説明

放電ランプ用セラミック発光管においてフリットレスシールを作製する方法

【課題】 気密性及び透過性の向上したセラミック発光管を作製する。
【解決手段】 次の工程:(a)ニオブ又はニオブ合金からなるフィードスルーを、セラミック発光管本体の開口部に挿入し;(b)該発光管本体を不活性ガス中において第1温度に加熱して該発光管本体を少なくとも部分的に焼結させ、ここで、該不活性ガスは、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン及びそれらの混合物よりなる群から選択されるものとし;そして(c)該発光管本体を、水素雰囲気中において、該第1温度よりも高い第2温度に加熱することによってさらに焼結させて、該フィードスルーと該セラミック発光管本体とに気密シールを形成させることを含む、セラミック発光管本体においてフリットレスシールを作製する方法により解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、アーク放電ランプに関し、さらに詳しくは、セラミック発光管を使用したアーク放電ランプに関する。さらに詳しくは、本発明は、発光管に気密シールと高い透過率とを付与するためのフリットレス焼結方法を利用してセラミック発光管を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
セラミック発光管、特に多結晶アルミナ(PCA)製のセラミック発光管は、長年にわたり、例えば高圧ナトリウムランプに使用されている。最近では、長い直線状毛細管を有する小型球状セラミック発光管がセラミックメタルハライドランプに使用されている。金属電極を焼結及びシールして後者のタイプの発光管にするには、複数の工程と、シールフリットを用いてこれらの発光管に気密性を獲得することとが必要であった。例えば、PCA発光管をシールするための好ましいフリットは、Al23−Dy23−SiO2ガラス−セラミック材料である。
【0003】
フリットレスシールを用いる従来の発光管は、依然として長い毛細管を使用するものであったが、ただし、収縮嵌合シールにモリブデン管を使用する。このような発光管は機能的ではある。しかし、セラミックとモリブデンとの熱係数により、理想的な適合が得られない。毛細管のないセラミック発光管が米国特許出願公開第2009/0058300号明細書に示されている。この米国特許出願では、フリットレス(フリットなし)シールは、2種以上の粉末状材料のブレンドから形成されたシールプラグの手段(実現可能ではあるものの、高価で時間のかかる方法)により達成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0058300号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、この従来技術の欠点を回避することである。
【0006】
本発明のさらに別の目的は、セラミック発光管の改良である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的は、本発明の一態様では、次の工程:
(a)ニオブ又はニオブ合金からなるフィードスルーを、セラミック発光管本体の開口部に挿入し;
(b)該発光管本体を不活性ガス中において第1温度にまで加熱して該発光管本体を少なくとも部分的に焼結させ、ここで、該不活性ガスは、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン及びそれらの混合物よりなる群から選択されるものとし;そして
(c)該発光管本体を、水素雰囲気中において、該第1温度よりも高い第2温度に加熱することによってさらに焼結させて、該フィードスルーと該セラミック発光管本体とに気密シールを形成させること
を含む、セラミック発光管本体においてフリットレスシールを作製する方法によって達成される。
【0008】
該発光管本体を不活性ガス中においてより低い温度で部分的に焼結すると、フィードスルーを脆くする可能性のある、ニオブフィードスルー内での水素化物の形成が阻害される。水素中においてそれよりも高温で焼結を完了させると、発光管本体とニオブフィールスルーとの気密性と、完全に焼結された発光管についての高い透過レベルとが確保される。
【0009】
好ましい一実施形態では、フィードスルーを挿入する前に、セラミック発光管本体は、まず、次の工程:
(i)セラミック材料と除去可能なバインダーとの混合物を成形して発光管本体を形成させ、ここで、該発光管本体は、該本体からその内部に進む少なくとも1個の開口部を備えるものとし;
(ii)該発光管本体を空気中においてより低い温度で焼成して該バインダーを部分的に除去し;そして
該発光管本体を空気中においてより高い温度で予備焼結させて該バインダーの除去を完了させ、該発光管本体を強化すること
によって形成され、処理される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の態様に従う第1段階の発光管本体の断面立面図である。
【図2】図2は、フィードスルーが挿入された発光管本体の断面立面図で有る。
