説明

放送ディジタル音楽及び他のタイプの情報を識別し、購入する方法及び装置

【課題】ディジタルオーディオ放送システム等から特定の放送に関連する音楽又は他の情報を識別し、購入する方法を提供する。
【解決手段】ユーザのコマンドに応答して、識別情報がユーザの関心のある曲又は他のタイプの情報を現在流している放送から抽出されて、メモリ又は他の記憶装置に格納される。識別情報には、現在流れている放送に関連する少なくとも1つの送達可能な情報アイテム、例えば、特定の音楽を含むCD又はMP3ファイル、の識別に十分な情報が含まれる。ユーザが後に有線又は無線のネットワーク接続にアクセスすると、抽出された識別情報がサーバに送られ、該サーバが放送に関連する送達可能な情報アイテムを識別するため、送られた情報を処理する。ユーザはサーバとの適切な対話により、送達可能な情報アイテムを購入することができる。抽出された識別情報は、放送を受信する受信機に関連するリムーバブルメモリ装置に格納することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、音楽又は他の情報を購入し、送達するシステムに関し、特に、ユーザが、ラジオ局、ディジタルオーディオ放送(DAB)システム、また他のタイプの通信システムから特定の放送に関連する音楽又は他の情報を識別し、購入できるようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の電子商取引アプリケーションは、ユーザがインターネット等のコンピュータを介して様々なタイプの情報関連製品を購入できるようにしている。例えば、ユーザは、通常、必要は支払い情報、例えば有効なクレジットカード番号を提供する対応ウェブサイトにアクセスし、該サイトから音楽をダウンロードすることで、ディジタル音楽、例えばコンパクトディスク(CD)等に編纂される「シングル」等をインターネットを介して購入することができる。このタイプのダウンロード可能なオーディオ情報の良く知られた従来のフォーマットは、MP3とも呼ばれるMPEG―1レベル3ディジタルオーディオ規格である。このような用途において、音楽は、無許可の流布及び使用を防止するため、少なくとも部分的に暗号化されたフォーマットでユーザに送信されうる。そして、許可を与えられたユーザには続いて、音楽を復号化して使用できるようにする復号化「キー」が与えられる。同様の技術を、インターネットを介して他のタイプのオーディオ情報、例えば生放送、インタビュー、トーキングブック等の購入及びダウンロードに使用することも可能である。
【0003】
ユーザが、ラジオ局で今放送している又は前に放送された特定の歌に対応する音楽を購入できるようにする多くの他の技術が開発されてきた。例えば、ConneXus CorporationからのStarCDとして知られるシステムは、複数のラジオ放送を同時に監視すると共に、パターン認識ソフトウェアを使用して、各局で放送されている特定の歌を識別する。続いて、ラジオ放送で興味のある特定の歌を聴いているユーザは、関与している移動搬送車の移動電話のキーパッドにコマンド「*CD」を入力することができる。そして、ユーザは、局の周波数及び興味のある歌が放送された時間に関して、システムによりプロンプトされる。次に、StarCDシステムは、その歌を含むCDを決定し、音声によるプロンプトで発呼者にそれを識別し、ユーザが電話を介してCDを購入できるようにする。
【0004】
米国カリフォルニア州サンノゼ市に所在のGet Mediaによって開発された別のこのような技術は、ラジオ局のウェブサイトを介して曲目リストデータをユーザに配信するJava(登録商標)アプレットを含むインターネットソフトウェアを提供する。該ソフトウェアは、ユーザがウェブサイトから、所与のラジオ局による放送で聴いている歌についての情報、例えば、タイトル、対応するCD、アーティスト情報等を得て、そのCDを購入できるようにしている。また、この技術は、ユーザが歌を聴いているときに、近くにコンピュータがない場合、指定された番号に電話をかけることで、同じ情報及び注文機能を得られるよう、指定の無料通話番号を使用して実施することもできる。
【0005】
また、レストラン、喫茶店等の公共の場に、ユーザが所持するポータブルMP3プレイヤーに直接ダウンロードする音楽を購入できる音楽購入キオスクを設けることも知られている。しかし、このようなアプローチは、音楽サーバへの双方向リンクを想定しており、これは、一般に、従来のラジオ放送システムには存在しないものである。
【0006】
