部材といった簡単な構造で照度の均一性を実現することができる。
【0017】
また、本発明に係る擬似太陽光照射装置は、上記の課題を解決するために、第1の光を照射する第1の光源と、上記第1の光に指向性を付与する第1の光学部材と、上記指向性が付与された上記第1の光の発光スペクトルを調整する第1の光学フィルタと、上記第1の光とは異なる第2の光を照射する第2の光源と、上記第2の光に指向性を付与する第2の光学部材と、上記指向性が付与された上記第2の光の発光スペクトルを調整する第2の光学フィルタと、上記発光スペクトルが調整された上記第1の光における、予め定める境界波長よりも短波長の光と、上記発光スペクトルが調整された上記第2の光における、上記予め定める境界波長よりも長波長の光とを選択して出射する波長選択部材と、上記波長選択部材によって選択された上記第1の光および上記第2の光が入射する導光板と、上記導光板に設けられ、上記導光板に入射した上記第1の光および上記第2の光を照射面に取り出す光取り出し手段と、上記導光板の少なくとも1つの側端面に設けられた側面反射部材とを備えていることを特徴としている。
【0018】
また、本発明に係る擬似太陽光照射装置は、上記の課題を解決するために、第1の光を照射する第1の光源と、上記第1の光に指向性を付与する第1の光学部材と、上記指向性が付与された上記第1の光の発光スペクトルを調整する第1の光学フィルタと、上記第1の光とは異なる第2の光を照射する第2の光源と、上記第2の光に指向性を付与する第2の光学部材と、上記指向性が付与された上記第2の光の発光スペクトルを調整する第2の光学フィルタと、上記発光スペクトルが調整された上記第1の光における、予め定める境界波長よりも短波長の光と、上記発光スペクトルが調整された上記第2の光における、上記予め定める境界波長よりも長波長の光とを選択して出射する波長選択部材と、上記波長選択部材によって選択された上記第1の光および上記第2の光が入射する導光板と、上記導光板に設けられ、上記導光板に入射した上記第1の光および上記第2の光を照射面に取り出す光取り出し手段と、上記導光板の少なくとも1つの側端面に設けられ、上記導光板から出射された一部の光を反射し、上記照射面に向かわせる側面反射部材とを備えていることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、側面反射部材を導光板に設けなかった場合と比較して、均一な光強度を安定して得ることができる測定領域を拡大することができる。また、側面反射部材といった簡単な構造で照度の均一性を実現することができる。さらに、第1の光源および第2の光源を備えていることによって、より多くの光量(照度)の擬似太陽光を、照射面から出射することが可能となる。
【0020】
また、本発明に係る擬似太陽光照射装置においては、上記導光板は、複数の導光部材によって構成されていることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によれば、各導光部材の照度調整を独立して行うことができ、結果として照射面全面の照度調整が可能というメリットがある。なお、複数の導光部材を配置する構成は、隣接する導光部材の界面を光が通過する際に生じる光損失が複数回、生じるため、結果として、照射面全面における照射光量はやや低下する。特に端に配置された導光部材による光路の照射光量の低下が懸念される。しかしながら、本発明においては、側面反射部材を導光板の両端面に沿って配置しているため、両端の導光部材における光路においても照度低下が改善でき、照度の均一性を実現できる。
【0022】
また、本発明に係る擬似太陽光照射装置においては、上記側面反射部材は、板状の部材で構成されていることを特徴としている。
【0023】
上記の構成によれば、装置の大型化および部材のコストアップを防ぐことができる。
【0024】
また、本発明に係る擬似太陽光照射装置においては、上記側面反射部材は、上記導光板の厚み方向の高さが調整可能に構成されていることを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、側面反射部材の導光板の厚み方向の高さを調整することによって、有効測定領域の拡大あるいは微調整に高さを可変調整することができる。
【0026】
また、本発明に係る擬似太陽光照射装置においては、自身が格納される筐体をさらに備え、上記筐体の内壁面の一部に対する反射材料の塗布もしくは貼り付けによって上記側面反射部材が構成されていることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、自身が格納される筐体の内壁面の一部に対して反射材料の塗布もしくは貼り付けといった簡易的な構成で側面反射部材を設けることができる。
【0028】
また、本発明に係る擬似太陽光照射装置においては、上記第1の光源は、上記第1の光であるキセノン光を照射するキセノン光源であり、上記第2の光源は、上記第2の光であるハロゲン光を照射するハロゲン光源であることを特徴としている。
【0029】
上記の構成によれば、自然光(太陽光)の発光スペクトルに限りなく似た発光スペクトルを有した人工光を照射することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る擬似太陽光照射装置によれば、側面反射部材を導光板に設けなかった場合と比較して、均一な光強度を安定して得ることができる測定領域を拡大することができる。また、側面反射部材といった簡単な構造で照度の均一性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る擬似太陽光照射装置の要部構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るキセノン光源を導光板の照射面(上面)側からみた図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る擬似太陽光照射装置の要部構成を示す上面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る擬似太陽光照射装置の要部構成を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るハロゲン光源を導光板の照射面(上面)側からみた図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る擬似太陽光照射装置の要部構成を示す上面図である。
【図7】本発明の一実施例に係る擬似太陽光照射装置を示す斜視図である。
【図8】(a)は、本発明の一実施例に係る擬似太陽光照射装置の断面を示す図であり、(b)は、本発明の一実施例に係る導光板の各光路における照度を示す図であり、(c)は、側面反射部材が導光板の両端面より太陽電池(被照射体)側に配置された本発明の一変形例を示す図であり、(d)は、AL反射板が導光板の照射面とは反対側の下面に近接して配置された本発明の一変形例を示す図である。
