改良された小型真空資材取扱装置
【課題】
本発明は、改良された真空資材取扱装置に関する。前記改良された真空資材取扱装置は、フレームと、前記フレームに搭載された内蔵駆動エンジンと、前記フレームに搭載された内蔵真空ポンプと、前記フレームに搭載された内蔵油圧ポンプと、前記フレームに搭載され前記真空ポンプにより駆動される油圧回転子と、を含んで構成される。前記フレームは、一体化されたフォークリフトラグをさらに備える。
本発明は、改良された真空資材取扱装置に関する。前記改良された真空資材取扱装置は、フレームと、前記フレームに搭載された内蔵駆動エンジンと、前記フレームに搭載された内蔵真空ポンプと、前記フレームに搭載された内蔵油圧ポンプと、前記フレームに搭載され前記真空ポンプにより駆動される油圧回転子と、を含んで構成される。前記フレームは、一体化されたフォークリフトラグをさらに備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して真空による資材取扱装置(material handler)に関する。特に、本発明は、パイプ、平板材料、鋼鉄、及び他の滑らかで均一な表面を持つ大きな比較的重い物品の移動に使用される、改良された小型真空取扱装置(compact vacuum handler)に関する。
【背景技術】
【0002】
真空資材取扱装置(vacuum material handler)は、掘削機のブーム、頭上クレーン、もしくは大きな重い物体を移動するための他の機材に搭載することができる機材である。この真空資材取扱装置は、通常、パイプラインの敷設や、製造施設で用いられ、大口径管や平板鋼材を移動するために使用される。今日市場で入手できる真空資材取扱装置は、一般的に、掘削機のブームに連結できる、油圧駆動回転子を備えたフレームを有する。掘削機からの高圧の油圧油(hydraulic fluid)は、回転子を作動させ、移動中の資材を回転させるために使用される。
【0003】
前記フレームは、ガソリンもしくはディーゼルにより駆動される内燃機関を載置する。このエンジンは、真空ポンプを駆動する。真空ポンプは、真空溜めと流体的に連結されている。この真空溜めは、前記フレームの下方に位置する一般的にパッド(pad)と呼ばれる大型の吸着カップ構造と流体的に連結している。このパッドは、移動中の資材される資材の表面の形状に若干沿うように形成される。例えば、移動中のパイプの曲面に沿うようにわずかに凹形となっている。同様に、移動中の金属平板の表面に合わさるように、パッドは比較的平らであってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の真空資材取扱装置は、油圧油を供給可能な機材での利用に制限されていた。また、この真空資材取扱装置は、所定の位置に資材を保持したまま、他の機材へ容易に移動することができなかった。すなわち、従来は、掘削機に取り付けた真空資材取扱装置によりパイプを持ち上げ、このパイプを取り付けたままの状態で、フォークリフトや頭上クレーンなどの第2の機材へ真空資材取扱装置を移すことができなかった。
【0005】
これらの制限は2つの基本的な理由により生じる。第1に、従来の真空資材取扱装置は、回転させるために、掘削機からの高圧の油圧油が必要であった。第2に、パイプや他の資材を保持したまま、第1の機材から第2の機材まで真空資材取扱装置を移すことができる装置がなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内蔵真空ポンプ及び内蔵油圧ポンプを駆動する内蔵エンジンを備えたフレームを有する、改良された小型真空資材取扱装置である。前記油圧ポンプは、回転子を駆動する。また、前記フレームは、フレーム内に一対の一体化されたフォークリフトラグ(fork lift lugs)を有する。
【0007】
本発明は、パイプや他の大きな嵩張った資材を移動する様々なパッドに連結できる小型真空資材取扱装置一式を提供する。本構造により、掘削機や頭上クレーンのような第1の機材から、フォークリフトのような第2の機材へ、パイプや他の資材を保持したまま移動することができるという利点が得られる。これは、回転子や真空ポンプを作動させるために、真空資材取扱装置が、掘削機からの油圧供給に依存していないことにより可能となる。
【0008】
駆動エンジンの出力シャフトを真空ポンプの入力シャフトに連結し、真空ポンプの出力シャフトを油圧ポンプの入力シャフトに順々に連結することにより、真空ポンプ及び油圧ポンプが搭載可能となり、真空資材取扱装置のフレームに内蔵された同一のエンジンにより真空圧及び油圧の両方の圧力を得ることができる。
【0009】
本発明の更なる実施形態は、一体化されたフォークリフトラグ及び内蔵真空ポンプを備えたフレームと、搭載された機材から供給される油圧油により駆動される回転子と、を有する資材取扱装置を含む。
