説明

改良型運動ローラ

運動ローラ(10)は、2以上のサブ運動ローラユニット(12,14)を具え、このサブ運動ローラユニット(12,14)は互いに連結されて単一の運動ローラ(10)を構成するとともに、分離して個別の運動ローラとしても利用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運動ローラおよびより用途の広い運動ローラの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
運動およびセラピー産業において、能力強化および調整や、自己マッサージおよび柔軟性トレーニングのためにフォームローラが用いられている。これらのフォームローラは、単一ピースで、伝統的に300mmまたは900mmの長さである。
【0003】
いくつかの用途には900mm長のローラが望ましく、他の用途には300mm長のローラが望ましい。一般に、長いローラが望ましい場合には短いローラは使用できず、逆もしかりである。したがって、人は長さの異なる2以上のローラを有する必要がある。同様に、異なる直径のローラが要求される状況がある。この場合も直径の異なる別のローラを用いる必要がある。
【発明の概要】
【0004】
上述した1以上の課題を解決するために、本発明は2以上のサブユニットを具えるローラを提供する。
【0005】
別の形態として、本発明は、2以上のサブ運動ローラユニットを具える運動ローラを提供し、このサブ運動ローラユニットは単一の運動ローラを構成すべく互いに連結されて分離可能であり、したがって1以上のサブ運動ローラユニットを別の運動ローラとして利用可能である。
【0006】
サブユニットは一般に、管状、円筒、または棒状で、端部が結合するフォームローラである。これらのサブユニットは別の形状でもよく、剛体でもよい。
【0007】
ローラは、内部の縦に延在する通路を有する管状または円筒状の第1のサブユニットと、当該通路に好適には嵌合により結合する第2のサブユニットとを具える。通路は、長さに沿って部分的に延在してもよいし、あるいは長さに沿った全部に延在して両端部が開いていてもよい。
【0008】
各サブユニットはそれ自体2またはそれ以上の部品で構成されてもよい。1以上のサブユニットが、内部の長手方向に延在する通路を有する管状または円筒状の第1の部品と、当該通路に好適には嵌合により結合する第2の部品とを具えてもよい。第2の部品は無垢の棒状部品か、管状または円筒状部品である。この第2の部品が管状または円筒状の場合、第3の(無垢の)部品が当該第2の部品の中に配置される。
【0009】
このように、本発明によるローラは、2、3、またはそれ以上の個別のサブユニットまたは部品を具える。
【0010】
管状部品が設けられる場合、それが内部に要素を有するか否かに拘わらず、管状部品は例えばPVCのような比較的硬質な材料で構成されるか、発泡材料で形成される。
【0011】
所望の場合、ローラには外側硬質チューブと、内側管状発泡コアと、中央硬質発泡コアとが設けられる。外側硬質チューブはローラの長さ全体であってもよく、あるいは2以上の長さを互いに連結してもよい。各サブユニットの部品数は等しくなくてもよい。したがって、外側チューブは単一ユニットである一方、内側チューブおよび/または中央コアは2以上の長さで構成されてもよい。
【0012】
サブユニットが端部から端部までの長さで形成される場合、この長さは等しくても等しくなくてもよい。
【0013】
ローラを2以上の部品で構成すると、個人がローラの全部または一部を持ってどこでも移動できるようになる。ユーザは、ローラの構成により、ユニット全体、短いが全径のローラ、または長いのと短いのの双方の小径のローラを持つ選択ができる。さらに、ローラが両端部にサブユニットを具える場合、必要に応じて双方とも用いて結合し、より持ち運びが容易なローラとすることができる。個別の部品とすると、通常のローラでは無理だが、競技者または個人がローラを持参したかを見分ける要素となり、器具の使用とその利点が向上する。
【0014】
本発明の好適な形態では、ローラは2つのサブユニットを具え、各サブユニットは内部通路が長手方向に延在する第1の管状または円筒部品と、当該通路に嵌合する第2の部品とを具える。
【0015】
前記第1の部品の内部穴と、対応する第2の部品は、好適には断面が円形である。
【0016】
サブユニットが互いの端部に連結される場合、連結用の端部手段がサブユニットの一方または双方の端部に設けられる。本発明の好適な形態では、これはVelcroの商標名で販売されるようなフックアンドループファスナ材料を具える。他の連結手段を用いてもよい。例えば、相補的なプレススタッド式ファスナや、トングアンドグルーブ式ファスナを用いることができる。バルクCDのコンテナなどで見ることができるローラ軸の周りの回転により係合するトングアンドグルーブ構成を用いてもよい。サブユニットが互いに対して横向きの移動により係合するトングアンドグルーブ構造を用いてもよい。
【0017】
文脈が他に明示しない限り、明細書やクレームを通して「具える」、「具えている」等の用語は包括的な意味であり、排他的または網羅的な意味ではなく、すなわち、「含むが、限定されない」の意味と解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の第1実施例の概略斜視図である。
【図2】図2は、図1の第1実施例の部品の端部の詳細図である。
【図3】図3は、本発明の第2実施例の概略斜視図である。
【図4】図4は、図3の第2実施例の部品の端部の詳細図である。
