説明

改良された喉頭部マスク

患者の気道を維持するためのデバイスであって、このデバイスは:咽頭喉頭部に位置するときに喉頭との間で密着性を形成する周縁部を有しそれによって喉頭への外部からの流体の浸入を防止するためのマスクと、前記マスクに接続され又は前記マスクとともに前記マスクが適切に咽頭喉頭部に挿入されたときに喉頭に気体を通過させる気道チューブと、マスク上に位置する変形手段であって前記変形手段への力の作用が前記デバイスの弾性変形を引き起こしそれによって前記患者への前記デバイスの挿入が容易となる変形手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の気道を維持するためのデバイスに関する。好ましい実施形態において、本発明は、喉頭部マスクに関連している。
【背景技術】
【0002】
生存可能な気道の維持管理は、全身麻酔下で行われる外科手術中に患者の安全にとって非常に重要である。そのような外科手術中に生存可能な気道の維持管理は、長年にわたり、患者への気管内管を挿入することにより達成されていた。気管内管は、通常、口腔または鼻腔を通じて喉頭に挿入され、声帯を介して気管に達していた。気管内管が声帯を介して挿入する必要があったので、気管内管の位置を正しく決めるにはしばしば困難に直面していた。
【0003】
英国特許第2,111,394号(米国特許第4,509,514号に対応)は、患者の気道を維持するためにデバイスを記載している。このデバイスは、人工的な気道のデバイスであるとして記載されている。このデバイスは彎曲し、中空マスク部分の内側に一端で開口するフレキシブルチューブを有しており、喉頭の後ろの実際的および潜在的な空間に容易に適合するような、そして喉頭の内部に侵入することなく喉頭口の外周の周囲をシールするような形状を成している。このデバイスの商業的な形態は、マスクの周囲に伸びる膨張可能なカラーを有している。空気注入式カラーは、カラーが膨らんだときに喉頭口の周りにシールを形成するように構成されている。更に、マスクの部分は、喉の奥押し付け、それによって喉頭口の周りシール圧力を高めるように構成された空気注入後部が含まれている。
【0004】
英国特許第2,111,394号は、形状と(装着時)空気注入可能な部分またはマスクの部分又は複数の部分はそれが喉頭入口とその背後にある喉の下の部分の壁との間のスペースの形状に密接に近似することを保証していると述べている。喉の奥を形成する組織の壁は比較的硬質であるため、マスクの膨張は、喉頭口の周囲の組織に対してより緊密にそれを強制し、それによって、適切な位置にマスクを固定している間、その気密シールを形成する。
【0005】
英国特許第2,111,394号に記載されているデバイスの使用においては、デバイスは、マスクが咽喉の底部の末端で停止し、正常に閉じた食道の上端に横たわるまで、患者の口を介して咽喉を下方に下降し喉頭蓋を超えて挿入される。次に、マスク上の空気注入式リングは、喉頭への入口の周囲をシールするために膨らませられる。患者の気道は、このように安全で遮るものがなく、喉頭部マスクは、正圧または自発呼吸のいずれの場合にも、従来の麻酔回路に直接接続することができる。
【0006】
英国特許第2,111,394のデバイスは、空気注入式リングを膨らませるための空気を通過させ得るエアチューブに関連し、これは、英国特許第2,111,394のデバイス(マスクと関連するエアーチューブ)が構造上不可欠であることを意味している。しかし、デバイスが患者に挿入されるとき、それが患者の口を通りのどを通過するときに曲線の通路を辿る必要がある。
【0007】
このことは、患者にマスクを挿入するために、ユーザーが手動で、患者の喉に湾曲した通路に沿ってそれを導くようにデバイスを曲げる必要があることを意味する。しかし、ユーザーがデバイスを挿入するとき、患者の口に彼または彼女の指を置くことは避けなければならず、このことは、ユーザの指が患者の歯と接触するときにユーザーによってデバイスに置かれた手動の曲がりが解放されなければならないことを意味する。長い首を持つ患者の場合のような多くの場合、ユーザーは、患者の喉の中でデバイスが正しく配置される前に、デバイスの手動曲げを解放するように強制される。従って、正確に患者の喉にデバイスを配置すけることはしばしば困難であり、追加的な操作が必要となる。
【0008】
いくつかの試みがこの問題を克服するためになされている。例えば、曲がった金属製のイントロデューサは、患者の喉の所定の位置にデバイスを導くために靴べらと同様の方法で動作する英国特許第2,111,394号のデバイスと組み合わせて使用され得る。しかし、金属製イントロデューサーの患者の喉への挿入及びこれからの除去の両方が困難になる可能性がある。更に、患者の口と喉とに金属製のデバイスを挿入することは、その手順が正しく行われなければ、患者の不快感や傷害を引き起こす可能性がある。
【0009】
この問題を克服する他の試みには、硬質または半硬質材料からなる恒久的な曲線を有する喉頭マスクを作製することが含まれる。しかし、これらのデバイスの欠点は、それらが製造されている材料及び形状に起因して、デバイスが所定の位置に導かれ得るように、デバイスの先端が挿入時に患者の喉の奥に接触しなければならないということである。デバイスと患者の喉との間の接触は、患者を傷付けまたは不快感を与える可能性を秘めている。
【0010】
このように、正しく挿入するのが簡単かつ容易で、患者に対する傷害または不快感のリスクを最小限に抑える喉頭部マスクを提供することが可能であれば、利点があるであろう。
【0011】
もし先行技術の刊行物がここで参照されても、この参照は刊行物がオーストラリアのまたはその他の国における技術の共通の一般的な知識の一部を形成することの承認を構成するものではないことが明確に理解されるであろう。