【図9】(a)および(b)は、本発明の他の実施例で用いた擬似太陽光照射装置の断面を示す図であり、(c)は、本発明の他の実施例で用いた導光板の各光路における照度を示す図である。
【図10】導光板およびそれに対応する光源のイメージを模式的に示しており、(a)は、側面反射部材を用いない場合、(b)は、側面反射部材を用いる場合を示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
〔第1の実施形態〕
(擬似太陽光照射装置10の構成)
本発明に係る一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、擬似太陽光を照射する擬似太陽光照射装置10について、図1を参照して詳細に説明する。図1は、擬似太陽光照射装置10の要部構成を示す図である。擬似太陽光とは人工光の一種であり、自然光(太陽光)の発光スペクトルに限りなく似た発光スペクトルを有している。本実施形態に係る擬似太陽光照射装置10は、キセノン光を擬似太陽光として太陽電池20等の被照射体に照射することによって、太陽電池20の特性を測定する装置である。実際の測定時には、太陽電池20に測定端子30を接続し、測定ユニット120にその検出信号が伝えられる。
【0033】
図1に示すように、擬似太陽光照射装置10は、光結合部材8、キセノン光源9(第1の光源)、反射部材14、側面反射部材15、導光部材16、および光取り出し部材17を備えている。擬似太陽光照射装置10は、導光板16の照射面(上面)から擬似太陽光(図中の矢印)を、太陽電池20に向けて出射する。以下、擬似太陽光照射装置10について詳細に説明する。なお、以下の説明では、導光板16の照射面側を上方、照射面とは反対側(裏側)を下方とする。
【0034】
導光板16の両側面(側端面)には、それぞれキセノン光源9が設けられている。導光板16は、キセノン光源9から導光板16の両側面に照射される擬似太陽光を、導光板16の照射面(上面)から照射する。本実施形態に係る擬似太陽光照射装置10においては、導光板16のキセノン光源9が設けられていない2つの側面には、側面反射部材15が設けられている。導光板16内部を導光してきた光が導光板16のキセノン光源9が設けられていない側面から漏れた場合に、側面反射部材15によって太陽電池20に向けて反射することができる。側面反射部材15は板状の部材として構成するのが、装置の大型化および部材のコストアップを防ぐことができるので好ましい。また、側面反射部材15が板状の部材であると、波長350nm〜1100nmの範囲で高い反射率が得られるアルミ等の金属板を適用することも可能であるし、樹脂板に金属薄膜を蒸着したものを適用することも可能である。これに限らず、側面反射部材15は、樹脂板に反射機能を呈する凹凸等を印刷または成型で形成してもよいし、擬似太陽光照射装置10が格納される筐体の内側にアルミ箔シール等の反射材料を貼ったり、筐体の内側に金属を含む塗料等の反射材料を塗布したりする等、簡易的な構成であってもよい。
【0035】
光取り出し部材17は、導光板16の下方の面に形成されている。光取り出し部材17は、キセノン光源9から出射された擬似太陽光を、導光板16の照射面に取り出す。具体的には、キセノン光源9から導光板16に入射した光(擬似太陽光)は、導光板16内部を伝搬する。このとき、光取り出し部材17に当たった光は、導光板16の照射面へ出射される。これにより、より広い面積の照射面から、均一に擬似太陽光を照射することが可能となる。なお、光取り出し部材17は、例えば、印刷または金型等によって形成された散乱体であってもよい。散乱体は、導光板16内部の擬似太陽光を散乱させて、照射面へ導くことができる。また、散乱体のパターン、すなわちドットの形状、大きさ、ピッチ、あるいは間隔等は、太陽電池20の全領域に均等に擬似太陽光が照射されるように該太陽電池20のサイズを考慮して適宜設定される。
【0036】
光取り出し部材17のさらに下方には、反射部材14が配置されている。導光板16内部を導光してきた光が導光板16から下方側に漏れた場合に、反射部材14によって太陽電池20に向けて反射することができる。反射部材14としては、アルミ等の金属で形成された反射ミラー、あるいは印刷または金型等で反射パターンを形成した樹脂部材等が適用され得る。
【0037】
キセノン光源9は、導光板16の両側面に配置されており、導光板16の両端に擬似太陽光を出射する。このため、より多くの光量(照度)の擬似太陽光を、照射面から出射することが可能となる。ただし、キセノン光源9は、導光板16の両端に設ける必要はなく、導光板16の一方の端部にのみ設けられていてもよい。
【0038】
(キセノン光源9の構成)
以下では、キセノン光源9の詳細な構成について、図2を参照して説明する。図2は、キセノン光源9を導光板16の照射面(上面)側からみた図である。図2に示すように、キセノン光源9は、キセノンランプ1、集光素子2(光学部材)、テーパカプラ3(光学部材)、反射板7a,7b、および光学フィルタ4から構成されている。
【0039】
キセノンランプ1は、導光板16に効率よく光を入射させるために筒状の形状であることが好ましい。キセノンランプ1が筒状であると、図1に示したように、キセノンランプのXZ平面内で断面が円形状となるため、キセノンランプ1から出射した光はXZ平面内で全方向に向かって出射される。そこで、キセノンランプ1から出射された光を効率よく導光板16に入射させるために、キセノンランプ1は、テーパカプラ3への出射方向以外が、集光素子2に包囲されている。これにより、キセノンランプ1から出射される光のうち、テーパカプラ3に向かわない光が、集光素子2で反射し、テーパカプラ3に向かって出射する。つまり、集光素子2は、キセノンランプ1から出射された光を集めて出射させる。集光素子2は、楕円ミラーまたは放物面ミラー等であり、キセノンランプ1から出射された光の放射指向性を揃える。その結果、キセノンランプ1から直接出射される光、および集光素子2により反射された光が、テーパカプラ3に向かって出射される。したがって、キセノンランプ1からの出射光が有効に利用される。
【0040】
テーパカプラ3は、キセノン光源9に設けられた光学素子である。テーパカプラ3は、キセノンランプ1と光学フィルタ4との間に設けられている。テーパカプラ3の一方の端部は、キセノンランプ1と近接して配置され、他方の端部は光学フィルタ4に近接して配置されている。図2に示すように、テーパカプラ3は、Z方向からみた場合に対向する一対の面がテーパ形状になっている。すなわち、テーパカプラ3の入射面から出射面に向かって、テーパカプラ3の断面積が徐々に増加する。このような構造によって、キセノンランプ1から出力された光は、テーパカプラ3の側面で反射を繰り返し指向性が改善される。これにより、テーパカプラ3の出射面に略垂直な方向(X方向)に指向性が揃った光が、テーパカプラ3の出射面から出射される。点線は、ランプカバー40を示している。
【0041】
