放電ランプ
【課題】取り付け機構に対する放電ランプの装着等を容易に短時間に行うことができるようにする。
【解決手段】発光部を有するガラス部材25と、ガラス部材25に一端部が連結され、第1方向に延びるように形成された口金部材26とを備えた放電ランプ1であって、口金部材26は、その一端部側に形成されたフランジ部26aと、フランジ部26aと他端部との間に形成され、その第1方向と直交する方向の外形が、フランジ部26aの外形より小さい軸部26bと、軸部26bと他端部との間に設けられ、その第1方向と直交する方向の外形が、フランジ部26a及び軸部26bの外形より小さい小径部26kとを有する。
【解決手段】発光部を有するガラス部材25と、ガラス部材25に一端部が連結され、第1方向に延びるように形成された口金部材26とを備えた放電ランプ1であって、口金部材26は、その一端部側に形成されたフランジ部26aと、フランジ部26aと他端部との間に形成され、その第1方向と直交する方向の外形が、フランジ部26aの外形より小さい軸部26bと、軸部26bと他端部との間に設けられ、その第1方向と直交する方向の外形が、フランジ部26a及び軸部26bの外形より小さい小径部26kとを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電ランプ、この放電ランプを備えた光源装置、この光源装置を備えた露光装置、及びこの露光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種デバイス(マイクロデバイス、電子デバイス等)を製造するためのリソグラフィ工程においては、レチクル(又はフォトマスク等)に形成されたパターンをレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写するために、ステッパー等の一括露光型(静止露光型)の投影露光装置、及びスキャニング・ステッパー等の走査露光型の投影露光装置などの露光装置が使用されている。これらの露光装置においては、従来より水銀ランプ等の放電ランプと集光鏡とを組み合わせて構成される露光用の光源装置が使用されており、その放電ランプは所定の取り付け機構を介して保持されていた。
【0003】
従来の放電ランプの取り付け機構の一例は、放電ランプの口金にフランジ部及びリング状の溝部を設けておき、その溝部に板ばねの開口部を係合させ、その板ばねでそのフランジ部をブラケットに押し付けて固定する機構である(例えば、特許文献1参照)。この機構では、放電ランプの装着時又は交換時には、その板ばねのクランプ機構を緩め、その板ばねの開口部をその口金が通過できるように、その板ばねをスライドさせる必要がある。また、従来の放電ランプの取り付け機構の他の例は、放電ランプの口金に位置決めピン等を設けておき、その口金を平板状の取り付け板に設けられた円形の開口部に所定の回転角で差し込み、その開口部に設けたすり割り部をボルトで締め付けることによって、その口金を固定する機構である(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、放電ランプを有する従来の光源装置の中には、発熱の影響を軽減するために冷却機構を備えたタイプもある。従来の冷却機構の一例は、放電ランプの一方の口金の外面からバルブ部の外面を経て他方の口金の外面に向けて冷却された空気を供給する機構である(例えば、特許文献3参照)。従来の冷却機構の別の例として、放電ランプの口金にリング状の溝部を設け、その溝部及び所定の送風管を介してバルブ部に冷却された空気を供給する機構も知られている(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】特開平10−55713号公報
【特許文献2】特開2003−45219号公報
【特許文献3】特開平9−213129号公報
【特許文献4】特開平11−283898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の光源装置における放電ランプの取り付け機構は、放電ランプの装着時又は交換時に、板ばねのクランプ機構を緩めてその板ばねをスライドさせるか、又は取り付け板のすり割り部のクランプを緩める必要があるため、放電ランプの装着等に時間を要するという問題があった。また、従来の取り付け機構は、板ばねに設けた開口部の輪郭の一部を口金の溝部に掛けるか、又は取り付け板のすり割り部を締めるかして、放電ランプの口金を固定しているため、その口金を固定する力を目標とする範囲内に設定するのが困難であるという問題があった。
【0006】
また、従来の光源装置における放電ランプの冷却機構は、主に放電ランプのバルブ部に冷風を吹き付けていたため、口金に対する冷却作用が小さいという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑み、取り付け機構に対する放電ランプの装着等を容易に、
かつ短時間に行うことができるようにすることを第1の目的とする。
【0007】
また、本発明は、簡単な機構で放電ランプの冷却を効率的に行うことができるようにすることを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の放電ランプは、発光部を有するガラス部材と、そのガラス部材に一端部が連結され、第1方向に延びるように形成された口金部材とを備えた放電ランプであって、その口金部材は、その一端部側に形成されたフランジ部と、そのフランジ部とその口金部材の他端部との間に形成され、その第1方向と直交する方向の外形形状が、そのフランジ部の外形形状より小さい第1軸部と、その第1軸部とその口金部材の他端部との間に設けられ、その第1方向と直交する方向の外形形状が、そのフランジ部及びその第1軸部の外形形状より小さい第2軸部とを有するものである。
また、本明細書には以下の発明の態様も記載されている。
本発明の別の態様の放電ランプは、発光部を備え、第1方向に伸びるように形成されたガラス部材と、そのガラス部材のその第1方向の一端部に連結される第1口金部材と、そのガラス部材のその第1方向の他端部に連結される第2口金部材とを備えた放電ランプであって、その第1口金部材の外周面の少なくとも一部に設けられ、冷却用媒体が流通する第1流路と、その第2口金部材を覆うカバー部材と、その第2口金部材と前記カバー部材との間に形成され、冷却用媒体が流通する第2流路とを有するものである。
また、本発明の第1の態様による光源装置は、発光部を形成するガラス部材(25)と該ガラス部材に連結された口金部材(26)とを有する放電ランプ(1)と、その口金部材を介してその放電ランプを保持する保持部材(50,52)を有する保持装置(31)とを備えた光源装置であって、その放電ランプが備えるその口金部材は、その保持部材と当接してその保持部材に対するその発光部の第1方向における位置を規定する当接部(26a)と、その当接部をその第1方向に沿ってその保持部材に押圧する押圧力が付勢される被付勢部(26e〜26h)と、その当接部とその被付勢部との間に備えられ、その保持部材と嵌合する嵌合部(26b)と、その嵌合部に備えられ、その当接部近傍からその被付勢部に至る冷却用媒体の流路をその保持部材との間で構成する溝部(26d)とを有し、その保持装置は、その保持部材と、その被付勢部にその押圧力を付勢する付勢部材(55A)と、その付勢部材によるその当接部のその保時部材への押圧と、該押圧の解除とを切り替える切替機構(63)と、その口金部材を冷却するための媒体をその溝部を介してその流路に供給する媒体供給装置(71)とを有するものである。
【0009】
また、本発明の第2の態様による光源装置は、発光部を形成するガラス部材(25)と該ガラス部材に連結された口金部材(26)とを有する放電ランプ(1)と、その口金部材を介してその放電ランプを保持する保持部材(50,52)を有する保持装置(31)とを備えた光源装置であって、その放電ランプが備えるその口金部材は、その保持部材と当接してその保持部材に対するその発光部の第1方向における位置を規定する当接部(26a)と、その当接部をその第1方向に沿ってその保持部材に押圧する押圧力が付勢される被付勢部(26e〜26h)と、その当接部とその被付勢部との間に備えられ、その保持部材に対し、その発光部の第1方向と直交する方向における位置を規定する規定部(26b1)と、その当接部と被付勢部との間に備えられ、当接部近傍から被付勢部に至る冷却用媒体の流路をその保持部材との間で構成する冷却部(26b2)とを有し、その保持装置は、その保持部材と、その被付勢部にその押圧力を付勢する付勢部材(55A)と、その付勢部材によるその当接部のその保時部材への押圧と、該押圧の解除とを切り替える切替機構(63)と、その口金部材を冷却するための媒体をその流路に供給する媒体供給装置(71)とを有するものである。
【0010】
次に、本発明の第1の態様による放電ランプは、発光部を形成するガラス部材(25)と、該ガラス部材に連結された口金部材(26)とを備えた放電ランプ(1)であって、その放電ランプは、該放電ランプとは別個に設けられた保持部材(50,52)にその口金部材を介して着脱可能に保持され、その口金部材は、その保持部材と当接してその保持部材に対するその発光部の第1方向における位置を規定する当接部(26a)と、その当接部をその第1方向に沿ってその保持部材に押圧する押圧力が付勢される被付勢部(26e〜26h)と、その当接部とその被付勢部との間に備えられ、その保持部材と嵌合する嵌合部(26b)と、その嵌合部に備えられ、その当接部近傍からその被付勢部に至る冷却用媒体の流路をその保持部材との間で構成する溝部(26d)とを有するものである。
【0011】
また、本発明の第2の態様による放電ランプは、発光部を形成するガラス部材(25)と、該ガラス部材に連結された第1口金部材(26)と、その第1口金部材とは別の位置でそのガラス部材に連結された第2口金部材(28)とを備えた放電ランプであって、その放電ランプは、該放電ランプとは別個に設けられた保持部材(50,52)にその第1口金部材を介して着脱可能に保持され、その第1口金部材は、その保持部材と当接してその保持部材に対するその発光部の第1方向における位置を規定する当接部(26a)と、その当接部に対してそのガラス部材とはその第1方向に沿った反対側に備えられ、その保持部材と嵌合する嵌合部(26b)と、その嵌合部に備えられて、冷却用媒体の流路をその保持部材との間で構成する溝部(26d)とを備え、その第2口金部材は、その第2口金部材を冷却する冷却用媒体が流通する流路(28f)を備えるものである。
【0012】
また、本発明の第3の態様による放電ランプは、互いに離間した第1及び第2電極間で放電することにより発光する放電ランプ(1)であって、その第1電極と接続された第1口金部材(26)と、その第2電極と接続された第2口金部材(28)とを備え、その第1口金部材には、その第1口金部材を冷却する冷却媒体が流動する第1流路(26d)が形成され、その第2口金部材にはその第2口金部材を冷却する冷却媒体が流動する第2流路(28f)が形成されているものである。
【0013】
また、本発明の第4の態様による放電ランプは、発光部を形成するガラス部材(25)と、該ガラス部材の第1方向側に連結され、その第1方向と直交する第2方向に延在する当接部(26a)と、その第1方向に沿った力が付勢される被付勢部(26e〜26h)と、その当接部とその被付勢部との間に備えられた嵌合部(26b)と、その嵌合部に備えられた溝部(26d)とを有する口金部材(26)と、を備え、その口金部材は、その被付勢部に付勢されたその第1方向の力によりその当接部と当接してその発光部のその第1方向の位置を規定するとともに、その嵌合部と嵌合することによりその第1方向と直交する方向の位置を規定し、かつその保持部材とその溝部との間に形成された流路に冷却用媒体を供給する保持装置(31)に保持可能であるものである。
【0014】
次に、本発明の第5の態様による放電ランプは、発光部を形成するガラス部材(25A)と、該ガラス部材に連結された口金部材(26P)とを備えた放電ランプ(1P)であって、その放電ランプは、該放電ランプとは別個に設けられた保持部材(50,52)にその口金部材を介して着脱可能に保持され、その口金部材は、その保持部材と当接してその保持部材に対するその発光部の第1方向における位置を規定する当接部(26a)と、その当接部をその第1方向に沿ってその保持部材に押圧する押圧力が付勢される被付勢部(26e〜26h)と、その当接部とその被付勢部との間に備えられ、その保持部材と嵌合する嵌合部(26b)と、その嵌合部の内部を通過するように、その当接部近傍とその被付勢部との間に備えられた冷却用媒体の流路となる流体路(26Pd)とを有するものである。
【0015】
また、本発明の第3の態様による光源装置は、本発明の第5の態様による放電ランプと、その口金部材を介してその放電ランプを保持するその保持部材を有する保持装置(31)とを備えた光源装置であって、その保持装置は、その被付勢部にその押圧力を付勢する付勢部材と、その口金部材を冷却するための媒体をその流体路に供給する媒体供給装置(71)とを有するものである。
【0016】
また、本発明の第6の態様による放電ランプは、発光部を形成するガラス部材(25;25A)と、該ガラス部材に連結された口金部材(26;26P)とを備えた放電ランプであって、その口金部材は、第1の方向に平行な第1の軸に沿ってガラス部材から離れる方向に、順に、その第1の軸を中心とする第1の半径以上の半径を有する円盤形状を包含
する形状を有する当接部(26a)と、その第1の軸を中心とするその第1の半径より小さな第2の半径を有する円柱形状に外接する形状を有する嵌合部(26b)と、その第1の軸を中心としてその第2の半径より小さな第3の半径を有する円柱形状を包含する形状を有する小径部(26k)と、その第1の軸を中心として、その第1の半径より小さくかつその第3の半径より大きな第4の半径を有する円盤形状を包含する形状を有する被付勢部(26g,26h)と、を有するとともに、その嵌合部の外周またはその近傍に、その嵌合部と空気との接触面積を増大せしめるための立体構造(26d;26Pd)を有するものである。
【0017】
また、本発明の第7の態様による放電ランプは、発光部を備え、第1方向に伸びるように形成されたガラス部材(25;25A)と、そのガラス部材のその第1方向側の端部に、一端部が連結される第1口金部材(26;26P)とを備えた放電ランプであって、その第1口金部材は、その第1方向と直交する直交方向に突出した突出部(26a)と、その突出部とその第1口金部材の他端部との間に設けられ、その直交方向に関する外形形状が、その突出部の外形形状より小さい第1軸部(26b)と、その突出部とその第1口金部材の他端部との間に設けられ、その直交方向に関する外形形状が、その第1軸部より小さい第2軸部(26k)と、その突出部とその第1口金部材の他端部との間に設けられ、その直交方向に関する外形形状が、その突出部の外形形状より小さく、かつその第2軸部よりも大きい第3軸部(26g;26h)と、その第1軸部の外周面の少なくとも一部に設けられ、冷却用媒体と接触可能な冷却部(26b2)とを備えるものである。
【0018】
また、本発明の第8の態様による放電ランプは、発光部を形成するガラス部材(25)と、該ガラス部材に連結された口金部材(26)とを備えた放電ランプ(1)であって、その放電ランプは、該放電ランプとは別個に設けられた保持部材(50,52)にその口金部材を介して着脱可能であり、その口金部材は、その保持部材と当接してその保持部材に対するその発光部の第1方向における位置を規定する当接部(26a)と、その当接部をその第1方向に沿ってその保持部材に押圧する押圧力が付勢される被付勢部(26e〜26h)と、その当接部とその被付勢部との間に備えられ、前記保持部材と嵌合する嵌合部(26b)と、その当接部とその被付勢部との間に設けられ、その当接部近傍からその被付勢部に至る冷却用媒体の流路をその保持部材との間で構成する冷却部とを有するものである。
また、本発明の態様による露光装置は、光源装置から発生した露光光によって感光基板にパターンを露光する露光装置であって、その光源装置として本発明の光源装置(30)を備えたものである。
【0019】
また、本発明の態様による露光装置の製造方法は、放電ランプ(1)の2つの電極間の放電により発生した光によって感光基板にパターンを露光する露光装置の製造方法であって、その放電ランプを保持するための保持装置(31)に、その放電ランプのその2つの電極のうちの一方に対応して設けられた第1口金部材(26)を介してその放電ランプを装着する段階と、その放電ランプの他方の電極に対応して設けられた第2口金部材(28)に用力ケーブル(33B)を接続する段階と、その装着されたその放電ランプのその第1口金部材をその保持装置に装着された状態で冷却する段階とを備えるものである。
なお、以上の本発明の所定要素に付した括弧付き符号は、本発明の一実施形態を示す図面中の部材に対応しているが、各符号は本発明を分かり易くするために本発明の要素を例示したに過ぎず、本発明をその実施形態の構成に限定するものではない。
【発明の効果】
【0020】
本発明の放電ランプによれば、保持装置に対する放電ランプの取り外し及び装着を容易に短時間に行うことができる。
本発明の別の態様の放電ランプによれば、保持装置に対する放電ランプの取り外し及び装着を容易に短時間に行うことができる。また、簡単な機構で放電ランプの冷却を効率的に行うことができる。
【0021】
また、本発明の第1、第2、又は第3の態様による光源装置によれば、保持装置に対するその放電ランプの取り外し及び装着を容易に短時間に行うことができる。また、簡単な機構で放電ランプの冷却を効率的に行うことができる。
また、本発明の各態様の放電ランプは、本発明の第1、第2、又は第3の態様による光源装置の放電ランプとして使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態の一例の投影露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】(A)は図1中の放電ランプ1を示す一部を切り欠いた図、(B)は図2(A)のBB線に沿う断面図、(C)は図2(B)の別の構成例を示す図である。
【図3】図1中の取り付け装置31を示す一部を切り欠いた図である。
【図4】図3の取り付け装置31の要部を示す平面図である。
【図5】図3のAA線に沿う断面図である。
【図6】図3のBB線に沿う一部を省略した断面図である。
【図7】(A)は図3中の固定用アーム55Aを上方から視た拡大断面図、(B)はその固定用アーム55Aを拡大して示す正面図である。
【図8】図2(A)の放電ランプ1を図3の取り付け装置31に装着した状態を示す一部を切り欠いた図である。
【図9】図8の放電ランプ1の口金部26及び取り付け装置31の部分を拡大して示す一部を切り欠いた図である。
【図10】(A)は、図3の取り付け装置31において、切替用リンク機構63によって移動部材41を降下させた状態を示す図、(B)は、切替用リンク機構63によって移動部材41を上昇させた状態を示す図である。
【図11】(A)、(B)、(C)、及び(D)は、それぞれ本発明の放電ランプの別の実施形態を示す一部を切り欠いた図である。
【図12】(A)、(B)、(C)、及び(D)は、それぞれ本発明の放電ランプのさらに別の実施形態を示す一部を切り欠いた図である。
【図13】(A)、(B)、及び(C)は、それぞれ本発明の放電ランプのさらに別の実施形態を示す図である。
【図14】(A)及び(B)は、それぞれ本発明の放電ランプのさらに別の実施形態を示す一部を切り欠いた図である。
【図15】(A)、(B)、(C)、及び(D)は、それぞれ本発明の放電ランプのさらに別の実施形態を示す図である。
【図16】(A)は図15(B)のAA線に沿う断面図、(B)は図15(C)のBB線に沿う断面図、(C)は図15(D)のCC線に沿う断面図である。
【図17】図15(D)に示す放電ランプの製造方法の一例を示す要部の斜視図である。
【図18】(A)及び(B)は、それぞれ本発明の放電ランプのさらに別の実施形態を示す図である。
【図19】マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態の一例につき図1〜図10を参照して説明する。
図1は、本例の露光光源30(光源装置)を備えた投影露光装置(露光装置)を示し、この図1において、アーク放電型の水銀ランプよりなる放電ランプ1が、取り付け装置31(保持装置)を介して絶縁状態で固定板29に固定されている。また、放電ランプ1の陰極及び陽極が可撓性を持つ電力ケーブル33A及び33Bを介して電源34に接続され、放電ランプ1のバルブ部を囲むように楕円鏡2(集光ミラー)が不図示のブラケットに固定されている。放電ランプ1のバルブ部内の発光部は、一例として楕円鏡2の第1焦点付近に配置されている。放電ランプ1、楕円鏡2、取り付け装置31、電力ケーブル33A,33B、及び電源34を含んで露光光源30が構成されている(詳細後述)。
【0024】
放電ランプ1から射出された光束は、楕円鏡2によって第2焦点付近に収束された後、シャッタ3の近傍を通過して発散光となって光路折り曲げ用のミラー4に入射する。シャッタ3の開閉はシャッタ駆動装置3aによって行われ、シャッタ駆動装置3aは、不図示のシャッタ制御系で制御される。本実施の形態では、一例として後述のステージ制御系15が、装置全体の動作を統括制御する主制御系14の指令のもとでシャッタ駆動装置3aを制御する。
【0025】
ミラー4で反射された光束は干渉フィルタ5に入射し、干渉フィルタ5により所定の輝線(例えば波長365nmのi線)よりなる露光光ILのみが選択される。なお、露光光ILとしては、i線の他に、g線、h線、若しくはこれらの混合光等、又は水銀ランプ以外のランプの輝線等も使用できる。その選択された露光光ILは、フライアイレンズ6(オプティカル・インテグレータ)に入射し、フライアイレンズ6の射出面に配置された可変開口絞り7上に多数の2次光源が形成される。可変開口絞り7を通過した露光光ILは、第1リレーレンズ8を経てレチクルブラインド(可変視野絞り)9に入射する。レチクルブラインド9の配置面はレチクルRのパターン面と実質的に共役であり、駆動装置9aを介してレチクルブラインド9の開口形状を設定することで、レチクルR上での照明領域が規定される。また、ウエハWのステッピング時等に不要な露光光がウエハW上に照射されないように、ステージ制御系15が駆動装置9aを介してレチクルブラインド9を開閉できるようにも構成されている。
【0026】