【0010】
本発明の好ましい実施形態が、さらに詳細に説明される。本発明による他の構成、作用、及び利点は、以下の詳細な説明、添付した特許請求の範囲、及び図面(縮尺は正確ではない)によって、より深く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】パイプPを保持したパッドを備える掘削機Eに搭載された本発明の一実施形態の斜視図である。
【図2】本発明による真空資材取扱装置の一実施形態の斜視図である。
【図3】本発明の内蔵駆動エンジン、真空ポンプ、及び油圧ポンプの概略図である。
【図4】本発明の一実施形態の左側部分内部の概略図である。
【図5】本発明の一実施形態の右側部分内部の概略図である。
【図6】本発明の一実施形態の回路図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の回路図である。
【図8】本発明による真空資材取扱装置の第3の実施形態の斜視図である。
【図9】本発明による真空資材取扱装置の第3の実施形態の正面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態の左側部分内側の概略図である。
【図11】本発明の第3の実施形態の右側部分内側の概略図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜6について説明すると、本発明による小型真空資材取扱装置20は、フレーム22と、内蔵駆動エンジン24と、内蔵真空ポンプ26と、内蔵油圧ポンプ28と、回転子30と、パッド32とを備える。使用の際には、真空資材取扱装置20は、回転子30に接続することで、掘削機、ブーム、バックホー、もしくは他の機材Eに連結することができる。また、真空資材取扱装置20は、貫通孔(pick eye)(図示省略)を備えた回転子30を取り替えることにより、クレーンや巻き上げ機と接続することもできる。真空資材取扱装置20が掘削機もしくは他の機材Eに搭載された場合、真空資材取扱装置20は、金属薄板、パイプP、もしくは他の比較的滑らかで均一な表面を持つ大きな物品を持ち上げるために使用することができる。掘削機の操縦者は、パッド32が、持ち上げられるパイプPもしくは他の金属に接触するまで真空資材取扱装置20を下降させる。
【0013】
パッド32がパイプPに接触すると、真空ソレノイド18は、パッド32を真空溜め54及び真空ポンプ26と流体的に連結(in fluid communication with)した状態にする。これにより、パッド32と持ち上げられるパイプPとの間に真空圧(vacuum pressure)が生じる。この圧力が加えられると、掘削機Eは、真空資材取扱装置20を用いてパイプPを持ち上げることができる。掘削機Eの端部に対するパイプPの方向は、回転子30の操作により調整される。
【0014】
図2及び図6について説明すると、本発明による真空資材取扱装置20には、出力シャフト34を備えた内蔵駆動エンジン24が設けられている。内蔵駆動エンジン24は、ガソリンもしくはディーゼル駆動が好ましいが、他の種類のエンジンを使用することもできる。出力シャフト34は、真空ポンプ26の入力シャフト36に連結される。また、真空ポンプ26は、油圧ポンプ28の入力シャフト40に連結された出力シャフト38を有している。この配置により、単一の内蔵駆動エンジン24は、変速機やトルクスプリッタを使用することなく、真空ポンプ26及び油圧ポンプ28を作動させることができる。これにより、運用コスト及び製造コストが削減され、また真空資材取扱装置20の重量も軽減される。
【0015】
使用の際、真空ポンプ26は、極めて高温で作動する。これにより、真空ポンプは損耗する。内蔵駆動エンジン24を冷却するために使用した空気が真空ポンプ26の中も流れるように誘導するダクト42を、内蔵駆動エンジン24に取り付けてもよい。一般的に、内蔵駆動エンジン24は、真空ポンプ26よりも低温で作動するためである。この気流は、真空ポンプ26の冷却に役立つ。
【0016】
フレーム22は、頂部部材44と、一対の対向する側面部分46,48と、底部部分50と、一対のフォークリフトラグ(forklift lug)52とを有する。また、フレーム22は、真空溜め54と、燃料タンク56と、油圧油溜め58とを備える。フォークリフトラグ52は、フレーム22の正面から背面まで延びる一対の通路である。フォークリフトラグ52は、大部分のリフトトラック(lift track)のフォークに合う大きさに形成され、比較的に安定して持ち上げられるように重心の周りに間隔をあけて設けられている。
【0017】
真空溜め54、燃料タンク56、及び油圧油溜め58の正確な位置は、設計要求に大きく依存するが、本発明の好ましい実施形態において、真空溜め54は、フレーム22の頂部部材44内に位置する。この真空溜め54は、真空ポンプ26が停止する際に、追加の真空容量及び付加的な待機時間を提供する。