【図3】図3は、排気及び充填後に最終電極集合体を挿入したものの分解断面立面図である。
【図4】図4は、完成発光管の断面立面図である。
【図5】図5は、放電ランプに設置された完成発光管の線図である。
【図6】図6は、本発明のさらに別の実施形態の断面立面図である。
【図7】図7は、本発明のさらに別の実施形態の断面立面図である。
【図8】図8は、本発明のさらに別の実施形態の断面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
本発明を他の目的及びさらなる目的、その利点及び能力と共によく理解するために、次の開示及び特許請求の範囲を上記図面と共に参照されたい。
【0012】
ニオブは、PCAに対してその熱膨張特性の適合性が高いので、発光管をフリットで密閉するか、フリットを使用することなく最終焼結中に直接密閉法により密閉するかを問わず、発光管の密閉に使用するために非常に望ましい金属である。また、ニオブは、その良好な溶接特性のため、望ましい材料でもある。しかし、ニオブは水素と直ちに反応するため(金属ハロゲン化物を形成し、ニオブが脆くなる原因となる)、最終焼結中における直接密閉方法に使用するのには役立たない。PCA発光管の最終焼結は、通常、水素雰囲気中で行われるところ、これは、適切なPCAの高密度化にとって不可欠であり、かつ、ランプ用途に必要な高い透過率を得るために必要である。
【0013】
米国特許第5,057,048号(Feuersanger)には、真空中で又は不活性ガス(例えばアルゴン)雰囲気中でニオブ/セラミック集合体を焼結させることによって、直接密閉方法でのニオブの脆化を回避することが記載されている。この方法は、フリットレス気密シールを生じさせると同時に、ニオブ成分の延性を維持すると説明されている。しかし、本発明者は、この方法はセラミック発光管の透過率を減少させ、外観を不透明にするため、その本来の目的にさほど適していないことを見出した。
【0014】
ニオブを脆化させることなくニオブを発光管に直接シールすると共に、高い発光管透過率を維持するという課題を解決するために、一実施形態では、まず、セラミック発光管/ニオブ集合体を不活性ガス雰囲気(好ましくはアルゴン)中において、第1温度、好ましくは約1000℃〜約1400℃の範囲の第1温度で少なくとも部分的に焼結する方法を開発した。続いて、加熱炉の雰囲気を水素雰囲気と交換して、第1温度よりも高い第2温度で焼結を完了させる。ここで、該第2温度は、好ましくは約1800℃〜約1850℃の範囲内であり、かつ、約2〜約4時間にわたって保持される。
【0015】
本発明の方法を使用すると、ニオブフィードスルーがその延性と可塑性を維持しながらセラミック発光管に気密シールされ、また、同様に重要なこととして、該セラミック発光管が高い透過率のものに焼結するということが分かった。ニオブフィードスルー内での水素化物形成は、低温(1000〜1400℃)焼結段階中にアルゴン雰囲気を使用することにより回避されると共に、発光管の高い透過率は、水素中での最終の高温焼結によって達成されるものと考えられる。また、この方法は、ニオブの熱膨張特性の変化を防ぎ、それによって最終焼結中におけるセラミックの割れを防ぐことも分かった。
【0016】
本発明の方法を使用することによって得られる利益を例示するために、ニオブ管フィードスルーとPCA発光管本体とを使用した2個の70Wセラミック発光管集合体を表1の計画に従って焼結した。実施例は本発明の方法に従って焼結したのに対し、比較例は米国特許第5,057,048号に記載された方法と同様にアルゴン雰囲気中で完全に焼結した。
【0017】
【表1】

【0018】
【表2】

【0019】
ニオブ管フィードスルーの硬度及び発光管のインライン透過率を測定し、そしてその結果を上記表2に与えている。比較例においてニオブ管の硬度を測定したところ、実施例の測定硬度よりも著しく大きかった。硬度は、通常は良好な脆性指標ではないと理解されていると共に、この硬度試験のダイナミクスのため、該圧子の真下には引張領域が存在する。この現象は、この押し込みから生じる亀裂をもたらす場合が多い。この場合、比較例では押し込みの縁周辺に亀裂が見られた。したがって、アルゴン中でのみ焼結された比較例は、焼結サイクルの高温部分を乾燥水素雰囲気中で実施した本発明の方法に従う実施例よりも比較的脆性が大きいと言える。
【0020】
同様に重要なのは、実施例のセラミック発光管のインライン透過率測定値(3.51%)が、 従来通りに作られたセラミック発光管(湿潤水素中で焼結)のインライン透過率(5.49%)にかなり近いことである。比較例のインライン透過率を測定したところ僅か0.58%であり、しかもその発光管は白色の不透明を示したのに対し、実施例は、従来の発光管の通常の半透明な外観を有していた。
【0021】
