説明

放電ランプ

【課題】外球内に発光管が設けられた放電ランプを点灯したときにその外球内に発生する水素を効果的に吸収して、ランプの点灯初期から寿命期間にわたって外球内の水素分圧を低く抑えることができるようにする。
【解決手段】発光管3を設けた外球2内に、ランプを点灯したときの熱で速やかに活性化されてその点灯初期から水素吸収性能を発揮し得る主ゲッター13と、該主ゲッター13の過熱により該主ゲッター13から再放出される水素を吸収して外球2内の水素分圧の上昇を抑制する補助ゲッター14とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光管を収容配設する外球内に不純ガスを吸収するゲッターが設けられた放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
真空の外球内もしくは不活性ガスを封入した外球内に発光管が収容配設された金属蒸気放電ランプは、点灯時の熱で外球内に配設された部材から発生する不純ガスによってランプ特性が損なわれることを防止するために、その不純ガスを吸収するゲッターを外球内に設けることとしている。このゲッターには、活性化のために高周波加熱してゲッター成分を蒸発させる蒸発型ゲッターと、ゲッター成分を蒸発させずに活性化する非蒸発型ゲッターとがあり、前者としては、長時間にわたって不純ガスの吸収性能を発揮し得るバリウムゲッターが広く用いられており、後者としては、水素吸収性能に優れたジルコニウム・アルミニウムゲッターが広く用いられている。
【0003】
また、本願出願人は、長時間にわたって不純ガスの吸収性能を発揮し得るバリウムゲッターと、水素吸収性能に優れたジルコニウム・アルミニウムゲッターとを併用した放電ランプを提供している(特許文献1参照)。ただし、外球内に窒素ガスが封入された不活性ガス封入タイプの放電ランプについては、外球内に設けたゲッターを高周波加熱すると、その高熱によりゲッター成分が窒化して不純ガスの吸収能を喪失するため、バリウムゲッターの如く高周波加熱によりゲッター成分を蒸発させて活性化する蒸発型ゲッターを用いることができないから、バリウムゲッターに代えて過酸化バリウムゲッターを用い、該過酸化バリウムゲッターとジルコニウム・アルミニウムゲッターとを併用する提案もなされている(特許文献2参照)。
【0004】
また、蒸発型のバリウムゲッターは、高周波加熱により蒸発させたゲッター成分が外球の内面に付着してフィルムを形成し、該フィルムが発光管から放射される光を遮って光束を低下させるという問題があることから、これを用いずに、非蒸発型のジルコニウム・アルミニウムゲッターのみを用いた放電ランプが多いのが現状である。なお、外球内に不活性ガスが封入されない真空タイプの放電ランプについては、外球内に設けたゲッターを高周波加熱して活性化することも可能であるが、その際、外球内に配設されている発光管支柱等の他部材を形成する金属材料も高温に加熱されるから、該金属材料が蒸発して外球内が汚損されるおそれがある。また、高周波加熱装置は、非常に高価であるからその設備費が嵩むという問題もある。
【0005】
ところで、現在市販されているジルコニウム・アルミニウムゲッターは、表面が酸化膜で保護されたタブレット型又はテープ型(帯型)のジルコニウム・アルミニウム合金(Zr:84重量%、Al:16重量%)で形成されており、その活性化変数は、900℃で30秒、800℃で5分、750℃で25〜30分となっている。つまり、高周波加熱により750℃に加熱しても、表面を保護する酸化膜が除去されて100%活性化された状態となるまでに25〜30分もの時間を要し、また、それより150℃低い600℃では、30分間加熱しても僅か30%程度しか活性化されない。まして、高周波加熱によらず、ランプの点灯によって生ずる熱(一般に400℃前後)で活性化せんとすれば、そこそこの水素吸収効果が得られるようになるまでに数十時間〜数百時間も要することとなる。
【0006】
したがって、ランプの製造過程で外球内のジルコニウム・アルミニウムゲッターを高周波加熱して予め活性化させておかなければ、製造したランプを試点灯させて出荷検査を行う際に、その試点灯によって外球内に発生する水素がいつまでも吸収されず、外球内の水素濃度・水素分圧が高まってランプ特性が変化するため、ランプの合否判定を速やかに行うことができないという問題があるが、ランプの製造過程で外球内に設けたゲッターを高周波加熱して活性化させる加工を行うのは面倒である。
