放射性シードを装填するデバイス
【課題】 小線源照射療法において、針、カテーテル又は他の手段に放射性シード及び場合によってスペーサを装填するためのデバイスの提供。
【解決手段】 ディスペンスポートに連絡するY字形状のチャンネルネットワークを規定するローダーボディ部、シード挿入ポートとディスペンス経路との間に延びるシード経路を有するチャンネルネットワークの第1の脚部、及びスペーサ挿入ポートとディスペンス経路との間に延びるスペーサ経路を有するチャンネルネットワークの第2の脚部を有してなり、ディスペンスポートはディスペンス経路の開口端部を規定する、コンテナーにシード及びスペーサを装填するローダーデバイス。
【解決手段】 ディスペンスポートに連絡するY字形状のチャンネルネットワークを規定するローダーボディ部、シード挿入ポートとディスペンス経路との間に延びるシード経路を有するチャンネルネットワークの第1の脚部、及びスペーサ挿入ポートとディスペンス経路との間に延びるスペーサ経路を有するチャンネルネットワークの第2の脚部を有してなり、ディスペンスポートはディスペンス経路の開口端部を規定する、コンテナーにシード及びスペーサを装填するローダーデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者への適用前に、針、カテーテル又は他の手段に放射性シード及び場合によってスペーサを装填(load)するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
小線源照射療法(brachtherapy)、例えば患者の体内に(「シード(seeds)」として知られる)放射性源(radioactive sources)を永久的に移植することによる前立腺(prostrate)癌の治療には、一般に、規定された3Dアレイで一人の患者あたり、80〜100のシードを適用する必要がある。これらのシードは、2つの異なる方法によって植え付けることができる。米国特許第5,242,373号から知られている1つの方法では、ディッシュから遊離したシードと生分解性のスペーサ(例えばガット(catgut))とを、手作業で交互に拾い上げてシードプラグが組み立てられる。スペーサは、シードどうしの間に必要な間隔をもたらすために、シードどうしの間に所望の長さにて配される。組み立てられたプラグは、その後、針を通して患者に埋め込まれる。この方法の問題点は、プラグを製作する人が、ディッシュ内の遊離したシードからの放射線に曝されること、及びシードを埋め込み針に装填する際に放射線に曝されることである。更なる問題点は、かなりの数のシード及びスペーサを個々に取り扱って、それぞれを所望される端と端を接した状態の「プラグ(plug)」を形成するように正しい向きに組み立てる必要があることである。シード/スペーサはいずれも小さく、例えば一般に4〜6ミリメートルの長さであって、このことは、手作業による取り扱いに時間がかかることにもつながり、放射線量の危険を伴うことになる。尤も、この方法は、事前に形成されたプラグによって患者に複数種のシードを一度に埋め込むことができ、処置室で費やす時間が短くなり、シードの間隔を埋め込み前にチェックすることができるという利点を有している。この方法のその他の問題点は、スペーサの使用を必要とすることである。緩く供給されるスペーサは、不均一に、例えば長さが不揃いであったり、ほつれた端部を有していたり、高い湿度に曝されると膨潤したり、乾燥すると静電気を帯びたり、見難かったり、又は供給者によっては特性が異なったりという問題点をもたらし得る。
【0003】
米国特許第5,860,909から知られるもう1つの方法では、個々のシードは、患者の組織から小さいステップで後退させられた針を通して埋め込まれ、各後退ステップの後でシードは組織に注入される。この方法では、各シードを注入した後で針を後退させる程度によってシードどうしの間隔が決められるので、スペーサは必要とされない。この2つ目の方法の実施に一般的に用いられるデバイスは、「ミック・アプリケータ(Mick Applicator)」(登録商標)と称されている。「ミック・アプリケータ」(登録商標)に用いるための個々のシードの取り扱いを容易にするため、「ミック・カートリッジ(Mick Cartridge)」(登録商標)と称されるステンレス鋼又はプラスチック製のマガジンに事前にパッケージされて、複数のシードが供給されている。この方法では、マガジンの正面の開口部の直接的正面を除いて、マガジンが実質的な放射線遮蔽を提供するので、オペレーターが曝される放射線はより少ないものとなる。しかしながら、この方法は、各シードを個々に埋め込んで、針は次のシードを埋め込む前に正確な距離だけ後退させる必要があるので、上述の1つ目の方法と比べて、処置室においてより長い時間を費やす必要があるという問題点を伴っている。更に、シードどうしの間の空間的な分離を確認することは困難である。本発明の目的は、シードを埋め込むための従来技術におけるデバイスおよび方法の問題点を解消することである。
【特許文献1】米国特許第5906574号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、シード埋め込み針に装填するための従来技術のデバイスおよび方法における問題点の少なくともいくつかは、本発明のローダーデバイスおよびそのデバイスにシード埋め込み針を装填するために用いる方法にいよって解消する。デバイスおよびそれを用いることによって、オペレーターは、曝される放射線照射を最小として、埋め込み用のシード針を素早く、容易にかつ正確に装填することが可能となる。
【0005】
デバイスは、マガジンによってスペーサが保護されるという利点を有するスペーサマガジンを含むことが望ましく、スペーサがスペーサマガジンに適するということによって、スペーサに課される少なくともいくつかの寸法的要求、例えば許容される最大長さよりも短い長さ、御許容される最大直径よりも小さい直径を有することを満足することが確保される。スペーサは生分解性のスペーサであって、生体吸収性の合成材料によって形成されることが望ましい。スペーサマガジン内のスペーサは滅菌状態であることが望ましい。同様に、シードマガジンは、滅菌状態のシードを収容すること、及び滅菌状態保全性包装材料によって包装されていることが望ましい。
【0006】
本発明は、コンテナにシード及びスペーサを装填するためのローダーデバイスを提供する。ローダーデバイスは、細長いシードの経路、細長いスペーサの経路、及びディスペンス経路を含むチャンネルネットワークを規定するローダーボディ部を有している。シード及びスペーサの経路はそれぞれ、ディスペンス経路の第1の開口端部と第1の末端部の間で流体が流通し得るように連絡して延びている。ローダーボディ部は、ディスペンス経路と流体が流通し得るディスペンスポートを規定する。ローダーボディ部は、更に、シードディスペンスポートを有しているシードカートリッジを収容するためのシードカートリッジポートを規定する。ローダーボディ部は、レジストリのシードディスペンスポートをシード経路の1つの開口端部と位置合わせ及び位置決めする手段を有している。スペーサポートは、スペーサ経路の1つの端部と流体が流通し得るように連絡している。シードプランジャーによってシードカートリッジからシード経路の開口端部にシードがディスペンスされると、シードカートリッジからディスペンスされたシードは、シード経路を通ってディスペンス経路へ送られる。
【0007】
ローダーボディ部は、スペーサディスペンスポートを有するスペーサカートリッジを収容するためのスペーサカートリッジ開口部を更に規定することができる。ローダーボディ部は、レジストリのスペーサディスペンスポートをスペーサ経路の1つの開口端部と位置合わせ及び位置決めする手段を有し得る。スペーサプランジャーによってスペーサカートリッジからスペーサ経路の開口端部にスペーサがディスペンスされると、スペーサカートリッジからディスペンスされたスペーサは、スペーサ経路を通ってディスペンス経路へ送られる。
【0008】
ディスペンスポートは、ディスペンス経路へ送られるシード及びスペーサを受容するためのコンテナを脱着可能に受容するコンテナアダプターによっても更に規定され得る。コンテナは、例えば細長い中空の針を含むシード又はスペーサ用の種々の有用なホルダの形態であってよい。ローダーボディ部は、ディスペンス経路へ送られるシード及びスペーサを視認できるように、チャンネルネットワークの少なくとも一部を規定する透明な窓部を更に有することができる。
【0009】
本発明のローダーデバイスは、ディスペンス経路内で選択的に位置決めできる脱着可能な封止手段を更に有することができる。脱着可能な封止手段は、ディスペンス経路内のシード及びスペーサをディスペンスポートを通して通過させることを防止する第1の状態と、ディスペンス経路内のシード及びスペーサをディスペンスポートを通して通過させることを許容する第2の状態との間で動かすことができる。窓部と脱着可能な封止手段とを組み合わせることによって、ユーザーはシード及びスペーサを中空の針の中へ装填する前に、シード及びスペーサの列が適切な順であることを目視的に確認することができる。
【0010】
本発明は、重力の作用下でシード及びスペーサがディスペンスポートを通過し得るような向きにローダーボディ部を保持するためのスタンドアッセンブリを提供することをも意図している。スタンドアセンブリは、ユーザーが自らローダーデバイスを支持する必要を伴わずに、シード及びスペーサを装填することを可能とする。スタンドアッセンブリは、ベース部材、及び、該ベース部材とローダーボディ部との間に延びる長尺の脚部を有している。スタンドアッセンブリは、ユーザーが、コンテナアダプターに取り付けられた容器(コンテナ)とユーザーとの間に延びる第1の状態と、コンテナアダプターに取り付けられた容器(コンテナ)にユーザーがアクセスできる第2の状態との間で、脚部に対して脱着可能に取り付けることができる遮蔽部材を更に有することができる。スタンドアッセンブリは、不注意によってローダーデバイス又はコンテナから放出されるシード又はスペーサを捕捉又は保持するために、ディスペンスポートの下方でベース部材に位置する流出物保持カップを更に有することができる。
