説明

放電用電極基材

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機の感光体帯電装置、電気集塵装置、或いはエレクトレット処理装置などに使用できる放電用電極基材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から複写機の感光体帯電装置の電極として、コロトロンなどのワイヤーが用いられていた。しかしながら、このようなワイヤーを使用すると、4〜8キロボルトの高電圧を印加して放電させる必要があるため、トナー、紙粉及びほこりなどが静電気的に付着しやすく、使用するにつれて、放電が不均一になるなど、放電性の低下が大きいという問題があった。また、これらワイヤーからの放電性を上げるために、このワイヤーを取り囲むようにシールド電極を設けるのが一般的であるが、このシールド電極にも放電するため、感光体への実際の放電電流は5〜30%程度と低く、放電効率の点でも問題があった。更に、前述のように、高電圧を印加するため、電源が大型化することに加えて、ワイヤーを取り囲むようにシールド電極を設ける必要があるため、これら電極関連の占めるスペースが広く、複写機を小型化できないという問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、放電性の低下が小さく、均一に効率良く放電でき、省スペース化できる放電用電極基材を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の放電用電極基材(以下、電極基材ということがある)は、被帯電物と離して設置する放電用電極に用いられる、次式より求められる繊維端部数が20万個/cm3以上である電子共役系ポリマーにより導電性を付与した導電性繊維シート(植毛したものを除く)

ただし、Mは繊維シートの目付(g/cmDは繊維シートの厚さ(cm)ρは繊維の比重Sは繊維の断面積(cmLは繊維長(cm)を表す。および、被帯電物と離して設置する放電用電極に用いられる、植毛したものである繊維シートであって、次式より求められる繊維端部数が20万個/cm3以上である電子共役系ポリマーにより導電性を付与した導電性繊維シート■1cm当りに相当する繊維数が端数を有する場繊維端部数(個/cm3)=A×B×2+A■1cm当りに相当する繊維数が端数のない場合繊維端部数(個/cm3)=A×B×2ただし、Aは1cm当りの植毛数(本/cmBは1cm当りに相当する繊維数の整数部からなる。
【0005】
【作用】本発明の電極基材は、被帯電物と離して設置する放電用電極に用いられる、次式より求められる繊維端部数が20万個/cm3以上である電子共役系ポリマーにより導電性を付与した導電性繊維シート(植毛したものを除く)

