説明

放射性ヨウ素の吸着材及び放射性ヨウ素の除去装置

【課題】高湿度雰囲気の排気においても安定して放射性ヨウ素の除去率を所定の取替えの目安値以上に維持しつつ、更に長期間使用することができる放射性ヨウ素の吸着材及び放射性ヨウ素の除去装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る放射性ヨウ素の吸着材を適用した放射性ヨウ素除去装置10は、放射性ヨウ素を含有する排気11Aが送給されるダクト12のチャンバ13内に設けられ、排気11A中に含まれる放射性ヨウ素を吸着する放射性ヨウ素吸着材14を含むヨウ素フィルタ15を有する。放射性ヨウ素吸着材14は、母体を構成する担体と、この担体に添着される添着物質とを含み、添着物質は少なくともTEDAを含み、TEDAの添着量を3.0質量%を超え10.0質量%未満とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力施設、放射線施設、病院、研究所等の換気空調系に用いられる高湿度雰囲気の排気に含まれる放射性ヨウ素を除去する放射性ヨウ素の吸着材及び放射性ヨウ素の除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所などの原子力プラントにおいては周辺環境を保全する立場から放射性ガス、特に単体ヨウ素(129213121332、以下、単にI2と表示する。)やヨウ化メチル(CH3129I、CH3131I、CH3133I、以下、単にCH3Iと表示する。)を主成分とする有機ヨウ素化合物からなる放射性ヨウ素の大気への放出量の抑制を図ることが重要な課題となっている。
【0003】
従来、原子力発電所など原子力施設から事故時などに放射能が大気へ放出されることを防止するため、原子力施設の換気空調設備には、放射性ヨウ素を吸着するヨウ素吸着材を含むヨウ素フィルタを設け、ガス中に含まれる放射性ヨウ素を除去するようにしていた。
【0004】
ヨウ素吸着材として、例えば、活性炭にヨウ化カリウム(KI)を添着したKI添着活性炭や、ゼオライトに銀(Ag)を添着したAgゼオライトや、活性炭にトリエチレンジアミン(TEDA;Triethylene Diamine)を添着したTEDA炭などが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。ヨウ素吸着材として、KI添着活性炭を用いることで、放射性ヨウ素がKI添着活性炭の非放射性のヨウ素と同位体交換し、放射性ヨウ素が捕集される。ヨウ素吸着材として、Agゼオライトを用いることで、放射性ヨウ素がAgゼオライトのAgと反応してヨウ化銀(AgI)となり、放射性ヨウ素が捕集される。ヨウ素吸着材として、TEDA炭を用いることで、TEDAと放射性ヨウ素とが反応して放射性ヨウ素が除去される。
【0005】
原子力施設では、事故などが発生する場合に限らず、定常運転時においてもヨウ素フィルタでガス中に含まれる放射性ヨウ素の大気への放出量を可能な限り抑制させるため、原子炉建屋、補助建屋などの換気空調系にも放射性ヨウ素を除去するヨウ素吸着材を備えた放射性ヨウ素除去装置が設けられている。この換気空調系の排気の湿分は、外気の気象条件に依存し、天候が雨天など外気の湿度が高い場合には、換気空調系の排気の相対湿度は、90%近くにまで達する場合がある。外気が乾燥している場合には、換気空調系の排気の相対湿度は、非常に低い相対湿度にまで低下する。
【0006】
また、換気空調系に、例えば冷却コイルなどの空気調和機を有する系統では、換気空調系の排気は、空気調和機で冷却されるため、空気調和機の出口において排気の相対湿度は高くなる。また、換気空調系の排気が暖房に用いられる場合には、逆に換気空調系の排気の温度が上昇するため、排気の相対湿度は低下する。また、外気が空気調和されずに直接供給される場合がある。
【0007】
このように、換気空調系に設けられる放射性ヨウ素除去装置は、相対湿度が0%から100%までの幅広い湿度条件の排気を取り扱うこととなる。従来から用いられていたヨウ素吸着材は、排気中の湿度の影響を受けやすく、排気中の湿度が高い場合には、ヨウ素吸着材のヨウ素除去性能は低下し、高効率で放射性ヨウ素を安定して除去することはできなかった。
【0008】
放射性ヨウ素を含有するガス中の湿度が高い場合でも放射性ヨウ素の除去性能の低下を抑止したヨウ素吸着材として、例えば、アルミナなどの担体に硝酸銀あるいは硫酸銀を添着し、その表面に有機物層を設けた吸着材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−350588号公報