ディジタルオーディオ放送(DAB)システムは、音楽をユーザの要求に応じて再生することが可能な受信機のメモリへの録音に適したフォーマットで、音楽を配信することができる。例えば、提案されているアナログFMラジオ帯でDABを提供するシステムは、CDクォリティに近いオーディオの配信を提供するものと予期される。DABシステムを介して配信された音楽の録音に関連する問題は、ユーザによる音楽録音を検出するための機構がなく、そのため、アーティスト、配信元、レコード会社等に対して適切に報酬が支払われない可能性があることである。別の問題は、ユーザがDABシステムを介して配信された音楽を録音し、再生することができる場合であっても、ユーザが特定の歌又は他の音楽に特に興味があると悟ったときには、音楽の部分はすでにユーザに流されてしまっており、したがって格納に使用することができなくなるということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平H10−163988号公報
【特許文献2】特開平H11−146379号公報
【特許文献3】特開平H08−289042号公報
【特許文献4】国際公開第WO 99/21186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記を鑑みて、ユーザが、DABシステム又は他のタイプの通信システムの放送に対応するディジタル音楽又は他の情報を購入可能に改良された技術に対する必要性が存在することは明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、アナログラジオ局、ディジタルオーディオ放送(DAB)システム、又は他のタイプの通信システムによる特定の放送に対応する音楽又は他の送達可能な情報アイテムを、ユーザが購入できるようにする改良された方法及び装置を提供する。
【0010】
本発明によれば、ユーザのコマンドに応答して、識別情報が、ユーザの関心のある曲又は他のタイプの情報が現在流れている放送から抽出されて、メモリ又は他の記憶装置に格納される。識別情報には、現在流れている放送に関連する少なくとも1つの送達可能な情報アイテム、例えば、特定の曲を含むCD又はMP3ファイル、の識別に十分な情報が含まれる。曲の場合におけるこのような識別情報の例としては、現在流れている放送の曲のアーティスト、タイトル、アルバム名、ラベル、ソース、日付、及び時間が挙げられる。識別情報は、現在流れている放送に関連する圧縮ディジタル・オーディオ・ビットストリームから抽出することができる。
【0011】
ユーザが後に有線又は無線のネットワーク接続にアクセスすると、抽出された識別情報が、インターネット又は他のネットワーク接続を介してサーバに送られ、該サーバが、放送に関連する送達可能な情報アイテムを識別するため、送られた情報を処理する。そして、ユーザは、サーバとの適切な対話により、送達可能な情報アイテムを購入することができる。
【0012】
本発明の別の態様によれば、抽出された識別情報は、放送を受信する受信機に関連するリムーバブルメモリ装置に格納することができる。この場合、リムーバブルメモリ装置は、後に受信機から取り出されて、識別情報をサーバに送るため、ネットワーク接続を確立する別の装置に挿入される。
【0013】
有利なことに、本発明により構成されたシステムでは、アーティスト、配信元、レコード会社等に適切に報酬が支払われることを確実にしながら、ユーザが放送で聴いた音楽を識別し、購入することができる。本発明は、例えば、データ、ビデオ、及び画像の情報を含む他のタイプのディジタル情報にも適用することが可能である。さらに、本発明は、インターネット及び衛星放送システム、オーディオ及びデータ等を同時に配信するシステム等、DABシステム以外の多くのアプリケーションにおいても実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の例示的な実施形態による音楽情報格納性能を有する例示的なディジタルオーディオ放送(DAB)受信機のブロック図である。
【図2】本発明の第2の例示的な実施形態による音楽情報格納性能を有する例示的なDAB受信機のブロック図である。
【図3】図1及び図2のDAB受信機を使用して実施される、本発明による抽出された音楽情報の格納動作を示す流れ図である。
【図4】図1及び図2のDAB受信機を使用して実施される、本発明による購入動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明を実施しうる通信システム100の受信機部分のブロック図を示す。システム100の受信機部分は、ディジタルオーディオ放送(DAB)受信機102と、受信アンテナ104と、を含む。対応する送信者(図示せず)によって放送されるDAB信号は、アンテナ104で受信されて、無線周波数(RF)多重分離及び復号化要素106に供給される。DAB信号は、例えば、アナログFMホストと、1つ又は複数のディジタル側波帯とを有するハイブリッドバンド内オンチャネル(HIBOC:Hybrid In-Band On-Channel)FM信号であってもよい。この場合、アナログFMホストは、従来のアナログFM信号に相当し、ディジタルオーディオ情報は、側波帯で送信される。