ここで、キセノン光源9は、擬似太陽光のスペクトル分布を基準太陽光のスペクトル分布に近似させるために、光学フィルタ4を備えている。光学フィルタ4は、キセノンランプ1(テーパカプラ3)から出射された光のスペクトル分布を調整(透過率を制御)する光学素子である。光学フィルタ4は、通常エアマスフィルタ(スペクトル調整フィルタ)と称される。光学フィルタ4は、キセノンランプ1に対応するテーパカプラ3の出射面に近接して設けられている。光学フィルタ4は、テーパカプラ3から出射されるキセノン光のスペクトル分布を調整する。これによって、テーパカプラ3から出射されたキセノン光のうち、擬似太陽光を生成する上で不必要な波長成分を取り除くことができる。光学フィルタ4によってスペクトル調整された光は、光結合部材8を通って導光板16に入射する。
【0042】
導光板16は石英等の透過率の高い材料で構成されるが、コストが高いためできるだけ薄い石英ガラス等を利用することが好ましい。そこで、光結合部材8において、テーパカプラ3を通過した光の幅を、薄型の導光板16の厚さまで薄くする構成が好適である。
【0043】
(擬似太陽光の照射)
本実施形態に係る擬似太陽光放射装置10における擬似太陽光の照射について、より詳しくみていく。図3は、擬似太陽光照射装置10の要部構成を示す上面図である。
【0044】
図3に示すように、キセノンランプ1は、長いサイズのものを低コストで製作するのが困難であるため、擬似太陽光照射装置10では複数のキセノンランプ1を配列したものを用いるのが好ましい。この場合、キセノンランプ1の数に合わせて、導光板16を複数(図3では8枚)の導光部材16a〜導光部材16hに分割している。すなわち、各導光部材16a〜導光部材16hに対応する複数(図3では8個)のキセノン光源9が設けられている。
【0045】
擬似太陽光照射装置10では、導光板16を複数の導光部材16a〜導光部材16hに分割することによって、導光部材16a〜導光部材16h全体としての投入光量を高めることができる。また、導光板16を1枚で形成するよりも、サイズの小さい導光部材を複数並べて構成する方が、所望のサイズの導光板16を得るに当たりコスト的に有利である。
【0046】
上述したように、図3では、導光部材16a〜16hをY方向に8枚配列して導光板16を構成している。導光部材16a〜16hには、それぞれに対応して設けられたキセノン光源9から、テーパカプラ3、光学フィルタ4、および光結合部材8を通過して、光が導入される。後述の説明のために、導光部材16a〜16h内の光路を光路1〜光路8と定義する。
【0047】
導光部材16b〜16gは、配列した8枚の導光部材の中ほどに位置するものであり、いずれも両隣に他の導光部材が配置されている。すなわち、光路2〜7については、両隣に他の光路が配置されているが、光路1および光路8は両隣に他の光路がない。光路1についてはY方向側(紙面右側)に光路2が配置されているのみであり、光路8についてはY方向とは反対側(紙面左側)に光路7が配置されているのみである。
【0048】
導光部材16b〜16gに入射した光は、各々の光路を通過すると共に、その一部は隣接する導光部材に入射する。すなわち、導光部材16b〜16gに入射した光の一部は、隣接する光路に混じりながら、各々の導光部材の長手方向(X方向)に導光しつつ、Z方向側(擬似太陽光照射装置10の照射面側)に配置される太陽電池20に向かって立ち上がる。
【0049】
一方、導光部材16aに入射した光は、光路1を通過し、導光部材16aの長手方向(X方向)に導光しながら、導光部材16aからZ方向側(擬似太陽光照射装置10の照射面側)に配置される太陽電池20に向かって立ち上がると共に、隣接する導光部材16bの光路2に混じって導光部材16bからも立ち上がる。導光部材16hについても同様に、導光部材16hに入射した光は、光路8を通過し、導光部材16hの長手方向(X方向)に導光しながら、導光部材16hからZ方向側(擬似太陽光照射装置10の照射面側)に配置される太陽電池20に向かって立ち上がると共に、隣接する導光部材16gの光路7に混じって導光部材16gからも立ち上がる。
【0050】
通常であれば、導光部材16aに入射した光の一部は、導光部材16aのY方向とは反対側(紙面左側)に出射する。このような光は測定領域(太陽電池20が配置される領域)の外部に出射し、測定光として利用できず光利用効率としてはロスとなる。導光部材16hについても同様であり、導光部材16hに入射した光の一部は、導光部材16hのY方向(紙面右側)に出射する。このような光は測定領域(太陽電池20が配置される領域)の外部に出射し、測定光として利用できず光利用効率としてはロスとなる。
【0051】
また、特に導光部材16a〜16hとして、比較的広い一枚の導光部材ではなく、複数の導光部材を配置した構成は、各導光部材から独立して光を照射することになるため、端に配置された導光部材16aおよび導光部材16hにおける照射輝度の低下から、輝度むらが顕著に現われる。これは、一枚の導光部材を配置した場合は、光は導光部材の内部を伝搬して外部に照射されるため、照射される光が均一となりやすい傾向があるが、複数の導光部材を配置した場合は、隣接する導光部材との間に界面が存在するため、隣接する導光部材間の光の伝播が低く、端に配置された導光部材16aおよび導光部材16hそれぞれに隣接した導光部材16bおよび導光部材16gから照射される光の輝度の差に起因する。
【0052】
ただし、本実施形態においては、側面反射部材15を導光板16においてキセノン光源9が設けられていない2つの側面に設けられている。すなわち、導光部材16aの光路1のY方向とは反対側(紙面左側)と、導光部材16hの光路8のY方向側(紙面右側)に設けられている。上述したような導光部材16aの光路1および導光部材16hの光路8から測定領域の外部に出射してロスとなる光は、それぞれ側面反射部材15によって反射されて光路1および光路8に戻り、光路1および光路8からZ方向側(擬似太陽光照射装置20の照射面側)に向かって立ち上がる。結果、導光部材16aの光路1および導光部材16hの光路8からZ方向側(擬似太陽光照射装置20の照射面側)に向かって立ち上がる光の強度を、導光部材16b〜16gの光路2〜7からZ方向側(擬似太陽光照射装置20の照射面側)に向かって立ち上がる光の強度と同程度にまで増強することができる。それにより、側面反射部材15を導光板16に設けなかった場合は、均一な光強度を安定して得ることができる測定領域(太陽電池20が配置される領域)は図中に示す点線部21’であったが、そのような均一な光強度を安定して得ることができる測定領域を図中に示す点線部21にまで拡大することができる。また、側面反射部材15といった簡単な構造で照度の均一性を実現することができる。
【0053】