レチクルブラインド9を通過した露光光ILは、第2リレーレンズ10、露光光ILを反射するダイクロイックミラー11、及びコンデンサレンズ12を介してレチクルRのパターン面のパターン領域を照明する。シャッタ3、ミラー4、干渉フィルタ5、フライアイレンズ6、可変開口絞り7、リレーレンズ8,10、レチクルブラインド9、ダイクロイックミラー11、及びコンデンサレンズ12を含んで照明光学系13が構成されている。露光光源30からの光束は、照明光学系13を経て露光光ILとしてレチクルR(マスク)を照明し、レチクルRのパターン領域内のパターンが投影光学系PLを介して、フォトレジストが塗布されたウエハW(感光基板)の一つのショット領域上に投影倍率β(βは例えば1/4,1/5等)で露光される。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。
【0027】
このとき、レチクルRは、レチクルベース(不図示)上でX方向、Y方向、及びZ軸周りの回転方向に微動可能なレチクルステージRST上に保持されている。レチクルステージRSTの位置は、これに固定された移動鏡17Rに計測用レーザビームを照射するレーザ干渉計18Rによって高精度に計測され、この計測値がステージ制御系15及び主制御系14に供給されている。その計測値及び主制御系14からの制御情報に基づいて、ステージ制御系15がリニアモータ等を含む駆動系19Rを介してレチクルステージRSTの位置を制御する。
【0028】
一方、ウエハWは不図示のウエハホルダを介してウエハステージWST上に保持され、ウエハステージWSTはウエハベース(不図示)上にX方向及びY方向に移動自在に載置されている。ウエハステージWSTの位置は、これに固定された移動鏡17Wに計測用レーザビームを照射するレーザ干渉計18Wにより高精度に計測され、この計測値はステージ制御系15及び主制御系14に供給されている。その計測値及び主制御系14からの制御情報に基づいて、ステージ制御系15はリニアモータ等を含む駆動系19Wを介してウエハステージWST(ウエハW)の位置を制御する。
【0029】
ウエハWの露光時には、ウエハステージWSTによりウエハWの各ショット領域を投影光学系PLの露光フィールド内に移動する動作と、露光光源30からの光束を照明光学系13を介してレチクルRに照射して、レチクルRのパターンを投影光学系PLを介してウエハW上の当該ショット領域に露光する動作とがステップ・アンド・リピート方式で繰り返される。これによって、レチクルRのパターンの像がウエハW上の各ショット領域に転写される。
【0030】
なお、この露光に際して予めアライメントを行うために、レチクルRの上方には、レチクルRに形成されたアライメントマークの位置を検出するためのレチクルアライメント顕微鏡20が設置され、投影光学系PLの側面には、ウエハW上の各ショット領域に付設されたアライメントマークの位置を検出するためのアライメントセンサ21が設置されている。また、ウエハステージWST上のウエハWの近傍にはアライメントセンサ21等のための複数の基準マークが形成された基準マーク部材22が設けられている。レチクルアライメント顕微鏡20及びアライメントセンサ21の検出信号はアライメント信号処理系16に供給され、アライメント信号処理系16は、例えばそれらの検出信号の画像処理によって被検マークの配列座標を求め、この配列座標の情報を主制御系14に供給する。主制御系14は、その配列座標の情報に基づいてレチクルR及びウエハWのアライメントを行う。
【0031】
次に、本例の投影露光装置の露光光源30を構成する放電ランプ1及び取り付け装置31の構成等につき詳細に説明する。
図2(A)は、図1の露光光源30中の放電ランプ1を示す一部を切り欠いた図であり、この図2(A)において、放電ランプ1は、バルブ部25a及びこれを挟むように固定されたほぼ対称で円筒状の2つの棒状部25b,25cからなるガラス管25と、一方の棒状部25bの端部に連結された口金部26と、他方の外側に向けて段階的に直径が小さくなる棒状部25cの端部に連結された口金部28とを備えている。そのバルブ部25a内に発光部を形成するための陽極EL1及び陰極EL2が対向して固定され、陰極EL2及び陽極EL1はそれぞれ口金部26及び28に接続され、口金部26及び28は電気伝導率及び熱伝導率の良好な金属製である。口金部26、ガラス管25、及び口金部28は、ガラス管25の棒状部25b,25cの中心軸を結び発光部の中心を通る一つの直線上に配置されている。その棒状部25b,25cの中心軸を結ぶ直線に平行な方向が放電ランプ1の長手方向Lである。
【0032】
口金部26及び28は、基本的に陰極EL2及び陽極EL1に図1の電源34から電力ケーブル33A及び33Bを介して電力を供給するための電力受給端子として使用される。その他に、口金部26は、ガラス管25(放電ランプ1)を保持するための被保持部としても使用され、口金部26及び28にはともにガラス管25から伝導してくる熱を冷却するための気体を流す溝が形成されている。
【0033】
即ち、陰極EL2に接続された口金部26には、棒状部25bから開放端側に順に、棒状部25bの外径の2倍程度の外径の輪帯状のフランジ部26a(当接部)と、棒状部25bの外径よりも僅かに大きい外径の円柱状の軸部26b(嵌合部(規定部))と、軸部26bよりも外径の小さい円柱状の小径部26kと、軸部26bより僅かに小さい外径、あるいは軸部26bと略同じ外形の円柱状の固定部26hとが形成され、軸部26bと小径部26kとの境界部には面取り部26eが形成され、固定部26hの開放端側にも面取り部26iが形成されている。なお、円柱状の軸部26bの外形は、棒状部25bの外形とほぼ同じ外形であってもよい。小径部26kは、軸部26bと固定部26hとの間に、放電ランプ1の長手方向Lと交差する方向に関して凹部(段部)26fを設けることによって形成される。放電ランプ1を図1の取り付け装置31に取り付ける際に、フランジ部26aは対応する部材に当接して、ガラス管25の発光部の長手方向L(第1方向)における位置決めの基準となり、軸部26bは対応する部材の開口に嵌合して、その発光部の長手方向Lに直交する面内における位置決めの基準となる。また、固定部26hには、凹部26fによって被押圧面26gが形成されている。被押圧面26gは、長手方向Lに垂直な平面である。放電ランプ1を図1の取り付け装置31で保持する際に、取り付け装置31側の付勢機構の一部の部材が凹部26f側に差し込まれ、その部材によって被押圧面26gに長手方向Lに沿って口金部26の開放端側に向かう押圧力が加えられる。従って、面取り部26e、凹部26f、被押圧面26g、及び固定部26hより、その付勢機構によって付勢される部材が形成されている。
【0034】
図2(B)は、図2(A)の放電ランプ1のBB線に沿った断面図であり、この図2(B)に示すように、フランジ部26aには一例として90°間隔で2箇所の開口27A,27B(位置決め部)が形成されている。この開口27A,27Bに図1の取り付け装置31側の対応する2つのピン70A,70B(図4参照)が差し込まれることで、放電ランプ1の長手方向Lに沿った軸の周りの位置決めが行われる。すなわち、取り付け装置31に対し、放電ランプ1の長手方向を中心とした回転角が決まる。また、放電ランプ1には発光パワー等が異なる複数の種類があり、種類が異なる毎に開口27A,27Bの個数及び/又は角度等が異なっている。従って、その開口の個数は1個又は複数個である。具体的に、図2(B)とは別の種類の放電ランプのフランジ部26aには、図2(C)に示すように、例えば90°間隔で3箇所に開口27A,27B,27Cが形成され、対応する取り付け装置には3個のピンが形成されている。これによって、投影露光装置の露光光源の取り付け装置に、仕様と異なる放電ランプが取り付けられることが確実に防止される。
【0035】
図2(A)に戻り、軸部26bの外面のフランジ部26aの近傍から面取り部26e(凹部26f)までの部分に、長手方向Lに平行な軸の周りに螺旋状に溝部26dが形成されている。溝部26dには、後述の送風装置71(図9参照)から口金部26を冷却するための気体(冷却用媒体)が流され、これによってガラス管25で発生した熱が口金部26に伝導しても、口金部26を効率的に冷却でき、結果としてガラス管25の冷却も行われる。また、溝部26dと図2(B)の開口27A,27Bとの位置関係は、開口27A,27Bに図1の取り付け装置31の対応するピンを差し込んだ状態で、送風装置71(図9参照)から溝部26dに対して冷却された気体が効率的に供給されるように設定されている。
【0036】
この陰極EL2側の口金部26において、軸部26bと固定部26hとの間には、凹部26fが形成されている。すなわち、軸部26bと固定部26hとの間には、長手方向Lに直交する面における断面積が軸部26bよりも小さい小径部26kが設けられているため、図1の取り付け装置31の付勢機構の一部を容易に差し込むことができる。
この場合、軸部26b及び小径部26kはそれぞれ長手方向Lに平行な軸を中心とした円形断面を有し、その小径部26kの円形断面の直径は、軸部26bの円形断面の直径の1/2以下(例えば1/3程度)であることが望ましい。これによって、その付勢機構の一部を凹部26fに大きく差し込むことができ、被押圧面26gを口金部26の開放端側に大きい力で容易に付勢できる。
【0037】
また、溝部26dは面取り部26eを通して凹部26fに連通しているため、冷却用の気体を長手方向Lに沿って円滑に流すことができる。この場合、溝部26dは軸部26bの表面に螺旋状に形成されているため、その冷却用の気体によって軸部26b(口金部26)の全体を効率的に冷却できる。なお、螺旋状の溝部26dの代わりに、後述するように、軸部26bの表面に長手方向Lにほぼ沿って直線状に複数の溝部を設け、これらの複数の溝部に冷却用の気体を流してもよい。
【0038】
また、ガラス管25及び口金部26,28を含む放電ランプ1全体の長手方向Lの長さをLT1、取り付け装置31によって保持される口金部26の長手方向Lの長さをLT2とすると、長さLT2は次式のように長さLT1の1/5以上で1/4以下(一例としてLT1の0.22倍程度)であることが望ましい。
LT1/5≦LT2≦LT1/4 …(1)
長さLT2が式(1)の下限以上であることによって、放電ランプ1を口金部26を介して十分な力で安定に図1の取り付け装置31で保持することができるとともに、口金部26の冷却効果を高めることができる。さらに、長さLT2が式(1)の上限以下であることによって、放電ランプ1全体の長さ及び重量を許容範囲内に収めることが容易になる。なお、他方の自由端側の口金部28の長手方向Lの長さLT3は、例えば長さLT1の1/8以上で1/5以下(一例として長さLT1の0.15倍程度)である。
【0039】
また、口金部26の軸部26bの表面で図1の取り付け装置31の対応する部材の開口と嵌合する(接触する)部分の面積は、軸部26bに形成された溝部26dの面積よりも広いことが望ましい。これは、図2(A)において、長手方向Lにおける軸部26bの表面(凸部)の幅M1が、以下のように溝部26dの幅M2より大きいことを意味する。これによって、溝部26dに冷却用の気体を流すことによる冷却効果を高め、かつ軸部26bに対する保持力を高めることができる。
【0040】
M1>M2 …(2)
より実用的には、軸部26bの表面で対応する部材の開口と嵌合する部分の面積は、溝部26dの面積の2倍よりも広い(一例として3倍程度である。)ことが望ましい。これは、次式が成立することを意味する。これによって、軸部26bに対する保持力をさらに高め、かつ比較的高い冷却効果も得られる。
【0041】
M1>2・M2 …(3)
一方、図2(A)の陽極EL1に接続された口金部28は、棒状部25c側から開放端側に順に、棒状部25cの最大直径より僅かに大きい外径の薄い輪帯部28hと、輪帯部28hとほぼ同じ外径、あるいは輪帯部28hより小さい外径を有する円柱状の軸部28cと、軸部28cの開放端側の面を僅かな空間28dを隔てて覆い、かつ軸部28cに嵌合する円筒状のカバー部28bとを備える。さらに、円筒状のカバー部28bには、その外径が軸部28cの1/3程度の円筒状の端子部28aが形成されている。軸部28cの表面には、開放端側から輪帯部28hにかけて長手方向Lに平行な軸の周りに螺旋状に溝部28fが形成されている。輪帯部28hと軸部28cとの間には、凹部28gが形成されており、軸部28cの溝28fは、この凹部28gに連通している。
また、端子部28aの内部には、端子部28の外部と、カバー部28bの内部、すなわち、空間28dとを連通する流通穴28eが形成されている。円筒状のカバー部28bは、電気伝導率及び熱伝導率の良好な金属で形成されている。
【0042】
口金部28の端子部28aには、図8に示す電力ケーブル33Bが接続される。この電力ケーブル33Bには、陽極EL1に接続される電力線の他に、流通穴28eを通して溝部28fに冷却された気体(冷却用媒体)を供給するための配管も収納されている。このように電力ケーブル33Bは、電力の他に冷却された気体を供給するために使用されるため、用力ケーブルとも呼ぶことができ、端子部28aは用力受給端子とも呼ぶことができる。電力ケーブル33B及び端子部28aがそれぞれ電力及び冷却された気体の受給(供給)用に使用されているため、口金部28及び電力ケーブル33Bをコンパクトに形成することができる。
【0043】
図2(A)において、電力ケーブル33Bから端子部28a内の流通穴28eに供給さ
れた冷却用の気体は、口金部28の軸部28cの表面の溝部28fとカバー部28bとで形成された流路内を流れた後、軸部28gと輪帯部28hとの間の凹部28gから外側に排気される。この際に、溝部28f(流路)が螺旋状であるため、口金部28の全体を効率的に冷却できる。なお、口金部28においても、溝部28fの代わりに、軸部28cの表面に長手方向Lにほぼ平行に設けた複数の溝部を形成しておき、これらの溝部に冷却用の気体を供給してもよい。
【0044】
なお、仮に陰極EL2用の口金部26の溝部26dに冷却用の気体を供給するのみで、口金部26及びガラス管25の冷却を十分に行うことができる場合には、陽極EL1用の口金部28には必ずしも冷却用の気体を流す流路を形成しなくともよい。さらに、放電ランプ1において、取り付け装置31に保持される口金部26に接続される電極を陽極として、自由端側の口金部28に接続される電極を陰極とすることも可能である。
【0045】
次に、図3は図1の露光光源30の取り付け装置31の構成を示し、図4は図3の取り付け装置31の平面図、図5は図3のAA線に沿う断面図、図6は図3のBB線に沿う断面図である。図3において、ほぼ正方形の平板状のセラミックス製の絶縁板32の表面に、薄い平板状の底板36が複数箇所でボルト35を用いて固定されている。この場合、予め底板36の表面の3箇所には、円柱状のガイド部材37A,37B,37C(図5参照)が、裏面から螺合されたボルト39Aによって、底板36に固定されている。絶縁板32の表面にはボルト39Aを収納する凹部32aが形成されているため、絶縁板32の表面に底板36を密着させて固定することができる。底板36の4隅にはボルト40を通すための開口36aが形成され、その開口36aを通して絶縁板32は4箇所でボルト40(図5参照)によって固定板29に固定されている。この構成によって、取り付け装置31は固定板29に対して絶縁状態で固定されている。
【0046】
また、図5に示すように、底板36の左側の2箇所の隅には断面形状がL字型のフレーム46A,46Bが固定され、底板36の右側の2箇所の隅には平板状のパネル板47A,47Bが右側に突き出るように固定され、パネル板47A,47Bの右端部は平板状のパネル板47Cで連結されている。フレーム46A,46B及びパネル板47A,47Bの上に、図4に示すようにほぼ正方形の平板状で中央に大きい円形開口45a(図3参照)が形成された上板45が固定されている。上板45には、3箇所のガイド部材37A〜37Cの先端部を通すための3個の小さい開口も形成されている。
【0047】
図3において、上板45の上面に開口45aを覆うようにボルト51によって輪帯状の位置決め板50が固定され、位置決め板50の底面に、ほぼ円筒状の円筒部材52のフランジ部が例えば4箇所でボルト53によって固定されている。位置決め板50の上面50aには、図2(A)の放電ランプ1の口金部26のフランジ部26aが載置され、位置決め板50の中央の円形開口50b及びこれに続く円筒部材52の内面には、その口金部26の軸部26bが嵌合される。従って、位置決め板50及び円筒部材52は、一体的に放電ランプ1の口金部26を保持するための部材となる。円筒部材52の中心軸に沿った方向を放電ランプ1の移動方向Dと呼ぶ。
【0048】
また、位置決め板50の開口50bとその側面とを連通するように通気孔50cが形成され、通気孔50cに図9の送風装置71から冷却された気体を供給するための可撓性の高い配管73の端子が連結されている。さらに、位置決め板50の上面50aには、図4に示すように、図2(B)の放電ランプ1のフランジ部26aの開口27A,27Bに対応する配置でピン70A,70Bが固定されている。これによって、位置決め板50上に放電ランプ1のフランジ部26aを常に同じ角度位置で載置することができる。
【0049】
図3において、位置決め板50、上板45、及びフレーム46A,46Bは互いに電気
的に導通し、かつ放熱効果を高めるように、電気伝導率及び熱伝導率の良好な金属より形成され、フレーム46Aにボルト55を介して電力ケーブル33Aが固定されている。位置決め板50に図2(A)の口金部26のフランジ部26aが接触するように放電ランプ1を保持することによって、電力ケーブル33A、フレーム46A、上板45、及び位置決め板50を介して口金部26に電力が供給される。同様に、円筒部材52も熱伝導率の良好な金属製である。
【0050】
さらに、上板45上に位置決め板50(円筒部材52が連結されている)を固定する際には、予め円筒部材52を囲むようにカップ状で中央に開口を持つ移動部材41が移動方向Dに沿って移動できる状態で配置される。移動部材41は、上板45側から底板36側に順に、円筒部材52に近接して配置された輪帯部41aと、移動方向Dに対して底板36側が外側にほぼ5°程度開いた円錐の側面状の内面(テーパ面)を持つ傾斜部41bと、傾斜部41bよりもさらに外側に40°程度開いた円錐の側面状の内面(テーパ面)を持つ収納部41cと、輪帯部41aよりも大きい輪帯状で3箇所にガイド部材37A〜37C(図5参照)を通すための開口が形成された駆動部41dとを連結して形成されている。輪帯部41aの上端には、図5に示すように、これをパネル板47A,47Bとほぼ平行に挟むように2箇所に、小さい平板状の昇降部材48A,48Bが固定されている。
【0051】
また、図5において、移動部材41の駆動部41dには等角度間隔に設けられた3箇所の開口を覆うようにボルト43によって連結部材42A,42B,42Cが固定され、連結部材42A〜42Cの貫通孔にそれぞれガイド部材37A〜37Cが挿通されている。
図4に示すように、上板45の上面に位置決め板50を囲むように配置された3箇所の開口を覆うように、ボルト39Cを用いてほぼ逆U字型の止め具38A,38B,38Cが固定され、止め具38A〜38Cの中央にそれぞれボルト39Bを用いて図5のガイド部材37A〜37Cの先端が固定されている。さらに、止め具38A〜38Cと連結部材42A〜42Cとの間に、それぞれガイド部材37A〜37Cを覆うように圧縮コイルばね44A,44B,44C(図5参照)が装着されている。この結果、移動部材41の駆動部41dには、3箇所の連結部材42A〜42Cを介して圧縮コイルばね44A〜44Cによって移動方向Dに沿って底板36側に押圧力F1が常時加えられている。従って、移動部材41の輪帯部41aに固定された昇降部材48A,48Bに、後述の切替用リンク機構63によって上板45側に向かう駆動力を加えない限り、移動部材41は円筒部材52に沿って底板36側に移動する。
【0052】
また、図3において、円筒部材52の側面の上板45と底板36とのほぼ中間位置に、ガイド部材37A〜37Cと同じ角度で3箇所の矩形の窓部52a,52b,52c(図5参照)が形成されている。さらに、円筒部材52の下端部に窓部52a〜52cと同じ角度で3箇所の凸部52d,52e,52fが形成され、凸部52d〜52fにそれぞれ軸56の周りに回転可能にほぼL字型の固定用アーム55A,55B,55C(図6参照)が固定されている。固定用アーム55A〜55Cにはそれぞれ代表的にコイルばね62Aで示すように、円筒部材52に対して外側に回転するような小さいトルクが常時付与されている。
【0053】
図7(A)は図3の固定用アーム55Aの平面断面図、図7(B)はその固定用アーム55Aの正面図であり、固定用アーム55Aを構成するフレーム57の一端は軸56を中心とする回転中心Aの周りに回転可能であり、フレーム57の他端には回転軸60を介してローラ61が固定され、フレーム57の中間の屈曲部には小型軸受け58を介してローラ59が固定されている。従って、ローラ59及び61はそれぞれ回転可能であり、固定用アーム55Aを軸56の反時計周りに回転することによって、ローラ61が固定対象面(本例では図2(A)の放電ランプ1の口金部26の被押圧面26g)に付勢される。
【0054】
図3の状態では、移動部材41が円筒部材52に沿って最も上板45に近い位置にあり、固定用アーム55A〜55Cの屈曲部のローラ59は移動部材41の収納部41cに付勢され、ローラ61は円筒部材52の窓部52a〜52cの外側に出ている。従って、図2(A)の放電ランプ1の口金部26の軸部26b及び固定部26hは、位置決め板50の開口50b及び円筒部材52の内面に沿って移動方向Dに自由に移動できる。
【0055】
図9は、図3の状態から移動部材41を円筒部材52に沿って最も底板36に近い位置まで降下させた状態の一例を示し、この図9において、固定用アーム55A(他の固定用アーム55B,55Cも同様)のローラ59は、移動部材41の傾斜部41bに接触して円筒部材52の内側に付勢されている。この結果、固定用アーム55Aには軸56の反時計周りにトルクが付与され、固定用アーム55Aの他端側のローラ61は円筒部材52の窓部52aを通して内側に差し込まれる。図9の状態では、円筒部材52内に放電ランプ1の口金部26の軸部26b及び固定部26hが嵌合しているため、固定用アーム55Aのローラ61は口金部26の凹部26f内に差し込まれ、さらに固定部26hの上面である被押圧面26gに接触する。この状態では、圧縮コイルばね44A,44B等の押圧力が移動部材41及び固定用アーム55Aを介して被押圧面26g(口金部26)に加えられるため、口金部26のフランジ部26aが取り付け装置31の位置決め板50の上面50aに押し付けられ、口金部26ひいては放電ランプ1は取り付け装置31によって安定に保持される。従って、固定用アーム55A〜55Cが、口金部26(固定部26h)に底板36側への押圧力を付与する部材の一部を構成している。