【0016】
この例示的な実施形態の目的のため、ディジタル音楽情報が、入DAB信号の1つ又は複数のディジタル側波帯で送信されるものと仮定するが、本発明はこれに制限されない。また、ディジタルオーディオ情報は圧縮フォーマット、例えば、本明細書に参照として援用するD. Sinha, J. D. Johnston, S. Dorward, 及びS. R. Quackenbushによる「The Perceptual Audio Coder」(Digital Audio, Section 42, pp. 42 - 1からpp. 42 - 18, CRC Press, 1998)に記載のもの等、知覚オーディオコーダ(PAC)符号化技術を使用して符号化されて送信されるものと仮定する。ディジタルオーディオ情報は、例えば、システムによって放送される特定の歌又は他の曲に相当しうる。
【0017】
RF多重分離及び復号化要素106は、ディジタル側波帯をホスト搬送波から分離し、適切なチャネル復号化動作を行い、対応する圧縮ディジタル・オーディオ・ビットストリームをオーディオ解凍要素108に送る。オーディオ解凍要素108は、符号化ディジタル・オーディオ・ビットストリームを解凍して、ディジタルオーディオサンプルの対応するストリームを生成する。ディジタルオーディオサンプルは、ディジタル/アナログ変換器(DAC)110に供給される。DAC110は、ディジタルオーディオサンプルをアナログフォーマットに変換して、再構築されたオーディオ出力信号を生成する。オーディオ出力信号は、スピーカ、又はユーザが耳で聴くことができる対応する出力を生成する他の同様な要素に供給される。
【0018】
オーディオ解凍要素108はまた、符号化ディジタルビットストリームから、アーティスト、タイトル、アルバム、ラベル、ソース、日付、時間等によって、特定の曲又は他のオーディオ情報を一意に識別する音楽情報を抽出する。このような情報は、従来の技術を用いて、符号化オーディオビットストリームに組み込むことができる。
【0019】
抽出された音楽情報は、オーディオ解凍要素108からインタフェースマイクロコントローラ12に供給される。インタフェースマイクロコントローラ112は、特定のユーザ入力に応答して、抽出された音楽情報を、DAB受信機102におけるランダムアクセスメモリ(RAM)114に格納するよう指示する。例えば、ユーザは、受信機102に関連するスピーカから、関心のある特定の歌又は他の曲が出力されているのを聴いたとき、ボタン、そうでなければコマンドあるいは他の命令を入力して、インタフェースマイクロコントローラ112に、現在流れているオーディオ出力について抽出された音楽情報をRAM114に格納するよう指示することができる。別の例として、ユーザは、受信機102が、そのモードである間、放送される曲それぞれについて抽出された音楽情報を自動的に格納するというモードになるよう指定するコマンド又は他のユーザ入力を入力することができる。
【0020】
後に、例えば、ユーザが、少なくとも部分的にインタフェースマイクロコントローラ112において実施されうる、無線送信機を介してネットワーク接続115を確立することが可能なときに、抽出された音楽情報は、ネットワーク接続115を介して、対応する音楽を配信することが可能な音楽サーバに送信される。有利なことに、この音楽サーバは、DABシステム100に関連していない音楽サーバであってもよい。他の実施形態において、ネットワーク接続115は、有線ネットワークを介して確立されうる。
【0021】
例えば、DAB受信機102が自動車に設置される場合があり、この場合、例えば、自動車の走行中であり、ユーザが移動電話又は他の装置を介して接続を確立するのに必要な行動をとれない、又は自動車が特定の無線ネットワーク接続の範囲外にあるなど、ユーザが、放送を聴いているときに、所望の音楽サーバへの直接アクセスできないときがある。さらに、上述したように、放送音楽の一部は、ユーザがその放送が特に興味のあるものであると気付くときまでに、すでに受信機に流されており、システム100から直接、格納又は他のダウンロードを開始することは、曲全体を提供するには十分ではない場合がある。
【0022】
したがって、本発明は、ユーザが単純な入力、例えば1つのボタンの押下を提供して、放送されている特定の曲に興味があることを示すことを可能にし、そして受信機102が、ユーザが異なるソースから曲をダウンロードするか、そうでなければ購入する際に必要となる情報を放送から自動的に抽出する。これは、放送が進行している間、ユーザがネットワーク接続を急いで確立する必要がないことを保証すると共に、ユーザが放送されたラジオ局又は時間等、忘れやすい情報を書き留めるか、あるいは覚えておく必要を完全になくす。