【0018】
本発明の好ましい実施形態の燃料タンク56は、駆動エンジン24に最も近い側面部分46内に位置する。同様に、油圧油溜め58は、油圧ポンプ28に最も近い側面部分48内に位置する。油圧油溜め58は、油圧ポンプ28より上方に位置するのが有益である。これにより、油圧ポンプ28の入口に水頭圧力(head pressure)が加わり、油圧ポンプ28を使用する際には、確実に呼び水が入るようになる。本発明の好ましい実施形態において、底部部分50は3つの独立した中空梁60を含んで構成される。1つもしくは複数の中空梁60は、油圧油を冷却するために使用される油圧油熱交換器62として使用されてもよい。バッフル(図示省略)を中空梁の内側に取り付けて、油圧油熱交換器62内での油圧油の滞留時間を増加させ、油圧油が冷却されている際、その混合を促進することにより、この油圧油熱交換器62の効率を向上させることができる。
【0019】
好ましい実施形態において、油圧油の流れは、油圧油を油圧油溜め58に満たすことにより始まる。そして、油圧油熱交換器62を通って油圧ポンプ入口64へ流入する。油圧油は、高圧に圧縮され、油圧ポンプ出口66から排出される。そして、油圧油は、回転子30を作動させるための油圧モーター70へ油圧油の流れを誘導するソレノイド68へ流入する。
【0020】
図7について説明すると、本発明の第2の実施形態は、内蔵駆動エンジンの出力シャフト34からの動力を、真空ポンプの入力シャフト36及び油圧ポンプの入力シャフト40に伝える変速機72の使用を含む。
【0021】
本発明の第3の実施形態は、掘削機Eもしくはそれが搭載された他の機材からの油圧油により駆動される真空資材取扱装置100である。図8〜12を参照のこと。この実施形態は、同じフレーム22及び上記のフレーム構成部品を利用する。しかしながら、この第3の実施形態は、真空ポンプを駆動するための内蔵駆動エンジンを使用しない。また、回転子134及び真空ポンプ126を駆動させるための油圧は、掘削機もしくは他の機材により供給されるため、油圧油溜め、油圧油冷却ループ、または油圧ポンプをフレーム22に搭載する必要がない。
【0022】
高圧の油圧油は、内蔵真空ポンプ126を駆動する油圧モーター132への油圧油の流れを制御する油圧ソレノイド130へ供給される。また、油圧ソレノイドは、回転子132への油圧油の流れを制御することにより、真空資材取扱装置100の回転を制御する。油圧モーター132もしくは回転子134に油圧油が使用されると、油圧油は戻り配管を介して掘削機Eもしくは他の機材に戻る。
【0023】
内蔵真空ポンプ126は、真空溜め136と流体的に連結している。真空ソレノイド138を駆動させて、パッド32を真空溜め136と流体的に連結させ、パイプPや他の資材を持ち上げることができる。
【0024】
本発明の任意の実施形態において、装置を駆動するために使用される制御手段150は、無線遠隔制御(radio frequency remote control)を含んでもよい。これは、機材の操縦者の近くに設置することのできる遠隔ユニット152を含む。遠隔ユニット152は、制御手段150の受信機154と無線で接続される。そして、制御手段は、ソレノイド及びセンサーの駆動により、真空資材取扱装置20,100を駆動する。
【0025】
上記の記載は、本発明の好ましい実施形態を詳述し、考えられる最良の形態を記載する。しかし、当然のことながら、本開示の精神及び範囲から離れることなく、細部の構造や部品の配置を変更できる。それ故、この記載が提供するものは典型的なものであり、限定されるものではない。そして、本発明の真の範囲は、以下の特許請求の範囲により定められ、均等の全範囲に権利が与えられる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して真空による資材取扱装置(material handler)に関する。特に、本発明は、パイプ、平板材料、鋼鉄、及び他の滑らかで均一な表面を持つ大きな比較的重い物品の移動に使用される、改良された小型真空取扱装置(compact vacuum handler)に関する。
【背景技術】
【0002】
真空資材取扱装置(vacuum material handler)は、掘削機のブーム、頭上クレーン、もしくは大きな重い物体を移動するための他の機材に搭載することができる機材である。この真空資材取扱装置は、通常、パイプラインの敷設や、製造施設で用いられ、大口径管や平板鋼材を移動するために使用される。今日市場で入手できる真空資材取扱装置は、一般的に、掘削機のブームに連結できる、油圧駆動回転子を備えたフレームを有する。掘削機からの高圧の油圧油(hydraulic fluid)は、回転子を作動させ、移動中の資材を回転させるために使用される。