【0012】
この明細書全体を通して、用語”含む(comprising)”とその文法的等価用語は、その使用される文脈が他の意味を示さない限り、包括的な意味を持つとみなされるものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】英国特許第2,111,394号(米国特許第4,509,514号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記の欠点の少なくともいくつかを克服するため、または有用なまたは商業的な選択肢を提供することができる改良された喉頭部マスクを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明を明確に説明するために、方向を決定するための次の規則が明細書全体で使用される。気道のデバイスが患者に適切に位置しているとき、マスクは、喉頭部側(患者の喉頭に最も近い側であり、マスクの腹側又は腹部側とも称する)と、喉頭から離れて位置する背側である他の側とを有している。背側の遠位端は食道に面している。背側の近位端は患者の中咽頭と口とに面している。喉頭に面し使用中のマスクの側は、「喉頭側」または「腹側」として、この明細書全体を通して言及される。方向に関しては、明細書全体を通して、用語「下方」またはその文法的等価用語は、マスクの喉頭又は腹側に向かう方向として言及される。この明細書全体を通して、用語「上方」またはその文法的等価用語は、マスクの背側に向かう方向として言及される。
【0016】
第一の態様において、本発明は、患者の気道を維持するためのデバイスに広く帰属し、そのデバイスは、:咽頭喉頭部に位置するときに喉頭との間で密着性を形成する周縁部を有し、それによって喉頭への外部からの流体の浸入を防止するためのマスクと;
前記マスクに接続され又は前記マスクとともに、前記マスクが適切に咽頭喉頭部に挿入されたときに喉頭に気体を通過させる気道チューブと;
マスク上に位置する変形手段であって、前記変形手段への力の作用が前記デバイスの弾性変形を引き起こし、それによって前記患者への前記デバイスの挿入を容易にする。
【0017】
変形手段への力の作用は、マスク部分の変形、気道チューブの変形、又はマスク部分と気道チューブの両方の変形を引き起こし得る。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態では、マスクの周縁部は、デバイスが患者に挿入されるときに、喉頭開口部を囲む組織に接触する柔らかくて柔軟性のある部分を含み、この柔らかくて柔軟性のある部分が配されることにより、加圧ガスの気道チューブへの作用が、この柔らかくて柔軟性のある部分を喉頭の開口部や咽頭壁を囲む組織と接触するように強制する。
【0019】
一実施形態では、柔らかくて柔軟性のある部分は内側に延びる部分を有し、この内側に延びる部分は、マスクの腹側に位置している。好適には、内側に延びる部分は、通気ガスが通過する開口部を含みまたは定義する。好適には、内側に伸びる柔らかくて柔軟性のある部分は、加圧通気ガスが気道に作用したときに膨張をもたらす。この"膨張"は、加圧通気ガスは気道に作用していないときに存在しているよりも大きな力で喉頭開口部を取り巻く組織に強固に接触するように、柔らかくて柔軟性のある部分を押圧しまたは強制する。柔らかくて柔軟性のある部分が喉頭開口部を取り巻く組織と接触して押圧されるその力が気道チューブ内の加圧通気ガスによって増大するに伴い、喉頭開口部を取り巻く組織と柔らかくて柔軟性のある部分とによって達成される気密性もまた改善される。このように、喉頭開口部を取り巻く組織との気密性の達成における柔らかくて柔軟性のある部分の強度や有効性は、気道チューブに供給される通気ガスの圧力に比例する。これは、喉頭開口部を取り巻く組織により形成される気密性の強さが、膨張可能な袖口(その膨張圧は気道チューブを介して供給される通気ガスの圧力から独立している)の膨張圧力に依存し、又は喉頭部マスクの周縁部を形成する材料の強度と弾力性に依存している既存の喉頭部マスク気道デバイスとは対照的である。従来の喉頭マスクによる気密性を改善するために、より大きなサイズのマスクがしばしば使用され、これは患者の不快感と長い回復時間の増加を引き起こす可能性が大きい。確かに、気密性を達成するための膨張可能な袖口を含む現在入手可能な喉頭マスクでは、気道内圧がIPPV中に増加するときに、気道内圧の増大は、マスクの既に膨張した固定されたマスクの周縁部袖口から離れた前方咽頭壁を押圧し、これにより、マスクと咽頭壁との間のギャップを残す。その結果、ガスは固定された膨張した袖口と咽頭壁の間に逃れることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、マスクが患者に配置されているときに、柔らかくて柔軟性のある部分が喉頭周囲の構造に対して横たわりこれに沿って延び、柔らかくて柔軟性のある部分は、加圧ガスがマスクに供給されたときに、喉頭周囲の構造物と接触するように促され又は強制される。
【0021】
柔らかくて柔軟性のある部分は、ドーム型の膜、折り畳まれた膜、または喉頭開口部を取り囲む組織に実質的に平行に延びる部分を含む膜を含み得る。柔らかくて柔軟性のある部分は開口部を定義し、柔らかくて柔軟性のある部分が望ましくは開口部の近傍に薄い肉厚の壁を有しているのが適切である。
【0022】
いくつかの実施形態では、柔らかくて柔軟性のある部分の開口は、開口部の周囲またはその近傍に厚い材料のリングや地域を含み得る。これは、開口部の形状の維持に役立つ。
【0023】