【特許文献2】特公昭59−8419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、従来の特許文献2のようなアルミナに硝酸銀あるいは硫酸銀を添着し、その表面に有機物層を設けた吸着材では、100℃程度以上の比較的高い温雰囲気においては高い放射性ヨウ素の除去性能を得ることができるが、常温においては放射性ヨウ素の除去性能は低下し、十分な放射性ヨウ素除去性能を得ることは困難であると共に、高湿度雰囲気下においても安定して高い放射性ヨウ素の除去性能を維持できる吸着材を得ることは困難であり、長期間使用することができない場合もあった、という問題がある。
【0011】
また、ヨウ素吸着材は放射性ヨウ素を安定して所定の取替えの目安値(例えば97%)以上除去する必要があり、放射性ヨウ素の除去率が所定の取替えの目安値(例えば97%)を下回った場合には、新たなヨウ素吸着材と交換し、使用済みのヨウ素吸着材は、低レベル廃棄物として処理されている。
【0012】
このため、低レベル廃棄物の排出量の抑制を図るべく、今後、高湿度雰囲気の排気においても放射性ヨウ素の除去率を更に高い所定の取替えの目安値(例えば97%)以上に安定して維持しつつ、更に長期間使用することができるヨウ素吸着材が求められている。
【0013】
本発明は、前記問題に鑑み、高湿度雰囲気の排気においても安定して放射性ヨウ素の除去率を所定の取替えの目安値以上に維持しつつ、更に長期間使用することができる放射性ヨウ素の吸着材及び放射性ヨウ素の除去装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明者らは放射性ヨウ素の吸着材及び放射性ヨウ素の除去装置について鋭意研究をした。その結果、TEDAが放射性ヨウ素、特にCH3Iの吸着性能に優れ、TEDAを放射性ヨウ素の吸着材の担体に添着させる添着物質として用い、その添着量を所定の範囲内とすることにより、排気が高湿度雰囲気となるなど湿度変化の激しい雰囲気中でも湿度の影響を受けにくくなり、放射性ヨウ素の除去性能の低下を抑止し、被処理ガスに含まれる放射性ヨウ素の除去率を安定して所定の取替えの目安値以上に維持しつつ、使用初期における放射性ヨウ素の除去率が向上することで更に長期間使用することができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
【0015】
本発明の第1の発明は、放射性ヨウ素を含有する被処理ガスに含まれる放射性ヨウ素を吸着するヨウ素吸着材であり、母体を構成する担体と、該担体に添着される添着物質とを含み、前記添着物質が、少なくともトリエチレンジアミンを含み、該トリエチレンジアミンの添着量が、3.0質量%を超え10.0質量%未満であることを特徴とする放射性ヨウ素の吸着材である。
【0016】
第2の発明は、第1の発明において、前記添着物質が、更に、ヨウ化カリウム、ヨウ素、銀の少なくとも1つを含む放射性ヨウ素の吸着材である。
【0017】
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記担体が、活性炭、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、活性白土の少なくとも1つから構成される放射性ヨウ素の吸着材である。
【0018】
第4の発明は、第1乃至3の何れか1つの発明において、前記担体の形状が、粒子状、繊維状、マット状である放射性ヨウ素の吸着材である。
【0019】
第5の発明は、第1乃至4の何れか1つの発明において、前記被処理ガスが、原子力施設の換気空調系から排出される排気である放射性ヨウ素の吸着材である。
【0020】
第6の発明は、放射性ヨウ素を含有する被処理ガスが送給されるダクト又はチャンバ内に設けられ、前記被処理ガスに含まれる放射性ヨウ素を吸着する第1乃至5の何れか1つに記載の発明のヨウ素吸着材を含むことを特徴とする放射性ヨウ素の除去装置である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、TEDAを添着物質として用い、ヨウ素吸着材の担体に所定量添着させることにより、高湿度雰囲気の排気においても安定して放射性ヨウ素の除去率を所定の取替えの目安値以上に維持しつつ、更に長期間使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る放射性ヨウ素除去装置の構成を示す概略図である。
【図2】図2は、ヨウ素フィルタをケーシングから取り外したときの斜視図である。
【図3】図3は、TEDAの添着量が、3.0質量%の時のヨウ素吸着材の細孔の一部を模式的に示す図である。
【図4】図4は、TEDAの添着量が、5.0質量%の時のヨウ素吸着材の細孔の一部を模式的に示す図である。
【図5】図5は、TEDAの添着量が、10.0質量%の時のヨウ素吸着材の細孔の一部を模式的に示す図である。
