説明

改良された適合性を有するパンツ形状物品

おむつパンツ(1)又はパンツの形のパンツ形状衣料であって、使用中使用者の尻上に配置されることを意図される後部分(4)、使用中使用者の腹上に配置されることを意図される前部分(3)、使用中使用者の股に配置されることを意図される股部分(5)を有する外部パンティを含む衣料。さらに、衣料は、腰縁(13)を有する腰開口(14)、及び一般に前部分(3)上に位置される前部及び一般に後部分(4)及び股部分(5)上に位置される後部を有する脚縁(15)によって各々画成される二つの脚開口(16)を有する。後部分(4)及び前部分(3)は腰開口(14)から各脚開口(16)まで走る二つの側部接合部(12)で相互に接続される。細長い弾性要素(18)は各脚開口(16)の脚縁(15)の後部に沿って予め延伸されて配置される。前部分(3)は弾性的に伸張可能な材料からなり、細長い弾性要素(18)は脚縁(15)の後部を収縮し、それによって脚縁(15)の前部に沿って弾性材料を延伸し、かくして側部接合部(12)は後部分(4)に向かう方向で湾曲を示し、腰開口(14)から脚開口(16)に向かう方向で湾曲量は増大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつパンツ又はパンツの形の使い捨て衣料であって、使用中使用者の尻上に配置されることを意図される後部分、使用中使用者の腹上に配置されることを意図される前部分、使用中使用者の股に配置されることを意図される股部分を有し、さらに腰縁を有する腰開口、及び一般に前部分上に位置される前部及び一般に後部分及び股部分上に位置される後部を有する脚縁によって各々画成される二つの脚開口を有する外部パンティを含み、後部分及び前部分が腰開口から各脚開口まで走る二つの側部接合部で相互に接続されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
パンツおむつの形の失禁プロテクタを製造することは益々一般的になりつつある。かかるパンツおむつは一体的な吸収性内部を持つ外部パンティからなる。あるいは、外部パンティは別個の失禁シールドとともに使用されることができ、それは外部パンティ内に一時的に取り付けられ、従って同じ外部パンティを保持しながら新しい失禁シールドのために交換されることができる。両方の種類の失禁プロテクタは幼児用並びに失禁症の成人用に製造される。
【0003】
ここで関連するパンツおむつ及びおむつパンツは使い捨ての種類のものであり、それはパンツおむつ又はおむつパンツが使用後に廃棄されることを意図され、洗浄されたり又はそうでなければ使用のために復元されたりすることを意図されないことを意味する。これは入手可能な材料及び製造方法がコストに有効なものでありかつ極めて高い価格を有する物品を生じないものであることを意味する。特に、高いスピードで様々な組み立て工程及び同様の工程操作を行なうことができなければならず、それは方法の選択にある制限を課す。この点の困難性は従来の繊維材料から作られた衣料で達成されることができる継目に密接に似ている接合を作ることである。たとえ使い捨て物品のための組み立て方法が時間が経つにつれてかなり改良されているとしても、使い捨て物品における接合は繰り返し使用のための衣料の継目よりなお剛くかつ目に明らかである。これはかかる物品が通常、側部で接合されるのでパンツおむつ及びパンツに対して特別な問題を構成する。従って、側部接合部は使用中使用者のヒップ上に置かれ、しばしば使用者の無名骨に対する摩擦及び圧迫によって不快感を生じるだろう。これは動くことができない及び/又は寝たきりの使用者に対して特に悪く、彼らの皮膚に対する静圧は最も悪いシナリオでは圧迫潰瘍を生じうる。別の特別な問題はパンツおむつ又はパンツが自分自身の側部継目を有することが多いパンツ又はスカートの如き通常の衣服の下で使用されるときに出現する。そのとき外部衣料上の側部継目の位置がパンツおむつ又はパンツ上の側部継目の位置とほとんど一致するという大きな危険がある。二重の継目は当然、摩擦及び不快な圧力の危険を増大するだろう。さらに、衣料の組み合わせは扱いにくく、不快であり、パンツおむつ又はパンツを外部衣料の下に隠すことは難しい。
【0004】