【0056】
ここで、固定用アーム55A〜55Cによる口金部26(固定部26h)への押圧力を解除するために、移動部材41の昇降部材48A,48Bを上板45側に引き上げる切替用リンク機構63の構成につき説明する。
図3において、パネル板47Cのほぼ中央に絶縁材料からなる回転レバー部64が固定され、パネル板47Cの内側の回転レバー部64の先端に移動方向Dに直交する駆動方向Eに移動可能に可動ロッド65が連結され、可動ロッド65の先端に平面視がほぼU字型の分岐部材66が固定されている。本例では、一例として回転レバー部64をオペレータが手動で回転することによって、それに連動して可動ロッド65が駆動方向Eに移動する。なお、可動ロッド65を移動する機構は任意であり、例えば回転レバー部64を用いることなく、延長した可動ロッド65をオペレータが直接操作してもよい。また、駆動方向Eは移動方向Dに直交していなくともよく、例えば移動方向Dにほぼ平行であってもよい。
【0057】
図5において、一例として回転レバー部64を支持するパネル板47A〜47Cはともに絶縁材料から形成されている。そして、分岐部材66の2箇所の先端部には軸66A,66Bを介して回転可能に細長いリンク部材67A,67Bの一端が連結され、リンク部材67A,67Bの他端にローラ69A,69Bが回転可能に連結され、移動部材41の上端の輪帯部41aに固定された昇降部材48A,48Bに底面側からローラ69A,69Bが接触可能である。さらに、パネル板47A,47Bの上部に軸68C,68Dを介して回転可能に細長いリンク部材68A,68Bの一端が固定され、リンク部材68A,68Bの他端は軸67C,67Dを介してリンク部材67A,67Bの中間位置(リンク部材の一端部と他端部との間の位置)に連結されている(図3参照)。このように、回転レバー部64、可動ロッド65、分岐部材66、リンク部材67A,67B、リンク部材68A,68B、及びローラ69A,69Bを含んで切替用リンク機構63が構成されている。
【0058】
なお、移動部材41と切替用リンク機構63のリンク機構との機械的な干渉を確実に防止するために、図5に示すように、移動部材41の収納部41c及び駆動部41dの点線で囲まれた2箇所の端部147A及び148Bを削除してもよい。
図10(A)及び(B)は、図3において、切替用リンク機構63の手前側のリンク部材67B,68B等を表示した図に相当し、かつ取り付け装置31に放電ランプ1の口金部26が保持されている状態を示し、図10(A)のように、回転レバー部64を操作して可動ロッド65を駆動方向Eに沿って右端部まで移動した状態では、リンク部材67B(図5のリンク部材67Aも同様)がほぼ可動ロッド65に平行になり、移動部材41は移動方向Dに沿って最下端まで降下する。この結果、図3の固定用アーム55Aのローラ61が口金部26の固定部26hを下方に付勢して、口金部26は安定に保持される。
【0059】
これに対して、図10(B)のように、回転レバー部64を操作して可動ロッド65に付勢力F3を与えて駆動方向Eに沿って左端部まで移動した状態では、リンク部材68Bの回転によってリンク部材67Bの先端部のローラ69B(図5のローラ69Aも同様)は上昇し、これによって昇降部材48B及び移動部材41が上昇する。この結果、図3に示すようにコイルばね62Aによって固定用アーム55Aが外側に収納部41cに接触するまで回転し、ローラ61が円筒部材52の窓部52aの外に出るため、口金部26の固定部26hを円筒部材52から引き抜いて、放電ランプ1を取り付け装置31から取り外すことができる。
【0060】
このように図5の切替用リンク機構63を用いることによって、取り付け装置31に対する放電ランプ1の口金部26の固定と解除とを、容易に切り替えることができる。なお、切替用リンク機構63の他に、図3の移動部材41を移動方向Dに沿って上昇させる任意の機構を用いることができる。例えば、図5のリンク部材68A,68Bの先端部に直接ローラ69A,69Bを固定し、オペレータがリンク部材68A,68Bを回転することによって移動部材41の昇降部材48A,48Bを上昇させるような機構も用いることができる。
【0061】
上述のように本例の取り付け装置31は、図3〜図6に示す絶縁板32、底板36、上板45、フレーム46A,46B、及びパネル板47A〜47Cからなるフレーム機構と、位置決め板50及び円筒部材52からなり放電ランプ1の口金部26を保持する部材と、口金部26の固定部26hに押圧力を付与するための固定用アーム55A〜55Cと、移動部材41、ガイド部材37A〜37C、連結部材42A〜42C、コイルばね62A等、及び圧縮コイルばね44A〜44C(弾性部材)を含み固定用アーム55A〜55Cに付勢力を与える機構と、この機構による固定用アーム55A〜55Cに対する付勢力を解除するための切替用リンク機構63と、図8の口金部28側の電力ケーブル33Bと、電力ケーブル33Bに冷却された気体を供給する気体供給装置(不図示)と、図3の配管73と、配管73に冷却された気体を供給する図9の送風装置71とを含んで構成されている。
【0062】
図9において、送風装置71は、取り入れ口72から取り込んだ気体(例えば空気)の除塵を行うフィルタ部71aと、フィルタ部71aから供給された気体を冷却する冷却部71bと、冷却部71bから供給された気体を配管73側に所定流量で供給する送風部71cとを備えている。なお、例えば円筒部材52の外面に温度センサを設け、この温度センサの計測結果に基づいて冷却部71bにおける設定温度を制御してもよい。
【0063】
次に、本例の図2(A)の放電ランプ1を図3の取り付け装置31に着脱する際の動作の一例につき図8〜図10を参照して説明する。
図8は、放電ランプ1を取り付け装置31に装着した状態を示す図、図9は図8中の放電ランプ1の口金部26及び取り付け装置31を示す拡大図、図10(A)及び(B)は図3に対応させて切替用リンク機構63の動作を示す図である。
【0064】
先ず、取り付け装置31に放電ランプ1を装着する際には、図10(B)に示すように
(この段階では取り付け装置31に口金部26は装着されていない。)、オペレータが切替用リンク機構63を操作して付勢力F3によってローラ69Bを押し上げ、昇降部材48Bを介して移動部材41を上板45側に上昇させて、固定用アーム55A(図6の他の固定用アーム55B,55Cも同様)の先端部(図3のローラ61)を円筒部材52の窓部52aから引く抜く。この状態で、オペレータが、位置決め板50の開口及び円筒部材52の内面に図2(A)の放電ランプ1の口金部26の固定部26h及び軸部26bを嵌合させる。この際に、口金部26には図2(A)に示すように面取り部26i及び26eが形成されているため、固定部26h及び軸部26bを円滑に位置決め板50の開口及び円筒部材52の内面に差し込むことができる。
【0065】
次に、図10(A)に示すように、オペレータが切替用リンク機構63を操作してローラ69Bを降下させると、圧縮コイルばね44A(及び図5の圧縮コイルばね44B,44C)の押圧力F1によって移動部材41は底板36側に付勢される。この際に、図3に示すように、固定用アーム55Aのローラ59が移動部材41の収納部41cから傾斜部41bに移動し、押圧力F1によって固定用アーム55Aには軸56を中心とした反時計周りのトルクが作用する。そして、図8に示すように、固定用アーム55Aのローラ61が円筒部材52の窓部52aを通して口金部26の凹部26f側に差し込まれ、さらにローラ61は口金部26の被押圧面26gを底板36側に付勢する。この状態で、円筒部材52の内面に沿った口金部26の移動方向Dと、放電ランプ1の長手方向とは一致している。そして、口金部26のフランジ部26aが位置決め板50の上面50aに密着し、口金部26の軸部26bが位置決め板50の開口50b及び円筒部材52の内面に嵌合した状態で、放電ランプ1は取り付け装置31によって安定に保持される。
【0066】
図8において、さらに他方の口金部28の端子部28aに可撓性の高い電力ケーブル33Bが連結される。電力ケーブル33Bから端子部28aには電力が供給されるとともに、電力ケーブル33B内の配管を介して口金部28の溝部28fとカバー部28bとの間の流路に冷却された気体が供給される。供給された気体は、軸部28cと輪帯部28hとの間に形成された凹部28gを介して排気され、口金部28は効率的に冷却される。
【0067】
また、取り付け装置31で保持される口金部26には、電力ケーブル33A、フレーム46A、上板45、及び位置決め板50を介して電力が供給され、ガラス管25内で発光が行われる。さらに、図8の要部を拡大した図9に示すように、送風装置71から配管73を介して位置決め板50の通気孔50cに冷却された気体が供給される。供給された気体は、矢印74A,74B,74Cで示すように、通気孔50c、口金部26の溝部26dと円筒部材52との間の流路、及び凹部26fを経て、円筒部材52の窓部52a(及び他の2箇所の窓部)の外に排気される。これによって、口金部26及びガラス管25が効率的に冷却される。
【0068】
次に、例えば放電ランプ1を交換するために、図8の取り付け装置31から放電ランプ1を取り外す場合には、図10(B)に示すように、オペレータが切替用リンク機構63を操作して、ローラ69B及び昇降部材48Bを介して移動部材41を上板45側に上昇させて、固定用アーム55Aの先端部(図3のローラ61)を円筒部材52の窓部52aの外に出す。この後、オペレータが、口金部26を位置決め板50及び円筒部材52から引き抜くことによって、取り付け装置31から容易に放電ランプ1を取り外すことができる。
【0069】
このように本例の放電ランプ1及び取り付け装置31を備えた露光光源30によれば、切替用リンク機構63によって、固定用アーム55A〜55Cによる放電ランプ1の口金部26の固定部26hに対する押圧を解除するのみで、取り付け装置31に対する放電ランプ1の取り外し及び装着を容易に短時間に行うことができる。また、切替用リンク機構
63によって、その固定用アーム55A〜55Cによる固定部26hに対する口金部26の移動方向D(放電ランプ1の長手方向Lと等しい)への押圧を開始するだけで、放電ランプ1は、圧縮コイルばね44A〜44Cの付勢力によって定まるほぼ一定の押圧力で位置決め板50に押圧されて固定される。従って、その圧縮コイルばね44A〜44Cのばね定数等を調整することによって容易に、放電ランプ1を取り付け装置31に固定する際の押圧力を目標とする範囲内に設定できる。
【0070】
また、図9の送風装置71から口金部26の溝部26dに冷却用の気体を供給すると、その気体が口金部26の表面に沿って固定部26h側に流れるため、簡単な機構で放電ランプ1の冷却を効率的に行うことができる。
また、本例の取り付け装置31は、図9に示すように、移動方向Dに対して傾斜した内面(テーパ面)を持つ傾斜部41bを有し、圧縮コイルばね44A〜44Cの弾性力が作用して移動方向Dに沿って移動する移動部材41と、傾斜部41bの内面と当接して移動部材41の移動方向Dの移動を口金部26の凹部26fへの挿入方向の移動に変換し、先端のローラ61が凹部26fに挿入される固定用アーム55A〜55Cとを有し、固定用アーム55Aによって被押圧面26gを付勢しているため、容易に口金部26に移動方向Dの押圧力を与えることができる。
【0071】
なお、移動部材41に押圧力F1を与える部材としては、圧縮コイルばね44A〜44Cの他に、引っ張りコイルばね、又は板ばね等も使用できる。また、固定用アーム55A〜55Cは、口金部26の周囲に等角度間隔で複数個(ここでは3個)配置されているため、口金部26を均一な力で取り付け装置31に保持できる。なお、例えば1つの固定用アーム55Aのみで口金部26を固定することも可能である。
【0072】
また、図8において、本例の口金部28側の電力ケーブル33Bには、電力供給用のケーブルと冷却された気体を供給する配管とが並列に収納されている。しかしながら、その電力ケーブル33Bとして、電力と冷却用気体とを導く導電体で形成された柔軟性のある管状ケーブルを用いてもよい。これによって、電力ケーブル33Bの構成を簡略化できる。
【0073】
次に、上記の図8及び図9に示す放電ランプ1及び取り付け装置31を備えた露光光源を、図1の投影露光装置の露光光源30として使用する場合の製造方法又は使用方法(稼働方法)の一例につき説明する。
その製造方法の一例は、図1の放電ランプ1の2つの電極間の放電により発生した光によってウエハWにレチクルRのパターンの像を露光する投影露光装置の製造方法であって、放電ランプ1を保持するための図8に示す取り付け装置31に、放電ランプ1の一方の口金部26を介して放電ランプ1を装着するステップS1と、放電ランプ1の他方の口金部28の端子部28aに電力ケーブル33B(用力ケーブル)を接続するステップS2と、そのように装着された放電ランプ1の口金部26を取り付け装置31に装着された状態で冷却するステップS3とを備えている。これによって、放電ランプ1を効率的に冷却できる。
【0074】
この場合、そのステップS1は、さらに取り付け装置31の位置決め板50の開口50b及び円筒部材52の内面に口金部26の一部(軸部26b及び固定部26h)を挿入するステップS11と、取り付け装置31に挿入された口金部26に対して放電ランプ1を保持するための押圧力(保持力)を付勢するステップS12と、取り付け装置31の円筒部材52と口金部26の溝部26dとの間に冷却用気体の流路を形成するステップS13とを含むことができる。
【0075】
さらに、そのステップS3は、そのステップS13で形成された流路に図9の送風装置
71から冷却用気体を供給するステップ31を含むことができる。このようにほぼ密閉された流路に冷却用気体を流すことによって、口金部26をより効率的に冷却できる。
また、さらに電力ケーブル33Bが接続された口金部28を、電力ケーブル33Bを介して供給された冷却用液体により冷却するステップS4を含むこともできる。これによって、口金部28も冷却され、ひいては放電ランプ1のガラス管25も効率的に冷却できる。
【0076】
次に、本発明の放電ランプの実施形態の他の種々の例につき図11〜図18を参照して説明する。以下で説明する種々の放電ランプもそれぞれ図3及び図4の取り付け装置31に容易に着脱できるとともに、必要に応じて固定する力を容易に目標とする範囲内に設定できる。そして、それらの放電ランプを取り付け装置31に装着して構成される光源は、図1の露光装置の露光光源30として使用できる。また、図11(A)〜(D)、図12(A)〜(D)、図13(A)〜(C)、図14(A)、(B)、及び図15(A)、(B)に示す放電ランプ1A〜1Oは、いずれも、その一方の口金部の軸部の表面の溝部(又はその表面自体)と、対応する図3の取り付け装置31の円筒部材52との間に形成される流路に冷却用媒体(気体又は液体)を流すものであり、図15(C)、(D)に示す放電ランプ1P,1Qは、その一方の口金部の軸部の内部を通過するように、フランジ部近傍と固定部(被付勢部)との間に備えられた流体路に冷却用媒体を流すものであり、図18(A)、(B)に示す放電ランプ1AA、1ABは、その一方の口金部に、嵌合部として機能する部分と、冷却用媒体が接触する部分とを分けたものである。以下、図11〜図18において、図2(A)及び図2(B)に対応する部分には同一又は類似の符号を付してその詳細な説明を省略又は簡略化する。
【0077】
先ず、図11(A)の放電ランプ1Aは、内部で発光部が形成されるバルブ部25aを含むガラス管25Aを長手方向に挟むように、その発光部を形成するための陰極及び陽極(不図示)がそれぞれ接続された口金部26A及び28を固定して構成され、一方の口金部26Aが図3(A)の取り付け装置31によって固定される。なお、そのガラス管25Aの棒状部25Ab,25Acの段差形状は、図2(A)の放電ランプ1のガラス管25の棒状部25b,25cと僅かに異なっているが、発光する照明光の波長及び出力はほぼ同じである。
【0078】
また、図11(A)の放電ランプ1Aの口金部26Aは、その軸部26b(嵌合部)に形成された溝部26Adが、図2(A)の口金部26の溝部26dとは逆周りの螺旋状に(例えばねじ用の溝状に)形成されている点と、その軸部26bの先端に凹部26fとほぼ同じ断面形状の円柱状の先端部26jが形成されている点とが、図2(A)の口金部26と異なっている。溝部26Adのフランジ部26a(当接部)側の始点と開口27Bとの位置関係は、口金部26Aを図3の取り付け装置31に装着したときに、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体(冷却用媒体)が、溝部26Adの始点に流入するように設定されている。これによって、口金部26Aひいては放電ランプ1Aが効率的に冷却される。
【0079】
次に、図11(B)の放電ランプ1Bは、ガラス管25Aを口金部26B及び28で挟んで構成され、口金部26Bの軸部26bのフランジ部26aの近傍にリング状の切り欠き部26c(溝部)が形成され、この切り欠き部26cに溝部26Adが連通している点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。この結果、放電ランプ1Bの口金部26Bを図3の取り付け装置31に装着した場合、溝部26Adの始点と開口27Bとの位置関係に関係なく、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、切り欠き部26cを介して溝部26Adに流入する。これによって、溝部26Adの加工が容易になる。
【0080】
次に、図11(C)の放電ランプ1Cは、その口金部26Cの軸部26bのフランジ部26aの近傍にリング状の切り欠き部26Ccが形成され、この切り欠き部26Ccと凹部26f(段部)とを連通するように、軸部26bの表面に、ガラス管25Aの長手方向Lに平行に複数の溝部26Cdが形成されている点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。この結果、放電ランプ1Cの口金部26Cを図3の取り付け装置31に装着した場合、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体(冷却用媒体)が、切り欠き部26Cc及び溝部26Cdを介して凹部26f側に流れる。これによって、放電ランプ1Cが効率的に冷却される。
【0081】
次に、図11(D)の放電ランプ1Dは、その口金部26Dのフランジ部26Daに溝部D1が設けられ、軸部26bの表面に長手方向Lに沿って、長手方向Lに平行な軸を中心とする複数のリング状の切り欠き部26Dkが形成され、これらの切り欠き部26Dkの間の軸部26bに交互に例えば180°異なる間隔で溝部D2が形成されている点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。この結果、放電ランプ1Dの口金部26Dを図3の取り付け装置31に装着した場合、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、溝部D1、切り欠き部26Dk、及び溝部D2を介して軸部26bの表面を流れるとともに、溝部D1からガラス管25A側に排気される。これによって、口金部26D及びガラス管25A、ひいては放電ランプ1Dが効率的に冷却される。
【0082】
次に、図12(A)の放電ランプ1Eは、その口金部26Eの軸部26bの表面に長手方向Lに沿って、長手方向Lに平行な軸を中心とする複数のリング状の切り欠き部26Ek(横溝)が形成され、これらの切り欠き部26Ekの間の軸部26bが複数の放熱用のフィンとして作用する点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。この結果、放電ランプ1Eの口金部26Eを図3の取り付け装置31に装着した場合、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、切り欠き部26Ekを介して軸部26bの表面を流れて、放電ランプ1Eが効率的に冷却される。
【0083】
次に、図12(B)の放電ランプ1Fは、その口金部26Fの軸部26bの表面に長手方向Lに沿って、長手方向Lに平行な軸を中心とする複数のリング状の切り欠き部26Fkが形成され、これらの切り欠き部26Fkの間の軸部26bの90°間隔の4箇所にそれぞれ溝部G1,G2,G3(4番目の溝部は不図示)が形成されている点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。放電ランプ1Fの口金部26Fを図3の取り付け装置31に装着した場合、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、切り欠き部26Fk及び溝部F1等を介して軸部26bの表面を凹部26f側に流れるため、放電ランプ1Fは効率的に冷却される。
【0084】
次に、図12(C)の放電ランプ1Gは、その口金部26Gの軸部26bのフランジ部26aの近傍に切り欠き部26cが形成され、この切り欠き部26cに連通するように、軸部26bの表面に回転方向が異なる2つの螺旋状の溝部26d及び26Gdが交差して形成されている点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。
一方、図12(D)の放電ランプ1Hは、その口金部26Hの軸部26bのフランジ部26aの近傍に切り欠き部26cが形成され、この切り欠き部26cに連通するように、軸部26bの表面に多条ねじ(本例では2条ねじ)状に螺旋状の複数の平行な溝部26Hdが形成されている点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。これらの放電ランプ1G(又は1H)は、2つの溝部26d,26Gd(又は複数の溝部26Hd)に沿って冷却された気体が流れるため、特に冷却効果に優れている。
【0085】
次に、図13(A)の放電ランプ1Iは、その口金部26Iの軸部26bの先端部の図
3の固定用アーム55A等によって付勢される部分のうち、被押圧面26Igがガラス管25Aの長手方向に垂直な平面に対して緩やかに傾斜している点と、被押圧面26Igとともに固定部26hを挟む面取り部26Iiが、被押圧面26Igとほぼ対称に緩やかに傾斜している点とが、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。その放電ランプ1Iの口金部26Iを図3の取り付け装置31に装着したときに、被押圧面26Igに対する固定用アーム55A等からの付勢力を高めることができる場合がある。この場合には、放電ランプ1Iをより安定に保持できる。