【図6】図6は、TEDA添着量と水分吸着率との関係を示す図である。
【図7】図7は、TEDA添着量と有機ヨウ素化合物の透過率の関係を示す図である。
【図8】図8は、ヨウ素フィルタの他の構成の一例を簡略に示す図である。
【図9】図9は、ダクトが複数設けられている場合の排気の処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を好適に実施するための形態(以下、実施形態という。)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下に記載した実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0024】
<放射性ヨウ素除去装置>
本発明による実施形態に係る放射性ヨウ素の吸着材(以下、放射性ヨウ素吸着材という。)を適用した放射性ヨウ素の除去装置(以下、放射性ヨウ素除去装置という。)について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る放射性ヨウ素除去装置の構成を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態に係る放射性ヨウ素吸着材を適用した放射性ヨウ素除去装置10は、放射性ヨウ素を含有する排気(被処理ガス)11Aが送給されるダクト12のチャンバ(容器)13内に設けられ、排気11A中に含まれる放射性ヨウ素を吸着する放射性ヨウ素吸着材14を含むヨウ素フィルタ15を有するものである。
【0025】
なお、放射性ヨウ素とは、129I、131I、133Iをいい、129Iは、主に再処理設備から発生し、131I、133Iは、主に原子炉設備から発生する。129Iは半減期が107年と極めて長いが、排出量が少量で且つエネルギーも低い。131Iは半減期が8日と短いが、排出量が多く、エネルギーが高い。従って、原子炉の排気系において最も危険な核分裂生成物核種は、131I、133Iで、原子力施設における測定評価の対象となるものである。本実施形態においては、放射性ヨウ素である、129I、131I、133Iを、以下、単にIと表示する。本実施形態においては、放射性ヨウ素の性状は、元素状の単体ヨウ素(I2)とヨウ素化合物とを含むものである。I2には、I2がエアロゾル粒子に吸着して粒子として挙動する粒子状I2なども含まれる。ヨウ素化合物とは、ヨウ化水素酸(HI)や次亜ヨウ素酸(HOI)や有機ヨウ素化合物などをいう。有機ヨウ素化合物の代表的な物質としては、ヨウ化メチル(CH3I)が挙げられる。
【0026】
ヨウ素フィルタ15は、チャンバ13内に設けられたガスケット21の内部に設けられている。ケーシング21内には、3つのヨウ素フィルタ15が設けられている。ヨウ素フィルタ15は、放射性ヨウ素吸着材14と、ガス導入孔22を有するガス導入部23と、排気11A中に含まれる放射性ヨウ素を吸着する放射性ヨウ素吸着材14を収容する一対のフィルタ本体25とからなる。フィルタ本体25の上下両面には複数の孔26(図2参照)が設けられ、一対のフィルタ本体25のガス導入部23の他端側には後板27が設けられている。ガス導入孔22からフィルタ本体25同士の間に入った排気11Aは、フィルタ本体25の内部を通過してフィルタ本体25の外部に抜けていく。ヨウ素フィルタ15は、ガス導入部23とケーシング21とを例えばボルトにより締結して固定する。
【0027】
放射性ヨウ素吸着材14は新しい放射性ヨウ素吸着材14と交換できるように、ヨウ素フィルタ15はケーシング21から着脱可能である。図2は、ヨウ素フィルタ15をケーシング21から取り外したときの斜視図である。図2に示すように、ヨウ素フィルタ15は、ヨウ素フィルタ15に取り付けてある取っ手28を引っ張り、ガスケット21から取り外して、ガス導入部23とフィルタ本体25とを分離し、フィルタ本体25内の放射性ヨウ素吸着材14を交換する。これにより、放射性ヨウ素吸着材14は新しい放射性ヨウ素吸着材14と交換される。
【0028】
排気11Aは、原子力施設の換気空調系から排出される空気、蒸気、あるいはガスである。排気11Aには、ダクト12内で外気を一部混合させる場合があるため、排気11Aは空気成分に加えて水分を含み、湿分を有する。排気11Aはダクト12を介してチャンバ13内に送給され、ガス導入孔22を通過してヨウ素フィルタ15の内部に侵入する。フィルタ本体25内には放射性ヨウ素吸着材14が充填されており、ガス導入孔22からヨウ素フィルタ15の内部に侵入した排気11Aは、フィルタ本体25の一方の面側の孔26を通過して放射性ヨウ素吸着材14と接触し、排気11A中の放射性ヨウ素が放射性ヨウ素吸着材14に吸着される。排気11Aは放射性ヨウ素吸着材14と接触しながら放射性ヨウ素吸着材14同士の隙間を通って、フィルタ本体25の他方の面側の孔26を通過してヨウ素フィルタ15の後流側に流れる。排気11A中の放射性ヨウ素が放射性ヨウ素吸着材14に吸着された後の排気を排気11Bとする。ヨウ素フィルタ15を通過した排気11Bは、排気11B中の放射性ヨウ素の濃度を被曝評価上問題のない放射能濃度以下を満たした状態で系外に排出される。