柔らかくて柔軟性のある部分は、マスクとともに一体的に形成することができる。あるいは、柔らかくて柔軟性のある部分は、例えば、適当な接着剤の使用により、超音波溶接により、またはその他の適切な接合技術により、マスクに結合することができる。
【0024】
柔らかくて柔軟性のある部分は、より大きい厚さの壁や柔らかくて柔軟性のある部分より柔軟性の低い部分又は領域を有するより大規模な構造の一部を形成し得る。大規模な構造は、気道のデバイスが患者に挿入されたときに、柔らかくて柔軟性のある部分が喉頭開口部を取り囲む組織と接するように配置され得る。より大規模な構造体は、気道のデバイスが患者に挿入されたときに、柔らかくて柔軟性のある部分が喉頭開口部を取り囲む組織に対峙しこれに実質的に平行に横たわるように配置され得る。
【0025】
柔らかくて柔軟性のある部分は、本明細書に記載のように、本発明の他の側面を参照して、そこに記載されているされている気道のデバイスのいずれかとともに利用され得る。
【0026】
本発明のすべての側面の他の実施形態では、マスクは、弾性材料から作製される。加圧通気ガスが気道チューブに供給されると、マスク内で増加する内圧は(加圧通気ガスに起因する)、マスを円周方向に拡大させる。マスクは、壁厚を変化させることで作ることができるため、その拡大は、マスクのさまざまな部分でかなり異なることがある。この拡大は、咽頭壁に対してすべての方向にマスクの周りの気密性を増加させる傾向がある。前咽頭壁(すなわち、喉頭開口部を囲む組織)に面するマスクの一部も厚さが変化する壁領域で作製されるので、より薄い部分が最大限に膨張し、接触している組織に対して更なる圧力を及ぼす。マスクのこの拡張は、通気ガスによって引き起こされる。このように、マスクによって達成されるシールの強さや有効性は、使用される通気ガスの圧力に比例する。
【0027】
いくつかの態様において、本発明のデバイスは、更に、患者において使用されている間、適切な場所に容易にテープで貼り又は結びつけられるのを可能にするために、気道チューブに接続され又はこれから延びる1つまたはそれ以上のループやブラケットを更に含み得る。一実施形態では、一つ以上のループやブラケットが、気道チューブの腹側に配置される。別の実施形態では、一つ以上のループやブラケットが気道チューブの腹側と背側の両方に配置される。
【0028】
更に別の実施形態では、気道チューブは、マスクの固定とデバイスを使用する医師の指の位置を確保するのを容易にするために、一つ以上の窪みを設けることができる。例えば、二つ以上の指のためのフィンガーグリップを気道チューブに形成することができる。
【0029】
本発明のマスクは、蘇生のため及び麻酔での使用のために、正圧通気に使用することができる。
【0030】
変形手段は、任意の適切な形態と構成であり得る。例えば、変形手段はマスクと一体に形成され得またはマスクとは別に形成され、任意の適切な技法を使用して一時的または恒久的なアタッチメントをそれに適応することができる。
【0031】
本発明の好ましい実施形態では、変形手段は、マスクの第1の端部にまたはそれに隣接して取り付けられるように構成された一つ以上の細長部材を含んでいる。いくつかの実施形態では、一つ以上の細長部は、可撓性部材を有している。変形手段は、任意の好適な材料から製造され得る。しかし、本発明の好ましい実施形態では、変形手段は、デバイスと同じ材料から製造され得る。これは特に、変形手段がデバイスと一体に形成されている本発明の実施形態の場合である。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態では、変形手段の第一の端部は、変形手段のマスクへの取り付けを容易にするために取付部が設けられていてもよい。変形手段は、マスクの喉頭または背側のいずれかに接続されて、マスクの任意の適切な部分に取り付けることができる。変形手段がマスクの背側のいずれか適切な位置に取り付けるように接続されている発明の実施形態においては、取り付け部分は、マスクの背側に、またはマスクの両側に、またはマスクの横方向の部分の任意の適切なポイントに接続するように構成され得る。しかし、本発明の好ましい実施形態では、変形手段は、マスクの喉頭側に取り付けられ得る。変形手段は、マスクの遠位部分にまたはマスクの近位部分に、又はマスクの中央部分に取り付けることができる。
【0033】
取付部は任意の適切な形態であり得、例えば、これに限定されないが、一つ以上の取付膜、要素またはマスクへの取り付けに適応した同様のものであり得る。
【0034】
好ましくは、変形手段は、変形手段がデバイスの長手軸に沿って実質的に一直線に横たわるようにマスクに取り付けられる。本発明の別の実施形態では、取付部は、マスクに付着するように構成された実質的にY字型の部材を有し得る。
【0035】
他の実施形態では、取付部は、使用中に変形手段が正しい配置に留まっていることを確実にするように構成された固定手段を更に有し得る。変形手段の不正確な配置は、例えば、潜在的に変形手段が部分的または完全に患者の喉頭へのガスの流れを遮断するという結果をもたらす可能性がある。本発明のいくつかの実施形態では、固定手段が1つまたは複数のさらなる膜、要素またはマスクおよび取付部の両方に接続するための同様のものを含んでもよいが、固定手段は任意の適切な形態のものであり得る。本発明のいくつかの実施形態では、固定手段は、デバイスの長手方向の軸に実質的に沿って位置し得る。本発明のさらなる実施形態において、固定手段は、取付部に実質的に垂直に配置することができる。
【0036】
好ましくは、固定手段は、少なくとも取付部とマスクの周縁部に取り付けられている。しかしながら、本発明の他の実施形態では、固定手段は、変形手段または気道チューブの一又はそれ以上に取り付けるように構成することができる。