【0007】
また、既述のとおり、外球内に窒素ガスを封入したランプは、外球内に設けたゲッターを高温加熱するとそのゲッター成分が窒化するおそれがあるため、高周波加熱によってゲッターを活性化することはできない。そこで、窒素ガス封入ランプについて、高周波加熱によらずともランプ点灯中の熱によって活性化し得るジルコニウム・コバルト・希土類合金(Zr:75〜85重量%、Co:10〜20重量%、Ce・La・Nd:1〜10重量%)で成るゲッターを用いる提案がなされている(特許文献3参照)。
【0008】
しかしながら、ジルコニウム・コバルト・希土類ゲッターの市販品は、動作温度が300〜350℃とされており、350℃では約2時間程度で活性化するが、最近のランプや該ランプと組み合せる照明用器具は、デザイン性や施工性等を重視して、より小型化される傾向にあり、それに伴なってランプの点灯時における温度も高くなる傾向にあるから、該ゲッターを適正な動作温度で使用することが困難な状況にあり、ランプの点灯使用時における温度が500〜600℃に達する場合もあり得る。そして、ジルコニウム・コバルト・希土類ゲッターは、他種ゲッターに比べて水素吸収率が高い反面、温度が500℃を超えると吸収した水素を再放出する可逆性が顕著となるから、該ゲッターを点灯時に500℃を超える高温となるランプに用いると、外球内の水素分圧が高まってランプ特性が損なわれるという問題がある。
【特許文献1】特許第2973217号公報
【特許文献2】特開2004−139850号公報
【特許文献3】特表2004−524671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ランプの製造過程で外球内に設けたゲッターを高周波加熱して活性化させる面倒な加工を行わなくとも、製造したランプを試点灯させてランプ特性の合否を判定する出荷検査を行う際にその点灯による熱で速やかに活性化されて外球内に発生する水素を吸収するゲッター作用が発揮され、ランプの出荷検査を精度良く能率的に行うことができるようにすると共に、ランプ点灯時の温度が500℃を超える高温となっても、外球内の水素分圧が高まってランプ特性が損なわれないようにすることを技術的課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、発光管を収容配設する外球内に不純ガスを吸収する非蒸発型ゲッターが設けられた放電ランプにおいて、前記非蒸発型ゲッターとして、ランプの点灯による熱で速やかに活性化されてその点灯初期から水素吸収性能を発揮し得る主ゲッターと、該主ゲッターの過熱により該主ゲッターから水素が再放出されたときにその水素を吸収して外球内の水素分圧の上昇を抑制する補助ゲッターとが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る放電ランプは、これを点灯したときの熱で速やかに活性化される主ゲッターがその点灯初期から水素吸収性能を発揮する。そして、この主ゲッターが過熱されて該主ゲッターに吸収された水素が再放出されると、その再放出された水素が補助ゲッターで吸収されて、外球内における水素分圧の上昇が抑制される。
【0012】
したがって、ランプの製造過程で外球内に設けられたゲッターを高周波加熱して活性化させる面倒な加工を行わなくとも、ランプを点灯したときの熱で速やかに活性化される主ゲッターがその点灯初期から水素吸収性能を発揮して、外球内の水素分圧が低く抑えられるので、製造したランプの出荷検査等も精度良く能率的に行うことができる。また、ランプを小型化したり、照明用器具と組み合わせて使用することにより、ランプ点灯時の温度が著しく高まって、主ゲッターが過熱され、該主ゲッターから水素が再放出されるような場合でも、その主ゲッターから放出される水素が補助ゲッターで吸収されて外球内における水素分圧の上昇が抑制されるので、ランプの点灯初期から寿命期間中にわたってランプ特性が適正に維持されるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る放電ランプの最良の実施形態は、発光管を収容配設する外球内に、ランプを点灯したときの熱で速やかに活性化して水素吸収性能を発揮し得るジルコニウム・コバルト・希土類合金で成る主ゲッターと、該主ゲッターよりも相対的に活性化温度が高く、該主ゲッターからの水素の再放出が顕著となる500℃を超える高温下でも水素吸収性能を発揮して、主ゲッターから再放出された水素を吸収し得るジルコニウム・アルミニウム合金で成る補助ゲッターとが設けられている。
