説明

改質顔料を含むケミカルトナー

本発明は、樹脂と、少なくとも1つのポリマー基が結合された顔料を含むポリマー改質顔料とを含むケミカルトナー組成物に関する。このポリマー改質顔料は、少なくとも1つの第1の官能基を含む少なくとも1つの有機基が結合された顔料を含む改質顔料と、少なくとも1つの第2の官能基を含む少なくとも1種のポリマーとの、反応生成物または結合生成物を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー改質顔料を含む、化学的に調製されたトナー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスおよび画像形成装置は、今日、広範囲に普及している。電子写真においては、通常は、非画一性の強度の、静電界パターン(静電潜像とも称される)を含む画像が、電子写真要素の絶縁表面上に形成される。この絶縁表面は、典型的には光伝導性層および電導性基材を含んでいる。この静電潜像は、次いでこの潜像をトナー組成物と接触させることによって、画像へと、現像もしくは可視化される。一般には、トナー組成物は、樹脂および着色剤、例えば顔料を含んでいる。このトナー画像は、次いで移動媒体、例えば紙上に移動され、そして加熱および/または圧力によってその上に定着される。最後の工程は、残りのトナーを、電子写真要素から取り除くことを含んでいる。
【0003】
一般には、慣用の乾式トナー組成物は、ポリマー樹脂と着色剤を混合し、次いで機械的に摩砕する(粒子径の減少)ことによって調製される。この磨砕プロセスは、典型的には粒子の制御されない破壊をもたらし、比較的に広い粒子径分布を備えた不規則な形状を有するトナー組成物を生じさせる。
【0004】
当事業分野では、ページ当たりにより少量の乾式トナーを用いて、改善された印刷品質を有する画像を生成することができるトナー組成物への必要性の高まりがある。これらの要求に合致するために、樹脂中の着色剤の分散性を向上させ、そしてトナー組成物の全体的粒子径を低下させる努力がなされてきた。しかしながら、今日の機械的磨砕プロセスは、磨砕におけるエネルギー消費が、粒子径と共に指数関数的に増加するために、小粒子径のトナーを効率的に製造することができない。また、不規則な形状の慣用のトナー粒子は、規則的な形状の粒子のようには充てんすることができず、ページ当たりのトナーのより多量の浪費を招く。
【0005】
このために、小さな、および/または規則的な形状を有するトナー粒子を生成させる、種々のプロセスが開発されてきている。これらのプロセスとしては、着色剤の存在の下での樹脂粒子の形成が挙げられる。そのような「その場(in situ)」プロセスを用いて製造されたトナーは、しばしば「化学的に調製されたトナー」(CPT)またはケミカルトナーと称される。例えば、ポリマーラテックスが、水性顔料分散液と混合され、そして凝固剤を用いて集塊にされて、ポリマー粒子を形成するプロセスが開発されている。他のプロセスとしては、少なくとも1種のモノマー中の顔料の分散液の水性懸濁重合が挙げられる。また、顔料/ポリエステル樹脂分散液が調製され、そして水と混合されて、次いで溶媒が蒸発されている。これらのプロセスのそれぞれは、規則的な形状の小粒子径トナー組成物をもたらす。しかしながら、これらのそれぞれのプロセスでは、より小さい粒子が生じるので、トナーの性質を維持し、または向上させるためには、ポリマー中の着色剤の分散性が非常に重要になる。良好な分散性を与えるためには、これらのケミカルトナープロセスには、高い水準の分散剤が含まれる可能性があり、それは、トナー組成物の全体的な性能、特にはトナーの調製に用いられる混合物の粘度、帯電性および/または結果として得られるケミカルトナーの感湿性に悪影響を有する可能性がある。また、他の問題も見出されてきている。
【0006】
トナー組成物に使用するための、有機基が結合された改質顔料が、開示されている。例えば、米国特許第6,218,067号明細書には、部分的に、樹脂粒子と、帯電性の改質顔料粒子との混合物の製品を含んだトナー組成物が開示されている。この改質顔料粒子は、顔料粒子に結合した少なくとも1つのイオン性基と少なくとも1つの両親媒性対イオンを含んでいる。また、米国特許第5,955,232号明細書および第6,054,238号明細書には、部分的に、樹脂粒子と、少なくとも1つの正の帯電性の有機基が結合された改質顔料粒子とを含むトナー組成物が開示されている。更に、米国特許第6,929,889号明細書には、部分的に、式−X−Sp−Alkで表される少なくとも1つの有機基が結合された顔料を含む改質顔料製品を開示しており、ここでXは顔料に直接結合しており、アリーレン、ヘテロアリーレン、またはアルキレン基を表し、Spはスペーサー基を表し、そしてAlkは、50〜200個の炭素原子を含むアルケニルまたはアルキレン基を表している。また、トナー組成物も開示されている。更に、米国特許第6,337,358号明細書、第6,372,820号明細書、および第6,664,312号明細書には、部分的に、ポリマー基が結合された改質粒子を含むトナー組成物が開示されている。また、米国特許出願公開第2006-0172212号明細書および第2008-0305422明細書には、トナー中で、特にはケミカルトナー中で用いるための、特定の結合基を有する改質顔料が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの特許および刊行物中に開示された材料は、良好な全体的性能を有するトナー組成物を与えるものの、要求が高まっている印刷性能、効率および当事業分野の要求価格に合致することができる性質を備えたトナー、特にはケミカルトナーへの必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様では、ケミカルトナー組成物が提供され、この組成物は、樹脂と、少なくとも1つのポリマー基が結合された顔料を含むポリマー改質顔料とを含んでおり、ここでポリマー改質顔料は、少なくとも1つの有機基が結合された顔料を含む改質顔料(ここでこの有機基は、少なくとも1つの第1の官能基を含む)と、少なくとも1つの第2の官能基を含む少なくとも1種のポリマーとの反応生成物であり、ここで、改質顔料の第1の官能基と、ポリマーの第2の官能基は、反応してポリマー改質顔料を形成する。
【0009】
態様によっては、改質顔料の第1の官能基は、求電子基であり、そしてポリマーの第2の官能基は、求核基であるか、または改質顔料の第1の官能基は求核基であり、そしてポリマーの第2の官能基が求電子基である。他の態様では、改質顔料の第1の官能基は求電子基であり、そしてポリマーの第2の官能基は求核基である。他の態様では、改質顔料の第1の官能基は求核基であり、そしてポリマーの第2の官能基は求電子基である。
【0010】
ケミカルトナー組成物の他の態様では、改質顔料の第1の官能基およびポリマーの第2の官能基は、カルボン酸;エステル;酸塩化物;塩化スルホニル;アシルアジ化物;イソシアネート;ケトン;アルデヒド;無水物;アミド;イミド;イミン;α,β−不飽和ケトン,アルデヒド,もしくはスルホン;ハロゲン化アルキル;エポキシド;アルキルスルホナートもしくはスルフェート;付加−脱離反応を受けることができる芳香族化合物;アミン;ヒドラジン;アルコール;チオール;ヒドラジド;オキシム;トリアゼン;カルボアニオン;ならびにそれらの塩または誘導体からなる群から独立に選ばれる。ケミカルトナー組成物の他の態様では、改質顔料の第1の官能基およびポリマーの第2の官能基は、反応して、改質顔料とポリマーの間の付加−脱離生成物を形成する。
【0011】
ケミカルトナー組成物の他の態様では、改質顔料の第1の官能基はアルキルスルフェート基であり、そしてポリマーの第2の官能基はアミノ基である。アルキルスルフェート基は、(2−スルファトエチル)−スルフォン基であることができる。有機基は、フェニル−(2−スルファトエチル)−スルフォン基であることができる。
【0012】
他の一連の態様では、ケミカルトナー組成物としては、改質顔料の第1の官能基とポリマーの第2の官能基が反応して、改質顔料とポリマーとの間に縮合生成物を形成する組成物を挙げることができる。1つの態様では、改質顔料の第1の官能基は、アミノ基であり、そしてポリマーの第2の官能基はカルボン酸基であり、そして縮合生成物がアミドである。他の態様では、改質顔料の第1の官能基は、カルボン酸基であり、そしてポリマーの第2の官能基はアミノ基であり、そして縮合生成物はアミドである。他の態様では、改質顔料の第1の官能基はアルコール基であり、そしてポリマーの第2の官能基はカルボン酸基であり、そして縮合生成物がエステルである。他の態様では、改質顔料の第1の官能基はカルボン酸基であり、ポリマーの第2の官能基はアルコール基であり、そして縮合生成物がエステルである。
【0013】
他の一連の態様では、ケミカルトナー組成物としては、改質顔料の第1の官能基はアニオン性もしくはアニオン化可能な基であり、そしてポリマーの第2の官能基はカチオン性もしくはカチオン化可能な基であるか、あるいは改質顔料の第1の官能基はカチオン性もしくはカチオン化可能な基であり、そしてポリマーの第2の官能性基はアニオン性もしくはアニオン化可能な基である。更なる態様では、改質顔料の第1の官能基はカチオン化可能な基であり、そしてポリマーの第2の官能基はアニオン化可能な基である。他の態様では、改質顔料の第1の官能基はアニオン化可能であり、そしてポリマーの第2の官能基はカチオン化可能である。他の態様では、改質顔料の第1の官能基およびポリマーの第2の官能基は、反応して、改質顔料とポリマーの間で塩を形成する。更なる態様では、改質顔料の第1の官能基はスルホン酸基またはカルボン酸基であり、そしてポリマーの第2の官能基はアミノ基であり、そしてこの塩はアンモニウム塩である。ケミカルトナー組成物の他の態様では、改質顔料の第1の官能基はアミノ基であり、そしてポリマーの第2の官能基はスルホン酸基またはカルボン酸基であり、そしてその塩はアンモニウム塩である。更なる態様では、ポリマーは、アミン末端のポリマーである。更に他の態様では、ポリマーは、アミン末端のポリアルキレンオキシドである。他の態様では、ポリマーは前記の樹脂である。
【0014】
他の態様では、ケミカルトナー組成物が提供され、この組成物は、樹脂と、少なくとも1つのポリマー基が結合された顔料を含むポリマー改質顔料とを含んでおり、ここでポリマー改質顔料は、少なくとも1つの有機基が結合された顔料を含む改質顔料(ここで有機基は、少なくとも1つの第1の官能基を含む)と、少なくとも1つの第2の官能基を含む少なくとも1種のポリマーとの結合生成物であり、ここで改質顔料の第1の官能基およびポリマーの第2の官能基は、互いに配位して、ポリマー改質顔料を生成し、そして、改質顔料の第1の官能基はアニオン性基であり、そしてポリマーの第2の官能基はカチオン化可能な基であるか、または改質顔料の第1の官能基はカチオン化可能な基であり、そしてポリマーの第2の官能基はアニオン性基である。他の態様では、改質顔料の第1の官能基およびポリマーの第2の官能基は、配位して、改質顔料とポリマーの間で、会合したイオン対を形成する。他の態様では、改質顔料の第1の官能基はスルホン酸塩基であり、そしてポリマーの第2の官能基はアミノ基である。更に具体的な態様では、スルホン酸塩基は、式−SOを有しており、ここでMは、Na、K、Li、Cs、Ca+2、Cu+2、Zn+2、Fe+2、Fe+3、またはZr+4である。
【0015】
他の態様では、ケミカルトナー組成物が提供され、この組成物は樹脂と、少なくとも1つのポリマー基が結合された顔料を含むポリマー改質顔料とを含んでおり、ここでこのポリマー基は式−X−Z−[PAO]−Rを有しており、ここでXは、顔料に直接に結合されており、アリーレンまたはヘテロアリーレン基であり;ZはNR’またはOであり、R’はH、C1〜C18アルキル基、C1〜C18アシル基、アラルキル基、アルカリル基またはアリール基であり;PAOはポリアルキレンオキシド基であり;そしてRはH、置換もしくは非置換のアルキル基、または置換もしくは非置換の芳香族基である。より具体的な態様では、Xはアリーレン基である。他の態様では、PAOは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体である。更なる態様では、ZはNHである。