【0011】
本発明は、ディスペンスポートにY字形状のチャンネルネットワーク開口部を規定するローダーボディ部を有する、コンテナの中にシード及びスペーサを装填するためのローダーデバイスを更に提供する。チャンネルネットワークの1つの脚部は、シード挿入口とディスペンス経路との間で延びるシード経路を有している。チャンネルネットワークのもう1つの脚部は、スペーサ挿入口とディスペンス経路との間で延びるスペーサ経路を有している。ディスペンスポートはディスペンス経路の開口端部を規定する。ローダーボディ部は、ディスペンスポートの周りで、チャンネルネットワークを通過するシード及びスペーサ用のコンテナを脱着可能に受けるコンテナアダプターを規定し得る。
【0012】
本発明は、(i)ローダーデバイスに、ボディ部、シードマガジン収容及び位置決め手段、シードマガジンからシードを排出させるシードディスペンス手段、ディスペンスポートに連絡するシード移送経路、及びディスペンスポートに連絡するスペーサ移送経路を設ける工程;(ii)1又はそれ以上のシードを含むシードマガジンをシード移送経路に取り付け、前記ディスペンスポートを通してシードをディスペンスする工程;(iii)スペーサを前記スペーサ移送経路内に配する工程;及び(iv)前記開口部を通してスペーサをディスペンスする工程を含むシード及びスペーサを装填するための方法を更に提供する。この方法は、(v)ローダーデバイスに、スペーサマガジン収容及び位置決め手段を設ける工程;(vi)スペーサを含むスペーサマガジンを、スペーサマガジン収容及び位置決め手段に取り付ける工程;(viii)スペーサを前記スペーサ移送経路内に排出する工程;及び(ix)前記ディスペンスポートを通してスペーサをディスペンスする工程
を含むこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1及び2はそれぞれ、本発明のローダーデバイス1の1つの態様における正面図及び側面図を示している。これらの図は、説明の便宜上、内部の特徴的事項を正しい縮尺では示していない。本発明のローダーは、シード・インプラント針の調製を促進するためのものであって、シードを患者に直接的適用に用いることは意図していない。ローダー1は長尺のボディ部3を備えており、ボディ部3は、広い前方表面5’及び後方表面5”、第1の短い表面7’及び第2の短い表面7”、並びに上側端部表面9’及び下側端部表面9”を有している。ボディ部3には、上側端部表面9’の表面にある開口部6から、下側端部表面9”のディスペンスポート8へ、直径をD1、D2、D3と段階的に(段付き形状に)変化させて延びる細長いスルーホール11が設けられている。スルーホール11の直径D1は、上側端部表面9’から、スルーホール11をほぼ3分の1程降下した部分から始まる中間部分15へ延びる上側部分13において最も大きい。中間部分15は中間の直径D2を有しており、上部の部分13の下側端部からスルーホール11をほぼ半分降下した部分まで延びている。スルーホール11の直径D3は、中間部分15の下側端部から下側端部表面9”へ延びる下側部分17において最も狭くなっている。下側部分17は、ディスペンスポート8へシードを導くためのシード移送経路として機能するためのものである。上記の説明における方向は、上側端部表面9’が最も上側に位置して、ローダーが実質的に垂直な姿勢に保たれる、所望の動作方向にローダー1がある場合の構成について言及していることに注意されたい。
【0014】
ボディ部3は、その中に収容する放射性シードから発せられる放射線からオペレータを保護するのに適する厚さを有する、放射線遮蔽材料により形成されている。ボディ部3の第1の短い表面7’には、側方開口部19が設けられている。この開口部19は、標準的なシードマガジン(図示せず)を受容するために適用される凹部23へ連絡する。凹部23は、シードマガジンのボディ部を受容するのに適合する直径D4を有する第1の円筒形状部分25、並びにシードマガジンの四角形の設置アームを受け入れ及び保持するのに適合する四角形形状部分27を有している。四角形形状部分27は、スルーホール11とその下側端部表面9”から約3分の1付近にて交差する。円筒形状部分25及び四角形形状部分27の長さ及び向きは、シードマガジンを凹部23に十分に挿入した後、(以下に説明する)シードマガジン内のシードディスペンスポートがスルーホール11に位置合わせされるように調整されている。
【0015】
広い前方表面5’には、スルーホール11の出口部8に内部シュート33によって接続されるスペーサ受容凹部31に続くスペーサ入口開口部29の形態のスペーサ移送経路が設けられている。開口部29は、スペーサ(図示せず)を凹部31の中へ容易に装填することができるように十分な大きさを有する。スペーサ受容凹部31の底部分35は、スペーサをシュート33の中に容易に入れることができるように、ロート形状であることが望ましい。シュート33の直径は、シュート33を通してスペーサを出口部8へ移送することができるように、スペーサの直径より大きく設けられている。
【0016】
スルーホール11は、シードディスペンス手段、例えば図1及び2に立てた状態で示す段付き円筒形状プランジャー37を受容することができる。プランジャー37は、D1より小さく、D2より大きい直径D5、及びスルーホール上側部分13の長さと同じか又はそれより長い長さを有する上側部分39を有している。上側部分39は、D2より小さく、D3より大きい直径D6、及びスルーホール中間部分15の長さとほぼ同じか又はそれより長い長さを有する同心状の中間部分41に連絡している。中間部分41は、D3より小さく、且つ、シードマガジン内のシードディスペンスポートの直径よりも小さい直径D7を有する同心状の下側部分43に連絡している。下側部分43は、スルーホール中間部分15から四角形形状部分27の底部表面までの長さとほぼ同じか又はそれより長い長さを有している。プランジャーの各部分39、41、43及びスルーホールの各部分13、15、17の長さは所望に応じて変更することができる。唯一の要件は、図1及び2に示すように、プランジャー下側部分43が凹部23内に配されるシードマガジンのシードディスペンスポートの上方にプランジャー下側部分43が位置するシード装填上側位置へプランジャー37を引き込むことを可能なようにし、並びに、図3に示すように、凹部23内に配されるシードマガジンのシードディスペンスポートを通ってプランジャー下側部分43が延びるディスペンス下側位置へプランジャー37を押し下げることも可能となるように設定することである。これによって、シードディスペンスポート内に位置するシードをスルーホール11の中を通して落とし、出口部8へ及び出口部8を通して降下させることができる。プランジャー37には、スルーホール11の下側部分に望ましくない物質が入ることを防止するために、シール手段45、例えばO−リングが設けられることが望ましい。プランジャー37の上側端部には、プランジャー上側部分39の面積よりも大きい面積を有し、プランジャー37を持ち上げたり押し下げたりするのに用いることができる操作表面47を設けることができる。所望する場合には、プランジャー37に弾性的手段、例えばバネ49を設けることができ、その弾性的手段はプランジャー37の位置を上側装填位置に偏らせることができる。
【0017】
スルーホールの下側端部には、アダプター手段、例えばネジ付きボス51若しくはルアー針フィッティング等が設けられており、そこに埋め込み針又はカプセル又は他のコンテナーを取り付けることができる。ユニバーサルアダプターを設けることもできる。
【0018】
図5及び6は、それぞれ本発明のローダーデバイスに取り付けることができるシードマガジン53又はスペーサマガジン53Aの側面図及び端面図を示している。マガジン53/53Aは、六角形の断面を有し、長い中空のボディ部55を有している。他の断面形状、例えば、円形、正方形、楕円形等を採用することもできる。放射性シードを収容するために使用する場合、ボディ部55は、放射線遮蔽特性を有する材料、例えば、鉛添加プラスチック、ステンレス鋼、鉛ガラス、鉛、タングステン等の材料によって形成することが望ましい。ボディ部の第1の装填端部は脱着可能なエンドプレート57によって封止されているが、他方の端部には長手方向に突出する2つの設置アーム61どうしの間に配されて、シード又はスペーサディスペンス用出口部59が設けられている。出口部59は、設置アーム61を通してあけられた縦方向のシードディスペンスポート63を有している。シード65又はスペーサ65Aはマガジン53/53Aの中で整列させられ、マガジン53/53A内の弾性的手段、例えばバネ67によって、孔部63の方へ押される。バネ67によってもたらされる力は、孔部63の壁部と孔部63内のシード65若しくはスペーサ65Aとの間の摩擦によって、シード65若しくはスペーサ65Aが孔部63から重力の作用によって落下することを防止するのに十分な大きさである。
【0019】
スペーサ用のマガジン53Aには、生体吸収性の合成材料によって形成されることが所望のスペーサ65Aが入れられることが好ましい。従来技術のスペーサは、腸線(動物起源の材料であって、規制や需要者の受け入れの観点からあまり望ましいものではなかった)によって形成されていた。そのような生体吸収性の合成材料の例には、約90%のポリグリコール酸及び約10%のポリラクチドからなるVicryl(登録商標)がある。スペーサ材料は、オートクレーブ処理による加熱殺菌又は乾式加熱殺菌に用いられる温度に対する耐性を有することが望ましい。スペーサ65Aは、Tyvek(登録商標)等のような滅菌状態保全性包装材料によって滅菌マガジン53A内で滅菌状態で供給することもできる。滅菌状態は、使用するスペーサの組成物に応じて、いずれかの好適な方法、例えば加熱又はエチレンオキシドガスに曝すこと(この場合において、マガジンを包装した後に滅菌処理をするのであれば、ガス透過性包装材料が必要である)によって行うことができる。事前包装された滅菌状態のスペーサによれば、使用する前に、オペレータが自分でマガジン53Aに装填したり、スペーサを滅菌するために時間を消費したりする必要がないという利点がある。これによって、滅菌状態のスペーサが用いられることが確保される。