【図5】図5は、第2実施例の変形例の側部断面図である。
【図6】図6は、第1実施例の変形例の端部の詳細図である。
【図7】図7は、第2実施例の変形例の端部の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1、図2を参照すると、本発明の一実施例にかかるローラ10が示されている。ローラ10は、サブユニット12、14を具える。サブユニット12は約560mm長であり、サブユニット14は約360mm長である。
【0020】
サブユニット12、14は端部同士が連結手段で連結されており、これは本例では図2においてサブユニット14の端部18に示すフックアンドループファスナ材料16a、16bである。サブユニット12の反対側の端部20にも相補的な小片があることを理解できるであろう。これらの小片16a、16bはともにフックまたはループ材料であってもよいし、一方がフック材料で他方がループ材料であってもよい。
【0021】
これら2つのサブユニットは、連結されると約900mm長の単一のローラを構成する。2つのサブユニットは分離することができ、これにより長さの短い2つの個別のローラを提供する。このように、単一の900mm長のローラが、長いローラと短いローラの双方の機能を提供しうる。2つのサブユニット12、14は同じ長さである必要はないが、同じ長さでもよい。
【0022】
各サブユニットは、空洞の管状または円筒状の外側シェル12a、14aと、無垢の棒状内側部品12b、14bとを具える。サブユニットの内側および外側の部品は、等しい長さであることが好ましい。外側シェル12a、14aは、約6インチ(〜150mm)の外径であり、それぞれの内側の穴22a、24aは直径約4インチ(〜100mm)である。無垢の内側部品12b、14bは、内側の穴22a、24aと同じ直径を有し、対応する部品12a、14aに嵌合するが容易に取り外せる寸法である。サブユニットの端部には、内側部品が外側部品から不意にスライドして出てしまわないように内側および外側要素を互いに固定する手段が設けられている。
【0023】
したがって、大径のローラが必要な場合(長かろうと短かろうと)、内側部品を外側部品に挿入してローラを用いる。
【0024】
小径のローラが必要な場合、一方または双方の内側部品を対応する外側部品から取り出して、単独または互いに連結した状態で用いる。図2に示すように、連結手段16の少なくとも一部が内側部品に取り付けられ、これにより2つの内側部品が互いに取付られる。
【0025】
内側部品12a、12bはともに部品12のサブユニットであり、同様に部品14a、14bはともに部品14のサブユニットであると理解されたい。
【0026】
内側部品12b、14bは、それぞれ部品12a、14aの全長に延在する必要はない。穴22a、24aは一端で閉じていてもよいし、全長に亘って延在して内側部品12b、14bを短くしてもよい。
【0027】
図3、4を参照すると、本発明の別の実施例のローラ30が示されている。ローラ30は、2つのサブユニット32、34を具える。サブユニット32は約560mm長であり、サブユニット34は約360mm長である。ここでも、サブユニット32、34の長さは等しくてもよい。
【0028】
2つのサブユニット32、34の端部同士は、本例では図4にサブユニット34の端部38に示すロッド36である取付手段を用いて連結されている。ロッド36は木材が好ましいが、他の材料で構成してもよい。ロッド36は直径約27mmで、長さ約210mmである。このロッドはより短くても長くてもよく、特に大きなユーザには270mm長であってもよい。このロッドは、ロッド長の約半分の長さの穴40に受けられる。別の部品34は対向する面に同様の穴を有する。ロッド36は好適には穴40に締まり嵌めし、これにより挿入時に2つの部品32、34が互いに比較的堅く連結される。
【0029】
ロッドは、フットローラとして用いるのに好ましく寸法調整されており、上述した寸法はこの目的のために選択されている。ロッド36の寸法は、特にロッド36が個別の運動用具のアイテムとして用いることを企図しない場合に、異なってもよい。
【0030】
図3、4の実施例は、図1、2のものと似ており、各サブユニットは中空の管状または円筒状の外側シェル32a、34aと、無垢の棒状内側部品32b、34bとを具える。サブユニットの内側および外側部品は同じ長さであることが好ましい。外側シェル32a、34aの外径は約6インチ(〜150mm)であり、それぞれの内側の穴22a、24aの直径は約4インチ(〜100mm)である。無垢の内側部品32b、34bは、内側の穴22a、24aと同じ直径を有し、対応する部品32a、34aに嵌合するが容易に取り外せる寸法である。サブユニットの両端部には、内側部品が外側部品から不意にスライドして出てしまわないように内側および外側要素を互いに固定する手段が設けられてもよい。
【0031】
内側部分32a、34aには単純な穴が好ましいが、ロッド36はロッキング式の穴に受けられてロッド36が対応する穴により固定的に保持されるようにしてもよい。
【0032】
図5は、各サブユニット32、34の端部にインサート40設けられている変形例を示す。インサート40は、ロッド36を収容するサイズの穴42を有する。ロッド36は、両端部に円形溝44を有し、各インサートが、バネ48により部分的に穴42内へと付勢されている1以上のバネ付勢型ボール46を有する。ロッド36が穴42内に挿入されると、ボール46が引っ込んで溝側へ付勢され、これによりロッド36が穴42内に保持される。
【0033】
ローラは、2より多いサブユニットで組み立てられてもよい。