【0029】
(放射性ヨウ素吸着材)
放射性ヨウ素吸着材14は、母体を構成する担体と、この担体に添着される添着物質とを含む。担体に用いられる材料としては、特に限定されるものではなく、表面に複数の細孔を有するものであればよく、例えば、活性炭、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、活性白土などが挙げられる。ゼオライトとしては、天然ゼオライト又は合成ゼオライトのどちらでもよい。ゼオライトとして、モルデナイト系ゼオライトなどが挙げられる。担体は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0030】
放射性ヨウ素吸着材14は、添着物質として、少なくとも下記式(1)で表されるトリエチレンジアミン(TEDA;Triethylene Diamine)を含む。
【0031】
【化1】

【0032】
TEDAは、2つの3級アミノ基を有するポリアミン化合物である。3級アミノ基は4級アンモニウム化してCH3Iと結合するため、CH3Iは3級アミノ基に吸着される。即ち、3級アミノ基のアニオン交換基を有するイオン交換体としてTEDAを用いることで、放射性ヨウ素、特にCH3IはTEDAに吸着されることになる。よって、放射性ヨウ素吸着材14は、添着物質として少なくともTEDAを含むことで、TEDAの3級アミノ基とCH3Iとを反応させることができるため、CH3IをTEDAに吸着させることができる。
【0033】
TEDAの添着量としては、3.0質量%を超え10.0質量%未満であることが好ましく、より好ましくは、3.0質量%を超え7.0質量%以下である。TEDAの添着量が、3.0質量%以下であると、排気11A中の水分がTEDAや担体の表面に付着し、担体の表面を覆い、TEDAがCH3Iを吸着しにくくなるからである。TEDAの添着量が、10.0質量%以上であると、担体の細孔をTEDAが閉塞してしまうからである。このため、放射性ヨウ素吸着材14は、担体上に水分及びCH3Iを吸着、除去するための有効な表面積を確保することはできず、CH3Iの除去性能を低下させる。
【0034】
(TEDAの添着量とCH3Iの吸着量との関係)
TEDAを添着させた担体の細孔を模式的に示した状態を図3から図5に示す。図3は、TEDAの添着量が、3.0質量%の時のヨウ素吸着材の細孔の一部を模式的に示す図であり、図4は、TEDAの添着量が、5.0質量%の時のヨウ素吸着材の細孔の一部を模式的に示す図であり、図5は、TEDAの添着量が、10.0質量%の時のヨウ素吸着材の細孔の一部を模式的に示す図である。
【0035】
図3に示すように、TEDA31の添着量が、3.0質量%の場合、担体32の細孔33内や細孔33の表面に添着させたTEDA31に空気中の水分34が付着し、担体32の表面を覆っている。CH3Iの水への溶解度は常温では小さいため、TEDA31や担体32の表面に付着した水分34が抵抗となり、I2やCH3Iなどの放射性ヨウ素35とTEDA31との吸着速度は、水分34のない場合に比して著しく低下する。このため、担体32の細孔33内などに添着させたTEDA31にI2やCH3Iなどの放射性ヨウ素35を吸着させることができなくなる。よって、TEDAの添着量が、3.0質量%よりも大きいことが好ましいといえる。
【0036】
図4に示すように、TEDA31の添着量が5.0質量%の場合、TEDA31の添着量が3.0質量%の場合に比べ、担体32の表面にTEDA31をより緻密に添着させることができる。また、TEDA31は、後述するように疎水性を有するため、TEDA31が担体32の表面や細孔33内により緻密に添着することで、水分34が担体32の表面に付着するのを防止することができる。よって、排気11A中の水分34が抵抗となることはないため、TEDA31の表面には、I2やCH3Iなどの放射性ヨウ素35をTEDA31の添着量が3.0質量%の場合に比べて更に安定して添着させることができる。
【0037】
図5に示すように、TEDA31の添着量が、10.0質量%の場合、TEDA31の添着量が多すぎ、TEDA31が担体32の細孔33を覆ってしまう。このため、I2やCH3Iなどの放射性ヨウ素35を放射性ヨウ素吸着材14に吸着、除去するための有効な担体32上の表面積を確保することはできなくなる。この結果、水分34は吸着しにくくなるが、I2やCH3Iなどの放射性ヨウ素35の吸着性能を低下する。そのため、TEDA31の添着量は、10.0質量%未満であることが好ましい。