【0020】
同様に、シード65も、シード53用のマガジンに事前装填されて、滅菌状態で供給することができる。このマガジン53は、Tyvek(登録商標)等の滅菌状態保全性包装材料によって滅菌状態で供給することもできる。シード及びマガジンはいずれかの好適な方法、例えば、スペーサマガジンのスペーサ65Aに関して上述してような方法で滅菌することができる。多様なパッケージの寸法、例えば5個のシード、10個のシード、又は15個のシードが装填されているマガジン53を含むパッケージを提供することができる。
【0021】
埋め込み針を装填するための本発明のローダーデバイスの使用について説明する。オペレータはローダー1を垂直な状態で保持するか又は垂直な状態のスタンドに立てる。マガジンのシードディスペンスポート63とスルーホール11とが位置合わせ(整列)されるようになるまで、シード65を収容しているシードマガジン53を開口部21を通して挿入する。図示しないが、ローダー1は、マガジン53をこの状態に脱着可能なように保持するためのロック手段、例えばロック歯を有することが望ましい。それから埋め込み針をアダプター手段51に取り付ける。シード及びスペーサが針の底部から落下することを防止するため、針の底側端部に、脱着可能な封止手段、例えばプラグ又はエンドキャップ等を設けることもできる。その後、プランジャー37は、オペレータによってその下側のシードディスペンス位置へ押し下げられる。プランジャー37が押し下げられると、プランジャー下側部分43がマガジン53内のシードディスペンスポート63を通り抜けることによって、シード65がマガジン53からスルーホール下側部分17へ押し出される。スルーホール下側部分17の直径はシードの直径よりも大きいので、シードはスルーホール11の中を自由に落下し、スルーホール11の下側端部及びアダプタ51を通り抜け、針の中に入る。それからプランジャー37は上側の装填位置に引き上げられる。プランジャー下側部分43がマガジン53のシードディスペンスポート63を通って戻る際に、マガジン53の弾性的手段67によって新しいシード65がシードディスペンスポートの中に装填される。オペレータは、スペーサ受容凹部31の中に所望の寸法のスペーサ65Aを配置し、スペーサ65Aを離す。スペーサ65Aは、スペーサの直径より大きい直径を有する内部シュート33の中を降下し、アダプター51を通って針の中に入る。所望する数のシード及びスペーサーが針の中に装填されるまで、この操作を繰り返す。針は、アダプター51から外して使用したり、後で使用するために保存したりすることができる。処置に必要すべての針についてこの操作を繰り返すことができる。
【0022】
次に、シードプラグを形成するための本発明のローダーの使用について説明する。オペレータは、ローダー1を垂直な状態で保持するか又は垂直な状態のスタンドに立てる。マガジンのシードディスペンスポート63とスルーホール11とが位置合わせ(整列)されるようになるまで、シード65を収容しているシードマガジン53を開口部21を通して挿入する。その後、シードプラグコンテナをアダプター手段51に取り付ける。装填が支障なく行われていることをオペレーターがチェックし、シード及びそのスペーシングの数をチェックすることができるように、このコンテナは透明であることが好ましい。放射線からオペレータを遮蔽するため、後記するように、本発明のデバイスの透明コンテナ及びその他の透明パーツは、放射線減衰特性を有する透明材料、例えば、鉛添加アクリルなどによって形成することが望ましい。シード及びそのスペーシングの数のチェックを容易にするため、コンテナに段階的なマークを付することが好ましい。シードがコンテナの底側端部から落下することを防止するため、コンテナの底側端部に脱着可能なプラグを設けるか、又は他の方法で封止する。上述したように、プランジャー37がオペレータによって下側のシードディスペンス位置へ押し下げられ、シードがコンテナの中へ落とされる。その後オペレーターは、スペーサ受容凹部31の中に所望の長さのスペーサ65Aを配置し、スペーサ65Aを離す。スペーサ65Aは、スペーサの直径より大きい直径を有する内部シュート33の中を降下し、アダプター51を通ってコンテナの中に入る。所望する数のシード65及びスペーサー65Aがコンテナの中に装填されるまで、この操作を繰り返し、コンテナはアダプター51から外して使用したり、後で使用するために保存したりすることができる。
【0023】
例えば、オペレータがシード65の放射能を測定するために、シードマガジン53からシード65を取り出そうとする場合、シードマガジン65を通常のように取り付け、ローダー1の下方にいずれかの好適なコンテナを配置し、プランジャー37を押し下げることによってコンテナの中にシード65を取り出すことができる。
【0024】
図7は、本発明のローダー101の第2の態様を示している。この態様では、本発明の第1の態様と同様の機能を有する多くの特徴を有しているが、簡便のためにそれらについては特に説明しない。この態様において、ローダーは、シード用の第1のディスペンス手段、例えばプランジャー137、及びスペーサ用の第2のスペーサディスペンス手段、例えばプランジャー197、並びに第1及び第2のマガジン収容凹部123、183をそれぞれ有している。上述したように、スペーサマガジン53Aはプレカットされたスペーサ65Aを収容しており、シードマガジン53と同様に機能する。マガジンは滅菌状態であって、マガジンの内容物はマガジンに入れる前に滅菌されていることが望ましい。装填された及び空のマガジン及びローダーは、例えばオートクレーブ内で加熱することによって殺菌できることは更に望ましい。混乱を避けるために、シードマガジンとスペーサマガジンとは異なる形状及び寸法を有するようにすることができる。このことは、スペーサ65A及びシード65がしばしば異なる長さを有する場合、例えばスペーサ65Aは5.5ミリメートル長さであって、シード65が4.5ミリメートル長さであるような場合に特に望ましい。別法として、経済的観点から、シード及びスペーサに同じマガジンを用いることもできる。その場合には、混乱を避けるために、互いに異なる色か又は異なるマーキングを付することが望ましい。どのような場合であっても、異なる型のマガジンに異なる色分けをすること、例えば、スペーサ用には白色のマガジンを、シード用には青色のマガジンを供給するは有用である。異なる形状又は寸法のマガジンを使用する場合には、第1及び第2のマガジン収容凹部の直径D4、D14をそれぞれ対応するように調整して、各凹部に誤った型のマガジンを取り付けることを防止する必要がある。
【0025】
第1のプランジャー137は、アダプター151を取り付けることができる出口部108に連絡する段付きのスルーホール111の中に動けるように取り付けられ、一方、第2プランジャー197も出口部108に連絡する段付きのスルーホール171の中に動けるように取り付けられている。ローダー101は、個々のスペーサをスペーサ入口開口部を通して手で装填する代わりに、プランジャー167を押し下げることによって装填することができることを除いて、ローダー101はローダー1と同様にして操作することができる。
【0026】
図8及び9は、本発明のローダーデバイス201の第3の態様を示す。この態様は、本発明の第1及び第2の態様と同様の機能を有する多くの特徴を有しているが、簡便のためにそれらについては特に説明しない。理解しやすいように、図8では、プランジャーの隠された部分を実線で示し、図9ではプランジャー全体を省略している。この態様では、ローダーには、シード用の第1のディスペンス手段、例えばプランジャー237、及びスペーサ用の第2のディスペンス手段、例えばプランジャー297、並びに第1及び第2のマガジン収容凹部123、183をそれぞれ有している。第1のマガジン収容凹部223はシードマガジン53を収容し保持するように適用されており、第2のマガジン収容凹部283はスペーサマガジン53Aを収容し保持するように適用されている。上述したように、混乱を避けるために、シードマガジン53とスペーサマガジン53Aとは異なる形状又は寸法又は色彩を有するようにすることができる。第1のプランジャー237は、Y字形状のチャンネル277の第1のアーム275の頂部に連絡する第1の段付きスルーホール211内に配されており、第2のプランジャー297は、Y字形状のチャンネル277の第2のアーム279の頂部に連絡する第2の段付きスルーホール271内に配されている。Y字形状のチャンネル277の2つのア−ム275、279は、Y字形状のチャンネル277の垂直方向の脚部281の頂部にて合流する。アーム275、279は頂部において相対的に幅広く、脚部281との交差部分へ向かって先細りになっていることが望ましい。脚部281は、ローダーの底部表面285にある開口部208まで下方に延びている。シード65及びスペーサ65Aが脚部281で詰まることを防止するため、脚部281の寸法は、シードとスペーサとが互いに追い越したり(又は互いに追い越す状態が始まったり)することを防止するために十分狭く選択することが望ましい。ローダーの後部表面からローダーの前方へ延びており、脚部281と交差するホール289の中に、脱着可能なブロックデバイス、例えばピン287を挿入することができる。ホール289に挿入されると、このピン287は脚部281内でシード及びスペーサが通過することを防止する。ピン287は、脚部281を塞ぐようにバネによって偏らされるバルブ型部材であってもよい。ばねバイアスを乗り越えると、ピン287は脚部281と流体が流通し得る開口部を提供し、シード及びスペーサのプラグを通過させることができる。ローダー201の前部表面には、放射線遮蔽材料、例えば鉛添加アクリルなどによって形成されることが好ましい透明部分291が設けられており、これによってオペレータは脚部281内のシードから出る放射線から保護されながら、脚部281の内容物を観察することができる。この透明部分291は、経路の清浄化、異物の排除、又は詰まったシード又はスペーサの排除を容易に行うために、迅速かつ容易に取り外すことができるように設けることができる。シードを取り除く必要がある場合、このように迅速に分解することは、オペレータがシードからの放射線に曝されるのがごく短時間であって、オペレータはごく低い線量で照射を受ける。シード及びスペーサのプラグを形成する場合、ピン287をブロック位置に配置して、シード及びスペーサをピン287上に落下させ、脚部281にシード及びスペーサを入れる。透明部分291に、デバイス内のシード及びスペーサの数をチェックするのを支援するグラジュエーション・マークを設けることができる。透明部分291は、オペレータがプラグ形成中に中断させられたような場合等において、オペレータが復帰するときに形成中のプラグの状態をチェックすることができる。シード及びスペーサの標準的でないアレンジメント、例えば変化し得る数のスペーサによってシードを分けることも、針の中に装填する前に透明部分を通して目視的に確認することができる。ローダー201は、ローダー101と同様にして操作することができる。