【0003】
前記フレームは、ガソリンもしくはディーゼルにより駆動される内燃機関を載置する。このエンジンは、真空ポンプを駆動する。真空ポンプは、真空溜めと流体的に連結されている。この真空溜めは、前記フレームの下方に位置する一般的にパッド(pad)と呼ばれる大型の吸着カップ構造と流体的に連結している。このパッドは、移動中の資材される資材の表面の形状に若干沿うように形成される。例えば、移動中のパイプの曲面に沿うようにわずかに凹形となっている。同様に、移動中の金属平板の表面に合わさるように、パッドは比較的平らであってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の真空資材取扱装置は、油圧油を供給可能な機材での利用に制限されていた。また、この真空資材取扱装置は、所定の位置に資材を保持したまま、他の機材へ容易に移動することができなかった。すなわち、従来は、掘削機に取り付けた真空資材取扱装置によりパイプを持ち上げ、このパイプを取り付けたままの状態で、フォークリフトや頭上クレーンなどの第2の機材へ真空資材取扱装置を移すことができなかった。
【0005】
これらの制限は2つの基本的な理由により生じる。第1に、従来の真空資材取扱装置は、回転させるために、掘削機からの高圧の油圧油が必要であった。第2に、パイプや他の資材を保持したまま、第1の機材から第2の機材まで真空資材取扱装置を移すことができる装置がなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内蔵真空ポンプ及び内蔵油圧ポンプを駆動する内蔵エンジンを備えたフレームを有する、改良された小型真空資材取扱装置である。前記油圧ポンプは、回転子を駆動する。また、前記フレームは、フレーム内に一対の一体化されたフォークリフトラグ(fork lift lugs)を有する。
【0007】
本発明は、パイプや他の大きな嵩張った資材を移動する様々なパッドに連結できる小型真空資材取扱装置一式を提供する。本構造により、掘削機や頭上クレーンのような第1の機材から、フォークリフトのような第2の機材へ、パイプや他の資材を保持したまま移動することができるという利点が得られる。これは、回転子や真空ポンプを作動させるために、真空資材取扱装置が、掘削機からの油圧供給に依存していないことにより可能となる。
【0008】
駆動エンジンの出力シャフトを真空ポンプの入力シャフトに連結し、真空ポンプの出力シャフトを油圧ポンプの入力シャフトに順々に連結することにより、真空ポンプ及び油圧ポンプが搭載可能となり、真空資材取扱装置のフレームに内蔵された同一のエンジンにより真空圧及び油圧の両方の圧力を得ることができる。
【0009】
本発明の更なる実施形態は、一体化されたフォークリフトラグ及び内蔵真空ポンプを備えたフレームと、搭載された機材から供給される油圧油により駆動される回転子と、を有する資材取扱装置を含む。
【0010】
本発明の好ましい実施形態が、さらに詳細に説明される。本発明による他の構成、作用、及び利点は、以下の詳細な説明、添付した特許請求の範囲、及び図面(縮尺は正確ではない)によって、より深く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】パイプPを保持したパッドを備える掘削機Eに搭載された本発明の一実施形態の斜視図である。
【図2】本発明による真空資材取扱装置の一実施形態の斜視図である。
【図3】本発明の内蔵駆動エンジン、真空ポンプ、及び油圧ポンプの概略図である。
【図4】本発明の一実施形態の左側部分内部の概略図である。
【図5】本発明の一実施形態の右側部分内部の概略図である。
【図6】本発明の一実施形態の回路図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の回路図である。
【図8】本発明による真空資材取扱装置の第3の実施形態の斜視図である。
【図9】本発明による真空資材取扱装置の第3の実施形態の正面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態の左側部分内側の概略図である。
【図11】本発明の第3の実施形態の右側部分内側の概略図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜6について説明すると、本発明による小型真空資材取扱装置20は、フレーム22と、内蔵駆動エンジン24と、内蔵真空ポンプ26と、内蔵油圧ポンプ28と、回転子30と、パッド32とを備える。使用の際には、真空資材取扱装置20は、回転子30に接続することで、掘削機、ブーム、バックホー、もしくは他の機材Eに連結することができる。また、真空資材取扱装置20は、貫通孔(pick eye)(図示省略)を備えた回転子30を取り替えることにより、クレーンや巻き上げ機と接続することもできる。真空資材取扱装置20が掘削機もしくは他の機材Eに搭載された場合、真空資材取扱装置20は、金属薄板、パイプP、もしくは他の比較的滑らかで均一な表面を持つ大きな物品を持ち上げるために使用することができる。掘削機の操縦者は、パッド32が、持ち上げられるパイプPもしくは他の金属に接触するまで真空資材取扱装置20を下降させる。