【0037】
本発明の代替の実施形態では、固定手段は、取付部に取り付けるように適応されていなくてもよい。例えば、固定手段は直接変形手段に接続するように構成され得る。本発明のこの実施形態では、固定手段は、一方の端部で変形手段に接続するように構成し、第二の端部では固定手段がマスク、気道チューブ、またはその両方に接続するように構成することができる。本発明の好ましい実施形態では、固定手段は気道チューブと変形手段との間に延びて(これらに接続されて)いる。この配置は、ここに記載されている他の固定手段が患者の喉の閉塞をもたらしそうな状況で好ましいと考えられる。
【0038】
変形手段の第一の端部がマスクに接続されている場合、変形手段の第2の端部に加えられる力は、デバイスの弾性変形をもたらす。特に、マスクから離れるように変形手段の第二の端部を引っ張ると、デバイスに曲線や曲がりが生じる弾性変形をもたらし、マスクの喉頭側が曲線や曲がりの内側の半径上に位置する。しかし、当業者は、本発明の代替の実施形態において、マスクの背側は曲線や曲がりの内側の半径になるようにマスクを弾性変形することが望ましいことを理解するであろう。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態では、背側は、デバイスが弾性変形する容易さを改善するように構成するための手段を有し得る。任意の適切な手段が、以下のように、そしてこれらに限定されることなく、マスクの背側に位置する1つまたは複数の溝および/またはリブなどとして備えられる。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態において、デバイスは、変形の力が変形手段に印加されたときに変形手段をガイドするように構成されたガイド手段を備え得る。ガイド手段は任意の適切な形状であり得、本発明の一つのシンプルな態様ではあるが、ガイド手段はそれを介して変形手段が通過し保持されるループまたはアーチの形態であり得る。変形手段は、ガイド手段を介して可動または摺動可能であり得る。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態では、ガイド手段を複数設けてもよい。
【0042】
ガイド手段は、デバイス上の任意の適切な位置に配することができる。しかし、ガイド手段は、好ましくは、気道のチューブ上のデバイスの外面上に配置されていることが好ましい。一実施形態では、ガイド手段は、気道チューブの腹側に配置され得る。
【0043】
変形手段の取付部がマスクの背側に接続されている発明の実施形態においては、複数のガイド手段が使用されることが好ましい。例えば、第1のガイド手段は、前の段落で説明したように気道チューブ(および、好ましくは、気道チューブの腹側)に配置し得、一方、第2のガイド手段は、マスク上の任意の適切な場所に配置し得る。好ましくは、第2のガイド手段は、変形手段に力を加えると、デバイスの喉頭側の曲線や曲がりを生じる弾性変形を生じるようにマスクの喉頭側に設けられ得る。本発明のいくつかの実施形態では、変形手段は、例えば、Y字型の部材を含んでいてもよく、これはマスクがマスクの反対側面に位置する一対のガイド手段を備え得ることを意味する。従って、本発明のこの実施形態では、3つのガイド手段が存在し得る。
【0044】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、デバイスは、力が変形手段に加えられたときに変形手段を適正な位置に保持するように構成された保持手段を更に備えていてもよく、それによって変形手段が保持手段から解放されるときまでその弾性変形した状態を確実に保持する。保持手段は、任意の適切な形態のものであり得る。例えば、保持手段は、1つまたは複数の接着性の当て布、マジックテープ(登録商標)、フックとアイの配置、ループとタイ、変形手段が挿入されるスロットまたは溝、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
【0045】
本発明の好ましい実施形態では、保持手段は、変形手段の対応するスロットまたは小穴又は同様の開口部に係合するように構成されたフックの形式であり得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、デバイスは複数の保持手段を備えていてもよい。
【0047】
患者へのデバイスの挿入に先立ち、デバイスの弾性変形を引き起こすために、力が変形手段に適用され得る。保持手段が存在する本発明の実施形態では、変形手段は、デバイスの弾性変形が確実に維持されるように、保持手段に係合される。もし保持手段が存在しないなら、デバイスのその弾性変形が手動で維持するために、変形手段は、単純にユーザによって保持され得る。本発明の他の実施形態では、変形手段は、気道チューブ上に位置する他の任意の適切な突起上に又はそれに対して保持され得る。
【0048】
一旦デバイスの弾性変形が生じると、デバイスは患者の口に挿入され、患者の喉の位置へと操作される。デバイスの弾性変形は、患者の喉へのデバイスの挿入が簡略化されていることを意味し、そして、最小限の患者への傷害や不快感が存在するだけである。
【0049】
また、一度マスクが患者の口腔内に入ると、力が変形手段に作用し得る。
【0050】