【0027】
図10に模式的に示すが、本発明の更なる態様では、単一のプランジャー337を用いて、スペーサ65A及びシード65を交互に装填する。プランジャー337はピストン351に接続され、ピストン351は2つの延長部353、355を有し、各延長部353、355はY字形状のチャンネル377の腕375、379と位置合わせされており、これによってシード及びスペーサ移送経路が形成されている。延長部353は延長部355より短い。このことは、プランジャー337が押し下げられると、第2のマガジン収容ポート353内のマガジン(図示せず)の中を延長部353が通過する前に、第1のマガジン収容ポート359内のマガジン(図示せず)の中を延長部355が通過することになるということを意味する。プランジャー337には、これが支持されるホール311の内側のバネ装着されたインデキシング・ピン363に対応する3つの凹部361’−361'''が設けられている。第1の凹部361’をインデキシング・ピン363と位置合わせさせると、その場合にはいずれの延長部もマガジン収容ポート357、359内にはない。第2の凹部361”をインデキシング・ピン363と位置合わせさせると、その場合には延長部355がマガジン収容ポート357、359のレベルを通過する。第3の凹部361'''をインデキシング・ピン363と位置合わせさせると、その場合には延長部355がマガジン収容ポート357、359のレベルを通過する。オペレータは、第1の凹部361’がインデキシング・ピン363に位置合わせされるようになるまでプランジャー337を持ち上げた後、このローダーにマガジンを装填することができる。第1のマガジンはシードを収容し、第2のマガジンはスペーサを収容していると理解されたい。オペレータは、第2の凹部361”がインデキシング・ピン363に位置合わせされるようになるまでプランジャー337を押し下げることによって、第1のマガジンからシード65を排出させることができる。第3の凹部361'''がインデキシング・ピン363に位置合わせされるようになるまでプランジャー337を押し下げることによって、スペーサ65’を排出させることができる。次のシードを排出させる前に、次のスペーサを排出させることを所望する場合、第2の凹部361”がインデキシング・ピン363に位置合わせされるようになるまでプランジャー337を押し上げ、その後再度押し下げる。それからシードの装填を所望する場合には、第1の凹部361’がインデキシング・ピン363に位置合わせされるようになるまでプランジャーを上昇させ、その後、第2の凹部361’がインデキシング・ピン363に位置合わせされるようになるまでプランジャーを降下させる。
【0028】
図11を参照すると、本発明は、本発明のローダー用のスタンドアッセンブリ400を更に備えている。このスタンドアッセンブリ400は上述したいずれのローダーと共に用いることもできるが、ここではローダー201と共に用いる場合について説明する。
【0029】
スタンドアッセンブリ400は、重力を利用して、ディスペンスポート208を通してシード及びスペーサを通過させる向きにローダー201の長尺のローダーボディ部を保持するように設けられる。スタンドアッセンブリ400は、ベース部材402、並びに、ローダー201の長尺のローダーボディ部とベース部材402との間に延びる長い脚部404を有している。長尺の中空針406がコンテナアダプター251に取り付けられ、シード及びスペーサの規則的な列を受容する。ローダー201が放射線シードの装填に有用な場合、細長く平面状の遮蔽部材408を脚部404に対して動かして取り付け、針406の中にディスペンスされるシードの放射線からユーザーを遮蔽する。遮蔽部材408は、ユーザーとコンテナアダプター251に取り付けたコンテナとの間で延びる第1の状態と、ユーザーのコンテナアダプター251に取り付けたコンテナへのアクセスを許容する第2の状態との間で動かすことができるように取り付けられる。更に、流出物保持カップ410は、ディスペンスポート208のレジストリの下側にあるベース部材402に位置している。カップ410は、ローダーに配置されて、底部アパーチャが不注意によって開いたままになっている場合のコンテナから又は開口部208を通過したシード又はスペーサを捕捉し及び保持する機能を果たす。
【0030】
本発明のローダー1、101、201は、放射線を遮蔽する材料、例えば鉛添加プラスチック、ステンレス鋼、鉛ガラス、鉛、タングステン等のから形成されることが好ましい。
【0031】
上記の態様は、シード及びスペーサ用の別のディスペンスポートを設けることによって変更することができる。これらの開口部を1つの針又はコンテナと透明チューブによって接続し、ローダー内のディスペンス経路を垂直にすること、及び、これによってローダーに詰まりが生じる可能性を低減することを達成することができる。透明チューブを用いることによって、オペレーターがチューブ内でシード又はスペーサが詰まりを生じたか否かをチェックすることができるようになる。更に、図11は、プランジャー237及び297の間に設けられたディバイダ298を示している。隣接したプランジャーを分けるようにディバイダを設けることによって、ユーザーがディスペンス操作の間に、違う方のプランジャーを誤って押し下げないことを更に確保することもできる。
【0032】
上述した態様は、スペーサマガジンがない場合には、オペレーターが手で(好ましくは鉗子等を用いて)ポートにスペーサを挿入し、スペーサ移送経路の中にスペーサを落下させるような寸法に形成されたスペーサマガジン収容ポートを有するデバイスを設けることによって変更することができる。別法として、オペレーターがマガジンを用いるか、又はスペーサ若しくは他の材料を手で装填するかを選択できるように、スペーサマガジン収容ポート、又は、スペーサ若しくは他の材料をスペーサ移送経路の中に人手によって導入するための別のポートの両者をデバイスに設けることもできる。更に、シードはローダーの一方の側から常にディスペンスされ、スペーサはローダーの他方の側から常にディスペンスされるように、シードマガジンとスペーサマガジンとの間で、ローダーとの結合形状が異なるようにすることも考えられる。
【0033】
更に、コンピュータによって又はオペレータの遠隔操作によって制御することもできるプランジャー活性化手段を設けることによって、本発明のデバイスをオートメーションに容易に適応させることができる。好適な作動手段は、例えば、電動機のような油圧若しくは空気圧のアクチュエーター、又は電気的に動力が付与されるアクチュエーター、例えば電動モータ、線形アクチュエーター等であってよい。更に、ロボットアームのようなマガジン交換手段を設けることもできる。
【0034】
本発明の精神及び範囲から離れることなく、本願明細書に記載した本願の発明について多くの変更及び修正を行うことができる。実施態様として記載した特定の態様例は説明のためのものであって、本発明は特許請求の範囲に記載する特徴によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、本発明のローダーデバイスの第1の状態における1つの態様を示す正面図である。
【図2】図2は、図1のデバイスに示す側面図である。
【図3】図3は、図1に示すローダーデバイスの第2の状態を示す正面図である。
【図4】図4は、図3のデバイスに示す側面図である。
【図5】図5は、本発明のローダーデバイスと共に用いるのに適するマガジンの1つの態様を示す側面図である。
【図6】図6は、図5のマガジンに示す端面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の態様を示す正面図である。
【図8】図8は、本発明の第3の態様を示す正面図である。
【図9】図9は、図8に示すデバイスの側面図である。
【図10】図10は、本発明の第4の態様を示す正面図である。
【図11】図11は、本発明のいずれかのローダーデバイスと共に用いるのに適用し得るスタンドアッセンブリと、本発明のローダーデバイスを示す正面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者への適用前に、針、カテーテル又は他の手段に放射性シード及び場合によってスペーサを装填(load)するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