ここで詳細な図面を参照すると、図1には、第1段階セラミックアーク放電体12が示されており、該放電体12は、図4及び8に示されるように、発光管10から作製されている。第1段階放電体12は、外部表面16及び内部容積18を有している。少なくとも1個、好ましくは図示するように2個の開口部14が外部16から内部18に延びている。ボス15が開口部14を取り囲んでいる。ただし、ボス15は、従来使用されていた毛細管よりもかなり短い長さを有する。一般に、開口部14は正反対にある。ただし、場合によっては、これらの開口部を横方向にずらすこともできる。放電体12は、例えば、多結晶アルミナ、多結晶ジスプロシウム、イットリア、アルミニウム酸窒化物、窒化アルミニウム及び同様の固体金属酸化物及び金属窒化物並びにそれらの混合物などの様々なセラミックから形成できる。ただし、多結晶アルミナ(PCA)が好ましい。本明細書の目的上、ガラス、硬質ガラス及びクオーツは、セラミックとはみなさない。
【0022】
図面に示すように、放電体12の形状は球状である。しかし、これは単なる例示である。本体形状の重要な基準は、角のない内部形状である。これに関し、長球、偏球、楕円又は内部の丸い表面などの形状も同様に許容できる。この角のない表面は、円筒形の球管容器の場合のように、角その他の隙間に生じる場合があるコールドスポットを回避するために好ましい。このような丸い形状が好ましいが、本発明の方法は、円筒形形状などの他の発光管形状にも同様に適用される。
【0023】
放電体12は、0.1mm以上及び2.0mm以下の好ましい肉厚を有し、さらに好ましい肉厚は約0.9mmである。壁は、様々な厚さで作ることができる。しかし、より薄い壁は、このような発光管を使用するランプの寿命を短くするし、より厚い壁は、透過率を減少させる。好ましい内部容積18は、1.0mmよりも大でかつ42.0mm未満の内径を有し(好ましい値は7.9mmである)、好ましい容積は約260mm3である。開口部14は、直径約2.48mmである。
【0024】
第1段階放電体12は、概して、アルミナなどのセラミック材料と、揮発性バインダーとの混合物を射出成形することによって形成される。第1段階放電体12を空気中において約100℃で約6時間焼成してこのバインダーのいくらかを部分的に除去し、第2段階(脱結合)放電体を形成させる。
【0025】
次いで、この第2段階脱結合体を空気中において約900℃で約2時間焼成して該結合体を予備焼結させ、そしてバインダー除去を完了させて第3段階放電体を形成させる。
【0026】
図2を参照すると、次いでフィードスルー20及び22が第2段階脱結合体12の開口部14に挿入される。本発明の一実施形態では、第1フィードスルー20は、その幅Wよりも長い長さLを有する略カップ形状体42を有し、ニオブ又はニオブ合金(例えば、約2重量%までのジルコニウムを含有するニオブ)から形成され、しかも、実質的に平面の閉端44を有している。電極集合体24は、フィードスルーの閉端44に溶接されている。電極集合体24は、タングステンコイル50がきつく巻かれたタングステンロッド48から構成される。ニオブフィードスルー20は、好ましくは、2.15mmのODを1.65mmのIDと共に有し、かつ、長さ6.5mmである。
【0027】
フィードスルー22は、カップ形状体42と同様の形状を有するカップ形状体64を有し、また、ニオブ又はニオブ合金から構成される。実質的に平面のカップ形状体64の部分的に閉じた端部66には、開口26が備えられている。カップ形状体42及び64の薄壁(〜0.25mm)は、厚肉管又は固体片よりも柔軟なユニットを与える。
【0028】
ニオブフィードスルー20及び22を開口部14に挿入した後に(図2参照)、第2段階脱結合体12を不活性雰囲気中において焼成して放電体12を少なくとも部分的に焼結させる。この不活性雰囲気は、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン又はそれらの混合物から選択される。ただし、アルゴンが好ましい。好ましい実施形態では、放電体12を不活性雰囲気中において室温(22〜25℃)から1350℃まで15℃/分で焼結し、次いで乾燥水素中において、15℃/分で1350℃から1835℃まで、1400℃で30分の保持、1835℃で2時間の一時停止を伴ってさらに焼結して最終PCA発光管本体を形成させる。高密度化と同時に、放電体12の管状開口部14はニオブフィードスルー20、22上で収縮してフリットレス気密シールを形成する。
【0029】
最終焼結後に、放電体12を排気し、これにアーク発生及び維持用媒体28を充填する。この充填媒体は、密閉を維持できる作動温度ではかなりの蒸気圧を有する1種以上の純金属を含むことができる。フリットレスシールを使用すると、典型的なフリット溶融温度よりも高く、かつ、セラミック体材料の焼結温度よりも低い実質的な蒸発温度を有する純金属を含む充填物を使用できるようになる。好ましい充填物28は、バリウム、カルシウム、セシウム、インジウム、リチウム、水銀、カリウム、ナトリウム、タリウム及び亜鉛よりなる群から選択される個々の純金属又はこれらの純金属の組合せを含む。作動温度で気密シールとは反応しない限りにおいて、他の純金属を使用して特別な光源を創り出してもよい。一例として、マグネシウムを使用することができるが、ただし、金属スルフィドを形成することが予想される硫黄は使用できない。さらなる例は、本願出願人に譲渡された、先に述べた米国特許出願公開第2009/0058300A1(2009年3月5日)に記載されている(引用により本明細書に含める)。
