放射線治療管理システム
【課題】放射線治療の一連の作業の実施データを作成・管理できる放射線治療管理システムを提供する。
【解決手段】医療情報システムサーバ102は、各装置は患者の識別情報とともに、画像撮影装置104で実施された患部画像を撮影した時刻の実施データ、治療計画装置105で実施された治療計画を作成した時刻の実施データ、端末装置101で実施されたカンファレンスを行った時刻の実施データ、および、前処理を行った時刻の実施データ、補助具製作装置106で実施された作製を行った時刻の実施データ、放射線治療装置107で実施された照射計画を作成した時刻の実施データ、および、照射を行った時刻の実施データ、および、線量測定を行った時刻の実施データをそれぞれ入力し、各実施データを患者の識別情報毎に収集して放射線治療実施記録データとして作成する。
【解決手段】医療情報システムサーバ102は、各装置は患者の識別情報とともに、画像撮影装置104で実施された患部画像を撮影した時刻の実施データ、治療計画装置105で実施された治療計画を作成した時刻の実施データ、端末装置101で実施されたカンファレンスを行った時刻の実施データ、および、前処理を行った時刻の実施データ、補助具製作装置106で実施された作製を行った時刻の実施データ、放射線治療装置107で実施された照射計画を作成した時刻の実施データ、および、照射を行った時刻の実施データ、および、線量測定を行った時刻の実施データをそれぞれ入力し、各実施データを患者の識別情報毎に収集して放射線治療実施記録データとして作成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、病院等の治療施設において、光子線(X線、γ線など)、電子線、粒子線(陽子、ネオンイオン、炭素イオン、π中間子、速中性子など)を用いる放射線治療に関する一連の記録を作成・管理する放射線治療管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の病院情報システムは、閉鎖的な範囲の中で記録を作成・管理している。具体的にはシステム利用者が患者受診記録をアクセスする場合について、利用者の識別情報と患者の識別情報とをアクセス記録情報として記録している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−155212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の病院情報システムは、システムの利用者に限ってはアクセス記録を残しているが、治療に関わる一連の作業について、網羅的に記録を作成・管理するように構成されていないため、治療に関わる作業がもれなく正しい順序で実施されているか否かを検証することができない問題点があった。また、病院情報システムを用いた作業に関してはシステム利用者の操作をきっかけにして記録を作成・管理することはできても、病院情報システムを用いない作業については記録を作成できない、あるいは、当該作業を行うシステムで記録を作成していても、一元的に管理できない問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、放射線治療に関わる一連の作業の実施データを作成・管理できる放射線治療管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、放射線治療の治療内容の治療計画を作成する治療計画装置と、
放射線治療を行うための患部画像を撮影する画像撮影装置と、
放射線治療に使用される補助具を作製する補助具作製装置と、
放射線治療を行うための放射線を照射し、放射線治療の照射計画作成を作成し、放射線治療の線量測定を行う放射線治療装置と、
治療計画に対するカンファレンスを行った情報および放射線治療の前処理を行った情報を入力するための端末装置と、
放射線治療の情報を患者の識別情報に基づいて管理する医療情報システム装置とを備えた放射線治療管理システムであって、
医療情報システム装置は、
画像撮影装置で実施された患部画像を撮影した時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
治療計画装置で実施された治療計画を作成した時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
端末装置で実施されたカンファレンスを行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データ、および、前処理を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
補助具製作装置で実施された作製を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
放射線治療装置で実施された照射計画を作成した時刻を患者の識別情報とともに示す実施データ、および、照射を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データ、および、線量測定を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
各実施データを患者の識別情報ごとに収集して放射線治療実施記録データとして作成するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の放射線治療管理システムは、放射線治療の治療内容の治療計画を作成する治療計画装置と、
放射線治療を行うための患部画像を撮影する画像撮影装置と、
放射線治療に使用される補助具を作製する補助具作製装置と、
放射線治療を行うための放射線を照射し、放射線治療の照射計画作成を作成し、放射線治療の線量測定を行う放射線治療装置と、
治療計画に対するカンファレンスを行った情報および放射線治療の前処理を行った情報を入力するための端末装置と、
放射線治療の情報を患者の識別情報に基づいて管理する医療情報システム装置とを備えた放射線治療管理システムであって、
医療情報システム装置は、
画像撮影装置で実施された患部画像を撮影した時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
治療計画装置で実施された治療計画を作成した時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
端末装置で実施されたカンファレンスを行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データ、および、前処理を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
補助具製作装置で実施された作製を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
放射線治療装置で実施された照射計画を作成した時刻を患者の識別情報とともに示す実施データ、および、照射を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データ、および、線量測定を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
各実施データを患者の識別情報ごとに収集して放射線治療実施記録データとして作成するので、放射線治療の一連の作業の実施データを作成・管理できる
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1はこの実施の形態1における放射線治療管理システムの構成を示した図、図2は図1に示した放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示す図、図3は図1に示した放射線治療管理システムの画像装置の構成を示す図、図4は図1に示した放射線治療管理システムの治療計画装置の構成を示す図、図5は図1に示した放射線治療管理システムの補助具作製装置の構成を示す図、図6は図1に示した放射線治療管理システムの放射線治療装置の構成を示す図、図7は図1に示した放射線治療管理システムが用いられる放射線治療の作業を示したフローチャート、図8は図1に示した放射線治療管理システムの治療計画装置の表示画面の例を示した図、図9は図1に示した放射線治療管理システムの端末装置の表示画面の例を示した図、図10は図1に示した放射線治療管理システムの放射線治療装置の表示画面の例を示した図、図11は図1に示した放射線治療管理システムの端末装置の表示画面の例を示した図、図12は図1に示した放射線治療管理システムにより作成された放射線治療実施記録データの例を示した図である。
【0009】
図において、放射線治療管理システムは、通信網としてのLAN110に、端末装置101と、医療情報システム装置としての医療情報システムサーバ102と、画像撮影装置104と、治療計画装置105と、補助具作製装置106と、放射線治療装置107と、Picture Archiving Communication Systemサーバ(以下、PACSサーバと称す)108とがそれぞれ接続され構成されている。そして、医療情報システムサーバ102には第1のデータベース103が、PACSサーバ108には第2のデータベース109がそれぞれ備えられている。第1のデータベース103は放射線治療管理システムが取り扱う患者の情報を患者の識別情報に基づいて格納されている。
【0010】
医療情報システムサーバ102は図2に示すように、受信した通信データから放射線治療実施記録データの作成に必要なデータを抽出して加工するデータ加工部501と、第1のデータベース103にデータを書き込むデータベース制御部503と、端末装置101の要求により、データベース制御部503を介して第1のデータベース103から放射線治療実施記録データを読み込み表示するデータ表示部5と、LAN110に接続され、通信データの生成・解読等の制御を行う通信制御部504とを備えている。
【0011】
画像撮影装置104は放射線治療を行うための患部画像を撮影し、患者の識別情報とともに患部画像を撮影した時刻を示す実施データを出力する装置であり、CT(Computed Tomography)やMRI(Magnetic Resonance Imaging)、PET(Positron Emission Tomography)などのように患者の患部の撮影に用いる機器にて形成されている。そして、図3に示すように、患者の患部の撮影を行う画像撮影部401と、患者名や患者のIDの入力を行うデータ入力部402と、入力されたデータが表示するデータ表示部403と、LAN110に接続され、通信データの生成・解読等の制御を行う通信制御部404とを備えている。
【0012】
治療計画装置105は撮影した画像に基づいて治療計画を作成し、患者の識別情報とともに治療計画を作成した時刻を示す実施データを出力する装置である。そして、図4に示すように、患者名や患者のIDの入力を行うデータ入力部602と、入力されたデータを表示するためのデータ表示部603と、データを入力・確認しながら治療計画を作成する治療計画作成部601と、LAN110に接続され、通信データの生成・解読等の制御を行う通信制御部604とを備えている。