小線源照射療法(brachtherapy)、例えば患者の体内に(「シード(seeds)」として知られる)放射性源(radioactive sources)を永久的に移植することによる前立腺(prostrate)癌の治療には、一般に、規定された3Dアレイで一人の患者あたり、80〜100のシードを適用する必要がある。これらのシードは、2つの異なる方法によって植え付けることができる。米国特許第5,242,373号から知られている1つの方法では、ディッシュから遊離したシードと生分解性のスペーサ(例えばガット(catgut))とを、手作業で交互に拾い上げてシードプラグが組み立てられる。スペーサは、シードどうしの間に必要な間隔をもたらすために、シードどうしの間に所望の長さにて配される。組み立てられたプラグは、その後、針を通して患者に埋め込まれる。この方法の問題点は、プラグを製作する人が、ディッシュ内の遊離したシードからの放射線に曝されること、及びシードを埋め込み針に装填する際に放射線に曝されることである。更なる問題点は、かなりの数のシード及びスペーサを個々に取り扱って、それぞれを所望される端と端を接した状態の「プラグ(plug)」を形成するように正しい向きに組み立てる必要があることである。シード/スペーサはいずれも小さく、例えば一般に4〜6ミリメートルの長さであって、このことは、手作業による取り扱いに時間がかかることにもつながり、放射線量の危険を伴うことになる。尤も、この方法は、事前に形成されたプラグによって患者に複数種のシードを一度に埋め込むことができ、処置室で費やす時間が短くなり、シードの間隔を埋め込み前にチェックすることができるという利点を有している。この方法のその他の問題点は、スペーサの使用を必要とすることである。緩く供給されるスペーサは、不均一に、例えば長さが不揃いであったり、ほつれた端部を有していたり、高い湿度に曝されると膨潤したり、乾燥すると静電気を帯びたり、見難かったり、又は供給者によっては特性が異なったりという問題点をもたらし得る。
【0003】
米国特許第5,860,909から知られるもう1つの方法では、個々のシードは、患者の組織から小さいステップで後退させられた針を通して埋め込まれ、各後退ステップの後でシードは組織に注入される。この方法では、各シードを注入した後で針を後退させる程度によってシードどうしの間隔が決められるので、スペーサは必要とされない。この2つ目の方法の実施に一般的に用いられるデバイスは、「ミック・アプリケータ(Mick Applicator)」(登録商標)と称されている。「ミック・アプリケータ」(登録商標)に用いるための個々のシードの取り扱いを容易にするため、「ミック・カートリッジ(Mick Cartridge)」(登録商標)と称されるステンレス鋼又はプラスチック製のマガジンに事前にパッケージされて、複数のシードが供給されている。この方法では、マガジンの正面の開口部の直接的正面を除いて、マガジンが実質的な放射線遮蔽を提供するので、オペレーターが曝される放射線はより少ないものとなる。しかしながら、この方法は、各シードを個々に埋め込んで、針は次のシードを埋め込む前に正確な距離だけ後退させる必要があるので、上述の1つ目の方法と比べて、処置室においてより長い時間を費やす必要があるという問題点を伴っている。更に、シードどうしの間の空間的な分離を確認することは困難である。本発明の目的は、シードを埋め込むための従来技術におけるデバイスおよび方法の問題点を解消することである。
【特許文献1】米国特許第5906574号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、シード埋め込み針に装填するための従来技術のデバイスおよび方法における問題点の少なくともいくつかは、本発明のローダーデバイスおよびそのデバイスにシード埋め込み針を装填するために用いる方法にいよって解消する。デバイスおよびそれを用いることによって、オペレーターは、曝される放射線照射を最小として、埋め込み用のシード針を素早く、容易にかつ正確に装填することが可能となる。
【0005】
デバイスは、マガジンによってスペーサが保護されるという利点を有するスペーサマガジンを含むことが望ましく、スペーサがスペーサマガジンに適するということによって、スペーサに課される少なくともいくつかの寸法的要求、例えば許容される最大長さよりも短い長さ、御許容される最大直径よりも小さい直径を有することを満足することが確保される。スペーサは生分解性のスペーサであって、生体吸収性の合成材料によって形成されることが望ましい。スペーサマガジン内のスペーサは滅菌状態であることが望ましい。同様に、シードマガジンは、滅菌状態のシードを収容すること、及び滅菌状態保全性包装材料によって包装されていることが望ましい。
【0006】
本発明は、コンテナにシード及びスペーサを装填するためのローダーデバイスを提供する。ローダーデバイスは、細長いシードの経路、細長いスペーサの経路、及びディスペンス経路を含むチャンネルネットワークを規定するローダーボディ部を有している。シード及びスペーサの経路はそれぞれ、ディスペンス経路の第1の開口端部と第1の末端部の間で流体が流通し得るように連絡して延びている。ローダーボディ部は、ディスペンス経路と流体が流通し得るディスペンスポートを規定する。ローダーボディ部は、更に、シードディスペンスポートを有しているシードカートリッジを収容するためのシードカートリッジポートを規定する。ローダーボディ部は、レジストリのシードディスペンスポートをシード経路の1つの開口端部と位置合わせ及び位置決めする手段を有している。スペーサポートは、スペーサ経路の1つの端部と流体が流通し得るように連絡している。シードプランジャーによってシードカートリッジからシード経路の開口端部にシードがディスペンスされると、シードカートリッジからディスペンスされたシードは、シード経路を通ってディスペンス経路へ送られる。
【0007】
ローダーボディ部は、スペーサディスペンスポートを有するスペーサカートリッジを収容するためのスペーサカートリッジ開口部を更に規定することができる。ローダーボディ部は、レジストリのスペーサディスペンスポートをスペーサ経路の1つの開口端部と位置合わせ及び位置決めする手段を有し得る。スペーサプランジャーによってスペーサカートリッジからスペーサ経路の開口端部にスペーサがディスペンスされると、スペーサカートリッジからディスペンスされたスペーサは、スペーサ経路を通ってディスペンス経路へ送られる。
【0008】
ディスペンスポートは、ディスペンス経路へ送られるシード及びスペーサを受容するためのコンテナを脱着可能に受容するコンテナアダプターによっても更に規定され得る。コンテナは、例えば細長い中空の針を含むシード又はスペーサ用の種々の有用なホルダの形態であってよい。ローダーボディ部は、ディスペンス経路へ送られるシード及びスペーサを視認できるように、チャンネルネットワークの少なくとも一部を規定する透明な窓部を更に有することができる。
【0009】
本発明のローダーデバイスは、ディスペンス経路内で選択的に位置決めできる脱着可能な封止手段を更に有することができる。脱着可能な封止手段は、ディスペンス経路内のシード及びスペーサをディスペンスポートを通して通過させることを防止する第1の状態と、ディスペンス経路内のシード及びスペーサをディスペンスポートを通して通過させることを許容する第2の状態との間で動かすことができる。窓部と脱着可能な封止手段とを組み合わせることによって、ユーザーはシード及びスペーサを中空の針の中へ装填する前に、シード及びスペーサの列が適切な順であることを目視的に確認することができる。
【0010】
本発明は、重力の作用下でシード及びスペーサがディスペンスポートを通過し得るような向きにローダーボディ部を保持するためのスタンドアッセンブリを提供することをも意図している。スタンドアセンブリは、ユーザーが自らローダーデバイスを支持する必要を伴わずに、シード及びスペーサを装填することを可能とする。スタンドアッセンブリは、ベース部材、及び、該ベース部材とローダーボディ部との間に延びる長尺の脚部を有している。スタンドアッセンブリは、ユーザーが、コンテナアダプターに取り付けられた容器(コンテナ)とユーザーとの間に延びる第1の状態と、コンテナアダプターに取り付けられた容器(コンテナ)にユーザーがアクセスできる第2の状態との間で、脚部に対して脱着可能に取り付けることができる遮蔽部材を更に有することができる。スタンドアッセンブリは、不注意によってローダーデバイス又はコンテナから放出されるシード又はスペーサを捕捉又は保持するために、ディスペンスポートの下方でベース部材に位置する流出物保持カップを更に有することができる。
【0011】
本発明は、ディスペンスポートにY字形状のチャンネルネットワーク開口部を規定するローダーボディ部を有する、コンテナの中にシード及びスペーサを装填するためのローダーデバイスを更に提供する。チャンネルネットワークの1つの脚部は、シード挿入口とディスペンス経路との間で延びるシード経路を有している。チャンネルネットワークのもう1つの脚部は、スペーサ挿入口とディスペンス経路との間で延びるスペーサ経路を有している。ディスペンスポートはディスペンス経路の開口端部を規定する。ローダーボディ部は、ディスペンスポートの周りで、チャンネルネットワークを通過するシード及びスペーサ用のコンテナを脱着可能に受けるコンテナアダプターを規定し得る。
【0012】
本発明は、(i)ローダーデバイスに、ボディ部、シードマガジン収容及び位置決め手段、シードマガジンからシードを排出させるシードディスペンス手段、ディスペンスポートに連絡するシード移送経路、及びディスペンスポートに連絡するスペーサ移送経路を設ける工程;(ii)1又はそれ以上のシードを含むシードマガジンをシード移送経路に取り付け、前記ディスペンスポートを通してシードをディスペンスする工程;(iii)スペーサを前記スペーサ移送経路内に配する工程;及び(iv)前記開口部を通してスペーサをディスペンスする工程を含むシード及びスペーサを装填するための方法を更に提供する。この方法は、(v)ローダーデバイスに、スペーサマガジン収容及び位置決め手段を設ける工程;(vi)スペーサを含むスペーサマガジンを、スペーサマガジン収容及び位置決め手段に取り付ける工程;(viii)スペーサを前記スペーサ移送経路内に排出する工程;及び(ix)前記ディスペンスポートを通してスペーサをディスペンスする工程