【0016】
上記の包括的な説明および以下の詳細な説明の両方が、例示および説明のためだけのものであり、そして特許請求の範囲の本発明の更なる説明を提供するものであることが理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本明細書の少なくとも1つの態様に従った、種々の化学的に調製されたトナー組成物の色性能を示している。
【図2】図2は、本明細書の少なくとも1つの態様に従った、種々の化学的に調製されたトナー組成物の色性能を示している。
【図3】図3は、本明細書の少なくとも1つの態様に従った、種々の化学的に調製されたトナー組成物の色性能を示している。
【図4】図4は、本明細書の少なくとも1つの態様に従った、種々の化学的に調製されたトナー組成物の色性能を示している。
【図5】図5は、本明細書の少なくとも1つの態様に従った、種々の化学的に調製されたトナー組成物の相溶性の結果を示している。
【図6】図6は、本明細書の少なくとも1つの態様に従った、種々の化学的に調製されたトナー組成物の相溶性の結果を示している。
【図7】図7は、本明細書の少なくとも1つの態様に従った、種々の化学的に調製されたトナー組成物の相溶性の結果を示している。
【図8】図8は、本明細書の少なくとも1つの態様に従った、種々の化学的に調製されたトナー組成物の相溶性の結果を示している。
【図9】図9は、本明細書の少なくとも1つの態様に従った、種々の化学的に調製されたトナー組成物の相溶性の結果を示している。
【図10】図10は、本明細書の少なくとも1つの態様に従った、種々の化学的に調製されたトナー組成物の相溶性の結果を示している。
【図11】図11は、本明細書の少なくとも1つの態様に従った、種々の化学的に調製されたトナー組成物の相溶性の結果を示している。
【図12】図12は、種々の比較例の相溶性の結果を示している。
【図13】図13は、種々の比較例の相溶性の結果を示している。
【図14】図14は、種々の比較例の相溶性の結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、ポリマー改質顔料を含むケミカルトナー組成物に関する。
【0019】
本発明のトナー組成物は、「ケミカルトナー」または「化学的に調製されたトナー」(CPT)であり、これは本明細書中では、小さなおよび/または規則的な形状を有するトナーであると規定される。樹脂と着色剤を混合し、次いで粉砕することによって製造される慣用のトナー組成物とは対照的に、ケミカルトナーは、典型的には、着色剤および溶媒、例えば水性溶媒の存在下でのトナー粒子の形成を含むプロセスによって調製され、そして粉砕工程の使用を必要としない。慣用のトナー組成物を調製するために用いられる今日の機械的磨砕プロセスは、磨砕に消費されるエネルギーが、典型的には粒子径に伴って指数関数的に増大するために、小粒子径トナーを効率的に生成させることができない。また、慣用の磨砕プロセスからは、不規則な形状の粒子がもたらされ、これは規則的な形状の粒子のようには良好に充てんすることができず、ページ当たりのトナーのより多い浪費を招く。本発明のトナー組成物は、粒子が、慣用のトナー組成物のようには、粉砕工程を用いて製造されないので、小さなおよび/または規則的な形状を有するケミカルトナーである。
【0020】
本発明のケミカルトナーの樹脂は、当技術分野で知られているいずれかの樹脂であることができる。好適な樹脂材料としては、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリカーボネート、スチレンアクリレート、スチレンメタクリレート、スチレンブタジエン、架橋スチレンポリマー、エポキシ、ポリウレタン、単独重合体または2種もしくは3種以上のビニルモノマーの共重合体を含むビニル樹脂、ポリエステル、ならびにそれらの混合物が挙げられる。特には、この樹脂としては、スチレンおよびその誘導体の単独重合体ならびにその共重合体、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレンとアクリル酸エステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、および2−エチルヘキシルアクリレートとの共重合体、スチレンとメタクリル酸エステル、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、および2−エチルヘキシルメタクリレートとの共重合体、スチレン、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの共重合体、あるいはスチレンと他のビニルモノマー、例えばアクリロニトリル(スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体)、ビニルメチルエーテル、ブタジエン、ビニルメチルケトン、およびマレイン酸エステルとの共重合体、が挙げられる。また、この樹脂は、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、フェノール樹脂、脂肪族もしくは脂環式炭化水素樹脂、石油樹脂あるいは塩素パラフィンであってもよい。また、この樹脂は、ポリエステル樹脂、例えばテレフタル酸(置換テレフタル酸を含む)、アルコキシ基中に1〜4個の炭素原子を、そしてアルカン部分(これは、ハロゲン置換アルカンでもよい)中に1〜10個の炭素原子を含むビス[(ヒドロキシアルコキシ)フェニル]アルカン、ならびにアルキレン部分中に1〜4個の炭素原子を有するアルキレングリコールから調製されるコポリエステルであることができる。これらの樹脂の種類のいずれかを、単独で、またはそれら樹脂もしくは他の樹脂との混合物として用いることができる。
【0021】
この樹脂は、通常は、総ケミカルトナー組成物の約60質量%〜約95質量%の範囲の量で存在している。通常は、電子写真トナー製造に用いるのに特に好適な樹脂は、約100℃〜約135℃の範囲の融点を有しており、そして約60℃超のガラス転位温度(Tg)を有している。
【0022】
また、本発明のケミカルトナー組成物は、ポリマー改質顔料を含み、ポリマー改質顔料は少なくとも1つのポリマー基が結合した顔料を含んでいる。このポリマー改質顔料の顔料は、当業者によって通常用いられるいずれかの種類の顔料であることができ、例えば黒顔料および他の有色顔料、例えば青、黒、茶、シアン(cyan)、緑、白、紫、マゼンタ(magenta)、赤、橙、または黄顔料であることができる。また、異なった顔料の混合物も、用いることができる。黒顔料の代表的な例としては、種々のカーボンブラック(ピグメントブラック7)、例えばチャンネルブラック、ファーネスブラック、およびランプブラックが挙げられ、そして例えば、Cabot Corporationから入手可能な、Regal(登録商標)、Black Pearls(登録商標)、Spheron(登録商標)、Sterling(登録商標)およびVulcan(登録商標)の商標で市販されているカーボンブラック、Columbian Chemicalsから入手可能な、Raven(登録商標)、Statex(登録商標)、Furnex(登録商標)、およびNeotex(登録商標)の商品名、ならびにCDおよびHV系列で市販されているカーボンブラック、ならびにEvonik (Degussa) Industriesから入手可能なCorax(登録商標)、Durax(登録商標)、Ecorax(登録商標)、およびPurex(登録商標)の商品名ならびにCK系列で市販されているカーボンブラックが挙げられる。有色顔料の好適な種類としては、例えば、アントラキノン、フタロシアニン青、フタロシアニン緑、ジアゾ、モノアゾ、ピラントロン、ペリレン、複素環黄(heterocyclic yellows)(例えば、ジアリーリドおよびジスアゾ縮合顔料、)、ナフトール−AS、キナクリドン、および(チオ)インジゴイド、が挙げられる。このような顔料は、粉末または圧縮ケーキのいずれかで、BASF Corporation、Engelhard Corporation、およびSun Chemical Corporationを含めた多くの供給源から商業的に入手可能である。例えば、直色顔料は、シアン顔料、例えば、ピグメントブルー15、PB15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6,もしくはピグメントブルー60、マゼンタ顔料、例えばピグメントレッド122、ピグメントレッド170、ピグメントレッド177、ピグメントレッド185、ピグメントレッド187、ピグメントレッド202、ピグメントレッド238、ピグメントレッド269、紫顔料、例えばピグメントバイオレット19もしくはピグメントバイオレット25、黄顔料、例えばピグメントイエロー1、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー65、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー139、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー180、ピグメントイエロー185、ピグメントイエロー218、ピグメントイエロー220、もしくはピグメントイエロー221、橙顔料、例えばピグメントオレンジ38、もしくはピグメントオレンジ168、あるいは緑顔料、例えばピグメントグリーン7もしくはピグメントグリーン36、であることができる。他の好適な有色顔料の例が、Colour Index、第3版(The Society of Dyers and Colourists、1982年)中に記載されている。
【0023】
また、ポリマー改質顔料の顔料は、炭素相とケイ素含有種相を含む多相凝集体または炭素相と金属含有種相を含む多相凝集体であることができる。また、ケイ素含有種相および/または金属含有種相が、いずれの場合においても、ちょうど炭素相のような、凝集体の相であると認めるならば、炭素相とケイ素含有種相を含む多相凝集体は、ケイ素処理カーボンブラック凝集体と考えることができ、そして炭素相と金属含有種相を含む多相凝集体は、金属処理カーボンブラック凝集体と考えることができる。多相凝集体は、別個のカーボンブラック凝集体と別個のシリカもしくは金属凝集体との混合物を表すのでなく、そしてシリカコーティングされたカーボンブラックではない。むしろ、本発明において顔料として用いることができる多相凝集体は、この凝集体の表面に、または表面近傍(しかしながら、この凝集体から離れた(but put of the aggregate))、ならびに/あるいはこの凝集体の内部に集中した、少なくとも1つのケイ素含有もしくは金属含有領域を含んでいる。従って、この凝集体は少なくとも2つの相を含んでおり、一方は炭素であり、他方は、ケイ素含有種、金属含有種、またはその両方である。凝集体の一部となりうるケイ素含有種は、シリカカップリング剤のようにはカーボンブラック凝集体と結合してはおらず、しかしながら実際には炭素相としてその凝集体の一部になっている。
【0024】
金属処理されたカーボンブラックは、少なくとも1つの炭素相と金属含有種相とを含む凝集体である。金属含有種は、トナー組成物に磁性を与えるコバルト、ニッケル、クロム、または鉄を含む化合物を含むことができる。金属含有種相は、凝集体の少なくとも一部を通して分布していることができ、その凝集体の本質的な部分となっている。また、金属処理されたカーボンブラックは、2種以上の金属含有種相を含んでいてもよい。更に、金属処理されたカーボンブラックは、ケイ素含有種相も含んでいてもよい。
【0025】
これらの多相凝集体の製造の詳細は、米国特許第5,830,930号、第5,877,238号、第5,904,762号、第5,948,835号、第6,028,137号、第6,017,980号、第6,057,387号の各明細書中に説明されている。これらの特許出願の全てを、参照することによって本明細書の内容とする。
【0026】
シリカコーティングされた炭素製品、例えば1996年11月28日に公開されたPCT出願第96/37547号(その全体を参照することによって本明細書の内容とする)に記載されているものもまた、顔料として用いることができる。