【0023】
なお、抽出された音楽情報は、RAM114以外のメモリ装置に格納してもよいことに留意されたい。例えば、受信機102は、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カード又は他のタイプのメモリカードを収容するよう適合されたスロットを含んでもよく、インタフェースマイクロコントローラ112は、抽出された音楽情報を直接、カードに格納するよう指示する。このような実施形態において、ユーザは、上記ユーザ入力コマンドを入力した後しばらくしてから、カードを単に取り出し、次にカードをデスクトップ、ラップトップ、又はパームトップパーソナルコンピュータ(PC)、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、又は抽出された音楽情報によって識別される音楽をダウンロード可能な、そうでなければユーザによる購入を可能にするネットワーク接続を確立することのできる他のプロセッサベースのデバイスにおける対応スロットに挿入する。
【0024】
RAM114、メモリカード、又は他の記憶装置に格納された、抽出された音楽情報は、上記ネットワーク接続を介して音楽サーバに送信される。そして、サーバは、対応する音楽セレクションについての詳細な情報と、購入方法に関するユーザへの説明とで応答しうる。購入されたセレクションは、例えば、CD、ミニディスク、線形フォーマットオーディオファイル、MP3ファイル等の様々な形態でユーザに届けてもよく、また、ネットワーク接続を介して直接ダウンロードしても、又は与えられたユーザの住所に直接配送してもよい。
【0025】
図2は、本発明の別の例示的な実施形態に従って構成されたDABシステム200の動作を説明するブロック図を示す。システム200は、DAB受信機202に送信するDAB信号を生成するDAB送信機204又は206を備える。送信機204は、衛星ベースの送信機を表し、一方、送信機206は、地上送信機、例えば、ラジオ局又は無線サービス送信機を表す。なお、これらの送信機は例としてのみ図示され、本発明は多くの他のタイプの送信機との併用が可能であることを理解されたい。
【0026】
受信機202は、図1と共に上述した受信機102と同じ又は同様にして構成された受信機の機能図として見てもよく、又は受信機102の代替の実施として見てもよい。受信機202は、RF/復調器ブロック212を備え、これは、受信したDAB信号を処理すると共に、圧縮ディジタル・オーディオ・ビットストリームを圧縮オーディオデコーダ214に送る。デコーダ214は、例えばPACデコーダであってもよく、すなわち圧縮ディジタル・オーディオ・ビットストリームを復号化し、そこからオーディオ出力信号を再構築することで、オーディオ出力信号を生成する。
【0027】
デコーダ214は、音楽情報、例えばアーティスト、タイトル等を圧縮ディジタル・オーディオ・ビットストリームから抽出し、該抽出された音楽情報を、現在放送されている音楽についての音楽情報のディジタル記憶装置を提供する音楽キュー216に送る。ユーザ入力信号218、例えばボタン押下コマンド又は他の適した入力が受信機202に供給され、現在選択されている音楽情報を格納するよう指示するか、又は受信機202を、システムがそのモードである限り、すべての可能な放送音楽セレクションについての音楽情報を自動的に抽出し、格納する上記モードにする。しばらくしてから、音楽サーバへの有線又は無線の接続220が確立され、音楽キュー216に格納されている抽出された情報を該接続を介して音楽サーバに送信し、これを使用して、適切な購入説明及びユーザに配信すべき他の情報を決定する。上述したように、抽出された音楽情報は、RAM、受信機に内蔵される他の記憶装置、リムーバブルメモリカード、又は抽出された情報を格納することが可能な任意の他のタイプのメモリに格納することができる。
【0028】
図3及び図4は、抽出された音楽情報の格納動作例300及び購入動作例400をそれぞれ示す流れ図である。これらの動作は、上述した受信機102、202において実施することができる。図3を参照して、動作300は、野外にいる、すなわち固定有線ネットワーク又は無線ネットワークへのアクセス・ポイントから離れているユーザにより行われる。ステップ302において、ユーザは自動車、ポータブルステレオ、又は他のデバイスにおいて実施されるDAB受信機を聴く。ステップ304において、ユーザは、購入する可能性のある放送中の興味のある音楽を聴く。次に、ステップ306において、ユーザは、上述した様式で、対応する音楽情報の抽出及び格納を開始する。動作300は、格納される抽出された音楽情報の総量が、対応する記憶装置の限度内にある限り、任意の所望のN曲数について繰り返すことができる。