一度マスクが適正な位置若しくは少なくとも適正な位置に近い位置に置かれる(例えば、マスクが患者の喉頭に対して気密性を形成する)と、又は実際に一度マスクが患者の喉の奥(口蓋咽頭曲線)で曲がり過ぎて挿入されると、変形手段に加えられる力が解放され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、患者の喉頭に対するその位置決めをする前に、デバイスの弾性変形を解放することは有益であるかもしれない。好ましくは、マスクが喉頭の後面を下にスライドする位置にあるとき、デバイスの弾性変形が解除される。このことは、マスクの背側が咽頭壁に向かって押圧され、または正中線からのデバイスの逸脱によって梨状陥凹に入ることを可能とする。この方法で、デバイスは、患者の喉頭で動きが取れなくなるのを防止することができる。
【0052】
別の態様において、本発明は、患者に喉頭部マスクデバイスを挿入するための方法において広く存在し、この方法は以下のステップを含む:
a)力を喉頭部マスクに接続されている変形手段に作用させることにより、デバイスを弾性的に変形させ、
b)鼻咽頭を避けながら、患者の口腔および/または中咽頭に喉頭部マスクを挿入し、
c)喉頭部マスクの弾性変形が解放されるように変形手段への力の作用を停止し、
d)患者の喉頭に対して喉頭部マスクを配置させて機密状態を形成する。
【0053】
本発明の方法のいくつかの実施形態において、ステップ(b)はステップ(a)に先行し得る。望ましくは、デバイスが中咽頭に入る前に、デバイスが変形手段によって変形される。口に挿入される前にデバイスは変形し得、又は患者の口の中で変形し得る。ステップ(a)は、デバイスのマスク部分を変形させ、またはデバイスの気道部分を変形させ、または、マスク部分とデバイスの気道部分の両方を変形させ得る。
【0054】
本発明のデバイスは、その範囲内に他の多くの特徴を含み得ることが想定される。これらの特徴は、出願人の以前の国際特許出願PCT/AU2004/001011とPCT/AU2008/001259(WO 2009/026628として発行)に記載されているものが含まれており、その全内容は本明細書に引用により取り込まれる。
【0055】
また、本発明は、喉頭部マスクの挿入を容易にするための任意の変形可能な喉頭部マスクを利用し得ることが理解されるであろう。従って、本発明は、喉頭部マスクのいずれかの特定の構成に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態に係るデバイスの側面図を示している。
【図2】本発明の実施形態に係るデバイスの斜視図を示している。
【図3】本発明の実施形態に係るデバイスの側面図を示している。
【図4】本発明の実施形態に係るデバイスの平面図を示している。
【図5】本発明の実施形態に係るデバイスの平面図を示している。
【図6】図6〜図8は、本発明の実施形態に係るデバイスの使用中の一連のステップの側面図を示している。
【図7】図6〜図8は、本発明の実施形態に係るデバイスの使用中の一連のステップの側面図を示している。
【図8】図6〜図8は、本発明の実施形態に係るデバイスの使用中の一連のステップの側面図を示している。
【図9】本発明の代替の実施形態に係るデバイスの平面図を示している。
【図10】本発明の代替の実施形態に係るデバイスの平面図を示している。
【図11】本発明の実施形態に係るデバイスの側面図を示している。
【図12】本発明の実施形態に係るデバイスの側面図を示している。
【図13】本発明の代替の実施形態に係るデバイスの斜視図を示している。
【図14】本発明の代替の実施形態に係るデバイスの側面図を示している。
【図15】本発明の代替の実施形態に係るデバイスの断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図面は本発明の好ましい実施形態を説明する目的で提供されていること、および本発明はもっぱら、図面に示されている特徴に限定されていると見なされるべきではないことが理解されるであろう。
【0058】
図1に本発明の実施形態に係るデバイス10が示されている。デバイス10は、マスク11が適切に患者の喉頭咽頭に挿入されたときに、患者の喉頭(図示せず)と喉頭にガスを通過させるための気道チューブ13とにより、気密性を形成するための周縁部12を有するマスク11を備えている。
【0059】
デバイス10は、マスク11の周縁部12の一端に接続するように構成された柔軟な細長部材の形状で形成された変形手段14を備えている。
【0060】
変形手段14は、マスク11の周縁部12(より詳細には、周縁部の近位および腹側部)に接続するように構成された取付膜15の形式の取付部を含んでいる。更に、変形手段14は、取付膜15とマスク11の周縁部12との両方に接続するように構成された更なる膜16の形式の固定手段を備えている。固定手段16は、変形手段14が気道チューブ13に一致して実質的に保持され、かつ、例えば、ガスが患者に向かって通過する周縁部12の開口部(隠れている)をブロックまたは制限しないことを保証するように構成されている。このことは、背側方向における膜から延び、背側に延びる線に概略的に沿ってマスクの外周部に接続されることにより、部分的に達成される。
【0061】
図2には、デバイス10の斜視図が示されている。この図では、周縁部12がガスが患者に向けて通過する開口部17を備えていることがより明確に理解できる。固定手段(隠れている)は、変形手段14が開口部17を介するガスの流れを遮断または制限するの妨げるように構成されている。
【0062】
この図では、変形手段14がデバイス10の中心線18上のほぼ中央に位置していることが分かる。デバイス10の中心線18に実質的に沿った変形手段14の位置は、力が変形手段14に作用したときに、マスク12が弾性的に一様に変形してマスク12に歪みが発生しないことが好ましい。更に、取付膜15は中心線18の両側の横方向に延びており、マスクの周縁部12に横方向に延びる線に沿って、または少なくとも横方向に伸びる線の両端に取り付けられている。これのことは、マスクに作用するより均一な変形力を提供している。