【0027】
また、ポリマー改質顔料の顔料は、表面にイオン性基および/またはイオン化可能な基を導入するために、酸化剤を用いて酸化された顔料でもよい。このようにして調製された酸化された顔料は、表面に酸素含有基をより多く有することが見出されている。酸化剤としては、酸素ガス、オゾン、過酸化物、例えば過酸化水素、過硫酸塩、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、次亜ハロゲン酸塩、例えば次亜塩素酸ナトリウム、酸化酸、例えば硝酸、および遷移金属含有酸化剤、例えば過マンガン酸塩、四酸化オスミウム、酸化クロム、あるいは硝酸セリウムアンモニウム、などが挙げられるが、これらに限定はされない。酸化剤の混合物、特に、ガス状酸化剤、例えば酸素やオゾンの混合物も使用できる。他の表面改質方法、例えば塩素化やスルホニル化も、イオン性基またはイオン化可能な基を導入するために用いることができる。
【0028】
ポリマー改質顔料の顔料は、その顔料の所望の性質に応じて、広い範囲の、窒素の吸着によって測定されたBET表面積を有することができる。例えば、顔料は、約10〜600m/g、例えば約20〜250m/g、または約20〜100m/gの表面積を有するカーボンブラックであることができる。当業者に知られているように、典型的には、より大きな表面積は、より小さな一次粒子径に対応する。また、顔料は、当技術分野で知られている広い範囲の一次粒子径を有することができる。例えば、顔料は、約5nm〜約100nm、例えば約10nm〜約80nm、または15nm〜約50nmの範囲の一次粒子径を有することができる。例えば、所望の用途に、表面積がより大きな有色顔料が容易に入手できない場合には、所望であれば、顔料をより小さな粒子径とするために、顔料に、慣用のサイズ低下法または粉砕技術、例えば、ボールミル法やジェットミル法を受けさせることができることもまたよく理解されている。
【0029】
また、ポリマー改質顔料の顔料は、広い範囲のフタル酸ジブチル吸収(DBP)値を有することができ、この値は、顔料の構造または分岐の1つの尺度である。例えば、顔料は、約30〜100mL/100g、例えば約40〜90mL/100g、または約50〜80mL/100gのDBP値を有するカーボンブラックであることができる。更に、顔料は、広い範囲の一次粒子径、例えば約10〜100nm、例えば約15〜60nmを有することができる。
【0030】
本発明のケミカルトナー組成物のポリマー改質顔料は、改質顔料と少なくとも1種のポリマーとの反応生成物または結合生成物のいずれかを含んでいる。改質顔料は、少なくとも1つの有機基が結合された顔料を含んでいる。改質顔料の顔料は、ポリマー改質顔料に関して上述したもののいずれかであることができる。改質顔料の有機基は、少なくとも1つの第1の官能基を含んでおり、そしてポリマーは、少なくとも1つの第2の官能基を含んでいる。それらのそれぞれは、以下により詳細に議論される。
【0031】
ここで用いられる用語「反応生成物」は、ポリマー改質顔料が、改質顔料とポリマーが、例えば共有反応またはイオン反応を通して、互いに反応した場合にもたらされる生成物であることを意味している。用語「結合生成物」は、ポリマー改質顔料が、改質顔料とポリマーが例えば会合または配位を通して互いに相互作用するように、改質顔料とポリマーとが結合することからもたらされる生成物であることを意味している。また、このことは、これらの成分の更なる反応をもたらす可能性がある。例えば、ポリマー改質顔料は、少なくとも1つの有機基が結合された顔料を含む改質顔料(ここで有機基は、少なくとも1つの第1の官能基を含んでいる)と、少なくとも1つの第2の官能基を含む少なくとも1種のポリマーとの反応生成物であることができる。この例では、改質顔料の第1の官能基は、ポリマーの第2の官能基と反応し、それによってポリマー改質顔料を形成する。更なる例として、ポリマー改質顔料は、少なくとも1つの有機基が結合された顔料を含む改質顔料(この有機基は少なくとも1つの第1の官能基を含む)と、少なくとも1つの第2の官能基を含む少なくとも1種のポリマーとの結合生成物であることができ、ここで改質顔料の第1の官能基とポリマーの第2の官能基は、互いに配位または会合して、それによってポリマー改質顔料を形成する。
【0032】
改質顔料の第1の官能基およびポリマーの第2の官能基は、互いに反応または相互作用することができるいずれかの基であることができる。例えば、第1の官能基は、求核基であり、そして第2の官能基は、求電子基であるか、またはその逆であることができる。従って、例えば、求核基または求電子基は、カルボン酸、エステル、酸塩化物、塩化スルホニル、アシルアジ化物、イソシアネート、ケトン、アルデヒド、無水物、アミド、イミド、イミン、α,β−不飽和ケトン,アルデヒド,もしくはスルホン、ハロゲン化アルキル、エポキシド、アルキルスルホナートもしくはスルフェート、例えば(2−スルファトエチル)−スルフォン基、アミン、ヒドラジン、アルコール、チオール、ヒドラジド、オキシム、トリアゼン、カルボアニオン、芳香族化合物(特に、付加−脱離反応を受けることができるもの)、あるいはそれらの塩または誘導体であることができる。好ましくは、第1および第2の官能基は、独立して、カルボン酸基、無水物基、アミン基(例えば、アルキルアミン基、例えばベンジルアミン、フェニルエチルアミン、フェニレンアミンもしくはアミノアルキルアミン基、例えば−SO−ALKl−NH−ALK2−NH基であり、ALK1およびALK2は、同一でも異なっていてもよく、C2〜C8アルキレン基である)、アルキルスルフェート基あるいはそれらの塩であることができる。
【0033】
具体的な例としては、改質顔料の第1の官能基およびポリマーの第2の官能基は、反応して、改質顔料とポリマーの間で、付加−脱離生成物を形成することができる。このような反応生成物は、改質顔料の第1の官能基が、求電子基として、アルキルスルフェート(例えば、(2−スルファトエチル)−スルフォン基、もしくは、より具体的には、フェニル−(2−スルファトエチル)−スルフォン基)であり、そしてポリマーの第2の官能基が、求核基として、アミノ基である場合にもたらすことができる。
【0034】
更なる具体的な例としては、改質顔料の第1の官能基およびポリマーの第2の官能基は、反応して、改質顔料とポリマーとの間の縮合生成物を形成することができる。このような反応生成物は、改質顔料の第1の官能基がアミノ基であり、そしてポリマーの第2の官能基がカルボン酸基であるか、またはその逆である場合にもたらすことができる。この結果としてもたらされる縮合生成物は、従ってアミドである。あるいはまた、このような生成物は、改質顔料の第1の官能基がアルコール基であり、そしてポリマーの第2の官能基がカルボン酸基であるか、またはその逆である場合にもたらすことができる。この結果としてもたらされる縮合生成物は、従ってエステルである。
【0035】
また、第1の官能基および第2の官能基の両方は、イオン性基またはイオン化可能な基であることができる。イオン性基は、アニオン性またはカチオン性のいずれかであり、そしてH、Na、K、Li、NH、NR、アセテート、NO、SO−2、RSO、ROSO、OH、およびClなどの無機もしくは有機対イオンを含む、反対の電荷の対イオンと会合しており、ここでRは、水素または有機基、例えば置換もしくは非置換アリールおよび/またはアルキル基を表す。イオン化可能な基は、使用する媒体中でイオン性基を形成することができる基である。
【0036】
従って、例えば、第1の官能基は、アニオン性またはアニオン化可能な基であり、そして第2の官能基は、カチオン性またはカチオン化可能な基であるか、あるいはその逆であることができる。アニオン性基は、負に荷電したイオン性基であり、例えば酸性置換基などのアニオン(アニオン化可能な基)を形成することができる、イオン化可能な置換基を有する基から生成することができる。また、それらは、イオン化可能な置換基の塩中のアニオンであることができる。好適なアニオン性基の代表的な例としては、−COO、−SO、−OSO、−HPO、−OPO−2、および−PO−2が挙げられ、そしてアニオン化可能な基の例としては、−COOH、−SOH、−PO、−R’SH、−R’OH、および−SONHCOR′が挙げられ、ここでR’は水素または、有機基、例えば置換もしくは非置換アリールおよび/またはアルキル基を表す。カチオン性基は、正に荷電した有機イオン性基であり、カチオン(カチオン化可能な基)、例えばプロトン化アミンを形成することができるイオン化可能な置換基から生成することができる。例えば、アルキルまたはアリールアミンは、酸性媒体中でプロトン化することができ、アンモニウム基−NRを形成する(ここで、Rは、有機基、例えば置換もしくは非置換アリールおよび/またはアルキル基を表す)。
【0037】
具体的な例としては、改質顔料の第1の官能基およびポリマーの第2の官能基は、反応して、改質顔料とポリマーの間で塩を形成することができる。このような反応生成物は、改質顔料の第1の官能基が、アニオン性/アニオン化可能な基として、スルホン酸またはカルボン酸基であり、そしてポリマーの第2の官能基が、カチオン性/カチオン化可能な基としてアミノ基であるか、あるいはその逆である場合にもたらすことができる。結果として得られる塩は、アンモニウム塩である。
【0038】
更なる具体的な例としては、改質顔料の第1の官能基とポリマーの第2の官能基は、配位して、改質顔料とポリマーの間で会合したイオン対を形成することができる。このような結合生成物は、改質顔料の第1の官能基がアニオン性基、例えば−SOの式を有するスルホン酸塩基、そしてポリマーの第2の官能基がカチオン化可能な基、例えばアミノ基である場合にもたらすことができる。この式において、Mは、例えば、Na、K、Li、Cs、Ca+2、Cu+2、Zn+2、Fe+2、Fe+3、またはZr+4、であることができる。更に、この結合生成物は、改質顔料の第1の官能基がカチオン化可能な基であり、そしてポリマーの第2の官能基がアニオン性基である場合に、もたらすことができる。
【0039】
上記のように、改質顔料は、少なくとも1つの有機基が結合された顔料を含んでおり、ここでこの有機基は少なくとも1つの第1の官能基を含んでいる。好ましくは、改質顔料の有機基は、直接に結合されている。改質顔料は、当業者に知られている、有機化学基を顔料に結合するような、いずれかの方法を用いて調製することができる。例えば、改質顔料は、米国特許第5,554,739号明細書、第5,707,432号明細書、第5,837,045号明細書、第5,851,280号明細書、第5,885,335号明細書、第5,895,522号明細書、第5,900,029号明細書、第5,922,118号明細書、および第6,042,643号明細書、および国際公開第99/23174号中に記載された方法を用いて調製することができ、これらの記載を参照することによって本明細書の内容とする。このような方法は、例えばポリマーおよび/または界面活性剤を用いる分散剤型の方法に比べて、顔料上への基のより安定な結合を与える。改質顔料の調製のための他の方法としては、利用可能な官能基を有する顔料と、有機基を含む試薬とを反応させることが挙げられ、例えば米国特許第6,723,783号明細書(これを参照することによって本明細書の内容とする)中に記載されている。このような官能性顔料は、上記の参照文献中に記載された方法を用いて調製することができる。更にまた、結合された官能基を含む改質カーボンブラックが、米国特許第6,831,194号明細書および第6,660,075号明細書、米国特許出願公開第2003-0101901号明細書および第2001-0036994号明細書、カナダ国特許第2,351,162号明細書、欧州特許第1394221号明細書、および国際公開第04/63289号ならびに、N. Tsubokawa、Polym. Sci.、第17巻、p.417、1992年、中に記載されている方法によって調製することができ、これらのそれぞれもまた参照することによって本明細書の内容とする。
【0040】