【0029】
図4の購入動作400は、ユーザが家にいる、又は固定有線ネットワーク又は無線ネットワークへの別のアクセス・ポイントにいるとき、ユーザによって行われる。ステップ402において、音楽情報格納システム又は装置、例えば、受信機102のRAM114、受信機202の音楽キュー216、PCMCIAカード、又は他のタイプのメモリカード等が、ネットワーク接続を介してインターネット音楽サーバに接続される。音楽サーバは、抽出された音楽情報を用いて、ユーザが何を購入したいのかを決定し、この情報を、適切な注文説明と共に、ネットワーク接続を介してユーザに提示する。ステップ404において、ユーザは、対応する音楽トラック、アルバム、CD等を音楽サーバに注文する。音楽サーバは、次に、この注文を処理し、ステップ406において、ユーザは注文した製品を受け取る、例えば、後で再生するため、ダウンロードを介してCD又はMP3ファイルを受け取る。上述したように、注文された製品は、他の従来の手段、例えば小包郵便、直接配達等によりユーザに届けてもよい。
【0030】
有利なことに、本発明は、アーティスト、配信元、レコード会社等がコンテンツの複写に対して適切に報酬を支払われることを確実にしながら、ユーザが放送システムにおいて、選択した現在流れている音楽を識別する情報を迅速かつ有効に格納できるようにする。
【0031】
本発明の上記実施形態は、例示的なものにすぎないことを理解されたい。例えば、本発明は、ユーザコマンドにより、放送に関する情報を自動的に格納することが可能な他のシステムの形態で実施することも可能であり、この場合、対応する製品の購入又はサービスの購入と共に使用するため、情報を後にサーバ又は他のソースに送信することができる。さらに、本発明は、他のタイプの情報、例えば、ビデオ情報又は画像情報、データ等と、衛星ベースのシステム、インターネットベースの放送システム、ケーブルネットワーク等他のタイプの通信システムと使用することもできる。さらに、ユーザが、ラジオ放送チャネル又は他の通信媒体を介して予め送信された音楽又は他の情報を購入できるようにするため、様々な異なる電子商取引技術及び構成を使用することができる。これら及び他の多くの代替実施形態及び添付の特許請求の範囲内の実施は、当業者には明白であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオ解凍要素とコントローラとメモリとを含む無線受信器を使用してユーザに情報を提供する方法であって、
データネットワークのアクセス・ポイントと該無線受信器との間の接続を確立することができない時に、現在流れている無線放送を受信するステップであって、該現在流れている無線放送は、該ユーザに知覚可能な形態で提示されているステップと、
該ユーザからのコマンドに応答して、第1の動作モード及び第2の動作モードのうちの一方にするステップであって、該ユーザからの該コマンドは、該無線受信器において入力されるステップと、
動作モードが該第1の動作モードである場合に、該オーディオ解凍要素によって該現在流れている無線放送から抽出された識別情報を該メモリ内に格納するステップと、
動作モードが該第2の動作モードである場合に、該オーディオ解凍要素によって該現在流れている無線放送及び1つ又は複数の後続の無線放送から抽出された識別情報を該メモリ内に格納するステップと、
該データネットワークの該アクセス・ポイントと該無線受信器との間の接続を確立することができる時に、該現在流れている無線放送及び該1つ又は複数の後続の無線放送のうちの1つ又は複数と関連する少なくとも1つの送達可能な情報アイテムを識別するために識別情報を処理するサーバに、該データネットワークを介して該抽出された識別情報の少なくとも一部を配信するステップとを含み、
該少なくとも1つの送達可能な情報アイテムは、それぞれの放送と関連するダウンロード可能なファイルを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、該識別情報は、現在流れている放送と関連するアーティスト、タイトル、アルバム名、ラベル識別子、ソース識別子、日付、及び時間のうちの少なくとも1つを含む方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、該現在流れている放送は、ユーザが関心のある曲を含む方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法において、該少なくとも1つの送達可能な情報アイテムは、曲を含むダウンロード可能なファイルを含む方法。