【0038】
排気11A中の水分34が、担体32の細孔33内や細孔33の表面に添着させたTEDA31に付着している場合、排気11A中に含まれるI2やCH3Iなどの放射性ヨウ素35がTEDA31と反応するためには、I2やCH3Iなどの放射性ヨウ素35が水分34中に溶解していることが必要となる。しかし、上述の通り、I2やCH3Iなどの放射性ヨウ素35の水への溶解度は常温では小さいため、TEDA31や担体32の表面に水分34が付着していると、水分34が抵抗となって、I2やCH3IとTEDA31との反応を阻害し、I2やCH3Iなどの放射性ヨウ素35とTEDA31との吸着速度は、水分34のない場合に比して著しく低下する。
【0039】
このため、排気11Aのように、水分が存在する雰囲気下で放射性ヨウ素吸着材14を使用する場合、多量の放射性ヨウ素吸着材14が必要となり、ヨウ素フィルタ15が大型化する。また、排気11A中の水分34を確実に除去するためには、ヨウ素フィルタ15の前段側に予熱器など水分を蒸発させるための加熱器を設置し、相対湿度を下げる必要がある。しかし、ヨウ素フィルタ15の前段側に予熱器を設ける場合、排気11Aを加熱するためのエネルギーが必要となると共に、排気11A中に含まれる放射性ヨウ素を除去するために要する工程が複雑化する。
【0040】
このように、放射性ヨウ素吸着材14のCH3Iの除去性能の低下は、放射性ヨウ素吸着材14の表面に形成される水分34に起因することから、排気11A中に水分34が存在する雰囲気下において、CH3Iの除去性能の低下を防止するためには、放射性ヨウ素吸着材14の表面に水分34が形成されないようにする必要がある。
【0041】
(TEDAの添着量と疎水化との関係)
TEDAが疎水化を示す効果について示す。図6は、TEDA添着量と水分吸着率との関係を示す図である。尚、この試験は、温度30℃、相対湿度95%の空気中において、担体にTEDAを10.0質量%まで添着して行った。図6に示すように、TEDAの添着量を増大させていくに従って水分の吸着率が低下する。よって、ヨウ素吸着材はTEDAの添着量が増大することに従って疎水化されていくことが確認された。
【0042】
添着物質であるTEDAが疎水性を有することから、TEDAの添着量を多くすることで、I2やCH3Iなどの放射性ヨウ素の除去性能の低下を防止することができる。このとき、担体の表面へのTEDAの添着量が、3.0質量%以下の場合には、上述の通り、排気11A中の水分がTEDAや担体に付着し、TEDAの表面にI2やCH3Iなどの放射性ヨウ素を添着させるのを抑制してしまう。また、担体の表面へのTEDAの添着量が、10.0質量%以上の場合には、上述の通り、担体の細孔内へのTEDAの添着量が多すぎ、TEDAが担体の細孔を覆い、放射性ヨウ素吸着材14が、I2やCH3Iなどの放射性ヨウ素を担体で吸着、除去するための有効な表面積を確保することはできなくなり、I2やCH3Iなどの放射性ヨウ素の除去性能を低下させてしまう。
【0043】
そこで、本実施形態に係る放射性ヨウ素吸着材14は、担体にTEDAを3.0質量%を超え10.0質量%未満の範囲で添着させている。TEDAの担体への添着量を上記範囲内とすることにより、担体とその細孔内の表面はTEDAで覆われるため、水分が疎水性を有するTEDAに付着するのを抑制することができる上、担体への水分の吸着量を低下させることができる。この結果、I2やCH3Iなどの放射性ヨウ素は排気11A中の水分の妨害を受けることなく、I2やCH3Iなどの放射性ヨウ素を放射性ヨウ素吸着材14に吸着させ、排気11Aから除去することができる。
【0044】
(TEDA添着量と有機ヨウ素化合物の透過率との関係)
TEDAの添着量が有機ヨウ素化合物の透過率に与える効果について示す。図7は、TEDA添着量と有機ヨウ素化合物の透過率の関係を示す図である。なお、この試験は、担体にTEDAを10.0質量%まで添着して行い、有機ヨウ素化合物の透過率は、排ガス中の有機ヨウ素化合物の含有量を1.0とした時の有機ヨウ素化合物の透過率を示す。また、ここでは、有機ヨウ素化合物としては、主にCH3Iである。図7に示すように、TEDAの添着量が0.1質量%程度の時の有機ヨウ素化合物の透過率は、3.0×10-2程度である。このときの有機ヨウ素化合物の除去率は、97%程度となる。また、TEDAの添着量が3.0質量%程度の時の有機ヨウ素化合物の透過率は、3.0×10-3程度である。このときの有機ヨウ素化合物の除去率は、99.7%程度となる。また、TEDAの添着量が7.0質量%程度の時の有機ヨウ素化合物の透過率は、1.5×10-3程度である。このときの有機ヨウ素化合物の除去率は、99.9%程度となる。