【0013】
補助具作製装置106は放射線治療を行う際に、正常細胞への曝射を抑えるボーラスやコリメータなどの補助具を作製し、患者の識別情報ととも作製を行った時刻を示す実施データを出力する装置である。そして、図5に示すように、患者名や患者の識別情報の入力を行うためのデータ入力部902と、放射線治療補助具の加工データが表示されるデータ表示部903と、治療計画承認により治療計画装置105から送られてくるボーラスやコリメータ等の放射線治療補助具の加工データを格納する第3のデータベース905と、加工データを元に放射線治療補助具を加工する加工部901と、LAN110に接続され、通信データの生成・解読等の制御を行う通信制御部904とを備えている。
【0014】
放射線治療装置107は放射線治療の照射計画作成を作成し、また、放射線治療の線量測定を行い、また、放射線治療のために患者の患部に放射線の照射を行うものである。さらに、患者の識別情報とともに照射計画を作成した時刻を示す実施データ、および、患者の識別情報とともに線量測定を行った時刻を示す実施データ、および、患者の識別情報とともに照射を行った時刻を示す実施データを出力する装置である。そして、例えばX線を用いるリニアック装置や粒子線を用いる粒子線治療装置にて構成される。そして、図6に示すように、患者名や患者の識別情報の入力を行うためのデータ入力部1202と、照射する放射線のデータが表示されるデータ表示部1203と、治療計画承認により治療計画装置105から送られてくる放射線照射データおよび作成した照射計画を格納する第4のデータベース1205と、照射計画に基づいて患者に放射線を照射する放射線照射部1201と、LAN110に接続され、通信データの生成・解読等の制御を行う通信制御部1204とを備えている。
【0015】
PACSサーバ108は画像撮影装置104で撮影した画像を保管・管理する画像管理サーバで、撮影された画像を格納するための第2のデータベース109を有している。端末装置101は、放射線治療に対するカンファレンスを行った情報および放射線治療の前処理を行った情報を入力するためのものであり、患者の情報を他の装置から参照したり書き込みしたりすることが可能である。
【0016】
次に上記のように構成された実施の形態1の放射線治療管理システムの動作について説明する。まずここで、病院等の医療機関における放射線治療の作業の流れを、図7に基づいて説明する。まず、医師は患者を診察し、診察結果から最適な治療方法を選択し、患者に説明を行い、患者の同意を得た上で、治療方法を決定する(ステップS301)。次に、画像撮影装置104により治療計画を作成するために必要となる患部の画像を撮影する(ステップS302)。次に、撮影した画像を参照しながら、放射線を照射する部位を決定し、照射線量と照射回数とに基づいて必要な線量が正しく治療部位に分布されているかを確認し、治療計画を作成する(ステップS303)。
【0017】
次に、医師、放射線技師、医学物理士、看護師等の医療スタッフでカンファレンスを開催し、作成した治療計画に問題ないかどうかを確認する(ステップS304)。図8はこの図7の作業フローのカンファレンス(ステップS304)を実現する端末装置101の表示画面の例である。患者の識別情報(図中においては、患者の識別情報を患者IDとして示す。以下の場合も同様に示しているためその説明は適宜省略する)701には該当する患者の識別情報を入力後、作成した計画を承認する場合は承認ボタン702、否認する場合は否認ボタン703を押す。
【0018】
次に、治療計画が承認されると、治療計画に基づき照射を行う日時を定める照射計画を作成する(ステップS305)。図9は図7の作業フローの照射計画作成(ステップS305)を実現する端末装置101の表示画面の例である。患者の識別情報801に該当する患者の識別情報を入力後、照射計画作成を作成するために、照射計画作成ボタン802を押すと、放射線治療装置107にて作成された照射計画803が表示される。次に、並行して治療計画で定められたボーラスやコリメータ等の放射線治療補助具を作製する(ステップS306)。
【0019】
次に、放射線治療装置107に治療計画で定められたパラメータを設定し、治療計画通りの線量が照射されるかどうかの線量測定を行う(ステップS307)。図10は図7の作業フローの線量測定(ステップS307)を実現する放射線治療装置107の表示画面の例である。患者の識別情報1001に該当する患者の識別情報を入力後、必要な測定値を入力し、確認ボタン1002を押す。次に、治療当日、患者が来院後、照射に必要な前処置を行う(ステップS308)。図11は図7の作業フローの前処理(ステップS308)を実現する端末装置101の表示画面の例である。患者の識別情報1101に該当する患者の識別情報を入力し、必要な前処置の実施状況を確認後、確認確認ボタン1102を押す。次に、放射線治療装置107により患者の患部への放射線の照射を行う(ステップS309)。そして通常は、放射線の照射は複数日に分けて行うため、上記に示したステップS307、ステップS308、ステップS309は複数回実施されることとなる。
【0020】
次に図7の作業フローの各装置の動作について説明する。まず、診察が行われる。次に、画像撮影装置104では、放射線技師が患者の患者名や患者の識別情報をデータ表示部403にて確認しながらデータ入力部402から入力した後、画像撮影部401を用いて撮影対象の患部の撮影を行う。そして、撮影が行われると、画像撮影部401は通信制御部404に通知を行う。そして通信制御部404はデータ入力部402から患者の識別情報を取得し、現在の時刻情報から撮影時刻を付加した後、医療情報システムサーバ102へ画像撮影の実施データとして送信される。
【0021】
次に、医療情報システムサーバ102は通信制御部504が実施データを受け取ると、データ加工部501に通知する。そしてデータ加工部501は受信した実施データから患者の識別情報と撮影時刻とを抽出し、第1のデータベース103に格納している患者の識別情報ごとに用意した放射線治療実施記録データを、データベース制御部503を介して読み出し、該当する作業内容と実施時刻とを記録する。次に、交信された放射線治療実施記録データは再びデータベース制御部503を介して第1のデータベース103に格納される。尚、医療情報システムサーバ102における実施データを受け取る場合の動作は以下の作業においても同様に行うため、医療情報システムサーバ102の実施データの受け取りの動作は適宜省略する。
【0022】
次に、治療計画装置105では、医師が患者名や患者の識別情報をデータ表示部603にて確認しながらデータ入力部602から入力した後、治療計画を作成する。そして治療計画作成が行われると、治療計画作成部601は通信制御部604に通知を行う。そして、通信制御部604はデータ入力部602から患者の識別情報を取得し、現在の時刻情報を計画時刻として付加した後、医療情報システムサーバ102へ治療計画作成の実施データとして送信される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0023】
次に、端末装置101では、カンファレンス対象の患者の識別情報701を入力した後、治療計画装置105にて作成した治療計画を表示する。次に、医師、放射線技師、医学物理士、看護師等の医療スタッフが治療計画を確認し、問題がないと判断すると、医師は承認ボタン702を押す。そして、端末装置101は承認ボタン702が押されると、現在の時刻情報を承認時刻として付加した後、医療情報システムサーバ102へカンファレンスの実施データとして送信される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0024】
次に、放射線技師が端末装置101で照射計画作成対象の患者の識別情報801と患者の治療日時要望を入力し、照射計画作成ボタン802を押す。次に、放射線治療装置107では、端末装置101からの治療日時要望を参考に、患者の識別情報がデータ入力部1202に入力され、照射計画803を作成する。そして、通信制御部1204はデータ入力部1202から患者の識別情報を取得し、現在の時刻情報を作成時刻とし付加した後、医療情報システムサーバ102へ照射計画作成の実施データとして送信される。また、照射計画803は端末装置101に送信され表示される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0025】
次に、補助具作製装置106では、放射線技師が患者の患者名や患者の識別情報をデータ表示部903にて確認しながらデータ入力部902から入力した後、該当する患者の放射線治療補助具の加工データを第3のデータベース905から読み出し、データ表示部903で確認した後、加工部901を操作し、補助具の作製を開始する。加工部901は作製が終了すると、通信制御部904に通知を行う。次に、通信制御部904はデータ入力部902から患者の識別情報を取得し、現在の時刻情報を加工完了時刻として付加した後、医療情報システムサーバ102へ補助具作製の実施データとして送信される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0026】
次に、放射線治療装置107では、放射線技師が線量測定対象の患者の識別情報1001をデータ表示部1203にて確認しながらデータ入力部1202に入力した後、線量の補正に必要な気温、気圧、照射線量を入力する。次に、放射線治療装置107は所定の演算を行い、線量モニタ補正値を出力(画面表示)する。次に、放射線技師は線量モニタプリセット値と照合し、妥当な出力値を確認後、確認ボタン1002を押す。次に、通信制御部1204は現在の時刻情報を線量測定時刻とし、患者の識別情報とともに、医療情報システムサーバ102へ線量測定の実施データとして送信される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0027】
次に、端末装置101では、看護師が前処置対象の患者の識別情報1101を入力し、必要な前処置を画面に表示する。看護師は必要な前処置を参照し、完了していることを確認すると、確認完了ボタン1102を押す。端末装置101はボタンが押されると、現在の時刻情報を前処置完了日時とし、患者の識別情報とともに、医療情報システムサーバ102へ前処理の実施データとして送信される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0028】
次に、放射線治療装置107では、放射線技師が患者の患者名や患者の識別情報をデータ入力部1202から入力し、該当する患者の放射線照射データを第4のデータベース1205から読み出し、データ表示部1203で確認した後、放射線照射部1201を操作し、患者に放射線を照射する。放射線照射部1201は線量モニタ補正値(線量測定のステップS307にて測定した状態)に達すると、放射線の照射を終了させ、通信制御部1204に通知を行う。通信制御部1204はデータ入力部1202から患者の識別情報を取得すると、現在の時刻情報を照射日時として付加した後、医療情報システムサーバ102へ照射の実施データとして送信される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0029】