【0086】
一方、図13(B)の放電ランプ1Jは、その口金部26Jの被押圧面26Jgが、図13(A)の被押圧面26Igとは逆方向に傾斜して、固定部26hがお椀型である点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。図3の固定用アーム55A等の支持方法等によっては、その放電ランプ1Jの口金部26Jを図3の取り付け装置31に装着したときに、被押圧面26Jgに対する固定用アーム55A等からの付勢力を高めることができる場合がある。この場合にも、放電ランプ1Jをより安定に保持できる。
【0087】
また、図13(C)の放電ランプ1Kは、その口金部26Kの固定部26Khの形状が小さい点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。これによって、図3の取り付け装置31の構成を小型化できる場合がある。
次に、図14(A)の放電ランプ1Lは、その口金部26Lの軸部26bのフランジ部26aの近傍に切り欠き部26cが形成され、この切り欠き部26cに連通するように、軸部26bの表面に回転方向が異なる2つの多条ねじ(例えば2条ねじ等)の螺旋状の複数の溝部26Ld及び26Hdが交差して形成されている点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。
【0088】
一方、図14(B)の放電ランプ1Mは、その口金部26Mの軸部26bのフランジ部26aの近傍に切り欠き部26cが形成され、この切り欠き部26cに連通するように、軸部26bの表面に多条ねじ(例えば2条ねじ)状の螺旋状の複数の平行な溝部26Ldと、多条ねじ(例えば3条ねじ)状で長いピッチの螺旋状の複数の平行な溝部26Mdとが交差するように形成されている点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。これらの放電ランプ1L及び1Mによれば、冷却用媒体が流れる溝部が増加しているため、特に冷却効果に優れている。
【0089】
次に、図15(A)の放電ランプ1Nは、その口金部26Nの軸部26bの先端部の図3の固定用アーム55A等によって付勢される部分において、3箇所の固定部26h1,26h2,26h3が設けられている点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。その放電ランプ1Nの口金部26Nを図3の取り付け装置31に装着したときに、図6の3箇所の固定用アーム55A〜55Cがそれぞれ固定部26h1〜26h3を長手方向に付勢するため、放電ランプ1Nが取り付け装置31に安定に保持される。この場合には、図11(B)の放電ランプ1B等に比べて、口金部26Nを軽量化できる。
【0090】
一方、図15(B)の放電ランプ1Oは、その口金部26Oの軸部26bの表面が矩形状の多数の凸部26nを除いて凹部26mとされている点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。図15(B)のAA線に沿う断面図である図16(A)に示すように、口金部26Oの軸部26bの凸部26nの間は溝部となっている。その結果、放電ランプ1Oの口金部26Oを図3の取り付け装置31に装着した場合、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、その軸部26bの凸部26nの間の溝部を流れて、放電ランプ1Oが効率的に冷却される。この場合、凸部26nの数を少なくすることにより流通抵抗を小さくでき、供給される気体の流量を多くしたい状況により適している。
【0091】
次に、図15(C)の放電ランプ1Pは、その口金部26Pの軸部26bのフランジ部26aの近傍(本例ではフランジ部26aに接する位置)にリング状の切り欠き部26Pc(溝部)が形成され、この切り欠き部26Pcに連通するように、軸部26bの内部を通過するように、かつフランジ部26a(切り欠き部26Pc)から凹部26fに至るように長手方向Lに平行に複数の貫通穴よりなる流体路26Pdが備えられている(本例では、形成されている)点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。各流体路26Pdはそれぞれ切り欠き部26Pcに連通する開口P1と、凹部26f(面取り部26e)に連通する開口P2とを有している。図15(C)のBB線に沿う断面図である図16(B)に示すように、口金部26Pの軸部26bにおいて、複数の流体路26Pdはほぼ同一円周上に配置されている。その結果、放電ランプ1Pの口金部26Pを図3の取り付け装置31に装着すると、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、切り欠き部26Pc及び複数の流体路26Pdを介して軸部26bの内部を凹部26f側に流れるため、放電ランプ1Pは効率的に冷却される。
【0092】
一方、図15(D)の放電ランプ1Qは、その口金部26Qの軸部26bのフランジ部26aの近傍の内部にリング状の切り欠き部26Rc(図17参照)が形成され、この切り欠き部26Rcに連通して軸部26bの内部を通過するように、かつフランジ部26a近傍から凹部26fに至るように、螺旋状に流体路26Qdが備えられている(本例では、形成されている)点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。流体路26Qdの一端は、(切り欠き部26Rcを介して)フランジ部26aの近傍の軸部26bの表面に設けられた開口Q1に連通し、流体路26Qdの他端は凹部26f(面取り部26e)に設けられた開口Q2に連通している。図15(D)のCC線に沿う断面図である図16(C)に示すように、流体路26Qdは、口金部26Qの軸部26bの内部を周回している。その結果、放電ランプ1Qの口金部26Qを図3の取り付け装置31に装着すると、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、開口Q1、軸部26bの内部の流体路26Qd、及び開口Q2を介して凹部26f側に流れるため、放電ランプ1Qは効率的に冷却される。
【0093】
なお、図15(D)の放電ランプ1Qの口金部26Qを製造する場合には、一例として、図17に示すように、外側面に切り欠き部26Rc及び螺旋状の流体路26Qdが形成された軸部26Rbと、この軸部よりも僅かに断面形状が小さい固定部26Rhとを備えた棒状の主口金部26Rの外面に対して、円筒状で上端近傍に開口Q1が形成された副口金部26Sを嵌合させた後、例えば一例として口金部26R及び26Sを溶着させればよい。なお、固定方法として、ネジ止めや接着するようにしても良い。
なお、流体路26Qdは、口金部26Qの外側面ではなく、副口金部26Sの内側面に形成してもよい。
【0094】
次に、図18(A)の口金部26AAを持つ放電ランプ1AAは、図11(A)の放電ランプ1Aの軸部26bに対して、長手方向と直交する方向の断面形状が互いに異なる2つの部分を備えている点が異なっている。すなわち、図18(A)に示すように、放電ランプ1AAの口金部26AAには、図11(A)の軸部26bに比べて、長手方向の長さが短い嵌合部としての軸部分26b1と、その下部の小径部26kまでの間に軸部26b1よりも直径(長手方向と直交する方向における外形形状)の小さい円柱状のロッド部26b2とが形成されている。
【0095】
長手方向におけるロッド部26b2の長さは、軸部分26b1の長さに比べて長く、さらには、ロッド部26b2の表面積は、軸部分26bの表面積に比べて広い。
これに伴い、口金部26AAを図3の取り付け装置31に装着したときに、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体(冷却用
媒体)が、冷却部として作用するロッド部26b2の表面に流れるように、通気孔50cは、ロッド部26b2のうち、軸部分26b1の近傍に対向するように配置される。そして、通気孔50cから供給された気体は、ロッド部26b2の軸部分26b1側から小径部26kに向かって流れる。本実施形態の放電ランプ1AAを取り付け装置31に装着する場合には、予め通気孔50cの位置がロッド部26b2に対向するように調整しておけばよい。なお、本実施形態では、通気孔50cから供給される気体は、直接、軸部分26b1に接触することがないが、ロッド部26b2を介して、軸部分26b1を冷却することが可能である。この他の構成は、図11(A)の放電ランプ1Aと同様である。
【0096】
この結果、放電ランプ1AAの口金部26AAを図3の取り付け装置31に装着したときに、短い軸部分26b1によって放電ランプ1AAの位置決めが行われるとともに、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体(冷却用媒体)が、口金部26AAのロッド部26b2の表面に送風される。これによって、口金部26AAひいては放電ランプ1AAが効率的に冷却される。
なお、図18(B)の放電ランプ1ABの口金部26ABで示すように、軸部26bの下方のロッド部26b2の表面に螺旋状の溝部26Adを形成してもよい。これによって、ロッド部26b2の気体との接触面積が大きくなるため、口金部26ABに対する冷却効果が大きくなる。
【0097】
図18(A)の口金部26AAにおいて、ロッド部26b2の直径と小径部26fの直径を同じに形成してもよい。
また、ロッド部26b2の表面には、図11(A)〜(D)、図12(A)〜(D)、図14(A)、(B)、図15(A)、(B)の軸部26bに形成された立体構造を適用できることは言うまでもない。
図18(A)、(B)の放電ランプ1AA、1ABでは、取り付け装置31の円筒部材52に嵌合する部分(軸部分26b1)に、溝が形成されていなくともロッド部26b2の表面に送風される気体によって、効率的に冷却することができる。
【0098】
次に、図2、図11〜図16、及び図18の放電ランプ1及び放電ランプ1A〜1Qは、発光部を形成するガラス管25(又は25A)と、このガラス管に連結された口金部26(又は26A〜26Q)とを備えた放電ランプであって、その口金部は、長手方向L(第1の方向)に平行な第1の軸に沿ってそのガラス管から離れる方向に、順に、その第1の軸を中心とする第1の半径(R1とする)以上の半径を有する円盤形状を包含する形状を有するフランジ部26a(又は26Da)と、その第1の軸を中心とするその半径R1より小さな第2の半径(R2とする)を有する円柱形状に外接する形状を有する軸部26bとを有するとも言うことができる。さらに、それらの放電ランプは、その第1の軸を中心としてその半径R2より小さな第3の半径(R3とする)を有する円柱形状を包含する形状を有する小径部26kと、その第1の軸を中心として、その半径R1より小さくかつその半径R3より大きな第4の半径(R4とする)を有する円盤形状を包含する形状を有する付勢対象となる部分(被押圧面26g(26Ig等)及び固定部26h(26h1〜26h3等)を含む部分)と、を有するとともに、その軸部26bの外周またはその近傍に、その軸部26bと空気(雰囲気気体)との接触面積を増大せしめるための立体的な構造としての溝部26d等(又は流体路26Pd,26Qd等)を有するとも言うことができる。
【0099】
この場合、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cを介してその立体的な構造の周囲又は内部に冷却された気体(又は液体)を供給することで、その軸部26b、ひいては放電ランプを効率的に冷却できる。
この場合、フランジ部26a等、及び付勢対象となる部分が、円盤形状を包含する形状を有するとは、それらの外面の少なくとも一部が円盤形状に内接するとともに、それらの
内部に貫通孔(ねじ穴を含む)又は開いた穴等が形成されていてもよいことを意味する。また、その軸部26bがその円柱形状に外接するとは、軸部26bの形状が、その円柱形状に対しその半径方向に、はみ出さない形状であって、かつ軸部26bの外形端(外側面)が、複数箇所で、その円柱形状の側面に接することを言う。また、その立体的な構造が、その軸部26bと空気との接触面積を増大せしめるとは、その軸部26bの空気との接触面積を、その半径R2を有する円柱形状の側面よりも大きくすることを言う。この場合、その立体的な構造がその軸部26b内に設けられる流体路26Pd,26Qdであるときには、その立体的な構造が、その軸部26bと空気との接触面積を増大せしめるとは、その軸部26bの側面の面積と、その流体路26Pd,26Qdの内面の面積との和が、その半径R2を有する円柱形状の側面の面積よりも、大きくなることを言う。
【0100】
また、その立体的な構造が、図2(A)の螺旋状の溝部26d、図11(C)の縦方向の溝部26Cd、図15(B)の多数の凸部26nのような、軸部26bの外周に設けられた凹凸形状である場合には、その加工が容易である。
また、立体的な構造が、図15(C)、(D)の流体路26Pd,26Qdのような軸部26bの内部に設けられた流体路である場合には、放電ランプ1P,1Qの口金部26P,26Qの軸部26bと図3の取り付け装置31の円筒部材52との接触面積を増大させて、口金部26P,26Qをより安定に保持できるとともに、放電ランプ1P,1Qの冷却も効率的に行うことができる。
【0101】
また、図15(C)、(D)に示すように、軸部26bのフランジ部26aの近傍の外側面及び軸部26bの小径部26k側の端部の近傍に、それぞれ流体路26Pd,26Qdに連通する開口P1,Q1及び開口P2及びQ2が形成された場合には、フランジ部26aから凹部26fに至る軸部26bのほぼ全体を効率的に冷却できる。
なお、上述した立体的な構造は、取り付け装置31に放電ランプが装着された際に、冷却用の媒体(例えば、気体)が接触する冷却部と言うことができる。この冷却部は、立体的な構造に限らず、図18(A)のロッド部26b2のように、嵌合部としての軸部分26b1の直径よりも小さい直径で形成され、かつなだらかな表面を有するものも含まれる。
【0102】
さらに、図2、図11〜図16、及び図18の放電ランプ1及び放電ランプ1A〜1Qは、長手方向に伸びるように形成されたガラス管25(又は25A)と、このガラス管の長手方向側の端部に、一端部が連結された口金部26(又は26A〜26Q)とを備えた放電ランプである。さらに、口金部に設けられたフランジ部26aは、長手方向と直交する方向に突出して形成されていると言うことができる。また、嵌合部26bは、フランジ部26aと口金部26の開放端(ガラス管に連結された端部を一端部と定義したので、ここでは、他端部と言うこともできる)との間に設けられ、長手方向と直交する方向に関する外形形状がフランジ部26aの外形形状よりも小さい形状を有すると言うことができる。なお、本実施形態では、長手方向と直交する方向に関して、フランジ部の外形形状は円形であり、また、嵌合部26bの外形形状も円形である。
【0103】
また、小径部26kは、フランジ部26aと口金部26の開放端との間に設けられ、長手方向と直交する方向に関する外形形状が嵌合部26bよりも小さい形状を有すると言うことができる。また、固定部26hは、フランジ部26aと口金部26の開放端との間に設けられ、長手方向と直交する方向に関する外形形状がフランジ部26aの外形形状より小さく、かつ小径部26kよりも大きい形状を有すると言うことができる。 また、上記の実施の形態の投影露光装置は、露光光源、複数のレンズ等から構成される照明光学系、及び投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をして、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。なお、その投
影露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0104】
本実施形態によれば、取り付け装置(保持装置)31の切替用リンク機構(切替機構)63によって、その固定用アーム(付勢部材)によるその放電ランプの固定部(被付勢部)26hに対する押圧を解除するのみで、その取り付け装置31に対するその放電ランプの取り外し及び装着を容易に短時間に行うことができる。また、その切替用リンク機構63によって、その固定用アームによるその固定部26hに対するその第1方向への押圧を開始するだけで、容易にその放電ランプは、目標とする範囲内のほぼ一定の押圧力でその取り付け装置31に固定される。また、その気体供給装置から媒体を供給すると、その媒体がその口金部材の表面に沿ってその固定部26h側に流れるため、簡単な機構で放電ランプの冷却を効率的に行うことができる。
【0105】
なお、上記の実施形態の露光装置を用いて半導体デバイス等のマイクロデバイスを製造する場合、マイクロデバイスは、図19に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の投影露光装置(露光装置)によりマスク(レチクル)のパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、並びに検査ステップ206等を経て製造される。
【0106】
なお、本発明の光源装置は、上述のステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー等)の他に、ステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の投影露光装置(スキャニング・ステッパー等)の露光光源にも適用できる。また、本発明の光源装置は、国際公開第99/49504号パンフレット、国際公開第2004/019128号パンフレット等に開示される液浸型露光装置の露光光源にも適用することができる。また、本発明の光源装置は、投影光学系を使用しないプロキシミティ方式若しくはコンタクト方式の露光装置の光源装置、又は露光装置以外の機器の光源にも適用することができる。
【0107】
なお、上述の実施形態においては、転写用のパターンが形成されたレチクル(マスク)を用いたが、このレチクルに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターンまたは反射パターンを形成する電子マスクを用いてもよい。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子やプラズマディスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックスウエハ上に転写する露光装置、並びに撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems)、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置及びEUV露光装置などで使用されるマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
【0108】
また、例えば、図13(A)、(B)、(C)の固定部26hの被押圧面の形状をその他の各放電ランプに適用することが可能である。
このように本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。また、明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約を含む2006年9月1日付け提出の日本国特願2006−237252、2007年1月15日付け提出の日本国特願2007−006462、及び2007年5月11日付け提出の日本国特願2007−127451の全ての開示内容は、そっくりそのまま引用して本願に組み込まれている。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明によれば、保持装置(取り付け機構)に対する放電ランプの装着等を容易に短時間に行うことができる。また、簡単な機構で放電ランプの冷却を効率的に行うことができるため、露光装置の露光光源等に好適である。
【符号の説明】
【0110】
1,1A〜1Q…放電ランプ、2…楕円鏡、25,25A…ガラス管、25a…バルブ部、25b…棒状部、26,26A〜26Q…口金部、26a…フランジ部、26b…軸部、26d…溝部、26Pd…流路、26f…凹部、26h…固定部、28…口金部、28f…溝部、29…固定板、30…露光光源、31…取り付け装置、32…絶縁板、33A,33B…電力ケーブル、34…電源、36…底板、37A〜37C…ガイド部材、41…移動部材、42A〜42C…連結部材、44A〜44C…圧縮コイルばね、45…上板、46A,46B…フレーム、47A,47B,47C…パネル板、48A,48B…昇降部材、50…位置決め板、52…円筒部材、55A〜55C…固定用アーム、63…切替用リンク機構、64…回転レバー部、65…可動ロッド、67A,67B…リンク、69A,69B…ローラ、70A,70B…ピン、71…送風装置、73…配管
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電ランプ、この放電ランプを備えた光源装置、この光源装置を備えた露光装置、及びこの露光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種デバイス(マイクロデバイス、電子デバイス等)を製造するためのリソグラフィ工程においては、レチクル(又はフォトマスク等)に形成されたパターンをレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写するために、ステッパー等の一括露光型(静止露光型)の投影露光装置、及びスキャニング・ステッパー等の走査露光型の投影露光装置などの露光装置が使用されている。これらの露光装置においては、従来より水銀ランプ等の放電ランプと集光鏡とを組み合わせて構成される露光用の光源装置が使用されており、その放電ランプは所定の取り付け機構を介して保持されていた。
【0003】