【0063】
図3に移ると、本発明の実施形態に係るデバイス10の側面図が示されている。この図では、点線は弾性変形状態にあるデバイス10を表し、実線は力が変形手段14に作用していないときのデバイス10を表している。デバイス10が弾性変形したときに(点線で示すように)曲線や曲がりがデバイス10に生じ、マスク11の喉頭側が曲線または曲げの内径上にあることが分かる。
【0064】
デバイス10を弾性変形させるために、力(特に、引っ張る力)は変形手段14に作用する。変形手段14には、気道チューブ13の外面に位置するフック20の形状の保持手段に係合するように、その一端に開口部19が設けられている。開口部19がフック20上に置かれると、デバイス10は、変形手段14とフック20との間の係合が解かれるまで、その弾性変形状態に保持される。フック20のような保持手段を提供することにより、デバイスは、ユーザーが両手で自由に患者の喉の位置にデバイス10を操作することを意味する弾性変形状態を維持することができる。ひとたび適正な位置に置かれると(あるいは、少なくとも、適正に近い位置に置かれる)、デバイス10が正常に設置されるように、ユーザーは変形手段14をフック20との係止から解放することが可能となる。
【0065】
図3に示すデバイス10は、ガイド手段21と共に提供される。使用においては、変形手段14を形成する細長部材がガイド手段21と気道チューブ13の外面との間を通過する。このように、変形手段14の位置は、ユーザーがそれを必要とするときに容易に取り扱えるようになることを保証するという点と、また力が変形手段14に作用したときに変形手段14が患者の歯などに接触しないことを保証するという点との両方の観点で、制御され得る。ガイド手段21はまた、変形手段が患者へのマスクの挿入を容易にする望ましい変形された配置にマスクを変形させることを確保することを支援する。
【0066】
図4および図5に、本発明の実施形態に係るデバイス10の喉頭側の平面図が示されている。図4では、デバイス10は、変形手段14が気道チューブ13の外面に対して緩く横たわっていることを意味する非弾性変形状態で表示されている。変形手段14は、ガイド手段21と気道チューブ13の外面との間を通過し、変形手段14はユーザに要求されたときに常にすぐ手の届くところにあることを意味している。更に、ガイド手段21の存在は、引張力が変形手段14に作用したときに(図5に示すように)、その力は実質的にデバイス10の中心線18に沿って作用し、マスク12は一様に弾性変形するのを確実にする。
【0067】
これらの図では、また、変形手段14の取付膜15はデバイス10の中心線18に関して実質的に対称に配置されるように、マスク12に取り付けられていることが分かる。これはまた、マスク12の変形が実質的に均一であることを確保する上で役立っている。
【0068】
図5では、変形手段14はユーザーが力をデバイス10が弾性変形した状態を維持するように加えることにより手動で保持されるか、または変形手段14の開口部19が気道チューブ13の喉頭側に位置するフック20に係合し得る。
【0069】
図6〜図8に、本発明の実施形態に係るデバイス10の使用のステップが示されている。図6では、デバイス10はその弾性変形状態が示されており、患者ののどに何時でも挿入される状態にあり、変形手段14はフック20に係合し、デバイス10が曲線となってデバイス10の喉頭側がその曲線の内径になるようになっている。この図では、ガイド手段21は、変形手段14が気道チューブ13の表面に近接して保持されることを確実にし、変形手段14が挿入される際に患者の歯などと接触しないようにしている。
【0070】
図7では、マスク12が患者の喉頭との気密性を形成するように、または少なくとも正しく配置されている状態に近くなるように、デバイス10は患者の喉に挿入され正しい位置に配されるであろう。この時点で、変形手段14はフック20との係合から解放され得、これはデバイス10がその非弾性変形状態に戻り始めることを意味している。
【0071】
図8では、デバイス10は、その非弾性的に変形した状態に戻る。この状態では、マスク12が患者の喉頭に対して気密状態を形成しているなど、デバイス10が適切な位置に置かれていることが想定される。
【0072】
変形手段14に力が作用していないとき(たとえば、図8のように)は、ガイド手段21は依然として変形手段14が気道チューブ13の外面に対して適正な位置を保持する役目を果たしている。この方法では、変形手段14は、必要なときに常に手の間近に維持され、そしてまた、変形手段が、ガスが患者に向かって通過するマスク12の開口部12(隠れている)をブロックまたは制限する可能性を減少させる。
【0073】
図9および図10には、本発明の代替の実施形態に係るデバイス10の平面図が図示されている。この実施形態では、取付部22は、マスク12の喉頭側の近位端に取り付けられた大型の膜の形状である。この大型の取付部22の利点は、大型の取付部22がマスク12の過度の変形を防止することである。
【0074】
図11には、本発明の別の実施形態に係るデバイス10の側面図が表示されている。デバイス10は、マスク11が適切に患者の喉頭咽頭に挿入されたときに、患者の喉頭(図示せず)と喉頭にガスを通過させるための気道チューブ13との間で気密性を形成するための周縁部12を有するマスク11を備えている。
【0075】
デバイス10は更に、マスク11の周縁部12の一端に接続するように構成された柔軟で細長い部材の形状の変形手段14を備えている。
【0076】