次に、上記により生成された放射線治療実施記録データを読み出す動作について説明する。作業により発生した実施データは医療情報システムサーバ102の第1のデータベース103に格納される。そして医師、放射線技師、医学物理士、看護師等の医療スタッフは、端末装置101において、参照したい患者の識別情報を入力すると、端末装置101はLAN110を介して医療情報システムサーバ102に要求を行う。次に、医療情報システムサーバ102は通信制御部504がデータを受け取ると、データ加工部501に通知する。次に、データ加工部501は受信した通信データから患者の識別情報を抽出し、データベース制御部503を介して第1のデータベース103に格納している放射線治療実施記録データを読み出す。次に、通信制御部504は通信制御部504が読み出した、治療に関わる一連の作業である作業内容201と、それぞれの作業内容201に対し実施時刻202とが示されている放射線治療実施記録データを受け取ると、要求元の端末装置101へ応答する。このようにして、放射線治療実施記録データが端末装置101に表示される。
【0030】
上記のように構成された実施の形態1の放射線治療管理システムによれば、様々な作業者が別々にて行う作業が実施されたか否かを、放射線治療における一連の作業における記録を作成・管理するのを、放射線治療実施記録データを確認することで、治療中のもれを容易に確認することができる。また、放射線治療実施記録データを複数の医療スタッフ間の共有することにより、自分の担当作業が発生するまでの作業進捗状況が容易に判断することができるため、作業間の待ち時間を短縮することができる。さらには、治療後に放射線治療実施記録データを検証することで、どの作業にどのぐらいの時間を要しているかを分析し、さらに効率的な治療に役立てることができる。
【0031】
尚、上記実施の形態1では作業を実施する度に実施記録を医療情報システムサーバに送信し、第1のデータベースに放射線治療実施記録データを生成・格納することとしたが、これに限られることはなく、例えば、図13に示すように、第1のデータベース103を除き、端末装置101、画像撮影装置104、治療計画装置105、補助具作製装置106、放射線治療装置107の各装置の実施データ1301を保管させるように構成し、必要なとき端末装置101の指示より医療情報システムサーバ102が抽出して上記実施の形態1と同様に放射線治療実施記録データを作成してもよいことは言うまでもない。
【0032】
この場合、端末装置101から放射線治療実施記録データを読み出すときに、該当する患者の識別情報の実施データを端末装置101から要求し、この要求に基づいて、医療情報システムサーバ102が、画像撮影装置104、治療計画装置105、補助具作製装置106、放射線治療装置107の実施データ1301を抽出し取得して放射線治療実施記録データを作成し端末装置10に送信することとなる。このように構成することにより、放射線治療実施記録データの表示には時間を要するものの、第1のデータベース103の構成が不要となり、安価なシステムが構築できる。
【0033】
実施の形態2.
図14はこの発明の実施の形態2における放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示す図である。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。また、医療情報システムサーバ102以外の構成については、上記実施の形態1の図1にして示したものと同様であるため説明を省略する。医療情報システムサーバ102は、作業順序比較部1401を備えている。第1のデータベース103には実施可能条件表が格納されている。作業順序比較部1401は、第1のデータベース103に格納されている実施可能条件表を読み出し、作業の実施にあたり、作業の実施に必要な条件を比較して判定するものである。
【0034】
図15は図14に示した医療情報システムサーバ102の第1のデータベース103に格納されている作業の実施に必要な条件を示した実施可能条件表である。実施可能条件表とは、図に示すように、作業内容1501ごとに実施可能条件1502が定義されているものである。そして、実施可能条件1502は「○」の作業が完了していないと実施に移れないことを示し、「−」の作業は完了の有無に関わらず作業が行えることを示す。尚、S302〜S309とは、上記実施の形態1の図7にて示した各ステップの作業を示すものとする。
【0035】
次に、上記のように構成された実施の形態2の放射線治療管理システムの動作について図16に基づいて説明する。ここでは、上記実施の形態1の図7にて示した補助具作製(ステップS306)における作業順書比較部1401での比較動作について説明する。尚、放射線治療実施記録データを作成する動作は上記実施の形態1と同様であるため省略す。まず、放射線技師が補助具作製装置106において患者の患者名や患者の識別情報をデータ入力部902から入力すると、データベース入力部902は通信制御部904に通知を行う。次に、通信制御部904はデータ入力部902から患者の識別情報を取得し、自身のステップ情報(ここでは補助具作製のステップS306)を付加した比較対象データを作成する(図16のステップS1601)。
【0036】
次に、医療情報システムサーバ102へ比較対象データを送信する(図16のステップS1602)。次に、医療情報システムサーバ102の通信制御部504は比較対象データを受信する(図16のステップS1603)。次に、作業順序比較部1401に通知を行う。次に、作業順序比較部1401は第1のデータベース103に格納されている実施可能条件表を読み出し、図7の補助具作製(ステップS306)を実施するためには図7の画像撮影(ステップS302)、治療計画作成(ステップS303)、カンファレンス(ステップS304)の各作業が実施され完了していることが必要条件(照射計画作成のステップS306が実施されているかは、この場合必要条件ではない)であることを取得する(図16のステップS1604)。
【0037】
次に、患者の識別情報から該当する第1のデータベース103に格納されている放射線治療実施記録データを読み出す(図16のステップS1605)。次に、これら両者を比較判定することで、実施に必要な条件が整っているかどうかを判定する(図16のステップS1606)。次に、判定結果が通信制御部504に通知されると、応答データを作成する(図16のステップS1607)。次に、LAN110を介して、補助具作製装置106へデータを送信する(図16のステップS1608)。次に、補助具作製装置106の通信制御部904はデータを受信する(図16のステップS1609)。
【0038】
次に、この通知は通信制御部904を経由して、データベース表示部903に伝えられる。そして、結果判定がOKかNGのいずれであるかを判断する(図16のステップS1610)。次に、条件を満たしていない(NG)場合には、データ表示部903にその旨が表示され、必要な作業が完了していないことが警告される(図16のステップS1611)。尚、ここでは図7における作業の内、補助具作製(ステップS306)について示したが、これに限られることはなく、他の作業(ステップ)においても同様に作業順序比較部1401にて図15に示した実施可能条件表を参照にして比較判定できることは言うまでもなく、その説明は適宜省略する。
【0039】
上記のような実施の形態2の放射線治療管理システムによれば、作業開始時に当該作業以前に必要な作業にもれがないかを判定の上、表示するので、作業もれによる医療事故や作業の手戻りを防ぐことができる。また、作業もれの比較を図15に示すような実施可能条件表にて行っているため、放射線治療の作業フローに見直しが生じたとしても、容易に変更する可能である。
【0040】
尚、実施可能条件表は図15に示した例に限られることはなく、必要な作業項目に加えて経過時間を管理するようにしてもよいことは言うまでもない。例えば、画像撮影(ステップS302)から治療計画(ステップS303)までの時間間隔が所定時間以上経過している場合、所定時間以上に経過することにより患部の状態が変化している可能性があると考えられ、画像撮影自体からやり直す必要が生じる場合など、条件を満たしていないと判定することが考えられる。
【0041】
実施の形態3.
図17はこの発明の実施の形態3における放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示す図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。また、医療情報システムサーバ102以外の構成については、上記実施の形態1の図1にして示したものと同様であるため説明を省略する。医療情報システムサーバ102はメール作成部1701を備えている。第1のデータベース103には作業担当者一覧表が格納されている。メール作成部1701は、第1のデータベース103に格納されている作業担当者一覧表を読み出し、作業可能な作業の担当者宛てにメールを作成し、送信するものである。図18は図17に示した医療情報システムサーバ102の第1のデータベース103に格納されている作業担当者一覧表である。作業担当者一覧表とは、図に示すように、作業内容(実施データ)1801ごとに、作業担当者1802と、当該担当者のメールアドレス1803とが、保存されているものである。
【0042】
次に、上記のように構成された実施の形態3の放射線治療管理システムの動作について説明する。尚、放射線治療実施記録データを作成する動作など他の動作は上記各実施の形態と同様であるため省略する。医療情報システムサーバ102は、端末装置101、画像撮影装置104、治療計画装置105、補助具作製装置106、放射線治療装置107から実施データを受信し、放射線治療実施記録データに記録すると、メール作成部1701は実施可能条件表(上記実施の形態2の図15にて示したもの)を読み出す。次に、受信した実施データから該当の作業内容(実施データ)を取り出すと、上記作業内容の完了に伴い、作業が可能となる作業内容(実施が可能となる実施データ)を抽出する。次に、第1のデータベース103にあらかじめ格納されている作業担当一覧表から上記にて可能となった作業内容(実施が可能となる実施データ)に対応する作業担当者1802とメールアドレス1803とを読み出し、作業内容(実施データ)と対象の患者の識別情報とからなるメールを作成する。次に、メール作成部1701はメール作成後、通信制御部504を介して、LAN110を介してメールを送出し作業者に通知する。
【0043】
上記のように構成された実施の形態3の放射線治療管理システムによれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、作業を実施する度に発生する実施記録により、次作業の担当者に作業開始可能をメールで通知するため、次作業の担当者は即座に作業に着手することができるので、作業時間の短縮や作業実施の忘れの防止が可能となる。
【0044】
実施の形態4.