失禁シールドを支持するためのパンツおむつ又はパンツに関するさらなる問題は体液の漏出が防止されるようにそれらが使用者の腰及び太もものまわりに封止を与えなければならないことである。かかる封止を達成するためには、おむつパンツ及びパンツは腰開口のまわり及び脚開口のまわりに配置されるバンド又は紐の形の弾性要素を与えられる。しかしながら、弾性要素はまた、望ましくない摩擦及び圧力を起こすかもしれず、この理由のため、使い捨て衣料での弾性要素の使用を最小にすることが望まれている。さらに、コストの理由のため及び製造の見地から、もし製造された衣料ができるだけ少ない構成要素からなるなら好ましい。
【0005】
結果として、不快感を生じさせずに通常の衣料の下に装着されることができるパンツおむつ又はパンツの形の良く適合しかつ快適な物品に対する必要性がなお残ったままである。また、脚開口での体液の漏出に対する良好な保護をなお与えかつ快適な適合性を有するパンツおむつ又はパンツの必要性がある。
【発明の開示】
【0006】
本発明によれば、冒頭に述べられた種類の衣料が作られ、その衣料は従来公知のかかる衣料に関する問題を実質的に除去する。
【0007】
本発明による衣料は、細長い弾性要素が各脚開口の脚縁の後部に沿って予め延伸されて配置されていること、前部分が弾性的に伸張可能な材料からなること、及び細長い弾性要素が脚縁の後部を収縮し、それによって脚縁の前部に沿って弾性材料を延伸し、かくして側部接合部が後部分に向かう方向で湾曲を示すこと、及び腰開口から脚開口に向かう方向で湾曲量が増大することを主に特徴とする。
【0008】
前部分における弾性的に伸張可能な材料と脚開口の後脚縁に沿って予め延伸された状態で配置される弾性要素の組み合わせを通して、幾つかの利点が得られる。従って、後弾性要素は後脚縁を収縮し、さらに前部分における材料に引張力を出す。引張力は主に後弾性要素の範囲に向けられ、それによって主要な延伸が各脚開口の前脚縁において起こり、延伸力は腰縁に向かう方向で連続的に消失する。これはパンツおむつ又はパンツの側部接合部が衣料の後の方へ引っ張られ、釣針、即ちJ文字の形をとることを意味する。これは、無名骨上の摩擦及び圧力の危険が除去されるように側部接合部がこのように使用中使用者の無名骨の後に配置されるため及びパンツおむつ又はパンツ上に装着される衣料の継目と側部接合部の間の重複の危険が極めて小さいため、有利である。さらに、パンツおむつ又はパンツは使用者の体の形状に密接に一致する極めて良好な適合性を得る。さらに、脚開口の前脚縁に沿っての弾性要素の使用を除くことができることは有利である。これは摩擦及び不快な圧力の最小の危険を有する柔らかくて快適な脚縁を与え、材料及び製造工程を省略するので製造上の利点をもたらす。前脚縁に沿った弾性要素の不存在にもかかわらず、本発明によるパンツおむつ又はパンツは極めて良好な適合性を有し、使用者の脚のまわりに適切な封止を与える。これは前部分における弾性材料を延伸及び活性化する後脚縁に沿った弾性要素のためであり、それによって弾性的に収縮する力がパンツおむつ又はパンツ使用時に前脚縁においても作られる。前部分の全てが弾性的に延伸可能であり、後弾性要素によって生じる延伸度が腰縁に向かう方向で減少するので、脚開口の前縁に沿った弾性封止はしわ又は他の不整なしで柔らかくかつ快適になる。前脚縁に沿って配置される紐又はバンドの形の従来の弾性要素は極めて局部的な圧力を出し、さらに摩擦ひだを生じるような方法でパンツ中の材料にしわを付けるだろう。
【0009】
本発明のさらなる利点は後弾性要素が魅力的で仕立てられた外観を与えるエレガントな方法で側部接合部上に渡されることである。特に失禁プロテクタの成人使用者に対して、できるだけ多くの失禁プロテクタが通常の下着を模倣すること及び“おむつ”の印象が和らぐことは極めて重要な側面である。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、細長い弾性要素は後部分上に位置される脚縁の部分上に配置され、かつ側部接合部までずっと延びる。
【0011】
細長い弾性要素は後部分上に位置される脚縁の後部の区域の全ての上に、及び股部分上に位置される脚縁の後部分の区域の少なくとも一部に沿って延びることが有利である。
【0012】