【0045】
よって、TEDAの添着量が増大するに従って有機ヨウ素化合物の透過率を減少させることができる。一方、TEDAの添着量を10.0質量%まで増大させても有機ヨウ素化合物の透過率は、TEDAの添着量が7.0質量%程度の場合と殆ど変わらず、有機ヨウ素化合物の透過率の低下は見られなかった。このため、TEDAの添着量が10.0質量%以上としても有機ヨウ素化合物の透過率の更なる低下は期待できないといえる。
【0046】
従って、担体へのTEDAの添着量を上記範囲内とすることにより、有機ヨウ素化合物の透過率を1.5×10-3程度にまで減少させることができる。即ち、TEDAの添着量が上記範囲内の場合、TEDAの添着量が増大するに従って透過する有機ヨウ素化合物の量が少なくなることから、有機ヨウ素化合物の除去効率は大きくなり、有機ヨウ素化合物の除去性能を向上させることができる。
【0047】
放射性ヨウ素の除去率の取替えの目安値は、現在97%程度であるが、放射性ヨウ素吸着材14の放射性ヨウ素の除去率は、TEDA添着量が上記範囲内の場合、99.8%以上であるため、放射性ヨウ素の除去率の基準を十分満たす。また、TEDA添着量が上記範囲内であれば、放射性ヨウ素の除去率は初期の段階から高いため、放射性ヨウ素の除去率が放射性ヨウ素の除去率の取替えの目安値(97%)まで低下するまでに要する時間を長くできる。
【0048】
よって、本実施形態に係る放射性ヨウ素吸着材14によれば、TEDAをヨウ素吸着材の担体に添着させる添着物質として用い、TEDAの添着量を上記範囲内とすることにより、排気11Aが高湿度雰囲気となるなど湿度変化の激しい雰囲気中でも湿度の影響を受けにくくなり、放射性ヨウ素の除去性能の低下を抑止し、放射性ヨウ素の除去率を所定の取替えの目安値以上に安定して維持することができると共に、使用初期における放射性ヨウ素の除去率が向上することで更に長期間使用することができる。
【0049】
本実施形態に係る放射性ヨウ素吸着材14の使用初期における放射性ヨウ素の除去率が向上することで、従来より長期間の使用が可能となるため、新しい放射性ヨウ素吸着材14と交換する頻度を低減することができる。この結果、原子力設備を継続して運転できる期間の延長を図ることができる。また、放射性ヨウ素吸着材14の交換頻度が低減されることで、低レベル廃棄物の排出量の抑制を図ることができる。
【0050】
添着物質は、TEDAの他に、更に、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ素(I2)、銀(Ag)の少なくとも1つを含むようにしてもよい。TEDAは3級アミノ基を2つ有するが、3級アミノ基は弱塩基性アニオン交換基であり、I2、ヨウ化水素酸(HI)、CH3Iなどのイオン性物質に対する吸着能は有しているものの、その吸着力が弱く、TEDAの3級アミノ基のみでは、CH3Iの吸着能は維持できても、I2、HIの除去速度は遅くなる。
【0051】
そこで、本実施形態に係る放射性ヨウ素吸着材14は、添着物質として、TEDAの他に、更に、KI、I2、Agの少なくとも1つの成分を含むことが好ましい。KI、I2の何れか一方又は両方を含めることで、放射性ヨウ素がKIやI2の非放射性ヨウ素と同位体交換し、放射性ヨウ素を吸着することができる。また、添着物質として、Agを含めることで、放射性ヨウ素がAgと反応してAgIとなり、放射性ヨウ素を吸着することができる。
【0052】
よって、添着物質は、TEDAの他に、更に、KI、I2、Agの少なくとも1つの成分を添加することで、TEDAで主に排気11A中に含まれるCH3Iを吸着しつつ、排気11A中に含まれるCH3I以外のI2などの放射性ヨウ素を吸着することができる。このため、放射性ヨウ素吸着材14の放射性ヨウ素の吸着能を更に高めることができる。
【0053】
放射性ヨウ素吸着材14の形状は、所定の粒径に粉砕した粉体や、その粉体を加圧成形した成形体などにして使用することができる。成形体の形状は、ペレット、ブリケット、顆粒状球体などの粒子状、円柱、アーモンド型、繊維状、マッチ状、ブランケット状あるいはハニカム状としたものなどが挙げられる。このように、放射性ヨウ素吸着材14は、任意の形状に成形できるため、フィルタ本体25内の大きさ等に応じて任意の形状として配置して用いることが可能であると共に、放射性ヨウ素吸着材14の表面積を大きくすることで、放射性ヨウ素吸着材14の放射性ヨウ素の吸着能を更に高めることができる。
【0054】