図19はこの発明の実施の形態4における放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示す図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。上記各実施の形態においては、画像撮影において実施データは画像撮影装置104が医療情報システムサーバ102に送信する場合を示したが、本実施の形態3においては、図19に示すように、ワークリストサーバ1901を設け、医療情報システムサーバ102はワークリストサーバ1901を経由して医療情報システムサーバ102に実施データを送信する。
【0045】
患部の画像を撮影において、DICOM(Digital Imagingand Communicationsin Medicine)規格が広まりつつあり、DICOM規格をサポートしていれば、画像撮影装置はMWM(Modality Work list Management)に則り患者氏名、患者の識別情報、撮影部位等の撮影指示情報を参照し、MPPS(ModalityPerformedProcedureStep)に則り撮影実施情報を通知することができる。
【0046】
本実施の形態4における図19は、DICOM規格をサポートした場合の構成図を示しており、ワークリストサーバ1901を備えている。画像撮影装置104はワークリストサーバ1901内に用意されるワークリストと呼ばれる撮影指示情報を参照し、撮影が終わると画像をPACSサーバ108に送信するとともに、撮影実施情報をワークリストサーバ1901に格納する。
【0047】
まず、放射線技師はワークリストサーバ1901に撮影指示情報を入力する(図20のステップS2001)と、ワークリストサーバ1901はワークリストを作成する(図20のステップS2002)。次に、画像撮影装置104は撮影に先立ち、ワークリストサーバ1901からMWMに則りデータを取得する(図20のステップS2003)。次に、放射線技師は画像撮影装置104が取得した撮影指示情報を参照する(図20のステップS2004)。次に、患者の患部の撮影を実施する(図20のステップS2005)。
【0048】
次に、撮影が終わると、画像撮影装置104は撮影した画像をPACSサーバ108に送信する(図20のステップS2006)。次に、実施データを生成する(図20のステップS2007)。次に、MPPSに則りワークリストサーバ1901に通知する(図20のステップS2008)。次に、実施データの通知を受けたワークリストサーバ1901は自身にデータを格納する(図20のステップS2009)。次に、医療情報システムサーバ102はワークリストサーバ1901が格納した実施データを参照する(図20のステップS2010)。次に、患者の識別情報と撮影日時を抽出すると、第1のデータベース103に格納している患者ごとに用意した放射線治療実施記録データから該当する作業内容201の実施時刻202に撮影日時を記録する(図20のステップS2011)。
【0049】
上記のように構成された実施の形態4の放射線治療管理システムによれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、DICOM規格に準じたワークリストサーバを設けることにより、画像撮影装置から実施データを容易に取得できるため、画像撮影装置にデータ入力部、データ表示部、通信制御部などが不要となり、より簡便なシステムの構成が可能となる。
【0050】
実施の形態5.
図21はこの発明の実施の形態5における放射線治療管理システムの構成を示す図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。上記各実施の形態では、補助具作製における実施データは補助具作製装置106が医療情報システムサーバ102に送信する例について示したが、本実施の形態5においては図22に示すように、LAN110に接続された補助具用ラベル装置2201を備え、端末装置101にて治療補助具に貼り付けるラベル印刷指示用の画面を備え、端末装置101がラベル印刷を指示したこと、すなわち補助具用ラベル装置2201がラベル作成を行ったことを、医療情報システムサーバ102に補助具作製の実施データとして送信するものである。
【0051】
よって、補助具作製装置106はLAN110から切り離されたものである。尚、放射線治療の補助具の作製するために補助具作製装置106は必須であるので、補助具作製装置106が不要となったわけでなく、LAN110との接続がオフラインに変更となっているものである。
【0052】
次に上記のように構成された実施の形態5の動作について説明する。まず、放射線技師は補助具作製装置106を用いて、放射線治療補助具を作成すると、どの患者用に作製したものか区別するために、患者名と患者の識別情報とが少なくても記載されたラベルを印刷し、補助具に貼り付ける。そして、端末装置101のラベル印刷用画面を開き、患者の識別情報2101を入力し、ボーラス用ラベル印刷ボタン2102あるいは患者コリメータ用ラベル印刷ボタン2103を押すと、端末装置101は患者の識別情報に現在の時刻情報を加工完了日時として付加した後、医療情報システムサーバ102へ補助具作製の実施データとして送信する。他の動作は上記各実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0053】
上記のように構成された実施の形態5の放射線治療管理システムによれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、補助具作製装置のラベル印刷画面を端末装置に設け、端末装置が補助具に貼り付けるラベルの印刷を指示することにより、補助具作製の実施データとして送信する。よって、補助具作製装置をLANに接続する必要がなくなるため、補助具作製装置にデータ入力部、データ表示部、通信制御部が不要となり、より簡便なシステムの構成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の実施の形態1をおける放射線治療管理システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示した放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示す図である。
【図3】図1に示した放射線治療管理システムの画像装置の構成を示す図である。
【図4】図1に示した放射線治療管理システムの治療計画装置の構成を示す図である。
【図5】図1に示した放射線治療管理システムの補助具作製装置の構成を示す図である。
【図6】図1に示した放射線治療管理システムの放射線治療装置の構成を示す図である。
【図7】図1に示した放射線治療管理システムが用いられる放射線治療の作業を示したフローチャートである。
【図8】図1に示した放射線治療管理システムの治療計画装置の表示画面の例を示した図である。
【図9】図1に示した放射線治療管理システムの端末装置の表示画面の例を示した図である。
【図10】図1に示した放射線治療管理システムの放射線治療装置の表示画面の例を示した図である。
【図11】図1に示した放射線治療管理システムの端末装置の表示画面の例を示した図である。
【図12】図1に示した放射線治療管理システムにより作成された放射線治療実施記録データの例を示した図である。
【図13】この発明の実施の形態1をおける他の放射線治療管理システムの構成を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態2における放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示した図である。
【図15】図14に示した放射線治療管理システムにおける実施可能条件表を示した図である。
【図16】図14に示した放射線治療管理システムの動作を示したフローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態3における放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示した図である。
【図18】図17に示した放射線治療管理システムの作業担当一覧表を示した図である。
【図19】この発明の実施の形態4における放射線治療管理システムの構成を示した図である。
【図20】図19に示した放射線治療管理システムの動作を示したフローチャートである。
【図21】この発明の実施の形態5における放射線治療管理システムの構成を示した図である。
【図22】図21に示した放射線治療管理システムの端末装置の補助具ラベル装置の表示画面の例を示した図である。
【符号の説明】
【0055】
101 端末装置、102 医療情報システムサーバ、104 画像撮影装置、
105 治療計画装置、106 補助具作製装置、107 放射線治療装置、
1901 ワークリストサーバ、2201 補助具用ラベル装置。
【技術分野】
【0001】
この発明は、病院等の治療施設において、光子線(X線、γ線など)、電子線、粒子線(陽子、ネオンイオン、炭素イオン、π中間子、速中性子など)を用いる放射線治療に関する一連の記録を作成・管理する放射線治療管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の病院情報システムは、閉鎖的な範囲の中で記録を作成・管理している。具体的にはシステム利用者が患者受診記録をアクセスする場合について、利用者の識別情報と患者の識別情報とをアクセス記録情報として記録している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−155212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の病院情報システムは、システムの利用者に限ってはアクセス記録を残しているが、治療に関わる一連の作業について、網羅的に記録を作成・管理するように構成されていないため、治療に関わる作業がもれなく正しい順序で実施されているか否かを検証することができない問題点があった。また、病院情報システムを用いた作業に関してはシステム利用者の操作をきっかけにして記録を作成・管理することはできても、病院情報システムを用いない作業については記録を作成できない、あるいは、当該作業を行うシステムで記録を作成していても、一元的に管理できない問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、放射線治療に関わる一連の作業の実施データを作成・管理できる放射線治療管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、放射線治療の治療内容の治療計画を作成する治療計画装置と、
放射線治療を行うための患部画像を撮影する画像撮影装置と、
放射線治療に使用される補助具を作製する補助具作製装置と、