少なくとも1つの第1の官能基を含む有機基の量は、例えば、第1および第2の官能基の相対的な反応性に応じて変えることができる。例えば、有機基の総量は、窒素吸着量によって測定して(BET法)、顔料の表面積当たりの有機基が、約0.01〜約10.0マイクロモル/m、例えば約0.5〜約4.0マイクロモル/mであることができる。少なくとも1つの第1の官能基ではない、更なる結合した有機基もまた用いることができる。
【0041】
また、上記のように、ポリマーは、少なくとも1つの第2の官能基を含んでいる。種々の異なるポリマーを用いることができ、そしてそれがポリマー改質顔料のポリマー基を形成する。特に、ポリマーは、単独重合体、共重合体、三元共重合体であることができ、そして異なる繰り返し単位のいずれかの数または配置、例えばランダムポリマー、交互ポリマー、グラフトポリマー、ブロックポリマー、超分岐もしくは樹枝状ポリマー、櫛型ポリマー、またはそれらのいずれかの組み合わせ、を含むことができる。ポリマーは、約200000以下の平均分子量(質量平均分子量)を有することができる。例えば、ポリマーは、約150000以下、例えば約100000以下、50000以下、または20000以下の平均分子量を有することができる。また、ポリマーは、約500以上、例えば約1000以上、5000以上、または10000以上の平均分子量(質量平均分子量)を有することができる。また、ポリマーは、ポリマー改質顔料を調製するために用いられる特定の条件に応じて、液体、粉末、またはポリマー溶融物の形態であることができる。
【0042】
少なくとも1つの官能基を含むポリマーの好適な例としては、ポリアミン、ポリアミド、ポリカーボネート、高分子電解質、ポリエステル、ポリエーテル(例えばポリアルキレンオキシド)、ポリオール(例えばポリヒドロキシベンゼンおよびポリビニルアルコール)、ポリイミド、硫黄含有ポリマー(例えばポロフェニレンスルフィド)、アクリルポリマー、ポリオレフィン、例えばハロゲンを含むもの(例えばポリ塩化ビニルおよびポリ塩化ビニリデン)、フルオロポリマー、ポリウレタン、ポリ酸またはそれらの塩もしくは誘導体、あるいはそれらの組み合わせ、が挙げられる。また、ポリマーは、ポリ無水物、例えばマレイン酸無水物のポリマーであることができる。更に、ポリマーは、上記でより詳細に説明した、本発明のケミカルトナーに用いられる樹脂と同じものであることができる。
【0043】
好ましくは、ポリマーの第2の官能基は、そのポリマーの末端上にあり、そして従って、ポリマーは、好ましくは官能基が末端にあるポリマーである。例えば、ポリマーは、好ましくはアミン末端ポリマー、例えばアミン末端ポリアルキレンオキシドである。更なる例としては、ポリアミン、例えばポリエーテルアミンおよびポリエチレンイミン(PEI)、またはそれらの誘導体;エチレンイミンのオリゴマー(例えばペンタエチレンヘキサミン、PEHA)またはそれらの誘導体;ポリアミドアミン(PAMAM)、例えばStarburst(登録商標)ポリアミドアミンデンドリマー;あるいはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられ、それらのそれぞれは末端アミノ基を含んでいる。
【0044】
ポリマーと改質顔料の量は、種々の因子、例えばポリマーの種類と分子量、改質顔料の種類、および改質顔料とポリマーの官能基の相対的な反応性、による。好ましくは、本発明のケミカルトナー組成物のポリマー改質顔料は、改質顔料とポリマーの質量比が約1:3〜約9:1の範囲、例えば約1:1〜約6:1の範囲の、ポリマーと改質顔料の反応もしくは結合生成物を含んでいる。より好ましくは、改質顔料とポリマーの質量比は、約2:1〜約4:1の範囲である。
【0045】
本発明のケミカルトナー組成物の好ましいポリマー改質顔料は、少なくとも1つのポリマー基が結合された顔料を含んでおり、ここでポリマー基は、式−X−Z−[PAO]−Rを有している。この式において、Xは、顔料に直接に結合しており、アリーレンまたはヘテロアリーレン基であり、そして好ましくはアリーレン基である。Zは、ヘテロ原子含有連結基、例えばNR’またはOであり、ここでR’は、H、C1〜C18アルキル基、C1〜C18アシル基、アラルキル基、アルカリル基、またはアリール基である。好ましくは、ZはNHである。PAOは、ポリアルキレンオキシド基であり、そして約1〜約12個の炭素原子を有するアルキレンオキシド基、例えば−CH−CH−O−基、−CH(CH)−CH−O−基、−CH−CH(CH)−O−基、−CHCHCH−O−基、またはそれらの組み合わせを含むポリマー基が挙げられる。従って、PAOは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体であることができる。Rは、ポリマー基のキャッピング基、例えばH、置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換芳香族基である。このポリマー改質顔料は、改質顔料(これは少なくとも1つの第1の官能基を含む少なくとも1つの有機基が結合された顔料を含んでいる)と、少なくとも1つの第2の官能基を含むポリマーとの反応生成物または結合生成物であることができる。顔料および官能基は、上記のもののいずれかであることができる。ポリマーは、ポリアルキレンオキシド、例えばアミン末端ポリアルキレンオキシドであり、これがポリマー改質顔料のポリマー基を形成する。また、ポリマーおよび改質顔料の量は、上記で詳細に議論したように変えることができる。
【0046】
本発明のトナー組成物は、化学的に調製されたトナーであり、ケミカルトナーとも称される。従って、トナー組成物は、平滑な表面、約3〜約10ミクロンの範囲の平均粒子径、またはその両方を有している。平滑な表面とは、トナーが、例えば大粒子の小粒子への粉砕によって生じる、鋭利な、またはぎざぎざの辺を実質的に有しないことを意味している。トナー組成物の形状は、平滑な表面を有しているいずれのものであってもよいが、しかしながら好ましくは、角や辺を有していない形状、例えば球状または楕円体形状、例えば卵型もしくはポテト型である。これらの3次元の曲線的な形状は、好ましくkは約1.0〜約3.0、より好ましくは約1.0〜約2.0、そして最も好ましくは約1.2〜約1.3のアスペクト比を有している。
【0047】
樹脂およびポリマー改質顔料を含む本発明のケミカルトナー組成物は、当技術分野で知られているいずれかの方法を用いて調製することができる。例えば、ケミカルトナー組成物は、樹脂およびポリマー改質顔料を含む凝固トナーを形成し、そして次いでこの混合物をポリマーのTgより高い温度に加熱して、それによってケミカルトナーを形成することを含む凝固プロセスによって調製することができる。このプロセスでは、典型的には、凝固トナーは、ポリマー改質顔料の水性分散液と、樹脂の水性エマルジョンを、少なくとも1種の凝固剤と共に混合することによって調製することができる。また、任意のワックスを加えることもできる。好適な凝固剤としては、例えば、塩(例えばポリ塩化アルミニウム、ポリアルミニウム硫酸ケイ酸塩(sulfosilicate)、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、または硫酸亜鉛)、または界面活性剤、例えばカチオン性界面活性剤、例えばジアルキルベンゼンアルキルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、ベンザルコニウムクロリド、セチルピリジニウムブロミド、C12、C15もしくはC17トリメチルアンモニウムブロミド、四級化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン化塩、またはドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリドが挙げられる。これらの混合物もまた用いることができる。例えば、トナーの約0.01〜約10質量%の量で用いることができる凝固剤は、樹脂とポリマー改質顔料の凝集粒子の形成を生じさせる。また、凝固は、pHの変化によって生じさせることができる。従って、凝固剤は、水性ポリマー改質顔料分散液および/または水性樹脂エマルジョンのpHに応じて、酸性または塩基性であることができる。更に、凝固したトナーは、機械的または物理的手段を用いることによって形成することもできる。このプロセスの結果として得られる凝固したトナーは、次いで、ケミカルトナー組成物が形成されるのに十分な時間と温度で、ポリマーのTgより高く加熱される。このプロセスの具体的な態様に関する更なる詳細を、例えば、米国特許第6,562,541号明細書、第6,503,680号明細書、および第5,977,210号明細書中に見出すことができ、これらの全てを参照することによって本明細書の内容とする。
【0048】
また、本発明のケミカルトナー組成物は、少なくとも1種のモノマー中のポリマー改質顔料の分散液を形成すること、そしてこの分散液を水性媒体、特には水中に懸濁させることを含むプロセスを用いて調製することができる。また、このプロセスでは、ポリマー改質顔料分散液中に、または水性懸濁液を形成した後に、のいずれかに、開始剤が加えられ、しかしながら、好ましくはポリマー改質顔料分散液中に加えられる。他の所望による成分、例えば安定剤もまた加えることができる。結果として得られた懸濁液は、次いで重合されて、樹脂およびポリマー改質顔料を含むケミカルトナー組成物を形成する。このモノマーは、本発明のケミカルトナー組成物について上述した樹脂を調製するために用いられるいずれかのモノマーであることができる。このプロセスの具体的な態様に関する更なる詳細を、例えば、米国特許第6,440,628号明細書、第6,264,357号明細書、第6,140,394号明細書、第5,741,618号明細書、第5,043,404号明細書、第4,845,007号明細書、および第4,601,968号明細書中に見出すことができ、これらの全てを参照することによって本明細書の内容とする。
【0049】
また、本発明のケミカルトナー組成物は、少なくとも1種の非水性溶媒および少なくとも1種のポリエステル樹脂を含む樹脂溶液中のポリマー改質顔料の分散液を形成すること、この分散液の水性媒体、例えば水中の水性エマルジョンを形成すること、そしてこの溶媒を蒸発させてケミカルトナーを形成させること、を含むポロセスを用いて調製することができる。他の所望による成分、例えば分散助剤およびエマルジョン安定剤もまた、改質顔料分散液中に、またはこの水性エマルジョンを形成した後に、のいずれかに、加えることができる。このポリエステル樹脂は、上記で詳述したケミカルトナー組成物の調製に用いられるいずれかのものであることができる。このプロセスの具体的な態様に関する更なる詳細を、例えば、米国特許第6,787,280号明細書および第5,968,702号明細書中に見出すことができ、これらの全てを参照することによって本明細書の内容とする。
ケミカルトナー組成物を形成するこれらのプロセスのそれぞれでは、ケミカルトナーは、カプセルに包まれていてもよい。カプセル化は、トナーの周りにポリマー殻の形成をもたらし、コア/シェル構造を有するケミカルトナーを生成させる。当技術分野において知られているいずれかのカプセル化プロセスを用いることができる。殻として用いられるポリマーは、トナーに性能と取扱い特性を与えるために選択される。例えば、結果として得られるカプセル化されたトナーは、特に低温では、より容易に溶融し、そしてまた、より高い、そしてより均一な充てん特性を有することができる。また、他の特性ももたらされる可能性がある。また、これらのプロセスのそれぞれでは、ケミカルトナーは、更に精製されてもよい。例えば、上記のプロセスによって生成されたケミカルトナーは、洗浄して、望ましくない副生成物または不純物を取り除くことができ、そして次いで乾燥することができる。
【0050】
本発明のケミカルトナー組成物は、所望による添加剤を更に含むことができ、それらもまたこれらの組成物を調製するのに用いられる1種もしくは2種以上の成分中に混合(mixed)または混合する(blended)ことができ、以下により詳細に説明される。例としては、担体添加剤、正の、もしくは負の電荷調整剤、例えば第四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、硫酸塩、リン酸塩、および炭酸塩、流動補助剤、シリコーンオイル、あるいははワックス、例えば商業的に入手可能なポリプロピレンおよびポリエチレンが挙げられる。ケミカルトナー組成物は、酸化鉄を更に含むことができ、ここで酸化鉄は磁鉄鉱であることができ、従って、トナー組成物を磁性トナー組成物にすることができる。一般には、これらの添加剤は、約0.05質量%〜約30質量%の量で存在することができるが、しかしながら、特定の系および所望の性質に応じて、これらの添加剤のより少ない量またはより多い量を選択することができる。