なお、側面反射部材15の位置や高さ(導光板16の厚み方向の高さ)は、図示しない側面反射部材調整機構で調整可能であり、有効測定領域の拡大あるいは微調整に位置や高さを可変調整してもよい。また、本実施形態のように複数の導光部材を配置する構成は、各導光部材の照度調整を独立して行うことができ、結果として照射面全面の照度調整が可能というメリットがある。なお、複数の導光部材を配置する構成は、隣接する導光部材の界面を光が通過する際に生じる光損失が複数回、生じるため、結果として、照射面全面における照射光量はやや低下する。特に端に配置された導光部材による光路の照射光量の低下が懸念される。しかしながら、本実施形態においては、側面反射部材15を導光板16の両端面に沿って配置しているため、両端の導光部材における光路においても照度低下が改善でき、照度の均一性を実現できる。
【0054】
〔第2の実施形態〕
(擬似太陽光照射装置100の構成)
本発明に係る一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、擬似太陽光を照射する擬似太陽光照射装置100について、図4を参照して詳細に説明する。図4は、擬似太陽光照射装置100の要部構成を示す図である。擬似太陽光とは人工光の一種であり、自然光(太陽光)の発光スペクトルに限りなく似た発光スペクトルを有している。本実施形態に係る擬似太陽光照射装置100は、キセノン光(第2の光)とハロゲン光(第1の光)との合成光を擬似太陽光として、太陽電池20等の被照射体に照射する。実際の測定時には、太陽電池20に測定端子30を接続し、測定ユニット120にその検出信号が伝えられる。
【0055】
図4に示すように、擬似太陽光照射装置100は、波長選択部材5、光結合部材8、キセノン光源9(第2の光源)、ハロゲン光源19(第1の光源)、反射部材14、側面反射部材15、導光板16、および光取り出し部材17を備えている。擬似太陽光照射装置100は、導光板16の照射面(上面)から擬似太陽光(図中の矢印)を、太陽電池20に向けて出射する。以下、擬似太陽光照射装置10について詳細に説明する。なお、以下の説明では、導光板16の照射面側を上方、照射面とは反対側(裏側)を下方とする。
【0056】
導光板16の両側面(側端面)には、それぞれキセノン光源9およびハロゲン光源19が設けられている。導光板16は、キセノン光源9およびハロゲン光源19から導光板16の両側面に照射される擬似太陽光を、導光板16の照射面(上面)から照射する。本実施形態に係る擬似太陽光照射装置100においては、導光板16のキセノン光源9およびハロゲン光源19が設けられていない2つの側面には、側面反射部材15が設けられている。導光板16内部を導光してきた光が導光板16のキセノン光源9およびハロゲン光源19が設けられていない側面から漏れた場合に、側面反射部材15によって太陽電池20に向けて反射することができる。側面反射部材15は板状の部材として構成するのが、装置の大型化および部材のコストアップを防ぐことができるので好ましい。また、側面反射部材15が板状の部材であると、波長350nm〜1100nmの範囲で、高い反射率が得られるアルミ等の金属板を適用することも可能であるし、樹脂板に金属薄膜を蒸着したものを適用することも可能である。これに限らず、側面反射部材15は、樹脂板に反射機能を呈する凹凸等を印刷または成型で形成してもよいし、擬似太陽光照射装置10が格納される筐体の内側にアルミ箔シール等の反射材料を貼ったり、筐体の内側に金属を含む塗料等の反射材料を塗布したりする等、簡易的な構成であってもよい。
【0057】
光取り出し部材17は、導光板16の下方の面に形成されている。光取り出し部材17は、キセノン光源9およびハロゲン光源19から出射された擬似太陽光を、導光板16の照射面に取り出す。具体的には、キセノン光源9およびハロゲン光源19から導光板16に入射した光(擬似太陽光)は、導光板16内部を伝搬する。このとき、光取り出し部材17に当たった光は、導光板16の照射面へ出射される。これにより、より広い面積の照射面から、均一に擬似太陽光を照射することが可能となる。なお、光取り出し部材17は、例えば、印刷または金型等によって形成された散乱体であってもよい。散乱体は、導光板16内部の擬似太陽光を散乱させて、照射面へ導くことができる。また、散乱体のパターン、すなわちドットの形状、大きさ、ピッチ、あるいは間隔等は、太陽電池20の全領域に均等に擬似太陽光が照射されるように該太陽電池20のサイズを考慮して適宜設定される。
【0058】
光取り出し部材17のさらに下方には、反射部材14が配置されている。導光板16内部を導光してきた光が導光板16から下方側に漏れた場合に、反射部材14によって太陽電池20に向けて反射することができる。反射部材14としては、アルミ等の金属で形成された反射ミラー、あるいは印刷または金型等で反射パターンを形成した樹脂部材等が適用され得る。
【0059】
キセノン光源9およびハロゲン光源19は、導光板16の両側面に配置されており、導光板16の両端に擬似太陽光を出射する。このため、より多くの光量(照度)の擬似太陽光を、照射面から出射することが可能となる。ただし、キセノン光源9およびハロゲン光源19は、導光板16の両端に設ける必要はなく、導光板16の一方の端部にのみ設けられていてもよい。
【0060】
(キセノン光源9およびハロゲン光源19の構成)
キセノン光源9の構成は、第1の実施形態で述べたものと同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。そこで、以下では、ハロゲン光源19の詳細な構成について、図5を参照して説明する。図5は、ハロゲン光源19を導光板16の照射面(上面)側からみた図である。図5に示すように、ハロゲン光源19は、ハロゲンランプ11、集光素子12(光学部材)、テーパカプラ13(光学部材)、反射板17a,17b、および光学フィルタ6から構成されている。
【0061】
ハロゲンランプ11は、導光板16に効率よく光を入射させるために筒状の形状であることが好ましい。ハロゲンランプ11が筒状であると、図5に示したように、ハロゲンランプのXZ平面内で断面が円形状となるため、ハロゲンランプ11から出射した光はXZ平面内で全方向に向かって出射される。そこで、ハロゲンランプ11から出射された光を効率よく導光板16に入射させるために、ハロゲンランプ11は、テーパカプラ13への出射方向以外が、集光素子12に包囲されている。これにより、ハロゲンランプ11から出射される光のうち、テーパカプラ13に向かわない光が、集光素子12で反射し、テーパカプラ13に向かって出射する。つまり、集光素子12は、ハロゲンランプ11から出射された光を集めて出射させる。集光素子12は、楕円ミラーまたは放物面ミラー等であり、ハロゲンランプ11から出射された光の放射指向性を揃える。その結果、ハロゲンランプ11から直接出射される光、および集光素子12により反射された光が、テーパカプラ13に向かって出射される。したがって、ハロゲンランプ11からの出射光が有効に利用される。
【0062】