【0034】
本実施例の図示する2つのサブユニットはいずれも2つの部品でなるが、これは必須ではない。2つの無垢なサブユニットを用いてもよい。2つのサブユニットを用いる場合、一方が無垢で他方が2ピースユニットであってもよい。2またはそれ以上の2ピースサブユニットを用いる場合、内側部品に対応する内側の穴の直径は等しくなくてもよい。例えば、一方の内側部品は直径4インチ、他方の直径が3インチでもよい。2ピースサブユニットを示すが、1のサブユニットは3またはそれ以上のほぼ同心円の要素で構成されてもよい。
【0035】
図6、7は、最初の2つの実施例の変形例を示し、1以上のサブユニット12a、32aがそれぞれ単一の発泡体ピースで形成されている。この発泡体は、例えば直径4や6インチなど様々な適切な寸法とすることができる。
【0036】
固いローラの実施例を示したが、これは必須ではなく、ローラが所望量の弾性を有すればよい。用いる材料によって、ローラは無垢としてもよいし、1以上の長手方向に延在する通路を有してもよい。これらの通路はサブユニットを均質に通ってもよいし、複数ピースのサブユニットの1またはそれ以上の要素を通って延在してもよい。
【0037】
フックアンドループ式ファスナが好ましいが、他の適切な着脱式ファスナを用いてもよい。
【0038】
当業者であれば、本発明の意図および範囲を逸脱することなく、本書記載の実施例に多くの自明な変形や変更をなしうることを理解できるであろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2のサブ運動ローラユニットを具える運動ローラにおいて、
前記サブ運動ローラユニットは互いに連結されて単一の運動ローラを構成するとともに、分離可能であり少なくとも1のサブ運動ローラユニットが個別の運動ローラとして利用可能であることを特徴とする運動ローラ。
【請求項2】
請求項1の運動ローラにおいて、隣接するサブ運動ローラユニットが、端部と端部で接合することを特徴とする運動ローラ。
【請求項3】
請求項1または2の運動ローラにおいて、少なくとも1のサブ運動ローラユニットが管状、円筒状または棒状であることを特徴とする運動ローラ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかの運動ローラにおいて、少なくとも1のサブ運動ローラユニットが、ユニット式(unitary)であることを特徴とする運動ローラ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかの運動ローラにおいて、少なくとも1のサブ運動ローラユニットが、長手方向に延在する内部通路を有する第1の管状または円筒状の部品と、前記通路に嵌合する第2の部品とを具えることを特徴とする運動ローラ。
【請求項6】
請求項5の運動ローラにおいて、前記第2の部品は棒状、管状または円筒状であることを特徴とする運動ローラ。
【請求項7】
請求項5または6の運動ローラにおいて、前記第2の部品は、前記通路に嵌合する第2のサブ運動ローラユニットであることを特徴とする運動ローラ。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれかの運動ローラにおいて、前記第2の部品は管状または円筒状であり、当該第2の部品の中に第3の部品が配置されることを特徴とする運動ローラ。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれかの運動ローラにおいて、前記通路は前記第1のサブ運動ローラユニットの長さに延在することを特徴とする運動ローラ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかの運動ローラにおいて、少なくとも2のサブユニットが互いに端部同士で連結され、前記サブユニットの隣接する端部の一方または双方に連結手段が設けられていることを特徴とする運動ローラ。
【請求項11】
請求項10の運動ローラにおいて、前記連結手段は、フックアンドループファスナ材料を具えることを特徴とする運動ローラ。
【請求項12】
請求項10の運動ローラにおいて、前記連結手段は、前記2のサブユニットの隣接する端部にそれぞれ穴と、当該穴の中に収容された接合物とを具えることを特徴とする運動ローラ。
【請求項13】
請求項12の運動ローラにおいて、前記接合物が、サブ運動ローラユニットであることを特徴とする運動ローラ。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかの運動ローラにおいて、少なくとも1のサブ運動ローラユニットが、発泡材料で構成されていることを特徴とする運動ローラ。
【請求項15】
図面を参照して本書に実質的に記載されている運動ローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−517304(P2012−517304A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549396(P2011−549396)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【国際出願番号】PCT/AU2010/000158
【国際公開番号】WO2010/091477
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(511198128)
【氏名又は名称原語表記】CASTIGLIONE,Angelo
【Fターム(参考)】