ただし、Mは繊維シートの目付(g/cmDは繊維シートの厚さ(cm)ρは繊維の比重Sは繊維の断面積(cmLは繊維長(cm)を表す。および、被帯電物と離して設置する放電用電極に用いられる、植毛したものである繊維シートであって、次式より求められる繊維端部数が20万個/cm3以上である電子共役系ポリマーにより導電性を付与した導電性繊維シート■1cm当りに相当する繊維数が端数を有する場合繊維端部数(個/cm3)=A×B×2+A■1cm当りに相当する繊維数が端数のない場合繊維端部数(個/cm3)=A×B×2ただし、Aは1cm当りの植毛数(本/cmBは1cm当りに相当する繊維数の整数部であり、被帯電物に対して作用できる繊維端部数が多いため、均一に放電し、しかも低電圧で放電でき、トナー、紙粉及びほこりなどが静電気的に付着しにくいので、放電性の低下が小さい。また、シールド電極を使用しなくても容易に放電し、電極基材と近接する被帯電物に放電するため、放電効率も優れている。このように、本発明の電極基材は、低電圧で容易に放電を生じるため、電源を小型化でき、しかもシールド電極を設ける必要もないので、省スペース化できるものである。
【0006】本発明の導電性繊維シートは電子共役系ポリマーにより導電加工した繊維をシート状に形成したものでも良いし、再生繊維、半合成繊維、合成繊維、無機繊維、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維などの繊維から繊維シートを形成した後、この繊維シートを電子共役系ポリマーにより導電加工して得られるものであっても良い。以下、後者の繊維シートを電子共役系ポリマーによ導電加工して導電性繊維シートを得る場合をもとに説明する。
【0007】これら繊維の繊維径は14μm以下、より好ましくは10μm以下であると、より放電しやすいので好適に使用できるが、繊維径が0.1μm未満であると、耐久性に劣るので、0.1μm以上、より好ましくは1μm以上であるのが好ましい。なお、この範囲の繊維径を有する繊維は、機械的および/または化学的処理を施すことにより繊維を分割する方法によっても得ることができる。
【0008】この繊維の繊維径は繊維断面において最も長く採ることのできる直線の長さをいう。例えば、繊維断面が楕円形の場合には長軸の長さであり、繊維断面が三角形の場合には最も長い辺の長さであり、四角形の場合には対角線の長い方の長さといった具合である。また、様々な繊維径をもった繊維が混在する場合には、各々の繊維の数量比率によって平均した値を繊維径という。例えば、繊維径20μmの繊維70%と繊維径10μmの繊維30%の混在した繊維シートの繊維径は、17(=20×0.7+10×0.3)μmである。
【0009】前述の分割できる繊維としては、例えば、一成分中に他成分を島状に配置した断面をもつ海島型繊維、異なる成分を交互に層状に積層した断面をもつ多重バイメタル型繊維、或いは一成分を他成分中に放射状に配した断面をもつ菊花型繊維がある。この分割可能な繊維を構成する樹脂成分の組み合わせとして、例えば、ポリアミド系樹脂とポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂とポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂とポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂とポリアクリロニトリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂とポリアクリロニトリル系樹脂などがある。
【0010】以上のような繊維が使用されるが、導電性繊維を使用して繊維シートを形成すれば、本発明の電極基材となり、導電性のない繊維を使用する場合には、繊維シートを形成した後に導電加工することにより、本発明の電極基材となる。
【0011】この繊維シートが繊維端部数を多く有する不織布や植毛布であると、被帯電物に対して多くの繊維が作用でき、均一に放電しやすいため、好適に使用できる。
【0012】この不織布の製造方法としては、例えば、カード法、エアレイ法、湿式法などにより得られる繊維ウエブを、水流又はニードルを作用させることにより繊維同士を絡合する方法、接着剤により結合する方法、構成繊維の融着により結合する方法などがある。これらの中でも、湿式法によって得られた繊維ウエブを水流で絡合した不織布は、繊維が均一に配置しており、しかも密度が大きく、繊維端部数が多いため、好適に使用できる。なお、前述の分割できる繊維を使用すると、水流或いはニードルパンチによって繊維同士を絡合すると同時に、繊維を分割できるという、製造工程上の利点がある。
【0013】以上のようにして得られた繊維シートのうち、導電性のない繊維を使用した場合、繊維シートに導電加工して電極基材を得る。本発明の電極基材は表面抵抗が1×100〜1×109Ω/□であるのが好ましい。表面抵抗が1×100Ω/□未満であると、部分的に火花放電が生じやすく、均一に安定した放電が生じにくく、表面抵抗が1×109Ω/□を越えると、高電圧を印加させる必要が生じるため、トナー、紙粉やほこりなどを付着しやすく、放電性が低下するばかりでなく、仮に電極基材に欠陥がある場合や異物が付着していた場合には、火花放電が生じる可能性があるためである。より好ましい表面抵抗は1×102〜1×106Ω/□であり、最も好ましい表面抵抗は1×102〜1×104Ω/□である。
【0014】繊維シート又は繊維の導電加工方法は、電子共役系ポリマーによる被覆処理などがある。電子共役系ポリマーによる被覆処理は、得られる導電性繊維シートの表面抵抗を前記の範囲内の値にすることが容易であるため、好適に使用できる。
【0015】この電子共役系ポリマーにより導電性を付与する方法としては、例えば、塩化鉄(III)、塩化銅(II)などの酸化剤を含む溶液を、繊維シート又は繊維に含浸した後、モノマーに接触させることにより重合させる方法がある。また、モノマーとの接触方法は、モノマーが液体状態の場合、酸化剤の付着した繊維シート又は繊維にモノマーを含浸したり、塗布したり、スプレーすれば良く、モノマーが気体状態の場合、モノマーで充填した容器内に、酸化剤の付着した繊維シート又は繊維を載置すれば良い。
【0016】この重合させるモノマーとしては、例えば、ピロール、アセチレン、ベンゼン、アニリン、フェニルアセチレン、フラン、チオフェン、インドール及びこれらモノマーの誘導体などがある。これらの中でも、ピロールは導電性、重合性に優れ、均一に導電性を付与できるため、特に好適に使用できる。
【0017】以上のようにして得られた導電性繊維シートの繊維端部数は20万個/cm3以上である必要がある。繊維端部数が20万個/cm3未満であると放電しにくいため、高電圧を印加する必要があったり、放電しても、被帯電物を均一に帯電できないためである。より好ましくは、50万個/cm3以上であり、最も好ましくは、100万個/cm3以上である。なお、この繊維端部数とは1cm3あたりにおける繊維の端部個数であり、1本の繊維は両端に2個の端部を有していることになる。
【0018】この繊維端部数は、導電性繊維シート1cm3における総繊維長を、構成する繊維の長さで除して求めた繊維本数を、2倍することにより得ることができる。例えば、繊維シート(植毛したものを除く)を導電加工した導電性繊維シート(植毛したものを除く)の場合、下記の式により求めることができる。