【0013】
パッド32がパイプPに接触すると、真空ソレノイド18は、パッド32を真空溜め54及び真空ポンプ26と流体的に連結(in fluid communication with)した状態にする。これにより、パッド32と持ち上げられるパイプPとの間に真空圧(vacuum pressure)が生じる。この圧力が加えられると、掘削機Eは、真空資材取扱装置20を用いてパイプPを持ち上げることができる。掘削機Eの端部に対するパイプPの方向は、回転子30の操作により調整される。
【0014】
図2及び図6について説明すると、本発明による真空資材取扱装置20には、出力シャフト34を備えた内蔵駆動エンジン24が設けられている。内蔵駆動エンジン24は、ガソリンもしくはディーゼル駆動が好ましいが、他の種類のエンジンを使用することもできる。出力シャフト34は、真空ポンプ26の入力シャフト36に連結される。また、真空ポンプ26は、油圧ポンプ28の入力シャフト40に連結された出力シャフト38を有している。この配置により、単一の内蔵駆動エンジン24は、変速機やトルクスプリッタを使用することなく、真空ポンプ26及び油圧ポンプ28を作動させることができる。これにより、運用コスト及び製造コストが削減され、また真空資材取扱装置20の重量も軽減される。
【0015】
使用の際、真空ポンプ26は、極めて高温で作動する。これにより、真空ポンプは損耗する。内蔵駆動エンジン24を冷却するために使用した空気が真空ポンプ26の中も流れるように誘導するダクト42を、内蔵駆動エンジン24に取り付けてもよい。一般的に、内蔵駆動エンジン24は、真空ポンプ26よりも低温で作動するためである。この気流は、真空ポンプ26の冷却に役立つ。
【0016】
フレーム22は、頂部部材44と、一対の対向する側面部分46,48と、底部部分50と、一対のフォークリフトラグ(forklift lug)52とを有する。また、フレーム22は、真空溜め54と、燃料タンク56と、油圧油溜め58とを備える。フォークリフトラグ52は、フレーム22の正面から背面まで延びる一対の通路である。フォークリフトラグ52は、大部分のリフトトラック(lift track)のフォークに合う大きさに形成され、比較的に安定して持ち上げられるように重心の周りに間隔をあけて設けられている。
【0017】
真空溜め54、燃料タンク56、及び油圧油溜め58の正確な位置は、設計要求に大きく依存するが、本発明の好ましい実施形態において、真空溜め54は、フレーム22の頂部部材44内に位置する。この真空溜め54は、真空ポンプ26が停止する際に、追加の真空容量及び付加的な待機時間を提供する。
【0018】
本発明の好ましい実施形態の燃料タンク56は、駆動エンジン24に最も近い側面部分46内に位置する。同様に、油圧油溜め58は、油圧ポンプ28に最も近い側面部分48内に位置する。油圧油溜め58は、油圧ポンプ28より上方に位置するのが有益である。これにより、油圧ポンプ28の入口に水頭圧力(head pressure)が加わり、油圧ポンプ28を使用する際には、確実に呼び水が入るようになる。本発明の好ましい実施形態において、底部部分50は3つの独立した中空梁60を含んで構成される。1つもしくは複数の中空梁60は、油圧油を冷却するために使用される油圧油熱交換器62として使用されてもよい。バッフル(図示省略)を中空梁の内側に取り付けて、油圧油熱交換器62内での油圧油の滞留時間を増加させ、油圧油が冷却されている際、その混合を促進することにより、この油圧油熱交換器62の効率を向上させることができる。
【0019】
好ましい実施形態において、油圧油の流れは、油圧油を油圧油溜め58に満たすことにより始まる。そして、油圧油熱交換器62を通って油圧ポンプ入口64へ流入する。油圧油は、高圧に圧縮され、油圧ポンプ出口66から排出される。そして、油圧油は、回転子30を作動させるための油圧モーター70へ油圧油の流れを誘導するソレノイド68へ流入する。
【0020】
図7について説明すると、本発明の第2の実施形態は、内蔵駆動エンジンの出力シャフト34からの動力を、真空ポンプの入力シャフト36及び油圧ポンプの入力シャフト40に伝える変速機72の使用を含む。
【0021】