テーパカプラ13は、ハロゲン光源19に設けられた光学素子である。テーパカプラ13は、ハロゲンランプ11と光学フィルタ6との間に設けられている。テーパカプラ13の一方の端部は、ハロゲンランプ11と近接して配置され、他方の端部は光学フィルタ6に近接して配置されている。図5に示すように、テーパカプラ13は、X方向からみた場合に対向する一対の面がテーパ形状になっている。すなわち、テーパカプラ13の入射面から出射面に向かって、テーパカプラ13の断面積が徐々に増加する。このような構造によって、ハロゲンランプ11から出力された光は、テーパカプラ13の側面で反射を繰り返し指向性が改善される。これにより、テーパカプラ13の出射面に略垂直な方向(Z方向)に指向性が揃った光が、テーパカプラ13の出射面から出射される。点線は、ランプカバー40を示している。
【0063】
ここで、ハロゲン光源19は、擬似太陽光のスペクトル分布を基準太陽光のスペクトル分布に近似させるために、光学フィルタ6を備えている。光学フィルタ6は、ハロゲンランプ11(テーパカプラ13)から出射された光のスペクトル分布を調整(透過率を制御)する光学素子である。光学フィルタ6は、通常エアマスフィルタ(スペクトル調整フィルタ)と称される。光学フィルタ6は、ハロゲンランプ11に対応するテーパカプラ13の出射面に近接して設けられている。光学フィルタ6は、テーパカプラ13から出射されるハロゲン光のスペクトル分布を調整する。これによって、テーパカプラ13から出射されたハロゲン光のうち、擬似太陽光を生成する上で不必要な波長成分を取り除くことができる。
【0064】
光学フィルタ4および光学フィルタ6は光学多層膜をガラス部材に形成することによって、透過した光が基準太陽光に合うような透過率を形成することができる。ここで、テーパカプラ3およびテーパカプラ13によって光の指向性をそろえる利点は、光学フィルタ4および光学フィルタ6の構造と関係する。このため、光学フィルタ4および光学フィルタ6への入射角が光学フィルタ4および光学フィルタ6への垂直入射よりもずれが大きいほど透過率特性も変化してしまう。つまり、光学フィルタ4および光学フィルタ6に指向性の悪い光が入射すると、基準太陽光のスペクトル分布と乖離したスペクトル分布を有する擬似太陽光を生成してしまう。しかし、テーパカプラ3およびテーパカプラ13を用いて光の指向性を揃えれば、基準太陽光のスペクトル分布に近い擬似太陽光を生成することが可能である。
【0065】
具体的には、テーパカプラ3およびテーパカプラ13から出射された光は、それぞれ光学フィルタ4および光学フィルタ6に対して、入射角範囲が±30°以下になる。この光学フィルタ4および光学フィルタ6は入射角0°、つまり光学フィルタ4および光学フィルタ6に対して垂直で入射する場合に、所定の透過特性が得られるように設計されているため、入射光の光学フィルタ4および光学フィルタ6への垂直方向の位相ずれ(1−cos30°で近似)が最大で14%であり、入射角成分が0°から30°まで広がっていた場合でも、位相ずれは0%から14%の平均的な値になり、設計入射角0°の場合に対しての光学フィルタ4および光学フィルタ6への入射時の透過率の変動が小さくなる。
【0066】
このように、光学フィルタ4および光学フィルタ6に対して、指向性の高い光が入射するので、スペクトルの制御性が高まり、より基準太陽光に近い擬似太陽光を形成することができる。その結果、光学フィルタ4および光学フィルタ6を通過することで得られる光は、より設計に近く、つまり実際の太陽光に近くなり、擬似太陽光のスペクトル合致度は、基準太陽光からのずれが±5%以内のJIS MS級の光にすることができる。
【0067】
続いて、光学フィルタ4および光学フィルタ6から出射された光は、波長選択部材5に入射する。波長選択部材5は、波長選択の機能を有する。つまり、波長選択部材5は、キセノンランプ1およびハロゲンランプ11から出射される光から擬似太陽光に必要な光を選択(抽出)すると共に、選択された光を混合して擬似太陽光を合成する。具体的には、波長選択部材5は、境界波長未満(境界波長(例えば、650nm)よりも短波長側)の光を反射する一方、境界波長以上(境界波長よりも長波長側)の光を透過する。言い換えれば、波長選択部材5は、擬似太陽光に必要な長波長側の光を透過する一方、短波長側の光を反射する機能を有する。そして、長波長側の光と短波長側の光とを混合して擬似太陽光を合成する。
【0068】
より詳細には、ハロゲンランプ11からの出射光は、擬似太陽光に必要な長波長側の成分を多く含む。一方、キセノンランプ1からの出射光は、擬似太陽光に必要な短波長側の成分を多く含む。波長選択部材5は、600〜800nmの範囲で境界波長が設定されており、この境界波長未満の光を反射する一方、境界波長以上の光を透過する。つまり、ハロゲンランプ11からの出射光のうち、境界波長以上の光(長波長側の成分の光)のみが、波長選択部材5により透過する。一方、キセノンランプ1からの出射光のうち、境界波長未満の光(短波長側の成分の光)のみが、波長選択部材5により反射する。
【0069】
例えば、650nm以上の波長の光をハロゲンランプ11の光で使用し、キセノンランプ1の光を波長650nm未満で使用するとする。この場合、波長選択部材5の反射と透過との境界波長は波長650nmである。つまり、波長選択部材5は、波長650nmよりも短波長の光を反射させ、650nm以上の長波長の光を透過する特性を持っている。これにより、擬似太陽光に必要な波長の光のみが、波長選択部材5により選択される。そして、選択された光が合成され、擬似太陽光として出射される。なお、波長選択部材5が反射または透過させる光の境界波長は、任意に設定すればよい。ただし、キセノンランプ1の発光スペクトルの輝線成分を低減するために、600〜700nmの範囲で選択することが好ましい。さらに、波長選択部材5としては、波長依存性のある鏡またはフィルタを用いることができる。例えば、コールドミラー、ホットミラー等を用いることができる。
【0070】
このように、波長選択部材5は、ハロゲンランプ11の出射光に含まれる擬似太陽光の合成に必要な長波長成分の光と、キセノンランプ1の出射光に含まれる擬似太陽光の合成に必要な短波長成分の光とを抽出して、擬似太陽光を生成する。この際、スペクトル制御されていないハロゲンランプ11の短波長成分の光が除かれ、同様に、スペクトル制御されていないキセノンランプ1の長波長成分の光が除かれることになる。したがって、擬似太陽光の発光スペクトルを基準太陽光の発光スペクトルにより近似させることが可能となる。
【0071】
導光板16は石英等の透過率の高い材料で構成されるが、コストが高いためできるだけ薄い石英ガラス等を利用することが好ましい。そこで、光結合部材8において、テーパカプラ3およびテーパカプラ13を通過した光の幅を、薄型の導光板16の厚さまで薄くする構成が好適である。
【0072】
(擬似太陽光の照射)
本実施形態に係る擬似太陽光放射装置100における擬似太陽光の照射について、より詳しくみていく。図6は、擬似太陽光照射装置100の要部構成を示す上面図である。
【0073】