【0051】
驚くべきことには、少なくとも1つの有機基が結合された顔料を含む改質顔料(この有機基は、少なくとも1つの第1の官能基を更に含んでいる)と、少なくとも1つの第2の官能基を含むポリマーとの反応生成物または結合生成物を含むポリマー改質顔料は、良好な総合的特性を有するケミカルトナー組成物を調製するのに用いることができることが見出された。上記のように、ケミカルトナーは、着色剤を媒体、例えば溶媒中に分散させ、そして樹脂もしくは樹脂前駆体分散液または溶液と混合することを含むプロセスを用いて調製される。従って、着色剤が樹脂中に良好に分散したケミカルトナーを形成するためには、この着色剤は、樹脂および樹脂前駆体系と相溶性であるのに加えて、媒体中に分散可能でなければならない。更に、着色剤は、ケミカルトナーが形成される時に、良好に分散されたままでなければならない。ポリマー改質顔料が良好に分散され、そして従って媒体と高度に相溶性である場合には、最終のケミカルトナーを形成する場合にも、この同じポリマー改質顔料は、樹脂中には容易に分散しない、または樹脂とは容易に相溶しないであろうと予想されたであろう。あるいは、ポリマー改質顔料が樹脂中に容易に分散可能性である場合には、この同じ顔料は、媒体中にも容易に分散可能であろうとは予測されなかったであろう。媒体と樹脂の両方への分散可能性は、特に、結合されたポリマー基を含まない顔料で調整されたケミカルトナー(そして従って、ポリマー改質顔料ではない)と比べて、改善された総合的特性、例えば向上した色調、彩度、および/または画像密度、をもたらすことが見出された。
理論によって拘束されることは望まないが、本明細書の開示に適合するケミカルトナープロセスの少なくとも1つの態様に入る表面改質顔料の特質は、以下のものが挙げられる。第1に、改質顔料は、例えば、一次凝集体の大きさにまで(200nm未満)、有機溶媒中に分散可能である。また、顔料分散液は、顔料の綿状沈殿(flocculation)または沈殿なしに、溶媒中のホスト樹脂系中に溶解することができる。このホスト樹脂系は、他の添加剤、例えばワックスおよび電荷調整剤の受容体(host)を含むことができる。例えば、界面改質顔料は、酢酸エチル中のトナー樹脂の混合物中に直接に分散させることができる。ここで、ホストトナー樹脂としては、種々の低Tgポリマー(例えば、40〜80℃、例えば50〜70℃であるが、それらには限定されない)の、トナー処理に好適な、例えばポリエステル、スチレンアクリルなどを挙げることができる。溶液のホスト樹脂中への混合の後に、改質顔料は、水中での乳化、種々の界面活性剤への暴露、増加する真空度、高い温度、溶媒除去の間の濃度変化などを含む、多様なトナー形成プロセス条件に耐えることができる。これらの工程全てを通して、トナー乳化工程の間に顔料が水相中へ移動することなく、トナー形成の後に、トナー粒子内部に顔料が綿状沈殿することなく、トナー形成工程の間に顔料が界面に移動することなくなどで、改質顔料は、トナー樹脂中に良好に分散したままである。
【実施例】
【0052】
以下は、本明細書の開示の少なくとも1つの態様による例である。
【0053】
例1.酸/塩基法
A.ポリマー改質顔料の調製
10.00%固形分のCab-O-Jet(登録商標)260M(スルファニル処理されたピグメントレッド122)1009gに、Amberlite IRN-77酸性イオン交換樹脂(Supelco)110gを加え、そしてこの内容物を、単純なオーバーヘッド型混合機を用いて、24時間に亘り攪拌した。24時間後、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて、イオン交換樹脂を除去した。次いで、粘稠な、酸性化したCab-O-Jet(登録商標)260Mスラリーに、約2000の平均分子量を有し、そしてPO/EOモル比が10/31のプロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体の一官能性第一級アミンポリエーテルアミン(Huntsman LLCの、Jeffamine(登録商標)M-2070)37.8gを加えた。この混合物を、オーバーヘッド攪拌機を用いて、更に24時間に亘って攪拌した。24時間後、この粘稠なスラリーを、耐熱性のガラス皿中に置き、そして70℃で、1〜2日間乾燥させた。乾燥したら、市販のコーヒー挽き器を用いて、この未精製品を微細な粉末へと粉砕した。
【0054】
B.分散液の調製(ポリマーの改質ピグメントレッド122(酸型)とのSkandex粉砕)
Jeffamine M-2070ポリマーでイオン交換されたスルホン酸基が結合されたマゼンタ顔料(ピグメントレッド122、Sun Chemical)を含むポリマー改質顔料13.75g、および溶媒として酢酸エチル36.25gを、250mLのステンレス鋼製の塗料缶中に量り取った。これに、2mmのガラスビーズ60gを加え、そしてSkandex混合機で6時間に亘って混合することにより分散液を調製した。結果として得られた分散液は、非常に流動性であり、そして容易にろ過できた。このガラスビーズは、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.121μm、0.109μmd50、0.229μmd95であることを見出した。
【0055】
C.分散液の調製
例1B中に詳述したのと類似の手順を用い、そしてJeffamine M-2070の代わりに、約29/6のPE/EO比を有する、名目の分子量2000のポリエーテルアミン(Jeffamine M-2005)を用いて、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて、分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径を測定し、そして0.132μm、0.118μmd50、0.247μmd95であることが見出された。
【0056】
D.比較例(慣用の分散剤の非改質ピグメントレッド122とのSkandex粉砕)
非改質乾燥ピグメントレッド122((Sun Chemical、品番228-8228)を10g、40%活性固形分のSolsperse 32500(Lubrizol)を9.375g(乾燥品基準で3.75g)、および溶媒として酢酸エチル30.625gを、250mLのステンレス鋼塗料缶中に量り取った。これに、2mmのガラスビーズ60gを加え、そしてSkandex混合機で6時間に亘って混合することにより分散液を調製した。結果として得られた分散液は、粘稠であり、そしてろ過するのが困難であった。このガラスビーズは、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.320μm、0.294μmd50、0.566μmd95であることを見出した。
【0057】
E.比較例
例1D中に詳述したのと類似の手順を用い、そしてSolsperse 32500の代わりに、Jeffamine M-2005を用いて、分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして1.131μm、0.849μmd50、2.785μmd95であることを見出した。
【0058】
F.比較例
例1E中に詳述したのと類似の手順を用い、そしてJeffamine M-2005の代わりに、Jeffamine M-2070を用いて、分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.608μm、0.475μmd50、1.381μmd95であることを見出した。
【0059】
G.比較例(表面改質ピグメントレッド122のポリマー分散剤(酸型)無しでのSkandex粉砕)
酸性樹脂でイオン交換された後のスルホン酸基が結合されたマゼンタ顔料を含む表面改質顔料(ピグメントレッド122、Sun Chemical)10g、および溶媒として酢酸エチル40gを、250mLのステンレス鋼塗料缶中に量り取った。これに、2mmのガラスビーズ60gを加え、そしてSkandex混合機で6時間に亘って混合することにより分散液を調製した。結果として得られた分散液は、不十分に分散しており、結果として高度に粘稠なゲルをもたらし、それはろ過するのが非常に困難であった。このガラスビーズは、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして1.291μm、1.269μmd50、1.833μmd95であることを見出した。
【0060】
H.比較例(表面改質ピグメントブルー15:4のポリマー分散剤(疎水性ジアゾニウム)無しでのSkandex粉砕)
フルオロアニリン基が結合されたシアン顔料(フタロシアニンピグメントブルー15:4)を含む表面改質顔料(1.5ミリモル/顔料gの表面処理)10g、および溶媒として酢酸エチル40gを、250mLのステンレス鋼塗料缶中に量り取った。これに、2mmのガラスビーズ60gを加え、そしてSkandex混合機で6時間に亘って混合することにより分散液を調製した。結果として得られた分散液は、顕著に粘稠であったが、せん断によってより格段に流動性になった。このガラスビーズは、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.596μm、0.574μmd50、0.816μmd95であることを見出した。
【0061】
I.分散液の調製(ポリマーの改質ピグメントレッド122(酸型)とのRotostator混合)
Jeffamine M-2070ポリマーでイオン交換されたスルホン酸基が結合されたマゼンタ顔料(ピグメントレッド122)(ジアゾニウム処理)を含むポリマー改質顔料15g、および溶媒として酢酸エチル85gを、250mLのガラスビーカー中に量り取った。IKA(登録商標)T25デジタルULTRA-TURRA(登録商標)混合機を用いて、5000rpmで15分間混合することによって分散液を調製した。結果として得られた分散液は、非常に流動性であり、そして容易にろ過可能であった。このガラスビーズは、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.133μm、0.126μmd50、0.230μmd95であることを見出した。
【0062】
J.比較例(慣用の分散剤の非改質ピグメントレッド122とのRotostator混合)
例1Iのように、非改質乾燥ピグメントレッド122(Sun Chemical、品番228-8228)およびSolsperse 32500(Lubrizol)の等量での乾燥混合物10g、および酢酸エチル73.66gを、250mLのガラスピーカー中に量り取った。IKA(登録商標)T25デジタルULTRA-TURRA(登録商標)混合機を用いて、5000rpmで15分間混合することによって分散液を調製した。結果として得られた分散液は、不十分に分散しており、静置したら、乾燥顔料の大部分はビーカーの底に沈殿した。ガラスビーズは、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.774μm、0.478μmd50、4.51μmd95であることを見出した。
【0063】
例2.APSES法
A.ポリマー改質顔料の調製