従来の放電ランプの取り付け機構の一例は、放電ランプの口金にフランジ部及びリング状の溝部を設けておき、その溝部に板ばねの開口部を係合させ、その板ばねでそのフランジ部をブラケットに押し付けて固定する機構である(例えば、特許文献1参照)。この機構では、放電ランプの装着時又は交換時には、その板ばねのクランプ機構を緩め、その板ばねの開口部をその口金が通過できるように、その板ばねをスライドさせる必要がある。また、従来の放電ランプの取り付け機構の他の例は、放電ランプの口金に位置決めピン等を設けておき、その口金を平板状の取り付け板に設けられた円形の開口部に所定の回転角で差し込み、その開口部に設けたすり割り部をボルトで締め付けることによって、その口金を固定する機構である(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、放電ランプを有する従来の光源装置の中には、発熱の影響を軽減するために冷却機構を備えたタイプもある。従来の冷却機構の一例は、放電ランプの一方の口金の外面からバルブ部の外面を経て他方の口金の外面に向けて冷却された空気を供給する機構である(例えば、特許文献3参照)。従来の冷却機構の別の例として、放電ランプの口金にリング状の溝部を設け、その溝部及び所定の送風管を介してバルブ部に冷却された空気を供給する機構も知られている(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】特開平10−55713号公報
【特許文献2】特開2003−45219号公報
【特許文献3】特開平9−213129号公報
【特許文献4】特開平11−283898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の光源装置における放電ランプの取り付け機構は、放電ランプの装着時又は交換時に、板ばねのクランプ機構を緩めてその板ばねをスライドさせるか、又は取り付け板のすり割り部のクランプを緩める必要があるため、放電ランプの装着等に時間を要するという問題があった。また、従来の取り付け機構は、板ばねに設けた開口部の輪郭の一部を口金の溝部に掛けるか、又は取り付け板のすり割り部を締めるかして、放電ランプの口金を固定しているため、その口金を固定する力を目標とする範囲内に設定するのが困難であるという問題があった。
【0006】
また、従来の光源装置における放電ランプの冷却機構は、主に放電ランプのバルブ部に冷風を吹き付けていたため、口金に対する冷却作用が小さいという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑み、取り付け機構に対する放電ランプの装着等を容易に、
かつ短時間に行うことができるようにすることを第1の目的とする。
【0007】
また、本発明は、簡単な機構で放電ランプの冷却を効率的に行うことができるようにすることを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の放電ランプは、発光部を有するガラス部材と、そのガラス部材に一端部が連結され、第1方向に延びるように形成された口金部材とを備えた放電ランプであって、その口金部材は、その一端部側に形成されたフランジ部と、そのフランジ部とその口金部材の他端部との間に形成され、その第1方向と直交する方向の外形形状が、そのフランジ部の外形形状より小さい第1軸部と、その第1軸部とその口金部材の他端部との間に設けられ、その第1方向と直交する方向の外形形状が、そのフランジ部及びその第1軸部の外形形状より小さい第2軸部とを有するものである。
また、本明細書には以下の発明の態様も記載されている。
本発明の別の態様の放電ランプは、発光部を備え、第1方向に伸びるように形成されたガラス部材と、そのガラス部材のその第1方向の一端部に連結される第1口金部材と、そのガラス部材のその第1方向の他端部に連結される第2口金部材とを備えた放電ランプであって、その第1口金部材の外周面の少なくとも一部に設けられ、冷却用媒体が流通する第1流路と、その第2口金部材を覆うカバー部材と、その第2口金部材と前記カバー部材との間に形成され、冷却用媒体が流通する第2流路とを有するものである。
また、本発明の第1の態様による光源装置は、発光部を形成するガラス部材(25)と該ガラス部材に連結された口金部材(26)とを有する放電ランプ(1)と、その口金部材を介してその放電ランプを保持する保持部材(50,52)を有する保持装置(31)とを備えた光源装置であって、その放電ランプが備えるその口金部材は、その保持部材と当接してその保持部材に対するその発光部の第1方向における位置を規定する当接部(26a)と、その当接部をその第1方向に沿ってその保持部材に押圧する押圧力が付勢される被付勢部(26e〜26h)と、その当接部とその被付勢部との間に備えられ、その保持部材と嵌合する嵌合部(26b)と、その嵌合部に備えられ、その当接部近傍からその被付勢部に至る冷却用媒体の流路をその保持部材との間で構成する溝部(26d)とを有し、その保持装置は、その保持部材と、その被付勢部にその押圧力を付勢する付勢部材(55A)と、その付勢部材によるその当接部のその保時部材への押圧と、該押圧の解除とを切り替える切替機構(63)と、その口金部材を冷却するための媒体をその溝部を介してその流路に供給する媒体供給装置(71)とを有するものである。
【0009】
また、本発明の第2の態様による光源装置は、発光部を形成するガラス部材(25)と該ガラス部材に連結された口金部材(26)とを有する放電ランプ(1)と、その口金部材を介してその放電ランプを保持する保持部材(50,52)を有する保持装置(31)とを備えた光源装置であって、その放電ランプが備えるその口金部材は、その保持部材と当接してその保持部材に対するその発光部の第1方向における位置を規定する当接部(26a)と、その当接部をその第1方向に沿ってその保持部材に押圧する押圧力が付勢される被付勢部(26e〜26h)と、その当接部とその被付勢部との間に備えられ、その保持部材に対し、その発光部の第1方向と直交する方向における位置を規定する規定部(26b1)と、その当接部と被付勢部との間に備えられ、当接部近傍から被付勢部に至る冷却用媒体の流路をその保持部材との間で構成する冷却部(26b2)とを有し、その保持装置は、その保持部材と、その被付勢部にその押圧力を付勢する付勢部材(55A)と、その付勢部材によるその当接部のその保時部材への押圧と、該押圧の解除とを切り替える切替機構(63)と、その口金部材を冷却するための媒体をその流路に供給する媒体供給装置(71)とを有するものである。
【0010】
次に、本発明の第1の態様による放電ランプは、発光部を形成するガラス部材(25)と、該ガラス部材に連結された口金部材(26)とを備えた放電ランプ(1)であって、その放電ランプは、該放電ランプとは別個に設けられた保持部材(50,52)にその口金部材を介して着脱可能に保持され、その口金部材は、その保持部材と当接してその保持部材に対するその発光部の第1方向における位置を規定する当接部(26a)と、その当接部をその第1方向に沿ってその保持部材に押圧する押圧力が付勢される被付勢部(26e〜26h)と、その当接部とその被付勢部との間に備えられ、その保持部材と嵌合する嵌合部(26b)と、その嵌合部に備えられ、その当接部近傍からその被付勢部に至る冷却用媒体の流路をその保持部材との間で構成する溝部(26d)とを有するものである。
【0011】
また、本発明の第2の態様による放電ランプは、発光部を形成するガラス部材(25)と、該ガラス部材に連結された第1口金部材(26)と、その第1口金部材とは別の位置でそのガラス部材に連結された第2口金部材(28)とを備えた放電ランプであって、その放電ランプは、該放電ランプとは別個に設けられた保持部材(50,52)にその第1口金部材を介して着脱可能に保持され、その第1口金部材は、その保持部材と当接してその保持部材に対するその発光部の第1方向における位置を規定する当接部(26a)と、その当接部に対してそのガラス部材とはその第1方向に沿った反対側に備えられ、その保持部材と嵌合する嵌合部(26b)と、その嵌合部に備えられて、冷却用媒体の流路をその保持部材との間で構成する溝部(26d)とを備え、その第2口金部材は、その第2口金部材を冷却する冷却用媒体が流通する流路(28f)を備えるものである。
【0012】
また、本発明の第3の態様による放電ランプは、互いに離間した第1及び第2電極間で放電することにより発光する放電ランプ(1)であって、その第1電極と接続された第1口金部材(26)と、その第2電極と接続された第2口金部材(28)とを備え、その第1口金部材には、その第1口金部材を冷却する冷却媒体が流動する第1流路(26d)が形成され、その第2口金部材にはその第2口金部材を冷却する冷却媒体が流動する第2流路(28f)が形成されているものである。
【0013】
また、本発明の第4の態様による放電ランプは、発光部を形成するガラス部材(25)と、該ガラス部材の第1方向側に連結され、その第1方向と直交する第2方向に延在する当接部(26a)と、その第1方向に沿った力が付勢される被付勢部(26e〜26h)と、その当接部とその被付勢部との間に備えられた嵌合部(26b)と、その嵌合部に備えられた溝部(26d)とを有する口金部材(26)と、を備え、その口金部材は、その被付勢部に付勢されたその第1方向の力によりその当接部と当接してその発光部のその第1方向の位置を規定するとともに、その嵌合部と嵌合することによりその第1方向と直交する方向の位置を規定し、かつその保持部材とその溝部との間に形成された流路に冷却用媒体を供給する保持装置(31)に保持可能であるものである。
【0014】
次に、本発明の第5の態様による放電ランプは、発光部を形成するガラス部材(25A)と、該ガラス部材に連結された口金部材(26P)とを備えた放電ランプ(1P)であって、その放電ランプは、該放電ランプとは別個に設けられた保持部材(50,52)にその口金部材を介して着脱可能に保持され、その口金部材は、その保持部材と当接してその保持部材に対するその発光部の第1方向における位置を規定する当接部(26a)と、その当接部をその第1方向に沿ってその保持部材に押圧する押圧力が付勢される被付勢部(26e〜26h)と、その当接部とその被付勢部との間に備えられ、その保持部材と嵌合する嵌合部(26b)と、その嵌合部の内部を通過するように、その当接部近傍とその被付勢部との間に備えられた冷却用媒体の流路となる流体路(26Pd)とを有するものである。
【0015】
また、本発明の第3の態様による光源装置は、本発明の第5の態様による放電ランプと、その口金部材を介してその放電ランプを保持するその保持部材を有する保持装置(31)とを備えた光源装置であって、その保持装置は、その被付勢部にその押圧力を付勢する付勢部材と、その口金部材を冷却するための媒体をその流体路に供給する媒体供給装置(71)とを有するものである。
【0016】
また、本発明の第6の態様による放電ランプは、発光部を形成するガラス部材(25;25A)と、該ガラス部材に連結された口金部材(26;26P)とを備えた放電ランプであって、その口金部材は、第1の方向に平行な第1の軸に沿ってガラス部材から離れる方向に、順に、その第1の軸を中心とする第1の半径以上の半径を有する円盤形状を包含
する形状を有する当接部(26a)と、その第1の軸を中心とするその第1の半径より小さな第2の半径を有する円柱形状に外接する形状を有する嵌合部(26b)と、その第1の軸を中心としてその第2の半径より小さな第3の半径を有する円柱形状を包含する形状を有する小径部(26k)と、その第1の軸を中心として、その第1の半径より小さくかつその第3の半径より大きな第4の半径を有する円盤形状を包含する形状を有する被付勢部(26g,26h)と、を有するとともに、その嵌合部の外周またはその近傍に、その嵌合部と空気との接触面積を増大せしめるための立体構造(26d;26Pd)を有するものである。
【0017】
また、本発明の第7の態様による放電ランプは、発光部を備え、第1方向に伸びるように形成されたガラス部材(25;25A)と、そのガラス部材のその第1方向側の端部に、一端部が連結される第1口金部材(26;26P)とを備えた放電ランプであって、その第1口金部材は、その第1方向と直交する直交方向に突出した突出部(26a)と、その突出部とその第1口金部材の他端部との間に設けられ、その直交方向に関する外形形状が、その突出部の外形形状より小さい第1軸部(26b)と、その突出部とその第1口金部材の他端部との間に設けられ、その直交方向に関する外形形状が、その第1軸部より小さい第2軸部(26k)と、その突出部とその第1口金部材の他端部との間に設けられ、その直交方向に関する外形形状が、その突出部の外形形状より小さく、かつその第2軸部よりも大きい第3軸部(26g;26h)と、その第1軸部の外周面の少なくとも一部に設けられ、冷却用媒体と接触可能な冷却部(26b2)とを備えるものである。
【0018】
また、本発明の第8の態様による放電ランプは、発光部を形成するガラス部材(25)と、該ガラス部材に連結された口金部材(26)とを備えた放電ランプ(1)であって、その放電ランプは、該放電ランプとは別個に設けられた保持部材(50,52)にその口金部材を介して着脱可能であり、その口金部材は、その保持部材と当接してその保持部材に対するその発光部の第1方向における位置を規定する当接部(26a)と、その当接部をその第1方向に沿ってその保持部材に押圧する押圧力が付勢される被付勢部(26e〜26h)と、その当接部とその被付勢部との間に備えられ、前記保持部材と嵌合する嵌合部(26b)と、その当接部とその被付勢部との間に設けられ、その当接部近傍からその被付勢部に至る冷却用媒体の流路をその保持部材との間で構成する冷却部とを有するものである。
また、本発明の態様による露光装置は、光源装置から発生した露光光によって感光基板にパターンを露光する露光装置であって、その光源装置として本発明の光源装置(30)を備えたものである。
【0019】
また、本発明の態様による露光装置の製造方法は、放電ランプ(1)の2つの電極間の放電により発生した光によって感光基板にパターンを露光する露光装置の製造方法であって、その放電ランプを保持するための保持装置(31)に、その放電ランプのその2つの電極のうちの一方に対応して設けられた第1口金部材(26)を介してその放電ランプを装着する段階と、その放電ランプの他方の電極に対応して設けられた第2口金部材(28)に用力ケーブル(33B)を接続する段階と、その装着されたその放電ランプのその第1口金部材をその保持装置に装着された状態で冷却する段階とを備えるものである。
なお、以上の本発明の所定要素に付した括弧付き符号は、本発明の一実施形態を示す図面中の部材に対応しているが、各符号は本発明を分かり易くするために本発明の要素を例示したに過ぎず、本発明をその実施形態の構成に限定するものではない。
【発明の効果】
【0020】
本発明の放電ランプによれば、保持装置に対する放電ランプの取り外し及び装着を容易に短時間に行うことができる。
本発明の別の態様の放電ランプによれば、保持装置に対する放電ランプの取り外し及び装着を容易に短時間に行うことができる。また、簡単な機構で放電ランプの冷却を効率的に行うことができる。
【0021】
また、本発明の第1、第2、又は第3の態様による光源装置によれば、保持装置に対するその放電ランプの取り外し及び装着を容易に短時間に行うことができる。また、簡単な機構で放電ランプの冷却を効率的に行うことができる。
また、本発明の各態様の放電ランプは、本発明の第1、第2、又は第3の態様による光源装置の放電ランプとして使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態の一例の投影露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】(A)は図1中の放電ランプ1を示す一部を切り欠いた図、(B)は図2(A)のBB線に沿う断面図、(C)は図2(B)の別の構成例を示す図である。
【図3】図1中の取り付け装置31を示す一部を切り欠いた図である。
【図4】図3の取り付け装置31の要部を示す平面図である。
【図5】図3のAA線に沿う断面図である。
【図6】図3のBB線に沿う一部を省略した断面図である。
【図7】(A)は図3中の固定用アーム55Aを上方から視た拡大断面図、(B)はその固定用アーム55Aを拡大して示す正面図である。
【図8】図2(A)の放電ランプ1を図3の取り付け装置31に装着した状態を示す一部を切り欠いた図である。
【図9】図8の放電ランプ1の口金部26及び取り付け装置31の部分を拡大して示す一部を切り欠いた図である。
【図10】(A)は、図3の取り付け装置31において、切替用リンク機構63によって移動部材41を降下させた状態を示す図、(B)は、切替用リンク機構63によって移動部材41を上昇させた状態を示す図である。
【図11】(A)、(B)、(C)、及び(D)は、それぞれ本発明の放電ランプの別の実施形態を示す一部を切り欠いた図である。
【図12】(A)、(B)、(C)、及び(D)は、それぞれ本発明の放電ランプのさらに別の実施形態を示す一部を切り欠いた図である。
【図13】(A)、(B)、及び(C)は、それぞれ本発明の放電ランプのさらに別の実施形態を示す図である。
【図14】(A)及び(B)は、それぞれ本発明の放電ランプのさらに別の実施形態を示す一部を切り欠いた図である。
【図15】(A)、(B)、(C)、及び(D)は、それぞれ本発明の放電ランプのさらに別の実施形態を示す図である。
【図16】(A)は図15(B)のAA線に沿う断面図、(B)は図15(C)のBB線に沿う断面図、(C)は図15(D)のCC線に沿う断面図である。
【図17】図15(D)に示す放電ランプの製造方法の一例を示す要部の斜視図である。
【図18】(A)及び(B)は、それぞれ本発明の放電ランプのさらに別の実施形態を示す図である。
【図19】マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態の一例につき図1〜図10を参照して説明する。
図1は、本例の露光光源30(光源装置)を備えた投影露光装置(露光装置)を示し、この図1において、アーク放電型の水銀ランプよりなる放電ランプ1が、取り付け装置31(保持装置)を介して絶縁状態で固定板29に固定されている。また、放電ランプ1の陰極及び陽極が可撓性を持つ電力ケーブル33A及び33Bを介して電源34に接続され、放電ランプ1のバルブ部を囲むように楕円鏡2(集光ミラー)が不図示のブラケットに固定されている。放電ランプ1のバルブ部内の発光部は、一例として楕円鏡2の第1焦点付近に配置されている。放電ランプ1、楕円鏡2、取り付け装置31、電力ケーブル33A,33B、及び電源34を含んで露光光源30が構成されている(詳細後述)。
【0024】
放電ランプ1から射出された光束は、楕円鏡2によって第2焦点付近に収束された後、シャッタ3の近傍を通過して発散光となって光路折り曲げ用のミラー4に入射する。シャッタ3の開閉はシャッタ駆動装置3aによって行われ、シャッタ駆動装置3aは、不図示のシャッタ制御系で制御される。本実施の形態では、一例として後述のステージ制御系15が、装置全体の動作を統括制御する主制御系14の指令のもとでシャッタ駆動装置3aを制御する。
【0025】
ミラー4で反射された光束は干渉フィルタ5に入射し、干渉フィルタ5により所定の輝線(例えば波長365nmのi線)よりなる露光光ILのみが選択される。なお、露光光ILとしては、i線の他に、g線、h線、若しくはこれらの混合光等、又は水銀ランプ以外のランプの輝線等も使用できる。その選択された露光光ILは、フライアイレンズ6(オプティカル・インテグレータ)に入射し、フライアイレンズ6の射出面に配置された可変開口絞り7上に多数の2次光源が形成される。可変開口絞り7を通過した露光光ILは、第1リレーレンズ8を経てレチクルブラインド(可変視野絞り)9に入射する。レチクルブラインド9の配置面はレチクルRのパターン面と実質的に共役であり、駆動装置9aを介してレチクルブラインド9の開口形状を設定することで、レチクルR上での照明領域が規定される。また、ウエハWのステッピング時等に不要な露光光がウエハW上に照射されないように、ステージ制御系15が駆動装置9aを介してレチクルブラインド9を開閉できるようにも構成されている。
【0026】
レチクルブラインド9を通過した露光光ILは、第2リレーレンズ10、露光光ILを反射するダイクロイックミラー11、及びコンデンサレンズ12を介してレチクルRのパターン面のパターン領域を照明する。シャッタ3、ミラー4、干渉フィルタ5、フライアイレンズ6、可変開口絞り7、リレーレンズ8,10、レチクルブラインド9、ダイクロイックミラー11、及びコンデンサレンズ12を含んで照明光学系13が構成されている。露光光源30からの光束は、照明光学系13を経て露光光ILとしてレチクルR(マスク)を照明し、レチクルRのパターン領域内のパターンが投影光学系PLを介して、フォトレジストが塗布されたウエハW(感光基板)の一つのショット領域上に投影倍率β(βは例えば1/4,1/5等)で露光される。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。
【0027】
このとき、レチクルRは、レチクルベース(不図示)上でX方向、Y方向、及びZ軸周りの回転方向に微動可能なレチクルステージRST上に保持されている。レチクルステージRSTの位置は、これに固定された移動鏡17Rに計測用レーザビームを照射するレーザ干渉計18Rによって高精度に計測され、この計測値がステージ制御系15及び主制御系14に供給されている。その計測値及び主制御系14からの制御情報に基づいて、ステージ制御系15がリニアモータ等を含む駆動系19Rを介してレチクルステージRSTの位置を制御する。
【0028】
一方、ウエハWは不図示のウエハホルダを介してウエハステージWST上に保持され、ウエハステージWSTはウエハベース(不図示)上にX方向及びY方向に移動自在に載置されている。ウエハステージWSTの位置は、これに固定された移動鏡17Wに計測用レーザビームを照射するレーザ干渉計18Wにより高精度に計測され、この計測値はステージ制御系15及び主制御系14に供給されている。その計測値及び主制御系14からの制御情報に基づいて、ステージ制御系15はリニアモータ等を含む駆動系19Wを介してウエハステージWST(ウエハW)の位置を制御する。
【0029】
ウエハWの露光時には、ウエハステージWSTによりウエハWの各ショット領域を投影光学系PLの露光フィールド内に移動する動作と、露光光源30からの光束を照明光学系13を介してレチクルRに照射して、レチクルRのパターンを投影光学系PLを介してウエハW上の当該ショット領域に露光する動作とがステップ・アンド・リピート方式で繰り返される。これによって、レチクルRのパターンの像がウエハW上の各ショット領域に転写される。
【0030】