放射線治療を行うための放射線を照射し、放射線治療の照射計画作成を作成し、放射線治療の線量測定を行う放射線治療装置と、
治療計画に対するカンファレンスを行った情報および放射線治療の前処理を行った情報を入力するための端末装置と、
放射線治療の情報を患者の識別情報に基づいて管理する医療情報システム装置とを備えた放射線治療管理システムであって、
医療情報システム装置は、
画像撮影装置で実施された患部画像を撮影した時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
治療計画装置で実施された治療計画を作成した時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
端末装置で実施されたカンファレンスを行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データ、および、前処理を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
補助具製作装置で実施された作製を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
放射線治療装置で実施された照射計画を作成した時刻を患者の識別情報とともに示す実施データ、および、照射を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データ、および、線量測定を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
各実施データを患者の識別情報ごとに収集して放射線治療実施記録データとして作成するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の放射線治療管理システムは、放射線治療の治療内容の治療計画を作成する治療計画装置と、
放射線治療を行うための患部画像を撮影する画像撮影装置と、
放射線治療に使用される補助具を作製する補助具作製装置と、
放射線治療を行うための放射線を照射し、放射線治療の照射計画作成を作成し、放射線治療の線量測定を行う放射線治療装置と、
治療計画に対するカンファレンスを行った情報および放射線治療の前処理を行った情報を入力するための端末装置と、
放射線治療の情報を患者の識別情報に基づいて管理する医療情報システム装置とを備えた放射線治療管理システムであって、
医療情報システム装置は、
画像撮影装置で実施された患部画像を撮影した時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
治療計画装置で実施された治療計画を作成した時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
端末装置で実施されたカンファレンスを行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データ、および、前処理を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
補助具製作装置で実施された作製を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
放射線治療装置で実施された照射計画を作成した時刻を患者の識別情報とともに示す実施データ、および、照射を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データ、および、線量測定を行った時刻を患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
各実施データを患者の識別情報ごとに収集して放射線治療実施記録データとして作成するので、放射線治療の一連の作業の実施データを作成・管理できる
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1はこの実施の形態1における放射線治療管理システムの構成を示した図、図2は図1に示した放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示す図、図3は図1に示した放射線治療管理システムの画像装置の構成を示す図、図4は図1に示した放射線治療管理システムの治療計画装置の構成を示す図、図5は図1に示した放射線治療管理システムの補助具作製装置の構成を示す図、図6は図1に示した放射線治療管理システムの放射線治療装置の構成を示す図、図7は図1に示した放射線治療管理システムが用いられる放射線治療の作業を示したフローチャート、図8は図1に示した放射線治療管理システムの治療計画装置の表示画面の例を示した図、図9は図1に示した放射線治療管理システムの端末装置の表示画面の例を示した図、図10は図1に示した放射線治療管理システムの放射線治療装置の表示画面の例を示した図、図11は図1に示した放射線治療管理システムの端末装置の表示画面の例を示した図、図12は図1に示した放射線治療管理システムにより作成された放射線治療実施記録データの例を示した図である。
【0009】
図において、放射線治療管理システムは、通信網としてのLAN110に、端末装置101と、医療情報システム装置としての医療情報システムサーバ102と、画像撮影装置104と、治療計画装置105と、補助具作製装置106と、放射線治療装置107と、Picture Archiving Communication Systemサーバ(以下、PACSサーバと称す)108とがそれぞれ接続され構成されている。そして、医療情報システムサーバ102には第1のデータベース103が、PACSサーバ108には第2のデータベース109がそれぞれ備えられている。第1のデータベース103は放射線治療管理システムが取り扱う患者の情報を患者の識別情報に基づいて格納されている。
【0010】
医療情報システムサーバ102は図2に示すように、受信した通信データから放射線治療実施記録データの作成に必要なデータを抽出して加工するデータ加工部501と、第1のデータベース103にデータを書き込むデータベース制御部503と、端末装置101の要求により、データベース制御部503を介して第1のデータベース103から放射線治療実施記録データを読み込み表示するデータ表示部5と、LAN110に接続され、通信データの生成・解読等の制御を行う通信制御部504とを備えている。
【0011】
画像撮影装置104は放射線治療を行うための患部画像を撮影し、患者の識別情報とともに患部画像を撮影した時刻を示す実施データを出力する装置であり、CT(Computed Tomography)やMRI(Magnetic Resonance Imaging)、PET(Positron Emission Tomography)などのように患者の患部の撮影に用いる機器にて形成されている。そして、図3に示すように、患者の患部の撮影を行う画像撮影部401と、患者名や患者のIDの入力を行うデータ入力部402と、入力されたデータが表示するデータ表示部403と、LAN110に接続され、通信データの生成・解読等の制御を行う通信制御部404とを備えている。
【0012】
治療計画装置105は撮影した画像に基づいて治療計画を作成し、患者の識別情報とともに治療計画を作成した時刻を示す実施データを出力する装置である。そして、図4に示すように、患者名や患者のIDの入力を行うデータ入力部602と、入力されたデータを表示するためのデータ表示部603と、データを入力・確認しながら治療計画を作成する治療計画作成部601と、LAN110に接続され、通信データの生成・解読等の制御を行う通信制御部604とを備えている。
【0013】
補助具作製装置106は放射線治療を行う際に、正常細胞への曝射を抑えるボーラスやコリメータなどの補助具を作製し、患者の識別情報ととも作製を行った時刻を示す実施データを出力する装置である。そして、図5に示すように、患者名や患者の識別情報の入力を行うためのデータ入力部902と、放射線治療補助具の加工データが表示されるデータ表示部903と、治療計画承認により治療計画装置105から送られてくるボーラスやコリメータ等の放射線治療補助具の加工データを格納する第3のデータベース905と、加工データを元に放射線治療補助具を加工する加工部901と、LAN110に接続され、通信データの生成・解読等の制御を行う通信制御部904とを備えている。
【0014】
放射線治療装置107は放射線治療の照射計画作成を作成し、また、放射線治療の線量測定を行い、また、放射線治療のために患者の患部に放射線の照射を行うものである。さらに、患者の識別情報とともに照射計画を作成した時刻を示す実施データ、および、患者の識別情報とともに線量測定を行った時刻を示す実施データ、および、患者の識別情報とともに照射を行った時刻を示す実施データを出力する装置である。そして、例えばX線を用いるリニアック装置や粒子線を用いる粒子線治療装置にて構成される。そして、図6に示すように、患者名や患者の識別情報の入力を行うためのデータ入力部1202と、照射する放射線のデータが表示されるデータ表示部1203と、治療計画承認により治療計画装置105から送られてくる放射線照射データおよび作成した照射計画を格納する第4のデータベース1205と、照射計画に基づいて患者に放射線を照射する放射線照射部1201と、LAN110に接続され、通信データの生成・解読等の制御を行う通信制御部1204とを備えている。
【0015】
PACSサーバ108は画像撮影装置104で撮影した画像を保管・管理する画像管理サーバで、撮影された画像を格納するための第2のデータベース109を有している。端末装置101は、放射線治療に対するカンファレンスを行った情報および放射線治療の前処理を行った情報を入力するためのものであり、患者の情報を他の装置から参照したり書き込みしたりすることが可能である。
【0016】
次に上記のように構成された実施の形態1の放射線治療管理システムの動作について説明する。まずここで、病院等の医療機関における放射線治療の作業の流れを、図7に基づいて説明する。まず、医師は患者を診察し、診察結果から最適な治療方法を選択し、患者に説明を行い、患者の同意を得た上で、治療方法を決定する(ステップS301)。次に、画像撮影装置104により治療計画を作成するために必要となる患部の画像を撮影する(ステップS302)。次に、撮影した画像を参照しながら、放射線を照射する部位を決定し、照射線量と照射回数とに基づいて必要な線量が正しく治療部位に分布されているかを確認し、治療計画を作成する(ステップS303)。
【0017】
次に、医師、放射線技師、医学物理士、看護師等の医療スタッフでカンファレンスを開催し、作成した治療計画に問題ないかどうかを確認する(ステップS304)。図8はこの図7の作業フローのカンファレンス(ステップS304)を実現する端末装置101の表示画面の例である。患者の識別情報(図中においては、患者の識別情報を患者IDとして示す。以下の場合も同様に示しているためその説明は適宜省略する)701には該当する患者の識別情報を入力後、作成した計画を承認する場合は承認ボタン702、否認する場合は否認ボタン703を押す。