さらに、本発明による衣料は二つの長い側及び二つの短い側を有する吸収要素を含んでもよく、吸収要素は液体透過性内部層と液体不透過性バリヤー層の間に封入される吸収体を含み、かつ外部パンティの少なくとも股部分において配置される。弾性要素は吸収要素の長い側に沿って配置されてもよい。吸収体の良好な造形を得るためには、吸収要素の長い側に沿った弾性要素が脚縁の後部に沿った弾性要素における収縮力より高い収縮力を有することが好適である。これは脚縁の後部に沿って及び吸収体の側縁に沿って異なる特性を有する弾性要素を使用することによって達成されることができる。また、異なる予備延伸度を有する弾性要素を配置することもできる。別の代替策は一つ又は幾つかの弾性部分要素からなる弾性要素を使用することであり、そこでは脚縁の後部分に沿って配置された弾性部分要素の数より吸収要素の長い側に沿って配置された弾性部分要素の数が多いことによってより高い収縮力が達成される。当然、パンツおむつ又はおむつパンツの伸縮性部分の異なる領域において異なる弾性を達成する様々な方法を組み合わせることもできる。
【0013】
吸収要素における弾性要素は外部パンティの脚縁の弾性の一部を構成できるか又は吸収要素の長さの全て又は一部に沿って漏出バリヤーを形成する完全に別個の弾性要素であることができる。吸収要素に沿って配置される弾性要素はバリヤーフラップに配置されることができ、バリヤーフラップは使用中、パンティの内側上で液体透過性カバーから隆起されるように設計されることが好ましい。
【0014】
外部パンティの前部分のために好適な材料は二つの不織層及びそれらの不織層の間に配置された弾性有孔プラスチックフィルムを含む弾性材料積層体である。
【0015】
対応する方法で、外部パンティの後部分は二つの不織層及びそれらの不織層の間に配置された弾性有孔プラスチックフィルムを含む弾性材料積層体からなることができる。
【0016】
外部パンティの股部分は本質的に非弾性の材料からなることができる。
【0017】
側部接合部の直線からの偏位が脚開口で少なくとも3cmであることが好適であることが見出された。
【0018】
図面の簡単な記述
以下において、本発明は添付図面に示された図を参照してより詳細に記載されるだろう。
図1は使用中使用者に面する側から見た本発明によるパンツおむつの平面図である。
図2は組み立てられた状態で表わした図1のパンツおむつの正面図である。
図3は使用中に表われる図1のパンツおむつの側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
明瞭のため、図1のパンツおむつ1は完全に組み立てられていない平面的に伸張された状態で示される。図2では、パンツおむつ1は組み立てられた状態でかつ延伸力にさらされずに表われるように示される。パンツおむつは外部パンティ2を含み、それは使用中使用者の前部に面しかつ使用者の腹の上に配置されることを意図される前部分3、使用中使用者の後部に面しかつ使用者の尻の上に配置されることを意図される後部分4、及び前部分3と後部分4の間に位置されかつ使用中使用者の股に位置されることを意図される股部分5を含む。
【0020】
図1に示された伸張状態では、パンツおむつ1は直線前端縁又は前縁6、直線後端縁又は後縁7及び二つの側縁8を有し、それらは各々、前及び後直線側部区域9,10及びそれらの直線側部区域9,10の間に位置される湾曲脚区域11を有する。示された実施態様では、湾曲脚区域11は本質的に釣針の形状を有し、釣針部はパンツおむつの前部分3の方に曲げられる。
【0021】
図2に示された組み立てられた状態では、各側縁8の前側部区域9は側部接合部12における対応する後側部区域に接合される。それによって、前縁6及び後縁7は腰開口14を包囲する腰縁13を形成し、側縁8の脚区域11は脚開口16を包囲する脚縁15を形成する。
【0022】
側部接合部12は、パンツおむつを装着して使用するときに起こる引張力に抵抗することができるが、使用された吸収性パンティを除去するときに引き裂かれることができるような方法で、作られることが好ましい。開放可能な側部接合部12は吸収性パンティにおける周囲材料を引き裂くために必要とされる力より低い力で接合部を破壊できるものより大きい結合力を持たない。側部接合部12は例えば溶接によって又は接着剤によって作られることができる。
【0023】
外部パンティ2は少なくとも部分的に弾性材料から形成される。それによって、外部パンティ2の少なくとも前部分3は弾性的に延伸可能である。好適な弾性材料は様々なタイプの弾性不織材料である。本発明による吸収性パンティに使用するために好適な弾性不織材料は前部分3上の脚開口16の縁15のまわりで十分な弾性封止を与えるためにパンティの横方向に少なくとも80%、好ましくは少なくとも100%弾性的に延伸されることができるべきである。さらに、もし弾性不織材料が吸収性パンティの長さ方向においても、即ち横方向に垂直な方向においても弾性的に延伸されることができるなら有利である。