【0014】
これら両ゲッターは、発光管から放射される光を極力遮らないようにするため、発光管の片端側に配置されて、発光管を支持する発光管支柱もしくは該支柱に付設された部材に固定されている。また、ジルコニウム・コバルト・希土類合金で成る主ゲッターは、500℃近くの温度に加熱すると10分前後で活性化するので、ランプの点灯による熱で500℃付近まで速やかに加熱されるように、その加熱源となる発光管に近づけて配置されるか、もしくは発光管の片端側から発光管と向き合うように配置されている。一方、ジルコニウム・アルミニウム合金で成る補助ゲッターは、ランプの熱で活性化するまでに比較的長時間を要するが、活性化した後は、温度が低い方が水素吸収性が良く、水素分圧を低く抑えることができるので、発光管と向き合わさないようにしてランプ点灯時の温度が低い場所に配置されている。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明に係る放電ランプの第一実施例を示す縦断面図、図2はその放電ランプの外球内に設ける主ゲッター/補助ゲッターの温度と外球内の水素分圧との関係を示すグラフである。
【0016】
本例の放電ランプは、口金1を有する外球2内に発光管3と該発光管3を定位置に支持する発光管支柱4とが収容配設された真空タイプのメタルハライドランプであって、発光管3は、透光性を有するセラミックで成形され、その両端に設けたキャピラリ5、6内に一対の電極システムが挿設されている。また、発光管支柱4は、口金1側に設けたステム7に立設されたフック形の柱部8と短小な柱部9とで発光管3の両端側を支持すると共に、両柱部8、9が線径1.6mm程度のニッケルメッキ鉄線で形成されて、発光管3の両端に設けられたキャピラリ5、6内の電極システムにランプ電力を供給する給電回路の一部を形成している。また、発光管3は、その両端に設けられたキャピラリ5、6の端部から突出する外部リード10、11を夫々発光管支柱4の柱部8、9に対して直接溶接するか、もしくはニッケルリボン線12等を介して溶接することにより発光管支柱4に支持されている。
【0017】
そして、真空の外球2内には、ランプを点灯したときにニッケルメッキ鉄線で成る発光管支柱4やニッケルリボン線12、外部リード10、11等から発生する水素を吸収して、その外球2内の水素分圧の上昇を抑制するために、ランプを点灯したときの熱で活性化されて水素吸収性能を発揮する非蒸発型ゲッターで成る主ゲッター13と補助ゲッター14が設けられている。
【0018】
主ゲッター13は、ランプの点灯初期から水素吸収性能を発揮し得る非蒸発型ゲッターであって、例えば500℃近くの高温に加熱すると10分前後で活性化されるタブレット型のジルコニウム・コバルト・希土類合金で成るゲッター本体15を金属製のタブ16に取り付けたジルコニウム・コバルト・希土類ゲッター(サエス社製:品番St787)が用いられている。また、補助ゲッター14は、例えば750℃の高温に加熱しても活性化されるまでに25〜30分も要するタブレット型のジルコニウム・アルミニウム合金で成るゲッター本体17を金属製のタブ18に取り付けたジルコニウム・アルミニウムゲッター(サエス社製:品番St101)が用いられている。
【0019】
なお、これら主ゲッター13と補助ゲッター14の一方のみを外球2内に設けて、各ゲッターの加熱温度と外球2内の水素分圧との相関関係を検証すると、図2のグラフに示すように、主ゲッター13のみを設けた場合は、該ゲッター13の温度が500℃を超えると外球2内の水素分圧が急激に上昇するのに対し、補助ゲッター14のみを設けた場合は、該ゲッター14の温度が500℃を超えても外球2内の水素分圧は上昇せず、700℃を超えてから外球2内の水素分圧が上昇し始める。つまり、主ゲッター13は、その温度が500℃を超えると水素の再放出が顕著となるが、補助ゲッター14は、700℃を超えるまでは水素の吸収能が放出能より勝っている。
【0020】