変形手段14は、マスク11の周縁部12への(より具体的には、周縁部の近位および腹側部への)接続に適した取付膜15の形式の取付部を備えている。更に、変形手段14は、取付膜15と、マスク11の周縁部12と、変形手段14の細長部分と、気道チューブ13とに接続するように構成されている。固定手段16は、変形手段14が気道チューブ13に実質的に沿い、例えば、ガスが患者に向かって通過する周縁部12の開口部(隠れている)をブロックまたは制限しないように保持されることを確保するように構成されている。背側方向における膜から延び、背側に延びる線に概略的に沿うマスクの周縁部に接続される固定手段によって部分的にこれが達成される。
【0077】
図11に示した構成の利点は、固定手段16が、患者に挿入されるときに、マスク11と気道チューブ13が湾曲することを可能にすることである。更に、変形手段14は、ガスを患者に通過させる周縁部12に開口部(隠れている)をブロックしたり制限したりしないように妨げられ得る。最後に、固定手段16の位置は、デバイス10の過度の屈曲を妨げる。
【0078】
図12に本発明の実施形態に係るデバイス10の側面図が示されている。図12に示されているデバイス10は、変形手段14の取付部30がその遠位端でマスク12の背側31に適するようにされていることを除いて、図6〜図8に示すようデバイスに非常に似た方法で機能する。本発明のこの実施形態では、デバイス10は、チューブ13の腹側に位置する第1のガイド手段21と、マスク12の喉頭側に位置する第2のガイド手段32とを備えている。本発明のいくつかの実施形態においては、第3のガイド手段(図示せず)をマスク12の反対側に対応する位置に設けてもよい。本発明のこの実施形態では、変形手段14はY字型の部材の形式であり得る。
【0079】
変形手段は、力を変形手段14に作用させてカーブや曲がりをデバイス10の喉頭側に生じさせるデバイスの弾性変形を引き起こすように、第1のガイド手段21および第2のガイド手段32の両方を介して通過する。図13では、本発明のさらなる実施形態が示され、変形手段14の取付部33は、マスク12の側壁に取り付けられている。図12に示されている本発明の実施例の場合と同様に、図13のデバイス10は、気道チューブ13の喉頭側に位置する第1のガイド手段21と、マスク12の喉頭側に位置する第2のガイド手段32とを有している。第3のガイド手段(隠れている)は、マスクの反対側に対応する位置に配置され得、マスク12の反対側の壁への接続に適したY字型の部材であることを意味している。
【0080】
図14に、本発明の代替実施形態に係るデバイス10の斜視図が示されている。デバイス10は、図11に示すのと非常に類似した方法で機能する。デバイス10は、マスク11が適切に患者の喉頭咽頭に挿入されたときに、患者の喉頭(図示せず)と喉頭にガスを通過させるための気道チューブ13とにより気密性を形成する周縁部12を有するマスク11を備えている。
【0081】
デバイス10は、マスク11の周縁部12に一端で接続するように構成された柔軟な細長部材の形式の変形手段14を備えている。変形手段14は、その端部に又は近傍に、変形手段14のユーザーの把持を向上させるために使用中にユーザの指先が置かれ得る浅い凹部または凹み35を有している。
【0082】
変形手段14は、マスク11の周縁部12への(より具体的には、周縁部の近位および腹側部への)接続に適した取付膜15の形式の取付部を備えている。更に、変形手段14は、変形手段14と気道チューブ13への接続に適した細長部材36の形式の固定手段を備えている。固定手段36は、変形手段14が気道チューブ13に実質的に沿い、例えば、ガスが患者に向かって通過する周縁部12の開口部17をブロックまたは制限しないように保持されることを確保するように構成されている。これは、部分的に、ほぼ気道チューブ13の長手軸で気道チューブ13から延びる固定手段36によって達成される。
【0083】
固定手段36は、患者からデバイス10を挿入したり取り除いたりするときに、変形手段14が操作されることでその容易さを改善するように、彎曲部材として設けられている。
【0084】
図15では、図14に示すデバイス10の断面図が図示されている。この図において、変形手段14がマスク11の周縁部12への取付部15を介して接続されていることが明確に示されている。固定手段36が気道チューブ13に第1の端部で取り付けられ、第2の端部で変形手段14に取り付けられている。固定手段36を図11に示すように膜ではなく細長部材として備えていることは、患者から取り除く際に固定手段が患者の気道を妨害しまたは破裂させる可能性を減少させる。本発明によるデバイスの使用において、マスク部分は患者の口腔内に挿入され得、変形手段はマスクを変形させるために使用され得る。このことは、マスクが患者の喉の奥を捉える傾向が大幅に減少するにともなって、患者へのマスクのさらなる挿入を容易にする。変形手段は、一度マスクが患者の喉の奥(口蓋咽頭曲線)の彎曲部を通過すると、解放され得る。このことは、湾曲が小さい配置に延びる気道デバイスの遠位端に至ることとなり、デバイスが挿入され喉頭の後面を下にスライドし、気道デバイスの遠位端が挿入の進行にともなって食道上部に入ることを可能とする。デバイスの遠位端が喉頭に達するまで変形手段の張力によって生じる彎曲が維持されている場合は、遠位端が喉頭にはまり込む可能性があるというリスクがある。そのため、変形手段における張力が解放されてマスクがその変形前の形状に跳ね返ったり、マスクの背の部分が咽頭後壁の方向に押され、又は梨状陥凹に入ることを許容することが望ましい。
【0085】