を含むこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1及び2はそれぞれ、本発明のローダーデバイス1の1つの態様における正面図及び側面図を示している。これらの図は、説明の便宜上、内部の特徴的事項を正しい縮尺では示していない。本発明のローダーは、シード・インプラント針の調製を促進するためのものであって、シードを患者に直接的適用に用いることは意図していない。ローダー1は長尺のボディ部3を備えており、ボディ部3は、広い前方表面5’及び後方表面5”、第1の短い表面7’及び第2の短い表面7”、並びに上側端部表面9’及び下側端部表面9”を有している。ボディ部3には、上側端部表面9’の表面にある開口部6から、下側端部表面9”のディスペンスポート8へ、直径をD1、D2、D3と段階的に(段付き形状に)変化させて延びる細長いスルーホール11が設けられている。スルーホール11の直径D1は、上側端部表面9’から、スルーホール11をほぼ3分の1程降下した部分から始まる中間部分15へ延びる上側部分13において最も大きい。中間部分15は中間の直径D2を有しており、上部の部分13の下側端部からスルーホール11をほぼ半分降下した部分まで延びている。スルーホール11の直径D3は、中間部分15の下側端部から下側端部表面9”へ延びる下側部分17において最も狭くなっている。下側部分17は、ディスペンスポート8へシードを導くためのシード移送経路として機能するためのものである。上記の説明における方向は、上側端部表面9’が最も上側に位置して、ローダーが実質的に垂直な姿勢に保たれる、所望の動作方向にローダー1がある場合の構成について言及していることに注意されたい。
【0014】
ボディ部3は、その中に収容する放射性シードから発せられる放射線からオペレータを保護するのに適する厚さを有する、放射線遮蔽材料により形成されている。ボディ部3の第1の短い表面7’には、側方開口部19が設けられている。この開口部19は、標準的なシードマガジン(図示せず)を受容するために適用される凹部23へ連絡する。凹部23は、シードマガジンのボディ部を受容するのに適合する直径D4を有する第1の円筒形状部分25、並びにシードマガジンの四角形の設置アームを受け入れ及び保持するのに適合する四角形形状部分27を有している。四角形形状部分27は、スルーホール11とその下側端部表面9”から約3分の1付近にて交差する。円筒形状部分25及び四角形形状部分27の長さ及び向きは、シードマガジンを凹部23に十分に挿入した後、(以下に説明する)シードマガジン内のシードディスペンスポートがスルーホール11に位置合わせされるように調整されている。
【0015】
広い前方表面5’には、スルーホール11の出口部8に内部シュート33によって接続されるスペーサ受容凹部31に続くスペーサ入口開口部29の形態のスペーサ移送経路が設けられている。開口部29は、スペーサ(図示せず)を凹部31の中へ容易に装填することができるように十分な大きさを有する。スペーサ受容凹部31の底部分35は、スペーサをシュート33の中に容易に入れることができるように、ロート形状であることが望ましい。シュート33の直径は、シュート33を通してスペーサを出口部8へ移送することができるように、スペーサの直径より大きく設けられている。
【0016】
スルーホール11は、シードディスペンス手段、例えば図1及び2に立てた状態で示す段付き円筒形状プランジャー37を受容することができる。プランジャー37は、D1より小さく、D2より大きい直径D5、及びスルーホール上側部分13の長さと同じか又はそれより長い長さを有する上側部分39を有している。上側部分39は、D2より小さく、D3より大きい直径D6、及びスルーホール中間部分15の長さとほぼ同じか又はそれより長い長さを有する同心状の中間部分41に連絡している。中間部分41は、D3より小さく、且つ、シードマガジン内のシードディスペンスポートの直径よりも小さい直径D7を有する同心状の下側部分43に連絡している。下側部分43は、スルーホール中間部分15から四角形形状部分27の底部表面までの長さとほぼ同じか又はそれより長い長さを有している。プランジャーの各部分39、41、43及びスルーホールの各部分13、15、17の長さは所望に応じて変更することができる。唯一の要件は、図1及び2に示すように、プランジャー下側部分43が凹部23内に配されるシードマガジンのシードディスペンスポートの上方にプランジャー下側部分43が位置するシード装填上側位置へプランジャー37を引き込むことを可能なようにし、並びに、図3に示すように、凹部23内に配されるシードマガジンのシードディスペンスポートを通ってプランジャー下側部分43が延びるディスペンス下側位置へプランジャー37を押し下げることも可能となるように設定することである。これによって、シードディスペンスポート内に位置するシードをスルーホール11の中を通して落とし、出口部8へ及び出口部8を通して降下させることができる。プランジャー37には、スルーホール11の下側部分に望ましくない物質が入ることを防止するために、シール手段45、例えばO−リングが設けられることが望ましい。プランジャー37の上側端部には、プランジャー上側部分39の面積よりも大きい面積を有し、プランジャー37を持ち上げたり押し下げたりするのに用いることができる操作表面47を設けることができる。所望する場合には、プランジャー37に弾性的手段、例えばバネ49を設けることができ、その弾性的手段はプランジャー37の位置を上側装填位置に偏らせることができる。
【0017】
スルーホールの下側端部には、アダプター手段、例えばネジ付きボス51若しくはルアー針フィッティング等が設けられており、そこに埋め込み針又はカプセル又は他のコンテナーを取り付けることができる。ユニバーサルアダプターを設けることもできる。
【0018】
図5及び6は、それぞれ本発明のローダーデバイスに取り付けることができるシードマガジン53又はスペーサマガジン53Aの側面図及び端面図を示している。マガジン53/53Aは、六角形の断面を有し、長い中空のボディ部55を有している。他の断面形状、例えば、円形、正方形、楕円形等を採用することもできる。放射性シードを収容するために使用する場合、ボディ部55は、放射線遮蔽特性を有する材料、例えば、鉛添加プラスチック、ステンレス鋼、鉛ガラス、鉛、タングステン等の材料によって形成することが望ましい。ボディ部の第1の装填端部は脱着可能なエンドプレート57によって封止されているが、他方の端部には長手方向に突出する2つの設置アーム61どうしの間に配されて、シード又はスペーサディスペンス用出口部59が設けられている。出口部59は、設置アーム61を通してあけられた縦方向のシードディスペンスポート63を有している。シード65又はスペーサ65Aはマガジン53/53Aの中で整列させられ、マガジン53/53A内の弾性的手段、例えばバネ67によって、孔部63の方へ押される。バネ67によってもたらされる力は、孔部63の壁部と孔部63内のシード65若しくはスペーサ65Aとの間の摩擦によって、シード65若しくはスペーサ65Aが孔部63から重力の作用によって落下することを防止するのに十分な大きさである。
【0019】
スペーサ用のマガジン53Aには、生体吸収性の合成材料によって形成されることが所望のスペーサ65Aが入れられることが好ましい。従来技術のスペーサは、腸線(動物起源の材料であって、規制や需要者の受け入れの観点からあまり望ましいものではなかった)によって形成されていた。そのような生体吸収性の合成材料の例には、約90%のポリグリコール酸及び約10%のポリラクチドからなるVicryl(登録商標)がある。スペーサ材料は、オートクレーブ処理による加熱殺菌又は乾式加熱殺菌に用いられる温度に対する耐性を有することが望ましい。スペーサ65Aは、Tyvek(登録商標)等のような滅菌状態保全性包装材料によって滅菌マガジン53A内で滅菌状態で供給することもできる。滅菌状態は、使用するスペーサの組成物に応じて、いずれかの好適な方法、例えば加熱又はエチレンオキシドガスに曝すこと(この場合において、マガジンを包装した後に滅菌処理をするのであれば、ガス透過性包装材料が必要である)によって行うことができる。事前包装された滅菌状態のスペーサによれば、使用する前に、オペレータが自分でマガジン53Aに装填したり、スペーサを滅菌するために時間を消費したりする必要がないという利点がある。これによって、滅菌状態のスペーサが用いられることが確保される。
【0020】
同様に、シード65も、シード53用のマガジンに事前装填されて、滅菌状態で供給することができる。このマガジン53は、Tyvek(登録商標)等の滅菌状態保全性包装材料によって滅菌状態で供給することもできる。シード及びマガジンはいずれかの好適な方法、例えば、スペーサマガジンのスペーサ65Aに関して上述してような方法で滅菌することができる。多様なパッケージの寸法、例えば5個のシード、10個のシード、又は15個のシードが装填されているマガジン53を含むパッケージを提供することができる。
【0021】
埋め込み針を装填するための本発明のローダーデバイスの使用について説明する。オペレータはローダー1を垂直な状態で保持するか又は垂直な状態のスタンドに立てる。マガジンのシードディスペンスポート63とスルーホール11とが位置合わせ(整列)されるようになるまで、シード65を収容しているシードマガジン53を開口部21を通して挿入する。図示しないが、ローダー1は、マガジン53をこの状態に脱着可能なように保持するためのロック手段、例えばロック歯を有することが望ましい。それから埋め込み針をアダプター手段51に取り付ける。シード及びスペーサが針の底部から落下することを防止するため、針の底側端部に、脱着可能な封止手段、例えばプラグ又はエンドキャップ等を設けることもできる。その後、プランジャー37は、オペレータによってその下側のシードディスペンス位置へ押し下げられる。プランジャー37が押し下げられると、プランジャー下側部分43がマガジン53内のシードディスペンスポート63を通り抜けることによって、シード65がマガジン53からスルーホール下側部分17へ押し出される。スルーホール下側部分17の直径はシードの直径よりも大きいので、シードはスルーホール11の中を自由に落下し、スルーホール11の下側端部及びアダプタ51を通り抜け、針の中に入る。それからプランジャー37は上側の装填位置に引き上げられる。プランジャー下側部分43がマガジン53のシードディスペンスポート63を通って戻る際に、マガジン53の弾性的手段67によって新しいシード65がシードディスペンスポートの中に装填される。オペレータは、スペーサ受容凹部31の中に所望の寸法のスペーサ65Aを配置し、スペーサ65Aを離す。スペーサ65Aは、スペーサの直径より大きい直径を有する内部シュート33の中を降下し、アダプター51を通って針の中に入る。所望する数のシード及びスペーサーが針の中に装填されるまで、この操作を繰り返す。針は、アダプター51から外して使用したり、後で使用するために保存したりすることができる。処置に必要すべての針についてこの操作を繰り返すことができる。