【0024】
外部パンティ2における弾性シート材料は二以上の層の積層体からなることができる。図1に示された例では、前部分3及び後部分4は弾性材料からなり、一方股部分5は本質的に非弾性の材料からなる。目的のために好適な材料は有孔弾性フィルムの各側上に不織層を有する三層積層体である。かかる積層体は弾性的で呼吸可能な外部パンティを与える。また、他の好ましくは呼吸可能な弾性材料を使用することができる。例えば、SMS材料として知られるものを使用することができる。SMS材料はメルトブロー不織層の各側上にスパンボンド不織布の層を有する不織布積層体である。
【0025】
弾性要素は脚開口16のまわりに脚弾性体18として及び腰開口14のまわりに腰弾性体20として配置される。外部パンティ2が二以上の層の積層体から形成されるとき、弾性要素18,20は二つのかかる層の間に取り付けられることが好適である。脚開口のまわりの弾性要素18は股部分5及び後部分4上に配置されるにすぎないが、前部分3上に延びる脚縁15の部分は特別な弾性要素を持たない。外部パンティ2は弾性材料を含むので、腰開口14に特別な弾性要素20を与える必要はなく、多くの用途のための外部パンティ2における弾性はおむつパンツ2が適所にしっかりと快適に存在しかつ使用者の腰のまわりでタイトに適合できれば十分である。腰開口14のまわりで増強した弾性効果を得るための代替策は、延伸に対して増大した抵抗性を有する腰バンド縁が腰開口14のまわりに形成されるように外部パンティ2において弾性材料を折りたたむことである。
【0026】
脚弾性体18及び腰弾性体20における弾性要素は弾性糸、バンド又は同種物の形であることができる。もし弾性糸又はバンドが使用されるなら、これらの二以上は互いに平行に適用されることが多く、そのとき弾性要素の弾性部分要素を構成するだろう。材料はゴム、弾性フォームなどであることができる。
【0027】
芯パッケージ21は例えば接着剤によって又は溶接によって弾性的に延伸可能な外部パンティ2の内側に取り付けられる。芯パッケージ21は外部パンティ2に相互に関係のある表面全体にわたって又はその部分のみにわたって取り付けられることができる。しかしながら、芯パッケージ21は使用中適所から緩まったり又は動いたりすることを防止するために外部パンティ2の内側に十分にしっかりと取り付けられなければならない。
【0028】
芯パッケージ21は液体バリヤー層22、吸収芯23、及び液体透過性内部層24を含む。芯パッケージ21は外部パンティ2に対して液体バリヤー層22で取り付けられる。図1は二つの重ねられた吸収層25,26からなる吸収芯23を示し、そこでは液体バリヤー層22の最も近くに位置される下部吸収層25は内部層24の最も近くに位置される上部吸収層26より幾分大きい。示された例では、芯パッケージ21は平面において角のある砂時計形状を有し、芯パッケージの平面形状は吸収芯23を一緒に包囲する液体バリヤー層22及び液体透過性内部層24の形状によって規定される。当然、別の平面形状を有する芯パッケージ21を使用することができ、液体バリヤー層22及び内部層24は例えば、より丸められた砂時計形状、矩形形状、台形形状、楕円形状などを有してもよい。さらに、芯パッケージ21は図に示された形状を持つ必要はない。パンツおむつに望まれる吸収能力によって、より大きい又はより小さい吸収芯23を使用することができる。
【0029】
液体透過性内部層24は不織材料の層、有孔プラスチックフィルム、ネット、トウ又は同種物の如き目的のために公知のいかなる材料からなることもできる。内部層24はもちろん同じ又は異なる材料の二以上の層の積層体からなることもできる。
【0030】
液体バリヤー層22は液体不透過性プラスチックフィルム、疎水性不織層又は液体バリヤー特性を有するように処理された不織層、又は液体透過に抵抗する能力を有する他の可撓性材料層からなることができる。しかしながら、もし液体バリヤー層22がある呼吸性を示すなら、即ち層22の水蒸気の通過を可能とするなら、有利でありうる。
【0031】
吸収芯23はセルロース毛羽パルプ、ティッシュ、吸収フォームなどの吸収材料から形成されることができる。また、吸収芯23は超吸収材、即ち水性ゲルを形成しながら自重の数倍に相当する体液を吸収できるポリマー材料、を含むことが一般的である。かかる超吸収材は通常、粒子の形で存在するが、繊維、フレーク、顆粒及びフィルムも見出される。さらに、吸収芯23は剛化要素、造形要素、結合剤などの非吸収性構成要素を含んでもよい。繊維詰物、連続気泡フォーム、吸い上げ層又は同種物の如き様々な種類の体液受容及び体液分配構造を芯パッケージ21に含めてもよい。