なお、この露光に際して予めアライメントを行うために、レチクルRの上方には、レチクルRに形成されたアライメントマークの位置を検出するためのレチクルアライメント顕微鏡20が設置され、投影光学系PLの側面には、ウエハW上の各ショット領域に付設されたアライメントマークの位置を検出するためのアライメントセンサ21が設置されている。また、ウエハステージWST上のウエハWの近傍にはアライメントセンサ21等のための複数の基準マークが形成された基準マーク部材22が設けられている。レチクルアライメント顕微鏡20及びアライメントセンサ21の検出信号はアライメント信号処理系16に供給され、アライメント信号処理系16は、例えばそれらの検出信号の画像処理によって被検マークの配列座標を求め、この配列座標の情報を主制御系14に供給する。主制御系14は、その配列座標の情報に基づいてレチクルR及びウエハWのアライメントを行う。
【0031】
次に、本例の投影露光装置の露光光源30を構成する放電ランプ1及び取り付け装置31の構成等につき詳細に説明する。
図2(A)は、図1の露光光源30中の放電ランプ1を示す一部を切り欠いた図であり、この図2(A)において、放電ランプ1は、バルブ部25a及びこれを挟むように固定されたほぼ対称で円筒状の2つの棒状部25b,25cからなるガラス管25と、一方の棒状部25bの端部に連結された口金部26と、他方の外側に向けて段階的に直径が小さくなる棒状部25cの端部に連結された口金部28とを備えている。そのバルブ部25a内に発光部を形成するための陽極EL1及び陰極EL2が対向して固定され、陰極EL2及び陽極EL1はそれぞれ口金部26及び28に接続され、口金部26及び28は電気伝導率及び熱伝導率の良好な金属製である。口金部26、ガラス管25、及び口金部28は、ガラス管25の棒状部25b,25cの中心軸を結び発光部の中心を通る一つの直線上に配置されている。その棒状部25b,25cの中心軸を結ぶ直線に平行な方向が放電ランプ1の長手方向Lである。
【0032】
口金部26及び28は、基本的に陰極EL2及び陽極EL1に図1の電源34から電力ケーブル33A及び33Bを介して電力を供給するための電力受給端子として使用される。その他に、口金部26は、ガラス管25(放電ランプ1)を保持するための被保持部としても使用され、口金部26及び28にはともにガラス管25から伝導してくる熱を冷却するための気体を流す溝が形成されている。
【0033】
即ち、陰極EL2に接続された口金部26には、棒状部25bから開放端側に順に、棒状部25bの外径の2倍程度の外径の輪帯状のフランジ部26a(当接部)と、棒状部25bの外径よりも僅かに大きい外径の円柱状の軸部26b(嵌合部(規定部))と、軸部26bよりも外径の小さい円柱状の小径部26kと、軸部26bより僅かに小さい外径、あるいは軸部26bと略同じ外形の円柱状の固定部26hとが形成され、軸部26bと小径部26kとの境界部には面取り部26eが形成され、固定部26hの開放端側にも面取り部26iが形成されている。なお、円柱状の軸部26bの外形は、棒状部25bの外形とほぼ同じ外形であってもよい。小径部26kは、軸部26bと固定部26hとの間に、放電ランプ1の長手方向Lと交差する方向に関して凹部(段部)26fを設けることによって形成される。放電ランプ1を図1の取り付け装置31に取り付ける際に、フランジ部26aは対応する部材に当接して、ガラス管25の発光部の長手方向L(第1方向)における位置決めの基準となり、軸部26bは対応する部材の開口に嵌合して、その発光部の長手方向Lに直交する面内における位置決めの基準となる。また、固定部26hには、凹部26fによって被押圧面26gが形成されている。被押圧面26gは、長手方向Lに垂直な平面である。放電ランプ1を図1の取り付け装置31で保持する際に、取り付け装置31側の付勢機構の一部の部材が凹部26f側に差し込まれ、その部材によって被押圧面26gに長手方向Lに沿って口金部26の開放端側に向かう押圧力が加えられる。従って、面取り部26e、凹部26f、被押圧面26g、及び固定部26hより、その付勢機構によって付勢される部材が形成されている。
【0034】
図2(B)は、図2(A)の放電ランプ1のBB線に沿った断面図であり、この図2(B)に示すように、フランジ部26aには一例として90°間隔で2箇所の開口27A,27B(位置決め部)が形成されている。この開口27A,27Bに図1の取り付け装置31側の対応する2つのピン70A,70B(図4参照)が差し込まれることで、放電ランプ1の長手方向Lに沿った軸の周りの位置決めが行われる。すなわち、取り付け装置31に対し、放電ランプ1の長手方向を中心とした回転角が決まる。また、放電ランプ1には発光パワー等が異なる複数の種類があり、種類が異なる毎に開口27A,27Bの個数及び/又は角度等が異なっている。従って、その開口の個数は1個又は複数個である。具体的に、図2(B)とは別の種類の放電ランプのフランジ部26aには、図2(C)に示すように、例えば90°間隔で3箇所に開口27A,27B,27Cが形成され、対応する取り付け装置には3個のピンが形成されている。これによって、投影露光装置の露光光源の取り付け装置に、仕様と異なる放電ランプが取り付けられることが確実に防止される。
【0035】
図2(A)に戻り、軸部26bの外面のフランジ部26aの近傍から面取り部26e(凹部26f)までの部分に、長手方向Lに平行な軸の周りに螺旋状に溝部26dが形成されている。溝部26dには、後述の送風装置71(図9参照)から口金部26を冷却するための気体(冷却用媒体)が流され、これによってガラス管25で発生した熱が口金部26に伝導しても、口金部26を効率的に冷却でき、結果としてガラス管25の冷却も行われる。また、溝部26dと図2(B)の開口27A,27Bとの位置関係は、開口27A,27Bに図1の取り付け装置31の対応するピンを差し込んだ状態で、送風装置71(図9参照)から溝部26dに対して冷却された気体が効率的に供給されるように設定されている。
【0036】
この陰極EL2側の口金部26において、軸部26bと固定部26hとの間には、凹部26fが形成されている。すなわち、軸部26bと固定部26hとの間には、長手方向Lに直交する面における断面積が軸部26bよりも小さい小径部26kが設けられているため、図1の取り付け装置31の付勢機構の一部を容易に差し込むことができる。
この場合、軸部26b及び小径部26kはそれぞれ長手方向Lに平行な軸を中心とした円形断面を有し、その小径部26kの円形断面の直径は、軸部26bの円形断面の直径の1/2以下(例えば1/3程度)であることが望ましい。これによって、その付勢機構の一部を凹部26fに大きく差し込むことができ、被押圧面26gを口金部26の開放端側に大きい力で容易に付勢できる。
【0037】
また、溝部26dは面取り部26eを通して凹部26fに連通しているため、冷却用の気体を長手方向Lに沿って円滑に流すことができる。この場合、溝部26dは軸部26bの表面に螺旋状に形成されているため、その冷却用の気体によって軸部26b(口金部26)の全体を効率的に冷却できる。なお、螺旋状の溝部26dの代わりに、後述するように、軸部26bの表面に長手方向Lにほぼ沿って直線状に複数の溝部を設け、これらの複数の溝部に冷却用の気体を流してもよい。
【0038】
また、ガラス管25及び口金部26,28を含む放電ランプ1全体の長手方向Lの長さをLT1、取り付け装置31によって保持される口金部26の長手方向Lの長さをLT2とすると、長さLT2は次式のように長さLT1の1/5以上で1/4以下(一例としてLT1の0.22倍程度)であることが望ましい。
LT1/5≦LT2≦LT1/4 …(1)
長さLT2が式(1)の下限以上であることによって、放電ランプ1を口金部26を介して十分な力で安定に図1の取り付け装置31で保持することができるとともに、口金部26の冷却効果を高めることができる。さらに、長さLT2が式(1)の上限以下であることによって、放電ランプ1全体の長さ及び重量を許容範囲内に収めることが容易になる。なお、他方の自由端側の口金部28の長手方向Lの長さLT3は、例えば長さLT1の1/8以上で1/5以下(一例として長さLT1の0.15倍程度)である。
【0039】
また、口金部26の軸部26bの表面で図1の取り付け装置31の対応する部材の開口と嵌合する(接触する)部分の面積は、軸部26bに形成された溝部26dの面積よりも広いことが望ましい。これは、図2(A)において、長手方向Lにおける軸部26bの表面(凸部)の幅M1が、以下のように溝部26dの幅M2より大きいことを意味する。これによって、溝部26dに冷却用の気体を流すことによる冷却効果を高め、かつ軸部26bに対する保持力を高めることができる。
【0040】
M1>M2 …(2)
より実用的には、軸部26bの表面で対応する部材の開口と嵌合する部分の面積は、溝部26dの面積の2倍よりも広い(一例として3倍程度である。)ことが望ましい。これは、次式が成立することを意味する。これによって、軸部26bに対する保持力をさらに高め、かつ比較的高い冷却効果も得られる。
【0041】
M1>2・M2 …(3)
一方、図2(A)の陽極EL1に接続された口金部28は、棒状部25c側から開放端側に順に、棒状部25cの最大直径より僅かに大きい外径の薄い輪帯部28hと、輪帯部28hとほぼ同じ外径、あるいは輪帯部28hより小さい外径を有する円柱状の軸部28cと、軸部28cの開放端側の面を僅かな空間28dを隔てて覆い、かつ軸部28cに嵌合する円筒状のカバー部28bとを備える。さらに、円筒状のカバー部28bには、その外径が軸部28cの1/3程度の円筒状の端子部28aが形成されている。軸部28cの表面には、開放端側から輪帯部28hにかけて長手方向Lに平行な軸の周りに螺旋状に溝部28fが形成されている。輪帯部28hと軸部28cとの間には、凹部28gが形成されており、軸部28cの溝28fは、この凹部28gに連通している。
また、端子部28aの内部には、端子部28の外部と、カバー部28bの内部、すなわち、空間28dとを連通する流通穴28eが形成されている。円筒状のカバー部28bは、電気伝導率及び熱伝導率の良好な金属で形成されている。
【0042】
口金部28の端子部28aには、図8に示す電力ケーブル33Bが接続される。この電力ケーブル33Bには、陽極EL1に接続される電力線の他に、流通穴28eを通して溝部28fに冷却された気体(冷却用媒体)を供給するための配管も収納されている。このように電力ケーブル33Bは、電力の他に冷却された気体を供給するために使用されるため、用力ケーブルとも呼ぶことができ、端子部28aは用力受給端子とも呼ぶことができる。電力ケーブル33B及び端子部28aがそれぞれ電力及び冷却された気体の受給(供給)用に使用されているため、口金部28及び電力ケーブル33Bをコンパクトに形成することができる。
【0043】
図2(A)において、電力ケーブル33Bから端子部28a内の流通穴28eに供給さ
れた冷却用の気体は、口金部28の軸部28cの表面の溝部28fとカバー部28bとで形成された流路内を流れた後、軸部28gと輪帯部28hとの間の凹部28gから外側に排気される。この際に、溝部28f(流路)が螺旋状であるため、口金部28の全体を効率的に冷却できる。なお、口金部28においても、溝部28fの代わりに、軸部28cの表面に長手方向Lにほぼ平行に設けた複数の溝部を形成しておき、これらの溝部に冷却用の気体を供給してもよい。
【0044】
なお、仮に陰極EL2用の口金部26の溝部26dに冷却用の気体を供給するのみで、口金部26及びガラス管25の冷却を十分に行うことができる場合には、陽極EL1用の口金部28には必ずしも冷却用の気体を流す流路を形成しなくともよい。さらに、放電ランプ1において、取り付け装置31に保持される口金部26に接続される電極を陽極として、自由端側の口金部28に接続される電極を陰極とすることも可能である。
【0045】
次に、図3は図1の露光光源30の取り付け装置31の構成を示し、図4は図3の取り付け装置31の平面図、図5は図3のAA線に沿う断面図、図6は図3のBB線に沿う断面図である。図3において、ほぼ正方形の平板状のセラミックス製の絶縁板32の表面に、薄い平板状の底板36が複数箇所でボルト35を用いて固定されている。この場合、予め底板36の表面の3箇所には、円柱状のガイド部材37A,37B,37C(図5参照)が、裏面から螺合されたボルト39Aによって、底板36に固定されている。絶縁板32の表面にはボルト39Aを収納する凹部32aが形成されているため、絶縁板32の表面に底板36を密着させて固定することができる。底板36の4隅にはボルト40を通すための開口36aが形成され、その開口36aを通して絶縁板32は4箇所でボルト40(図5参照)によって固定板29に固定されている。この構成によって、取り付け装置31は固定板29に対して絶縁状態で固定されている。
【0046】
また、図5に示すように、底板36の左側の2箇所の隅には断面形状がL字型のフレーム46A,46Bが固定され、底板36の右側の2箇所の隅には平板状のパネル板47A,47Bが右側に突き出るように固定され、パネル板47A,47Bの右端部は平板状のパネル板47Cで連結されている。フレーム46A,46B及びパネル板47A,47Bの上に、図4に示すようにほぼ正方形の平板状で中央に大きい円形開口45a(図3参照)が形成された上板45が固定されている。上板45には、3箇所のガイド部材37A〜37Cの先端部を通すための3個の小さい開口も形成されている。
【0047】
図3において、上板45の上面に開口45aを覆うようにボルト51によって輪帯状の位置決め板50が固定され、位置決め板50の底面に、ほぼ円筒状の円筒部材52のフランジ部が例えば4箇所でボルト53によって固定されている。位置決め板50の上面50aには、図2(A)の放電ランプ1の口金部26のフランジ部26aが載置され、位置決め板50の中央の円形開口50b及びこれに続く円筒部材52の内面には、その口金部26の軸部26bが嵌合される。従って、位置決め板50及び円筒部材52は、一体的に放電ランプ1の口金部26を保持するための部材となる。円筒部材52の中心軸に沿った方向を放電ランプ1の移動方向Dと呼ぶ。
【0048】
また、位置決め板50の開口50bとその側面とを連通するように通気孔50cが形成され、通気孔50cに図9の送風装置71から冷却された気体を供給するための可撓性の高い配管73の端子が連結されている。さらに、位置決め板50の上面50aには、図4に示すように、図2(B)の放電ランプ1のフランジ部26aの開口27A,27Bに対応する配置でピン70A,70Bが固定されている。これによって、位置決め板50上に放電ランプ1のフランジ部26aを常に同じ角度位置で載置することができる。
【0049】
図3において、位置決め板50、上板45、及びフレーム46A,46Bは互いに電気
的に導通し、かつ放熱効果を高めるように、電気伝導率及び熱伝導率の良好な金属より形成され、フレーム46Aにボルト55を介して電力ケーブル33Aが固定されている。位置決め板50に図2(A)の口金部26のフランジ部26aが接触するように放電ランプ1を保持することによって、電力ケーブル33A、フレーム46A、上板45、及び位置決め板50を介して口金部26に電力が供給される。同様に、円筒部材52も熱伝導率の良好な金属製である。
【0050】
さらに、上板45上に位置決め板50(円筒部材52が連結されている)を固定する際には、予め円筒部材52を囲むようにカップ状で中央に開口を持つ移動部材41が移動方向Dに沿って移動できる状態で配置される。移動部材41は、上板45側から底板36側に順に、円筒部材52に近接して配置された輪帯部41aと、移動方向Dに対して底板36側が外側にほぼ5°程度開いた円錐の側面状の内面(テーパ面)を持つ傾斜部41bと、傾斜部41bよりもさらに外側に40°程度開いた円錐の側面状の内面(テーパ面)を持つ収納部41cと、輪帯部41aよりも大きい輪帯状で3箇所にガイド部材37A〜37C(図5参照)を通すための開口が形成された駆動部41dとを連結して形成されている。輪帯部41aの上端には、図5に示すように、これをパネル板47A,47Bとほぼ平行に挟むように2箇所に、小さい平板状の昇降部材48A,48Bが固定されている。
【0051】
また、図5において、移動部材41の駆動部41dには等角度間隔に設けられた3箇所の開口を覆うようにボルト43によって連結部材42A,42B,42Cが固定され、連結部材42A〜42Cの貫通孔にそれぞれガイド部材37A〜37Cが挿通されている。
図4に示すように、上板45の上面に位置決め板50を囲むように配置された3箇所の開口を覆うように、ボルト39Cを用いてほぼ逆U字型の止め具38A,38B,38Cが固定され、止め具38A〜38Cの中央にそれぞれボルト39Bを用いて図5のガイド部材37A〜37Cの先端が固定されている。さらに、止め具38A〜38Cと連結部材42A〜42Cとの間に、それぞれガイド部材37A〜37Cを覆うように圧縮コイルばね44A,44B,44C(図5参照)が装着されている。この結果、移動部材41の駆動部41dには、3箇所の連結部材42A〜42Cを介して圧縮コイルばね44A〜44Cによって移動方向Dに沿って底板36側に押圧力F1が常時加えられている。従って、移動部材41の輪帯部41aに固定された昇降部材48A,48Bに、後述の切替用リンク機構63によって上板45側に向かう駆動力を加えない限り、移動部材41は円筒部材52に沿って底板36側に移動する。
【0052】
また、図3において、円筒部材52の側面の上板45と底板36とのほぼ中間位置に、ガイド部材37A〜37Cと同じ角度で3箇所の矩形の窓部52a,52b,52c(図5参照)が形成されている。さらに、円筒部材52の下端部に窓部52a〜52cと同じ角度で3箇所の凸部52d,52e,52fが形成され、凸部52d〜52fにそれぞれ軸56の周りに回転可能にほぼL字型の固定用アーム55A,55B,55C(図6参照)が固定されている。固定用アーム55A〜55Cにはそれぞれ代表的にコイルばね62Aで示すように、円筒部材52に対して外側に回転するような小さいトルクが常時付与されている。
【0053】
図7(A)は図3の固定用アーム55Aの平面断面図、図7(B)はその固定用アーム55Aの正面図であり、固定用アーム55Aを構成するフレーム57の一端は軸56を中心とする回転中心Aの周りに回転可能であり、フレーム57の他端には回転軸60を介してローラ61が固定され、フレーム57の中間の屈曲部には小型軸受け58を介してローラ59が固定されている。従って、ローラ59及び61はそれぞれ回転可能であり、固定用アーム55Aを軸56の反時計周りに回転することによって、ローラ61が固定対象面(本例では図2(A)の放電ランプ1の口金部26の被押圧面26g)に付勢される。
【0054】
図3の状態では、移動部材41が円筒部材52に沿って最も上板45に近い位置にあり、固定用アーム55A〜55Cの屈曲部のローラ59は移動部材41の収納部41cに付勢され、ローラ61は円筒部材52の窓部52a〜52cの外側に出ている。従って、図2(A)の放電ランプ1の口金部26の軸部26b及び固定部26hは、位置決め板50の開口50b及び円筒部材52の内面に沿って移動方向Dに自由に移動できる。
【0055】
図9は、図3の状態から移動部材41を円筒部材52に沿って最も底板36に近い位置まで降下させた状態の一例を示し、この図9において、固定用アーム55A(他の固定用アーム55B,55Cも同様)のローラ59は、移動部材41の傾斜部41bに接触して円筒部材52の内側に付勢されている。この結果、固定用アーム55Aには軸56の反時計周りにトルクが付与され、固定用アーム55Aの他端側のローラ61は円筒部材52の窓部52aを通して内側に差し込まれる。図9の状態では、円筒部材52内に放電ランプ1の口金部26の軸部26b及び固定部26hが嵌合しているため、固定用アーム55Aのローラ61は口金部26の凹部26f内に差し込まれ、さらに固定部26hの上面である被押圧面26gに接触する。この状態では、圧縮コイルばね44A,44B等の押圧力が移動部材41及び固定用アーム55Aを介して被押圧面26g(口金部26)に加えられるため、口金部26のフランジ部26aが取り付け装置31の位置決め板50の上面50aに押し付けられ、口金部26ひいては放電ランプ1は取り付け装置31によって安定に保持される。従って、固定用アーム55A〜55Cが、口金部26(固定部26h)に底板36側への押圧力を付与する部材の一部を構成している。
【0056】
ここで、固定用アーム55A〜55Cによる口金部26(固定部26h)への押圧力を解除するために、移動部材41の昇降部材48A,48Bを上板45側に引き上げる切替用リンク機構63の構成につき説明する。
図3において、パネル板47Cのほぼ中央に絶縁材料からなる回転レバー部64が固定され、パネル板47Cの内側の回転レバー部64の先端に移動方向Dに直交する駆動方向Eに移動可能に可動ロッド65が連結され、可動ロッド65の先端に平面視がほぼU字型の分岐部材66が固定されている。本例では、一例として回転レバー部64をオペレータが手動で回転することによって、それに連動して可動ロッド65が駆動方向Eに移動する。なお、可動ロッド65を移動する機構は任意であり、例えば回転レバー部64を用いることなく、延長した可動ロッド65をオペレータが直接操作してもよい。また、駆動方向Eは移動方向Dに直交していなくともよく、例えば移動方向Dにほぼ平行であってもよい。
【0057】
図5において、一例として回転レバー部64を支持するパネル板47A〜47Cはともに絶縁材料から形成されている。そして、分岐部材66の2箇所の先端部には軸66A,66Bを介して回転可能に細長いリンク部材67A,67Bの一端が連結され、リンク部材67A,67Bの他端にローラ69A,69Bが回転可能に連結され、移動部材41の上端の輪帯部41aに固定された昇降部材48A,48Bに底面側からローラ69A,69Bが接触可能である。さらに、パネル板47A,47Bの上部に軸68C,68Dを介して回転可能に細長いリンク部材68A,68Bの一端が固定され、リンク部材68A,68Bの他端は軸67C,67Dを介してリンク部材67A,67Bの中間位置(リンク部材の一端部と他端部との間の位置)に連結されている(図3参照)。このように、回転レバー部64、可動ロッド65、分岐部材66、リンク部材67A,67B、リンク部材68A,68B、及びローラ69A,69Bを含んで切替用リンク機構63が構成されている。
【0058】
なお、移動部材41と切替用リンク機構63のリンク機構との機械的な干渉を確実に防止するために、図5に示すように、移動部材41の収納部41c及び駆動部41dの点線で囲まれた2箇所の端部147A及び148Bを削除してもよい。
図10(A)及び(B)は、図3において、切替用リンク機構63の手前側のリンク部材67B,68B等を表示した図に相当し、かつ取り付け装置31に放電ランプ1の口金部26が保持されている状態を示し、図10(A)のように、回転レバー部64を操作して可動ロッド65を駆動方向Eに沿って右端部まで移動した状態では、リンク部材67B(図5のリンク部材67Aも同様)がほぼ可動ロッド65に平行になり、移動部材41は移動方向Dに沿って最下端まで降下する。この結果、図3の固定用アーム55Aのローラ61が口金部26の固定部26hを下方に付勢して、口金部26は安定に保持される。