【0022】
次に、シードプラグを形成するための本発明のローダーの使用について説明する。オペレータは、ローダー1を垂直な状態で保持するか又は垂直な状態のスタンドに立てる。マガジンのシードディスペンスポート63とスルーホール11とが位置合わせ(整列)されるようになるまで、シード65を収容しているシードマガジン53を開口部21を通して挿入する。その後、シードプラグコンテナをアダプター手段51に取り付ける。装填が支障なく行われていることをオペレーターがチェックし、シード及びそのスペーシングの数をチェックすることができるように、このコンテナは透明であることが好ましい。放射線からオペレータを遮蔽するため、後記するように、本発明のデバイスの透明コンテナ及びその他の透明パーツは、放射線減衰特性を有する透明材料、例えば、鉛添加アクリルなどによって形成することが望ましい。シード及びそのスペーシングの数のチェックを容易にするため、コンテナに段階的なマークを付することが好ましい。シードがコンテナの底側端部から落下することを防止するため、コンテナの底側端部に脱着可能なプラグを設けるか、又は他の方法で封止する。上述したように、プランジャー37がオペレータによって下側のシードディスペンス位置へ押し下げられ、シードがコンテナの中へ落とされる。その後オペレーターは、スペーサ受容凹部31の中に所望の長さのスペーサ65Aを配置し、スペーサ65Aを離す。スペーサ65Aは、スペーサの直径より大きい直径を有する内部シュート33の中を降下し、アダプター51を通ってコンテナの中に入る。所望する数のシード65及びスペーサー65Aがコンテナの中に装填されるまで、この操作を繰り返し、コンテナはアダプター51から外して使用したり、後で使用するために保存したりすることができる。
【0023】
例えば、オペレータがシード65の放射能を測定するために、シードマガジン53からシード65を取り出そうとする場合、シードマガジン65を通常のように取り付け、ローダー1の下方にいずれかの好適なコンテナを配置し、プランジャー37を押し下げることによってコンテナの中にシード65を取り出すことができる。
【0024】
図7は、本発明のローダー101の第2の態様を示している。この態様では、本発明の第1の態様と同様の機能を有する多くの特徴を有しているが、簡便のためにそれらについては特に説明しない。この態様において、ローダーは、シード用の第1のディスペンス手段、例えばプランジャー137、及びスペーサ用の第2のスペーサディスペンス手段、例えばプランジャー197、並びに第1及び第2のマガジン収容凹部123、183をそれぞれ有している。上述したように、スペーサマガジン53Aはプレカットされたスペーサ65Aを収容しており、シードマガジン53と同様に機能する。マガジンは滅菌状態であって、マガジンの内容物はマガジンに入れる前に滅菌されていることが望ましい。装填された及び空のマガジン及びローダーは、例えばオートクレーブ内で加熱することによって殺菌できることは更に望ましい。混乱を避けるために、シードマガジンとスペーサマガジンとは異なる形状及び寸法を有するようにすることができる。このことは、スペーサ65A及びシード65がしばしば異なる長さを有する場合、例えばスペーサ65Aは5.5ミリメートル長さであって、シード65が4.5ミリメートル長さであるような場合に特に望ましい。別法として、経済的観点から、シード及びスペーサに同じマガジンを用いることもできる。その場合には、混乱を避けるために、互いに異なる色か又は異なるマーキングを付することが望ましい。どのような場合であっても、異なる型のマガジンに異なる色分けをすること、例えば、スペーサ用には白色のマガジンを、シード用には青色のマガジンを供給するは有用である。異なる形状又は寸法のマガジンを使用する場合には、第1及び第2のマガジン収容凹部の直径D4、D14をそれぞれ対応するように調整して、各凹部に誤った型のマガジンを取り付けることを防止する必要がある。
【0025】
第1のプランジャー137は、アダプター151を取り付けることができる出口部108に連絡する段付きのスルーホール111の中に動けるように取り付けられ、一方、第2プランジャー197も出口部108に連絡する段付きのスルーホール171の中に動けるように取り付けられている。ローダー101は、個々のスペーサをスペーサ入口開口部を通して手で装填する代わりに、プランジャー167を押し下げることによって装填することができることを除いて、ローダー101はローダー1と同様にして操作することができる。
【0026】
図8及び9は、本発明のローダーデバイス201の第3の態様を示す。この態様は、本発明の第1及び第2の態様と同様の機能を有する多くの特徴を有しているが、簡便のためにそれらについては特に説明しない。理解しやすいように、図8では、プランジャーの隠された部分を実線で示し、図9ではプランジャー全体を省略している。この態様では、ローダーには、シード用の第1のディスペンス手段、例えばプランジャー237、及びスペーサ用の第2のディスペンス手段、例えばプランジャー297、並びに第1及び第2のマガジン収容凹部123、183をそれぞれ有している。第1のマガジン収容凹部223はシードマガジン53を収容し保持するように適用されており、第2のマガジン収容凹部283はスペーサマガジン53Aを収容し保持するように適用されている。上述したように、混乱を避けるために、シードマガジン53とスペーサマガジン53Aとは異なる形状又は寸法又は色彩を有するようにすることができる。第1のプランジャー237は、Y字形状のチャンネル277の第1のアーム275の頂部に連絡する第1の段付きスルーホール211内に配されており、第2のプランジャー297は、Y字形状のチャンネル277の第2のアーム279の頂部に連絡する第2の段付きスルーホール271内に配されている。Y字形状のチャンネル277の2つのア−ム275、279は、Y字形状のチャンネル277の垂直方向の脚部281の頂部にて合流する。アーム275、279は頂部において相対的に幅広く、脚部281との交差部分へ向かって先細りになっていることが望ましい。脚部281は、ローダーの底部表面285にある開口部208まで下方に延びている。シード65及びスペーサ65Aが脚部281で詰まることを防止するため、脚部281の寸法は、シードとスペーサとが互いに追い越したり(又は互いに追い越す状態が始まったり)することを防止するために十分狭く選択することが望ましい。ローダーの後部表面からローダーの前方へ延びており、脚部281と交差するホール289の中に、脱着可能なブロックデバイス、例えばピン287を挿入することができる。ホール289に挿入されると、このピン287は脚部281内でシード及びスペーサが通過することを防止する。ピン287は、脚部281を塞ぐようにバネによって偏らされるバルブ型部材であってもよい。ばねバイアスを乗り越えると、ピン287は脚部281と流体が流通し得る開口部を提供し、シード及びスペーサのプラグを通過させることができる。ローダー201の前部表面には、放射線遮蔽材料、例えば鉛添加アクリルなどによって形成されることが好ましい透明部分291が設けられており、これによってオペレータは脚部281内のシードから出る放射線から保護されながら、脚部281の内容物を観察することができる。この透明部分291は、経路の清浄化、異物の排除、又は詰まったシード又はスペーサの排除を容易に行うために、迅速かつ容易に取り外すことができるように設けることができる。シードを取り除く必要がある場合、このように迅速に分解することは、オペレータがシードからの放射線に曝されるのがごく短時間であって、オペレータはごく低い線量で照射を受ける。シード及びスペーサのプラグを形成する場合、ピン287をブロック位置に配置して、シード及びスペーサをピン287上に落下させ、脚部281にシード及びスペーサを入れる。透明部分291に、デバイス内のシード及びスペーサの数をチェックするのを支援するグラジュエーション・マークを設けることができる。透明部分291は、オペレータがプラグ形成中に中断させられたような場合等において、オペレータが復帰するときに形成中のプラグの状態をチェックすることができる。シード及びスペーサの標準的でないアレンジメント、例えば変化し得る数のスペーサによってシードを分けることも、針の中に装填する前に透明部分を通して目視的に確認することができる。ローダー201は、ローダー101と同様にして操作することができる。
【0027】