本発明の第3の実施形態は、掘削機Eもしくはそれが搭載された他の機材からの油圧油により駆動される真空資材取扱装置100である。図8〜12を参照のこと。この実施形態は、同じフレーム22及び上記のフレーム構成部品を利用する。しかしながら、この第3の実施形態は、真空ポンプを駆動するための内蔵駆動エンジンを使用しない。また、回転子134及び真空ポンプ126を駆動させるための油圧は、掘削機もしくは他の機材により供給されるため、油圧油溜め、油圧油冷却ループ、または油圧ポンプをフレーム22に搭載する必要がない。
【0022】
高圧の油圧油は、内蔵真空ポンプ126を駆動する油圧モーター132への油圧油の流れを制御する油圧ソレノイド130へ供給される。また、油圧ソレノイドは、回転子132への油圧油の流れを制御することにより、真空資材取扱装置100の回転を制御する。油圧モーター132もしくは回転子134に油圧油が使用されると、油圧油は戻り配管を介して掘削機Eもしくは他の機材に戻る。
【0023】
内蔵真空ポンプ126は、真空溜め136と流体的に連結している。真空ソレノイド138を駆動させて、パッド32を真空溜め136と流体的に連結させ、パイプPや他の資材を持ち上げることができる。
【0024】
本発明の任意の実施形態において、装置を駆動するために使用される制御手段150は、無線遠隔制御(radio frequency remote control)を含んでもよい。これは、機材の操縦者の近くに設置することのできる遠隔ユニット152を含む。遠隔ユニット152は、制御手段150の受信機154と無線で接続される。そして、制御手段は、ソレノイド及びセンサーの駆動により、真空資材取扱装置20,100を駆動する。
【0025】
上記の記載は、本発明の好ましい実施形態を詳述し、考えられる最良の形態を記載する。しかし、当然のことながら、本開示の精神及び範囲から離れることなく、細部の構造や部品の配置を変更できる。それ故、この記載が提供するものは典型的なものであり、限定されるものではない。そして、本発明の真の範囲は、以下の特許請求の範囲により定められ、均等の全範囲に権利が与えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに搭載された内蔵駆動エンジンと、
前記フレームに搭載された内蔵真空ポンプと、
前記フレームに搭載された内蔵油圧ポンプと、
前記フレームに搭載され前記油圧ポンプにより駆動される油圧回転子と、
を含んで構成された真空資材取扱装置。
【請求項2】
前記内蔵駆動エンジンは、内燃機関を含んで構成された請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項3】
前記内燃機関は、ディーゼルエンジンを含んで構成された請求項2に記載の真空資材取扱装置。
【請求項4】
前記内燃機関は、ガソリンエンジンを含んで構成された請求項2に記載の真空資材取扱装置。
【請求項5】
入力シャフトと、第1出力シャフトと、第2出力シャフトとを有する変速機をさらに備え、
前記入力シャフトは、エンジン出力シャフトと連結され、
前記第1出力シャフトは真空ポンプ入力シャフトと連結され、
前記第2出力シャフトは油圧ポンプ入力シャフトと連結される請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項6】
前記フレームは、一対のフォークリフトラグを含んで構成された請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項7】
冷却用空気を前記内蔵駆動エンジンから前記真空ポンプへ誘導するダクトをさらに含んで構成された請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項8】
冷却用空気を前記内蔵駆動エンジンから前記内蔵油圧ポンプへ誘導するダクトをさらに含んで構成された請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項9】
前記油圧ポンプと流体的に連結された油圧油溜めをさらに含んで構成され、
前記油圧油溜めは、前記フレーム上にて前記油圧ポンプより上方に搭載された請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項10】
前記フレームに一体化された油圧油冷却ループをさらに含んで構成された請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項11】
前記フレームは、前記フレームを横切って延びる少なくとも1つの底部部材を含んで構成され、
前記底部部材は、前記油圧ポンプと流体的に連結された1つもしくは複数の通路を有する請求項10に記載の真空資材取扱装置。
【請求項12】
前記通路内に1つもしくは複数のバッフルをさらに含んで構成された請求項11に記載の真空資材取扱装置。
【請求項13】
油圧供給手段を有する機材に搭載される真空資材取扱装置であって、
フレームと、
油圧モーターにより駆動される内蔵真空ポンプと、
油圧作動回転子と、