【0018】
次に、治療計画が承認されると、治療計画に基づき照射を行う日時を定める照射計画を作成する(ステップS305)。図9は図7の作業フローの照射計画作成(ステップS305)を実現する端末装置101の表示画面の例である。患者の識別情報801に該当する患者の識別情報を入力後、照射計画作成を作成するために、照射計画作成ボタン802を押すと、放射線治療装置107にて作成された照射計画803が表示される。次に、並行して治療計画で定められたボーラスやコリメータ等の放射線治療補助具を作製する(ステップS306)。
【0019】
次に、放射線治療装置107に治療計画で定められたパラメータを設定し、治療計画通りの線量が照射されるかどうかの線量測定を行う(ステップS307)。図10は図7の作業フローの線量測定(ステップS307)を実現する放射線治療装置107の表示画面の例である。患者の識別情報1001に該当する患者の識別情報を入力後、必要な測定値を入力し、確認ボタン1002を押す。次に、治療当日、患者が来院後、照射に必要な前処置を行う(ステップS308)。図11は図7の作業フローの前処理(ステップS308)を実現する端末装置101の表示画面の例である。患者の識別情報1101に該当する患者の識別情報を入力し、必要な前処置の実施状況を確認後、確認確認ボタン1102を押す。次に、放射線治療装置107により患者の患部への放射線の照射を行う(ステップS309)。そして通常は、放射線の照射は複数日に分けて行うため、上記に示したステップS307、ステップS308、ステップS309は複数回実施されることとなる。
【0020】
次に図7の作業フローの各装置の動作について説明する。まず、診察が行われる。次に、画像撮影装置104では、放射線技師が患者の患者名や患者の識別情報をデータ表示部403にて確認しながらデータ入力部402から入力した後、画像撮影部401を用いて撮影対象の患部の撮影を行う。そして、撮影が行われると、画像撮影部401は通信制御部404に通知を行う。そして通信制御部404はデータ入力部402から患者の識別情報を取得し、現在の時刻情報から撮影時刻を付加した後、医療情報システムサーバ102へ画像撮影の実施データとして送信される。
【0021】
次に、医療情報システムサーバ102は通信制御部504が実施データを受け取ると、データ加工部501に通知する。そしてデータ加工部501は受信した実施データから患者の識別情報と撮影時刻とを抽出し、第1のデータベース103に格納している患者の識別情報ごとに用意した放射線治療実施記録データを、データベース制御部503を介して読み出し、該当する作業内容と実施時刻とを記録する。次に、交信された放射線治療実施記録データは再びデータベース制御部503を介して第1のデータベース103に格納される。尚、医療情報システムサーバ102における実施データを受け取る場合の動作は以下の作業においても同様に行うため、医療情報システムサーバ102の実施データの受け取りの動作は適宜省略する。
【0022】
次に、治療計画装置105では、医師が患者名や患者の識別情報をデータ表示部603にて確認しながらデータ入力部602から入力した後、治療計画を作成する。そして治療計画作成が行われると、治療計画作成部601は通信制御部604に通知を行う。そして、通信制御部604はデータ入力部602から患者の識別情報を取得し、現在の時刻情報を計画時刻として付加した後、医療情報システムサーバ102へ治療計画作成の実施データとして送信される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0023】
次に、端末装置101では、カンファレンス対象の患者の識別情報701を入力した後、治療計画装置105にて作成した治療計画を表示する。次に、医師、放射線技師、医学物理士、看護師等の医療スタッフが治療計画を確認し、問題がないと判断すると、医師は承認ボタン702を押す。そして、端末装置101は承認ボタン702が押されると、現在の時刻情報を承認時刻として付加した後、医療情報システムサーバ102へカンファレンスの実施データとして送信される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0024】
次に、放射線技師が端末装置101で照射計画作成対象の患者の識別情報801と患者の治療日時要望を入力し、照射計画作成ボタン802を押す。次に、放射線治療装置107では、端末装置101からの治療日時要望を参考に、患者の識別情報がデータ入力部1202に入力され、照射計画803を作成する。そして、通信制御部1204はデータ入力部1202から患者の識別情報を取得し、現在の時刻情報を作成時刻とし付加した後、医療情報システムサーバ102へ照射計画作成の実施データとして送信される。また、照射計画803は端末装置101に送信され表示される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0025】
次に、補助具作製装置106では、放射線技師が患者の患者名や患者の識別情報をデータ表示部903にて確認しながらデータ入力部902から入力した後、該当する患者の放射線治療補助具の加工データを第3のデータベース905から読み出し、データ表示部903で確認した後、加工部901を操作し、補助具の作製を開始する。加工部901は作製が終了すると、通信制御部904に通知を行う。次に、通信制御部904はデータ入力部902から患者の識別情報を取得し、現在の時刻情報を加工完了時刻として付加した後、医療情報システムサーバ102へ補助具作製の実施データとして送信される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0026】
次に、放射線治療装置107では、放射線技師が線量測定対象の患者の識別情報1001をデータ表示部1203にて確認しながらデータ入力部1202に入力した後、線量の補正に必要な気温、気圧、照射線量を入力する。次に、放射線治療装置107は所定の演算を行い、線量モニタ補正値を出力(画面表示)する。次に、放射線技師は線量モニタプリセット値と照合し、妥当な出力値を確認後、確認ボタン1002を押す。次に、通信制御部1204は現在の時刻情報を線量測定時刻とし、患者の識別情報とともに、医療情報システムサーバ102へ線量測定の実施データとして送信される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0027】
次に、端末装置101では、看護師が前処置対象の患者の識別情報1101を入力し、必要な前処置を画面に表示する。看護師は必要な前処置を参照し、完了していることを確認すると、確認完了ボタン1102を押す。端末装置101はボタンが押されると、現在の時刻情報を前処置完了日時とし、患者の識別情報とともに、医療情報システムサーバ102へ前処理の実施データとして送信される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0028】
次に、放射線治療装置107では、放射線技師が患者の患者名や患者の識別情報をデータ入力部1202から入力し、該当する患者の放射線照射データを第4のデータベース1205から読み出し、データ表示部1203で確認した後、放射線照射部1201を操作し、患者に放射線を照射する。放射線照射部1201は線量モニタ補正値(線量測定のステップS307にて測定した状態)に達すると、放射線の照射を終了させ、通信制御部1204に通知を行う。通信制御部1204はデータ入力部1202から患者の識別情報を取得すると、現在の時刻情報を照射日時として付加した後、医療情報システムサーバ102へ照射の実施データとして送信される。そして、医療情報システムサーバ102における実施データが送信された以後の処理は上記に示した場合と同様に行われる。
【0029】
次に、上記により生成された放射線治療実施記録データを読み出す動作について説明する。作業により発生した実施データは医療情報システムサーバ102の第1のデータベース103に格納される。そして医師、放射線技師、医学物理士、看護師等の医療スタッフは、端末装置101において、参照したい患者の識別情報を入力すると、端末装置101はLAN110を介して医療情報システムサーバ102に要求を行う。次に、医療情報システムサーバ102は通信制御部504がデータを受け取ると、データ加工部501に通知する。次に、データ加工部501は受信した通信データから患者の識別情報を抽出し、データベース制御部503を介して第1のデータベース103に格納している放射線治療実施記録データを読み出す。次に、通信制御部504は通信制御部504が読み出した、治療に関わる一連の作業である作業内容201と、それぞれの作業内容201に対し実施時刻202とが示されている放射線治療実施記録データを受け取ると、要求元の端末装置101へ応答する。このようにして、放射線治療実施記録データが端末装置101に表示される。
【0030】
上記のように構成された実施の形態1の放射線治療管理システムによれば、様々な作業者が別々にて行う作業が実施されたか否かを、放射線治療における一連の作業における記録を作成・管理するのを、放射線治療実施記録データを確認することで、治療中のもれを容易に確認することができる。また、放射線治療実施記録データを複数の医療スタッフ間の共有することにより、自分の担当作業が発生するまでの作業進捗状況が容易に判断することができるため、作業間の待ち時間を短縮することができる。さらには、治療後に放射線治療実施記録データを検証することで、どの作業にどのぐらいの時間を要しているかを分析し、さらに効率的な治療に役立てることができる。
【0031】
尚、上記実施の形態1では作業を実施する度に実施記録を医療情報システムサーバに送信し、第1のデータベースに放射線治療実施記録データを生成・格納することとしたが、これに限られることはなく、例えば、図13に示すように、第1のデータベース103を除き、端末装置101、画像撮影装置104、治療計画装置105、補助具作製装置106、放射線治療装置107の各装置の実施データ1301を保管させるように構成し、必要なとき端末装置101の指示より医療情報システムサーバ102が抽出して上記実施の形態1と同様に放射線治療実施記録データを作成してもよいことは言うまでもない。
【0032】
この場合、端末装置101から放射線治療実施記録データを読み出すときに、該当する患者の識別情報の実施データを端末装置101から要求し、この要求に基づいて、医療情報システムサーバ102が、画像撮影装置104、治療計画装置105、補助具作製装置106、放射線治療装置107の実施データ1301を抽出し取得して放射線治療実施記録データを作成し端末装置10に送信することとなる。このように構成することにより、放射線治療実施記録データの表示には時間を要するものの、第1のデータベース103の構成が不要となり、安価なシステムが構築できる。
【0033】
実施の形態2.