図10に模式的に示すが、本発明の更なる態様では、単一のプランジャー337を用いて、スペーサ65A及びシード65を交互に装填する。プランジャー337はピストン351に接続され、ピストン351は2つの延長部353、355を有し、各延長部353、355はY字形状のチャンネル377の腕375、379と位置合わせされており、これによってシード及びスペーサ移送経路が形成されている。延長部353は延長部355より短い。このことは、プランジャー337が押し下げられると、第2のマガジン収容ポート353内のマガジン(図示せず)の中を延長部353が通過する前に、第1のマガジン収容ポート359内のマガジン(図示せず)の中を延長部355が通過することになるということを意味する。プランジャー337には、これが支持されるホール311の内側のバネ装着されたインデキシング・ピン363に対応する3つの凹部361’−361'''が設けられている。第1の凹部361’をインデキシング・ピン363と位置合わせさせると、その場合にはいずれの延長部もマガジン収容ポート357、359内にはない。第2の凹部361”をインデキシング・ピン363と位置合わせさせると、その場合には延長部355がマガジン収容ポート357、359のレベルを通過する。第3の凹部361'''をインデキシング・ピン363と位置合わせさせると、その場合には延長部355がマガジン収容ポート357、359のレベルを通過する。オペレータは、第1の凹部361’がインデキシング・ピン363に位置合わせされるようになるまでプランジャー337を持ち上げた後、このローダーにマガジンを装填することができる。第1のマガジンはシードを収容し、第2のマガジンはスペーサを収容していると理解されたい。オペレータは、第2の凹部361”がインデキシング・ピン363に位置合わせされるようになるまでプランジャー337を押し下げることによって、第1のマガジンからシード65を排出させることができる。第3の凹部361'''がインデキシング・ピン363に位置合わせされるようになるまでプランジャー337を押し下げることによって、スペーサ65’を排出させることができる。次のシードを排出させる前に、次のスペーサを排出させることを所望する場合、第2の凹部361”がインデキシング・ピン363に位置合わせされるようになるまでプランジャー337を押し上げ、その後再度押し下げる。それからシードの装填を所望する場合には、第1の凹部361’がインデキシング・ピン363に位置合わせされるようになるまでプランジャーを上昇させ、その後、第2の凹部361’がインデキシング・ピン363に位置合わせされるようになるまでプランジャーを降下させる。
【0028】
図11を参照すると、本発明は、本発明のローダー用のスタンドアッセンブリ400を更に備えている。このスタンドアッセンブリ400は上述したいずれのローダーと共に用いることもできるが、ここではローダー201と共に用いる場合について説明する。
【0029】
スタンドアッセンブリ400は、重力を利用して、ディスペンスポート208を通してシード及びスペーサを通過させる向きにローダー201の長尺のローダーボディ部を保持するように設けられる。スタンドアッセンブリ400は、ベース部材402、並びに、ローダー201の長尺のローダーボディ部とベース部材402との間に延びる長い脚部404を有している。長尺の中空針406がコンテナアダプター251に取り付けられ、シード及びスペーサの規則的な列を受容する。ローダー201が放射線シードの装填に有用な場合、細長く平面状の遮蔽部材408を脚部404に対して動かして取り付け、針406の中にディスペンスされるシードの放射線からユーザーを遮蔽する。遮蔽部材408は、ユーザーとコンテナアダプター251に取り付けたコンテナとの間で延びる第1の状態と、ユーザーのコンテナアダプター251に取り付けたコンテナへのアクセスを許容する第2の状態との間で動かすことができるように取り付けられる。更に、流出物保持カップ410は、ディスペンスポート208のレジストリの下側にあるベース部材402に位置している。カップ410は、ローダーに配置されて、底部アパーチャが不注意によって開いたままになっている場合のコンテナから又は開口部208を通過したシード又はスペーサを捕捉し及び保持する機能を果たす。
【0030】
本発明のローダー1、101、201は、放射線を遮蔽する材料、例えば鉛添加プラスチック、ステンレス鋼、鉛ガラス、鉛、タングステン等のから形成されることが好ましい。
【0031】
上記の態様は、シード及びスペーサ用の別のディスペンスポートを設けることによって変更することができる。これらの開口部を1つの針又はコンテナと透明チューブによって接続し、ローダー内のディスペンス経路を垂直にすること、及び、これによってローダーに詰まりが生じる可能性を低減することを達成することができる。透明チューブを用いることによって、オペレーターがチューブ内でシード又はスペーサが詰まりを生じたか否かをチェックすることができるようになる。更に、図11は、プランジャー237及び297の間に設けられたディバイダ298を示している。隣接したプランジャーを分けるようにディバイダを設けることによって、ユーザーがディスペンス操作の間に、違う方のプランジャーを誤って押し下げないことを更に確保することもできる。
【0032】
上述した態様は、スペーサマガジンがない場合には、オペレーターが手で(好ましくは鉗子等を用いて)ポートにスペーサを挿入し、スペーサ移送経路の中にスペーサを落下させるような寸法に形成されたスペーサマガジン収容ポートを有するデバイスを設けることによって変更することができる。別法として、オペレーターがマガジンを用いるか、又はスペーサ若しくは他の材料を手で装填するかを選択できるように、スペーサマガジン収容ポート、又は、スペーサ若しくは他の材料をスペーサ移送経路の中に人手によって導入するための別のポートの両者をデバイスに設けることもできる。更に、シードはローダーの一方の側から常にディスペンスされ、スペーサはローダーの他方の側から常にディスペンスされるように、シードマガジンとスペーサマガジンとの間で、ローダーとの結合形状が異なるようにすることも考えられる。
【0033】
更に、コンピュータによって又はオペレータの遠隔操作によって制御することもできるプランジャー活性化手段を設けることによって、本発明のデバイスをオートメーションに容易に適応させることができる。好適な作動手段は、例えば、電動機のような油圧若しくは空気圧のアクチュエーター、又は電気的に動力が付与されるアクチュエーター、例えば電動モータ、線形アクチュエーター等であってよい。更に、ロボットアームのようなマガジン交換手段を設けることもできる。
【0034】
本発明の精神及び範囲から離れることなく、本願明細書に記載した本願の発明について多くの変更及び修正を行うことができる。実施態様として記載した特定の態様例は説明のためのものであって、本発明は特許請求の範囲に記載する特徴によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、本発明のローダーデバイスの第1の状態における1つの態様を示す正面図である。
【図2】図2は、図1のデバイスに示す側面図である。
【図3】図3は、図1に示すローダーデバイスの第2の状態を示す正面図である。
【図4】図4は、図3のデバイスに示す側面図である。
【図5】図5は、本発明のローダーデバイスと共に用いるのに適するマガジンの1つの態様を示す側面図である。
【図6】図6は、図5のマガジンに示す端面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の態様を示す正面図である。
【図8】図8は、本発明の第3の態様を示す正面図である。
【図9】図9は、図8に示すデバイスの側面図である。
【図10】図10は、本発明の第4の態様を示す正面図である。
【図11】図11は、本発明のいずれかのローダーデバイスと共に用いるのに適用し得るスタンドアッセンブリと、本発明のローダーデバイスを示す正面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスペンスポートに連絡するY字形状のチャンネルネットワークを規定するローダーボディ部、シード挿入ポートとディスペンス経路との間に延びるシード経路を有するチャンネルネットワークの第1の脚部、及びスペーサ挿入ポートとディスペンス経路との間に延びるスペーサ経路を有するチャンネルネットワークの第2の脚部を有してなり、ディスペンスポートはディスペンス経路の開口端部を規定することを特徴とする、コンテナーにシード及びスペーサを装填するローダーデバイス。
【請求項2】
ローダーボディ部は、コンテナを脱着可能に受容するためにディスペンスポートの周りにコンテナアダプターを規定して、チャンネルネットワークの中をシード及びスペーサを通過させることを特徴とする請求項1記載のローダーデバイス。
【請求項1】
ディスペンスポートに連絡するY字形状のチャンネルネットワークを規定するローダーボディ部、シード挿入ポートとディスペンス経路との間に延びるシード経路を有するチャンネルネットワークの第1の脚部、及びスペーサ挿入ポートとディスペンス経路との間に延びるスペーサ経路を有するチャンネルネットワークの第2の脚部を有してなり、ディスペンスポートはディスペンス経路の開口端部を規定することを特徴とする、コンテナーにシード及びスペーサを装填するローダーデバイス。
【請求項2】
ローダーボディ部は、コンテナを脱着可能に受容するためにディスペンスポートの周りにコンテナアダプターを規定して、チャンネルネットワークの中をシード及びスペーサを通過させることを特徴とする請求項1記載のローダーデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−200531(P2008−200531A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140244(P2008−140244)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【分割の表示】特願2002−542448(P2002−542448)の分割
【原出願日】平成13年11月14日(2001.11.14)
【出願人】(500436053)メディ−フィジックス・インコーポレイテッド (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【分割の表示】特願2002−542448(P2002−542448)の分割
【原出願日】平成13年11月14日(2001.11.14)
【出願人】(500436053)メディ−フィジックス・インコーポレイテッド (18)
【Fターム(参考)】
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