前記油圧供給手段と接続可能であり、前記油圧モーター及び前記油圧作動回転子と流体的に連結された油圧供給配管及び油圧戻り配管と、
を含んで構成された真空資材取扱装置。
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに搭載された内蔵駆動エンジンと、
前記フレームに搭載された内蔵真空ポンプと、
前記フレームに搭載された内蔵油圧ポンプと、
前記フレームに搭載され前記油圧ポンプにより駆動される油圧回転子と、
を含んで構成された真空資材取扱装置。
【請求項2】
前記内蔵駆動エンジンは、内燃機関を含んで構成された請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項3】
前記内燃機関は、ディーゼルエンジンを含んで構成された請求項2に記載の真空資材取扱装置。
【請求項4】
前記内燃機関は、ガソリンエンジンを含んで構成された請求項2に記載の真空資材取扱装置。
【請求項5】
入力シャフトと、第1出力シャフトと、第2出力シャフトとを有する変速機をさらに備え、
前記入力シャフトは、エンジン出力シャフトと連結され、
前記第1出力シャフトは真空ポンプ入力シャフトと連結され、
前記第2出力シャフトは油圧ポンプ入力シャフトと連結される請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項6】
前記フレームは、一対のフォークリフトラグを含んで構成された請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項7】
冷却用空気を前記内蔵駆動エンジンから前記真空ポンプへ誘導するダクトをさらに含んで構成された請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項8】
冷却用空気を前記内蔵駆動エンジンから前記内蔵油圧ポンプへ誘導するダクトをさらに含んで構成された請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項9】
前記油圧ポンプと流体的に連結された油圧油溜めをさらに含んで構成され、
前記油圧油溜めは、前記フレーム上にて前記油圧ポンプより上方に搭載された請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項10】
前記フレームに一体化された油圧油冷却ループをさらに含んで構成された請求項1に記載の真空資材取扱装置。
【請求項11】
前記フレームは、前記フレームを横切って延びる少なくとも1つの底部部材を含んで構成され、
前記底部部材は、前記油圧ポンプと流体的に連結された1つもしくは複数の通路を有する請求項10に記載の真空資材取扱装置。
【請求項12】
前記通路内に1つもしくは複数のバッフルをさらに含んで構成された請求項11に記載の真空資材取扱装置。
【請求項13】
油圧供給手段を有する機材に搭載される真空資材取扱装置であって、
フレームと、
油圧モーターにより駆動される内蔵真空ポンプと、
油圧作動回転子と、
前記油圧供給手段と接続可能であり、前記油圧モーター及び前記油圧作動回転子と流体的に連結された油圧供給配管及び油圧戻り配管と、
を含んで構成された真空資材取扱装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−515127(P2012−515127A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546415(P2011−546415)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/021326
【国際公開番号】WO2010/083490
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511174731)バキュリフト,インコーポレイテッド(ディービーエー バキュワークス インターナショナル) (1)
【氏名又は名称原語表記】VACULIFT,INC.(DBA VACUWORX INTERNATIONAL)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/021326
【国際公開番号】WO2010/083490
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511174731)バキュリフト,インコーポレイテッド(ディービーエー バキュワークス インターナショナル) (1)
【氏名又は名称原語表記】VACULIFT,INC.(DBA VACUWORX INTERNATIONAL)
【Fターム(参考)】
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