当業者は、本発明が具体的に記載した以外の変形および変更を受け入れる余地があることを認識するであろう。本発明はその精神および範囲内に入る全てのそのような変形および変更を包含することが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0086】
10 デバイス
11 マスク
12 周縁部
13 気道チューブ
14 変形手段
15 取付膜
16 固定手段
17 開口部
18 中心線
19 開口
20 フック
21 第1のガイド手段
22 取付部
30 取付部
31 背側
32 第2のガイド手段
33 取付部
35 凹み
36 固定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の気道を維持するためのデバイスであって、該デバイスは:
咽頭喉頭部に位置するときに喉頭との間で密着性を形成する周縁部を有し、それによって喉頭への外部からの流体の浸入を防止するためのマスクと、
前記マスクに接続され又は前記マスクとともに、前記マスクが適切に咽頭喉頭部に挿入されたときに喉頭に気体を通過させる気道チューブと、
マスク上に位置する変形手段であって、前記変形手段への力の作用が前記デバイスの弾性変形を引き起こし、それによって前記患者への前記デバイスの挿入が容易となる変形手段と
を備えているデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスであって、前記変形手段への力の作用が、前記マスク部分、前記気道チューブまたはその両方の弾性変形を引き起こすデバイス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のデバイスであって、前記変形手段は、1つまたは複数の細長部材を備えているデバイス。
【請求項4】
請求項3に記載のデバイスであって、1つまたは複数の細長部材が、その第1の端部でマスクに取り付けらるように構成されているデバイス。
【請求項5】
請求項4に記載のデバイスであって、前記1つまたは複数の細長部材の第1の端部が、変形手段のマスクへの取り付けを支援する取付部を備えているデバイス。
【請求項6】
請求項5に記載のデバイスであって、前記取付部は、使用中に変形手段が正しい配置に留まることを確保するように構成された固定手段を備えているデバイス。
【請求項7】
請求項6に記載のデバイスであって、前記固定手段は、少なくとも前記取付部および前記マスクの前記周縁部に取り付けられているデバイス。
【請求項8】
請求項3乃至7のいずれか一項に記載のデバイスであって、前記変形手段の第2の端部への力の作用が、前記デバイスの弾性変形を引き起こす、デバイス。
【請求項9】
請求項8に記載のデバイスであって、前記マスクの前記変形手段の前記第2の端部を引くことにより、曲線又は曲がりがデバイスで生じ、前記マスクの喉頭部側が前記曲線又は曲がり内側の半径上にある弾性変形を引き起こす、デバイス。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のデバイスであって、前記変形手段は、マスクの喉頭側に取り付けられているデバイス。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載のデバイスであって、前記変形手段は、該変形手段がデバイスの長手軸に沿って位置するように前記マスクに取り付けられているデバイス。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のデバイスであって、前記デバイスは、力が変形手段に作用したときにそれをガイドする1つまたは複数のガイド手段を備えているデバイス。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載のデバイスであって、前記デバイスは、力が変形手段に作用したときにそれを適正な位置に保持するように構成された1つまたは複数の保持手段を更に備えているデバイス。
【請求項14】
請求項13に記載のデバイスであって、前記保持手段は、前記変形手段における対応する開口部と係合するように構成されたフックであるデバイス。
【請求項15】
患者に喉頭部マスクデバイスを挿入するための方法であって、該方法は:
a)喉頭部マスクに取り付けられた変形手段に力を作用させることによって前記デバイスを弾性変形させ、
b)鼻咽頭を避けながら患者の口及び/又は中咽頭に前記喉頭部マスクデバイスを挿入し、
c)前記喉頭部マスクの弾性変形が解放されるように、前記変形手段への力の作用を中止し、
d)患者の喉頭に対して前記喉頭部マスクを配置して気密性を形成する、
方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、a)およびb)のステップが逆の順序で行われる方法。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の方法であって、前記喉頭部マスクデバイスが請求項1乃至14のいずれか一項に記載のデバイスである方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−523251(P2012−523251A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503831(P2012−503831)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際出願番号】PCT/AU2010/000341
【国際公開番号】WO2010/115232
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(506034905)
【出願人】(506034891)