式中、Mは繊維シートの目付(g/cm)、Dは繊維シートの厚さ(cm)、ρは繊維の比重、Sは繊維の断面積(cm)、Lは繊維長(cm)を表す。
【0019】なお、繊維シートが複数種類の繊維からなる場合には、その重量比率によって目付を分配して、各々の繊維に関して繊維端部数を計算し、その和を繊維端部数を計算する。例えば、目付50g/m、厚さ5mmの繊維シートを構成する繊維が、比重1.38、繊維半径3μm、繊維長5mmのポリエステル繊維40重量%と、比重1.14、繊維半径4μm、繊維長10mmのポリアミド繊維60重量%とからなる場合、繊維端部数は、0.005×2×0.4/{0.5×π×1.38×(3×10-42×0.5}+0.005×2×0.6/{0.5×π×1.14×(4×10-42×1.0}=41,000+21,000=62,000となる。
【0020】また、繊維シートが植毛したものである場合には、1cm当りの植毛数に、1cm当りに相当する繊維数の2倍を乗じた数を繊維端部数とする。例えば、1cm当りの植毛数が2万で、繊維長が0.5mmである場合には、1cm当りに相当する繊維数は20(=1/0.05)本であるので、繊維端部数は80万(=20,000×20×2)個/cm3となる。また、1cm当りの植毛数が2万で、繊維長が0.8mmである場合には、1cm当りに相当する繊維数は12.5(=1/0.08)本であるので、繊維端部数は、50万(=20,000×12×2+20,000)個/cm3となる。このように、1cm当りに相当する繊維数が端数を有する場合には、繊維の一方の端部のみが放電に関与できるとする。
【0021】本発明の電極基材は、例えば複写機の感光体帯電装置、電気集塵装置、或いはエレクトレット処理装置などに使用できる。なお、本発明の電極基材を使用する際には、例えば、シート状、ロール状、糸状などに加工した形態、或いは金属ロールなどの導電性基材に貼り合わせた形態で電極を形成する。
【0022】このように形成された電極は被帯電物とギャップを設けて設置し、直流電圧、サイン波、矩形波、パルス波などの交流電圧、或いはこの直流電圧と交流電圧との重畳電圧を印加する。なお、重畳電圧を印加する場合には、この電極に直流を印加した時の放電開始電圧の2倍以上であり、火花放電開始電圧以下の範囲内にピーク値を設定するのが好ましい。この重畳電圧のピーク値が放電開始電圧の2倍未満であると、例えば、感光体の帯電が不足し、反転現像系においては、全体的にトナーが多く付き過ぎて黒班点が多く、鮮明な画像が得にくく、他方、火花放電開始電圧を越えると、感光体の帯電が多くなり過ぎ、反転現像系においては、全体的にトナーが少なくなり過ぎて白抜き点が多く、鮮明な画像が得にくいためである。
【0023】なお、電極に直流を印加した時の放電開始電圧とは、電極を被帯電物とギャップを設けて設置して、徐々に直流電圧を上げていった時の、被帯電物に初めて電流が流れた時の電圧をいい、火花放電開始電圧とは、同様に設置した電極に直流電圧を印加していき、被帯電物に流れる電流が急激に増大する時の電圧をいう。そのため、これら放電開始電圧及び火花放電開始電圧は使用する電極によって変化するが、本発明の電極基材を使用した電極は、低電圧で放電を開始し、低電圧で火花放電を開始するため、放電性の低下が小さく、放電効率にも優れている。なお、低電圧で放電するため、オゾンの発生量も極めて少なく、感光体や周辺部品を酸化劣化させたり、人体への悪影響が少ないという利点もある。
【0024】以下に、本発明の実施例を記載するが、以下の実施例に限定されるものではない。なお、表面抵抗は表面抵抗計(三菱油化(株)製、ロレスタAP)を使用し、四端子法により測定した値である。
【0025】
【実施例】(実施例1)
ポリエステル繊維(繊維径3.2μm、繊維長5mm、比重1.38)100%を湿式法により繊維ウエブを形成した後、水圧95kg/cmの水流により絡合し、目付100g/m、厚さ0.6mmの不織布を得た。この不織布に30%濃度の塩化鉄(III)を含浸した後、ピロール溶液を蒸発させたピロールモノマーガスに接触させ、3.5g/mのポリピロールで被覆して、表面抵抗1.3×102Ω/□の電極基材を得た。この電極基材の繊維端部数は、600万個/cm3であった。