図14はこの発明の実施の形態2における放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示す図である。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。また、医療情報システムサーバ102以外の構成については、上記実施の形態1の図1にして示したものと同様であるため説明を省略する。医療情報システムサーバ102は、作業順序比較部1401を備えている。第1のデータベース103には実施可能条件表が格納されている。作業順序比較部1401は、第1のデータベース103に格納されている実施可能条件表を読み出し、作業の実施にあたり、作業の実施に必要な条件を比較して判定するものである。
【0034】
図15は図14に示した医療情報システムサーバ102の第1のデータベース103に格納されている作業の実施に必要な条件を示した実施可能条件表である。実施可能条件表とは、図に示すように、作業内容1501ごとに実施可能条件1502が定義されているものである。そして、実施可能条件1502は「○」の作業が完了していないと実施に移れないことを示し、「−」の作業は完了の有無に関わらず作業が行えることを示す。尚、S302〜S309とは、上記実施の形態1の図7にて示した各ステップの作業を示すものとする。
【0035】
次に、上記のように構成された実施の形態2の放射線治療管理システムの動作について図16に基づいて説明する。ここでは、上記実施の形態1の図7にて示した補助具作製(ステップS306)における作業順書比較部1401での比較動作について説明する。尚、放射線治療実施記録データを作成する動作は上記実施の形態1と同様であるため省略す。まず、放射線技師が補助具作製装置106において患者の患者名や患者の識別情報をデータ入力部902から入力すると、データベース入力部902は通信制御部904に通知を行う。次に、通信制御部904はデータ入力部902から患者の識別情報を取得し、自身のステップ情報(ここでは補助具作製のステップS306)を付加した比較対象データを作成する(図16のステップS1601)。
【0036】
次に、医療情報システムサーバ102へ比較対象データを送信する(図16のステップS1602)。次に、医療情報システムサーバ102の通信制御部504は比較対象データを受信する(図16のステップS1603)。次に、作業順序比較部1401に通知を行う。次に、作業順序比較部1401は第1のデータベース103に格納されている実施可能条件表を読み出し、図7の補助具作製(ステップS306)を実施するためには図7の画像撮影(ステップS302)、治療計画作成(ステップS303)、カンファレンス(ステップS304)の各作業が実施され完了していることが必要条件(照射計画作成のステップS306が実施されているかは、この場合必要条件ではない)であることを取得する(図16のステップS1604)。
【0037】
次に、患者の識別情報から該当する第1のデータベース103に格納されている放射線治療実施記録データを読み出す(図16のステップS1605)。次に、これら両者を比較判定することで、実施に必要な条件が整っているかどうかを判定する(図16のステップS1606)。次に、判定結果が通信制御部504に通知されると、応答データを作成する(図16のステップS1607)。次に、LAN110を介して、補助具作製装置106へデータを送信する(図16のステップS1608)。次に、補助具作製装置106の通信制御部904はデータを受信する(図16のステップS1609)。
【0038】
次に、この通知は通信制御部904を経由して、データベース表示部903に伝えられる。そして、結果判定がOKかNGのいずれであるかを判断する(図16のステップS1610)。次に、条件を満たしていない(NG)場合には、データ表示部903にその旨が表示され、必要な作業が完了していないことが警告される(図16のステップS1611)。尚、ここでは図7における作業の内、補助具作製(ステップS306)について示したが、これに限られることはなく、他の作業(ステップ)においても同様に作業順序比較部1401にて図15に示した実施可能条件表を参照にして比較判定できることは言うまでもなく、その説明は適宜省略する。
【0039】
上記のような実施の形態2の放射線治療管理システムによれば、作業開始時に当該作業以前に必要な作業にもれがないかを判定の上、表示するので、作業もれによる医療事故や作業の手戻りを防ぐことができる。また、作業もれの比較を図15に示すような実施可能条件表にて行っているため、放射線治療の作業フローに見直しが生じたとしても、容易に変更する可能である。
【0040】
尚、実施可能条件表は図15に示した例に限られることはなく、必要な作業項目に加えて経過時間を管理するようにしてもよいことは言うまでもない。例えば、画像撮影(ステップS302)から治療計画(ステップS303)までの時間間隔が所定時間以上経過している場合、所定時間以上に経過することにより患部の状態が変化している可能性があると考えられ、画像撮影自体からやり直す必要が生じる場合など、条件を満たしていないと判定することが考えられる。
【0041】
実施の形態3.
図17はこの発明の実施の形態3における放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示す図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。また、医療情報システムサーバ102以外の構成については、上記実施の形態1の図1にして示したものと同様であるため説明を省略する。医療情報システムサーバ102はメール作成部1701を備えている。第1のデータベース103には作業担当者一覧表が格納されている。メール作成部1701は、第1のデータベース103に格納されている作業担当者一覧表を読み出し、作業可能な作業の担当者宛てにメールを作成し、送信するものである。図18は図17に示した医療情報システムサーバ102の第1のデータベース103に格納されている作業担当者一覧表である。作業担当者一覧表とは、図に示すように、作業内容(実施データ)1801ごとに、作業担当者1802と、当該担当者のメールアドレス1803とが、保存されているものである。
【0042】
次に、上記のように構成された実施の形態3の放射線治療管理システムの動作について説明する。尚、放射線治療実施記録データを作成する動作など他の動作は上記各実施の形態と同様であるため省略する。医療情報システムサーバ102は、端末装置101、画像撮影装置104、治療計画装置105、補助具作製装置106、放射線治療装置107から実施データを受信し、放射線治療実施記録データに記録すると、メール作成部1701は実施可能条件表(上記実施の形態2の図15にて示したもの)を読み出す。次に、受信した実施データから該当の作業内容(実施データ)を取り出すと、上記作業内容の完了に伴い、作業が可能となる作業内容(実施が可能となる実施データ)を抽出する。次に、第1のデータベース103にあらかじめ格納されている作業担当一覧表から上記にて可能となった作業内容(実施が可能となる実施データ)に対応する作業担当者1802とメールアドレス1803とを読み出し、作業内容(実施データ)と対象の患者の識別情報とからなるメールを作成する。次に、メール作成部1701はメール作成後、通信制御部504を介して、LAN110を介してメールを送出し作業者に通知する。
【0043】
上記のように構成された実施の形態3の放射線治療管理システムによれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、作業を実施する度に発生する実施記録により、次作業の担当者に作業開始可能をメールで通知するため、次作業の担当者は即座に作業に着手することができるので、作業時間の短縮や作業実施の忘れの防止が可能となる。
【0044】
実施の形態4.
図19はこの発明の実施の形態4における放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示す図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。上記各実施の形態においては、画像撮影において実施データは画像撮影装置104が医療情報システムサーバ102に送信する場合を示したが、本実施の形態3においては、図19に示すように、ワークリストサーバ1901を設け、医療情報システムサーバ102はワークリストサーバ1901を経由して医療情報システムサーバ102に実施データを送信する。
【0045】
患部の画像を撮影において、DICOM(Digital Imagingand Communicationsin Medicine)規格が広まりつつあり、DICOM規格をサポートしていれば、画像撮影装置はMWM(Modality Work list Management)に則り患者氏名、患者の識別情報、撮影部位等の撮影指示情報を参照し、MPPS(ModalityPerformedProcedureStep)に則り撮影実施情報を通知することができる。
【0046】
本実施の形態4における図19は、DICOM規格をサポートした場合の構成図を示しており、ワークリストサーバ1901を備えている。画像撮影装置104はワークリストサーバ1901内に用意されるワークリストと呼ばれる撮影指示情報を参照し、撮影が終わると画像をPACSサーバ108に送信するとともに、撮影実施情報をワークリストサーバ1901に格納する。
【0047】
まず、放射線技師はワークリストサーバ1901に撮影指示情報を入力する(図20のステップS2001)と、ワークリストサーバ1901はワークリストを作成する(図20のステップS2002)。次に、画像撮影装置104は撮影に先立ち、ワークリストサーバ1901からMWMに則りデータを取得する(図20のステップS2003)。次に、放射線技師は画像撮影装置104が取得した撮影指示情報を参照する(図20のステップS2004)。次に、患者の患部の撮影を実施する(図20のステップS2005)。
【0048】
次に、撮影が終わると、画像撮影装置104は撮影した画像をPACSサーバ108に送信する(図20のステップS2006)。次に、実施データを生成する(図20のステップS2007)。次に、MPPSに則りワークリストサーバ1901に通知する(図20のステップS2008)。次に、実施データの通知を受けたワークリストサーバ1901は自身にデータを格納する(図20のステップS2009)。次に、医療情報システムサーバ102はワークリストサーバ1901が格納した実施データを参照する(図20のステップS2010)。次に、患者の識別情報と撮影日時を抽出すると、第1のデータベース103に格納している患者ごとに用意した放射線治療実施記録データから該当する作業内容201の実施時刻202に撮影日時を記録する(図20のステップS2011)。
【0049】
上記のように構成された実施の形態4の放射線治療管理システムによれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、DICOM規格に準じたワークリストサーバを設けることにより、画像撮影装置から実施データを容易に取得できるため、画像撮影装置にデータ入力部、データ表示部、通信制御部などが不要となり、より簡便なシステムの構成が可能となる。
【0050】
実施の形態5.