【0032】
芯パッケージ21に含められる様々な構成要素は例えば接着又は熱もしくは超音波での溶接によって従来の方法で互いに接続されてもよい。明らかに、芯パッケージ21はここで記載されたものとは別のさらなる構成要素を含んでもよく、例えば芯パッケージは液体輸送層、弾性要素、形状安定要素、造形要素などを含んでもよい。たとえ二つの吸収層25,26を有する吸収芯が示されたとしても、代替配置を使用することができる。例えばある用途に対しては、それは単一の吸収層で十分であるかもしれず、一方他の用途は二つより多い吸収層を要求するかもしれない。従って、吸収芯のデザインは吸収芯が吸収することを期待される液体の量に適応されることができる。同様に、吸収される体液の種類及び体液が吸収芯に送出される態様は吸収芯のサイズ及び特性のために当然重要である。
【0033】
図1から明らかなように、弾性要素18における弾性部分要素の数は脚縁15の他の部分に沿ってより股部分における吸収パッケージの側縁に沿って多い。これは吸収芯23の造形及び湾曲を容易にするために好適なデザインである。なぜならば湾曲に対する抵抗はパンツおむつのより可撓性の周囲部分より吸収芯において大きいからである。吸収芯23に沿った弾性要素18は芯パッケージの構成要素であり、それとともに適用されてもよく、または外部パンティ2の他の脚弾性体と同時に適用されてもよい。
【0034】
前に述べられたように、図2はパンツおむつが装着前にどのように表わされるかを示す。全ての弾性要素及び構成要素は実質的に延伸されない。脚弾性体18及び腰弾性体20は延伸された状態で外部パンティ2に取り付けられるので、それらは延伸が終わるときに外部パンティ2において材料を収縮する。これはパンツおむつ1が装着される前に幾分しわを付けられた腰縁13を有すること及び脚縁15が股部分5及び後部分4においてしわを形成されることを意味する。
【0035】
図3には、使用者によって装着されているパンツおむつ1が示されている。後部分4及び股部分5上の脚縁15に沿った脚弾性体18における緊張が前部分3上の外部パンティ2の弾性材料における延伸に対する抵抗より大きいことによって、脚開口16の最も近くに位置される側部接合部12の部分はパンツおむつ1上で後方に引っ張られる。この態様では、側部接合部12は腰縁13から脚縁15に向かう方向で増大する曲率半径を有する湾曲形状を与えられる。側部接合部12の湾曲は結果として側部接合部12がパンツおむつ装着時に使用者の無名骨30の後に置かれることを生じる。前述されたように、これは側部接合部12からの不快な圧力及び摩擦の危険がそれによって除去されるので、有利である。さらに、パンツおむつ1上に装着される衣料上の側部継目と側部接合部12の間の重複が避けられる。
【0036】
前部分3上の脚縁15に沿った特定の弾性要素の不存在は幾つかの側面から有利である。特に、それは使用者の太ももの前部のまわりに滑らかで快適な封止を有する極めて良好な適合をパンツおむつに与える。太ももの内側及び前部上の摩擦の危険は完全に除去され、パンツおむつは通常の衣服の下で目立たずに装着されることができる。
【0037】
本発明は記載された例によって限定されるものとして見なすべきではない。従って、本発明の範囲内で、記載されたものとは異なる態様でパンツおむつの吸収部分を設計することができる。吸収芯の形状及びサイズ、並びに液体バリヤー層及び内部層の形状及びサイズはもちろん変更することができる。また、液体バリヤー層を完全に除外することができる。かかる場合において、パンツおむつの材料は少なくとも吸収芯の領域内で液体透過に抵抗できることが一般に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】使用中使用者に面する側から見た本発明によるパンツおむつの平面図である。
【図2】組み立てられた状態で表わした図1のパンツおむつの正面図である。
【図3】使用中に表われる図1のパンツおむつの側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