Ross混合機中で、乾燥PB15:3(フタロシアニン、Clariantトナー品種、ロット番号DEBF009196)1500gに、脱イオン水6000gを加えた(20%固形分での反応)。この混合物に、アミノフェニルスルホンエチルスルホナート(APSES、1ミリモル/g顔料)422gを加え、そしてこの反応混合物を60℃に上昇させた。この反応混合物に、103.5gの硝酸ナトリウム(1ミリモル/g顔料)をゆっくりと加えた。この反応を、2〜4時間に亘って進行させた。未精製のAPSES処理PB15:3を、次いで2つの等しい部分に分割し、第1の部分を、引き続くポリマー結合手段を通して未精製のままとし(未精製)、そして第2の部分を、ダイヤフィルトレーションに付していずれかの未反応の出発物質および塩を除去した(ダイヤフィルトレーション)。APSES改質APSES-PB:13の水中の分散液の第2の部分を脱イオン水でダイヤフィルトレーションして、250μs/cm未満の目標の透過導電率(permeate conductivity)とし、そして次いで14.39%の最終固形分に濃縮し、不純物のないAPSES改質PB15:3を結果として得た(1回のダイヤフィルトレーション)。第1の部分(未精製)からの未精製のAPSES改質PB15:3中の、最終的固形分は13.69%であると測定された。
【0064】
未精製のAPSES処理PB15:3顔料(上記からの未精製品)の13.69%固形分での水中の分散液1500gに、Jeffamine M-2070を77.0g加えた。この混合物を、水酸化ナトリウムでpH12に調整し、そしてオーバーヘッド攪拌機を用いて、24時間に亘り反応させた。第1の例では、未精製の混合物は、70℃で一晩棚乾燥し、未精製のJeffamine M-2070処理APSES PB15:3(試料A1)を結果として得た。第2の例では、未精製のJeffamine M-2070 APSES PB15:3を塩酸でpH10にpH調整し、次いでダイヤフィルトレーションによって、いずれかの未反応のポリマーおよび塩を除去した。Jeffamine M-2070改質APSES-PB:13の水中の分散液を、次いで脱イオン水でダイヤフィルトレーションして、250μs/cm未満の目標の透過導電率とした。清澄にした分散液を、次いで70℃で一晩棚乾燥し、Jeffamine M-2070処理APSES PB15:3(試料A2)を結果として得た。
【0065】
ダイヤフィルトレーションしたAPSES処理PB15:3(上記からのダイヤフィルトレーション品)の14.39%固形分での水中の分散液1223.4gに、Jeffamine M-2070を66.0g加えた。この混合物を、水酸化ナトリウムでpH12.5に調整し、そしてオーバーヘッド攪拌機を用いて、24時間に亘り反応させた。混合物の第1の部分は、70℃で一晩棚乾燥し、Jeffamine M-2070処理APSES PB15:3(試料B1)を結果として得た。Jeffamine M-2070 APSES PB15:3の第2の部分を、塩酸でpH10にpH調整し、次いで脱イオン水でのダイヤフィルトレーションによって、250μs/cm未満の目標の透過導電率にして、いずれかの未反応のポリマーおよび塩を除去した。清澄にした分散液を、次いで70℃で一晩棚乾燥し、Jeffamine M-2070処理APSES PB15:3(試料B2)を結果として得た。
【0066】
B.分散液の調整(ポリマー改質APSES処理ピグメントブルー15:3のSkandex粉砕、試料B2)
2回にわたりダイヤフィルトレーションした(APSESジアゾニウム反応後に一度、そしてJeffamine M-2070ポリマーの結合後に一度)、Jeffamine M-2070改質APSES処理ピグメントブルー15:3(試料B2)13.75g、および溶媒として酢酸エチル36.25gを、250mLのステンレス鋼製塗料缶中に量り取った。これに、2mmのガラスビーズ60gを加え、そしてSkandex混合機で6時間に亘って混合することにより分散液を調製した。結果として得られた分散液は、非常に流動性があり、そして容易にろ過された。このガラスビーズは、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.241μm、0.213μmd50、0.476μmd95であることを見出した。
【0067】
C.分散液の調製(ポリマー改質APSES処理ピグメントブルー15:3のSkandex粉砕、試料B1)
例2B中に詳述したのと類似の手順を用いて、そしてJeffamine M-2070改質APSES処理ピグメントブルー15:3(APSES結合工程の後でのみダイヤフィルトレーションした)に置き換え(試料B1)、分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.176μm、0.165μmd50、0.295μmd95であることを見出した。
【0068】
D.分散液の調製(ポリマー改質APSES処理ピグメントブルー15:3のSkandex粉砕、試料A2)
例2C中に詳述したのと類似の手順を用いて、そしてJeffamine M-2070改質APSES処理ピグメントブルー15:3(Jeffamine M-2070結合工程の後でのみダイヤフィルトレーションした)に置き換え(試料A2)、分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.322μm、0.294μmd50、0.575μmd95であることを見出した。
【0069】
E.分散液の調製(ポリマー改質APSES処理ピグメントブルー15:3のSkandex粉砕、試料A1)
例2D中に詳述したのと類似の手順を用いて、そして未精製Jeffamine M-2070改質APSES処理ピグメントブルー15:3(全くダイヤフィルトレーションしていない)に置き換え(試料A1)、分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.291μm、0.228μmd50、0.735μmd95であることを見出した。
【0070】
F.比較例(慣用の分散剤またはポリマーの非改質ピグメントブルー15:3とのSkandex粉砕)
非改質乾燥ピグメントブルー15:3(Sun Chemical、品番249-1284)10g、40%活性固形分のSolsperse 32500(Lubrizol)9.375g(乾燥品基準で3.75g)、および溶媒として酢酸エチル30.625gを、250mLのステンレス鋼製塗料缶中に量り取った。これに、2mmのガラスビーズ60gを加え、そしてSkandex混合機で6時間に亘って混合することにより分散液を調製した。結果として得られた分散液は、粘稠であり、そしてろ過するのが困難であった。このガラスビーズは、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.861μm、0.620μmd50、2.655μmd95であることを見出した。
【0071】
例3.熱縮合法
A.ポリマー改質顔料(C1)の調製
PABA処理カーボンブラックを、パラ−アミノ安息香酸(PABA)を化学量論量の硝酸ナトリウムと反応させて、ジアゾニウム塩を形成し、これを次いでRegal(登録商標)330(R330)顔料(Cabot Corp)と反応させてPABA処理顔料を生成させることによって製造した。乾燥PABA処理R330(プロトン化酸型)50g、Jeffamine M-2005を25g、および脱イオン水600gを、オーバーヘッド攪拌機を用いて30分間に亘り攪拌した。30分間後、この混合物を耐熱ガラス皿中に置き、そして一晩165℃で乾燥させた。未精製の材料を、次いで1500gの脱イオン水を容れた大きなステンレス鋼製ビーカー中で攪拌した。次いで、このスラリーのpHを、pH2に調整し、そしてこのスラリーを1〜2時間混合した。1〜2時間の混合の後に、このカーボンブラックスラリーをろ過し、そして洗浄水のpHが4超となるまで、更なる量の水で洗浄した。このpH調整の後に、処理されたカーボンブラック(試料C1)を耐熱ガラス皿中に置き、そして1〜2日間に亘り、70℃で乾燥させた。結果として得られたポリマー改質カーボンブラックの熱重量分析(TGA)は、最初の酸洗浄の後に、23.44%のポリマー結合を示した(2番目の酸洗浄の後に、TGA20.76%)。
【0072】
B.比較例(C2)
上記の例3Aと同様の乾燥したPABA処理R330(プロトン化酸型)50g、Jeffamine M-2005を25g、および脱イオン水600gを、オーバーヘッド攪拌機を用いて30分間攪拌した。30分間の後に、この混合物を耐熱性ガラス皿中に置き、そして一晩70℃で乾燥させた。次いで、未精製の材料を、次いで1500gの脱イオン水を容れた大きなステンレス鋼製ビーカー中で攪拌した。次いで、このスラリーのpHを、pH2に調整し、そしてこのスラリーを1〜2時間混合した。1〜2時間の混合の後に、このカーボンブラックスラリーをろ過し、そして洗浄水のpHが4超となるまで、更なる量の水で洗浄した。このpH調整の後に、処理されたカーボンブラック(試料C2)を耐熱ガラス皿中に置き、そして1〜2日間に亘り、70℃で乾燥させた。結果として得られたポリマー改質カーボンブラックの熱重量分析(TGA)は、最初の酸洗浄の後に、7.65%のポリマー結合を示した(2番目の酸洗浄の後に、TGA6.77%)。
【0073】
C.分散液の調整(C1d)(Jeffamine M-2005改質R330、165℃での熱縮合のSkandex粉砕(試料C1))
165℃で熱的に縮合されたJeffamine M-2005改質R330(23.44%のポリマー結合で、10gの顔料)(試料C1)13.062g、および溶媒として酢酸エチル36.93gを、250mLのステンレス鋼製塗料缶中に量り取った。これに、2mmのガラスビーズ60gを加え、そしてSkandex混合機で6時間に亘って混合することにより分散液を調製した。結果として得られた分散液は、非常に流動性であり、そして容易にろ過可能であった。このガラスビーズは、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.147μm、0.139μmd50、0.226μmd95であることを見出した。
【0074】
D.比較例(C2d)(Jeffamine M-2005改質R330、70℃での熱縮合のSkandex粉砕による分散液の調整(試料C2))
70℃で熱的に縮合されたJeffamine M-2005改質R330(7.65%のポリマー結合で、10gの顔料)(試料C2)10.83g、および溶媒として酢酸エチル39.17gを、250mLのステンレス鋼製塗料缶中に量り取った。これに、2mmのガラスビーズ60gを加え、そしてSkandex混合機で6時間に亘って混合することにより分散液を調製した。結果として得られた分散液は、非常に粘稠であり、そしてろ過が困難であった。このガラスビーズは、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.545μm、0.359μmd50、1.606μmd95であることを見出した。
【0075】
例4.イオン双極子(酸/塩基と類似の手順)
A.改質顔料の調製(D1)
10.00%固形分の、Cab-O-Jet(登録商標)270Y(スルファニル酸処理ピグメントイエロー74、Na型)927gに、Amberlite IRN-77酸性イオン交換樹脂(Supelco)92gを加えて、そしてこの内容物を、単純なオーバーヘッドの混合機を用いて24時間に亘り攪拌した。24時間後に、このイオン交換樹脂を、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。この粘稠なスラリーを、耐熱性のガラス皿中に置き、そして70℃で、1〜2日間乾燥させた。乾燥したら、市販のコーヒー挽き器を用いて、この未精製の処理顔料を微細な粉末へと粉砕して、スルファニル酸処理ピグメントイエロー74、H型を結果として得た。
【0076】
B.改質顔料の調製(D2)
例4A中に詳述したのと類似の手順を用いて、そしてAmberlite IRN-77酸性樹脂(Supelco)を、Dowex Monosphere 99Ca/320(カルシウムイオン交換樹脂)で置き換えて、スルファニル酸処理ピグメントイエロー74、Ca++型を調製した。
【0077】
C.改質顔料の調製(D3)
10%固形分の、Cab-O-Jet(登録商標)270Y分散液(Cabot Corporation)994gに、ZnClを9.4g加えて、そしてこの混合物を、単純なオーバーヘッドの混合機を用いて一晩攪拌した。この試料を、4100rpmで、30分間遠心分離して、そして上澄みをデカント除去した。未精製の遠心分離した顔料ケーキに、脱イオン水を加えた。遠心分離洗浄手順を、遠心分離後の上澄み液の導電度が500μs/cm未満となるまで繰り返した。次いで、未精製の顔料ケーキを、耐熱ガラス皿中に置き、そして1〜2日間に亘り、70℃で乾燥させた。乾燥したら、市販のコーヒー挽き器を用いて、この未精製の処理顔料を微細な粉末へと粉砕して、スルファニル酸処理ピグメントイエロー74、Zn++型を結果として得た。