図6に示すように、キセノンランプ1およびハロゲンランプ11は、それぞれ長いサイズのものを低コストで製作するのが困難であるため、擬似太陽光照射装置100では複数のキセノンランプ1およびハロゲンランプ11を配列したものを用いるのが好ましい。この場合、キセノンランプ1およびハロゲンランプ11の数に合わせて、導光板16を複数(図6では8枚)の導光部材16a〜導光部材16hに分割している。すなわち、各導光部材16a〜導光部材16hに対応する複数(図6では8個)のキセノン光源9およびハロゲン光源19が設けられている。
【0074】
擬似太陽光照射装置100では、導光板16を複数の導光部材16a〜導光部材16hに分割することによって、導光部材16a〜導光部材16h全体としての投入光量を高めることができる。また、導光板16を1枚で形成するよりも、サイズの小さい導光部材を複数並べて構成する方が、所望のサイズの導光板16を得るに当たりコスト的に有利である。
【0075】
上述したように、図6では、導光部材16a〜16hをY方向に8枚配列して導光板16を構成している。導光部材16a〜16hには、それぞれに対応して設けられたキセノン光源9およびハロゲン光源19から、テーパカプラ3、光学フィルタ4、および光結合部材8を通過して、光が導入される。後述の説明のために、導光部材16a〜16h内の光路を光路1〜8と定義する。
【0076】
導光部材16b〜16gは、配列した8枚の導光部材の中ほどに位置するものであり、いずれも両隣に他の導光部材が配置されている。すなわち、光路2〜7については、両隣に他の光路が配置されているが、光路1および光路8は両隣に他の光路がない。光路1についてはY方向側(紙面右側)に光路2が配置されているのみであり、光路8についてはY方向とは反対側(紙面左側)に光路7が配置されているのみである。
【0077】
導光部材16b〜16gに入射した光は、各々の光路を通過すると共に、その一部は隣接する導光部材に入射する。すなわち、導光部材16b〜16gに入射した光の一部は、隣接する光路に混じりながら、各々の導光部材の長手方向(X方向)に導光しつつ、Z方向側(擬似太陽光照射装置10の照射面側)に配置される太陽電池20に向かって立ち上がる。
【0078】
一方、導光部材16aに入射した光は、光路1を通過し、導光部材16aの長手方向(X方向)に導光しながら、導光部材16aからZ方向側(擬似太陽光照射装置10の照射面側)に配置される太陽電池20に向かって立ち上がると共に、隣接する導光部材16bの光路2に混じって導光部材16bからも立ち上がる。導光部材16hについても同様に、導光部材16hに入射した光は、光路8を通過し、導光部材16hの長手方向(X方向)に導光しながら、導光部材16hからZ方向側(擬似太陽光照射装置10の照射面側)に配置される太陽電池20に向かって立ち上がると共に、隣接する導光部材16gの光路7に混じって導光部材16gからも立ち上がる。
【0079】
通常であれば、導光部材16aに入射した光の一部は、導光部材16aのY方向とは反対側(紙面左側)に出射する。このような光は測定領域(太陽電池20が配置される領域)の外部に出射し、測定光として利用できず光利用効率としてはロスとなる。導光部材16hについても同様であり、導光部材16hに入射した光の一部は、導光部材16hのY方向(紙面右側)に出射する。このような光は測定領域(太陽電池20が配置される領域)の外部に出射し、測定光として利用できず光利用効率としてはロスとなる。
【0080】
ただし、本実施形態においては、側面反射部材15を導光板16においてキセノン光源9およびハロゲン光源19が設けられていない2つの側面に設けている。すなわち、導光部材16aの光路1のY方向とは反対側(紙面左側)と、導光部材16hの光路8のY方向側(紙面右側)に設けられている。上述したような導光部材16aの光路1および導光部材16hの光路8から測定領域の外部に出射してロスとなる光は、それぞれ側面反射部材15によって反射されて光路1および光路8に戻り、光路1および光路8からZ方向側(擬似太陽光照射装置20の照射面側)に向かって立ち上がる。結果、導光部材16aの光路1および導光部材16hの光路8からZ方向側(擬似太陽光照射装置20の照射面側)に向かって立ち上がる光の強度を、導光部材16b〜16gの光路2〜7からZ方向側(擬似太陽光照射装置20の照射面側)に向かって立ち上がる光の強度と同程度にまで増強することができる。それにより、側面反射部材15を導光板16に設けなかった場合は、均一な光強度を安定して得ることができる測定領域(太陽電池20が配置される領域)は図中に示す点線部21’であったが、そのような均一な光強度を安定して得ることができる測定領域を図中に示す点線部21にまで拡大することができる。
【0081】
また、本実施形態のように複数の導光部材を配置する構成は、各導光部材の照度調整を独立して行うことができ、結果として照射面全面の照度調整が可能というメリットがある。なお、複数の導光部材を配置する構成は、隣接した導光部材の界面を光が通過する際に生じる光損失が複数回、生じるため、結果として、照射面全面における照射光量はやや低下する。特に端に配置された導光部材による光路の照射光量の低下が懸念される。しかしながら、本実施形態においては、側面反射部材15を導光板16の両端面に沿って配置しているため、両端の導光部材における光路においても照度低下が改善でき、照度の均一性を実現できる。
【0082】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0083】
以下では、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。
【0084】
〔実施例1〕
本発明の第2の実施形態に係る擬似太陽光照射装置100の一部を変形した実施例を、図7および図8を参照して説明する。図7は、本実施例に係る擬似太陽光照射装置100を示す斜視図である。図8(a)は、本実施例に係る擬似太陽光照射装置100の断面を示す図であり、図8(b)は、導光板16の各光路における照度を示す図である。
【0085】
本実施例では、図7に示すように、キセノン光源9およびハロゲン光源19を用いた第2の実施形態に係る擬似太陽光照射装置100を用いた。ハロゲン光源19におけるテーパカプラ13の出射端のY方向の幅、ならびに導光部材16a〜16h各々のY方向の幅は225mmとし、8枚の配列で1800mmの測定領域とした。導光部材16a〜16h各々のX方向の長さは1000mmである。
【0086】
ハロゲン光源19については、導光部材16a〜16hに対して、それぞれ2つのテーパカプラ13を設け、それらのテーパカプラ13に対応してハロゲン光源19を設けた。これは、ハロゲンランプ11に関しては、フィラメント長の長いランプを構成し難く、構成しやすい短いフィラメント長のハロゲンランプ11を2本並べることによって対応しているためである。ハロゲン光源19に対応するテーパカプラ13の出射端のY方向の幅は112.5mmとし、2本配列することによって導光部材16a〜16h各々のY方向の幅の225mmに合わせた。これにより、複数の導光部材16a〜16hを配列することによって見かけ上のサイズが大きい導光板16を構成している。