【0026】(実施例2)
ポリエステル成分(比重1.38、70重量%)を主体とし、このポリエステル成分を繊維の軸から放射状に伸びるポリアミド成分(比重1.14、30重量%)により8区分に分離した断面が菊花型の繊維(繊度2デニール、繊維長9.5mm)100%を、カーディングして繊維ウエブとした後、水圧95kg/cmの水流により絡合し、目付85g/m、厚さ0.68mmの不織布を得た。この不織布の繊維径は電子顕微鏡写真をもとに測定した値で、ポリエステル成分は平均8.3μmで、このポリアミド成分は平均13.3μmであり、平均繊維径は8.9μmであった。また、ポリエステル成分の断面積は2.4×10-7cmであり、ポリアミド成分の断面積は6.8×10-7cmであった。その後、この不織布を実施例1と全く同様にして、不織布全体を3.0g/mのポリピロールで被覆し、表面抵抗6.0×102Ω/□の電極基材を得た。この電極基材の繊維端部数は、66万個/cm3であった。
【0027】(実施例3)
繊維長が38mmである以外は実施例2と同じ菊花型の繊維100%を、カーディングして繊維ウエブとした後、水圧95kg/cmの水流により絡合し、目付85g/m、厚さ0.45mmの不織布を得た。その後、この不織布を実施例1と全く同様にして、不織布全体を3.0g/mのポリピロールで被覆し、表面抵抗2.0×102Ω/□の電極基材を得た。この電極基材の繊維端部数は、25万個/cm3であった。
【0028】(比較例1)
ポリエステル繊維(繊維径12.4μm、繊維長38mm、比重1.38)100%をカーディングして繊維ウエブとした後、水圧95kg/cmの水流により絡合し、目付80g/m、厚さ0.8mmの不織布を得た。その後、この不織布を実施例1と全く同様にして、不織布全体を3.0g/mのポリピロールで被覆し、表面抵抗4.1×102Ω/□の電極基材を得た。この電極基材の繊維端部数は3万個/cm3であった。
【0029】(比較例2)
比較例1と同じ繊維から、同様にして繊維ウエブを得た後、熱圧着して、目付52g/m、厚さ0.12mmの不織布を得た。その後、この不織布を実施例1と全く同様にして、不織布全体を2.0g/mのポリピロールで被覆し、表面抵抗3.2×102Ω/□の電極基材を得た。この電極基材の繊維端部数14万個/cm3であった。
【0030】(比較例3)
マイクロスパンボンド法により得た、平均繊維径2.5μmの6ナイロン(比重1.14)からなる繊維ウエブを、水圧95kg/cmの水流により絡合し、目付90g/m、厚さ0.48mmの不織布を得た。なお、繊維径は電子顕微鏡写真をもとに、10点の平均を計算した値である。その後、この不織布を実施例1と全く同様にして、3.0g/mのポリピロールで被覆し、表面抵抗3.0×103Ω/□の電極基材を得た。この電極基材の繊維端部数は0であった。
【0031】(比較例4)
比較例3と同じ繊維ウエブを全面的に熱圧着して、目付90g/m、厚さ0.43mmの不織布を得た。その後、この不織布を実施例1と全く同様にして、3.0g/mのポリピロールで被覆し、表面抵抗3.0×102Ω/□の電極基材を得た。この電極基材の繊維端部数は0であった。
【0032】(比較例5)
繊維径6μmのアクリルフィラメント糸(比重1.14)を使用した、目付120g/m、厚さ0.2mmの斜文織物を、実施例1と全く同様にして、2.0g/mのポリピロールで被覆し、表面抵抗5.0×104Ω/□の電極基材を得た。この電極基材の繊維端部数は0であった。
【0033】(帯電試験)
実施例1〜3及び比較例1〜5の電極基材を直径8mmの金属ロールシャフトに平巻きして電極を作成し、感光ドラムと0.5mmだけ離して、レーザービームプリンターに設置した。このプリンターに、−1キロボルトの直流電圧を印加して画像を形成させ、この画像の優劣を目視により判定した。この結果は表1に示すように、本発明の電極基材は低電圧でも放電が均一に生じ、感光ドラムを均一に帯電できることがわかる。
【0034】
【表1】