【請求項5】
請求項3記載の方法において、該少なくとも1つの送達可能な情報アイテムは、曲を格納しているディスクベースの記録媒体含む方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、該抽出された識別情報は、該無線放送を受信する該無線受信機に関連するリムーバブルメモリ装置に格納され、該リムーバブルメモリ装置は、該受信機から取り出し可能であり、該データネットワークを介して該サーバに該識別情報を送るためのネットワーク接続を確立する別の装置に挿入可能である方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、該抽出された識別情報は、インターネットを介して確立されたネットワーク接続を通して該サーバに該コントローラから直接配信される方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、該識別情報は、該現在流れている無線放送と関連する圧縮されたディジタル・オーディオ・ビットストリームから抽出される方法。
【請求項9】
ユーザに情報を提供する際に使用する装置であって、
無線受信器と関連する記憶装置を備える無線受信器を含み、該無線受信器は、データネットワークのアクセス・ポイントと該無線受信器との間の接続を確立することができない時に、現在流れている無線放送を受信するように動作可能であり、該現在流れている無線放送は、該ユーザに知覚可能な形態で提示され、
放送から識別情報を抽出するように動作可能なオーディオ解凍要素と、
コントローラとを含み、該コントローラは、
該ユーザからのコマンドに応答して、該装置を、第1の動作モード及び第2の動作モードのうちの一方の動作モードにし、
該装置が該第1の動作モードである場合に、該現在流れている無線放送から抽出された識別情報を該記憶装置に格納し、
該装置が該第2の動作モードである場合に、該現在流れている無線放送及び1つ又は複数の後続の無線放送から抽出された識別情報を該記憶装置に格納し、及び
該データネットワークの該アクセス・ポイントと該無線受信器との間の接続を確立することができる時に、該現在流れている無線放送及び該1つ又は複数の後続の無線放送のうちの1つ又は複数と関連する少なくとも1つの送達可能な情報アイテムを識別するために識別情報を処理するサーバに、該データネットワークを介して該抽出された識別情報の少なくとも一部を配信するように動作可能であり、
該少なくとも1つの送達可能な情報アイテムは、それぞれの放送と関連するダウンロード可能なファイルを含む装置。
【請求項10】
ユーザに情報を提供する際に使用する装置であって、
無線受信器に接続可能に構成され、該ユーザからのコマンドに応答して、ユーザに知覚可能な形態で提示されている無線放送から抽出された識別情報を格納する記憶装置を含み、該コマンドは、該無線受信器において入力され、該識別情報は、データネットワークのアクセス・ポイントと該無線受信器との間のいかなる接続をも必要とせずに抽出され及び格納され、
該識別情報は、1つ又は複数の無線放送と関連する少なくとも1つの送達可能な情報アイテムを識別するのに十分な情報を指定し、該識別情報の少なくとも一部が、該データネットワークの該アクセス・ポイントと該無線受信器との間の接続を確立することができる時に、該無線放送と関連する該少なくとも1つの送達可能な情報アイテムを識別するために該識別情報を処理するサーバに、該データネットワークを介して配信され、
該無線受信器が、該コマンドに応答して第1の動作モードにある場合に、該記憶装置は、現在流れている無線放送から抽出された識別情報を格納し、
該無線受信器が、該コマンドに応答して第2の動作モードにある場合に、該記憶装置は、該現在流れている無線放送及び1つ又は複数の後続の無線放送から抽出された識別情報を格納し、
該少なくとも1つの送達可能な情報アイテムは、それぞれの放送と関連するダウンロード可能なファイルを含む装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−256335(P2012−256335A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−166985(P2012−166985)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【分割の表示】特願2000−355110(P2000−355110)の分割
【原出願日】平成12年11月22日(2000.11.22)
【出願人】(500587067)アギア システムズ インコーポレーテッド (302)
【Fターム(参考)】