【0078】
D.改質顔料の調製(D4)
例4C中で詳述したのと類似の手順を用いて、そしてZnClをCuClに置き換えて、スルファニル酸処理ピグメントイエロー74、Cu++型を調製した。
【0079】
E.分散液の調製(改質ピグメントイエロー74を備えたポリマーのSkandex粉砕(Cu++型、試料D4))
スルファニル酸改質ピグメントイエロー74(Cu++対イオン、試料D4)10g、Jeffamine M-2070を3.75g、および溶媒として酢酸エチル36.250gを、250mLのステンレス鋼製塗料缶中に量り取った。これに、2mmのガラスビーズ60gを加え、そしてSkandex混合機で6時間に亘って混合することにより分散液を調製した。結果として得られた分散液は、非常に流動性であり、そして容易にろ過できた。このガラスビーズは、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.1551μm、0.1428μmd50、0.2851μmd95であることを見出した。類似の手順を、H、Na、Ca++、およびZn++対イオンを備えたスルファニル酸処理RY74にも実施した(以下の表を参照)。
【0080】
【表1】

【0081】
F.比較例D5(表面改質ピグメントイエロー74(PY74)の、ポリマー分散剤なしでのSkandex粉砕(Cu++型)
スルファニル酸改質ピグメントイエロー74(Cu++対イオン)10g、および溶媒として酢酸エチル40gを、250mLのステンレス鋼製塗料缶中に量り取った。これに、2mmのガラスビーズ60gを加え、そしてSkandex混合機で6時間に亘って混合することにより分散液を調製した。結果として得られた分散液は、粘稠であり、そしてろ過が困難であった。このガラスビーズは、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして1.284μm、1.176μmd50、2.518μmd95であることを見出した。
【0082】
例5.ポリマーの直接ジアゾニウム結合
A.ポリマー改質顔料の調製(E1)
R330を50g、エタノール/水(50/50)の混用溶液500gに加え、そして簡単なオーバーヘッド混合機を用いて攪拌した。別個の500mLガラスピーカー中で、56.4gのJeffamine XTJ 623(アニリン末端のJeffamine M-2005類似体、0.564ミリモル/gR330=28.2ミリモル)を、エタノール/水の混合溶液(50/50)200gに加え、攪拌プレート上で混合した。次いで、この溶液に、メタンスルホン酸2mL(31ミリモル)を加え、そして酸との15分間の攪拌の後に、1.95gの硝酸ナトリム(28.2ミリモル)をゆっくりとこの溶液に加えて、アニリン部分をジアゾニウム塩へと転換させた。15分間の混合の後に、このJeffamine XTJ 623のジアゾニウム塩を、エタノール/水(50/50)中のR330スラリーにゆっくりと加えた。この反応を、室温で、2時間に亘り進行させた。2時間後に、エタノール/水中の分散液を、耐熱ガラス皿中に置き、そして一晩100℃で乾燥させた。次の日に、未精製の材料を、1500gの脱イオン水を容れた大きなステンレス鋼製のビーカー中で攪拌した。次いで、このスラリーのpHをpH2に調整して、そしてこのスラリーを1〜2時間混合した。1〜2時間の混合の後に、このカーボンブラックスラリーをろ過し、そして洗浄水のpHが4超となるまで更なる量の水で洗浄した。pH調整の後に、処理したカーボンブラックを、耐熱ガラス皿中に置き、そして1〜2日間、70℃で乾燥させた。結果として得られたポリマー改質カーボンブラックの熱質量分析(TGA)は、最初の酸洗浄の後に36.29%のポリマー結合を示した。
【0083】
B.分散液の調整(Jeffamine XTJ 623改質R330、ジアゾニウム結合のSkandex粉砕)
165℃で熱縮合した、Jeffamine M-2005(ジアゾニウムが結合したJeffamine XTJ 623)改質R330を13.062g(23.44%のポリマー結合で、10gの顔料)および溶媒として酢酸エチル36.93gを、250mLのステンレス鋼製塗料缶中に量り取った。これに、2mmのガラスビーズ60gを加え、そしてSkandex混合機で6時間に亘って混合することにより分散液を調製した。結果として得られた分散液は、非常に流動性であり、そして容易にろ過できた。このガラスビーズは、Gerson 2000(商品名)微細メッシュ(190ミクロン)の塗料フィルタを用いて除去した。分散液中の粒子状材料の平均体積粒子径(mV)を、Microtrac(登録商標)粒子径分析計を用いて測定し、そして0.112μm、0.1046μmd50、0.171μmd95であることを見出した。
【0084】
<色性能>
標準的なコロイド安定性試験(例えば、粒子径、粘度など)に加えて、酢酸エチルおよびポリエステル樹脂(Reichold Fine-Tone T-6694樹脂)中の、カーボンブラックおよびカラー顔料分散液の色性能を評価した。例えば、Reichold Fine-Tone T-6694樹脂の貯蔵液および酢酸エチル中の顔料分散液を、調製し、そして1%〜6%の顔料/樹脂比の種々のパーセントの顔料充てん量で配合した。次いで、結果として得た配合品を、BYK-Gardner不透明性チャート上に、2ミルのドローダウンバー(0.002インチ=50ミクロン)を用いて引き落とした(drawn-down)。次いで、結果として得たフィルムの色性能を、HunterLab分光計を用いて分析して、その結果を図1〜4に示した。
【0085】
Jeffamine M-2070 APSES PRl22から調製したフィルムは、慣用の分散剤Solsperse 32500を含んだ非改質PR122試料よりも、より良好な色性能を示した。図1中に総括的に示されているように、顔料表面へのポリマーの直接の結合は、より少ないパーセントの顔料充てん量で、より大きな彩度値をもたらした。四角「黒四角」によって表された点は、Jeffamine M-2070 APSES PR122ポリマー改質顔料のデータの点を示しており、一方で、三角「黒三角」によって表された点は、Solsperse 32500を含んだ非改質PR122のデータの点を示している。
【0086】
向上した彩度に加えて、顔料表面へのポリマーの直接の結合は、図2中に総括的に示されるように色域を向上させる。Jeffamine M-2070 APSES-PR122マゼンタ分散液(四角「黒四角」で示されたデータの点)は、Solsperse 32500を含む非改質PRl22などの慣用の分散剤(三角「黒三角」で示されたデータの点)では可能ではなかった、マゼンタのはるかにより暖色の色調に到達することができる。
【0087】
図3に注目すると、PR122で観察された結果と同様に、Jeffamine M-2070 APSES PB15:3(試料B1、B2およびA1)シアン分散液は、非改質PB15:3 Solsperse 32500含有分散液では不可能な、シアンの最も中性の色調に到達することを可能にすることによって、色域を向上させる。図3では、試料B1のデータの点は、ダイヤモンド「黒ダイヤ」によって表され、試料B2のデータの点は、三角「黒三角」によって表され、そして試料A1のデータの点は、「×」によって表されている。PB15:3および非共役的に結合したJeffamine M-2070(スルファニル酸)のデータの点は、丸「黒丸」によって表されている。Solsperse 32500を含む非改質PB15:3のデータの点は、四角「黒四角」によって表されている。PR122顔料でのように、ポリマーの顔料への直接の結合は、より少ないパーセントの顔料充てん量で、非改質PB15:3 Solsperse 32500分散液の彩度値に匹敵する能力をもたらす。例えば、4%の顔料のJeffamine M-2070 APSES PB15:3(B2)シアン分散液および6%の顔料充てん量の非改質PB15:3 Solsperse 32500含有分散液は、同等の色性能を有している。従って、Jeffamine M-2070 APSES PB15:3(B2)シアン分散液は、2%少ない顔料で、同じ色性能に到達することを可能にさせる。
【0088】
図4中に示したように、非共役結合したJeffamine M-2070(スルファニル酸)PY74分散液(四角「黒四角」)は、非改質PY74 Solsperse 32500の慣用の分散剤試料(三角「黒三角」)に比べて、顔料充填剤の範囲(2〜6%の顔料)に亘って、ほぼ40単位の劇的な彩度の向上を示し、より明るい、より鮮明なフィルムをもたらすことが見出された。
【0089】
<樹脂相溶性>
標準のコロイド安定性試験および色性能試験に加えて、表面改質カーボンブラックと有色顔料およびホストポリエステル樹脂(Reichold Fine-Tone T-6694樹脂)の間の相溶性を評価した。例えば、Reichold Fine-Tone T-6694樹脂の貯蔵液および酢酸エチル中の顔料分散液を調製し、そして顔料/樹脂で1%の比率に配合した。結果として得た配合品を、次いでガラス製の顕微鏡スライド上、に2ミルのドローダウンバー(0.002インチ=50ミクロン)を用いて引き落とした(drawn-down)。次いで、結果として得たフィルムの不均一性および樹脂マトリックス中の顔料相溶性を、光学顕微鏡(オリンパスBX51光学顕微鏡)を用いて解析した。ホストポリエステル樹脂系中の前記の表面改質顔料の相溶性の結果が、総括的に図5〜11中に示されている。
【0090】
例えば、図5には、Jeffamine M-2070を含むRegal 330−スルファニル酸(酸型)(Reichold Fine Tone T-6694ポリエステル樹脂中に1%のポリマー改質顔料)の相溶性の結果が示されている。
【0091】
例えば、図6には、ピグメントブルー15:3-APSES-Jeffamine M-2070(Reichold Fine Tone T-6694ポリエステル樹脂中に1%のポリマー改質顔料)の相溶性の結果が示されている。
【0092】
例えば、図7には、ピグメントレッドPR122-APSES-Jeffamine M-2005(Reichold Fine Tone T-6694ポリエステル樹脂中に1%のポリマー改質顔料)の相溶性の結果が示されている。
【0093】
例えば、図8には、ピグメントイエロー74-APSES-Jeffamine M-2005(Reichold Fine Tone T-6694ポリエステル樹脂中に1%のポリマー改質顔料)の相溶性の結果が示されている。
【0094】
例えば、図9には、Jeffamine M-2005と熱縮合(165℃)されたRegal 330−アミノ安息香酸(酸型)(Reichold Fine Tone T-6694ポリエステル樹脂中に1%のポリマー改質顔料)の相溶性の結果が示されている。
【0095】
例えば、図10には、Jeffamine M-2070と熱縮合(165℃)されたRegal 330−アミノ安息香酸(酸型)(Reichold Fine Tone T-6694ポリエステル樹脂中に1%のポリマー改質顔料)の相溶性の結果が示されている。
【0096】
例えば、図11には、Jeffamine XTJ 623改質R330(直接ジアゾニウム結合)(Reichold Fine Tone T-6694ポリエステル樹脂中に1%のポリマー改質顔料)の相溶性の結果が示されている。
【0097】
対照的に、図12〜14には、比較例が示されている。例えば、図12は、慣用の分散剤(Solsperse 32500-Lubrizol)を含んだ非処理のピグメントレッド122(Reichold Fine Tone T-6694ポリエステル樹脂中に1%のポリマー改質顔料)の相溶性の結果を示す比較例である。
【0098】
図13は、スチレンアクリル共重合体(Joncryl 586-BASFポリマー)を含む非処理のピグメントブルー15:3(Reichold Fine Tone T-6694ポリエステル樹脂中に2%のポリマー改質顔料)の相溶性の結果を示す比較例である。