したがって、図1の放電ランプが、これを照明用器具と組み合せて使用したときに、その外球2内に設けた主ゲッター13と補助ゲッター14がランプの点灯による熱で500℃前後の高温に加熱されるものである場合は、主ゲッター13が速やかに活性化されてランプの点灯初期から水素吸収性能を発揮すると共に、主ゲッター13の過熱により該ゲッター13から再放出される水素が補助ゲッター14で吸収されて、外球2内における水素分圧の上昇が抑制される。すなわち、主ゲッター13と補助ゲッター14とで、ランプの点灯初期から寿命期間中にわたって外球2内の水素分圧を低く抑えることができる。なお、図1の主ゲッター13と補助ゲッター14は、発光管3から放射される光を極力遮らないようにするために、発光管支柱4の柱部8により支持される発光管3の片端側に発光管3と向き合わないように配置されて、その柱部8に対して各々の金属製タブ16、18を溶接することにより固定されている。
【実施例2】
【0021】
図3は本発明に係る放電ランプの第二実施例を示す部分断面図である。
本例の放電ランプは、ジルコニウム・コバルト・希土類ゲッターで成る主ゲッター13が、図1に示す位置よりも発光管3に近づけて配置されると共に、発光管3の片端側から発光管3と向き合うように配置されている点で、図1の放電ランプと相違し、その他の構成は図1のランプと共通する。
【0022】
本発明者が、図1の如き構成を有する定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプを試作して、該ランプの裸点灯時における主ゲッター13と補助ゲッター14の温度を計測すると、その温度は何れも約410℃であった。つまり、主ゲッター13と補助ゲッター14を図1の如く配置した150Wメタルハライドランプを照明用器具と組み合さずにそれ単体で点灯した裸点灯時における両ゲッター13、14の温度は、共に約410℃であった。そのため、350℃では活性化に2時間を要するとされているジルコニウム・コバルト・希土類ゲッターを用いた主ゲッター13は、ランプを点灯してから活性化するまでに少なくとも数十分以上の時間を要することとなるので、製造したランプを試点灯してランプ特性の合否を判定する出荷検査を短時間で能率的に行うことができない。
【0023】
そこで、図3の放電ランプは、ジルコニウム・コバルト・希土類ゲッターで成る主ゲッター13を図1に示す位置よりも発光管3に近づけると共に、発光管3の片端側から発光管3と向き合うように配置して、裸点灯した時に500℃近くの温度に加熱されるように工夫している。実際に、主ゲッター13を図3の如く配置した150Wメタルハライドランプを試作して点灯すると、その主ゲッター13の裸点灯時における温度が、10分前後で活性化可能な502℃となることが確認された。
【実施例3】
【0024】
図4は本発明に係る放電ランプの第三実施例を示す部分断面図である。
本例の放電ランプは、図3の放電ランプと同様に、ジルコニウム・コバルト・希土類ゲッターで成る主ゲッター13と、ジルコニウム・アルミニウムゲッターで成る補助ゲッター14とが外球2内に設けられると共に、主ゲッター13が、発光管3に近づけて、発光管3の片端側から発光管3と向き合うように配置されており、図3の放電ランプと相違する点は、補助ゲッター14が図3のものよりも発光管3から遠ざけられて、ランプ点灯時の温度が低い場所に配置されている点である。
【0025】
本発明者が試作した図3の150Wメタルハライドランプを照明用器具と組み合わせて点灯使用したときに、同図の如く配置された主ゲッター13と補助ゲッター14の温度を計測すると、その温度は各々596℃、520℃であった。すなわち、図3のランプを照明用器具内で点灯すると、発光管3に近づけて、該発光管3と向き合わせるように配置された主ゲッター13は、その温度が600℃近くまで上昇するから、該主ゲッター13からの水素の再放出が顕著となる。一方、補助ゲッター14は、500℃を超える高温下でも水素吸収性能を発揮して主ゲッター13から再放出された水素を吸収し、外球2内の水素分圧を低く抑えるように作用する。
【0026】
ただし、補助ゲッター14は、ランプの熱で活性化されるまでに比較的長時間を要するから、活性化を促進させるためには温度が高い場所に配置するのが望ましいが、最適な動作温度は350〜400℃であり、活性化後は、温度が低い方が水素吸収率が高く、水素分圧を低く抑える効果が大きいので、図4の補助ゲッター14は、照明用器具内で点灯した時に520℃となる図3の位置よりも発光管3から遠ざけて、ランプ点灯時の温度が低い場所に発光管3と向き合わさないように配置され、その水素吸収性能を最大限に発揮し得るようになっている。