【0087】
本実施例に係る擬似太陽光照射装置100では、導光板16の両側面に側面反射部材15を設けた。具体的には、図8(a)に示すように、導光部材16aに関しては紙面右側(図7のY方向とは反対側)に側面反射部材15を設け、導光部材16hに関しては紙面左側(図7のY方向側)に側面反射部材15を設けた。なお、導光板16の上方(照射面側)には、図8(a)に示すように、必要に応じて導光板16を傷または埃等から保護する透明の保護板18が配置される。側面反射部材15は、反射部材14の直上から保護板18の直下までの間に設けた。図7では、図を分かりやすくするために、保護板18は図示していない。
【0088】
ここで、本実施例に係る擬似太陽光照射装置100を用いて、側面反射部材15を配置した場合と、上記の側面反射部材15を配置しなかった場合とで得られる照度を比較した。図8(b)に示すAは、側面反射部材15を設置した場合の光路1〜8における照度データであり、Bは、側面反射部材15を設置しなかった場合の光路1〜8における照度データである。測定箇所は、導光部材16a〜16h各々のX方向の中央部である。
【0089】
側面反射部材15を設置した場合の照度データAでは、光路1から光路8までが規定照度L(必要な光照度レベル;ここでは仮に40mcd/cmとしている)まで均一に照射されている。一方、側面反射部材15を設置しない場合の照度データBでは、光路1および光路8のように端の光路で照度が弱くなる、所謂台形型の光強度プロファイルになっている。これから分かるように、導光部材16aの光路1および導光部材16hの光路8からZ方向側(擬似太陽光照射装置20の照射面側)に向かって立ち上がる光の強度を、導光部材16b〜16gの光路2〜7からZ方向側(擬似太陽光照射装置20の照射面側)に向かって立ち上がる光の強度と同程度にまで増強することができる。それにより、側面反射部材15を導光板16に設けなかった場合と比較して、均一な光強度を安定して得ることができる測定領域を図中に示す点線部21にまで拡大することができることが分かった。
【0090】
なお、側面反射部材15は、導光板16の両端面、すなわち導光板16の厚み方向に平行な側面に配置せず、導光板16の両端面よりも太陽電池20(被照射体)側に配置してもよい。換言すれば、側面反射部材15は、保護板18と導光板16との間に配置してもよい。
【0091】
例えば、図8(c)には、側面反射部材15が導光板16の両端面より太陽電池20(被照射体)側に配置された変形例を示す。この変形例によれば、導光板16の太陽電池20(被照射体)側にのみ側面反射部材15を形成することによって、光の指向性の変化が起こりにくい状態になり、指向性を重視した擬似太陽光照射を行うことが可能である。
【0092】
例えば、導光板16の両端面に側面反射部材15を配置した場合、導光板16のALミラー7(反射部材14)側に照射され、ALミラー7で反射された照射指向性の悪い光(例えば、導光板16の両端面への入射角θが30°以下と小さい光)が、側面反射部材15で反射されて戻され、照射面において測定に利用される光に混在することになる。このため、反射光量は増加するが、その結果、照射指向性が低下する傾向がある。
【0093】
これに対して、図8(c)に示す変形例によれば、指向性の悪い光は側面反射部材15によって反射されることなく、外部へ導光板16の両端面から漏れ出すため、指向性の良い光のみが照射面に対して反射されることになる。このため、測定に使用される光は指向性の高い光となる。
【0094】
また、図8(d)には、AL反射板7が導光板16の照射面とは反対側の下面に近接して配置された変形例を示す。本変形例では、導光板板16とALミラー7とが近接配置されていることによって、側面反射部材15が導光板16の両端面よりも太陽電池20(被照射体)側に配置された場合であっても、導光板16の両端面に側面反射部材15がないことによって、反射されずに導光板16から出ていく光の量を減らすことができる。つまり、導光板16の両端面に入射する光の割合を低減し、直接、導光板16の太陽電池20(被照射体)側の上面に向かう光の量を増やすことができる。
【0095】
なお、波長350nm〜1100nmの範囲で高い反射率が得られるアルミ等の金属板を適用することも可能であるし、樹脂板に金属薄膜を蒸着したものを適用することも可能である。これに限らず、側面反射部材15は、樹脂板に反射機能を呈する凹凸等を印刷または成型で形成してもよいし、擬似太陽光照射装置10が収納される筐体の内側にアルミ箔シール等を貼ったり、筐体の内側に金属を含む塗料を塗ったりする等、簡易的な構成であってもよい。
【0096】
〔実施例2〕
本実施例では、実施例1の擬似太陽光照射装置100の一部を変形したものを用いて、得られる照度データの比較を行った。図9(a)および(b)は、本実施例で用いた擬似太陽光照射装置100の断面を示す図であり、図9(c)は、導光板16の各光路における照度センサー出力を示す図である。照度センサー出力は、123.6mAで、100mcd/cmとなるように設定されている。
【0097】
本実施例では、側面反射部材15が設けられた2種類の擬似太陽光照射装置100と、側面反射部材15が設けられていない擬似太陽光照射装置とを用いて照度データの比較を行った。まず2種類の擬似太陽光照射装置100のうちの一方は、図9(a)に示すように、導光板16と保護板18との間の20mmの間隔部分にのみ側面反射部材15を設けた(条件α)。他方は、図9(b)に示すように、導光板16の直下から保護板18上の30mmの高さまで側面反射部材15を設けた(条件β)。
【0098】
図9(c)に示す「側面反射部材なし」とは側面反射部材15を設けなかった場合の照度データであり、「側面反射部材あり(条件α)」とは図9(a)に示した側面反射部材15を設けた場合の照度データであり、「側面反射部材あり(条件β)」とは図9(b)に示した側面反射部材15を設けた場合の照度データであり。
【0099】
これから分かるように、側面反射部材15を導光板16と保護板18との間の20mmの間隔部分にのみ設置した場合(条件α)の照度データでは、側面反射部材15を設けなかった場合と比べて若干の照度の上昇がある。一方、側面反射部材15を導光板16の直下から保護板18上の30mmの高さまで設置した場合(条件β)の照度データでは、側面反射部材15を設けなかった場合と比べて照度の上昇が大きく、特に光路1における照度の上昇が大きく、光路1および光路2の照度のばらつきも少なくなっている。
【0100】
もし、導光部材16aの光路1の端から75mmの位置を測定に有効な領域(有効照射領域)と仮にすれば、光路1および光路2の照度センサー出力で測定される照度のばらつきは、僅かに3.8%に納まる。
【0101】