本実施形態では、ヨウ素フィルタ15は、チャンバ13内に3つ設けるようにしているが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、チャンバ13内に1、2つ又は4つ以上設けるようにしてもよく、チャンバ13の内径やヨウ素フィルタ15の設置面積やガス導入部23の外径の大きさ等に応じてヨウ素フィルタ15を設ける数は適宜変更するようにしてもよい。
【0055】
このように、本実施形態に係る放射性ヨウ素吸着材を適用した放射性ヨウ素除去装置10によれば、TEDAを放射性ヨウ素吸着材14の担体に添着させる添着物質として用い、TEDAの添着量を所定の範囲内とすることにより、排気が高湿度雰囲気である場合や湿度変化の激しい雰囲気中においても放射性ヨウ素の吸着性能を所定の取替えの目安値以上で安定して維持し、放射性ヨウ素の大気への放出を抑えることができる。また、放射性ヨウ素吸着材14の使用初期における放射性ヨウ素の除去率が向上して放射性ヨウ素吸着材14の耐久性が向上し、更に長期間使用することができることで、放射性ヨウ素吸着材14の交換頻度を低減でき、原子力施設を継続して運転できる期間の延長にも寄与することができる。更に、放射性ヨウ素吸着材14の交換頻度が低減することで、低レベル廃棄物の排出量の低減を図ることができる。
【0056】
なお、本実施形態においては、チャンバ13内に放射性ヨウ素除去装置10を1つ設けるようにしているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、チャンバ13の入口から出口までの距離、放射性ヨウ素除去装置10の設置面積等に応じて放射性ヨウ素除去装置10を複数設けるようにしてもよい。
【0057】
本実施形態に係る放射性ヨウ素除去装置10においては、ヨウ素フィルタ15としてケーシング21にトレイ型のフィルタ本体25を用い、フィルタ本体25内に放射性ヨウ素吸着材14を充填するようにしているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。図8は、ヨウ素フィルタの他の構成の一例を簡略に示す図である。図8に示すように、ヨウ素フィルタ40は、波型形状の多孔板41−1、41−2と、多孔板41−1、41−2内に充填される放射性ヨウ素吸着材14とを有するものである。多孔板41−1、41−2は、両面に排気11Aが通過可能な複数の孔を有する。また、多孔板41−1と多孔板41−2、又は隣接する多孔板41−2同士は、連結部材42で連結される。ガスケット21内に波型形状の多孔板41−1、41−2を設け、多孔板41−1、41−2内に放射性ヨウ素吸着材14を充填する。
【0058】
排気11Aは、多孔板41−1、41−2の一方の面側の孔を通過して放射性ヨウ素吸着材14と接触し、排気11A中の放射性ヨウ素が放射性ヨウ素吸着材14に吸着される。排気11Aは放射性ヨウ素吸着材14と接触しながら放射性ヨウ素吸着材14同士の隙間を通って、多孔板41−1、41−2の他方の面側の孔を通過し、放射性ヨウ素が除去された排気11Bは、ヨウ素フィルタ40の後流側に抜ける。排気11B中の放射性ヨウ素の濃度を被曝評価上問題のない放射能濃度以下を満たした状態で系外に排出される。
【0059】
本実施形態に係る放射性ヨウ素除去装置10は、ダクト12が一つの場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。チャンバ13を備えたダクト12が複数設けられている場合には、複数のダクト12に交互に排気11Aを送給し、原子力設備を稼動させながら各々のチャンバ13内の放射性ヨウ素除去装置10を用いるようにしてもよい。
【0060】
図9は、ダクト12が複数設けられている場合の排気11Aの処理を示す図である。図9に示すように、2つのダクト12−1、12−2が並列に設けられている場合、各々のダクト12−1、12−2ごとに放射性ヨウ素除去装置10−1、10−2を備えたチャンバ13−1、13−2を設ける。ダクト12−1には、チャンバ13−1の前流側と後流側に排気11Aの流量を調整するための調節弁V11、V12を設け、ダクト12−2には、チャンバ13−2の前流側と後流側に排気11Aの流量を調整するための調節弁V13、V14を設ける。
【0061】
調節弁V11、V12を閉鎖して、一方のダクト12−1への排気11Aの送給を停止し、チャンバ13−1内のヨウ素フィルタ15−1の放射性ヨウ素吸着材14−1の交換を行う。この間、調節弁V13、V14を開放し、他方のダクト12−2に排気11Aを送給し、一方のチャンバ13−1内の放射性ヨウ素吸着材14−1を交換しながら、他方のヨウ素フィルタ15−2を用いて排気11A中の放射性ヨウ素を除去する。放射性ヨウ素吸着材14−1の交換が終了し、ヨウ素フィルタ15−1の放射性ヨウ素吸着材14−2が交換可能時期になったら、調節弁V13、V14を閉鎖して、調節弁V11、V12を開放し、チャンバ13−2内の放射性ヨウ素吸着材14−2を交換しながら、ヨウ素フィルタ15−1を用いて排気11A中の放射性ヨウ素を除去する。