【0099】
図14は、Jeffamine M-2005と熱縮合(70℃)されたRegal 330−p−アミノ安息香酸(酸型)(Reichold Fine Tone T-6694ポリエステル樹脂中に1%のポリマー改質顔料)の相溶性を示す比較例である。
【0100】
本明細書の態様に合ったポリマー改質顔料配合(例えば、図5〜11)は、ポリエステルフィルムにおいて、より良好な全般的な相溶性を示している。全ての場合において、ポリマー改質顔料は、良好に分散しており、そして塊状にならない。慣用の分散剤で試験した比較例(例えば、図12〜14)は、フィルム中の大きな集塊の出現で証明されるような、ポリエステルフィルム中での不十分な分散、および酢酸エチル中に単独での300nm超の粒子径の不十分な分散、を示した。対照的に、本明細書の開示に合ったポリマーで安定化された顔料は、溶媒中に単独でも優れた分散特性を示した(例えば、粒子径200nm未満)。
【0101】
本発明の好ましい態様に関する上記の記述は、例示と説明を目的として提示されている。網羅的であることや、本発明をここに開示した厳密な形態に限定することは意図していない。上記の教示に照らして変更や変形が可能であり、あるいは本発明を実施する中で変更や変形が得られる可能性がある。これらの態様は、当業者が本発明をさまざまな態様で利用できるようにしたり、検討している特定の用途に適したさまざまな変更を行なったりできるようにするために、本発明の原理とその実際的な応用を説明するために選択して記述してある。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲と、それと同等な内容によって規定されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂と、少なくとも1つのポリマー基が結合された顔料を含むポリマー改質顔料とを含んでなるケミカルトナー組成物であって、該ポリマー改質顔料が、
a)少なくとも1つの有機基が結合された顔料を含む改質顔料、ここで該有機顔料は、少なくとも1つの第1の官能基を含んでおり、ならびに
b)少なくとも1つの第2の官能基を含む少なくとも1種のポリマー、
の反応生成物を含んでおり、
ここで該改質顔料の該第1の官能基および該ポリマーの第2の官能基は、反応して該ポリマー改質顔料を形成する、
ケミカルトナー組成物。
【請求項2】
i)前記改質顔料の前記第1の官能基が、求電子基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基が求核基であるか、または
ii)前記改質顔料の前記第1の官能基が、求核基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基が求電子基である、
請求項1記載のケミカルトナー組成物。
【請求項3】
前記改質顔料の前記第1の官能基が、求電子基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基が求核基である、請求項2記載のケミカルトナー組成物。
【請求項4】
前記改質顔料の前記第1の官能基が、求核基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基が求電子基である、請求項2記載のケミカルトナー組成物。
【請求項5】
前記改質顔料の前記第1の官能基と前記ポリマーの前記第2の官能基が、カルボン酸;エステル;酸塩化物;塩化スルホニル;アシルアジ化物;イソシアネート;ケトン;アルデヒド;無水物;アミド;イミド;イミン;α,β−不飽和ケトン,アルデヒド,もしくはスルホン;ハロゲン化アルキル;エポキシド;アルキルスルホナートもしくはスルフェート;付加−脱離反応を受けることができる芳香族化合物;アミン;ヒドラジン;アルコール;チオール;ヒドラジド;オキシム;トリアゼン;カルボアニオン;ならびにそれらの塩または誘導体、からなる群から独立して選択された、請求項2記載のケミカルトナー組成物。
【請求項6】
前記改質顔料の前記第1の官能基および前記ポリマーの前記第2の官能基が、反応して、前記改質顔料と前記ポリマーの間で付加−脱離生成物を形成する、請求項2記載のケミカルトナー組成物。
【請求項7】
前記改質顔料の前記第1の官能基がアルキルスルフェート基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基がアミノ基である、請求項6記載のケミカルトナー組成物。
【請求項8】
前記アルキルスルフェート基が、(2−スルファトエチル)−スルホン基である、請求項7記載のケミカルトナー組成物。
【請求項9】
前記有機基が、フェニル−(2−スルファトエチル)−スルホン基である、請求項1記載のケミカルトナー組成物。
【請求項10】
前記改質顔料の前記第1の官能基および前記ポリマーの前記第2の官能基が、反応して、前記改質顔料と前記ポリマーの間で縮合生成物を形成する、請求項2記載のケミカルトナー組成物。
【請求項11】
前記改質顔料の前記第1の官能基がアミノ基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基がカルボン酸基であり、かつ前記縮合生成物がアミドである、請求項10記載のケミカルトナー組成物。
【請求項12】
前記改質顔料の前記第1の官能基がカルボン酸基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基がアミノ基であり、かつ前記縮合生成物がアミドである、請求項10記載のケミカルトナー組成物。
【請求項13】
前記改質顔料の前記第1の官能基がアルコール基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基がカルボン酸基であり、かつ前記縮合生成物がエステルである、請求項10記載のケミカルトナー組成物。
【請求項14】
前記改質顔料の前記第1の官能基がカルボン酸基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基がアルコール基であり、かつ前記縮合生成物がエステルである、請求項10記載のケミカルトナー組成物。
【請求項15】
i)前記改質顔料の前記第1の官能基がアニオン性もしくはアニオン化可能な基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基がカチオン性もしくはカチオン化可能な基であり、あるいは
ii)前記改質顔料の前記第1の官能基がカチオン性もしくはカチオン化可能な基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基がアニオン性もしくはアニオン化可能な基である、
請求項1記載のケミカルトナー組成物。
【請求項16】
前記改質顔料の前記第1の官能基がカチオン化可能な基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基がアニオン化可能な基である、請求項15記載のケミカルトナー組成物。
【請求項17】
前記改質顔料の前記第1の官能基がアニオン化可能な基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基がカチオン化可能な基である、請求項15記載のケミカルトナー組成物。
【請求項18】
前記改質顔料の前記第1の官能基および前記ポリマーの前記第2の官能基が、反応して、前記改質顔料と前記ポリマーの間で塩を形成する、請求項15記載のケミカルトナー組成物。
【請求項19】
前記改質顔料の前記第1の官能基がスルホン酸基またはカルボン酸基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基がアミノ基であり、かつ前記塩がアンモニウム塩である、請求項18記載のケミカルトナー組成物。
【請求項20】
前記改質顔料の前記第1の官能基がアミノ基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基がスルホン酸基またはカルボン酸基であり、かつ前記塩がアンモニウム塩である、請求項18記載のケミカルトナー組成物。
【請求項21】
前記ポリマーが、アミン末端ポリマーである、請求項1記載のケミカルトナー組成物。
【請求項22】
前記ポリマーが、アミン末端のポリアルキレンオキシドである、請求項1記載のケミカルトナー組成物。
【請求項23】
前記ポリマーが、前記樹脂である、請求項1記載のケミカルトナー組成物。
【請求項24】
樹脂と、少なくとも1つのポリマー基が結合された顔料を含むポリマー改質顔料とを含んでなるケミカルトナー組成物であって、前記ポリマー改質顔料が、
a)少なくとも1つの有機基が結合された顔料を含む改質顔料、ここで該有機基は少なくとも1つの第1の官能基を含み、および
b)少なくとも1つの第2の官能基を含む少なくとも1種のポリマー、
の結合生成物を含んでおり、
ここで該改質顔料の該第1の官能基と、該ポリマーの該第2の官能基は、互いに配位して、該ポリマー改質顔料を形成し、ここで、
i)該改質顔料の該第1の官能基はアニオン性基であり、かつ該ポリマーの該第2の官能基はカチオン化可能な基であるか、または
ii)該改質顔料の該第1の官能基はカチオン化可能な基であり、かつ該ポリマーの該第2の官能基はアニオン性基である、
ケミカルトナー組成物。
【請求項25】
前記改質顔料の前記第1の官能基および前記ポリマーの前記第2の官能基が、配位して、前記改質顔料と前記ポリマーの間で会合したイオン対を形成する、請求項24記載のケミカルトナー組成物。
【請求項26】
前記改質顔料の前記第1の官能基がスルホン酸塩基であり、かつ前記ポリマーの前記第2の官能基がアミノ基である、請求項24記載のケミカルトナー組成物。
【請求項27】
前記スルホン酸塩基が、式−SOを有しており、Mは、Na、K、Li、Cs、Ca+2、Cu+2、Zn+2、Fe+2、Fe+3、またはZr+4である、請求項24記載のケミカルトナー組成物。
【請求項28】
前記ポリマーが、アミン末端ポリマーである、請求項24記載のケミカルトナー組成物。
【請求項29】
前記ポリマーが、アミン末端ポリアルキレンオキシドである、請求項24記載のケミカルトナー組成物。
【請求項30】
前記ポリマーが、前記樹脂である、請求項24記載のケミカルトナー組成物。
【請求項31】
樹脂と、少なくとも1つのポリマー基が結合された顔料を含むポリマー改質顔料とを含んでなるケミカルトナー組成物であって、前記ポリマー基が、式−X−Z−[PAO]−Rを有しており、ここでXは、前記顔料に直接に結合されており、アリーレンまたはヘテロアリーレン基であり;ZはNR’またはOであり、R’はH、C1〜C18アルキル基、C1〜C18アシル基、アラルキル基、アルカリル基またはアリール基であり;PAOはポリアルキレンオキシド基であり;そしてRはH、置換もしくは非置換のアルキル基、または置換もしくは非置換の芳香族基である、ケミカルトナー組成物。
【請求項32】
Xが、アリーレン基である、請求項31記載のケミカルトナー組成物。
【請求項33】
前記PAOが、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの共重合体である、請求項31記載のケミカルトナー組成物。
【請求項34】
Zが、NHである、請求項31記載のケミカルトナー組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2012−530933(P2012−530933A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516059(P2012−516059)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/001729
【国際公開番号】WO2010/147647
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(391010758)キャボット コーポレイション (164)
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
【Fターム(参考)】