おむつパンツ(1)又はパンツの形のパンツ形状衣料であって、使用中使用者の尻上に配置されることを意図される後部分(4)、使用中使用者の腹上に配置されることを意図される前部分(3)、使用中使用者の股に配置されることを意図される股部分(5)を有し、さらに腰縁(13)を有する腰開口(14)、及び一般に前部分(3)上に位置される前部及び一般に後部分(4)及び股部分(5)上に位置される後部を有する脚縁(15)によって各々画成される二つの脚開口(16)を有する外部パンティ(2)を含み、後部分(4)及び前部分(3)が腰開口(14)から各脚開口(16)まで走る二つの側部接合部(12)で相互に接続されるものにおいて、細長い弾性要素(18)が各脚開口(16)の脚縁(15)の後部に沿って予め延伸されて配置されていること、前部分(3)が弾性的に伸張可能な材料からなること、及び細長い弾性要素(18)が脚縁(15)の後部を収縮し、それによって脚縁(15)の前部に沿って弾性材料を延伸し、かくして側部接合部(12)が後部分(4)に向かう方向で湾曲を示すこと、及び腰開口(14)から脚開口(16)に向かう方向で湾曲量が増大することを特徴とする衣料。
【請求項2】
細長い弾性要素(18)が後部分(4)上に位置される脚縁(15)の部分上に配置され、かつ側部接合部(12)までずっと延びることを特徴とする請求項1に記載の衣料。
【請求項3】
細長い弾性要素(18)が後部分(4)上に位置される脚縁(15)の後部の区域の全ての上に、及び股部分(5)上に位置される脚縁(15)の後部の区域の少なくとも一部に沿って延びることを特徴とする請求項2に記載の衣料。
【請求項4】
衣料が二つの長い側及び二つの短い側を有する吸収要素(21)を含み、さらに吸収要素(21)が液体透過性内部層(24)と液体不透過性バリヤー層(22)の間に封入されかつ外部パンティ(2)の少なくとも股部分(5)に配置される吸収芯(23)を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の衣料。
【請求項5】
弾性要素が吸収要素の長い側に沿って配置されることを特徴とする請求項4に記載の衣料。
【請求項6】
吸収要素(21)の長い側に沿った弾性要素が脚縁(15)の後部に沿った弾性要素(18)における収縮力より高い収縮力を有することを特徴とする請求項5に記載の衣料。
【請求項7】
弾性要素(18)が一つ又は幾つかの弾性部分要素からなり、そこでは脚縁(15)の後部分に沿って配置された弾性部分要素の数より吸収要素(21)の長い側に沿って配置された弾性部分要素の数が多いことによって高い収縮力が達成されることを特徴とする請求項6に記載の衣料。
【請求項8】
外部パンティ(2)の前部分(3)が二つの不織層及びそれらの不織層の間に配置された弾性有孔プラスチックフィルムを含む弾性材料積層体からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の衣料。
【請求項9】
外部パンティ(2)の後部分(4)が二つの不織層及びそれらの不織層の間に配置された弾性有孔プラスチックフィルムを含む弾性材料積層体からなることを特徴とする請求項8に記載の衣料。
【請求項10】
外部パンティ(2)の股部分(5)が本質的に非弾性の材料からなるからことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の衣料。
【請求項11】
側部接合部(12)の直線からの偏位が脚開口(16)で少なくとも3cmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の衣料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−519667(P2006−519667A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507925(P2006−507925)
【出願日】平成16年2月23日(2004.2.23)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000238
【国際公開番号】WO2004/078084
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(598166490)エスシーエー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー (21)
【Fターム(参考)】