【0030】
放電体12の充填後に、第2電極集合体30をニオブフィードスルー22の開口26を介して発光管本体12の内部18に挿入し、第2電極集合体30の端部32をレーザー溶接などにより第2ニオブフィードスルー22にシールしてアーク放電管10を完成させる。
【0031】
第2電極集合体30は、フィードスルー22のカップ形状体64の内径IDに実質的に一致する外形ODを有する円筒形金属体72を備える。好ましくはモリブデンから作られた円筒形金属体72をタングステンコイル78がきつく巻き付けられるタングステンロッド76に溶接する。電極集合体30をフィードスルー22に挿入し、タングステンコイル78が開口26を貫通して発光管本体12の内部18に入る。溶接部80(図4)は、円筒形金属体72をカップ形状体64にシールする。
【0032】
本発明の第2の実施形態では、発光管本体は、PCAから作られ、1000℃で8.3×10-6の熱膨張係数を有していた。放電体12は、射出成形により形成され、しかも揮発性バインダーを有していた。形成後、放電体12を空気中において100℃で6時間焼成して第2段階を形成させた。バインダーの燃え切りを完了させ、かつ、発光管本体を強化するために、空気中において900℃で焼成して予備焼結発光管本体を形成させる。この予備焼結体は、2.15mmの直径を有する2個の整合ニオブフィードスルーに対して収縮シールするように、直径2.48mmの2個の正反対の開口部を有していた。焼結中に、14%の正味収縮嵌合が生じる。ニオブフィードスルー22は、1.65mmのIDを有しており、6.5mmの長さであり、1000℃での熱膨張係数は8.3×10-6であった。
【0033】
ニオブフィードスルー22をそれぞれの開口部14に挿入し、次いで発光管本体をアルゴン中において室温から1350℃まででさらに焼結し、次いで、乾燥水素中において1350℃から1825℃までで、最終温度で2時間の一時停止を伴ってさらに焼結して、最終発光管本体を形成した。
【0034】
発光管本体12の完成後に、電極集合体30をフィードスルー22の一方に挿入し、所定位置で溶接する。次いで、発光管本体に上記アーク発生及び維持用媒体を充填し、そして第2電極集合体30を他方のフィードスルー22に挿入し、所定位置で溶接して発光管を完成させる。
【0035】
本発明の第3の実施形態では、工程は第2実施形態と同様であるが、ただし、最終焼結は、1850℃で実施し、その温度で4時間一時停止した。
【0036】
図6〜8に示す本発明の第4の実施形態では、フィードスルー20、22は、発光管本体12の完成後に、好適な電極に装着(勿論連続的に)できるニオブ管34、36を備えることができる。例えば、上記発光管本体のサイズに関する特定の実施形態についてのニオブ管(1〜2%のジルコニウムを有するニオブ管を含む)は、1.18mmのOD及び0.84mmのIDを有することができる。発光管本体12を完全に焼成し、焼結させた後に、0.82mmのODを有するモリブデンロッドから構成される電極集合体54を第1ニオブ管36に挿入し、溶接部58のようにニオブ管36の縁端に気密溶接する。電極集合体54は、タングステンコイル57がきつく巻き付けられたタングステンロッド59を備え、この場合、タングステンロッド59は、モリブデンロッド56の端部に溶接されている。
【0037】
電極集合体54を第1ニオブ管36の所定位置に固定した後に、発光管本体12を排気し、そしてこれに必須のアーク発生及び維持用媒体28を充填し、そして第2の同様の形状の電極集合体54を第2ニオブ管34に挿入し、そしてそれに気密溶接してシールし、セラミック発光管の集合体を完成させる。
【0038】
図5に関して、アーク放電ランプ100は、例えば好適なガラスの管球容器82内にここで示した実施形態のいずれかによって形成された組立アーク放電管10を設置し、そして、該組立アーク放電管10のフィードスルー20、22を介して導入線84、86を電極に取り付けることによって完成できる。
【0039】
現時点で本発明の好ましい実施形態であると考えるものを示しかつ説明してきたが、当業者であれば、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び改変をなし得ることは明白であろう。
【符号の説明】
【0040】
10 アーク放電管
12 第1段階セラミックアーク放電体
14 開口部
15 ボス
16 外部表面
18 内部容積
20、22 フィードスルー
24 電極集合体
28 アーク発生及び維持用媒体
30 第2電極集合体
32 端部
34 第2ニオブ管
36 第1ニオブ管
42 カップ形状体
48 タングステンロッド
50 タングステンコイル
54 電極集合体
56 モリブデンロッド
57 タングステンコイル
58 溶接部
59 タングステンロッド
64 カップ形状体
66 端部
76 タングステンロッド
78 タングステンコイル
80 溶接部
82 球管容器
84、86 導入線
100 アーク放電ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の工程:
(a)ニオブ又はニオブ合金からなるフィードスルーを、セラミック発光管本体の開口部に挿入し;
(b)該発光管本体を不活性ガス中において第1温度に加熱して該発光管本体を少なくとも部分的に焼結させ、ここで、該不活性ガスは、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン及びそれらの混合物よりなる群から選択されるものとし;そして
(c)該発光管本体を、水素雰囲気中において、該第1温度よりも高い第2温度に加熱することによってさらに焼結させて、該フィードスルーと該セラミック発光管本体とに気密シールを形成させること
を含む、セラミック発光管本体においてフリットレスシールを作製する方法。
【請求項2】
前記セラミック発光管本体が多結晶アルミナから構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1温度が約1000℃〜約1400℃である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2温度が約1800℃〜約1850℃である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記フィードスルーを挿入する前に、前記セラミック発光管本体を次の工程:
(i)セラミック材料と除去可能なバインダーとの混合物を成形して発光管本体を形成させ、ここで、該発光管本体は、該本体からその内部に進む少なくとも1個の開口部を備えるものとし;
(ii)該発光管本体を空気中においてより低い温度で焼成して該バインダーを部分的に除去し;そして
(iii)該発光管本体を空気中においてより高い温度で予備焼結させて該バインダーの除去を完了させ、該発光管本体を強化すること
によって形成及び処理した、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記セラミック材料がアルミナである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記より低い温度が約100℃であり、前記より高い温度が約900℃である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
次の工程:
(a)フィードスルーをセラミック発光管本体内の1個の開口部に挿入し、ここで、該フィードスルーはニオブ又はニオブ合金から構成され、該発光管は多結晶アルミナから構成されるものとし;
(b)発光管本体をアルゴンガス中において第1温度に加熱して該発光管本体を少なくとも部分的に焼結させ、そして
(c)該発光管本体を乾燥水素雰囲気中において該第1温度よりも高い第2温度に加熱することによってさらに焼結して該フィードスルーと該セラミック発光管本体とに気密シールを形成させること
を含む、セラミック発光管本体においてフリットレスシールを作製する方法。
【請求項9】
工程(b)が室温から約1000℃〜約1400℃の第1温度まで加熱炉の温度を上昇させることをさらに含み、前記工程(c)が該第1温度から約1800℃〜約1850℃である第2温度まで加熱炉の温度を上昇させることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
次の工程:
(d)前記セラミック発光管本体をアルゴン雰囲気中において冷却させること
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記発光管本体がフィードスルーを収容するための2個の開口部を有し、該開口部のそれぞれの中にフィードスルーを密閉する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記フィードスルーが、約2重量%までのジルコニウムを含有するニオブ合金である、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記フィードスルーが薄壁管である、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記フィードスルーがカップ形状であり、一方のフィードスルーが閉じた端部を有し、他方のフィードスルーが開口を有する部分的に閉じた端部を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記加熱炉の温度を15℃/分の速度で上昇させる、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記加熱炉の温度を約2時間〜約4時間にわたり前記第2温度で保持する、請求項9に記載の方法。

【公開番号】特開2011−151027(P2011−151027A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−11042(P2011−11042)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(311006504)オスラム・シルバニア・インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】