【0027】
なお、上記実施例1〜3の主ゲッター13と補助ゲッター14は、各々そのゲッター本体15、17がタブレット型に形成されているが、これに限らず、テープ型(帯型)に形成されたものであってもよい。
【0028】
また、ランプを照明用器具と組み合わせて使用しても、図3又は図4の如く配置した補助ゲッター14のランプ点灯時における温度が500℃を超えない場合は、該補助ゲッター14として、主ゲッター13と同種のジルコニウム・コバルト・希土類ゲッターを用いても上記実施例と略同等の効果を得ることができる。
【0029】
すなわち、ランプのサイズやランプ電力の大きさによっては、補助ゲッター14を500℃を超える高温とならない所に配置し得る場合がある。そのような場合は、主ゲッター13と補助ゲッター14の双方ともジルコニウム・コバルト・希土類ゲッターを用いて、図3や図4の如く、主ゲッター13を発光管3に近づけたり、発光管3の片端側から発光管3と向き合わせるように配置して、短時間で活性化可能な高温に熱せられるようにすると共に、補助ゲッター14を主ゲッター13よりも温度が低い場所に配置して、500℃を超える高温に熱せられないようにすることにより、主ゲッター13から再放出される水素を補助ゲッター14で吸収して、ランプの点灯初期から寿命期間にわたって水素分圧を低く抑えることができる。
【0030】
なお、ジルコニウム・コバルト・希土類ゲッターで成る図3及び図4の主ゲッター13に代えて、ジルコニウム・アルミニウムゲッターを設けると、該ゲッターは、活性化に時間が掛かるので、製造したランプを試点灯してランプ特性の合否を判定する出荷検査を短時間で能率的に行うことが困難となる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、外球内に発光管が収容配設された放電ランプの点灯初期から寿命期間にわたって外球内の水素分圧を低く抑えることによりそのランプ特性の向上に資するものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る放電ランプの第一実施例を示す縦断面図
【図2】図1の放電ランプの外球内に設ける主ゲッター/補助ゲッターの温度と外球内の水素分圧との関係を示すグラフ
【図3】本発明に係る放電ランプの第二実施例を示す部分断面図
【図4】本発明に係る放電ランプの第三実施例を示す部分断面図
【符号の説明】
【0033】
2 外球
3 発光管
4 発光管支柱
13 主ゲッター
14 補助ゲッター


【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光管を収容配設する外球内に不純ガスを吸収する非蒸発型ゲッターが設けられた放電ランプにおいて、前記非蒸発型ゲッターとして、ランプの点灯による熱で速やかに活性化されてその点灯初期から水素吸収性能を発揮し得る主ゲッターと、該主ゲッターの過熱により該主ゲッターから水素が再放出されたときにその水素を吸収して外球内の水素分圧の上昇を抑制する補助ゲッターとが設けられていることを特徴とする放電ランプ。
【請求項2】
前記主ゲッターがジルコニウム・コバルト・希土類合金で形成され、前記補助ゲッターがジルコニウム・アルミニウム合金で形成されている請求項1記載の放電ランプ。
【請求項3】
前記補助ゲッターがランプ点灯時の温度が低い場所に配置されている請求項1又は2記載の放電ランプ。
【請求項4】
前記主ゲッターと前記補助ゲッターが何れもジルコニウム・コバルト・希土類合金で形成され、後者が前者よりもランプ点灯時の温度が低い場所に配置されている請求項1記載の放電ランプ。
【請求項5】
前記主ゲッターが、発光管の片端側から発光管と向き合うように配置されている請求項1、2、3又は4記載の放電ランプ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−95598(P2007−95598A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286152(P2005−286152)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】