【0062】
これにより、排出される排気11A中の放射性ヨウ素を連続して安定してヨウ素フィルタ15−1又はヨウ素フィルタ15−2で除去できるため、原子力設備を停止させることなく、連続して運転を行ないながら放射性ヨウ素吸着材14−1又は放射性ヨウ素吸着材14−2の交換を行うことが可能となる。
【0063】
ダクト12−1、12−2の各々の入口側と出口側に調節弁V11からV14を設けて排気11Aの流れを制御するようにしているが、ダクト12の分岐点に切替弁を設けるようにしてもよい。また、ダクト12が2つ設けられている場合について説明したが、更に複数設けるようにしてもよい。
【0064】
本実施形態に係る放射性ヨウ素除去装置10においては、ヨウ素フィルタ15をチャンバ13に設けるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヨウ素フィルタ15をチャンバ13以外のダクト12などに設けるようにしてもよい。
【0065】
本実施形態に係る放射性ヨウ素除去装置10においては、原子力発電所など原子力施設の換気空調系の高湿度雰囲気の放射性ヨウ素を含有する排気を対象として説明したが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、原子力施設から排出される高湿度雰囲気でない放射性ヨウ素を含有する排ガスにおいても同様に適用することができる。また、再処理工場、放射性同位元素取扱施設など原子力施設以外の工場、研究所等で核燃料を使用することで排出される放射性ヨウ素を含有する排ガス、病院施設などで核燃料を使用することで排出される放射性ヨウ素を含有する被処理ガス等においても同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、本発明に係る放射性ヨウ素の吸着材及び放射性ヨウ素の除去装置は、高湿度雰囲気の排気に含まれる放射性ヨウ素、特にCH3Iを安定して除去することができるので、原子力施設等の換気空調系用の放射性ヨウ素の除去装置に用いるのに適している。
【符号の説明】
【0067】
10 放射性ヨウ素の除去装置
11A、11B 排気(被処理ガス)
12 ダクト
13 チャンバ(容器)
14 放射性ヨウ素吸着材
15、40 ヨウ素フィルタ
21 ケーシング
22 ガス導入孔
23 ガス導入部
25 フィルタ本体
26 孔
27 後板
28 取っ手
31 TEDA
32 担体
33 細孔
34 水分
35 放射性ヨウ素
41−1、41−2 多孔板
42 連結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性ヨウ素を含有する被処理ガスに含まれる放射性ヨウ素を吸着するヨウ素吸着材であり、
母体を構成する担体と、該担体に添着される添着物質とを含み、
前記添着物質が、少なくともトリエチレンジアミンを含み、該トリエチレンジアミンの添着量が、3.0質量%を超え10.0質量%未満であることを特徴とする放射性ヨウ素の吸着材。
【請求項2】
請求項1において、
前記添着物質が、更に、ヨウ化カリウム、ヨウ素、銀の少なくとも1つを含む放射性ヨウ素の吸着材。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記担体が、活性炭、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、活性白土の少なくとも1つから構成される放射性ヨウ素の吸着材。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1つにおいて、
前記担体の形状が、粒子状、繊維状、マット状である放射性ヨウ素の吸着材。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1つにおいて、
前記被処理ガスが、原子力施設の換気空調系から排出される排気である放射性ヨウ素の吸着材。
【請求項6】
放射性ヨウ素を含有する被処理ガスが送給されるダクト又はチャンバ内に設けられ、前記被処理ガスに含まれる放射性ヨウ素を吸着する請求項1乃至5の何れか1つに記載のヨウ素吸着材を含むことを特徴とする放射性ヨウ素の除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−2606(P2012−2606A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136615(P2010−136615)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】