評価:印字部での白抜き点及び下地の黒斑点が全くない ・・A 印字部での白抜き点及び下地の黒斑点がほとんどない ・・B 印字部での白抜き点及び下地の黒斑点がややあるが、判読できる・・C 印字部での白抜き点及び下地の黒斑点が多く、判読しずらい ・・D 印字部での白抜き点及び下地の黒斑点が多く、判読できない ・・E
【0035】
【発明の効果】本発明の放電用電極基材は被帯電物と離して設置する放電用電極に用いられる、次式より求められる繊維端部数が20万個/cm3以上である電子共役系ポリマーにより導電性を付与した導電性繊維シート(植毛したものを除く)

ただし、Mは繊維シートの目付(g/cmDは繊維シートの厚さ(cm)ρは繊維の比重Sは繊維の断面積(cmLは繊維長(cm)を表す。および、被帯電物と離して設置する放電用電極に用いられる、植毛したものである繊維シートであって、次式より求められる繊維端部数が20万個/cm3以上である電子共役系ポリマーにより導電性を付与した導電性繊維シート■1cm当りに相当する繊維数が端数を有する場合繊維端部数(個/cm3)=A×B×2+A■1cm当りに相当する繊維数が端数のない場合繊維端部数(個/cm3)=A×B×2ただし、Aは1cm当りの植毛数(本/cmBは1cm当りに相当する繊維数の整数部からなるため、被帯電物に対して作用できる繊維が多いため、均一に放電でき、しかも低電圧で放電するため、放電性の低下が少なく、放電効率にも優れ、装置を小型化することのできるものである。更に、低電圧で容易に放電するため、オゾンの発生量も少なく、感光体や周辺部品を酸化劣化させることもなく、人体への悪影響も少ない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】被帯電物と離して設置する放電用電極に用いられる、次式より求められる繊維端部数が20万個/cm3以上である電子共役系ポリマーにより導電性を付与した導電性繊維シート(植毛したものを除く)からなることを特徴とする、放電用電極基材。


ただし、Mは繊維シートの目付(g/cmDは繊維シートの厚さ(cm)ρは繊維の比重Sは繊維の断面積(cmLは繊維長(cm)を表す。
【請求項2】被帯電物と離して設置する放電用電極に用
いられる、植毛したものである繊維シートであって、次式より求められる繊維端部数が20万個/cm3以上である電子共役系ポリマーにより導電性を付与した導電性繊維シートからなることを特徴とする放電用電極基材。■1cm当りに相当する繊維数が端数を有する場合繊維端部数(個/cm3)=A×B×2+A■1cm当りに相当する繊維数が端数のない場合繊維端部数(個/cm3)=A×B×2ただし、Aは1cm当りの植毛数(本/cmBは1cm当りに相当する繊維数の整数部

【特許番号】特許第3492722号(P3492722)
【登録日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【発行日】平成16年2月3日(2004.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−123412
【出願日】平成5年4月27日(1993.4.27)
【公開番号】特開平6−310257
【公開日】平成6年11月4日(1994.11.4)
【審査請求日】平成12年3月15日(2000.3.15)
【出願人】(000229542)日本バイリーン株式会社 (378)
【参考文献】
【文献】特開 昭62−168174(JP,A)
【文献】特開 昭62−168172(JP,A)
【文献】特開 昭57−185455(JP,A)
【文献】特開 昭57−64754(JP,A)
【文献】特開 平4−36999(JP,A)