【0059】
これに対して、図10(B)のように、回転レバー部64を操作して可動ロッド65に付勢力F3を与えて駆動方向Eに沿って左端部まで移動した状態では、リンク部材68Bの回転によってリンク部材67Bの先端部のローラ69B(図5のローラ69Aも同様)は上昇し、これによって昇降部材48B及び移動部材41が上昇する。この結果、図3に示すようにコイルばね62Aによって固定用アーム55Aが外側に収納部41cに接触するまで回転し、ローラ61が円筒部材52の窓部52aの外に出るため、口金部26の固定部26hを円筒部材52から引き抜いて、放電ランプ1を取り付け装置31から取り外すことができる。
【0060】
このように図5の切替用リンク機構63を用いることによって、取り付け装置31に対する放電ランプ1の口金部26の固定と解除とを、容易に切り替えることができる。なお、切替用リンク機構63の他に、図3の移動部材41を移動方向Dに沿って上昇させる任意の機構を用いることができる。例えば、図5のリンク部材68A,68Bの先端部に直接ローラ69A,69Bを固定し、オペレータがリンク部材68A,68Bを回転することによって移動部材41の昇降部材48A,48Bを上昇させるような機構も用いることができる。
【0061】
上述のように本例の取り付け装置31は、図3〜図6に示す絶縁板32、底板36、上板45、フレーム46A,46B、及びパネル板47A〜47Cからなるフレーム機構と、位置決め板50及び円筒部材52からなり放電ランプ1の口金部26を保持する部材と、口金部26の固定部26hに押圧力を付与するための固定用アーム55A〜55Cと、移動部材41、ガイド部材37A〜37C、連結部材42A〜42C、コイルばね62A等、及び圧縮コイルばね44A〜44C(弾性部材)を含み固定用アーム55A〜55Cに付勢力を与える機構と、この機構による固定用アーム55A〜55Cに対する付勢力を解除するための切替用リンク機構63と、図8の口金部28側の電力ケーブル33Bと、電力ケーブル33Bに冷却された気体を供給する気体供給装置(不図示)と、図3の配管73と、配管73に冷却された気体を供給する図9の送風装置71とを含んで構成されている。
【0062】
図9において、送風装置71は、取り入れ口72から取り込んだ気体(例えば空気)の除塵を行うフィルタ部71aと、フィルタ部71aから供給された気体を冷却する冷却部71bと、冷却部71bから供給された気体を配管73側に所定流量で供給する送風部71cとを備えている。なお、例えば円筒部材52の外面に温度センサを設け、この温度センサの計測結果に基づいて冷却部71bにおける設定温度を制御してもよい。
【0063】
次に、本例の図2(A)の放電ランプ1を図3の取り付け装置31に着脱する際の動作の一例につき図8〜図10を参照して説明する。
図8は、放電ランプ1を取り付け装置31に装着した状態を示す図、図9は図8中の放電ランプ1の口金部26及び取り付け装置31を示す拡大図、図10(A)及び(B)は図3に対応させて切替用リンク機構63の動作を示す図である。
【0064】
先ず、取り付け装置31に放電ランプ1を装着する際には、図10(B)に示すように
(この段階では取り付け装置31に口金部26は装着されていない。)、オペレータが切替用リンク機構63を操作して付勢力F3によってローラ69Bを押し上げ、昇降部材48Bを介して移動部材41を上板45側に上昇させて、固定用アーム55A(図6の他の固定用アーム55B,55Cも同様)の先端部(図3のローラ61)を円筒部材52の窓部52aから引く抜く。この状態で、オペレータが、位置決め板50の開口及び円筒部材52の内面に図2(A)の放電ランプ1の口金部26の固定部26h及び軸部26bを嵌合させる。この際に、口金部26には図2(A)に示すように面取り部26i及び26eが形成されているため、固定部26h及び軸部26bを円滑に位置決め板50の開口及び円筒部材52の内面に差し込むことができる。
【0065】
次に、図10(A)に示すように、オペレータが切替用リンク機構63を操作してローラ69Bを降下させると、圧縮コイルばね44A(及び図5の圧縮コイルばね44B,44C)の押圧力F1によって移動部材41は底板36側に付勢される。この際に、図3に示すように、固定用アーム55Aのローラ59が移動部材41の収納部41cから傾斜部41bに移動し、押圧力F1によって固定用アーム55Aには軸56を中心とした反時計周りのトルクが作用する。そして、図8に示すように、固定用アーム55Aのローラ61が円筒部材52の窓部52aを通して口金部26の凹部26f側に差し込まれ、さらにローラ61は口金部26の被押圧面26gを底板36側に付勢する。この状態で、円筒部材52の内面に沿った口金部26の移動方向Dと、放電ランプ1の長手方向とは一致している。そして、口金部26のフランジ部26aが位置決め板50の上面50aに密着し、口金部26の軸部26bが位置決め板50の開口50b及び円筒部材52の内面に嵌合した状態で、放電ランプ1は取り付け装置31によって安定に保持される。
【0066】
図8において、さらに他方の口金部28の端子部28aに可撓性の高い電力ケーブル33Bが連結される。電力ケーブル33Bから端子部28aには電力が供給されるとともに、電力ケーブル33B内の配管を介して口金部28の溝部28fとカバー部28bとの間の流路に冷却された気体が供給される。供給された気体は、軸部28cと輪帯部28hとの間に形成された凹部28gを介して排気され、口金部28は効率的に冷却される。
【0067】
また、取り付け装置31で保持される口金部26には、電力ケーブル33A、フレーム46A、上板45、及び位置決め板50を介して電力が供給され、ガラス管25内で発光が行われる。さらに、図8の要部を拡大した図9に示すように、送風装置71から配管73を介して位置決め板50の通気孔50cに冷却された気体が供給される。供給された気体は、矢印74A,74B,74Cで示すように、通気孔50c、口金部26の溝部26dと円筒部材52との間の流路、及び凹部26fを経て、円筒部材52の窓部52a(及び他の2箇所の窓部)の外に排気される。これによって、口金部26及びガラス管25が効率的に冷却される。
【0068】
次に、例えば放電ランプ1を交換するために、図8の取り付け装置31から放電ランプ1を取り外す場合には、図10(B)に示すように、オペレータが切替用リンク機構63を操作して、ローラ69B及び昇降部材48Bを介して移動部材41を上板45側に上昇させて、固定用アーム55Aの先端部(図3のローラ61)を円筒部材52の窓部52aの外に出す。この後、オペレータが、口金部26を位置決め板50及び円筒部材52から引き抜くことによって、取り付け装置31から容易に放電ランプ1を取り外すことができる。
【0069】
このように本例の放電ランプ1及び取り付け装置31を備えた露光光源30によれば、切替用リンク機構63によって、固定用アーム55A〜55Cによる放電ランプ1の口金部26の固定部26hに対する押圧を解除するのみで、取り付け装置31に対する放電ランプ1の取り外し及び装着を容易に短時間に行うことができる。また、切替用リンク機構
63によって、その固定用アーム55A〜55Cによる固定部26hに対する口金部26の移動方向D(放電ランプ1の長手方向Lと等しい)への押圧を開始するだけで、放電ランプ1は、圧縮コイルばね44A〜44Cの付勢力によって定まるほぼ一定の押圧力で位置決め板50に押圧されて固定される。従って、その圧縮コイルばね44A〜44Cのばね定数等を調整することによって容易に、放電ランプ1を取り付け装置31に固定する際の押圧力を目標とする範囲内に設定できる。
【0070】
また、図9の送風装置71から口金部26の溝部26dに冷却用の気体を供給すると、その気体が口金部26の表面に沿って固定部26h側に流れるため、簡単な機構で放電ランプ1の冷却を効率的に行うことができる。
また、本例の取り付け装置31は、図9に示すように、移動方向Dに対して傾斜した内面(テーパ面)を持つ傾斜部41bを有し、圧縮コイルばね44A〜44Cの弾性力が作用して移動方向Dに沿って移動する移動部材41と、傾斜部41bの内面と当接して移動部材41の移動方向Dの移動を口金部26の凹部26fへの挿入方向の移動に変換し、先端のローラ61が凹部26fに挿入される固定用アーム55A〜55Cとを有し、固定用アーム55Aによって被押圧面26gを付勢しているため、容易に口金部26に移動方向Dの押圧力を与えることができる。
【0071】
なお、移動部材41に押圧力F1を与える部材としては、圧縮コイルばね44A〜44Cの他に、引っ張りコイルばね、又は板ばね等も使用できる。また、固定用アーム55A〜55Cは、口金部26の周囲に等角度間隔で複数個(ここでは3個)配置されているため、口金部26を均一な力で取り付け装置31に保持できる。なお、例えば1つの固定用アーム55Aのみで口金部26を固定することも可能である。
【0072】
また、図8において、本例の口金部28側の電力ケーブル33Bには、電力供給用のケーブルと冷却された気体を供給する配管とが並列に収納されている。しかしながら、その電力ケーブル33Bとして、電力と冷却用気体とを導く導電体で形成された柔軟性のある管状ケーブルを用いてもよい。これによって、電力ケーブル33Bの構成を簡略化できる。
【0073】
次に、上記の図8及び図9に示す放電ランプ1及び取り付け装置31を備えた露光光源を、図1の投影露光装置の露光光源30として使用する場合の製造方法又は使用方法(稼働方法)の一例につき説明する。
その製造方法の一例は、図1の放電ランプ1の2つの電極間の放電により発生した光によってウエハWにレチクルRのパターンの像を露光する投影露光装置の製造方法であって、放電ランプ1を保持するための図8に示す取り付け装置31に、放電ランプ1の一方の口金部26を介して放電ランプ1を装着するステップS1と、放電ランプ1の他方の口金部28の端子部28aに電力ケーブル33B(用力ケーブル)を接続するステップS2と、そのように装着された放電ランプ1の口金部26を取り付け装置31に装着された状態で冷却するステップS3とを備えている。これによって、放電ランプ1を効率的に冷却できる。
【0074】
この場合、そのステップS1は、さらに取り付け装置31の位置決め板50の開口50b及び円筒部材52の内面に口金部26の一部(軸部26b及び固定部26h)を挿入するステップS11と、取り付け装置31に挿入された口金部26に対して放電ランプ1を保持するための押圧力(保持力)を付勢するステップS12と、取り付け装置31の円筒部材52と口金部26の溝部26dとの間に冷却用気体の流路を形成するステップS13とを含むことができる。
【0075】
さらに、そのステップS3は、そのステップS13で形成された流路に図9の送風装置
71から冷却用気体を供給するステップ31を含むことができる。このようにほぼ密閉された流路に冷却用気体を流すことによって、口金部26をより効率的に冷却できる。
また、さらに電力ケーブル33Bが接続された口金部28を、電力ケーブル33Bを介して供給された冷却用液体により冷却するステップS4を含むこともできる。これによって、口金部28も冷却され、ひいては放電ランプ1のガラス管25も効率的に冷却できる。
【0076】
次に、本発明の放電ランプの実施形態の他の種々の例につき図11〜図18を参照して説明する。以下で説明する種々の放電ランプもそれぞれ図3及び図4の取り付け装置31に容易に着脱できるとともに、必要に応じて固定する力を容易に目標とする範囲内に設定できる。そして、それらの放電ランプを取り付け装置31に装着して構成される光源は、図1の露光装置の露光光源30として使用できる。また、図11(A)〜(D)、図12(A)〜(D)、図13(A)〜(C)、図14(A)、(B)、及び図15(A)、(B)に示す放電ランプ1A〜1Oは、いずれも、その一方の口金部の軸部の表面の溝部(又はその表面自体)と、対応する図3の取り付け装置31の円筒部材52との間に形成される流路に冷却用媒体(気体又は液体)を流すものであり、図15(C)、(D)に示す放電ランプ1P,1Qは、その一方の口金部の軸部の内部を通過するように、フランジ部近傍と固定部(被付勢部)との間に備えられた流体路に冷却用媒体を流すものであり、図18(A)、(B)に示す放電ランプ1AA、1ABは、その一方の口金部に、嵌合部として機能する部分と、冷却用媒体が接触する部分とを分けたものである。以下、図11〜図18において、図2(A)及び図2(B)に対応する部分には同一又は類似の符号を付してその詳細な説明を省略又は簡略化する。
【0077】
先ず、図11(A)の放電ランプ1Aは、内部で発光部が形成されるバルブ部25aを含むガラス管25Aを長手方向に挟むように、その発光部を形成するための陰極及び陽極(不図示)がそれぞれ接続された口金部26A及び28を固定して構成され、一方の口金部26Aが図3(A)の取り付け装置31によって固定される。なお、そのガラス管25Aの棒状部25Ab,25Acの段差形状は、図2(A)の放電ランプ1のガラス管25の棒状部25b,25cと僅かに異なっているが、発光する照明光の波長及び出力はほぼ同じである。
【0078】
また、図11(A)の放電ランプ1Aの口金部26Aは、その軸部26b(嵌合部)に形成された溝部26Adが、図2(A)の口金部26の溝部26dとは逆周りの螺旋状に(例えばねじ用の溝状に)形成されている点と、その軸部26bの先端に凹部26fとほぼ同じ断面形状の円柱状の先端部26jが形成されている点とが、図2(A)の口金部26と異なっている。溝部26Adのフランジ部26a(当接部)側の始点と開口27Bとの位置関係は、口金部26Aを図3の取り付け装置31に装着したときに、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体(冷却用媒体)が、溝部26Adの始点に流入するように設定されている。これによって、口金部26Aひいては放電ランプ1Aが効率的に冷却される。
【0079】
次に、図11(B)の放電ランプ1Bは、ガラス管25Aを口金部26B及び28で挟んで構成され、口金部26Bの軸部26bのフランジ部26aの近傍にリング状の切り欠き部26c(溝部)が形成され、この切り欠き部26cに溝部26Adが連通している点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。この結果、放電ランプ1Bの口金部26Bを図3の取り付け装置31に装着した場合、溝部26Adの始点と開口27Bとの位置関係に関係なく、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、切り欠き部26cを介して溝部26Adに流入する。これによって、溝部26Adの加工が容易になる。
【0080】
次に、図11(C)の放電ランプ1Cは、その口金部26Cの軸部26bのフランジ部26aの近傍にリング状の切り欠き部26Ccが形成され、この切り欠き部26Ccと凹部26f(段部)とを連通するように、軸部26bの表面に、ガラス管25Aの長手方向Lに平行に複数の溝部26Cdが形成されている点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。この結果、放電ランプ1Cの口金部26Cを図3の取り付け装置31に装着した場合、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体(冷却用媒体)が、切り欠き部26Cc及び溝部26Cdを介して凹部26f側に流れる。これによって、放電ランプ1Cが効率的に冷却される。
【0081】
次に、図11(D)の放電ランプ1Dは、その口金部26Dのフランジ部26Daに溝部D1が設けられ、軸部26bの表面に長手方向Lに沿って、長手方向Lに平行な軸を中心とする複数のリング状の切り欠き部26Dkが形成され、これらの切り欠き部26Dkの間の軸部26bに交互に例えば180°異なる間隔で溝部D2が形成されている点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。この結果、放電ランプ1Dの口金部26Dを図3の取り付け装置31に装着した場合、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、溝部D1、切り欠き部26Dk、及び溝部D2を介して軸部26bの表面を流れるとともに、溝部D1からガラス管25A側に排気される。これによって、口金部26D及びガラス管25A、ひいては放電ランプ1Dが効率的に冷却される。
【0082】
次に、図12(A)の放電ランプ1Eは、その口金部26Eの軸部26bの表面に長手方向Lに沿って、長手方向Lに平行な軸を中心とする複数のリング状の切り欠き部26Ek(横溝)が形成され、これらの切り欠き部26Ekの間の軸部26bが複数の放熱用のフィンとして作用する点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。この結果、放電ランプ1Eの口金部26Eを図3の取り付け装置31に装着した場合、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、切り欠き部26Ekを介して軸部26bの表面を流れて、放電ランプ1Eが効率的に冷却される。
【0083】
次に、図12(B)の放電ランプ1Fは、その口金部26Fの軸部26bの表面に長手方向Lに沿って、長手方向Lに平行な軸を中心とする複数のリング状の切り欠き部26Fkが形成され、これらの切り欠き部26Fkの間の軸部26bの90°間隔の4箇所にそれぞれ溝部G1,G2,G3(4番目の溝部は不図示)が形成されている点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。放電ランプ1Fの口金部26Fを図3の取り付け装置31に装着した場合、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、切り欠き部26Fk及び溝部F1等を介して軸部26bの表面を凹部26f側に流れるため、放電ランプ1Fは効率的に冷却される。
【0084】
次に、図12(C)の放電ランプ1Gは、その口金部26Gの軸部26bのフランジ部26aの近傍に切り欠き部26cが形成され、この切り欠き部26cに連通するように、軸部26bの表面に回転方向が異なる2つの螺旋状の溝部26d及び26Gdが交差して形成されている点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。
一方、図12(D)の放電ランプ1Hは、その口金部26Hの軸部26bのフランジ部26aの近傍に切り欠き部26cが形成され、この切り欠き部26cに連通するように、軸部26bの表面に多条ねじ(本例では2条ねじ)状に螺旋状の複数の平行な溝部26Hdが形成されている点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。これらの放電ランプ1G(又は1H)は、2つの溝部26d,26Gd(又は複数の溝部26Hd)に沿って冷却された気体が流れるため、特に冷却効果に優れている。
【0085】
次に、図13(A)の放電ランプ1Iは、その口金部26Iの軸部26bの先端部の図
3の固定用アーム55A等によって付勢される部分のうち、被押圧面26Igがガラス管25Aの長手方向に垂直な平面に対して緩やかに傾斜している点と、被押圧面26Igとともに固定部26hを挟む面取り部26Iiが、被押圧面26Igとほぼ対称に緩やかに傾斜している点とが、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。その放電ランプ1Iの口金部26Iを図3の取り付け装置31に装着したときに、被押圧面26Igに対する固定用アーム55A等からの付勢力を高めることができる場合がある。この場合には、放電ランプ1Iをより安定に保持できる。
【0086】
一方、図13(B)の放電ランプ1Jは、その口金部26Jの被押圧面26Jgが、図13(A)の被押圧面26Igとは逆方向に傾斜して、固定部26hがお椀型である点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。図3の固定用アーム55A等の支持方法等によっては、その放電ランプ1Jの口金部26Jを図3の取り付け装置31に装着したときに、被押圧面26Jgに対する固定用アーム55A等からの付勢力を高めることができる場合がある。この場合にも、放電ランプ1Jをより安定に保持できる。
【0087】
また、図13(C)の放電ランプ1Kは、その口金部26Kの固定部26Khの形状が小さい点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。これによって、図3の取り付け装置31の構成を小型化できる場合がある。
次に、図14(A)の放電ランプ1Lは、その口金部26Lの軸部26bのフランジ部26aの近傍に切り欠き部26cが形成され、この切り欠き部26cに連通するように、軸部26bの表面に回転方向が異なる2つの多条ねじ(例えば2条ねじ等)の螺旋状の複数の溝部26Ld及び26Hdが交差して形成されている点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。
【0088】
一方、図14(B)の放電ランプ1Mは、その口金部26Mの軸部26bのフランジ部26aの近傍に切り欠き部26cが形成され、この切り欠き部26cに連通するように、軸部26bの表面に多条ねじ(例えば2条ねじ)状の螺旋状の複数の平行な溝部26Ldと、多条ねじ(例えば3条ねじ)状で長いピッチの螺旋状の複数の平行な溝部26Mdとが交差するように形成されている点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。これらの放電ランプ1L及び1Mによれば、冷却用媒体が流れる溝部が増加しているため、特に冷却効果に優れている。
【0089】
次に、図15(A)の放電ランプ1Nは、その口金部26Nの軸部26bの先端部の図3の固定用アーム55A等によって付勢される部分において、3箇所の固定部26h1,26h2,26h3が設けられている点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。その放電ランプ1Nの口金部26Nを図3の取り付け装置31に装着したときに、図6の3箇所の固定用アーム55A〜55Cがそれぞれ固定部26h1〜26h3を長手方向に付勢するため、放電ランプ1Nが取り付け装置31に安定に保持される。この場合には、図11(B)の放電ランプ1B等に比べて、口金部26Nを軽量化できる。
【0090】