図21はこの発明の実施の形態5における放射線治療管理システムの構成を示す図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。上記各実施の形態では、補助具作製における実施データは補助具作製装置106が医療情報システムサーバ102に送信する例について示したが、本実施の形態5においては図22に示すように、LAN110に接続された補助具用ラベル装置2201を備え、端末装置101にて治療補助具に貼り付けるラベル印刷指示用の画面を備え、端末装置101がラベル印刷を指示したこと、すなわち補助具用ラベル装置2201がラベル作成を行ったことを、医療情報システムサーバ102に補助具作製の実施データとして送信するものである。
【0051】
よって、補助具作製装置106はLAN110から切り離されたものである。尚、放射線治療の補助具の作製するために補助具作製装置106は必須であるので、補助具作製装置106が不要となったわけでなく、LAN110との接続がオフラインに変更となっているものである。
【0052】
次に上記のように構成された実施の形態5の動作について説明する。まず、放射線技師は補助具作製装置106を用いて、放射線治療補助具を作成すると、どの患者用に作製したものか区別するために、患者名と患者の識別情報とが少なくても記載されたラベルを印刷し、補助具に貼り付ける。そして、端末装置101のラベル印刷用画面を開き、患者の識別情報2101を入力し、ボーラス用ラベル印刷ボタン2102あるいは患者コリメータ用ラベル印刷ボタン2103を押すと、端末装置101は患者の識別情報に現在の時刻情報を加工完了日時として付加した後、医療情報システムサーバ102へ補助具作製の実施データとして送信する。他の動作は上記各実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0053】
上記のように構成された実施の形態5の放射線治療管理システムによれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、補助具作製装置のラベル印刷画面を端末装置に設け、端末装置が補助具に貼り付けるラベルの印刷を指示することにより、補助具作製の実施データとして送信する。よって、補助具作製装置をLANに接続する必要がなくなるため、補助具作製装置にデータ入力部、データ表示部、通信制御部が不要となり、より簡便なシステムの構成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の実施の形態1をおける放射線治療管理システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示した放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示す図である。
【図3】図1に示した放射線治療管理システムの画像装置の構成を示す図である。
【図4】図1に示した放射線治療管理システムの治療計画装置の構成を示す図である。
【図5】図1に示した放射線治療管理システムの補助具作製装置の構成を示す図である。
【図6】図1に示した放射線治療管理システムの放射線治療装置の構成を示す図である。
【図7】図1に示した放射線治療管理システムが用いられる放射線治療の作業を示したフローチャートである。
【図8】図1に示した放射線治療管理システムの治療計画装置の表示画面の例を示した図である。
【図9】図1に示した放射線治療管理システムの端末装置の表示画面の例を示した図である。
【図10】図1に示した放射線治療管理システムの放射線治療装置の表示画面の例を示した図である。
【図11】図1に示した放射線治療管理システムの端末装置の表示画面の例を示した図である。
【図12】図1に示した放射線治療管理システムにより作成された放射線治療実施記録データの例を示した図である。
【図13】この発明の実施の形態1をおける他の放射線治療管理システムの構成を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態2における放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示した図である。
【図15】図14に示した放射線治療管理システムにおける実施可能条件表を示した図である。
【図16】図14に示した放射線治療管理システムの動作を示したフローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態3における放射線治療管理システムの医療情報システムサーバの構成を示した図である。
【図18】図17に示した放射線治療管理システムの作業担当一覧表を示した図である。
【図19】この発明の実施の形態4における放射線治療管理システムの構成を示した図である。
【図20】図19に示した放射線治療管理システムの動作を示したフローチャートである。
【図21】この発明の実施の形態5における放射線治療管理システムの構成を示した図である。
【図22】図21に示した放射線治療管理システムの端末装置の補助具ラベル装置の表示画面の例を示した図である。
【符号の説明】
【0055】
101 端末装置、102 医療情報システムサーバ、104 画像撮影装置、
105 治療計画装置、106 補助具作製装置、107 放射線治療装置、
1901 ワークリストサーバ、2201 補助具用ラベル装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線治療の治療内容の治療計画を作成する治療計画装置と、
上記放射線治療を行うための患部画像を撮影する画像撮影装置と、
上記放射線治療に使用される補助具を作製する補助具作製装置と、
上記放射線治療を行うための放射線を照射し、上記放射線治療の照射計画作成を作成し、上記放射線治療の線量測定を行う放射線治療装置と、
上記治療計画に対するカンファレンスを行った情報および上記放射線治療の前処理を行った情報を入力するための端末装置と、
上記放射線治療の情報を患者の識別情報に基づいて管理する医療情報システム装置とを備えた放射線治療管理システムであって、
上記医療情報システム装置は、
上記画像撮影装置で実施された上記患部画像を撮影した時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
上記治療計画装置で実施された上記治療計画を作成した時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
上記補助具製作装置で実施された上記作製を行った時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
上記端末装置で実施された上記カンファレンスを行った時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データ、および、上記前処理を行った時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
上記放射線治療装置で実施された上記照射計画を作成した時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データ、および、上記照射を行った時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データ、および、上記線量測定を行った時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
上記各実施データを上記患者の識別情報毎に収集して放射線治療実施記録データとして作成することを特徴とする放射線治療管理システム。
【請求項2】
上記医療情報システム装置は、上記実施データが上記放射線治療実施記録データにおいて所定の順番または所定の時間内であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の放射線治療管理システム。
【請求項3】
上記医療情報システム装置は、上記実施データ毎の担当者を記録した作業担当者一覧表を有し、上記実施データのいずれかが入力されると当該実施データの完了に伴い実施が可能となる実施データを検出し、上記作業担当者一覧表から上記可能となる実施データが実施可能であること上記作業担当者に通知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線治療管理システム。
【請求項4】
上記画像撮影装置に接続されたワークリストサーバを備え、上記ワークリストサーバが上記画像撮影装置の実施データを取得して上記医療情報システム装置に送信することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに1項に記載の放射線治療管理システム。
【請求項5】
上記補助具のラベルを作成する補助具用ラベル装置を備え、上記補助具用ラベル装置のラベル作成を上記補助具作製装置の実施データとして上記医療情報システム装置に入力することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の放射線治療管理システム。
【請求項1】
放射線治療の治療内容の治療計画を作成する治療計画装置と、
上記放射線治療を行うための患部画像を撮影する画像撮影装置と、
上記放射線治療に使用される補助具を作製する補助具作製装置と、
上記放射線治療を行うための放射線を照射し、上記放射線治療の照射計画作成を作成し、上記放射線治療の線量測定を行う放射線治療装置と、
上記治療計画に対するカンファレンスを行った情報および上記放射線治療の前処理を行った情報を入力するための端末装置と、
上記放射線治療の情報を患者の識別情報に基づいて管理する医療情報システム装置とを備えた放射線治療管理システムであって、
上記医療情報システム装置は、
上記画像撮影装置で実施された上記患部画像を撮影した時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
上記治療計画装置で実施された上記治療計画を作成した時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
上記補助具製作装置で実施された上記作製を行った時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
上記端末装置で実施された上記カンファレンスを行った時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データ、および、上記前処理を行った時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
上記放射線治療装置で実施された上記照射計画を作成した時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データ、および、上記照射を行った時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データ、および、上記線量測定を行った時刻を上記患者の識別情報とともに示す実施データを入力し、
上記各実施データを上記患者の識別情報毎に収集して放射線治療実施記録データとして作成することを特徴とする放射線治療管理システム。
【請求項2】
上記医療情報システム装置は、上記実施データが上記放射線治療実施記録データにおいて所定の順番または所定の時間内であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の放射線治療管理システム。
【請求項3】
上記医療情報システム装置は、上記実施データ毎の担当者を記録した作業担当者一覧表を有し、上記実施データのいずれかが入力されると当該実施データの完了に伴い実施が可能となる実施データを検出し、上記作業担当者一覧表から上記可能となる実施データが実施可能であること上記作業担当者に通知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線治療管理システム。
【請求項4】
上記画像撮影装置に接続されたワークリストサーバを備え、上記ワークリストサーバが上記画像撮影装置の実施データを取得して上記医療情報システム装置に送信することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに1項に記載の放射線治療管理システム。
【請求項5】
上記補助具のラベルを作成する補助具用ラベル装置を備え、上記補助具用ラベル装置のラベル作成を上記補助具作製装置の実施データとして上記医療情報システム装置に入力することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の放射線治療管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−20503(P2010−20503A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179699(P2008−179699)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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