このデータが示すように、側面反射部材15の高さを変えることによって、照射範囲を変えることが可能であり、本実施例の構成は側面反射材調整機構によって側面反射部材の高さや位置を変えることで照射範囲を広げる効果がある。ここで、図10を参照して、側面反射部材15の有無による被照射体となる太陽電池20の測定領域の違いについて模式的に説明する。図10は、導光板16およびそれに対応する光源のイメージを模式的に示しており、(a)は側面反射部材15を用いない場合、(b)は側面反射部材15を用いる場合を示している。
【0102】
図10(a)の場合、両端の導光部材の光路1および光路8の上部は有効測定領域とはならず、中程の6枚分の導光部材の光路2〜7の上部のみが有効測定領域となる。したがって、測定可能な太陽電池20のY方向の幅は1400mmである。
【0103】
一方、図10(b)の場合、側面反射部材15を適用した場合には、両端の導光部材の光路1および光路8の上部も、端部の一部を除いて有効測定領域とすることができ、測定可能な太陽電池20のY方向の幅は1650mmとなる。このことから、上述した特許文献1のソーラーシミュレータでは、導光部材方式ではなく、キセノンランプの光を直接照射体に照射する形態を用いていたが、中ほどの2本のキセノンランプ上部の光強度は高くて均一であるが、端になるにつれてキセノンランプ上部の光強度は弱くなるような所謂台形型の光強度プロファイルになり、すべてのランプの上部が有効測定領域とはならない理由が自明である。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、太陽電池の検査、測定、及び実験に利用できる。また、化粧品、塗料、接着剤、各種材料の退色および耐光試験にも利用できる。さらに、光触媒の検査および実験、ならびに自然光を必要とするその他の各種実験にも利用できる。
【符号の説明】
【0105】
1 キセノンランプ
2,12 集光素子
3,13 テーパカプラ
4,6 光学フィルタ
5 波長選択部材
7a,7b,17a,17b 反射板
8 光結合部材
9 キセノン光源
10,100 擬似太陽光照射装置
11 ハロゲンランプ
16 導光板
16a〜16h 導光部材
17 光取り出し部材
18 保護板
19 ハロゲン光源
20 太陽電池
120 測定ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
上記光源からの出射光に指向性を付与する光学部材と、
上記指向性が付与された上記出射光の発光スペクトルを調整する光学フィルタと、
上記発光スペクトルが調整された上記出射光が入射する導光板と、
上記導光板に設けられ、上記導光板に入射した上記出射光を照射面に取り出す光取り出し部材と、
上記導光板の少なくとも1つの側端面に設けられた側面反射部材とを備えていることを特徴とする擬似太陽光照射装置。
【請求項2】
第1の光を照射する第1の光源と、
上記第1の光に指向性を付与する第1の光学部材と、
上記指向性が付与された上記第1の光の発光スペクトルを調整する第1の光学フィルタと、
上記第1の光とは異なる第2の光を照射する第2の光源と、
上記第2の光に指向性を付与する第2の光学部材と、
上記指向性が付与された上記第2の光の発光スペクトルを調整する第2の光学フィルタと、
上記発光スペクトルが調整された上記第1の光における、予め定める境界波長よりも短波長の光と、上記発光スペクトルが調整された上記第2の光における、上記予め定める境界波長よりも長波長の光とを選択して出射する波長選択部材と、
上記波長選択部材によって選択された上記第1の光および上記第2の光が入射する導光板と、
上記導光板に設けられ、上記導光板に入射した上記第1の光および上記第2の光を照射面に取り出す光取り出し手段と、
上記導光板の少なくとも1つの側端面に設けられた側面反射部材とを備えていることを特徴とする擬似太陽光照射装置。
【請求項3】
上記導光板は、複数の導光部材によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の擬似太陽光照射装置。
【請求項4】
上記側面反射部材は、板状の部材で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の擬似太陽光照射装置。
【請求項5】
上記側面反射部材は、上記導光板の厚み方向の高さが調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の擬似太陽光照射装置。
【請求項6】
自身が格納される筐体をさらに備え、
上記筐体の内壁面の一部に対する反射材料の塗布もしくは貼り付けによって上記側面反射部材が構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の擬似太陽光照射装置。
【請求項7】
光源と、
上記光源からの出射光に指向性を付与する光学部材と、
上記指向性が付与された上記出射光の発光スペクトルを調整する光学フィルタと、
上記発光スペクトルが調整された上記出射光が入射する導光板と、
上記導光板に設けられ、上記導光板に入射した上記出射光を照射面に取り出す光取り出し部材と、
上記導光板の少なくとも1つの側端面に設けられ、上記導光板から出射された一部の光を反射し、上記照射面に向かわせる側面反射部材とを備えていることを特徴とする擬似太陽光照射装置。
【請求項8】
第1の光を照射する第1の光源と、
上記第1の光に指向性を付与する第1の光学部材と、
上記指向性が付与された上記第1の光の発光スペクトルを調整する第1の光学フィルタと、
上記第1の光とは異なる第2の光を照射する第2の光源と、
上記第2の光に指向性を付与する第2の光学部材と、
上記指向性が付与された上記第2の光の発光スペクトルを調整する第2の光学フィルタと、
上記発光スペクトルが調整された上記第1の光における、予め定める境界波長よりも短波長の光と、上記発光スペクトルが調整された上記第2の光における、上記予め定める境界波長よりも長波長の光とを選択して出射する波長選択部材と、
上記波長選択部材によって選択された上記第1の光および上記第2の光が入射する導光板と、
上記導光板に設けられ、上記導光板に入射した上記第1の光および上記第2の光を照射面に取り出す光取り出し手段と、
上記導光板の少なくとも1つの側端面に設けられ、上記導光板から出射された一部の光を反射し、上記照射面に向かわせる側面反射部材とを備えていることを特徴とする擬似太陽光照射装置。
【請求項9】
上記第1の光源は、上記第1の光であるキセノン光を照射するキセノン光源であり、
上記第2の光源は、上記第2の光であるハロゲン光を照射するハロゲン光源であることを特徴とする請求項2または8に記載の擬似太陽光照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−98010(P2013−98010A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239817(P2011−239817)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】