一方、図15(B)の放電ランプ1Oは、その口金部26Oの軸部26bの表面が矩形状の多数の凸部26nを除いて凹部26mとされている点が、図11(A)の放電ランプ1Aと異なっている。図15(B)のAA線に沿う断面図である図16(A)に示すように、口金部26Oの軸部26bの凸部26nの間は溝部となっている。その結果、放電ランプ1Oの口金部26Oを図3の取り付け装置31に装着した場合、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、その軸部26bの凸部26nの間の溝部を流れて、放電ランプ1Oが効率的に冷却される。この場合、凸部26nの数を少なくすることにより流通抵抗を小さくでき、供給される気体の流量を多くしたい状況により適している。
【0091】
次に、図15(C)の放電ランプ1Pは、その口金部26Pの軸部26bのフランジ部26aの近傍(本例ではフランジ部26aに接する位置)にリング状の切り欠き部26Pc(溝部)が形成され、この切り欠き部26Pcに連通するように、軸部26bの内部を通過するように、かつフランジ部26a(切り欠き部26Pc)から凹部26fに至るように長手方向Lに平行に複数の貫通穴よりなる流体路26Pdが備えられている(本例では、形成されている)点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。各流体路26Pdはそれぞれ切り欠き部26Pcに連通する開口P1と、凹部26f(面取り部26e)に連通する開口P2とを有している。図15(C)のBB線に沿う断面図である図16(B)に示すように、口金部26Pの軸部26bにおいて、複数の流体路26Pdはほぼ同一円周上に配置されている。その結果、放電ランプ1Pの口金部26Pを図3の取り付け装置31に装着すると、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、切り欠き部26Pc及び複数の流体路26Pdを介して軸部26bの内部を凹部26f側に流れるため、放電ランプ1Pは効率的に冷却される。
【0092】
一方、図15(D)の放電ランプ1Qは、その口金部26Qの軸部26bのフランジ部26aの近傍の内部にリング状の切り欠き部26Rc(図17参照)が形成され、この切り欠き部26Rcに連通して軸部26bの内部を通過するように、かつフランジ部26a近傍から凹部26fに至るように、螺旋状に流体路26Qdが備えられている(本例では、形成されている)点が、図11(B)の放電ランプ1Bと異なっている。流体路26Qdの一端は、(切り欠き部26Rcを介して)フランジ部26aの近傍の軸部26bの表面に設けられた開口Q1に連通し、流体路26Qdの他端は凹部26f(面取り部26e)に設けられた開口Q2に連通している。図15(D)のCC線に沿う断面図である図16(C)に示すように、流体路26Qdは、口金部26Qの軸部26bの内部を周回している。その結果、放電ランプ1Qの口金部26Qを図3の取り付け装置31に装着すると、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体が、開口Q1、軸部26bの内部の流体路26Qd、及び開口Q2を介して凹部26f側に流れるため、放電ランプ1Qは効率的に冷却される。
【0093】
なお、図15(D)の放電ランプ1Qの口金部26Qを製造する場合には、一例として、図17に示すように、外側面に切り欠き部26Rc及び螺旋状の流体路26Qdが形成された軸部26Rbと、この軸部よりも僅かに断面形状が小さい固定部26Rhとを備えた棒状の主口金部26Rの外面に対して、円筒状で上端近傍に開口Q1が形成された副口金部26Sを嵌合させた後、例えば一例として口金部26R及び26Sを溶着させればよい。なお、固定方法として、ネジ止めや接着するようにしても良い。
なお、流体路26Qdは、口金部26Qの外側面ではなく、副口金部26Sの内側面に形成してもよい。
【0094】
次に、図18(A)の口金部26AAを持つ放電ランプ1AAは、図11(A)の放電ランプ1Aの軸部26bに対して、長手方向と直交する方向の断面形状が互いに異なる2つの部分を備えている点が異なっている。すなわち、図18(A)に示すように、放電ランプ1AAの口金部26AAには、図11(A)の軸部26bに比べて、長手方向の長さが短い嵌合部としての軸部分26b1と、その下部の小径部26kまでの間に軸部26b1よりも直径(長手方向と直交する方向における外形形状)の小さい円柱状のロッド部26b2とが形成されている。
【0095】
長手方向におけるロッド部26b2の長さは、軸部分26b1の長さに比べて長く、さらには、ロッド部26b2の表面積は、軸部分26bの表面積に比べて広い。
これに伴い、口金部26AAを図3の取り付け装置31に装着したときに、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体(冷却用
媒体)が、冷却部として作用するロッド部26b2の表面に流れるように、通気孔50cは、ロッド部26b2のうち、軸部分26b1の近傍に対向するように配置される。そして、通気孔50cから供給された気体は、ロッド部26b2の軸部分26b1側から小径部26kに向かって流れる。本実施形態の放電ランプ1AAを取り付け装置31に装着する場合には、予め通気孔50cの位置がロッド部26b2に対向するように調整しておけばよい。なお、本実施形態では、通気孔50cから供給される気体は、直接、軸部分26b1に接触することがないが、ロッド部26b2を介して、軸部分26b1を冷却することが可能である。この他の構成は、図11(A)の放電ランプ1Aと同様である。
【0096】
この結果、放電ランプ1AAの口金部26AAを図3の取り付け装置31に装着したときに、短い軸部分26b1によって放電ランプ1AAの位置決めが行われるとともに、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cに供給された冷却された気体(冷却用媒体)が、口金部26AAのロッド部26b2の表面に送風される。これによって、口金部26AAひいては放電ランプ1AAが効率的に冷却される。
なお、図18(B)の放電ランプ1ABの口金部26ABで示すように、軸部26bの下方のロッド部26b2の表面に螺旋状の溝部26Adを形成してもよい。これによって、ロッド部26b2の気体との接触面積が大きくなるため、口金部26ABに対する冷却効果が大きくなる。
【0097】
図18(A)の口金部26AAにおいて、ロッド部26b2の直径と小径部26fの直径を同じに形成してもよい。
また、ロッド部26b2の表面には、図11(A)〜(D)、図12(A)〜(D)、図14(A)、(B)、図15(A)、(B)の軸部26bに形成された立体構造を適用できることは言うまでもない。
図18(A)、(B)の放電ランプ1AA、1ABでは、取り付け装置31の円筒部材52に嵌合する部分(軸部分26b1)に、溝が形成されていなくともロッド部26b2の表面に送風される気体によって、効率的に冷却することができる。
【0098】
次に、図2、図11〜図16、及び図18の放電ランプ1及び放電ランプ1A〜1Qは、発光部を形成するガラス管25(又は25A)と、このガラス管に連結された口金部26(又は26A〜26Q)とを備えた放電ランプであって、その口金部は、長手方向L(第1の方向)に平行な第1の軸に沿ってそのガラス管から離れる方向に、順に、その第1の軸を中心とする第1の半径(R1とする)以上の半径を有する円盤形状を包含する形状を有するフランジ部26a(又は26Da)と、その第1の軸を中心とするその半径R1より小さな第2の半径(R2とする)を有する円柱形状に外接する形状を有する軸部26bとを有するとも言うことができる。さらに、それらの放電ランプは、その第1の軸を中心としてその半径R2より小さな第3の半径(R3とする)を有する円柱形状を包含する形状を有する小径部26kと、その第1の軸を中心として、その半径R1より小さくかつその半径R3より大きな第4の半径(R4とする)を有する円盤形状を包含する形状を有する付勢対象となる部分(被押圧面26g(26Ig等)及び固定部26h(26h1〜26h3等)を含む部分)と、を有するとともに、その軸部26bの外周またはその近傍に、その軸部26bと空気(雰囲気気体)との接触面積を増大せしめるための立体的な構造としての溝部26d等(又は流体路26Pd,26Qd等)を有するとも言うことができる。
【0099】
この場合、図9の送風装置71から図3の位置決め板50の通気孔50cを介してその立体的な構造の周囲又は内部に冷却された気体(又は液体)を供給することで、その軸部26b、ひいては放電ランプを効率的に冷却できる。
この場合、フランジ部26a等、及び付勢対象となる部分が、円盤形状を包含する形状を有するとは、それらの外面の少なくとも一部が円盤形状に内接するとともに、それらの
内部に貫通孔(ねじ穴を含む)又は開いた穴等が形成されていてもよいことを意味する。また、その軸部26bがその円柱形状に外接するとは、軸部26bの形状が、その円柱形状に対しその半径方向に、はみ出さない形状であって、かつ軸部26bの外形端(外側面)が、複数箇所で、その円柱形状の側面に接することを言う。また、その立体的な構造が、その軸部26bと空気との接触面積を増大せしめるとは、その軸部26bの空気との接触面積を、その半径R2を有する円柱形状の側面よりも大きくすることを言う。この場合、その立体的な構造がその軸部26b内に設けられる流体路26Pd,26Qdであるときには、その立体的な構造が、その軸部26bと空気との接触面積を増大せしめるとは、その軸部26bの側面の面積と、その流体路26Pd,26Qdの内面の面積との和が、その半径R2を有する円柱形状の側面の面積よりも、大きくなることを言う。
【0100】
また、その立体的な構造が、図2(A)の螺旋状の溝部26d、図11(C)の縦方向の溝部26Cd、図15(B)の多数の凸部26nのような、軸部26bの外周に設けられた凹凸形状である場合には、その加工が容易である。
また、立体的な構造が、図15(C)、(D)の流体路26Pd,26Qdのような軸部26bの内部に設けられた流体路である場合には、放電ランプ1P,1Qの口金部26P,26Qの軸部26bと図3の取り付け装置31の円筒部材52との接触面積を増大させて、口金部26P,26Qをより安定に保持できるとともに、放電ランプ1P,1Qの冷却も効率的に行うことができる。
【0101】
また、図15(C)、(D)に示すように、軸部26bのフランジ部26aの近傍の外側面及び軸部26bの小径部26k側の端部の近傍に、それぞれ流体路26Pd,26Qdに連通する開口P1,Q1及び開口P2及びQ2が形成された場合には、フランジ部26aから凹部26fに至る軸部26bのほぼ全体を効率的に冷却できる。
なお、上述した立体的な構造は、取り付け装置31に放電ランプが装着された際に、冷却用の媒体(例えば、気体)が接触する冷却部と言うことができる。この冷却部は、立体的な構造に限らず、図18(A)のロッド部26b2のように、嵌合部としての軸部分26b1の直径よりも小さい直径で形成され、かつなだらかな表面を有するものも含まれる。
【0102】
さらに、図2、図11〜図16、及び図18の放電ランプ1及び放電ランプ1A〜1Qは、長手方向に伸びるように形成されたガラス管25(又は25A)と、このガラス管の長手方向側の端部に、一端部が連結された口金部26(又は26A〜26Q)とを備えた放電ランプである。さらに、口金部に設けられたフランジ部26aは、長手方向と直交する方向に突出して形成されていると言うことができる。また、嵌合部26bは、フランジ部26aと口金部26の開放端(ガラス管に連結された端部を一端部と定義したので、ここでは、他端部と言うこともできる)との間に設けられ、長手方向と直交する方向に関する外形形状がフランジ部26aの外形形状よりも小さい形状を有すると言うことができる。なお、本実施形態では、長手方向と直交する方向に関して、フランジ部の外形形状は円形であり、また、嵌合部26bの外形形状も円形である。
【0103】
また、小径部26kは、フランジ部26aと口金部26の開放端との間に設けられ、長手方向と直交する方向に関する外形形状が嵌合部26bよりも小さい形状を有すると言うことができる。また、固定部26hは、フランジ部26aと口金部26の開放端との間に設けられ、長手方向と直交する方向に関する外形形状がフランジ部26aの外形形状より小さく、かつ小径部26kよりも大きい形状を有すると言うことができる。 また、上記の実施の形態の投影露光装置は、露光光源、複数のレンズ等から構成される照明光学系、及び投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をして、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。なお、その投
影露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0104】
本実施形態によれば、取り付け装置(保持装置)31の切替用リンク機構(切替機構)63によって、その固定用アーム(付勢部材)によるその放電ランプの固定部(被付勢部)26hに対する押圧を解除するのみで、その取り付け装置31に対するその放電ランプの取り外し及び装着を容易に短時間に行うことができる。また、その切替用リンク機構63によって、その固定用アームによるその固定部26hに対するその第1方向への押圧を開始するだけで、容易にその放電ランプは、目標とする範囲内のほぼ一定の押圧力でその取り付け装置31に固定される。また、その気体供給装置から媒体を供給すると、その媒体がその口金部材の表面に沿ってその固定部26h側に流れるため、簡単な機構で放電ランプの冷却を効率的に行うことができる。
【0105】
なお、上記の実施形態の露光装置を用いて半導体デバイス等のマイクロデバイスを製造する場合、マイクロデバイスは、図19に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の投影露光装置(露光装置)によりマスク(レチクル)のパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、並びに検査ステップ206等を経て製造される。
【0106】
なお、本発明の光源装置は、上述のステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー等)の他に、ステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の投影露光装置(スキャニング・ステッパー等)の露光光源にも適用できる。また、本発明の光源装置は、国際公開第99/49504号パンフレット、国際公開第2004/019128号パンフレット等に開示される液浸型露光装置の露光光源にも適用することができる。また、本発明の光源装置は、投影光学系を使用しないプロキシミティ方式若しくはコンタクト方式の露光装置の光源装置、又は露光装置以外の機器の光源にも適用することができる。
【0107】
なお、上述の実施形態においては、転写用のパターンが形成されたレチクル(マスク)を用いたが、このレチクルに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターンまたは反射パターンを形成する電子マスクを用いてもよい。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子やプラズマディスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックスウエハ上に転写する露光装置、並びに撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems)、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置及びEUV露光装置などで使用されるマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
【0108】
また、例えば、図13(A)、(B)、(C)の固定部26hの被押圧面の形状をその他の各放電ランプに適用することが可能である。
このように本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。また、明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約を含む2006年9月1日付け提出の日本国特願2006−237252、2007年1月15日付け提出の日本国特願2007−006462、及び2007年5月11日付け提出の日本国特願2007−127451の全ての開示内容は、そっくりそのまま引用して本願に組み込まれている。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明によれば、保持装置(取り付け機構)に対する放電ランプの装着等を容易に短時間に行うことができる。また、簡単な機構で放電ランプの冷却を効率的に行うことができるため、露光装置の露光光源等に好適である。
【符号の説明】
【0110】
1,1A〜1Q…放電ランプ、2…楕円鏡、25,25A…ガラス管、25a…バルブ部、25b…棒状部、26,26A〜26Q…口金部、26a…フランジ部、26b…軸部、26d…溝部、26Pd…流路、26f…凹部、26h…固定部、28…口金部、28f…溝部、29…固定板、30…露光光源、31…取り付け装置、32…絶縁板、33A,33B…電力ケーブル、34…電源、36…底板、37A〜37C…ガイド部材、41…移動部材、42A〜42C…連結部材、44A〜44C…圧縮コイルばね、45…上板、46A,46B…フレーム、47A,47B,47C…パネル板、48A,48B…昇降部材、50…位置決め板、52…円筒部材、55A〜55C…固定用アーム、63…切替用リンク機構、64…回転レバー部、65…可動ロッド、67A,67B…リンク、69A,69B…ローラ、70A,70B…ピン、71…送風装置、73…配管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部を有するガラス部材と、前記ガラス部材に一端部が連結され、第1方向に延びるように形成された口金部材とを備えた放電ランプであって、
前記口金部材は、
前記一端部側に形成されたフランジ部と、
前記フランジ部と前記口金部材の他端部との間に形成され、前記第1方向と直交する方向の外形形状が、前記フランジ部の外形形状より小さい第1軸部と、
前記第1軸部と前記口金部材の他端部との間に設けられ、前記第1方向と直交する方向の外形形状が、前記フランジ部及び前記第1軸部の外形形状より小さい第2軸部とを有することを特徴とする放電ランプ。
【請求項2】
前記第2軸部と前記口金部材の他端部との間に設けられ、前記第1方向と直交する方向の外形形状が、前記フランジ部、前記第1軸部及び前記第2軸部の外形形状より小さい第3軸部を有することを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
【請求項3】
前記第3軸部と前記口金部材の他端部との間に設けられ、前記第1方向と直交する方向の外形形状が、前記フランジ部及び前記第1軸部の外形形状より小さく、かつ前記第2軸部及び前記第3軸部より大きい第4軸部を有することを特徴とする請求項2に記載の放電ランプ。
【請求項4】
前記第2軸部は、前記第1方向に伸びる円柱形状で形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放電ランプ。
【請求項5】
前記第2軸部は、前記口金部材の前記一端部側から前記他端部側に向かう溝部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放電ランプ。
【請求項6】
前記溝部は、螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の放電ランプ。
【請求項1】
発光部を有するガラス部材と、前記ガラス部材に一端部が連結され、第1方向に延びるように形成された口金部材とを備えた放電ランプであって、
前記口金部材は、
前記一端部側に形成されたフランジ部と、
前記フランジ部と前記口金部材の他端部との間に形成され、前記第1方向と直交する方向の外形形状が、前記フランジ部の外形形状より小さい第1軸部と、
前記第1軸部と前記口金部材の他端部との間に設けられ、前記第1方向と直交する方向の外形形状が、前記フランジ部及び前記第1軸部の外形形状より小さい第2軸部とを有することを特徴とする放電ランプ。
【請求項2】
前記第2軸部と前記口金部材の他端部との間に設けられ、前記第1方向と直交する方向の外形形状が、前記フランジ部、前記第1軸部及び前記第2軸部の外形形状より小さい第3軸部を有することを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
【請求項3】
前記第3軸部と前記口金部材の他端部との間に設けられ、前記第1方向と直交する方向の外形形状が、前記フランジ部及び前記第1軸部の外形形状より小さく、かつ前記第2軸部及び前記第3軸部より大きい第4軸部を有することを特徴とする請求項2に記載の放電ランプ。
【請求項4】
前記第2軸部は、前記第1方向に伸びる円柱形状で形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放電ランプ。
【請求項5】
前記第2軸部は、前記口金部材の前記一端部側から前記他端部側に向かう溝部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放電ランプ。
【請求項6】
前記溝部は、螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の放電ランプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−253045(P2012−253045A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−214262(P2012−214262)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2010−123636(P2010−123636)の分割
【原出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2010−123636(P2010−123636)の分割
【原出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]